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1953-02-21 第15回国会 衆議院 電気通信委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十八年二月二十一日(土曜日)     午後二時四十一分開議  出席委員    委員長 橋本登美三郎君    理事 久野 忠治君 理事 中村 梅吉君    理事 有田 喜一君 理事 松前 重義君    理事 原   茂君       岩川 與助君    貫井 清憲君       松村 光三君    水田三喜男君       楢橋  渡君    淺沼稻次郎君       山田 長司君  出席政府委員         郵政政務次官  平井 義一君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  金光  昭君         郵政事務官         (電波監理局         長)      長谷 慎一君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  庄司 新治君  委員外出席者         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ————————————— 二月二十日  豊橋市に放送局設置請願福井勇紹介)(  第二三〇五号)  茨木電報電話局局舎新築等に関する請願(淺香  忠雄君紹介)(第二三四四号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  有線電気通信法案内閣提出第四九号)  公衆電気通信法案内閣提出第五〇号)  有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案(  内閣提出第五一号)  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の  承認を求めるの件(内閣提出承認第二号)     —————————————
  2. 橋本登美三郎

    橋本委員長 これより開会いたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会承認を求めるの件、すなわち日本放送協会昭和二十八年度収支予算を議題とし、審査に入ります。まずその趣旨の弁明を求めます。政務次官平井政府委員。した場合におけるその使用方法、前年度決算に收支剰余金があつた場合におけるその使用方法業務に関連ある研究に対する交付金
  3. 平井義一

    平井(義)政府委員 日本放送協会昭和二十八年度收支予算事業計画及び資金計画提案理由と、これらに対する郵政大臣意見書提出について御説明申し上げます。  この收牧支予算事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条の規定によりまして、国会承認を受けるために提出されたのでありますが、その作成にあたりましては、協会業務運営を指導統制する経営委員会が、公衆要望社会の諸情勢とを愼重検討の上、経営の適正を考慮し決定したものと考えられます。郵政大臣といたしましては、この收支予算事業計画等につきまして、放送法趣旨放送事業の現状、聴取者要望等、各方面からこれに愼重検討を加えました結果、お手元に配付の通り意見書を付して、国会提出することに相なつた次第でございます。これらにつきまして大略の御説明をいたしますと、昭和二十八年度における事業計画につきましては、その主眼を、標準放送については受信困難な地区改善地域別放送及び放送番組充実に、またテレビジヨン放送については、大阪及び名古屋においての放送開始、さらに将来建設しようとする都市における必要な調査等に置いております。すなわち受信困難な地区改善につきましては、放送局の新設、施設整備地域別放送充実につきましては、府県別放送充実して行うこととしております。また放送番組充実につきましては、文化の高揚を目的とする高度の芸術的及び教養的放送充実をはかる等、質的向上に努めることを計画されております。テレビジヨン放送につきましては、大阪及び名古屋にも放送局を設けまして、二十八年度放送を開始する予定であり、さらに他の都市施設を拡充するために必要な調査を行うことを計画しております。  收支予算におきましては、標準放送関係については、收入支出とも総額七十六億四千七百余万円と予定しておりますが、これを前年度に比べますと、それぞれ二億五千六百余万円の増加なつております。またテレビジヨン放送関係につきましては、收入支出とも総額六億三千四百余万円と予定しております、標準放送関係收入のうち、資本收入は、十億六千四百万円でございまして、この中には放送債券長期借入金減価償却引当金等が見込まれております。事業收入は、総額六十五億八千三百余万円でございましてそのほとんどが受信料收入でございますが、他に国際放送等交付金收入駐留軍放送関係役務提供に対する雑收入等が予定されております。受信料收入は、前年度に比較しまして五億二千八百余万円の増加なつております。なお受信料收入は、年度初頭の受信契約者数を一千三十万とし、本年度内受信契約者の増六十万を見込み、受信料月額五十円で算出したものでございます。  テレビジヨン放送関係收入につきましては、資本收入六億四百余万円でございまして、この中には長期借入金減価償却引当金が見込まれております。事業收入は、総額二千九百余万円でございまして、そのほとんどが受信料收入でございます。なお受信料收入は、年度初頭の受信契約者数を二千百とし、本年度内受信契約者の増を東京一万三千二百三十五、大阪及び名古屋を九千九百七十五と見込み、受信料月額二百円で算出したものでございます。  次に支出について申し上げますと、標準放送関係支出のうち、資本支出総額十三億三千百余万円で、このうち建設費八億三千六百万円は、放送施設建設改善及び整備費用であり、他は放送債券積立金返還金であります。