運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-11-25 第15回国会 参議院 経済安定委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年十一月二十五日(火曜 日)    午後三時三十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     境野 清雄君    理事            永井純一郎君    委員            山川 良一君            佐々木良作君            須藤 五郎君   委員外議員            加賀  操君   国務大臣    通商産業大臣  池田 勇人君   政府委員    経済審議庁政務    次官      小川 平二君   事務局側    常任委員会專門    員       渡辺 一郎君    常任委員会專門    員       桑野  仁君   説明員    経済審議庁計画    部長      佐々木義武君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○日本経済の安定と復興に関する調査  の件  (経済審議庁所管に関する件)  (電源開発計画に関する件)   —————————————
  2. 境野清雄

    委員長境野清雄君) それでは只今から委員会を開会いたします。  前回の委員会におきましては、日本経済の安定と復興に関する調査承認要求を提出することを決定しまして即日議長の承認を得まして次いで経済審議庁業務の大要につきまして平井次長から説明を聴取したんでありまして、本日は、前の委員会でやりましたこの日本経済の安定と復興に関する調査に関連しまして経済審議庁業務運営基本方針につきまして経済審議庁長官から説明を聴取いたしたいと思います。
  3. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 先般審議庁長官を拝命いたしました池田でございます。どうぞよろしく。  只今委員長の御質問がありました審議庁におきましての仕事やり方につきましての御質問でございまするが、私は経済審議庁設置に伴ういわゆる設置法規定によりまして、設置法の第三條に掲げておりまする仕事を一生懸命にやつて行きたいと思うのであります。実は御承知のごとく、日本経済安定復興のために経済安定本部が設けられましていろんな統制をやつて参りましたが、安定の度を加え、復興がその緒につきました関係上、直接の仕事経済審議庁でやるということは非常に少くなつて各省に任したほうが能率が上がるのじやないかという考えの下に、先の国会におきまして経済安定本部が廃止され、経済審議庁ができたのでございます。で、経済安定、復興過渡期におきましてこの審議庁というものがどういうことをやつて行くかということにつきましては、先ほど申上げましたように、そのときどきの様子によつてつて来ると思いまするが、設置法の第三條に掲げておりまするこの項目につきまして各省との連繋をとりながら、経済見通しなり、計画につきまして調査をして行く、又具体的の問題につきまして各省に亘るようなことがある場合におきましては、審議庁中心となつてその総合調整をやつて行く、こういう考えでおるのでございます。
  4. 境野清雄

