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1952-05-16 第13回国会 参議院 文部・水産連合委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年五月十六日(金曜日)    午後一時五十一分開会   —————————————  委員氏名   文部委員    委員長     梅原 眞隆君    理事      高田なほ子君    理事      相馬 助治君    理事      木内キヤウ君            川村 松助君            木村 守江君            小滝  彬君            寺尾  豊君            白波瀬米吉君            中山 壽彦君            石黒 忠篤君            高良 とみ君            高橋 道男君            堀越 儀郎君            山本 勇造君            荒木正三郎君            藤原 道子君            棚橋 小虎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   水産委員    委員長     木下 辰雄君    理事      松浦 清一君    理事      千田  正君            青山 正一君            秋山俊一郎君            入交 太藏君            小串 清一君            藤野 繁雄君            佐多 忠隆君   —————————————  出席者は左の通り。   文部委員    委員長     梅原 眞隆君    理事            高田なほ子君            相馬 助治君    委員            川村 松助君            木村 守江君            小滝  彬君            寺尾  豊君            白波瀬米吉君            中山 壽彦君            高橋 道男君            堀越 儀郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   水産委員    委員長     木下 辰雄君    理事            千田  正君    委員            青山 正一君            秋山俊一郎君            藤野 繁雄君   国務大臣    文 部 大 臣 天野 貞祐君   政府委員    警察予備隊本部    次長      江口登留君    調達庁管理部長 長岡 伊八君    大蔵省管財局長 内田 常雄君    文部大臣官房総    務課長     相良 惟一君    文部省大学学術    局長      稻田 清助君    文部省管理局長 近藤 直人君   事務局側    常任委員会専門    員       石丸 敬次君    常任委員会専門    員       竹内 敏夫君    常任委員会専門    員       岡  尊信君    常任委員会専門    員       林  達磨君   —————————————   本日の会議に付した事件教育及び文化に関する一般調査の件  (東京水産大学校舎に関する件)   —————————————    〔梅原眞隆委員長席に着く〕
  2. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 只今から文部水産連合委員会を開きます。慣例によりまして、不肖私が委員長を勤めさして頂きます。  本日の連合委員会の議題でございます、東京水産大学校舎校地に関する問題につきましては、第十一回国会閉会中に、即ち八月二十八日と、九月六日の二回に亘り、文部水産連合委員会を開きまして、調査をいたして参りました。この事件の内容につきましては、すでに委員各位の御承知のことと存じますので、改めて申述べません。その後の状況につきましては、只今こちらにお出でになつております予備隊次長から承わりたいと思います。なお本日要求してあります関係政府委員のかたがたは、文部大臣文部省管理局長大蔵省管財局長水産庁長官特別調達庁長官、同じく管理部長、以上の通りでございますが、只今全部は出席しておりませんが、やがてお見えになることと思います。それでは江口次長から御説明を願います。
  3. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 水産大学の問題につきましては、先般からいろいろ皆さんに御迷惑をかけております。久里浜にありますあの部隊をどこかに動かす、或いは越中島本部等も適当な建物に移したいと、かように考えておりまするが、我々が予定しておりました進駐軍接收されておりました建物で、返つて参りますものの中に、適当なものがまだございませんので、目下も外務省の予備作業班等を通じまして、米軍のほうと折衝はいたしておりますが、未だに適当な建物を入手することができない状況にあるのでありまして、現在もなお強くその折衝には当つておりますので、もう暫くいたしますれば、希望が持てるのではないか。かように考えております。我々といたしましては、もとより只今越中島の庁舎なども予備隊自体といたしましても、多少手狭になりましたし、あそこも必らずしも適当な土地とは考えませんので、いいものがあれば移りたいという望みは強く持つておるのでありますが、只今申上げましたような事情で、未だに適当な建物返還かたがきまつておりませんので、努力を続けながら、その経過を見守つておるというような状態でございます。
  4. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 只今天野文部大臣が御出席になりましたから、水産大学校舎校地の問題に関しまして、その後の経過を御説明を願いたいと思います。
  5. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、たびたび大橋法務総裁とこのことについて御相談をいたしております。こちらでも、ここはどうか、あそこはどうかという場所まで書いて、そして大橋大臣に申上げております。大橋大臣も非常にこれは熱心に考えられて、是非何とかしなければならない、これはもう実に誠実に考えておられるのです。けれどもまだどうしても適当なところに行けないという状態であります。今朝も実は大橋大臣にこの問題をお話をいたしまして、私のほうから、こういう候補地はどうだろうかというようなことを申上げたりいたして、そして大橋大臣も是非これはやらなければならないと考えておられます。若し詳しいあれは、局長のほうから補足させます。
  6. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 只今出席中の政府委員は、先ほどの御両名のほかに、長岡特別調達庁管理部長、それから近藤文部省管理部長稻田文部省大学学術局長がお見えになつております。御質疑のあるかたは、御質疑をお願いいたします。
  7. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 質問の前に議事進行について……。これから各委員から質問がなされるでありましようが、江口次長並びに天野文部大臣、もう少し具体的に御説明を承わりたいと思います。でありませんと、今後展開される質問が重複などして、時間の節約上非常に遺憾に思いますので、そういう通り一遍の説明でなくて、もう少し、どの建物をどう考えてどうなつたとか、今交渉中なのはどの建物だといふことを、御両人からもう少し詳細に説明を承わつて、それから各委員質疑に入つたらどうかと、こう考えます。
  8. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 如何いたしましようか。異議ありませんか……。それでは江口次長からもつと具体的に御説明を願います。
  9. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 只今文部大臣からもお答えがありました通り予備隊といたしましても、具体的に申上げますと、我々が望んでおりました建物は、最初は市谷建物つた。これが若し接收解除になれば、相当の広さを持つておりますし、我々の移りたいと思う容積もありまするので、あれを非常な楽しみにいたしておりましたところが、あそこにはやはり米軍が入るので、接收解除にならないということになつた。又元の麻布の三連隊、これも非常な希望を持つてつたのでありますが、これも予備作業班を通じての話の結果では、ものにならなかつた。今我々が欲しいと思つておりまするものにつきましては、まだ二、三ございます。例えば目黒にございますが、今英濠軍が入つておりますキヤンプがございますが、これなども是非返してもらいたいということでやつておりまするが、何しろこの秋頃にならないと、どうなるか、様子がまだ判明しないというような状態でもありまするし、もう一つには、横須賀の武山というところでございます。そこに昔軍が使つてつた大きな建物があるのでありまするが、これが接收になつておりまして、目下八軍が入つておりますが、その八軍が朝鮮へ参りましたあと空いておりまして、極めて僅かな米軍しかいないということがわかりましたので、これも何とか接收解除してもらえないかという交渉を、予備作業班を通じて、又大蔵省にも十分懇請いたしまして、その返還かたを強く要望しておるというようなことでありまするが、いずれも相手のあることでございまして、どうも我々には、希望は達せられないことは甚だ遺憾に思いまするが、今後も、先ほど申しましたように、熱心にやつて参りたいと思います。もう暫く時期を待つて頂きたいと思います。かように考えます。
  10. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 文部大臣から、これに補足される具体的なものがありましたら、御説明を願いたいと思います。
  11. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私が大橋さんとお話合したのも、今江口さんの述べられたような場所でございます。併しそのほかにも、又よさそうなところを私は調べ上げて、それを表にして、大橋さんのほうへ、こういうところも調べてくれんかといつて、数日前出したものでございます。そういうようにして、できるだけ具体相に話を進めるようにいたしておるわけでございます。
  12. 木下辰雄