事業支出におきましては、総額六十二億六千百余万円で、前年度に比し三億二千九百余万円の増加なつております。この中には、国際放送関係選挙放送関係駐留軍放送関係経費も含まれております。人件費につきましては、定員を前年度の八千四十三名に対し、放送施設の増及び受信契約者増加等に伴う、百九十六名の増員を予定し、基準賃金月額平均を前年度の一万四千四百六円に対し一〇%引上げ、一万五千八百四十七円としております。すなわち給与総額は二十三億二千六百余万円で、前年度に比し二億二千二百万円弱の増加なつております。その他の諸経費は、前年度に比し若干の増額にとどめております。なお予備金として五千万円が予算に計上されております。  テレビジヨン放送関係支出につきましては、資本支出二億八千八百万円で、これは全額建設費でありまして、大部分大阪及び名古屋放送施設建設に充てられる費用でございます。事業支出におきましては、総額三億三千六百余万円でございます。人件費につきましては、前年度定員百三十一名に対し、五十七名の増員を予定して、定員を百八十八名とし、基準賃金月額平均標準放送と同額で算出してございます。なお予備金として一千万円が予算に計上されております。  資金計画につきましては、本事業計画に基きまして、年度中における資金の出入に関する計画を記裁してございます。  以上、協会收支予算事業計画等を通観いたしますと、放送番組充実放送施設建設改修事業合理的経営に努める方針とつているものと認められます。郵政大臣といたしましては、慎重に検討を加えました結果、この收支予算事業計画等放送法趣旨に照しても、放送事業の運営上妥当であると認めた次第でございます。  これをもちまして、私の説明を終りたいと存じますが、なお詳細につきましては、御質問によりお答え申し上げたいと存じます。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認を賜わりますようお願いいたします。
  4. 橋本登美三郎

    橋本委員長 お諮りいたします。本件につきまして参考人として、日本放送協会会長垣鉄郎君並びに同理事岡部重信君より説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 橋本登美三郎

    橋本委員長 御異議なしと認め、さように決します。  なお参考人としておいでを願う期日は、二月二十五日といたしたいと存じます。御了承願います。なお本件に関する質疑次会より行うことといたしをす。     —————————————
  6. 橋本登美三郎

    橋本委員長 次いで先般政府委員より三法案の大綱について説明を聴取したのでありますが、この際、法案内容にわたりやや詳細な説明を求める必要があると存じますので、質疑を続行いたします前に、その説明を求めます。金光政府委員
  7. 金光昭

    金光政府委員 先般政府委員より有線電気通信法案公衆電気通信法案並びに有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法案につきまして、提案理由説明をいたしたのでございますが、その提案理由を補足いたしまして、ただいまから法案内容についてその概要を御説明申し上げたいと存じます。先般お手元に三法案要綱をお渡ししてあると存じますが、その要綱をごらんになりながら説明をお聞き願いたいと存じます。  まず順序といたしまして、有線電気通信法案から御説明を申し上げたいと存じます。従来わが国における電気通信関係基本法といたしましては、御承知のように明治三十三年に制定された電信法明治三十三年に制定された電信線電話線建設条例、終戦後の昭和二十三年にできた電信電話料金法、この三つがあつたのであります。このほかに電波関係につきましては、昭和二十五年に電波法制定されたことは、すでに御承知おき通りだと存じます。そこで公衆電気通信関係及び有線電気通信関係についての基本法が、ただいま申し上げたように明治時代制定されたということで、現在の諸情勢から見まして、内容的に非常に変更すべき点があるわけでございますし、またその内容におきましても、当然法律規定さるべき事項省令に委任されておるという面もありますので、この際新憲法精神に基きまして、従来の電気通信関係基本法を改正いたしまして、新たな立法をいたすこととした次第でございます。従来の基本法におきましては、有線電気通信規律監督に関する面と、公衆電気通信業務基本方針に関する事項とを電信法の中で一緒に規定しておつたのでございますが、今回の立法に際しましては、有線電気通信規律関係については、無線規律電波法でやつておるのと対応いたしまして、新たに有線電気通信法制定いたし、公衆電気通信業務基本法といたしましては公衆電気通信法制定する。なお昭和二十三年にできました料金法もあわせて公衆電気通信法の中に統合する、そういつた方針とつたわけでございます。  そこで、まず有線電気通信規律監督に関する有線電気通信法のおもな内容について申し上げますと、制定方針といたしましては、従来電気通信国家専掌を堅持していた建前から、私設設備についてはその範囲を非常に限定してしかもこれを許可主義にしていたわけでございますが、私設有線設備についてしかく厳重な規制をする必要がどこにあるかということを再検討いたしまして、一方において公社及び会社の行う公衆電気通信事業独占を侵害するおそれがあるかどうかという点、一方設備的に見まして、他の通信妨害を及ぼしたり、あるいは人体物件危害損傷を及ぼすおそれがあるかどうかという技術的の面、この三つの面から見まして、それらのおそれのないものにつきましては、今後私設有線設備設置原則として自由にするというふうに、方針変更したわけでございます。この点は従来の電信法のとりました建前から申しますと、まことに百八十度の転換を示したといつても過言ではないと存ずる次第であります。