    委員長境野清雄君) 只今経済審議庁長官説明について何か御質問がありましたら……。
  5. 永井純一郎

    永井純一郎君 只今長官から御挨拶があつたわけですが、まあ私はこの行政機構改革のときにいろいろと経済安定本部審議庁に作り変えることについて論議がいたされたわけですが、その際今度の行政機構改革による法の規定では非常にはつきりしないものがある。従つて経済審議庁になりましてから、これをどういうふうに運用して行くかということによりまして、審議庁というものがあつてなきがごときになるし、ところが又この運用の仕方によりましては、非常に重要な役目を持つ役所になるということを考えるわけです。それで今日審議庁発足をしてこれは専任の長官を持たないようですが、今後実際これを運用する場合に私どもは積極的でなければならないという考えを持つわけなんです。それは生産面におきましても、或いは消費の面におきましても、或いは開発の面におきましても、相当計画的なものを持ち、或いは見通しを持つて各省施策というものが、審議庁の積極的なむしろ調整によつて行われる必要がまあ私どもあるというふうに考えるのでありまして、ここで今の長官の御挨拶についてお尋をしたいのは、各省に任しておくという建前をそのままおとりになるか、或いは重要な施策、例えば物価の問題でありますとか、或いは総合開発の問題でありますとかというような、具体的に取上げますとたくさんありますが、そういう問題につきましては、むしろ積極的に審議庁が私どもは働いてもらいたい。更に具体的に申上げますと、この前米価決定の問題が非常に重要な問題として閣議などでもいろいろ論議され、或いは各省事務当局間がいろいろ折衝をいたしておりましたが、これなどは審議庁設置法にもある通り財政、金融、物価等基本政策を定めることをやるというふうに書いてありますが、個々電力値段或いは米の値段といつたようなものは、米の値段そのものの具体的なきめ方がすでに日本物価政策の根本をなす問題でありまするから、審議庁がむしろ総体的な立場から、物価政策基本としての米価という考えを持つて行くというふうにすべきであるように私ども思うのです。ところがこの前の米価決定につきましても、審議庁はまあ何ら仕事をやつておらないというのが実情なんです。いろいろ聞いて見ましたが、何にもやつておらん。尤もこれは審議庁ができたばかりでありまして事務的には、例えばここにいろいろの名前がたくさん書いて、審議官だとかいろいろありますが、こういう人々の任命も終つておらなかつたとか、事務的にとり進めるいとまが発足早々でなかつたというようなことは別といたしまして今後そういつた問題について、審議庁自体が全体の立場から具体的な考え方を持ち、各省とむしろ積極的に連繋をとつてやるというふうに私どもは実際の審議庁運営をやつて頂くことがいいのじやなかろうか、こういうふうに思うわけなんです。今の長官の御挨拶ではそういう点がよくわからないわけですが実際審議庁運営して、これから行つて下さるのに、私どもはそういう方法をとつて頂きたい、こう思うわけです。その辺を一つもう少し詳しく御説明を頂きたいと、こう思います。
  6. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 具体的の問題についての御質問になりましたが、これは設置法に書いておりますように、例えば物価に関する基本的な政策企画立案すると、こうなつております。審議庁仕事といたしましては、米価とか鉄道運賃個々の問題についてどうこう言う立場ではないと思います。従いまして日頃の仕事としては物価に関する基本的な政策、全体的の物価がどうなりつつあるか、どうあるべきかとかいうようなことは常に研究しておかなければならん問題で、研究を積極的にやらしております。個々の問題になりまして例えば米価をどうするか、或いは鉄道運賃をどうするかということは、これは物価につきましては重要なことなんで、基本政策にも関係することでございます。従いまして私は閣議のことを申上げるのはどうかと思いますが、御質問がございますので特に申上げますが、或いは鉄道運賃をきめることにつきましていろいろな議論があります。併し私は審議庁長官としてこう発言する。こう言つてはつきり審議庁長官として発言いたしております。自分は、今はバイヤス・マーケツトであるから、昔の統制時代のような運賃を上げたはね返りはね返りはね返りと、昔物価をきめますときには、いろいろなはね返しをしてやつてつたが、今はいわゆるバイアス・マーケツトになつておるから、はね返しはそうたくさんは来ない、こういうことが新聞に出まして、誤報になりまして、鉄道運賃を上げても物価に大して影響ないと、こう出ておりますが、昔のセーラース・マーケツトのようなことにはならないという発言をしたのであります。物価基本政策につきましては、審議庁長官として最もたくさん発言をいたしております。又米価の問題につきましても、これは予算農業政策関係で、農林大臣或いは大蔵大臣がお話になりますが、併し最後のところにつきましては、審議庁長官としてやはり発言いたしまして、どうあるべきだという案は私が実はこしらえたわけであります。又例えば澱粉の買上を幾ら幾らにする、こういうふうなことがありましたが、それはちよつとお待ち下さいというので、審議庁に十分に検討さしました。そうして閣議決定置いたしたような状態であります。私は通産大臣としての発言よりも、今までは審議庁長官としての発言が実は多いくらいでございまして、日本経済の動きにつきましては、細大漏らさず現状、或いは見通しを常に研究しながら、各省施策と共同いたしまして経済の安定、復興に努力いたしておるのであります。今私は個々の問題につきましてやるということより、やはり基本的の問題を常にやる。これは言葉が悪いかもわかりませんが、経済審議庁としては世界各国、或いは国内の状況を常にずつとあれして内閣の施策のブレーンになつて行く、こういう気持審議官その他を指導いたしておりますし、又勉強もさしておるのであります。
  7. 永井純一郎

