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1953-03-11 第15回国会 参議院 決算委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年三月十一日(水曜日)    午後一時三十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            宮本 邦彦君            飯島連次郎君            成瀬 幡治君            カニエ邦彦君            岩男 仁藏君    委員            瀧井治三郎君            中川 幸平君            松平 勇雄君            宮田 重文君            加賀  操君            柏木 庫治君            伊達源一郎君            大野 幸一君            松永 義雄君            村尾 重雄君   政府委員    文部大臣官房会    計課長     小林 行雄君    文部省管理局長 近藤 直人君    厚生大臣官房会    計課長     太宰 博邦君    厚生省公衆衛生   局環境衛生部長  楠本 正康君    厚生省医務局長 曾田 長宗君    厚生省保険局長 久下 勝次君   事務局側    常任委員会専門    員       森 荘三郎君    常任委員会専門    員       波江野 繁君   説明員    会計検査院事務    総局検査第二局    長       上村 照昌君   —————————————   本日の会議に付した事件昭和二十五年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十五年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和二十五年度政府関係機関収入支  出決算内閣提出)   —————————————
  2. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) それでは只今から決算委員会を開会いたします。  本日は昭和二十五年度決算のうち、文部省関係を議題に供します。  第五百二十二号から五百二十九号までを一括して御審議を願います。先ず専門員から概略の説明を求めます。
  3. 森荘三郎