そこで私設有線設備については、ただいま申し上げましたように、公衆電気通信業務を行います日本電信電話公社国際電信電話株式会社独占経営を侵害するおそれのない限りにおきまして自由とし、そのおそれのあります私設有線電気設備共同設置接続他人通信の媒介、その設備他人使用といつたものにつきましての、所要の制限を加えることといたした次第であります。  第二に、技術的な面からいたしまして、他人設置する有線電気通信設備妨害を与え、あるいは人体危害を及ぼしたり、物件損傷を与えないようにするために、設備設置及び維持につきまして、必要最小限度技術基準を設けまして、技術的の面からの規制をいたすことといたした次第であります。  第三といたしまして、以上のような方針で、有線電気通信設備設置及び使用に関する規律の保持につきましては、できるだけ設置者自律にまつ建前とつたのでありまして、許可だとか、あるいは届出等の手続を要する事項を極力少くいたして参りましたが、一方におきまして必要な技術的の指導を行う面からの規制は必要でありますので、それらの点につきまして、私設設備設置及び変更につきましての届出書を出させることといたした次第であります。以上が大体制定方針であります。  次にこれらの方針に基きまして、法案のおもな内容について申し上げますと、この有線電気通信法規律する対象となるのは有線電気通信設備信号設備でございますが、有線電気通信設備というものは、導体を利用して電磁的方式によつて、符号、音響または影像を送受する一切の有線電気通信設備であるというふうに、この法律規律対象を明らかにしたわけでございます。信号設備につきましては、別に有線電気通信設備ではございませんが、やはり他の有線電気通信設備妨害を与えるおそれがありますので、この妨害を排除する必要から、技術基準に関する事項のみを準用することといたした次第であります。  第二に、私設有線電気通信設備設置につきましては、先ほど方針の際に申しましたように、従来の非常に限定された範囲を、今度は一人の専用に供するために、単独で設置する設備である限りにおきましては、公衆電気通信系の一元化をそこなうおそれがございませんので、これは原則として自由にすることにいたした次第であります。  第二に、私設有線電気通信設備共同設置は、公衆電気通信独占を侵害するおそれもできて参りますので、原則として禁止いたしますが、構内だけの設備だとか、あるいは有線放送設備につきましては、自由に設置してもよろしい、それから共同して行う業務であるとか、あるいは緊密な関係を有する業務使用するための設備であるとか、あるいは公社のいずれの電話加入区域にも属さないような非常に辺鄙な地域にあります設備につきましては郵政大臣許可を受けて設置することができることといたした次第でございます。  第三に、有線電気通信設備使用関係でございますが、私設有線電気通信設備接続につきましては、現在の電信法では一切禁止しておりますが、この法案におきましては、ただいま共同設置の際に申し述べましたと同様に、設備相互間の接続は、この共同設置と非常に似た形になりますので、構内等設備相亙間、有線放送設備相亙間だとかいうものについては、自由に接続できる。あるいは非常事態におきまして、郵政大臣命令を受けて緊急通信を行う場合にも、自由に接続できる。それから共同業務であるとか、あるいは緊急業務に必要な通信を行う場合、それから先ほど申し上げました特定地域設備の場合におきましては、共同設置と同様に、郵政大臣許可を受けて接続できることといたしたのであります。次に他人通信を媒介したり、その他その設備他人通信の用に供するということにつきましては、これは公衆通信に非常に類似した行為になりますので、電信法におきましては主務大臣命令があつた場合以外は認めておりませんが、本法案におきましては非常事態におきまして郵政大臣命令を受けて緊急通信を行う場合、あるいは接続を許された者相亙間の通信を行う場合、その他法令に基きまして通信を行う場合、及びその設備特定地域設備だとか、あるいは有線放送設備である場合におきましては、これができることといたした次第でございます。  第四に、技術基準について申し上げます。この技術基準につきましては、有線電気通信設備施設者がみずから規律するための技術的な客観的標準としまして、混信等有線電気通信設備相亙間の妨害、あるいは人体または物件等に対する危害損傷等を未然に防止し、あるいは排除するために必要最小限度技術基準制定することといたしました。その基本方針をこの法案の中に入れまして、具体的な基準につきましては、政令をもつてこれを定めることといたした次第であります。  第五に、設備の検査、妨害の防止、及び許可取消し等についてでございますが、ただいま申し上げましたような技術基準を定めまして、できるだけ施設者自律にまつわけでございますが、もし有線電気通信設備技術基準に適合しないために、他人設置する有線電気通信設備妨害を与え、あるいは人体危害を及ぼし、もしくは物件損傷を与えると認められました場合には、郵政大臣におきまして必要な限度においてその設備使用の停止、改造もしくは修理等の措置を命ずることといたしたのでございます。また第といたしまして、郵政大臣は先ほど申し上げました共同設置接続または他人使用等許可にかかる有線電気通信設備が、許可の条件に適合しなくなつた際におきましては、その許可を取消すことができることといたしたのでございます。  第六といたしまして異議申立て及び聴聞でございますが、ただいままで申し上げましたようなことで種々の行政処分がなされるわけでございますが、不当な行政処分救済手段といたしまして、異議を申し立てる道を開きます。また行政処分の公正を期するために許可取消しを行う場合、あるいは異議申立てを受理した場合におきましては、公開による聴聞を行うことといたした次第でございます。  第七といたしまして、信号設備でございますが、信号設備有線電気通信設備ではございませんが、これに類似した電気的設備といたしまして、一般通信系妨害を与えるおそれがありますので、技術基準及びこれに関連いたしました使用の停止、改造、修理等措置命令というような事項につきましては、準用することといたしたのでござといます’。  