    永井純一郎君 一応今の長官の御意見はわかるのですが、私が申上げるのは、閣議における審議庁長官が、その場に出て来ます問題に対して発言をしたからといつて、それが審議庁の本来の仕事であるというふうに私は思わないのであります。私が申上げるのは、例えば運賃にいたしましても、米価にいたしましても、米価そのもの考え方というもの、この前みたいに農林大臣大蔵大臣閣議でいろいろと議論をやつて、その真中の値段を算術平均したような恰好でとつたというようなことに対しての問題ではなくして、やはり農業生産を上げ、そうして又食糧の自給を達するということには、生産の面と価格の面の政策がこれは両々相俟つて、非常に重要な問題ですから、その生産の増強を含めた価格政策というものを、米価についてはどうなければならないかということから発足いたしますると、何と言いまするか、米価についてのやはり理論的な米価というものが出て来るはずなんです。又これが消費者の面から言うと賃金の問題になつて来て、理論的な賃金というものがやはりそこに考えられて来るわけでありまして、こういつた点から全体を考えて非常に組織だつた理論的な、非常に計画的な基礎を持つた議論、或いは政策というものを審議庁が持つてそうしてそれが常に各省場当り政策をリードして行けるようなふうの働きを審議庁が今後、今まですぐできなかつたのは無理もないと思いますが、今後そういうふうに審議庁運営をすべきではなかろうか、まあこういう意味のことを私が申上げるわけであつてそういうふうに今後審議庁をあなたがお使いになるというふうにして頂くことがいいのじやなかろうか、こういう意味なんです。
  8. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 誤解があるかもわかりませんが、私はそうは考えていないのです。個々物価につきましては、所管役所でやるべきである。併しそれが国民経済にどう影響があり、物価基本的政策から見てどういう影響があるかということを考えて行く。経済審議庁が初めから米価はこうあるべきだということには行きたくないと思います。で、然らば米価の問題について無関心かというと、そうではない。これはまあ基本的なものでございますから、常に研究しておる。併しどこがイニシアチブをとるかという問題になりますと、それは各省がとるべきだ、そうしてその各省施策につきまして、この根本的な考え方からこれに対して意見を申述べるのが審議庁あり方だと思う。で、私は今の米価の問題にしても、六百七十円と六百九十円の中をとつたと申しまするが、あなた中をとつたとおつしやいまするが、私は予算の使い方、それから米価の将来の問題等を十分考えてやつておる。いい加減に中をとつたわけじやない。財政的にどう見て行かなければならんか、こういうことも考えましてそうしてやつておるので、場当りに実はやつたわけじやない。まあ昔から米価の問題につきましては、或る程度関心を持つておりましたし、鉄道運賃につきましても、今までの経験から私も意見を持つておりましたから、いろいろな意見言つたようなわけでございます。常にそういう気持で、自分イニシアチブをとらなければならない問題はございます。電気の問題とか、物価の問題につきましては、何と申しますか、別の観点からこれを見て誤りなきを期してやらなければならない。これが私は審議庁あり方だと思うのです。
  9. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういう説明は、今の設置法と言いますかの建前はもうそうなつているわけなんです。それは私もよくわかつているわけなんですが、実際の運営をもう少し妙味のある、まあ私どもが若しやるとすれば、非常に考え方が違うのですが、例えば今の政府にいたしましても、設置法の表向きの所管、或いは仕事やり方は一応それとして、今あなたの御説明通りでいいのですが、もう少し妙味のある、そうして私が先ほど来申上げるように全般的な、いずれ米価にしても、電力料金にしても、物価政策だけは別だというわけじやないのですから、その他の財政経済政策一般にも相関連している問題ですから、実際の運営が、イニシアをとれるるようなふうに運営をすることがいいのじやないか、そういうふうにされたほうがいいじやないか。各省々々やるんだということはそれはもう規則か何かの上ではそうなつているのです。そういう運営の仕方を審議庁でして頂くことがよくはないか。そういう意味から言うと、私どもは今あなたが通商産業大臣ですから、結局通商行政については、やはり通産省が中心になつてやる立場のほうが都合がよかろうと思うのですが、そういう建前でなしに、審議庁運営を、あなたがたがたとえ兼務であつても、私が申上げるような運営をすることのほうがいいと思うし、そうでないと今の審議庁は全く調査局になつてしまうのですね。それだつたらむしろもう審議庁などと言わないで、調査局のほうがましだということになりますから、運営の仕方を、私が言うような運営の仕方をできるだけやるというお気持一つならないか。こういうことなんですがね、聞きたいところは。
  10. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 審議庁設置法規定に基いて運営するよりほかにいたし方はございません。ただ私は国務大臣とし、又審議庁長官とし、或いは通商産業大臣といたしまして国家全体の考え方をして行きたいと考えておるのであります。従いまして先ず自分としては、仕事重要性から申しますると、これは逕庭はございませんが、自分考え方のもとを作るのはやはり審議庁調査で勉強して行きたい。それからそれを具体的に現わす場合につきましては通産大臣としてやりましようし、又他の省に対しては、閣議決定について十分発言する、その場合には国務大臣審議庁長官として実はやつて行へきたい。これは今までの私の経験から申しまして、いろいろなことに喙を入れるということよりも、やはり各省はつきりした政策を出す、そうして側目から見て、審議庁が全体的に考えてそれがどうか、そういうふうにあるべきだと思います。仕事運営につきましては、簡素なることが一番いいと思うのでありまして、従つてできるだけ簡素にして、併し簡素に基く何と申しますか、抜穴が起りやすいところをこれを起らないようにすることが審議庁仕事じやないか、こう考えております。
  11. 永井純一郎