    専門員森荘三郎君) 五百二十五号と五百二十三号とは架空経理の問題でありますので、先般小委員会において審議が終了いたしました。次の五百二十四号は、予算を超えて薬品類を購入したという件でありまするが、各大学附属病院におきまして患者の数が非常に多かつた、そこへ物価騰貴のためにますます予算に不足を愬えた、併しながら病院のことでもありまするから、患者を診察しないとか薬をやらないとかいうようなことは到底できない、それで補正予算を請求したところが、多少は認められたけれどもその金額が甚だ小額であつたので到底費用が足りない、それで余儀なくその年度内薬品は買入れておいて翌年度予算でもつてその代金支払うというようなことになつたので、誠に遺憾ではありまするが事情御諒察を願いたいと、こういう問題であります。それにつきましてちよつと考えてみたことがありまするので、その刷物に書いておいたのでございますが、大学附属病院のようなものは、一方から見れば学術研究機関ではありますけれども、又経済的の側面から見ますれば一種企業のようなふうなもので、あたかも郵政事業などで郵便葉書或いは簡易保険などの売行きがよければ収入も多くなる代りには支出も多くなる、丁度病院などで患者に薬をやつたりするのがよく似たような事情でありまするが、事業量増加をした、従つて収入増加が一方にある、それに連れて当然支出増加を来たすというような場合には、その増加した収入の一部を支出のほうへ充てることができるというような弾力性を持つた予算を認めてもらうことが必要ではあるまいか。郵政事業とかその他現業方面におきましては、これが予算総則に明らかに認められてあります。ただ文部省大学附属病院或いは厚生省国立病院というようなものは一般会計の所属になつておりまするので、特別会計とは少し事情が違うかも知れませんけれども、併し財政法の中に一カ条書き加えさえすればすべてそれらの問題が解決するわけでありまするで、そういう点を考えなくてもよいかどうか。現に批難されている所を見ましても、東京大学附属病院京都大学附属病院というような一番立派な所が一番多額な金額批難を受けている。而もこの年ばかりでなくて従来からもこれに類する事件が挙つていたはずであります。従つて徒らに当局を責めるよりも、もう少し事の性質を考えて融通のきくような方法をとることがよいか悪いかということについて御審議願えれば有難いことと思うのでございます。  その次に、五百二十五号と五百二十六号とは経費年度区分紊つたということでありまするが、名古屋大学附属病院及び熊本大学附属病院において年度内工事が完了しなかつた。それにはいろいろな事情があつて余儀なく仕事が遅れたのでありまするが、年度繰越手続をとつておりますると、次の年度において非常に予算の示達が遅れる。そうすれば折角請負師のほうで早くその建物を完了しようと勢込んでおるものを阻止するような結果にもなるので、どうも止むを得ずこんな方法とつたということでありまして、票の省の場合などにもしばしば見るところの例なのであります。これにつきまして従来は財政法の上で予算繰越ということが非常にむずかしいことになつてつて、殆んど許されないものだというようなふうに世間で考えられておつたのでありまするが、近年になりまして、昨年でありましたか一昨年でありましたか、その繰越制度がよほど寛大な取扱いをされるということになつたのでありまするが、そういう取扱いがその後円滑に行われておるかどうか。余りに厳格なことを言うのもよし悪しではないか。そうかといつて勝手気儘手続もせずに年度区分を紊るということも勿論よいことではありません。その辺のところについて御研究を願つたら如何かと思うのでございます。  それから五百二十七号から五百二十九号というのは補助金交付の不当というのでありまするが、この補助金交付の不当につきましては検査報告に毎年、ここに記しました通り昭和二十二年度、二十三年度、二十四年度と引続き同様の事案が掲げられているのであります。先年、たしか二十四年度のときであつたかと思いまするが、当局にその事情を聞いてみましたところが、六・三制の学校建物を整備するというようなことのために補助金をやるのであるが、本省としてはこれを府県に任せてやる、ところが委任を受けた府県においてはこれを市町村に任せてやる、従つて実際問題を露骨な言葉で申しますると、市町村のほうからは自分の村や町が可愛いものでありまするから、建築がまだ十分進んでいないものでも、もうでぎ上つたようなふうに報告をして来る、県庁においても一々それを調べることもできないままに本省へそのまま取次ぎをする、本省においても全国各地市町村を一々調べるわけにも行かないからそのまま報告を受理しているというのが偽のない実情だというふうに聞いた記憶があるのでございます。何とか適当な方法がないものかと考えられるのでございます。  なお、文部省からはこれら不当事項につきまして極く最近の事情を御説明する材料として詳細なる印刷物を別に提出されておりまするから、御参照を願いたいと思います。  なお最後に、既往年度のものにつきまして処理状態がよろしくないというのが一件掲げられてあります。それは東京大学附属病院そのほか十八カ所で医薬費用収納未済相当多額にあるが、これがまだ全部は納入になつておらない。勿論これは健康保険組合などの財政困難のために、支払い遅延をしているのが原因でありまするが、こういうふうの共済組合とか健康保険組合などの財政困難による支払い遅延、これに対する救済策はないものかどうか、それらについて御審議願えれば結構かと存じます。
  4. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) じや、次に会計検査院のほうから。
  5. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 只今の五百二十四号でありますが、これは御説明がありましたように、予算より以上に物価が上るとか、或いは患者が殖えるということが主たる原因としてこういう事態が起つたわけでありまして、二十五年度のみならず二十六年度におきましても検査報告に掲示してございますが、五千四百万円くらいにわかつたところでは上つております。お話のようにこういうことは勿論会計法上は悪いことであります。併し患者を診察して投薬しないというわけにもいかないわけで、何とか打開策はないかということで、実は先ほど説明のありましたような弾力条項を設けたらいいのでないかというようなことも考えまして、二十六年度にそういう問題が起つておるものでありますから、文部省のほうの、実は係りのほうから協議いたしましたところが、予算単価が或る程度まで引上げられ、こういう種類のものは今後は大体なくなるだろうということで、そういうことであるならば、特にそういうふうな措置を講じなくてもやれるという見通しさえ付けば、今のままでもいいのじやないかということで実は話はそういうような状況になつております。  それから五百二十五号、六号、こういう種類のものは順次減つて来ておりまして、二十六年度には大体繰越も円滑に行つて、こういう事態も起つていないように見ております。  それから五百二十七号から五百二十九号までの補助金関係であります。これも大体年度内に完成することを条件としておられるので、補助金交付されても工事が着手されていないという甚だしいものを実は挙げておるのでありますが、二十五年度の千四百万円に対して二十六年度は、私のほうで検査した結果判明したところは約三千万円、多少殖えております。併しこれも繰越制度が或る程度簡易化されたということが徹底して、現在の状況では順次こういうものはなくなつて来るのではないかというふうに見ております。それから明年度収入関係の点で御意見のあつた点でありますが、健康保険組合或いは国民健康保険組合も入つておるかと思いますが、国民健康保険は御承知のように財政状態が非常に悪いというので、二十八年度においては特に予算的措置が講ぜられたと思つておりますが、健康保険組合がどの程度悪いかという実は実態を十分承知しておりませんので、この点については意見を申上げかねるわけであります。
  6. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 文部省側で何か附加えることはありますか。
  7. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 第五百二十四号の事案に関連いたしまして、先ほど専門員のかたが御指摘になりました事業が拡充され、収入が多くなつた場合にやはり歳出予算のほうもそれに比例して増加すべきではないか、そういうような弾力のある制度にするように考えたらどうだという御意見でございましたが、私どもも全くその点につきましては同感でございます。この点につきまして現在予算積算方法も或る程度そうした方法を実は取つておるのでございます。併し完全にそれが比例しておるというまでには実は至つておりませんで、大体病院歳入目標額病院歳出予算に或る程度の比率を掛けたものを歳入目標とすることに現在なつておるのでございます。なおこの点に関連いたしまして先ほどお話がございましたように、大学病院は医学の教育機関であり、又研究機関でもあると同時に、一般公衆対象とする公共診療機関でございますので、そういつた点からもつと企業的な運営をするというように考えたらどうだというお話でございますが、その点につきましては文部省といたしましても、関係の官庁と現在一緒になりまして、又病院経営責任者とも一緒になりまして、実は研究会作つて研究をいたしております。ただ御承知のように教育機関であり研究機関である一面と医療機関である一面と、これをはつきり截然と分けてしまうということがなかなか困難でございますし、又分けることによつて長所もあり又欠点もあるということでございますので、この研究につきましては相当時間がかかります。大学病院機構なり或いは施設なり或いは経理面にについても、大学病院の全般につきましてともかく一つのあるべき姿を出したいというので研究会をやり、又明年度におきましては経理実態調査等も行いまして、或いは必要があれば特別会計というようなことも一つの方策として考えるというようなことで研究中でございます。なお現在の制度のままで、将来こうした年度を越えて薬品を購入するというようなことのないように、先ほど検査院のほうから御指摘がございましたように、本年度補正予算で一億七千万円ばかり予算を獲得いたしました。又只今審議を願つております二十八年度予算におきましても、前年度に比べれば、三億六千万円ばかりの医療費増加を得るように予算案ができております半面、現在参議院で御審議中の二十八年度予算が通ることになりますれば、現在までにありました赤字も解消され、又将来こうした年度を越えて薬品を購入するというようなこともなくなるのではないかというふうに私ども考えておる次第でございます。  五百二十五号、五百二十六号の経費年度区分紊つたもの、この二つの事案に対しましては、文部省といたしましても、検査院から御指摘のあつた通りでございまして、いろいろ事情はございましたが、当然繰越をすべきものであるというふうに考えております。将来こうした事件が起らないように厳重に注意をいたしたいと思つております。  それから第五百二十七号から第五百二十九号までの一般公共事業費関係事案でございますが、その点につきましては専門員のかたからも又検査院からも御指摘がございましたように、当時はなかなかこの年度繰越というものができにくい状況にありましたために、府県或いは市町村でそうした手続をとらなかつた文部省といたしましてもこれは監督的な立場にありますので、十分注意はいたしておつたのでございますが、何分六・三制の関係建築費の件数というものが非常に多くございまして、二十五年度に例をとつてみますと二十五年度だけで約六千五百件という多数に上つたわけでございます。文部省といたしまして職員の能力の許す限り、又旅費の許す限り現地を見て監督はしておるようでございますが、大体府県から出た調書に基いて経理状況を見ておるというようなことでございますので、検査院から御指摘になりましたような事案が生じたのでございます。この点は誠に申訳ないと思つておりますが、その後年度事後繰越というものが或る程度緩和されて参りましたので、又文部省といたしましても相当早い時期から府県を通じましてそうしたものについては繰越しの手続をいたすように指導をいたしておりますので、今後につきましてはこうした事案も極めて少くなつて来るのではないかというふうに期待いたしておるわけでございます。
  8. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 御質疑は。
  9. 瀧井治三郎