第八といたしまして、罰則でございますが、罰則につきましては、有線電気通信設備の保護、通信秘密確保、この法律施行確保のために必要最小限度罰則を設けることといたしたのでございます。  最後に施行期日でございますが、この法律施行期日は別途に施行法の中で規定することといたしまして、一応二十八年の四月一日を予定している次第でございます。  以上が有線電気通信法案のごく概要でございます。  次に公衆電気通信法案概要についてお話申し上げたいと存じます。  公衆電気通信法につきましては、その制定基本方針といたしまして、まず第一にこの法案有線及び無線を通じます公衆電気通信業務に関する基本法といたした次第でございます。  第二といたしまして、従来の電信法におきましては、事業保護のために必要として設けられております各種の特権的規定罰則が相当多いのでございますが、新憲法精神に即応いたしまして、極力これを廃止いたしまして、事業特殊性に基きまして真に必要とするものだけを存続せしめることといたした次第でございます。  第三といたしまして、公社の行います公衆電気通信設備建設及び保存につきましては、従来電信線電話線建設条例によつておりましたが、この条例は相当現在の社会情勢から見まして特権的な色彩が濃厚でございますので、今回はできるだけ土地收用法精神を生かしまして、土地收用法により得ないところの公社建設、保存いたします線路その他の空中線等につきまして、特にこの公衆電気通信法の中に土地収用法の特例的な規定を設けまして、その他のものにつきましては土地収用法規定によるということにいたした次第でございます。なおこれらの手続等も民主化いたしますと同時に、適正な補償をなすということにいたしておる次第でございます。  第四といたしまして、現在は電信法のもとにおきまして省令に委任されて電報規則なりあるいは電話規則中に基本的な電信電話サービス規定されておりますが、その中で特に法律規定することを適当と認められるものにつきましては、現在の社会、経済の実情に沿うために必要なる変更を加えまして、これを法律規定することといたしました。  第五といたしまして、料金につきましては、現在電信電話料金法におきまして、主要料金、基本的な料金のみならず、附加的の料金もすべてこれを包容しているのでございますが、今回は主要料金のみをこの法律の中で規定いたしまして、附加的の料金につきましては郵政大臣の認可を受けて公社または会社が定めることといたしたのであります。  第六といたしまして、国際電気通信業務につきましては、条約に別段の規定がない限りにおきましては、この法律を適用することといたしたのであります。  次に法案のおもな内容について申し上げますと、総則におきましては公衆電気通信業務の全般的な規定を置いたわけでございまして、その中のまず第一といたしまして、新憲法規定してあります国民の法のもとにおける平等、表現の自由及び通信秘密確保を保障するために、公衆電気通信サービスの提供及びこれが利用につきまして、利用の公平、検閲の禁止及び秘密確保に必要な規定を設けることといたしたのでございます。  第二といたしまして、非常災害時等におきます重要通信確保するために、公社郵政大臣の認可を受けて定めます基準に従いまして、公衆電気通信業務の一部を停止することを認めたのでございます。  第三といたしまして、現在におきましても公社郵政省に委託いたしまして、郵便局公衆電気通信業務の一部を行わせているのでございますが、今後におきましてもこの方針を継続いたしまして、この法律にその根拠となるべき規定を入れたのでございます。  第四といたしまして、郵政省以外におきましても、公衆電気通信業務の一部委託を適当と認めたものにつきましては、その事務の委託ができることにいたしたのでございます。  次に今回国際電信電話株式会社が設立されることになりますと、国際電気通信業務は、会社公社と双方で行うこととなつております。その国際電気通信業務の分界を定めますために、政令会社の行います国際電気通信業務範囲を定めることといたしておるのでございます。この国際電信電話株式会社の行います国際電気通信業務範囲というものは、どういうふうに定めるかと申しますと、逆に公社の方で行いますものを申し上げますと、公社はごく一部の国際電気通信業務、ただいまにおきましては先般も御説明申しました通り、南西諸島との間の国際電気通信業務を行うことといたしまして、その他大半の国際電気通信業務はあげて会社が行うことといたすのでありますが、一応公社及び会社の行います業務範囲をこういうふうにわけましても、末端の業務におきましては、相互においてその業務を行う必要がございますので、これらの点に関しましては、相互に委託して行うことができることといたしたのでございます。以上が総則に定められております主要な事項でございます。  第二に、電報についての規定でございますが、電報につきましては、現在の電報規則等で定められました規定をほとんどそのまま踏襲しておりまして、特に内容において変革を加えた点はないのでございます。ただ現在は電報の種類は発信者の区別によりまして、官報、局報、私法という三種にいたしております。また送達上の順位は至急官報、至急私報、官報、局報、私報、翌日配達電報という順になつておりますが、これを改めまして、電報の種類は通常電報及び特別電報とし、至急電報普通電報、翌日配達電報、こういう順序にいたした次第であります。  なお送達につきましては、特に特例といたしまして天災、事変その他の非常災害時におきましては、特に災害の予防、救援、交通通信、電力の供給の確保、または秩序維持のために必要な電報、いわゆる非常電報は前項の順序にかかわらず、他の電報に先だつて優先的な伝送及び配達をする。第二に非常災害時でなくとも、特に公共の利益のために緊急送達を要するような内容電報につきましては、公社が定めますもの相互間のものにつきましては、前項の順序にかかわらず優先的な伝送、配達をするといつた特例を定めたのでございます。  