    永井純一郎君 まあいいでしよ。どうもぴつたり行かないようだが。私が言うのは、各省に喙を入れるというのじやない。議論をするならやり方がたくさんあるのです。私は極く常識的に今申上げているわけです。審議庁というものが非常につまらない役所になる心配があるから、たくさんの優秀な諸君を揃えておきながら、本当に皆が調査官或いはそれ以下の仕事しかできないということでなしに、これを私はもつとうんと活用するという意味で、これは一番上の大臣のあなたの使いよう如何だと思うのです。そういう意味でその法規の建前だとか、そういうことでなしに、大いに活用して頂き、又下で働く人たちも働き甲斐があるようなふうにというふうな極めて常識的な意味なんです。そういうふうに一つつて頂くことが望ましいからそうして下さい、ころいう意味なんです。
  12. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) これは審議庁調査局になつてはいかん、こういうようなお言葉もございましたが、これは百歩を譲つて調査局でもいいから、立派な調査をして、国の行政全体をよりよくするような調査資料を出しし、又よりよくするような計画を立てる、こういうようなことを一生懸命にやれば、もうそれで審議庁仕事は終れりと言つては語弊があるが、そこに生命がある。これは各省とも同様でございますが、やはり調査部とか、或いは企画部、こういうのがやはりリードをとつてそうしてその省の仕事推進性を持つと、こういうことは各省でもやつておる。これが安本から審議庁になつて、例えば公共企業関係がなくなるとか、物価が、実務がなくなるとか、これで役所仕事が駄目になつたと、意味をなさんと、こういうのじやない。私は日本のあらゆる業種におきまして十分な統計調査ができていない、これがやはりネツクである。それを補う意味におきましては審議庁存在理由は何ら変つていない。却つてこういう基本的な仕事に没頭し得るということは、これはもう審議庁生命がここにクローズアツプしたと、こういうふうに自分考えておる。
  13. 永井純一郎

    永井純一郎君 そういうふうに言いますると、あなたの議論が間違いだということになつて来ると私は思う。それはなぜかというと、審議庁というものは統計調査局じやないというふうに謳つてある、設置法建前に。そうして、それは更にその調査基本にして国策の総合調整基本的な政策総合調整をやるのだ、その立案をやるのだということを書いてなければ別だが、書いている。書いておきながら、而もなお且つ政府方針各省中心で行こうというのだから、運用の如何によつては、総合調整までやるということを書いておきながら、実際は統計調査局になつてしまうか、そうでなしに統計調査局で終るようにならないように、設置法建前でも基本政策総合調整立案ということをやるようになつておるのだから、その点を相当力を入れてやるように運用をしないと、そう書いておきながらそうならない。そういうふうにするかしないかはやはり大臣審議庁を使う心持では非常に違つて来るだろう、こういう意味なんです。ですから私の話は非常に筋の通つた話だと思うのですが、そういうふうに総合調整まで、單に調査だけでなしに、統計だけでなく、実際総合調整ができるところまでこれを活用するように動かすべきである。審議庁は初めて今度できて、これから初めて動くわけですから、そういうふうにすべきじやないかということをお尋ねしているわけなんです。
  14. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) そういう意味で答えておるので、基本的な政策企画立案すると書いてあるのですから、それをやるのに私は十分な調査をして企画立案をすると、で、今までの状況を見ましても企画立案に汲々として、そうして調査の不十分な点なきにしもあらず、で、私はこの具体的の案がどう出るか、十分な調査をしなければならない。如何にも具体的な事務がなくなつたから非常に軽くなつたと、こういうふうにお考えになるのはこれは誤りなんです。我々はそういう仕事を除けて基本的な問題を調査立案して行く、こういうのであります。で、何もこれは要らん役所があるとかなんとかいう気持ではなくて、先ほども申上げましたように、日本の今までの行政機構で不十分であつたところを、はたの目から見て基本的な考え方調査の上策定する、こういう気持で進んでおります。現に今ここにあります問題につきましても、電源の問題につきましては、もう私が行きましてから策定いたしております。それから日本経済長期計画化と申しますか、長期経済計画策定につきましても入つております。ただそれを今時間が短いために、こういう調査ができたとは出ておりませんが、仕事はしております。
  15. 永井純一郎