    木下辰雄君 私は天野文部大臣江口次長にお伺いいたします。只今天野文部大臣お話では、大橋国務大臣も非常に苦心をしておるという御心中は察します。併し水産大学バラツクに入つてバラツクから出た。この間卒業式もありましたが、如何にも惨めな卒業式であつたのです。参議院で全会一致通過いたしました決議案に対する高田委員賛成演説にもありました通り網走監獄にも類するような宿舎に寝起きしておる。実に大学としては、もう最下等な学校であるということは、両大臣も御存じの通りであります。私どもは、この前の連合委員会、その後の両大臣のいろいろの言明によりまして、学生諸君に対しては、もう暫く辛抱しろ、もう二、三カ月辛抱すれば必らず空くのだということを申しまして、皆に待たしてある。然るにべんべんとして月が経つて、而も何の見通しもない。こうなりますると、その影響するところは非常に大きい。今非常に真面目にやつております学生も、どういう事態を惹き起すか測り知れないというようなことを、私どもは非常に憂慮いたすのであります。この前の御答弁によりまして、大体講和発効後においては市谷が空くのだ、空いたならば何とかそこに予備隊を持つて行つて、あそこを空けるのだ、ここ三カ月ぐらいしたならば何とかなるだろうということを私どもは聞いたのであります。只今文部大臣及び江口次長お話では、何の見通しもまだつかないのだ、成るべく至急に移りたいが、何とも見通しがつかないのだということに帰着するようであります。これは甚だ不安だ。何らか具体的な今後の交渉見通し及び時期というようなことをもう少し具体的にお見込みをお聞きしたい。
  13. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私も自分水産大学も見ておりますし、事情もよく知つております。あのままで決していつまでも置こうなどという考えはないのですけれども、御承知のように、市谷のほうも当にしても、あそこに行けるだろうと当にしておつたところが、急にそういう計画が変つて来たというような、予期しないことも起つたりして、それで遅延しておるわけでございますが、どうも今のところは、私は今朝も実は一つの案を大橋国務大臣に出して、そしてこの何とか小さい所でもどうか移つてもらつて、そうして水産大学は、今どうしてもここで空けてもらわんというと困るのだからして、越中島水産大学の分を何とか都合してもらいたいということを、大橋国務大臣に今朝も私が出ております。そういうようにして、大橋国務大臣も私どもも、どのぐらい水産大学があれでお困りになつておるかということはよく存じておつて、決してそれを粗略に考えておるわけではないのですが、当にしていたことが外れるとか、いろいろなことが起つて来ておるというような事情は、御了承頂きたいと思いますけれども、私は、この新学年の始まるまでには何とかせねばならないと考えております。
  14. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 先ほど委員長からお話がありました通り、第十一回国会におきまして、文部委員会におきましても、又文部水産合同委員会におきましても、この問題は深刻に論議されまして、そして当時の大橋法務総裁、現天野文部大臣にも現地を御覧を頂いて、実態をよく把握した上で、お話のように、何とか早急にしなければならんということになつたのでありますが、当時におきましても、勿論何月に空くからどうするというはつきりしたことは、見通しはつかなかつたのですけれども、大体講和発効見通しもついておるし、来年の遅くも七月頃には移ることができるであろうというようなお話がありましたので、実は本年の四月、新学年から学級が増加いたしまして、二百人の増加した学年の処置にも非常に困つてつたのでありますけれども、それまでを期待いたしまして、何とかあちらこちらに押し込めて、現在ようやく教授を続けておるような状態と聞いております。然るに最近いろいろな方面から伺いますというと、今お話のように、てんで見当がつかなくなつておるというようなことを承わりましたので、これはとんでもないことになつて来たと、我々も非常に心配しまして、実は本日の委員会を開いて頂いてお尋ねをすることになつたのでありますが、只今までのお話では、一向いつのことやらわからない。まあめどがつきかねる。今年の秋頃になつたら何とかわかるだろうということで、移るということにもなつておるわけではないようであります。私どもは仄聞しておるところによりますと、或る箇所はないではないが、併しそれは他の私立大学のほうにやることになつておる。従つてどうもそこに予備隊が移るわけにも行かないというようなことを仄聞したのでありますが、果してそういう事実がありますか。今朝ほど文部大臣から大橋国務大臣に御相談なつたという所は、果してどこであるかわかりませんが、若し今私が申しましたような事実があるとするならば、これは私も甚だ納得できない問題でありまして、現在国の、官立の学校自分の元々の校舎を持ちながら、追われ追われて非常な苦心を六年間も続けて来ておる。そうしてどうやら講和発効いたしまして、進駐軍の動きもぼつぼつ出て来ておる。その或る箇所が他の校舎を持つておる学校に讓ることになつておるから駄目だというようなことでは、私どもは到底納得が行かない。果してそういう事実があるかどうか、文部大臣にお尋ねいたします。これはたしか恵比壽にある海軍技術研究所である、或いは目黒海軍大学の跡とかいつたような所が、大学間の争奪といつたようなことにもなつておるかのように承わつておるのであります。そういうことであるとするならば、私は、文部大臣並びに大橋国務大臣が前に述べられたことは、さつぱり信がおけないように感じるのでありますが、その辺はどういうことになつておりますか、大臣にお答え願いたいと思います。
  15. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 只今お話恵比壽のことでございますが、私は何でもありていに申上げます。これはもう前から明治大学がそこに入る、それから一つ水産研究所が入るということになつておる。そしてこれは、いろいろな研究設備のようなものばかりあつて予備隊が入るには適しないということなんです。実はもつとこれも…私はこういうことを余り率直に申上げてはどうかという気もしますけれども、申上げないと話が具体的になりませんから……。実は私どものほうの研究所国語研究所等海軍大学の跡に入るということで、そういう話がしてあつたのですが、私は大橋大臣に対して、自分らのほうはやめるから、そこを一つ考えてくれんか。併しそこには到底予備隊が全部入るということはできませんでしようから、どこかと分けてでも入るとか、何か工夫をしてくれませんか。そして水産大学の分だけ早くあけてくれませんかと言つたら、大橋大臣が、一つ自分らのほうでも調べて見る、こういうことなんです。私どものほうは、自分らのほうのことは、もうどこをおいても水産大学のほうを先にせねばならん、こういう考えでやつておるわけであります。
  16. 千田正

    千田正君 只今の同僚の秋山委員からの御質問に続いて、私は、同じようなことでありますが、もつと詳しくお尋ねしたいと思います。それは巻間伝えられるところによるというと、自由党の幹部であるところの大野伴睦氏が明治大学の出身の代表として、特に明治大学の敷地として希望しておる。而もこの点について、池田大蔵大臣に強硬に談判して、どうにか話がつきつつあるということを承わつておるのであります。殊にこの点につきましては、文部大臣にお願いすると同時に、お伺いするのでありますが、つまり国立大学において、現在の水産大学のような、誠に教育施設としてかくも不適当な立場にあるものを除外してでも、私立大学を保護しなければならないか、私立大学に先ず第一番にそれを許可しなきやならないかというような点については、甚だ私は遺憾と思うのであります。この点の事情をはつきりして頂きたい。この点につきまして、大蔵省内田管財局長に伺いたいのでありますが、お見えになつておりますか。
  17. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) まだ見えておりません。
  18. 千田正

    千田正君 これは、大蔵省に特にこの点について聞きたいのであります。  それでは只今文部大臣にお伺いする点でありますが、閣内において、只今大野伴睦君からの要望によつて、そういうふうに明治大学に割讓するというような方向に進んでおるというように聞いておりますが、その点においては、文部大臣は如何に考えておられますか、その点を重ねて承わりたいと思います。
  19. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、大野伴睦さんのことはさつぱり存じません。ただ明治大学が以前から申込みしておつたということだけを聞いておるのでありますが、それだけではなくて、水産技術研究所ですね。そこがあそこを使うことに話をしてあつた。併し非常にあの場所がそれに適しているということなら又考えられるのですけれども、適しないという、そういうようなことから、私はほかの所を一つ捜したいと思つて、まあ躍起になつて、ほかの所をいろいろこれから、又只今も申したように、自分らのほうの国語研究所などが移るというのを、私はそれを抑えてまでも、そうして行こうという考えでやつておるわけであります。
  20. 千田正

    千田正君 重ねてお伺いしますが、それではほかにどこにも適当な場所がない。今の問題になつておりますところの明治大学が申込んでおる所、そこにでもぶつかつて行かなければならないというようなときにおいては、どちらを文部大臣は特に主張して讓り受けようとするお考えでありますか。その点承わつておきたいと思います。
  21. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) これは明治大学だけの問題でなくして、水産技術研究所の、非常にそういう研究に適した場所だと言つて前からやつておることですから、明治大学だけの問題としてこれは考えられないことでございまして、だから私どもは、どうかしてそういう不適当な所、而も技術研究所には非常に適した所ですね、そういう所はそのままおいて、他に代る所を捜そうと思つておるわけであります。
  22. 千田正