第三といたしまして電話でございますが、電話につきまして特に今回内容において御説明を申し上げるような変更を加えました点のみを申し上げますと、第一といたしまして、現在は加入電話の種類は、単独加入と共同加入という二つにしておるのでございますが今回は加入電話の種類といたしまして従来の甲種増設電話機、いわゆるPBXの局線にあたる電話を、新たに加入電話という観念として扱うことといたしたのであります。  第三に加入電話の利用関係につきましては、加入権の問題につきましては従来から法律上の性質について種々疑問がありましたので、この加入電話の利用関係を私法上の契約関係だということを明らかにいたした次第でございます。  それから第三といたしまして、従来は単独電話及び共同電話の電話機あるいは構内交換設備設置場所は、加入者の住所、居所または業務使用する場所であることを要します。官公署、法人等におきましては、特にその高級職員の住宅に設置することを認めておつたのでありますが、今回はこれを広げまして、加入者の使用人及び加入者の行う事業に従事する者の場所に設署することを認めることとなつたのでふります。  次に構内交換電話の内線電話機の設置の場所でございますが、これは原則といたしましては、その加入者の構内区域に限られておつたのでございますが、ビルデイング等につきましては、特に電話の不足を救済し、あるいは重複施設を避けるために、内線電話機の一部によつて、他人に通話させることを認めることを公社と契約いたしましたときには、同一ビル内の他人事務所にも内線電話機を設置することを認めることといたしておるのであります。  それから次に現在の段階におきましては、予算等の関係におきまして、電話の申込みに全面的に応ずるということはできませんので、現在の電話規則とつておりますと同様に、公益上の緊要な業務を行うもののみの申込みを優先的に承諾するという、優先受理の精神をそのまま踏襲しておるわけでございます。それから昭和三十四年の二月十五日以降におきましては、御承知の通りポツダム政令によりまして、電話の加入権の譲渡を禁止して参つたのでございますが、御承知の通り昨年の十月一十四日をもちまして、この政令が失効になりましたので、電話規則の改正によりまして、今までいわれておりました昭和二十四年二月十五日以降の新電話というものの譲渡禁止を解除したわけでございます。この方針は今回の法律におきましても、そのまま踏襲いたしましたが、ただ投機的な加入申込みを抑制する必要から、電話加入権を他人に譲渡した人は、その譲渡の日から一年以内におきまして、さらにその人がその電話を譲渡いたしましたと同一の加入区域において新たな申込みをした場合におきましては、その加入申込みを承諾しないことができるということといたしたのでございます。この点につきましては、現在省令において行つております方針と同様でござ  次に現在は普通加入区域内におきましては、加入電話の設置について、装置料のほか、特別の料金の支仏いを要しないことになつておりますが、特別加入区域内及び加入区域外に加入電話を設置します場合には、装置料のほかに、特に現在の公社財政の状況から、特別に費用のかかる電話を設置することが困難でございますので、それらの特別区域及び加入区域外におきます加入電話の設置につきましては、電話線路の新設に要する経費を加入者に負担させることにいたしておるのでございます。  次に市外通話関係につきましては、現在と大体同様でございまして、特別に変更を見ておりません。非常災害時等の場合におきます非常通話あるいは公益上必要なる場合の緊急通話というものにつきましては、先ほど電報で御説明したと同様のことで、特に優先扱いをすることといたしておるのでございます。  それから次に公衆電気通信設備の専用関係でございますが、この専用につきましても、大体現在の制度と同様でございます。専用者は、原則といたしまして一つの専用契約につきまして一人に限るということにしておりますが国の機関及び地方公共団体、その他同一の業務を行う二人以上の者、相互業務上緊密な関係を有するために、その間の通信を必要とする二人以上の者というものにつきましては、共同して専用契約を申し込むことができるというふうにいたしておるのでございます。  また専用契約につきましても、先ほどの加入電話の申込みと同様に、全部の需要に応じ得ないために、公益優先の精神をここにも取入れたのでございます。それから専用契約につきましては、加入電話と違いまして、これが特に財産権の対象ということになつてもおりませんし、またこれはごく少いものでもございますので、特にこれは移転の目的とすることができない。相続及び合併の場合のみについて承継を認めるということにいたしたのでございます。  それから専用契約に基きますこの専用設備他人使用させたり、あるいは業としてその設備によりまして他人通信を媒介するということは、これは公社の線を借りてさらに公衆通信類似の業務をいたすことになりますのでこれは原則として禁止しておるのでございますが、特に例外といたしまして天災、事変等の非常事態が発生したりあるいは発生するおそれがあります場合に、災害の予防、救援等重要緊急の事項を通報するとき、及び他の法律におきまして特定の者の電気通信設備を他の特定の者が使用することができる旨を定めております場合におきましては、専用設備他人使用させることを認めることといたしておるのであります。  第五といたしまして料金でございますが、料金につきましては先ほど申し上げましたように、現在におきましては電信電話関係の各種役務の料金は、全部料金法で定めてあるのであります。例外といたしましては国際電報と国際電話に関する料金等は法定してありません。その他はすべて法定してあります。公社または会社の行います公衆電気通信業務独占経営なので、事業者であります公社または会社が一方的に料金を決定するということはもちろん不当でありますが、現在のようにすべての料金を法定することも、かえつて公社経営の自主性を妨げる面もございますので、特に一般国民に重大な影響のあります基本的な料金のみを法律で定めることにいたしまして、その他の附加的な料金につきましては郵政大臣の認可を受けて定めることといたした次第でございます。  