    永井純一郎君 それですから私が言うように單に、調査統計は勿論しなくちやならない、その調査をしなければならないことはわかり切つておるのであるから、それをやつた上に総合調整、或いは基本的な政策立案、そういつたようなものを積極的にやるようにこれを運用するということになれば、個々の具体的な問題はやらないのだということを私が言うのは、具体的なものを何も従来の統制をやるというのではなしに、具体的な問題についても、当然物価基本になるような問題についてはやる。やはり審議庁が何もせずにおるということであつたならば、あなたの今の説明は成り立たなくなるのであるから、そういう点についても積極的にやはりやる。勿論各省はやるわけです。ですからそういう点についても審議庁が積極的にやつて基本的な考え方というものを持つて行くというふうに運用をされるかされないかということになるのですが、この議論をして私がこう質問するからといつて、ただその逆のことを言つてお答えを願うということでは、これは何もならないわけです。ですから審議庁のように実際にやるのか。今の説明を聞いておつてもただ統計調査をやるというだけにも聞えるのです。それをはつきり聞きたいのですが……。
  16. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) はつきり申上げますれば、経済審議庁設置法に基いて一生懸命に仕事をすると、こういうことであります。
  17. 永井純一郎

    永井純一郎君 そんなことはもう聞かなくてもわかつておる。設置法に書いてある通りやることは当り前である。長官がいなくてもそんなことはできるのです。運用を如何にやるということを私は伺つておる。設置法は非常にぼんやりした文句が多いのです。あの中を読んでもらつたらわかるように、それが私は大臣自分所管する庁を運用する方針だろうと思う。その方針を今日は聞こうというのです。設置法に書いてある通りにやるのは、これは当然なことであると、だから具体的な米価とか、電力とかいうものについては各省がやることであつて審議庁は全然タツチしない、そうして調査のようなことを中心にやつて、その資料各省に提供する程度であるということであれば、そういうふうにはつきり言つてもらえばそれでよろしいのです。
  18. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 先ほども申上げました通りに、基本的な問題につきましては十分やります。個々の問題につきましては、これは重要性とさほど重要性でないものとありますので、基本的な問題に触れるものについては、個々の問題についても積極的に調査をいたしております。
  19. 永井純一郎

    永井純一郎君 それで私の言うことがよくおわかりになつたろうと思う。
  20. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 前からそういうつもりで答弁をしております。
  21. 永井純一郎

    永井純一郎君 あなたのそのそういう点は少しもそうなつておらない。個個の問題はやらないということを言われるし、それから基本的な問題、統計調査だけやつたらそれだけでもういいのだという説明になる。わからないから私がたたみかけて行くのです。今のようなことであれば大体私どもも了解できるわけであつて、そういうふうな方針審議庁運営をやることが私どもは望ましいと思うし、そういうふうに運営をすることを委員会としても我我は希望するわけです。申し添えておくわけです。  更に私もう一つ附加えておきたいのですが、審議庁、或いは経済委員会にいたしましても相当まじめに問題を取上げて開いて行きたいと思う。従つて長官もまじめにお答えを今後この委員会でやつて下さることをここで私は注意しておきます。従来予算委員会等においても我々はやつたことがあるのですが、非常に不まじめに答弁が時々ある。ああ言つたからこう言おうというような議論をする必要はない。若しそういうやり方をするならば我々のほうでも幾らでもやり方がある。もう少しまじめに、我々はまじめにやつているのですから、参議院におきましては特にやつてもらいたい。
  22. 境野清雄

    委員長境野清雄君) ほかに御発言もなければ、審議庁側から発言を求められております。電源開発計画策定状況について説明を聽取いたしたいと思います。経済審議庁計画部長佐々木君。
  23. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) ちよつとお聞きしたいのですが、こちらから申入れしたわけでもない、今日電気の法案が通つた以後の状況審議庁側から御説明願いたいというお話があつたのですから、そういうつもりで準備して参つたのですから、それでよろしうございますか。
  24. 境野清雄