    瀧井治三郎君 会計検査院のかたにお伺いしますが、この予算以上の薬品類を購入したというのでありますが、無論患者が多くて買つた場合も実は大部分だと思いますが、とにかく各病院では従来食糧費とか交際費とかいうものが非常に予算が少いので、それに充当するために空伝票薬品業者と結託して、そして相当薬品を納めておるというような形式の下にほかのほうに流用されておるというような例が全国的にある、これは現に京都府下におきましても警察より、殆んど府立といい市立といい国立といい、摘発された最近の例があるのです。そういうふうなことは全然ありませんですか。
  10. 上村照昌

    政府委員上村照昌君) 只今のようなことは国立にあるというようなお話で、この点或いはあつて私のほうの検査が徹底していないという嫌いがあるかもわかりませんが、ここで見ましたところは薬品を全部一応あたつておりますので、そういう種類のものは包含しておりません。
  11. 中川幸平

    中川幸平君 この案件いずれも会計検査院批難事項として御指摘になつたのは御尤もですけれども、そう悪質と思えるものもないから審議する案件ではないと思いますが、只今お話のありました病院経理の問題、これは滝井委員も言われたごとく非常に無理をやらなければならん場合も相当あると思うのです。又厚生省国立病院のお医者さんたちに聞いてもらつて相当厳にやつておるけれども何も報いられぬということも聞いておるので、何かやはり財政やり方を変えるということが至当でなかろうかと思うのですが、特別会計か或いは一種企業体でありますか。そうしてやはり適材の人たちが逃げて行かないように、そこに専念してやれるように特別の考慮を払うことが必要じやないか、全くこん、なに患者が多くて薬品が多く要つたの予算の修正を即刻求める手続もでき得ないというのも又そこに無理がある。又今言われた交際費賄費ども捻出する途もないというような窮屈な経理をそのままで放つておくということは果して適当であるかどうか、これは厚生省国立病院経理も皆同様だと思いますが、それらを一つ研究してその財政やり方を変えるというようなお考えはありませんか。お伺いたします。
  12. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) お答え申上げます。  先ほど申上げましたように大学病院運営と申しますか、経理歳入歳出バランス関係で、歳入が上つて来たような場合にはできるだけそれに伴つて歳出増加するような程度にいたしたい、これは文部省のみならず、又大学で実際病院におきまして診療に従事しておられる先生がたの中にもそういうお考えのかたがおられます。ただ具体的にどういうふうにこの制度を組立てたらその趣旨が達成されるかということで、先ほど申しましたようにいろいろ研究をいたしておるのでございます。ただ大学といたしましてはこれはすでに御承知と思いますが、附属病院だけが一般会計から抜けて特別会計になるようなことで、大学として混然一体運営ができるかどうか、確かに附属病院病院で、一般の大衆を対象といたします医療機関でございますが、同時に教育機関でもあり、又研究機関でもございますので、やはり大学といたしましては或る程度そこに大学の各学部との関係を調整しなければならんというような問題が起つて来るわけでございます。大学が学長の統制下に一体的な運営をするということのために、ただ国立病院と全く同じような経営でいいというように単純に言えない問題もございます。従つて機構の面につきましても、又経理の面につきましても慎重に今年度明年度におきまして研究をいたしまして結論を出したい、若しできるならば独立会計特別会計というようなふうにまあ持つて行くのも一つではないかというふうに考えております。それにいたしましても又特にこの制度を確立するために、大学病院実態を正確に把握しなければならんというので、全国の十九の大学病院について詳細な実態調査明年度に行うということに考えております。御指摘になりました御意見文部省といたしましても全く同感に存じておるところでございます。
  13. 中川幸平

    中川幸平君 もう一つお尋ねいたしますが、各大学病院予定患者数というか、大体予定があると思いますが、その予定を超過した場合には、賄費か何か、研究費を上げる制度はあるのですか、全然ないのですか。
  14. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 現在の予算の上におきましても、例えば法律とか或いは予算総則というようなものにそういうはつきりした制度ができておるというものはございませんのですが、併し歳出予算積算をいたします場合に、やはり歳入目標額歳出予算の額というものとのバランス考えております。その概要を申しますと、大体大学病院におきまする研究的な経費歳出予算から差引く、それから、これは要するに研究的な経費というものは、大学の医学部の教育的な機関としての経費が入つておりますが、それと同じように、病院には附属看護学校というものがございます。この看護学校生徒は一面看護婦の助手といたしまして、実際の診療面にも相当応援をする立場にもございます。併し、実際は生徒でございますので、この看護学校に関する経費の半分を差引いたものの七五%というものを大体現在予算上では歳入目標額にしておるというような組織をとつております。従つて病院収入との見合いということもかなり考えられておるのでございますが、併し制度上はつきりしたものがそういうふうにできておるということにはなつておりませんのであります。只今指摘になりましたように、将来の制度といたしましてはもつとはつきりした制度にこれを切替えるということがやはり必要であり、慎重に研究しなければならんというように文部省としては考えております。
  15. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) ほかに御質疑ありませんか。私一つ小さな問題でお伺いしたいのですが、五百二十三号の京都大学結核研究所の、「上記金額を費消した使途内訳」というところに、接待費その他四十四万八千九百五十二円というのが上つております。これは、さつき滝井委員指摘されたような事実に関連がありませんか、どういう収入の金をどういうふうに使つたか、このうち、特に接待費幾らを占めておりますか。
  16. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 大体この百二十三万一千九十七円という数字が出ておりますが、これは二十四年度並びに二十五年度のやはり健康保険その他の診療代金の一部と、それから病院賄費の一部を不正に使用しておるものでございます。このうち、接待費その他といたしまして四十四万八千九百五十二円ということになつておりますが、それを更に精細に調査いたしますと、出張旅費の補填といたしまして五万六千九百五十円、それから臨時の職員を雇いまして、それに支払います賃金の支払に充当いたしましたのが八千五百五十円、それから、丁度その期間に、大学附属研究所全国相当ございますが、その研究所長会議というものをこの京都で催しました。これは、たまたま結核研究所が当番の研究所に当つておりましたので、結核研究所のほうでその会議費用に十万五千円を使つております。それから接待費その他、例えばその他といたしまして、新年の祝賀会経費等も入つておりますが、こうしたもの、それ以外の接待費にも四万三千八百三十七円、それから、なおこれは文部省といたしましても、その使途を極力調査いたしたのでございますが、併しメモ等がなくなつておりまして、どうしてもその使途がはつきりいたさないものが二十三万四千六百十五円、合せまして四十四万八千九百五十二円、こういうふうに相成つております。
  17. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) この昭和二十五年度の同研究所予算というものは総額幾らですか。
  18. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 今はつきりした数字を持つておりませんので、いずれ調ベましてお答えいたします。
  19. 中川幸平