    千田正君 他に代る所と仰せられても、すでにあなたが御答弁なすつてからもう数カ月を経て、今日なお学生が不自由しておる。今以てあなたがいつできるという期限さえも切り得ないという立場にあつて、他に代るという所はどこを見付けなさるというお考えであるか、あらかじめその点も承わつておきたいと思います。
  23. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) その一つの所は、只今申しました海軍大学のあとでございます。これをどうかいたしたいと考えております。
  24. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 警察予備隊駐留軍から追廻されている水産大学は、本当に気の毒だと存じます。昨年以来前法務総裁、現在の大橋国務大臣が当時私の質問に対して、時間的に追込んで行きましたところ、二十七年の八月頃には解決できる見通しを持つておる、そのように努力するということを言明されて、本日の事態に入つた点は、大橋国務大臣としても、情勢は変つたとはいえ、相当私は責任があると考えるのでありますが、この情勢を変らせた最も大きな原因というものは、私は駐留軍都市中枢部から引揚げて、都市周辺に駐留するということを平和條約の審議の過程において、更に行政協定説明過程において、我々は外務大臣初め政府委員から再三再四聞いておつたところです。だから当時埼玉県の朝霞に司令部が移る予定なのが市谷変更なつたというときに、私は天野文部大臣に、この変更は如何なる理由に基くものであるか、更に又その変更によつて教育施設確保はできないのじやないかということを質問し、その善処方を要望しておつたのでありますが、私の杞憂が本日ここに実現して参つておるのでございます、私はお伺いしたいのは、今外務大臣がおられませんが、文部大臣並びに江口次長で結構でございますが、駐留軍平和條発効後においては、都市中枢部から引揚げて、周辺に行くというようなことを国民には説明し、又その角度から大橋国務相も、昭和二十七年八月には警察予備隊本部某所に、某所というのは市谷を当時指しておつたのですが、引揚げることに確定せられておつたのですが、こういう変化というものはどうしてできたのか、それに対する見解を承わりたい。
  25. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、そういうことについては全然存じておりません。
  26. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 江口次長どうですか。
  27. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 私も、その事情につきましては御答弁できない状態になつておりますので、詳しく申上げられません。
  28. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は、それは所管大臣でなければ……私はそれは再三聞いているわけでございますが、所管大臣ではございませんので、追究いたしませんが、それでは次にお伺いいたしますが、この独立後における合同委員会というものは対等な立場話合いされる。これは恐らく大臣聞いていないとはおつしやらないと思います。予備作業班において作業が進められておる。国会においても文教施設確保について決議案が出されておる。政府はそれに対して善処するとの答弁をされております。それから本問題の解決に当つては、先ほどから大臣みずから御発言になりましたように、大臣並びに大橋国務大臣は実地にも調査して、その必要性というものを痛感されておるということを、本日も答弁されているわけでございますが、この合同委員会に、準備作業班に対して、大臣は何らか働きかけたのか、今後働きかけようとしているのか。勿論今の越中島建物というものは警察予備際が入つてつて、直接にはこの合同委員会でやるところの駐留軍関係ないのでございますけれども、併し間接にこれは関係があるのであつて、あの越中島におるところの警察予備際が、駐留軍接收しておるところの或る建物に移れない限りは、皆さんがたが現在考えられておるところの解決策はないわけでございますから、関連性がないというわけじやございませんので、そういう努力をされるのか、今後努力されようとして滞るのか、その点御答弁を煩わしたいと思います。
  29. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) そういう関係のことは、私は大橋国務大臣相手にすべて話合いをやつておるので、大橋国務大臣が必要だと思えば、或いは岡崎外務大臣お話になるでしよう。私は、直接には大橋国務大臣話合いをしておるわけです。
  30. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 大橋大臣からも岡崎さんからも篤とお話されておるということでありますが、私自身も予備作業班については、しばしば建物の問題のみならず、予備際といたしましては、演習場の問題がありますかので、演習場建物の問題について、水産大学使つてつたものからできるだけのくような方向で、建物は入手できるように交渉してもらいたいということは、連絡をとつて進めて参つております。
  31. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 天野文部大臣は、大橋国務相と連絡を保たれるというお話でございます。どうかこの問題は重大でございますので、外務大臣に対しましても、この歴史的な径過というものを十分説明し、注意をされて頂きたいと思います。  次にお伺いいたしたい点は、先ほど他の委員質問において、他の建物とか、或いは特定の大学の名前まで出たようでございますが、水産大学が逐次追われて行つて現在の状況にあり、この解決を必要とするというような立場から、総合的に考えるときに、先ずこの水産大学の問題こそは最優先的に解決さるべきものだと、こういう原則は、私は文部省は勿論のこと、閣内においても私は打ち立てられるものと考えますが、如何でございますか。
  32. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は先ほど申しましたのは、大橋国務大臣を直接の話合い相手にしていますけれども岡崎外務大臣にもしばしばこういうことはお話をしております。それから只今のことでございますが、私は水産大学の移転ということは、元に帰るということは、最優先的に考えております。
  33. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 私も同様に考えております。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次にお伺いいたしますが、まあ天野文部大臣は、大橋国務大臣の誠意に大きく期待しておられるようですが、私は江口次長にお伺いいたしたい。あなたのさつきの答弁によりますというと、まあいろいろ考えてはみるが、駐留軍から接收解除して頂いて、予備隊本部が入る適当な所は、入れるような建物は、自信を以て答弁できないというような御発言でございます。まあ予備隊本部の入る建物といつたら相当なものでございましようし、都内でもそうたくさんはないだろうと思うのですが、そういうふうに参りました本日、この五百六十億の安全保障費あたりで予備隊本部を或いは……まあ水産大学越中島に入りたいというんですから、水産大学の建築ということは考えられんですが、それに代るべき予備隊本部を建築してでも、あの越中島水産大学に譲るというようなことはお考えにならなかつたでしようか。勿論五百六十億で警察予備隊建物を云々ということは、これは筋違いかも知れないが、先ほどと同じように、警察予備隊本部接收されておる建物に入らなければ解決できないのですから、やはり関連性があると思う。その質問が気に入らなければ、現在駐留軍接收を継続しておる建物、それに代るべきものを建てて、そこに警察予備隊が移つて、そうしてでも水産大学に対して越中島を開放して解決するというような熱意、誠意はないのか、そういうことを検討されたことはないかどうか、又今後検討される用意はないかどうか、承りたいと思います。
  35. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 去年から問題になつておりまして、進駐軍接收しております建物、そういう所に本部が入るほうが、新たに建てるよりは早いのではないか。意識的にそう考えまして、建築ということは内部としても考えてみたことはありますか、今も我々事務的な案というものを持つております。併しこれを予算化するについては、財政当局と相談しなければなりませんし、それから多少見込違いかも知れませんが、新らしく建てるよりは、そういう所に入る建物を待つほうが早いんじやないかということを考えておりましたが故に、新築するという案は、未だに日の目を見ずにおるわけでございますけれども、先ほど申しましたように、まだ一、二望みを嘱する建物がございますので、そのほうをもう少し執拗に折衝いたしました上で、どうしてもできなないということになりました場合には、只今申しましたような新設とか、或いは又文部省自体で水産大学をお建てになるとかは、国の経費から見れば、どちらも同じだと思いますから、そういう方向に進むようになるかも知れませんが、今のところ希望が全然ないとは思つておりません。もう少し経過をお待ち願いたい、こう思つております。
  36. 高田なほ子

    高田なほ子君 天野文部大臣の御苦心のほどはわかりますけれども、国家行政全般としてこの問題は解決しなければなりませんが、現在の政治の動きかたは、如何に公平に見ましても、この警察予備隊最優先という形をとつておるわけであります。従いまして私は先ずお伺いしたいのは、警察予備隊の編成方針、これに伴う教育施設確保をどういうように一体考えておられるのか、私はこの点を明確に伺いたいと思うのですが、特にこの水産大学のごときは、第九国会にとり上げられて、実に六年の長きに亘り、今日只今江口次長の御答弁によれば、移したいと考えていると、併し接收解除はできないが、善処いたしましようと、いわゆる答弁用の答弁を弄しておつて、ここに何らの基本的な方針が明確にされないということは、今後善処するという御答弁に対して、どうしても私は信用を置けない。即ち警察予備隊の編成と学校教育施設確保という問題について、どういう一体見解を持つて、どういうふうにこれをやがて方針を立てて行かれるのか、この関連性について承わりたいと思うのであります。私は、失礼ですがそちらから伺いたい。本当は大橋大臣から伺いたいのですが、あなたから先ず伺いたい。
  37. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 勿論教育の問題も非常に重要でありまするし、国内治安の確保という点からみまして、予備隊の増強という問題も重要でありますので、どちらが第一に行くべきものであるということでないと思います。たまたまこういう事件に関連いたしましては、我々といたしましても、できるだけ水産大学の御迷惑を除きたいという熱意は十分持つておるのでありますし、この線に沿つて十分努力して参つたのでありますから、その点もう少し経過を待つて頂きたい、こう思います。
  38. 高田なほ子