    委員長境野清雄君) 結構です。
  25. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) それでは委員長のお話になりました策定問題から離れまして、むしろ法案が通つた以後の電気に関する諸問題の進捗状況如何というような点を少し経過的に申述べたいと思います。  御承知のように、この七月三十一日電源開発促進法が衆議院を最終的に修正案が通りまして、即日公布ということになつて、爾後実施段階に入つておりますが、実施の過程は、大きく分けますと二つに分かれまして、一つは、あの法案に基き電源開発株式会社というものを作り上げる。言い換えますと、会社の設立準備事務というものと、それからもう一つの点は、この法案の第二章にあります電源開発調整審議会或いは審議会で審議をすべき法律から委任されました政令等を如何に作るべきかといつたような問題が第二の大きなケースになつておるわけであります。第一番目の株式会社を作る準備作業のほうは、法案が通過いたしまして間もなく、主務官庁であります通産省側でこれを主宰いたしまして、九月十六日無事に電源開発株式会社を設立いたしまして、そのほうの仕事は約一月半ばかりかかつて完成したわけでございます。爾後開発会社が主務官庁の監督下におきまして、それぞれ審議会できまりました地点等に関しまして、調査或いは開発の着手等をやつておるわけですが、そのほうの経過は又あとでお話申上げることにして、第二番目の電源開発調整審議会のほうの点でありますが、調整審議会のほうは、第一回の審議会は九月十三日に開きまして、そこに進捗状況云々という一枚のペらぺらの紙がございますが、御覧願いますと書いてございますが、第一回の調整審議会は九月の十三日に開きまして、爾後十月二十日に第四回の調整審議会を開いたまま第五回の審議会はまだ開催してございません。この二十八日ぐらいを一つの目安にいたしまして、第五回の審議会を開きたいというので、目下準備中でございます。  審議会で初めに取上げました問題は、審議会の維持運営の問題でありまして、この電源開発促進法に関する法令集というのがございます。これの十四頁に電源開発調整審議会令というのがございまして、これに基いて審議をしつつあるわけでございますが、この審議会令の特徴は、第二條にあるわけでございまして、それ以外の点は大して問題がありません。第二條を読んでみますと、「審議会は、議題となつた事項を所管する国の行政機関の長たる委員を含み、委員の半数以上が出席するのでなければ会議を開き、議決をすることができない。」 というふうに規定がなつておるのでございます。これはどういう意図でこういうものができたかと申しますと、あの法案を参議院で審議する場合にも、しばしばこの点問題になつたのでございまして、法の建前から申しますと、飽くまでもこの調整審議会は諮問機関でございます。併しながらあの審議会を作りました趣旨は、飽くまでも電気の緊急開発というものをやる際に、既存の法規を大きく改正するというひまがこの際ありませんから、基本法規はそのままにしておいて、行政的な面で実際の渉外事項を処理したらよかろうというのが根本趣旨になつてつた建前上、單なる諮問機関では、その趣旨に副わないわけでございますので、この第二條を設けまして、形式は飽くまでも諮問機関ではありまするけれども、実質的には一種の決議機関、或いは法案にもありますように調整機関というふうな性格を持たせたいというので、苦心の末この第二條が生まれたわけでございます。その趣旨は、ここにあります通り、例えば水利権の問題が議題に上る際には、水利権を所管する官庁の主務大臣又は主務大臣が事故ある場合には次官の御出席を願いまして、その主務官庁の長が、或いは代理のかたが出席いたしませんと会議してはいかん、議決をしてはいかんというふうに裏返して行けば読めるわけでありまして、そのことは取りも直さずその問題をきめた際には、すぐ各行政官庁はその実体に関しては行政処分するというふうな実行性を持たすような建前にしたのがこの第二條であります。今まで四回審議会を開きまして、決定事項に関しましては、大体各省ともそのまますぐ実行できる、又物によつては実行しつつあるというような態勢になつておりまして決して單なる調整審議会は諮問機関ではないというふうな実情を掲げてございます。  それからこの同じ紙の十二頁に電源開発促進法施行令というのがございまして、これは参議院で大幅に修正になりました一つの事項でありますが、この中で公表事項がございます。審議会で決定公表してそうして、利害関係を有する第三者の意見を聽取する、そうしてその意見を第一次的には主務官庁でそれぞれ審議をしまして、どうしても行政機関相互で調整がつかないというものは審議庁に持つて参りまして、そうして審議会で決定してもらうというふうな建前になつておりますので、公表事項に対する具体的な事項は施行令のほうに委任されてございますので、ここにできましたのがこの電源開発促進法施行令でございます。