    中川幸平君 この病院未収というのはどういう関係でこういう未収が出たのですか、入院患者であるとか、外来患者が払わずに行つたのか、殆んど現金払いでやつておると思うが、その点ちよつと。
  20. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 従来ございまして、なお会計検査院のほうから御指摘になつておりますこの病院未収の大部分は主として社会保険関係が多いのでございます。御承知のように社会保険につきまして、従来、文部省といたしましては収入と同時に調定する、事前に調定しないという制度を実はとつてつたのでございます。その理由は、これは、大学病院は、御承知のように、適正診療ということを考えておりまして、その患者に学問的に必要とする適正な診療を施すということを建前にしておりますが、社会保険のほうは御承知のように制限診療でありまして、この病気についてはこれだけの薬を投ずればいいということになつております。従つて大学病院のほうで診療を施しまして、その結果に基いて、社会保険診療報酬支払基金事務所のほうに請求いたしましても、基金事務所のほうにおきましてそれを審査いたします。従つて大学のほうから請求いたしましても、それがそのまま実は歳入にならないことがございます。そのために、納入告知書を早く発行いたしましても、あとで訂正しなければならないということがございますので、そのために事後払制度というものを実はやつてつたのでございますが、併し、これは会計法規上違法でございますので、二十六年度に改めたわけでございます。併しその間に、例えば保険組合のほうの財政状況が悪くて、とることができないで、そのまま倒してしまう、或いは入るにいたしましても、相当期間経つてからでないと入つて来ないという事情がございます。又収入未済の大部分社会保険でございますが、一般の私費患者といたしましても、診療だけは受けて金は払わないというものも多少ございます。大体収入未済の原因の大きなものは、社会保険関係が多かつたということでございます。
  21. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) ではもう一度、さつきの京都大学結核研究所のことについて、昭和二十五年度研究所附属病院ですかの収入が四十一万余りになつておりますね。それに対して、接待費その他というのが、四十四万八千円ですから、ちよつと四万円近く余計に使つておるというふうに見えますが、これは、あの先ほど接待費その他の内訳はお聞きしてわかりましたが、そういう収入に比べては、かなり比率では大きい金額を使つておるようですけれども、他の研究所でもこういう接待費に類するような金というのは、収入に比してこういうたくさん要るものですか。
  22. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) お答え申上げます。この二十五年度で四十一万六千八十円という数字は、これは、上のほうが不当に使用いたしました百二十三万一千九十七円の内訳でございます。従いまして、病院収入としては四十一万どころではございませんで、非常に大きな額があるのでございますが、そのうちの一部分、四十一万六千円というものを、不当に使用したということでございます。それ以外の、京都結核研究所病院以外に、例えば交際費等で不当に使用しているものがあるのではなかろうかというふうな御意見だと思いましたが、成るほど病院等には交際費がございませんけれども、必要な場合には、病院の後援団体というようなものが実はございまして、その方面からも、或る程度必要最小限度の交際費的な経費を応援するというようなこともございます。併し、この京都結核研究所事案のような工合に、そう多額の交際費をこれに使う、或いは交際費以外に、ほかのものに使うというようなことはないと文部省では確信をいたしております。
  23. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) ほかに御質問ありませんか。それでは他に御質疑がなければ、五百二十二号から五百二十九号までの質疑は、一応終了したものと認めて差支えありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 御異議がなければ、さよう決定をいたします。  それでは文部省関係はどうも御苦労様でございました。   —————————————
  25. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) では厚生省関係案件を取上げます。  先ず五百三十号から五百四十一号までを議題に供します。専門員の概略説明をお願いします。
  26. 森荘三郎