    高田なほ子君 私は、どちらが大事だというような、そんなあいまいななにを伺つているんじやない。それは誰だつて答えられないにきまつているんです。占領下でも、マツカーサー元帥は、教育施設確保に対しては、学校教育施設は、これは他のものに流用してはならないという、この占領政策をとつておられる。ましてですね。文化国家を標榜して独者した日本が、警察予備隊教育施設確保というものに対する関連が、どういうようにやつて行くかという大まかな線ぐらいは私は出ると思うのです。教育施設警察予備隊のために流用してはならないというぐらいのはつきりした線が出ないことには、この問題はやはりずるずる行くと思う。見通しとしてこういうことを私は伺つておるのです。どつちが大事かということを聞いておるんじやない。お願いします。
  39. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 同じく国の施設といたしまして、現在の状況において利用できるというものがありまする際に、どちらがそれを使うかというような問題につきましては、その時のいろいろな條件によつてきまると思うのでありまして、たまたま一昨年予備隊ができまするときに、なお久里浜の例の水産学校建物になつておりますものは、進駐軍接收しておつた部分があつたわけでありまして、我々予備隊の発足早々非常に手不足で、人員も不足しておりました関係上、将来のことまで十分研究を遂げた上で、あすこに予備隊が入るという手段を講ずる暇もなかつたのであります。いろいろ各省よりの仰せによりまして、あすこに入つたのでありまして、その後いろいろ水産大学の窮状を調査いたしまして、我々も何とかあすこを早くあけなければならんということは十分考えて、今日までいろいろ手を打つてつたのであります。今後とも努力を続けて行きたいと思つております。
  40. 高田なほ子

    高田なほ子君 お考えのほどはわかりました。わかりましたが、あの久里浜の場合は、これは非常にどさくさであつたということも私は了承するのですけれども、その後においても、予備隊教育施設確保という問題については、非常に重要な問題が現在起つていることは、あなたもすでに御承知だと思う。学校学生が入つている所まで、その横から予備隊が出て行つて、明け渡しを要求しているような所があります。現に高知大学のあたりでも、私はここで学生の言葉を読んでみます。「予備隊による校舎接收が非常に問題になつている。昨年の十二月八日隊員が二人来て校内を見て廻り、宿泊調査をしたようです。間もなく土曜日の晝頃十一台のトラツクで二百人来校して、東のテニスコートの傍らでキヤンプを始めました。学生のほうでは、これはどうしたものかと調査をした。事務長の言うのには、公文書の連絡はなくて、口頭で借用通知を受けたが、反対しにくくつて誠に困つた。そこで止むを得ず大して深く考えることもできないために、條件附きで止むを得ず貸した。正午正門に銃を持つた歩哨を立てている。」こういうようなのが出ている。これが高知大学の現状です。更にこれは、天野大臣にも聞いて頂きたいのですが、新潟の大学の新発田のつまり分校には、四百名の学生がおるわけです。この学生のおる新発田の分校を新潟に統合して、そしてそれは警察予備隊の誘致運動がそこに始まつて、現にもう殆んど七分通り予備隊の誘致の下準備ができたと、これがために学生は、とても新潟の大学までは行つて勉強する資力がない、收容する寄宿舎がない、下宿に行けばお金をとられて、とてもやりきれない。而も新発田の奧のほうから通つておる学生達は、到底これはそういう資力もない。通学することもできないというようなことで、約二百名の学生は、これは退学せざるを得ないだろうという悲鳴を上げ、新発田市の市民大会においては、全員一致で警察予備隊のここに来ることに対して反対をしている。こういう状況であるにもかかわらず、警察予備隊はこの新発田の大学にどんどんどんどん入る準備工作がされている。而もこれは新発田だけじやない。私が知る限りでは、京都もそうでしようし、兵庫県の篠山あたりにも現に出ている。つまり現在学校使つているものを、それを追いのけて、そこに警察予備隊が割り込んで来るなどということは、どつちが大事かという問題ではなくて、予備隊の再編成と、そうして教育施設確保をどうするかという重大な問題に来ておる。本院は、超党派的に、教育の問題については、挙げて教育施設確保については、決議をしているのであつて、こういう具体的な問題に対して、それでも江口さんは、そういう言葉をあいまいにしておられるということは、私は非常に遺憾だと思うし、又天野文部大臣は、この現実について、更に警察予備隊の再編成と教育施設確保の問題について、一体どういう見解を持たれるのか。御両所の御所見を私はこの際明確に承わりたいと思う。
  41. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、大橋国務大臣に対して、警察予備隊学校施設を使うなんということは、これはしてもらつては困る、が併し地方によるというと、警察予備隊を招致したいという地方もあり得ると、併しそういう場合にも、必ず私に連絡してもらわなければ困る。大橋国務大臣は、私に必ずそういう場合は連絡すると、こうおつしやつているのです、まだ何にも連絡を受けたことはございません。今の新発田の問題は、少しこれは事情がありまして、大学設置委員会、第九委員会と申しましようか、そこで早くから、大学を充実させるためには、方々に分校があつてはいけないのであつて、新発田のほうを、これを新潟大学に統合するということにあれは委員会ではきまつてつて、その線で進んで来ておるのですが、そういうことを地元で知つておるものですから、それがあいたらば、学校があいたらば、跡に警察予備隊を入れたいということだろう私は思つております、何にもないところに起つて来たことじやなくして、大学の計画がそういう初めにあるのだということを御承知おき頂きたいと思います。
  42. 高田なほ子

    高田なほ子君 新発田の問題は、まあそういう問題も以前からあるにはあつたかも知れませんが、そのほかにも、具体的に今入つている所に、警察予備隊の誘致運動が起つて、そのために学校が追い出されるというような形が現在出て来ているわけなんです。又現在の予備隊の編成計画から言つても、そういうことが私は必然的に起つて来る危險性を非常に感じるわけなんです。まあ文相が大橋大臣に御折衝の際には、学校は使わんと、そういうことを言つておられるということでありますけれども、然らばこの久里浜の問題は、これは速記録でも明確なように、責任を以てこれは大橋大臣は答えておられるのですが、今のお話をずつと御答弁を総合してみますと、どうもこれは私は見込みがないような絶望感をすら持つているのです。これで、先ほど矢嶋委員からも御質問がありましたが、新しく建てるための予算折衝、又その予算折衝の面はどういうふうに一体行つておるのか、この点を私は文部大臣から承りたいのです。これは、去年の連合委員会の速記録にもありますように、この問題については、大蔵省から大臣見えられないので、岩動さんが出ておられるのですが、水産大学の新らしい校舎建物敷地を求めるために、相当な予算の使用についてもお話があり云々とあつたのでありますが、その後非常に再軍備予算というものが大巾にとられて来ると、こういうものは消えてなくなつているのではないかということを非常に私は苦慮しておるのでございますけれども、こういう若しお話が新らしく出ておるのでしたら、どのくらいの額がこれを埋めるために御計画として組まれておるのか、お差支えなければお示しを願いたいと、そういうふうに思うのです。
  43. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 大橋国務大臣と、学校の設備を警察予備隊には使わんと、地方が招致しようとする場合には、必ず私に連絡するということがあるのですから、私が今高田さんのおつしやつたような、学校が現にやつておる所を予備隊が入つて来てどうごうというようなことはあり得ないことだと思つております。併しなお調べてみます。それから予算については、一時あれを建てるという計画があつたのでありますが、併し元へ帰るということが水産大学のかたがたの熱望であるので、あれをのいてもらつて、あとで帰ろうと言つたから、予算の話はその後やめたのですけれども、どうしても見込みが立たんということになれば、どんなことをしても予算をとつてやろうという考えであります。
  44. 高田なほ子