国際電気通信関係料金につきましては、金フランあるいは外国通貨で定められておりまする場合が多いのでございますが、こういう場合におきましては、公社または会社がその料金を邦貨に換算する割合が、これは利用者に非常に大きな影響がございますので、この換算割合を定めます場合は郵政大臣の認可を受けることといたしたのでございます。  それから次に不法に料金を免れた者に対しましては、その免れた額のほかに、その免れた額の二倍に相当する額を支払うという義務を負わせることにいたしまして、不法使用を避けることといたした次第であります。  なお料金の返還でございますが、電報が受取人に到達しなかつた、あるいは電報が非常に遅れて到達した場合、加入電話が二日以上も継続して不通になつた場合というような、サービス本来の趣旨にもとるような場合におきましては、現在におきましてもそのサービスにかかる料金を返還することに改めたのでございますが、この法案におきましても、その返還の場合をさらに追加いたしておるのでございます。  それから次に土地の使用関係につきましては、電信線電話線建設条例というものが明治二十三年に制定されました。非常に古い法律でありますために相当現在の情勢から見て行き過ぎの面が多いのでございますので、一方におきまして公共の福祉を確保すると同時に、一方において財産権の尊重ということを適当に調整するということを基調といたしまして、電信電話線路に必要な土地の使用等につきまして必要な規定を設けたのでございます。まず第一といたしまして公社は、現在の規定と同様に公衆電気通信業務の用に供します線路及び空中線並びにこれらの付属設備設置するために、他人の土地及びこれに定着する建物その他の工作物を使用することができることといたしたのであります。しかし現行規定におきましては、その使用についての制限を定めておらないのでありますが、本法におきましてはその土地の利用を著しく妨げない限度というふうに制限をつけたのであります。  また土地等を使用する権利の存続期間というものが現在においてはないのでございますが、今回は特に地下ケーブルその他の地下工作物あるいは鉄筋コンクリートづくりの地上工作物の設置に必要なものについては五十年、その他のものにつきましては十五年というふうな存続期間を明定いたした次第でございます。  それから次に土地等の使用の手続でありますが、現行規定と異なりまして土地等の権利者の権利または利益の保護をはかるために、都道府県知事の認可を受けて土地等の所有者と協議に入り、協議がととのわないときには都道府県の知事が裁定をするということに改めたのでございます。  こういうふうな方法で設定されました土地等の使用権に対しましては、小社は土地等の使用によつて通常生じます損失を償うように、線路及び土地の種類ごとに政令でその対価を定めまして、その対価を支払うことといたしたのであります。  次に公社他人の土地を一時使用したり、あるいは他人の土地に立ち入つたり、あるいは植物の伐採等を行うことによりまして損失を与えた場合においては、これを補償することにいたしました。その損失の補償につきましては公社と損失を受けた者とが協議することができず、または協議がととのわないときは、都道府県の知事の裁定ということにいたした次第でございます。  次に水底線路の関係でございますがこれにつきましては水底線路の敷設と漁業権との調整の必要が起るわけでございますので、特に水底線路と漁業権の調整のために次のようなことを規定したわけであります。水底線路を敷設しようとします場合には、公社または会社郵政大臣及び都道府県知事にまず届出をする。都道府県知事は、漁業権が設定されている水面につきましては、右の届出があつたときにはこの漁業権に関する利害関係人の意見を聞いて、公社または会社は必要のある場合にはこれを変更しなければならないという規定を置いたのでございます。  また都道府県知事は、公社または会社の申請がありました場合におきましては、水底線路を保護するために必要があるときには、右の指定された保護区域内に設置されている漁業権を取消したりあるいは変更したりしなければならない。その場合公社または会社がその取消しまたは変更によつて生じた損失を補償するというような規定を置いたわけであります。  次に雑則といたしまして、この中で構内交換電話の交換設備及び内線電話機または専用設備の専用者の宅内に設置される端末機器等についての設置等についてのことをまず規定しておるのでございます。現在は公社におきまして原則として設置、保存をいたしまして、ことに加入者の事業の性質上、公社による設置及び保存が不適当である場合等、特別の場合に限りまして加入者または専用者の自営を認めておるのでありますが、今回は利用者の要望等にかんがみまして、これらの電気通信設備及び船舶に設置する加入電話の設備は今後公社が行いますほか、加入者または専用者において自由に設置及び保存することを認めることといたしたのであります。但しこの場合設置及び保存につきまして何らの規律を設けないということになりますと、設置者のみならず一般の公衆電気通信業務に支障を及ぼすおそれがありますので、その設置及び保存につきましては、その支障を防止するために、必要な限度におきまして公社郵政大臣の認可を受けて定めます技術基準に適合するものでなければならないこと、及び工事に従事する者は、郵政省令の定めるところによりまして公社が認定する一定の資格を有するものでなければならないということといたした次第でございます。  第二に、利用者の利便をはかるために私設有線設備公衆電気通信設備への接続を認めたのでございます。原則としてはもちろんこれは認めないわけでありますが、特にその接続しようとする私設設備は、公社郵政大臣の認可を受けて定める技術基準に適合し、公社業務の遂行に支障を及ぼすおそれがない場合に限りましては、これの設置を認めることといたしたのであります。