この点については、余りそう詳しく申上げんでもお読みになればわかるようになつておりますので説明は省略申上げたいと思います。  第一回から第四回までの審議会でそれではどういうことを審議し決定したのかという問題を少しお話申上げたいと思います。が、第一番目は、電源開発基本計画策定方針というのがございます。これを一番初め審議にかけまして今後の電源開発の諸問題を審議する際にどういうふうな態度で臨むべきかという委員のかたがた、或いは政府側といたしましても肚を合せて行く必要がございますので、議会でいろいろ教えて頂きました事項を要約いたしまして、まあ常識的なものではございますけれども策定方針というものを作つたわけでございます。策定方針も文章は非常に簡略にできておりますけれども一つ一つの問題につきましてなかなかたくさんの問題が含まれておるのでございます。特に一番問題になります第三番目のそれぞれの各電力の担当者、言い換えますと九電力会社、公営事業、或いは自家発、或いは電源開発会社、この四つの機関でそれぞれ開発を進めて行くわけでございますが、その四つの機関が秩序正しく日本電源開発するに際して、それぞれどういう性格を持たして行くべきかという基本的な点がきまつておりませんと、予算その他の問題が非常に個人的な見解に流れやすくなる虞れもありますので、一応性格を規定いたしまして、そういう性格に基いて予算その他の行政措置をしたいというつもりで書いてございます。この策定方針を御説明申上げてもよろしうございますが、大体この前の議会で審議頂きました、或いはお教え頂きました点を要約いたしたことでございますので、今日はその詳しい説明は省略申上げたいと思います。それから二十七年度の分に関しまして、これは開発会社も九電力会社も自家発も公営も全部あるわけでございますが、審議会で決定してそれを公表しろというのが法案に載つておりますので、年度の途中でありまして、四月から実際は執行に入つておるわけでございますが、遅蒔きながら法案の趣旨に従いましてさつき申上げました施行令の趣旨に基きまして、一万キロ以下のものを除きまして、そして施行令に規定されました公表の所定の事項をそれぞれ作りまして公表した次第であります。公表いたしますまでは、大体済んだ事項ですからもう問題はないのではなかろうかと思つて公表したのでございますけれども、爾後二三重要な問題がそれぞれ調整を要するものとして各省に申出られつつあります。そういう問題が今後各省で処理できなければ、さつき申しましたようにやはり審議会で調整すべきだというふうに考えております。もう一点は、公表事項を作るということの副次的な問題といたしまして今までに明確にきまつてつたと思う問題でも、例えば資金、或いは出力等の問題に関してまだ各省間ではつきり話合いがついていなかつたということもありましたので、こういう公表事項を機会にそういう問題がはつきりきまりまして、その意味では非常に電源開発促進に役に立つたのではなかろうかというふうに考えております。これも官報で公表いたしましたので委員のかたがたは御存じかと思いますが、それを見て頂ければ結構だと思います。  さて、次はこの審議会で一番急いで問題にしたのは何かと申しますと、開発会社が九月十六日に発足したわけでございまして、開発会社がどこをやるのかという地点をきめてやりませんと開発会社としては動けないのでありますから、早く開発会社のやる地点というものをきめたいというのが、この審議会に課せられました非常に大きい重大な事項でございます。そこで前大臣であります山崎国務大臣は、審議庁長官に就任いたしました最初の一つ考えといたしまして、丁度そのときは議会の解散になつたあとでございますから政変のさ中であるから、政変のさ中においては行政官庁同志で非常に問題が多い、或いは地方行政官庁との間にも問題が多い、或いはその地点に対する調査が、開発案が幾種類もある。或いは政治的な問題が非常にからんでおるといつたような地点に関しては、この政変の最中には成るべく取上げないで、そして取りあえずはそういう問題のないどこでも異存のない地点を先ず最初に取上げて開発会社の開発地点とすべきではなかろうかという御趣旨がございましたので、その趣旨に則りまして、各省から、開発会社でやるべき地点として一番そういう問題のない地点というのはどこかということをそれぞれの関係官庁から資料を出しておるわけでありまして、そして各官庁ともこの地点であれば問題はないと思われる最大公約数の地点を選択いたしまして、そして第二回、三回、四回分審議会でそれぞれ開発会社の開発地点というものを第一次的に取上げたわけでございます。その地点は北海道では糠平でございまして、東北では北上の猿カ石、胆沢という地点でございます。それから天龍の佐久間という地点を選びました。