    高田なほ子君 もう一問、元に帰るという熱望は、どこの学校でもそうだと私は思うのですが、併し学校がそういう熱望を持つているからというので、見込みのないものに恋々としていられるというのは、余りうまい考え方じやないと私は思うのです。これはあとで調達庁のかたにも伺いたいのですが、一体これは帰る見込みがあるものかないものか、心当りでもざつくばらんに言つてくれてもいいと思う。もう独立しているのですから。若しそうでなかつたとするならば、これは大臣の御答弁通りに、如何なる難関をも押切つてこれはやらなければならない。私はあの学生たちの心情を思うときに、実際本当に抜身の刀であなたに詰寄つているような気持で、甚だ言葉遣いが荒く、恐れ入るのでございますけれども、これは母の心情だと思つてお許しを願いたい。調達庁のかたにも、私はこれについて見通し一つはつきりと承わりたい。それからもう一つ大臣に私は申上げたいのですが、というよりは伺いたいのですが、高知大学のように、校舎そのものには入つて来なくても、校舎のすぐ側へもつて来て、そういうキヤンプを建てているということは、これは明らかに教育環境の破壊です。こんな馬鹿げたことはない。こういうことを許しておくところに、学生たちの正しく伸びる芽が次第に摘まれて行くのじやないか。つまり目に見えない学生に対する外部からの圧力というものは、これはすべての社会の者たちが共同責任で跳ねのけて、伸びようとするものを伸ばしてやるということは、私は決して私の横車ではないと思う。現にこういう問題が起つていることに対して、大臣はどういう処置をとつて行かれるのか。水産大学とはやや問題がそれているように思いますけれども水産大学と一貫している問題だと思いまするが故に、特に大臣の御所見を伺つておきたいと思います。
  45. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 只今申しましたように、高知大学から何も報告がない。でありますから、これから取調べようと思つております。こちらに何も報告がないのであります。
  46. 長岡伊八

    政府委員長岡伊八君) 水産大学建物は、現在使用中のものと、すでに解除になつたものとあるのでございます。それで只今問題になつております建物は、一応軍といたしましては解除になつた部面もあるのでありますが、これに止むなく予備隊が入られておるので、かような問題が起つたのであります。残つております建物並びに土地は、床面積におきまして十一万六千六百九十スクエアフイート、この建物が返るか返らぬかということでございますが、実はこの問題は、予備作業班作業いたすことになつております。我々といたしましても、早く返ることを希望いたしておりまするので、連絡いたしておりますが、今までのところいつ返すということははつきりいたしておりませんけれども、ほかの建物学校につきましては、軍の移転先が見つかり次第明けるということを申しておるのでございます。従いましてこの建物につきましては、その点もはつきりいたしておりませんけれども、我々の予想といたしましては、比較的早く返るので、はないかと思いまするけれども、これは予備作業班作業を待つてみませんと、特調といたしましては、現在突つ込みようのない問題になつておる次第でございます。
  47. 岩間正男

    岩間正男君 私は、この当面した問題並びに今後の問題、現在接收されておる学校と、それから今後接收解除されるかどうかという問題と、二つに分けられるのですが、先ず第一にお聞きしたいのは、この前の夏の八月の五日か六日だつたと思うのでありますが、水産文部の両連合委員会におきまして、一体いつ具体的にその見通しができるか、こういう問題に対しまして、これは大橋国務大臣並びに天野文部大臣も答えられたと思うのでありますが、講和発効後約二カ月の期間があるのであるからと大体そういうようなこと、そこで私は六月くらいと、こう今印象しておるのでありますが、先ほどのお話によりますと、七月とか、八月とかいうふうに記憶を持つておられるかたがある。これは速記録で確かめて頂きたい。そこで我々は、あのとき少くとも最低その日をこれは期待して来た。特に私なんかは、あのときそれじや我慢ができないということをはつきり申上げた。なぜかというと、新学期、ここが授業に重要な替りめであるから、少くとも四月から実行すべきじやないかという強硬論を私は主張したのです。ところがそれはいろいろな事情があつて皆さんの意向は六月ぐらいまではみよう、こういうことであつた。私たちは、ここに来て多くを論ずる必要もない。政府は言明しておるし、現に大臣が而も現場を見て、我々はこれを要求しまして、現場に行つてもらつたわけです。そうして世界にこれは類がないところのあの水産大学の現状であります。三分の二も予備隊に取られ、そして便所を研究所に改築したなどというような例はないようであります。こういうような状態に対しまして、果して六月まで待つてるかどうかということをさえ懸念しておつたのであります。ところがまさに六月が来ようとして、言明したものが果されないということになれば、政治に対する大きな不信、我々自身が不信をするよりも、もつと大きいのは、あれを一日一日と首を長くして待つておる学生諸君が、一体現在の日本の政治に対してどういう感じを持つか。先ほどからもこれは話が出たところでありますが、こういう点から考えますと、当然にその六月なり七月なり言明されたものを、私は当然果されるべきものだ、こういうふうに了承するのでありますが、これを遂行される、如何なる方法によつてでも、それはあなたたちの方法があるでありましようけれども、その方法はあなたたち行政府考えられる。我々といたしましては、少くとも国会の両連合委員会において言明されたところの政府の言明を信じて、これが実現されるものと、こう了承していいかどうか、この点天野文部大臣のはつきりした御答弁を伺いたい。
  48. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) これは、六月までには私はできるだろうと思つて予想しておりました。併しいろんな事情が起つて来て、自分たちの予想が覆つて来たのでありますが、まあよく大橋国務大臣とも相談をして、善処したいと思つております。
  49. 岩間正男

    岩間正男君 私はどうもそういうことで、いつでも問題がずるずるで、うも予想はしたのだがうまく行かなかつた、こういうことでは、果してこんな急迫した問題に対処することができるか。私は、少くとも六月なら六月と言つたその言責というものは、これは深く文部大臣の胸に刺さつていなくちやならんと思う。そうすれば、あらゆるそれに対する方法は講じられなければならない。そういうとにかくにもこれは、学生諸君があれだけ待望しておるこういうような問題、現状が窮迫しておるこういう問題に対して実現される。これが前提だと思う。どんなことをしても実現されるとあなたはここで御答弁なさるのが、私は筋合だと思います。如何でございますか。何だかおかしい、答弁は。我々了承できない。
  50. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、幾月幾日までには必ずこれをやるということは、前から言うことができませんから、言つておりませんけれども、できるだけやろうとして努力して来たということは、私は知つておられるかたは了承して下さることと思うのであります。併しここまで来たのですから、これを今どうするかということは、更に大橋国務大臣とよく相談をいたしたいという考えでおります。
  51. 岩間正男

    岩間正男君 少くとも文部大臣御自身としては、これはこの言責を果されるつもりでありますか。私は、その後もいろいろ事情については一応伺つても、大体いつでも同じようなことになりますから、余り伺つても効果がない。六月前後にやると言われたことを果されるつもりでありますか。こういうことさえ伺えば我々はいい。弁解を聞いたつてしようがない。何遍も同じことを聞いたんですから、耳にたこができているのですよ。今まで随分やつたのです。精根を傾けてやつたのですから、夏の暑いところを……。ちよつと考えて下さい。すでに葉が散つて若芽がふいて、青葉になつておる。考えて下さい。その点をお聞きします。
  52. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 六月というのは、大橋さんの言われたことで、私の言つたことじやございませんが、併し私は、大橋さんが七、八月と言われたが、はつきりそこはしませんけれども、とにかくその頃までにはどうにかできるだろうという大橋さんの見込みなんです。私も、大橋さんがそう言われるから、それまでも実は自分も待てない気持なんです。併しまあもつと早くできるだろうが、どんなことをしてもその頃にはできるだろうという見込みを持つて今日まで来たのですから、先ほども申すように、いろんな所を大橋さんに出して、候補地としてこちらから出して、ここはどうだ、あそこはどうだと、今やつている最中なんです。
  53. 岩間正男

