○
政府委員(
内田常雄君)
予備隊並びに
文部省から、
予備隊の本隊と申しますか、それの行先及び
水産大学の行先について、適当な
場所を是非斡旋してくれという
お話は、従来しばしば事務的にございます。現に昨年になりますか、やはりこの
水産委員会と
文部委員会の
連合委員会に私自身も呼出されまして、
大蔵省の見地から、
水産大学或いは
予備隊本隊の行く
場所があるだろうかという御
質問がありまして、その当時速記にも載
つておると思いますが、私は率直に、行く
場所はあり得るだろう。これは、
平和條約の
発効に関連して、東京の中からは占領軍も撤退するというようなことになるので、その当時の私の見当として、
市谷の元陸軍省か麻布の三連隊、あれあたりがあけば、
予備隊本隊が行くのに一番いい
場所だと思う。そうすると
越中島ですかの、今の
予備隊の入
つているところがあくから、そこに
水産大学が戻
つて来れば一番好結果になると思う。私自身もそのように
努力してみようということを申上げたのでありますが、すでに御
承知のように、
市谷の陸軍
大学及び三連隊とも、この二つだけが
駐留軍が東京の中で残るところとして保留されるように私は聞いております。
従つて数ヵ月前に私が申したことは望みがなく
なつたわけであります。そこで今お尋ねの第二点、行先をどうするかということについては、私が今想定しますのは、御
承知の竜土町に麻生の三連隊と一連隊が向い合
つているはずです。三連隊は
駐留軍の通信部隊か何かが使うが、一連隊ということを言うておりませんので、竜土町、電車
通りすぐ
見えるのは一連隊、三連隊というのは少し引つ込んで、モダーンの兵舎にな
つている。一連隊がそのようにして解除されるならば、私は中に入
つて見たことはありませんが、あそこは
一つの
候補地だろうと思う。それから先程から
文部省が
お話にな
つている
海軍大学、これは
文部省始め、ほかからいろいろ転用
希望が従来出ておりますが、
予備隊も何とか收容できるとすれば、
海軍大学も
一つの
候補地だろう。ほかには今のところで、
予備隊の入れるところは、私の今ここの記憶では余りないと思います。
第三のお尋ねの、
目黒の
恵比壽キヤンプ、あれは元
海軍の
技術研究所でして、今英軍が
使つているわけですが、これがあくと想定しまして、そのあとに
予備隊なり
水産大学を入れ得るかということですが、私の
考えを率直に申しますと、あれは
海軍技術研究所でして、中の
施設がすべて科学
研究的にできているので、
明治大学の工学部があそこに入りたいという話も確かにございます。それから
文部省
関係で、元の第二工学部、今の
水産技術研究所、これは千葉にあるのですが、それが千葉にお
つては非常に不便だから、
文部省の直轄
大学として、同じこれは科学技術の
研究をやるものであるから、それが入りたいというような話、或いは運輸省の運輸
技術研究所がそこに入りたいという話、或いは工業技術庁の傘下の工業試験所とか動力試験所とか、いろいろな試験所が幾つかあるのでありますが、これが終戰後あちらこちらにばらばらにな
つてお
つて、共同
研究ができないために、あそこに技術庁傘下の技術試験
研究機関が集合したいとか、いろいろの話があります。今どれにきめるかわかりませんが、少くとも、たとえスペースが許しても、
予備隊のような仕組がそこに入ることは、これは国家の
施設全体の経済からい
つて、最も惜しむべきものだと思います。
水産大学は、これは或る程度の科学
研究をなさるかも知れませんが、これも恐らくはあの
技術研究所のあの
施設を
使つてみてもちよつと間に合いかねるし、無駄が多かろうと思います。
施設のほうから見て無駄が多いと思います。
水産大学としても、あそこは海に遠うございます。
水産大学があそこに入るということは、
水産大学自身としてもお
考えにならんと思います。そこであれは、今申上げましたように、いろいろな科学試験
関係、或いは
大学の工学部、そういうものを入れることにして、第二点に申しましたように、
海軍大学なり麻布の一連隊、あの辺をもう少し
予備隊のほうとも共同して
研究してみたらどうかと
考えております。