    専門員森荘三郎君) 五百三十号は補助金の超過額を回収するのが遅かつたという批難でありまして、北海道ほか二十四県といいまするから、いわば日本国全体といつてもいいようなところにそ族こん虫駆除実施費の補助、D・D・Tというあの薬を撒いて害虫を取除くというための補助金なのでありまするが、どういうわけでか、その補助金が超過になつてつたのを回収が非常に遅れておつたという御批難であります。その原因が何であつたか、ちよつと調査をいたしませんでしたので、この席で伺つて頂きたいと思います。  それから次の五百三十一号は架空経理の問題でありまして、これはもうすでに小委員会において審議が終つております。  次の五百三十二号は国の負担金の超過交付、神奈川県へ、性病の予防費負担金でありまするから、いわば補助金でありまするが、概算払いでやつてつた幾らかの金を交付しておいたが、実際の費用はもつと少かつたが、その超過交付した金額がよく回収されておらないということ。  それから五百三十三号及び五百三十四号は、これ又一種架空経理の問題でありまするので、もうすでに小委員会において審議は終了いたしております。  それから五百三十五号から五百三十九号まで、これはここに一覧表にも出ておりまするような工合、いろいろな施設のために補助金交付したわけでありまするが、年度内にまだ工事に着手さえもしていなかつたようなものに対してさえも補助金交付されているというわけで、その補助金交付が十分慎重に行われていないという批難であります。  その次に厚生保険特別会計の問題が取上げられまして、検査報告の百四十六頁あたりに一般的な説明がございまするが、要点をつまんで申し上げますると、第一はこの厚生保険などに関して財務諸表が決算書に添付されていないが、これは法律上の要件とはなつていないけれども、こういうふうのものは当然添付するのが然るべきものだという意味のこと。  第二に収入支出の計算を見ると、収入のほうが多くつて相当剰余金が出ておるようなふうに報告されておるけれども、実は責任準備金というような性質のものが計算に加わつておらない。これを計算に入れると、大分その収支の損益計算などが違つて来る。責任準備金というものをよく計算に入れるようにしなければ正しい財政状態がわからないという批難であります。  それから第三に経理状況がよろしくないということついて、いろいろ書いてあるのでありまするが、特に保険給付が未払いになつておるものが約十三億円ほどもある、払うべきものは早く払うようにしなければいかんというような御注意であります。  それから厚生保険特別会計に関しまして、五百四十号は歳入のほうで年度区分紊つたものが挙げられてあります。  それから五百四十一号は印刷物を買入れるのに余りに高過ぎる値でこれを買入れた。又それを検収するに当つても、検収の方法が適当でなかつたという批難なのでございます。
  27. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 会計検査院のほうで御説明願います。
  28. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 只今のうち五百三十号は補助超過になつたものの五千二百余万円の回収が遅れておるということでありますが、この原因は私のほうで見るところによりますと、これは司令部の関係でこういう補助がやれることになつた。一般の場合には補助終了後精算の結果超過になつておる場合には返せということが書いてあるわけであります。この補助金についてはそういうことが必ずしも明確に謳つてなかつたというようなことから、これを延び延びになつたということで、従いまして実際上超過になつておるから返さなければならんじやないかということで、こういう事態が順次起つて来たということで、全体的には遅れておる。なおこれを全部現在までは返つておりませんが、これは保険財政その他の関係もあるかと思いますが、直接の原因はそういうところにあろうかと思います。  それから五百三十二号のほうは、実は精算書が出ておりまして、私のほうで調査しましたところが、支出したものからきまつた収入を引くということになつておりますのに、この収入金額が実際見たところがもう少しあつたということからこういう事態が生じたものでありまして、この返納すべき金額はすでに返納済みになつております。  それから五百三十五号、これも補助金に関することでありますが、現在においては返納済みになつております。  それから五百三十六号から五百三十九号、これは先ほど審議なつ文部省案件と大体同じでございます。ただこういう早くやり過ぎた関係上、この中の五百三十八号の中の兵庫県の神崎郡の寺前村に出されました補助金の六十万四千というものがありますが、これは結局工事が行われないでその後に返納になるという事態が起りました。  それから健康保険特別会計の全般的なことについては、只今専門員から御説明がございましたが、第一点の財務諸表、この点につきましては、その後におきまして規則を改正されまして、歳入歳出決算に添付されることになりました。  それから年金勘定は御承知のように長期給付に属するものでありまして、一般の例に倣いまして責任準備金を作るのが、計算するのが、適当であるのではないか、こういうふうに考えております。厚生省でもこの点については御研究になつて、こういう制度を設けるように御研究になつておることと思つております。  それからその次は保険経済が非常に健康保険についてはよろしくないということでございます。この点につきましては順次改善せられまして、当時は十二億七千余万円の未払いがありましたが、最近においてはこういう点も回収して来ているように思つております。  それから五百四十号は、この前の一般的のことに関連するわけでありますが、結局保険経済がよくないので、次年度歳入を繰上げて当該年度歳入に入れるというような事態が起つたわけであります。  五百四十一号は只今説明なつたところで特に補足して申上げるところはございません。
  29. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 厚生省の御当局で何か説明ありませんか。
  30. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) 只今最初にお話が出ました、その原因がはつきりしないという御指摘の点のありました五百三十号のそ族こん虫駆除事業費の点でございまするが、この点は終戦直後、厚生省におきまして昭和二十一年度から二十四年度までの間に、北海道ほか二十四県に対しまして交付いたした、そ族こん虫駆除実施費補助の実施費の超過補助の問題でありまするが、御指摘の五千余万円のうち、すでにその後督促をいたしまして、現在は北海道ほか十二府県から約千三百万円のすでに返済がございまして、残余は約三千余万円と相成つております。併しながら未だ完納するに至りませんので、甚だ申訳なく思つておるのでありますが、なおこれらの点につきましては至急督促をいたしまして、速かに完済するように努力いたしたい考えであります。ただここで一言弁解がましいことを申上げさして頂きまするならば、このそ族こん虫駆除事業は終戦直後初めて日本において行われた事業でありまして、特に進駐軍当局の強い指導等がありました関係で、実は予算執行の、普通でありますならば補助金は政令、法律等を以て実施するのでありますが、これは予算を通牒によりまして補助をいたした次第であります。従いまして府県といたしましては、通牒によるところの補助率であるからして、必ずしも厳格に考えなくてもいいんじやないかというような誤解があつたやに考えております。それから一方この補助率等につきましても、毎年補助率が変ると、殊に種類によつて補助率を変えるというようなことがあつた関係で、これ又一層府県に対しまして注意の喚起ができなかつたんではなかろうか、かように考えておるのでありまし、て、従つてそこに大きな原因があつたのではなかろうか、かように思つておりますが、併しながら如何に通牒にいたしましても、或いは補助率がたびたび変つたにいたしましても、或いは如何に早急を要する仕事であつたにいたしましても、かようなことに相成りました点については甚だ遺憾と存じております。今後速かに完済するように努力をいたしたい考えでおります。
  31. 久下勝次