    岩間正男君 第一案は、水産大学の代りを見つけるということ、併しこれにもいつまでこれはのんべんだらりではしようがない。政治上の手が打たれなくちやならないのですね。それがうまく行く、これはいつ頃と見ておられますか。仮に私は最大の讓歩をしたとしましても、九月の新学期からどうしたつてこれは移らなければならないと思います。是が非でもこれは移らなければならないのだ。この点は、文部大臣は認められるかどうか。先ず第一、私は讓歩していいのかどうかわかりませんが、まあ時間的にここまで来れば、九月か、そういうことを前提にして仮に考えるとしましよう。そうすると、第一に手段といたしましては、換地、代替の学校を認めるのはいつ頃、若しそれが不可能だという見極めがついたならば、第二の手段としては、先ほどから問題になつておるところの予備隊を新らしい予算で以て建設してそこへ移る、こういう方法で、九月までにはちやんと明け渡すということは考えなければならない。そうしますと、この予算の措置がいろいろあるわけでありましようけれども、これは当面どういうような措置をとつてやられるのか、この点、この第二段を具体的にもう少し細かく我々はちやんと頭に刻み込んで置いて、そしてそれを実行して頂かなければ、今度三度ですから、仏の顔も三度ということですから、少くともこの点もつとはつきり具体的におつしやつて下さい。
  54. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 大橋さんは七、八月までと言われたのですが、併し自分達はこれをいつ幾日までに、こう言われても、私は今そういう御答弁はできません。
  55. 岩間正男

    岩間正男君 これは十カ月前とさつぱり変りないでしよう。これもきつと速記録に載つています。いつ幾日までと言われても何とも言えない。あれから十カ月たつているのですよ、もつと考えて頂きたい。一方は伸び盛りの青年ですよ。非常に感情を持つているのですよ。そういう物を考える青年ですよ。これに対してどういうんです。そういうことで済みますか。私は具体的に要求しているのですよ。これはいつ頃までに終止符を打つか。あらゆる最大の努力をされて、いつ頃までにこれは交渉見通しがつくか。それがつかなければ、いつ頃までに予算的措置において全力を盡されるのか。そうでなければ、仮に七、八月まででいいとしましよう。私は速記録をたしかめていないから、私は六月と記憶しておりますけれども講和発効後二カ月といつたのであります。それで仮に七月でもいいです。仮に九月までと私は言つておるわけです。九月の新学期まで、そういうふうにして、いつ一体予算化するのか。具体的でなければ話にならん段階に来ているのです。これはどうお考えですか。これは大臣の見解を伺いたい。
  56. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) これは、自分一人が決意をすればすぐできるという問題でなくして、いろいろな方面との関係のあることですから、私はいつ幾日までということはどうもお答えすることができません。ただ自分達がここまで来て、今後これをただ延ばし延ばしということではないということだけは申すことができます。
  57. 岩間正男

    岩間正男君 だからそういう腹案が、具体的な腹案が少くとも文部大臣は持つておる。その腹案によつて他を説得するなり、交渉するなりということは必要なんです。ところが文部大臣自身がそういう腹案についてやはり一つも示されないということは、私はこの問題に、この段階に来てはちよつと許されないと思うのです。この前の初まりの第一の段階だつたら、今のような御答弁は速記録に認められていいでしよう。併しあれから十カ月経過した今日、同じようなことを御答弁になつたのでは、我々は了承できない。少くとも文相個人としては、この点に腹案を持つておられるか、そこをお聞きしたい。
  58. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 先ほど私は、いろいろやつて、その表も大橋さんに出したけれども、うまく行かないから、今朝も改めて、今まで文部省が移ろうかなどといつたところもやめて、ここはどうか一つ研究してくれと言つたと申上げたように前と同じことを言つておるのでは自分はないつもりでございます。
  59. 岩間正男

    岩間正男君 結局まあそういう私は見通しについてお聞きしておるのだが、そのお答えがない、今無理でしたら、この次ぐらいまでに、何日頃までは折衝の段階、これが駄目だつたら今度は新予算、二の予算につきましても我々は質問したい。予算はこれは十分あると思います。いろいろこういう点については、一方で今度の問題になつておる神戸大学なんか、予備費からどんどん取つておるですからね。新らしく大学を作ろうというときに三十億からの予備費をむしりとつておるのです。そういうことだつたら、もつと切実な問題で、そこに声が、そういうふうに声が起らないと、これはもう見逃すということには私はいかんと思う。政治責任、いやしくも文教政策から考えましても、背信行為になつてしまいまよすよ、結果においては。これはそういうお考えがないとするならば、私は信じますけれども、結果において背信行為になつたらまずいと思うのです、青少年に対して、私は第一の問を出して、第二の問については、こちらに質問はありますから、こちらを終つてから第二の問をやります。
  60. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 先ほど文相からお話がありました、今朝ほど大橋国務大臣に申入れてあるという所につきまして、それは予備隊のほうと大橋国務相のほうで、まあそれがよかろうということになれば、早急にそれは実現する問題でありますか。その点を一つ…。  それから、その箇所は果して予備隊が移るにまあ最適ではないが、どうにか行けるだろうというお見通しがあつてのことですか、又その点を江口次長はお知りになつておられるかどうか、その見解を両者から承わりたい。
  61. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) それは、この問いろいろな場所を書いたものを大橋に出したのですけれども、どうもそれがいけないということなんで、それで私は、ここはどうだということを大橋さんに言つたのです。大橋さんがすぐ調べると言つておられたののです。それで少しは不便でも、とにかく元の海軍大学、そこが都合がつきさえすれば、水産大学の分はそこへ移つてもらう、こういうことを大橋さんと話合いをしたわけでございます。だからできさえすれば、何をおいてもそこを早くやりたいという考えでございます。
  62. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 私まだ今朝から大臣と話をいたしておりません。大臣とよく相談しまして、文部大臣から頂きましたその書類を見まして、その上で研究して行きたいと思います。
  63. 秋山俊一郎

    秋山俊一郎君 もう一点、文部大臣が御選定になつている場所はどういう場所か、私ども存じませんが、大体そういう交渉をなさるについては、およそ予備隊はどれくらいの面積の施設が必要であろうということは御承知で、お示しになることと思うのですが、ただもうここはどうだ、あそこはどうだと言つてみたところで、話も進まない問題でありますから、文部大臣は、その点大体これならまあ満足ではなくても、入れるだろうというお見通しがあつての御相談でありますかどうか。現在御承知のように、水産大学があれほど不自由をした、あれほど惨めな状態であるということをお考えになれば、警察予備隊も本当に満足するところを選んでおつたんでは、これは到底お話にならん。或る程度のところで一つお互いに同情を持つ、国家のために協力するという精神がなければ……、あそこはいけない、ここがいけない、これはいかんというようなことは、私は少し勝手過ぎやしないか。そういう意味におきまして、文部大臣候補地を選定になつてお示しになる以上は、或る程度の可能性はお認めになつているのじやないかと思いますが、その点如何でございますか。
  64. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、警察予備隊のほうで、あそこはいかん、ここはいかんといわれたということはないと思います。そういう、あそこもいかん、ここもいかんといつて、今日まで遅れているのじやないんで、今まで行くところがなかつたのです。実際私は大橋さんとよく話しておりますが、今度のところも大体私はいいんではないかと思いますが、詳しく自分では調べておりませんから、大橋さんのほうで調べてもらうように、私が今日頼んだのです。
  65. 千田正