その場合といたしましては、専用設備にその専用者が設置する私設有線設備接続するとき、あるいは内線電話だけと通話ができるように、私設設備の回線を接続するときということにいたしたのであります。また以上の場合のほか、私設有線設備接続することが公共の利益のために必要である場合には、例外として私設有線設備接続を認めることとしたのであります。  次に公社または会社は、外国政府、または外国人もしくは外国法人との間に国際電気通信業務に関する契約を締結し、あるいは変更したり、あるいは廃止したりしようとする場合において、郵政省令で定める事項内容とするものであります場合には、その締結変更廃止につきまして、郵政大臣の認可を受けなければならないことといたしたのであります。現在外国の通信事業社、たとえばアメリカのRCA会社あるいはデンマークの大北電信電話会社との間にこの協定を結んでおります、そういうものを言つておるわけであります。  第四といたしまして、公社は現在は電信法規定によりまして、電話の取扱いにつきましては一切賠償の責に任じないこととなつているのでございますが、その点につきましては現在で相当いろいろな問題もあつたのであります。今後におきましてサービスの不履行について、一切賠償を行わないというのは適当でない。さればといつて民法の一般原則によるということになりますと、電気通信業務のごとく瞬間的にしかも大量の通信を取扱う業務の性質からしまして、適当ではないのでありまして、よつてこれら両者の要請を折衷いたしまして、本法案におきましては限定賠償の方針をとることといたしたのであります。サービスを提供すべき場合におきましてその提供しなかつたことによりまして、利用者に加えました損害が、不可抗力あるいは利用者の故意もしくは過失に基かない場合におきましては、電報の遅延及び下達、照合電報通信文における誤謬、加入電話の五日以上の不通等によつて生じました損害について、その料金額の五倍を限度として賠償することにいたしたのであります。  次に罰則でありますが、これは公衆電気通信業務の運行の確保通信秘密確保公衆電気通信設備の保護及び公社または会社の職員の本法違反の防止に備えるため、必要最小限度規定にとどめたのであります。  次にこの法律施行期日でありますが、この点は先ほどの有線電気通信法で御説明申し上げたと同様に、施行法の中でそれを定めるわけでありますが、有線電気通信法と同様四月一日と予定しておるわけであります。  次に料金関係について御説明申し上げます。今回の公衆電気通信法の別表に、先ほど御説明申し上げましたような使用料金を掲げてあるのでございますが、今回公社におきましては、現在の收入の約一割に当ります八十億円の増收をはかることといたしまして、昭和二十八年四月一日よりその料金改訂を行うこととし、所要の新料金をこの別表中に掲げたわけでございます。それらの料金改訂のごく概要について御説明申し上げます。  まず第一に電報料金でございますが内国電報においては現在におきましても相当の赤字を出しております。電報の原価中に占めます人件費の比率は電話よりも高いという関係から、昨年十一月から行われました給与ベースの改訂等の結果から見ますと、ますます事業の赤字が増大する。そのために収支比率がますく悪化するというような結果に相なつておるのでございまして相当大幅な料金値上げも必要でございますが、今回は電報料金につきましては最小限度の値上げを行うことにとどめることにいたしまして、市外電報の基本料を現行十字まで五十円のものを六十円に改正することだけにとどめました。五字ごとに十円の累加料につましてはすえ置くことといたした次き第であります。なおその他の電報料金、たとえば市内電報料金あるいは翌日配達電報料につきましては、やはりすえ置きということにいたした次第であります。そこで値上げをいたします市外電報料の値上げ率がどの程度になるかと申しますと、現在の市外電報の平均字数は二三・五字でございます。この二十三・五字で計算いたしますと、今回の基本料が五十円から六十円に十円上つたことによりまして、約十三%の料金値上げとなることになります。  次に市内電話の料金でございますが、市内電話の料金につきましては、度数制の局と均一制の局とにわけて御説明申し上げます。  度数制の局につきましては、現在御承知のように東京、大阪等の大都市の市内電話は、市内の通話区域が漸次大きくなりました。それと同時に加入者の数も非常に多くなつた。そのために電話の利用価値につきましても他の度数制局に比べますと、非常に利用価値が高いものとなつておるわけでございます。またこのためには基礎設備も非常に多額の経費を要するのであります。そういう設備の固定費に相当いたしますものが、この基本料なのでございます。この基本料のみを度数制局については改訂することといたしまして度数料はそのまますえ置きということにいたした次第であります。度数制の局のみならず均一制の局も含めまして現在の電話の局種別というものは御承知の通り一級から十級までの十段刻みにしておるのであります。たとえばこの一級局というのは加入者が五万以上の局をさしておるのであります。この一級に該当するのは現在東京と大阪であります。東京は約二十一万、大阪が約八万五千の加入者があるのでございます。そこで同じ一級と申しましても東京と大阪におきましては、その利用価値等にさらに相当の開きがあるのでございます。この際電話の局種別の刻み方を変更いたしまして、現在まで五万以上は全部一律に一級局といつておりましたものを、今回はさらに五万の上に一つの段階を設けました。五万から十五万まで、十五万から二十五万まで、一十五万以上、こういう三つの段階をさらに今回新設することといたしたのでございます。そこで新しい二十五万の局を新しい一級局と称する。そうしますと従来一級局でありました東京は、今回の新しい刻みで申しますと十五万から二十五万までの二級になるわけでございます。なお大阪は今回の新しい三級局となるということになる」わけでございます。