    政府委員(久下勝次君) 厚生保険特別会計の点につきまして、一言御説明を申上げておきたいと思います。財務諸表の点は先ほど会計検査院のほうからお話のございましたように、昭和二十七年七月二日付政令第二百三十二号によりまして、厚生保険特別会計法施行令を改正いたしまして、翌昭和二十六年度から財務諸表を附けるようにいたしてございます。それからいろいろ書いでございまする問題のうち一、二申上げておきたいと思いますのは、厚生保険特別会計のうちの健康勘定につきまして、健康保険法の第五十五条の規定による保険給付を控除してないというような御指摘でございます。この五十五条の給付と申しまするのは、被保険者が資格を喪失いたしました場合でも、一定の条件の下に給付をし得ることになつて、給付を受けることになつておるのでございます。この場合のことを考えまして支出を認めなければならないというような御指摘でございまするが、この点は実際問題といたしまして何人の者が資格を、現在給付を受けております者のうち何人が資格を喪失し、又どの程度それが継続給付を受けるかということにつきましては、申上げるまでもなく純粋に将来の推定になりますものでありまするが、的確な数字の把握が困難でございまするので、さような事情からなかなかむずかしいのでございます。なおこの問題は十分研究をいたしてみたいと思つておる次第でございます。それから責任準備金の問題でございまするが、健康保険のような短期給付のものにつきましては、申すまでもなくその年その年の、その年度その年度経理をいたしておりまする関係もございまして、問題がなかなか責任準備金というようなところまで手がのびない実情でございますが、長期保険でございまする年金保険につきましては、先ほど会計検査院のほうからお話もございましたように、私のほうとしてもこれは研究をし、御指摘のように考えなければならないと思つておる次第でございます。ただ厚生年金保険につきましては、終戦後のインフレ高進中に、制度全般につきまして暫定措置がとられておるのでございます。経済が安定をいたしましたときには、制度の根本的な改正を考え、長い将来に亘つて安定した保険財政の確保をするというようにということが当時から考えられておりました。実は昨年から私のほうにおきましても、年金保険制度の根本的な改正について手をつけております実情でございます。まだ結論を得るには至つておりませんけれども、鋭意長期保険の性格に伴いまして、安定した財政計画の立ちますように検討をいたしておるところでございます。御指摘の責任準備金の問題につきましても考えて参りたいと存じます。  それから保険財政が、二十五年頃は先ほど会計検査院お話もございましたように、非常に実は短期保険である健康保険につきまして、財政が窮屈でございまして、そのためにいろいろと事務的に運用の面におきまして御指摘を受けております。この点は確かに申訳ないと思う次第でございます。幸いにその後経済の安定に伴いまして、保険財政収入面におきましても、具体的には標準報酬の上昇或いは法律の改正に伴う料率の改正などに伴いまして、漸く保険財政も安定の途を辿つておりまして、昭和二十六年度決算におきましては約十億の黒字を以て年度を越すことができました。昭和二十七年度も僅かでございますが、私どもの推定ではやはり少くとも三、四億ぐらいの余裕を以て年度を経過することができる見込みでございます。さようなふうに二十六年度以降財政的にも安定をして参りましたし、御指摘のような遺憾な事務的な処理をいたさないで済むようになり、又私のほうも御指摘の点につきましては、厳重に責任者注意をいたし戒めておりまする次第でございます。  それから五百四十号が関係がありますのでちよつと申上げさして頂きます。これは保険料の徴収につきまして、年度区分を誤りました。それでこういう批難を受けましたので大変申訳ないと思つております。ただ強いて言訳を申上げさせて頂きますれば、全国百数十カ所に及びます促険課並びに社会保険出張所におきまして、それぞれ歳入徴収官が保険料の徴収をいたしておるのでありますが、それらの者が不注意年度区分を誤りましてかような御指摘を受けた次第でございます。大変申訳なく思いますと同時に、その後これらの点につきまして厳重に注意を喚起いたしておる次第でございます。
  32. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 速記を止めて。    午後二時五十一分速記中止    —————・—————    午後三時十分速記開始
  33. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 街娼と称するのは、厚生省で街娼と分類するのはどういうようなものが入るのですか。
  34. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) 街娼とは、我々散娼という言葉で言つておるのでありまして、きまつたところで常時商売をせずに、街に出まして、そこでお客を引いて、適当なところに連れ込むというような形を私は街娼と言い、これを又私ら一面散娼、散らばつておる娼、散娼と称しております。
  35. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) それの性病予防についてのあれですが、検査費ですが、それは今でもやはり国の補助が出ているのですか。
  36. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) 甚だこれはむずかしい点でありまして、何分にも表面きつてかような状態は我々は認めておらんのでありまして、飽くまで私娼でありますために、強制の規則等に基いて検診するというようなことは、これはできないことになつております。そこで現在はこれはまあ散娼の、私娼の場合には、街娼の場合には極めて困難なことでありますが、これが若干組織的になつております場合には、自営的にそれぞれの組織されたことによりまして、自営手段としてその検査を実施いたしております。併しこれらのものに対しましては、国の経費は負担しておりません。併しながら例えば街娼を取締つた場合、相当な者が網にひつかかつて参ります。或いは自発的に保健所に健康診断というようなものを受けに来る場合もあります。かような点につきましては、相当部分を国費において支弁いたしております。
  37. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) それからもう一つ伺いたいのは、我々素人だから言葉がよくわからないのですが、さつきの五百三十号のところでそ族こん虫駆除と、こう書いてありますが、この昆虫というのは何を指したのですか。
  38. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) こん虫とは蝿と蚊を普通意味しておりますが、なお発疹チブスでも出ます場合は虱の駆除等もいたしております。併し今回の批難事項に挙げられました予算対象のこん虫は、蚊と蝿であります。
  39. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) それから五百三十九号、保険局長にお伺いしますが、保険給付の未払い約十三億ということになつておりますね。これはいつ頃給付、もう給付ずみですか。
  40. 久下勝次

    政府委員(久下勝次君) 結局お尋ねの通りでございまして、これは患者が医者のところへ参りまして、そして病気になつたらすぐ被保険証を以てかかります。医者から基金を通じて請求がございまして、これに対する支払いがないものでございます。
  41. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 他に御質疑ありませんか。それでは御質疑もなさそうですから……。
  42. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これは厚生委員会で、街娼などの問題を私はとり上げるのが本当だと思いますけれども、街娼に対する検診というのは、強制的なことがやれないわけでしようね。
  43. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) これは何分にも私どもは公に認めておる公娼と違いまして、私娼でありますからして、公に認めておる品物でありませんために、強制的な検診というものは、これはできませんです。
  44. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これは厚生委員会の問題だね。
  45. 楠本正康

    政府委員(楠本正康君) ちよつと追加します。先ほど申上げましたように、取締等で時々実施をいたしておりますが、かようなときに引つかかつて来た者に対しましては、当然強制検診をいたしております。
  46. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 この間も横須賀のおかたに、或いは板付附近のおかたたちの話を聞いてみますと、相当街娼というのですか、あなたたちの言葉でいうと、それに対するあれですが、風俗問題なんかでもいろいろなことになれば、結局問題をこれだけに絞つてしまつて、検診問題に絞つてしまつて、大体解決しているけれども、問題はそういうことじやないのだと、こういうようなお話で伺つて参りますと、私はこういう問題に対して国が実際予算をどういうふうに組んで、そしてどういうふうにやつているのか、非常に疑問があるわけです。併しこれはここでやる問題でなくて、私はやはり厚生委員会の問題だと思いますから、的が外れているから、まあそういうふうな今気持で若干御質問申上げたのです。
  47. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) それでは他に御発言がなければ、五百三十号から五百四十一号までの質疑は一応終了したものとみて差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) ではさよう決定いたしました。  次に五百四十二号から五百六十七号までを一括して議題に供します。では森専門員説明を求めます。
  49. 森荘三郎