    千田正君 大蔵省内田管財局長にお尋ねいたします。大体先ほどから、天野文部大臣並びに予備隊のほうの次長から、いろいろ水産大学の問題について御意見を承わつておりますが、あなたのほうに三点だけ伺つておきます。あなたのほうに、この予備隊から、特に国有財産のうちから使用したいという申込みがあつたかどうかという点と、文部省から同様の、いわゆる水産大学に対しての適当な場所を讓り受けたいという交渉があつたかどうか、この一点、第二点は、仮にそういう申込があつた場合において、あなたのお手許にあるところの表からいえば、拂下げに、或いは委譲するに適当な土地があるかどうかと、この点、第三点は、目黒にありますところの曾つて海軍大学、この敷地に対しまして、文部省或いはその他からの申込みがあつたかどうか。これは最近のいろいろな、これは真実かどうかわかりませんが、聞くところによるというと、明治大学の校友代表として、大野伴睦君から特に池田大蔵大臣に向つて、優先的に明治大学にあの場所を拂下げてもらいたい。こういう強硬なる交渉があつて池田大蔵大臣も大体それに承諾の意思表示があつたように聞いております。併しながら方針としまして、少くともこの国立の大学が行くべきところの場所もなく、而も一つは国家の入用として予備隊によつてこれを使われておる今日において、特に住む場所がどうしても必要であるというような場合においては、国立大学に向つての許可が優先するものと我々は考えるが、その点に対する見解はどうであるか、この三点について、大蔵省の管財局長立場から一応あなたの所信を承わりたいと思います。
  66. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 予備隊並びに文部省から、予備隊の本隊と申しますか、それの行先及び水産大学の行先について、適当な場所を是非斡旋してくれというお話は、従来しばしば事務的にございます。現に昨年になりますか、やはりこの水産委員会と文部委員会連合委員会に私自身も呼出されまして、大蔵省の見地から、水産大学或いは予備隊本隊の行く場所があるだろうかという御質問がありまして、その当時速記にも載つておると思いますが、私は率直に、行く場所はあり得るだろう。これは、平和條約の発効に関連して、東京の中からは占領軍も撤退するというようなことになるので、その当時の私の見当として、市谷の元陸軍省か麻布の三連隊、あれあたりがあけば、予備隊本隊が行くのに一番いい場所だと思う。そうすると越中島ですかの、今の予備隊の入つているところがあくから、そこに水産大学が戻つて来れば一番好結果になると思う。私自身もそのように努力してみようということを申上げたのでありますが、すでに御承知のように、市谷の陸軍大学及び三連隊とも、この二つだけが駐留軍が東京の中で残るところとして保留されるように私は聞いております。従つて数ヵ月前に私が申したことは望みがなくなつたわけであります。そこで今お尋ねの第二点、行先をどうするかということについては、私が今想定しますのは、御承知の竜土町に麻生の三連隊と一連隊が向い合つているはずです。三連隊は駐留軍の通信部隊か何かが使うが、一連隊ということを言うておりませんので、竜土町、電車通りすぐ見えるのは一連隊、三連隊というのは少し引つ込んで、モダーンの兵舎になつている。一連隊がそのようにして解除されるならば、私は中に入つて見たことはありませんが、あそこは一つ候補地だろうと思う。それから先程から文部省がお話になつている海軍大学、これは文部省始め、ほかからいろいろ転用希望が従来出ておりますが、予備隊も何とか收容できるとすれば、海軍大学一つ候補地だろう。ほかには今のところで、予備隊の入れるところは、私の今ここの記憶では余りないと思います。  第三のお尋ねの、目黒恵比壽キヤンプ、あれは元海軍技術研究所でして、今英軍が使つているわけですが、これがあくと想定しまして、そのあとに予備隊なり水産大学を入れ得るかということですが、私の考えを率直に申しますと、あれは海軍技術研究所でして、中の施設がすべて科学研究的にできているので、明治大学の工学部があそこに入りたいという話も確かにございます。それから文部関係で、元の第二工学部、今の水産技術研究所、これは千葉にあるのですが、それが千葉におつては非常に不便だから、文部省の直轄大学として、同じこれは科学技術の研究をやるものであるから、それが入りたいというような話、或いは運輸省の運輸技術研究所がそこに入りたいという話、或いは工業技術庁の傘下の工業試験所とか動力試験所とか、いろいろな試験所が幾つかあるのでありますが、これが終戰後あちらこちらにばらばらになつてつて、共同研究ができないために、あそこに技術庁傘下の技術試験研究機関が集合したいとか、いろいろの話があります。今どれにきめるかわかりませんが、少くとも、たとえスペースが許しても、予備隊のような仕組がそこに入ることは、これは国家の施設全体の経済からいつて、最も惜しむべきものだと思います。水産大学は、これは或る程度の科学研究をなさるかも知れませんが、これも恐らくはあの技術研究所のあの施設使つてみてもちよつと間に合いかねるし、無駄が多かろうと思います。施設のほうから見て無駄が多いと思います。水産大学としても、あそこは海に遠うございます。水産大学があそこに入るということは、水産大学自身としてもお考えにならんと思います。そこであれは、今申上げましたように、いろいろな科学試験関係、或いは大学の工学部、そういうものを入れることにして、第二点に申しましたように、海軍大学なり麻布の一連隊、あの辺をもう少し予備隊のほうとも共同して研究してみたらどうかと考えております。
  67. 千田正

    千田正君 第三の点で、私は更にお伺いしたいのでありますが、というのは飽くまで予備隊を、第一義的に予備隊を移駐する、いわゆる移すという考えの下での御答弁だと承わつております。そこでどうしても予備隊が移れない、適当な場所がない、こういうような場合に、先ほど文部大臣言つておりましたが、どうしてもいかんというような場合は、海軍大学か或いは…、今の海軍大学のほうを何とか方法を考えたいと思うというような御答弁があつたように私は承わつておりますが、そういう場合に、先ほどあなたが挙げました数々の申込みがある。併しこれらはすでにその舎屋の中に一応の研究設備が相当入つておるのであつて、便不便はとにかくとして、入つておるのであつて、それと今の水産大学の窮状とはおのずから異にしている。そこでどうしても行く所がない。そういうような場合に、例えば海軍大学の跡、或いは今の技術研究所の一部の使用をお願いした。仮にそうした場合においてどう考えられるか。そこで私は更に附加えて申上げますのは、東大の工学部、或いは明治大学の工学部が来たい。こういう話もあり、或いはほかの技術研究所が来たいという話もあるが、それは今申上げた通り、すでに校舎があり、一応は收容されておる。こちらは現在便所まで改装して教室に、或いは学生の使用の一部に使つている。現在の行き所がない、いわゆる教育界の孤兒である水産大学、而もそれは国立の大学である。これを優先的に考えるだけの、あなたが大蔵省の方針として考えられるだけの気持を持つているかどうか、その所信を伺いたいのであります。
  68. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) 海軍大学のほうに、これに水産大学がお入りになるということであればそれは差支えないのですが、恐らくそういう話ではないので、海軍大学に今予備隊の本隊を移つてもらつて越中島のほうに水産大学が入りたい、こういうことですから、御質問の趣旨がちよつと違うと思います。
  69. 千田正

    千田正君 勿論それはその通りなんです。第一義的にいわゆる水産大学の要望する所は、今の越中島であるということなんで、それはそうでありますが、どうしても入れないという場合はどうするかという問題を我々は研究しなければならないのであつて、そういう場合はどうするか。そういう場合に、若しも申込みがあつた場合には、あなたのほうで考えられるかという点を承わつておるのであります。
  70. 内田常雄

    政府委員内田常雄君) それは仮に水産大学海軍大学、これは元の大学ですから、建物もある、教室もある。そこに入る。今の久里浜の状況が非常に惡いので、海軍大学水産大学が入つたのでは水産の授業上非常に不便が多いが、それでも構わんということであるならば、これは文部省なり、或いは今まで申込みをしておるところとも協議しまして、ほかのものを抑えても入れることを研究してもいいと思いますが、併しそれは恐らく実際には水産大学が御希望にならんことだと思います。
  71. 岩間正男