そこでそういうふうに局の刻み方をかえまして、新しい一級局につきましての事務用の単独電話の基本料は九百五十円となりますがこれは現在のところ該当するものがないわけであります。次に二級局につきましては——現在の東京はこの二級局に当りますが、現在が五百四十円でございますが、これがここに書いてあるように八百円になるわけであります。それから大阪につきましては現在の五百四十円が七百円になるわけでございます。ところが度数制の局は御承知のように、基本料とそれにプラスして度数料によつて電話の使用料が定まるわけでございます。そこで従来の基本料プラス度数料、今回の値上げによる新しい基本料プラス度数料ということで、一体どの程度の値上げになるかということを総合して計算いたしますと、現在東京、大阪におきまする一加入者一日当りの通話度数は八・八度でございます。それで計算いたしますと、東京におきましては単独の事務用一加入者につきまして約一四%、大阪におきましては八・六%の値上げになるわけでございます。以上の東京及び大阪の局の基本料を基準といたしまして、漸次従来の二級、三級、四級、五級、新しい四級から七級までの基本料をそれぞれ、定めて参ります。それと同時に、均一制の使用料につきましては、今回の新しい五級局、昔の三級局におきます度数制の施行局におきます料金とバランスをとりまして、大体それと同額になるものを押えたわけであります。事務用で申しますと、いわゆる五級局、昔の三級局の均一の使用料を千五百三十円、度数料を入れました度数制施行局の五級局の事務用の料金も、平均いたしますと大体千五百円程度になる、それを押えまして以下六、七、八級の事務用の基本料をそれぞれ算出したわけであります。なお九級局以下につきましては、従来の均一制をすえ置きにいたしております。  さらに住宅と事務用の差でございますが、これにつきましては先ほども申し上げましたように、基本料が設備の固定的なものに相当するものであるとすれば、住宅用であろうと事務用であろうと、その使用度数によつて差があるわけではないのでありますが、従来はいろいろな事情を加味いたしまして特に住宅用は、事務用よりはある程度基本料におきましても均一使用料におきましても、安くしておつたのでございます。今回はその逓減率を多少高めまして、基本料の度数制の施行局につきましては、事務用と住宅用との逓減率を従来七〇%であつたものを八五%程度にする。それから均一制の施行局につきましては、現在六〇%程度であつたものを七〇%程度まで上げるということにいたした次第でございます。  次に市外通話料でございますが、市外通話料につきましては、近距離区間におきます料金が相当に原価を割つておりますので、これを経費に相応ずるような合理的な料金に是正する必要がありますので、この際それらの区間の料金の値上げを行うこととなりました。現在の待時区間の最低料金七円を十円に、それから八百三十キロまでのそれぞれの区間におきましては、それぞれ現在の料金プラス五円ずつの値上げということにいたした次第であります。なお八百三十キロ以上の区間につきましては、すえ置きということにいたしております。  また即時、準即時区間につきましては、現在の待時区間に対します普通通話料の三割ないし六割増しになつておりますが、それは準即時区間のサービスというものから考えますと同時に、二十八年度中には、東京・大阪間、あるいは東京、名古屋名古屋大阪間におきまして、ほとんど即時に近い新規の市外通話サービスが開かれることとなりますので、これらの点も考え合せまして、今回は普通通話料の五割ないし八割増しとすることといたした次第でございます。  次に市外専用電話料、電信専用料及び市内専用電話料についてでございますが、これらにつきましては、現在の市外専用電話料につきましては、今回市外通話料の値上げに伴うだけの改訂にとどめまして、料金算定の基礎となつております市外通話料に対します倍率を変更をいたさない。一般の市外専用料は、普通通話料の二百倍ということになつておりますが、これらの倍率については変更しないことといたしております。なお電信専用料と市内専用電話料につきましては、現在の料金が相当安いので、これにつきましては、大体五〇%程度の値上げを行うことにいたしておる次第でございます。  以上で公衆電気通信法のごく概要の御説明を終ります。  次に有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法のごく概要のみをお話申し上げます。  この施行法におきましては、先ほども申し上げましたように、まず施行期日を定める。この施行期日につきましては、公衆法、有線法は二十八年四月一日から施行することにまず定めたわけであります。  次にこの両法の施行によりまして、従来の基本法でありました電信線電話線建設条例電信法及び電信電話料金法の三法を廃止することにいたしたわけでございます。これらの法律を廃止することに伴います経過規定が必要となりますので、これらの経過規定をまず定めます。それと同時に他の法令で、今回の両法の制定に伴いましていろいろと改正すべき点が出て参りますので、それらの法令の改正をこの施行法の中で行うこととした次第であります。たとえば電波法の改正をこの施行法で行うことといたしておりますが、電波法の中にあります公衆通信業務というものの内容が、新しく公衆法で定めます公衆通信業務範囲と若干表現において食い違いがある点がありますので、これらの点を一緒にするというような点であります。また次に設備費負担臨時措置法の中におきましても、新しい公衆法の施行に伴いまして相当改正すべき点が出て参りましたので、これらの点の改正を行うというようなことで、関係法令の改正の条項をこの施行法の中にうたつたわけでございます。  以上ごく簡単でございますが、三法案概要について御説明申し上げた次第でございます。
  8. 橋本登美三郎

    橋本委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明後日二月二十三日午後一時より開会することにいたします。  これにて散会いたします。     午後三時四十七分散会