    専門員森荘三郎君) 五百四十二号の問題に入ります前に、船員保険特別会計に関しまして検査報告の百四十八頁に一般的な説明が記されております。その第一はちようどこの前の厚生保険特別会計におけると同じような意味で責任準備金などの計算がされていないということが一つの欠点として指摘されております。  それから第二に保険料算定の基礎が低きに失するが故に収入が不足である。これは標準報酬月額を改訂すればよかろうというサゼスシヨンがなされてあります。  それから第三に未払金が多いということ、これもこの前の厚生保険特別会計の場合と同じ欠点が挙げられているのであります。それから個々の問題に入りまして、五百四十二号は船員保険の被保険者の保養及び休療です。保養所、休療所などを委託してあるところがありますが、そこで支払つた金額が適当でなかつたということの指摘でありまして、勿論その過払いになつ金額は返納が終つております。  次の五百四十三号と四号とはやはり一種架空経理の問題でありますので、もうすでに小委員会において審議が終つております。  次に五百四十五号から五百五十二号へかけまして職員の不正行為が列挙されておるのであります。  それからあと五百五十三号から五百六十四号までは健康保険及び厚生年金保険の保険料の徴収の不足、足りなかつたものを是正させたというものが列挙されております。  その次に五百六十五号から五百六十七号まではこれ又同様に船員保険の徴収不足を是正させたものというのが挙げられてあります。  最後に既往年度のものの処理状況につきまして国立療養所久里浜病院ほか五箇所の診療収入の収納がまだ十分に行われていないということの報告が掲げられてあります。それで終りになります。
  50. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 船員保険特別会計一般説明健康保険と大体同じようでありまして、責任準備金の点については御考慮願つておるはずであります。又その次の保険経済が悪い点についてもこれ又厚生保険と同様に順次よくなつておるというふうに見ております。  それから五百四十二号は、特に補足することはございませんが、超過利用人員については実際人員より多かつたということを検査において発見し、又費用のかかつたのが実際においては少なかつたということを発見したわけでありまして、この超過支払いのものについては、現在においては返納になつております。  それから職員の不正行為五百四十五号から五百五十二号の点でありますが、このうち五百五十号から五百五十二号は出納職員の犯罪であります。あとは補助者でございますが、補助者の点につきましては、収入のほうが大部分でありますが、編成組織が必ずしも十分でなかつた、或いは管理が十分でなかつたということから発生した事態だと考えております。  それからその次の是正させた事項の健康保険及び厚生年金保険保険料と、それから船員保険の保険料の点でありますが、これらはいずれも私のほうで検査いたしまして、実際の報酬が、保険料の基礎になります報酬が税務署その他、税務署に出ておる報酬よりも格段の差違があるという点におきましてお調べを願つて徴収すべきものをしてもらつた、こういう事態でございまして、二十六年度にもこういう種類のものが相当あるかと思いますが、最近は大分そういう点で御注意になつておる関係ではないかと思いますが、感じから申せば最近は大分こういう面もよくなつておるのではないかというふうな感じを抱いております。
  51. 久下勝次

    政府委員(久下勝次君) 先ず船員保険特別会計につきましての御指摘について、私のほうの考え方の御説明を申上げます。船員保険の問題につきましては只今お話のありました通りでございまして、私のほうといたしましても先ほど厚生年金制度の改正について申上げましたと同様に、船員保険の長期保険に関しまする部分は、歩調を揃えて只今改正の審議をいたしておるところでございます。御要望の御指摘のようなものは、この制度の改正の際に考慮をいたしたいと思つておるものでございます。船員保険の給付部門の収入不足につきましては、これ又実情は御指摘通りでございまして、特にこの原因は性病等を中心とする支出額の増大と標準報酬日額が特に低いということが言えるのでございまして、漁船の部門におきまして標準報酬がもともと健康保険、厚生年金すべての社会保険を通じまして被保険者の報酬につきましては、それぞれ事業主からの届出によつて保険官署で標準報酬を決定いたしておるのでありますが、事業主が保険料の納付につきましてできるだけ低い額で済ませたいという意図から、御指摘のように実際の賃金と違つた賃金を届けるというような実情があつたのでございます。特に船員保険のほうにつきましては、そういう点が一つありまするので、更に又漁船につきましては、御案内のように水揚げの量による歩合で給料が支払われるようなことがございまして、或いは現物で給与が行われるというようなものも無論ございます。なかなか表に現われまする被保険者の報酬額が非常に低くなつておるのでございます。そこで私どもも地方の保険出張所の職員を督励いたしまして、漁船部門の標準報酬の引上げにつきましては常に努力をいたしておりまして、只今会計検査院からお話のございましたように、最近におきましては漸次これが是正を見つつありますような次第でございます。  船員保険の短期給付部門の未払いにつきましても只今指摘通りでございますが、この点は昭和二十六年度末におきましては、二十五年度末の一億七千万円の未払いが一億円ちよつとに減りまして、二十七年度末には殆んど解消をする見込みでございます。これが原因は、疾病給付部門におきまして財政困難を来たしまして、一時長期給付の年金部門の積立金に食い込んだ事態が生じました。そこでこの疾病給付部門の赤字補填のために保険料率を上げまして千分の十六ずつ三年計画をとつておるのでございます。それによりまして過去の未払金を支払うのみならず、積立金に返納をするというような措置をとつておるのでございます。この計画も昭和二十八年の秋頃にはせいぜい予定通り終了をする見込みでございまして、さようなことによりまして財政的にはいろいろな措置が行われることに基きまして愁眉を開いておりますような状況でございます。それだけを申上げます。
  52. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) 百五十五頁の前年度批難事項のその後の措置でございます。国立療養所久里浜病院ほか五箇所で徴収決定済が三百十万円何がしのうち百九十万円について収納の報告がしていない。これは久里浜病院ほか五箇所でいろいろな手違いから取るべき診療費の徴収が漏れておつたということでございまして、その後更に努力を重ねておりました結果、千葉療養所ほか二箇所、丁度六箇所のうちの半分の三箇所分につきましては全額が収納済になつており、それから残りの三箇所分につきまして最近の、現在ございますが未収の分が九十万九千六百五十四円というふうに縮まつてつております。この残りの九十万九千円につきましても更に努力を続けておりますが、大部分が債務者に資力がない、そう一遍に払うということが、債務を認めましても一遍に払うということが困難であるというような状況でありますので、それに適応いたしましたように逐次戻すというようなやり方にしてこれを入れると、そういう努力をするものでございます。そこの報告の百九十二万円がその後九十万九千円ほどに縮まつたということをこの機会に御報告申上げておきます。
  53. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 この国立療養所の診療収入、この点についてちよつとお尋ねしたいのですが、援護法といいますか、そちらのほうの慣例はないと言えばないが、あれは、未復員者給与法は三年後はもうみないというのがあの法律だと思う、ところが引続き人が要る、これはどんなふうに今はなつておりますか。
  54. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) 未復員者給与法に基きまして、未復員者が帰還いたしました場合に病気をしておりますれば、三年間無料でみてやる、こういうことになつております。三年間の期限が確か明けまして、一昨年の暮かで切れるようなことになつた、それで法律を改正いたしまして、更に延長の措置とつたという記憶でございます。従いまして今日でも三年間というものが延期されて診療を受けておるのじやないか、かように考えております。
  55. 上村照昌