    岩間正男君 私は、先ほどほど保留しておきました第二の問題で、今現に予備隊なり国に接收されている学校、そういうものを接收解除問題と、もう一つは、これから新たに予備隊の増強なんかに伴つて取られる、現に先ほど話がありましたように、新発田の新潟分校がその附近の二十万坪の耕地とともに、これは殆んど強制的に取上げられよう、こういう形が一月前から出ている。これについて地元では非常に大騒ぎをして、いろいろな大会が持たれたり、地元の町村長、郡民代表が陳情に出たり、それから相当広汎な署名運動が展開されたり、学生たちはこれに対して、いざという場合にはここに籠城しても渡さない、こういうような決意をして、どうしても反対運動を続けておるというのです。併しこういうような運動、こういうような姿は望ましいことじやない。従つてこの原因は何かというと、根本的にこれは、予備隊の一体そういうような兵舎とか或いは演習地をどのように確保するかということの基本的な政策が予備隊自身にあるかどうかという問題が一つ、もう一つは、文部省がそのような予備隊の新たな増強によつてつて来るところのそういう接收に対しまして、基本的にはどういうふうな態度を以て臨むのか、こういう根本的な問題として解決して、而もその問題が決定したならば、これを学校関係、或いはその他の関係者に十分に徹底させて、必要のないところの摩擦を避けるという対策を立てるのが私は根本的な問題だと思う。こういう点について、一体予備隊はどういうような基本的態度を持つておられるでございましようか。どういうような基本的態度を以てこの問題に臨んでいるか。これは当参議院におきまして、こういうような学校施設については、優先的に解除しろという決議案が満場一致で通つている。この精神からして、もつとこれを擴大しますと、新たに接收されるということは無想だにできない問題だと思う。ところが現実には、新たに接收される問題が実は起つています。現に東京でも、十何校かに及んで新たに接收されるという事態が実は起つている。これは、文部大臣は御存じかどうかわかりませんが、こういうものを一国の文教政策の立場から、はつきりしなければいかん。いわば予備隊にだんだん侵される。こういうものに対して、一体どこまで守るのか、こういう点についてお聞きしたい。御意見をはつきりお伺いしたい。
  72. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、この席でも二度もそのことを申したつもりです。即ちこの警察予備隊が今の学校施設使つているものを取るというようなことはしない。してもらわない。それからもう一つは、何か地方が誘致するというような場合においては、必ず私に連絡する。こういうことを大橋国務大臣と私は約束してあるのです。であるから、そういうようなことは、私は現在起つておらないと思つております。
  73. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 予備隊の増強に伴いまして、建物がたくさん要りますが、やはり国費の節約という見地から、現存の建物のあるところを先ず候補地として選ぶという方針は今も持つております。増強に伴いまして、そういう適当な建物があるというような情報は、各地元から誘致運動と合せて我々のところに提供されます。その際若しそれが学校関係のある建物でありましたならば、我々は勿論水産大学の問題で懲りておりますので、できるだけその点は十分地元の事情を当つた上で、大丈夫だということを何遍も念を押しました上で、それで学校の移転計画が出て、何年度にはどうなるというようなことをはつきり聞きまして、而も地元も学校側も了承されるということならば、文部省にもお話をしまして、そこに円満に移る。新たにそこに入つて行くというような方法を慎重に講じているのであります。新発田の問題におきましても、あそこの県知事を通じ、或いは新発田の市長を通じましたところ、そういう問題は絶対に起らんということを申しておつたのであります。それならば置きましようかというような気持になつておるのでありますが、それが片付かないというようなことになりますれば、そういう所には持つて行くわけにはいかんと思います。
  74. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 議事進行について、本委員会は、水産文部連合委員会でございますし、特に委員長は、文部委員長が議長を勤められているわけでありますが、岩間君の質問、確かに関連性のある問題でございますが、委員長をされている文部委員長も、それから質問される岩間委員も、本日の議題である水産大学にできるだけ主力を置いて、本連合委員会を運営されることを要望します。
  75. 岩間正男

    岩間正男君 只今文部大臣の御答弁、それから江口次長の御答弁であります。こういう点から確認されますことは、問題がこういうように起つた場合にこれはとりやめになりますか。はつきり確認したいと思います。もう一つ天野文部大臣にお伺いしておきたいのですが、文部大臣大橋国務相がどんなに胸の中にそういうような了解したといつても、そういう方針が徹底しなければならない。地方にはつきり徹底して、そうして必要のないところの紛争を避けるという努力をするのが私は政治だと思う。従いまして今のような話合いも、決定の線をはつきりこれは関係者に通知し、何らかの指令か何かでもいい、通告か何かではつきり指令する用意を持つていられるのかどうか、或いはすでにされたのかどうか、こういう点について、そういう指令について、はつきりその指令を守つて、そうしてそういう行動をしていいのかどうか、こういう点を合せてお伺いしたい。
  76. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 私は、大橋国務大臣とその話をしたことを事務当局に話して、今局長に聞くと、国立大学にはすべて徹底しているということであります。
  77. 岩間正男

    岩間正男君 江口次長、どうですか。
  78. 江口見登留

    政府委員江口登留君) 我々のほうもそのつもりを十分了承いたしております。
  79. 岩間正男

    岩間正男君 そうすると、これはなんですね。いろいろな問題が起つているのですが、通知されているが、徹底していないというのですか。或いはもう徹底しているか。その線に従つて、どこまでもその線を守るべく、これは学生諸君なんかこういうように反対運動を起す、これは当然でありますが、そうすると、その通知の線を守つて、私どもは次官通牒で懲りていますから、これははつきりしてもらいたい。実際そういう通知を出しておいて、あいまいで、あとになつてどうも何だかわからないということでは困る。これは出した線については、学生諸君がそういうものをはつきり守つて、その線を堅持するために、そういうような反対運動なんか起されることは当然認められましようね。これはどうお考えになりますか、伺いたい。
  80. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 一々具体的の場合について御検討頂かなければならないのでありますが、先ほど御指摘の新発田につきましては、高田委員文部大臣答弁せらましたように、あれはもともと文部省側において移転計画のある分でございますから、これにつきましては、反対する筋合はないものであります。又その他にも、そういう例が一つあるわけでございますが、その以外におきまして、文部省の方針に反して、警察予備隊が入るために学校が移るというような事例は、今日ないわけでございます。
  81. 岩間正男

    岩間正男君 もう一つだけ確かめておきたい。それは警察予備隊に対してもそうでございますが、軍関係はどうですか。つまり行政協定におきまして、そういう演習地とか兵舎というようなものの供與、これは要求される可能性は十分あるわけです。そういう施設を提供しなければならん、こういうことになりますと、学校施設はどうですか。この点をお聞きしておきたいことが一点と、もう一つは、その出された通牒を私ども頂きたい。これは委員長から請求して頂きたい。できるだけ早くその通牒の内容そのものを、我々は次官通牒みたいな問題を起したくないから、是非これは頂いて検討して見たい。
  82. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) あとの御質問からお答えいたします。先ほど大臣も通知をしたと言つておられるのではない。いろいろな機会において十分徹底しておられるのです。それから第一の問題につきましては、進駐軍がおりました当時におきましても、そういう方針を明らかにしておられまして、駐留軍になりましても、そういう問題は起つておりません。
  83. 岩間正男

    岩間正男君 そうしますと、私は通牒と思つたのですが、通知をされる形のものにしてされる用意はありますか。
  84. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 各大学長に対しては、すでに十分徹底しております。
  85. 岩間正男

    岩間正男君 十分と、あなたそう思つていられても、次官通牒を見れば明らかです。ですから、はつきりそれをされる用意があるかどうか、それを伺いたい。
  86. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) もうすでに十分だと考えております。
  87. 岩間正男

    岩間正男君 それは問題にならんと思います。今の問題、新たな要求としてやはり文書を以てはつきりされるということは、私紛争を避けたいのですから……。
  88. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) 了承いたしました。
  89. 岩間正男

    岩間正男君 文部大臣、どうぞこれにお答え願いたい。それからそれを通牒として、はつきり形のあるものにされるお考がありますかどうか。そうでないとこれはあいまいです。我々は紛争を避けたいのです。無益の紛争をしたくない。これをここでお答え願いたい。
  90. 稻田清助

    政府委員(稻田清助君) 施設の問題でございますから、当然設置者に連絡しております。施設を模様替えするとか、或いは他に貸與するとか、文部省がこの間介在いたしませんで、事が処置されるということはありませんし、文部省の従来の方針は、十分各大学長に徹底しておるわけでありますから、その点御了承頂きたい。
  91. 岩間正男

    岩間正男君 私は文部大臣に聞いているのですよ。今のを確かめて下さい。文部大臣にはつきり、あとで問題が起つてからではまずいのですから……。
  92. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) 最近全国の学長会議も開かれますから、その際よく徹底させます。
  93. 岩間正男

    岩間正男君 形でされる何があるかということをお聞きしているのです。これは文書か何かにして、はつきりされたらどうですか。
  94. 天野貞祐

    国務大臣天野貞祐君) それは、文部当局の適当な計らいに委せて頂きたいと思います。
  95. 木下辰雄

    木下辰雄君 最後にちよつと、各委員から非常に熱心な御質問がありましたが、先ほど内田管財局長から、やや具体的なお話があつたようであります。それは、現在警察予備隊として都内において移るべき場所は、海軍大学と第一連隊二つである。そのほかには殆んどみつからないというようなお話がありましたが、是非この二つのうちを確保されて、まあ予備隊を移して至急やれるように、天野文部大臣並びに江口次長のほうでも特に御配慮願いたいと思います。
  96. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) まだ御質問はおありのことと存じますが、この次回のことにつきましては、両委員長相談をするということにして、今日はこれで散会をしたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  97. 梅原眞隆

    委員長梅原眞隆君) それでは本日は散会いたします。    午後三時二十三分散会