もう一つは庄川の御母衣を選びまして、最後の地点といたしましては十津川、これは和歌山と奈良との県境にある川でございますが、その十津川の開発地点でございます。この五つの地点を大別して申上げますと、糠平並びに天龍と御母衣は、いずれかと申しますと、国土の総合開発という点よりも、むしろ大規模な電源地帶というような範疇に入ろうかと思います。あとの残つた二つの北上並びに十津川に関しましては、いずれかと申しますと、国土総合開発的な観点が強うございまして、むしろ電力としては比較的小規模な地点でございます。元来あの法案の趣旨から申しましても、大規模なもの、或いは国土総合開発上電気のほうのみから問題を考え得られないような地点がございますので、今申しましたような地点を第二次的に選んだわけでございます。その他調査地点といたしまして、只見川、熊野、琵琶湖、吉野川、九州の球磨川の五つの地点を調査地点として決定いたしました。従いましてこの地点はいずれかと申しますと、いろいろ開発の案が錯綜しているとか、数案ある、或いはまだ調査が不十分だとかいつたような地点でございまして、而もいずれの川をとつて見ましても非常に大きい地点でございまして、愼重な調査を進め、最も合理的な立派な案を採用しながら今後の開発をする必要がございますので、一応調査地点と定めまして府県等で、開発会社で仕事のしやすいように一応決定して、積極的な調査をやらせるようにした次第でございます。そういうふうに大体において川の応急の線を取極めまして、新らしい今度の内閣になつたわけでございます。新らしい内閣になりまして、今進めております事項は、その調査地点、或いは前にきめました五河川のほかに、若干まだ問題として残されておる点がございますので、そういう地点を二、三取上げまして、それをこの次の審議会で決定いたしたいというふうに考えております。一方こういうふうに審議会できめましたものを開発会社のほうといたしましては、人事の整備その他と並行いたしまして、それぞれ現地には建設事務所、或いは調査事務所というものを作りながら各電力会社、或いはその他の機関との協力を要する事項はそれぞれ細部の取極も終えまして、目下建設或いは調査の進捗を図つている次第でございます。  極く過程の大筋を申上げますと以上の通りでありまして、もう一つの表がございまして、昭和二十六年、二十七年、二十八年度の資金或いは開発の規模等の表がございますが、二十七年度に関しましては、大体この表に見られるようなところで收まるのじやなかろうかと思います。若干変更があると思いますが、二十八年の度分に関しましては、千六百億とここに示してございますが、現在のところでは或いはもうちよつと殖えるかもわかりません。それからその内部の振分けでありますが、或いは自家発の分が現在の実績から考えますと、各機関でそれぞれ電気をやる関係上だんだん実績が上らないので手控え勝ちだという傾向も見え出しておりますので、自家発のほうは相当大幅に落ちましてその代りに特殊会社と電力会社に相当ウエイトをおいて開発して行くというふうなことになるだろうということで、目下それぞれ積上げ作業をして来ております。大体の今の、まだ勿論結論でもありませんが、作業中の過程を申上げますと、特殊会社がこの分よりも遥かに殖えます。それから電力会社は若干殖えるだろうというふうな睨みで作業を進めつつあります。その結果を更に大蔵省或いは関係当局その他の関係省とも協議いたしまして、来年度予算がきまるまでにははつきりした態度をきめまして、審議会としては御研究願おうかというつもりでございます。これはまたそういう意味で一応参考資料でございますので、そのつもりでお取扱い頂きたいと思います。  次に、千六百億の内訳が次にありますが、それを見ますとそれぞれの機関がどういうふうな規模で開発をするのか、新規をやるのか、継続をやるのかといつたような問題が載つておりますが、さつき申しましたように、これに対しては、現在のところでは更に相当の修正を予定してございます。  非常に簡単でございましたが、今までの経過を大ざつぱに申上げますと以上の通りであります。
  26. 境野清雄

    委員長境野清雄君) 調査地点というのはこれにありますか。
  27. 佐々木義武

    説明員佐々木義武君) 載つていません。
  28. 境野清雄

    委員長境野清雄君) 何か今の問題に関しまして質問がおありですか。電源開発の問題についてはあと懇談申上げたいと思うのでありますけれども、又通産委員会との連合委員会もやりたいと思つております。そういうような問題がありますから、又の機会がありますので、そのときに讓つて頂いても結構だと思うのであります。ほかに御発言もなければ、委員会はこれで閉会にいたしたいと思いますが、如何でありますか……。  それでは委員会はこれで閉会いたします。    午後四時三十八分散会