    説明員上村照昌君) 只今の点でありますが、三年であつたのが延長になりまして、又三年延びて六年になつたと記憶しております。
  56. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私も実情はよくわかりませんけれども、あなたのところへ未復員者給与法の適用を受けて入つてつて、併し独立採算制になつたり、或いはいろいろのことで落してきて、その適用或いは認定を漏れた人でなお病院に残つておる人がいる、そういう人たちに対して扶養者があるとかないとかいうものをどうも聞いてみると、療養所のほうか、或いは厚生省のほうかどつかで、お前は扶養能力がある、だから金を出さなくちやならんというようなふうにして、金を実際集めておられるじやないか、その集められておる請求書が同月何日までに収めないと、あなたに対して非常に不利になるような措置をしなければならないというような請求書を実際出しておる、そこらあたりの間を、もう少しどんなふうにそういう人たちが取扱われておるのか、収納が未済になつておるところと絡み合せて一つ説明が願いたい。
  57. 曾田長宗

    政府委員(曾田長宗君) 未復員者の場合につきましては、帰つて参りました記録が残つておりますので、まずそれから漏れるということはないはずだというふうに了解いたしております。
  58. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 三年経つたのちだ。
  59. 曾田長宗

    政府委員(曾田長宗君) 全部継続しておるのでございます。
  60. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 こういうことなんです。三年で、そうしてなお残れないから六年にしなければならないということは、そういうことはわかる、併し切替える場合に百人あつたものを、これを独立採算制になつて、国の補助が減つたからこれを五十人に減らしたということを私は知つておる、それを五十人に減らすところに非常に無理があつて、そこでなお実際国立療養所に入つておるというその人をどう取扱つておるかというところに私は問題がありはしないかと思うから、その点をお尋ねしておるわけなんであります。
  61. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) この未復員者給与法に基きまして入院いたしております患者費用は、未復員者給与法に基きまして予算を計上してございます。従いましてその病院が独立採算制をとるとらんの如何にかかわらず、かかる費用だけは未復員者給与法の予算のほうから計上になつております。今お話の百人のものがそういう三年という機会に、五十人というふうにちよんぎられるとか減らされるということは、実は私どもの感じでは起る可能性もちよつと考え付かないのであります。多分何か具体的なお話をお聞きになつたのがあるだろうと存じますが、それを具体的に伺わして頂きますれば、或いはそこにどういう事情であつたか、私どものほうで調査して、お答えできるかと思います。一般論といたしましては、そういう建前で予算を組んでございますので、例えば六年の計画になつたからといつて、今まで認められておつたものがその後いけないというふうなことはない筈でございます。
  62. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私の言つていることは未復員者給与法の予算だ、それはいいということは私もわかります。併し三年であつたのを六年に延期したということは、予算がそのまま前に三年組んでおつたものがそのままでずつと続いて組まれておるかというと決してそうじやない、半分以上落ちてしまつている、だから員数が減つているというふうに了承しているわけであります。それは癒つた人もある三年たつたのだから。そういう人たちはそういうふうに癒つたのだから、それで減つたのだといえばそれまでだと思いますが、実際は癒つていないのです。そういう人たちが引続いているという、その人たちはやはり自費でいることに私はなつていると思うのであります。そこが違うのですか。そこが私はわからない。
  63. 太宰博邦

    政府委員(太宰博邦君) 未復員者給与法ですね、特に意識的に予算を減らしたということも、実は私どもの記憶ではございません。又予算を必要といたしまするならば、当然補正予算などの機会におきまして、組むべき筋合でございます。予算の不足を入つている患者に押付けて、国が知らん顔するというような筋合いのものでもございませんし、十分に注意しておるつもりでございまして、今までの補正予算などの機会におきまして、格別に非常に不足したから追加してくれという限極の要求も、私どもの記憶では実は聞いておりませんので、何かのお間違いじやないかと思います。具体的に伺わせて頂いたほうがよろしいと思います。
  64. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それはたしかに問題が外れていると思いますから、私のところへ実は、ここに持つていないのですが資料を四つ五つ持つているのです。それは又別の機会に……。
  65. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) 他に御質疑ありませんか。(「進行々々」と呼ぶ者あり)他に御質疑がなければ五百四十二号から五百四十七号までは質疑が一応終了したものと認めて差支えございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) ではさよう決定をいたします。  以上を以ちまして批難事項別の質疑は一応終了したわけでありますが、只今委員会に付託審査となつております架空経理関係批難事項及び公園地不当貸付に関しまする第百四十二号の批難事項並びに第二号乃至第六号を除く二十五年度決算の残余の批難事項に関する質疑は終了したものと認めて御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 飯島連次郎

    理事飯島連次郎君) では御異議ないものと認めます。  本日の委員会はこれで散会をいたします。    午後三時四十一分散会