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1952-07-24 第13回国会 参議院 内閣委員会 第60号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年七月二十四日(木曜日)    午前十一時六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     河井 彌八君    理事            鈴木 直人君            中川 幸平君            成瀬 幡治君    委員            愛知 揆一君            岡田 信次君            郡  祐一君            楠見 義男君            竹下 豐次君            江田 三郎君            上條 愛一君            波多野 鼎君            栗栖 赳夫君            松原 一彦君            三好  始君   国務大臣    運 輸 大 臣 村上 義一君    建 設 大 臣 野田 卯一君    国 務 大 臣 大橋 武夫君   政府委員    警察予備隊本部    長       江口見登留君    警察予備隊本部    人事局長長官    官房長     加藤 陽三君    警察予備隊本部    長官官房文書課    長       麻生  茂君    行政管理庁次長 大野木克彦君    行政管理庁管理    部長      中川  融君    運輸大臣官房長 壺井 玄剛君    海上保安庁長官 柳沢 米吉君    海上保安庁総務    部長      西田 豊彦君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君    常任委員会専門    員       藤田 友作君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○保安庁法案内閣提出衆議院送  付) ○海上公安局法案内閣提出衆議院  送付) ○運輸省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○国家行政組織法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○総理府設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○行政機関職員定員法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。保安庁法案海上公安局法案及び運輸省設置法中の一部改正案を議題といたします。  なお申上げますが、質疑が若干残つておると思いますから、本日午前中に質疑を終了するように御質疑をお願いいたします。
  3. 三好始

    三好始君 保安庁法案に関しては相当詳細な質疑応答が行われたのでありますが、若干新らしい問題も生じておりまするので数点に亘つてお尋ねいたしたいと思うのであります。  先ず第一点として、先般私がお願いいたしまして、昨日でありましたか一昨日でありましたか、提出をされました警察予備隊隊編成表がここにあるわけでありますが、この編成表に基く御説明を願えるのかどうか、或いはこの内容についての質疑をしても差支えないのかどうか、大橋国務大臣ちよつとお尋ねいたしたいと思います。
  4. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 江口次長から只今提出いたしておりまする表について簡単に御説明申上げます。
  5. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 七万五千人分につきましての編成表でございます。総隊総監部の分とその下にあります管区隊の分につきましての編成表をお手許に提出した次第でありますが、総隊総監部は御承知通り越中島にございます。そこの職員が九百十人という数字で現わしてあるのでございます。その総隊総監部所属部隊となります管区隊四つございます。管区隊の人数が一万五千二百人としてございますけれども、その管区隊全国四つあるのでございますので書くほうも四つ書いてございます。そのほかに特別部隊がそこに書いてあります。十ほどでございますがこの十ほどはやはり全国にばらまかれてあるわけでございます。この一枚目の数の合計がそこに説明してございますが、七万四千四百人となつておりますので、定員七万五千人と差の六百人がそこに書いてございまする学校の職員として配属いたしておるのでございます。  それから管区隊編成表のほうでございますが、管区総監部は、只今第一管区総監部は東京の練馬にございます。第二総監部は北海道の札幌にございます。第三管区総監部は兵庫の伊丹、第四総監部は福岡にございます。その管区総監部本部職員が三百六十人、一番右のほうに普通科連隊というのがございます。一連隊は三千二百十人でございましてこの連隊三つ管区隊編成することになつております。左の端のほうに特科連隊がございます、これは三千二百三十人であります。普通科連隊基幹部隊といたしましては、一番下の段に大隊として八百五と書いてございます、その大隊三つからなつております。それから特科連隊におきましては一大隊が六百九人でありまして、五大隊からなつておるわけであります。そのほかに附属部隊として少数の施設大隊とか衛生大隊、そういうものが同時に配属になつておるわけであります。大体簡単でありますが以上であります。
  6. 三好始

    三好始君 四つ管区隊全国四つに分けて管轄しておるというふうに考えていいのでしようか。
  7. 江口見登留

    政府委員(江口見登留君) 大体管轄区域という観念はございませんが、大体四地方に分けてございます。
  8. 三好始

    三好始君 詳細に亘つてはまだこの編成に関してお尋ねしたい問題があるのでありますが、他に数点質疑がありますので編成に関してはその程度にして、次に現在の警察予備隊保安庁法案による保安隊警備隊出動条件は、単にその必要がある場合に応じて、そのときそのときに認定さるべきものでありますか。それとも何らかの基準を設けてその基準従つて出動を決定するということになるのでしようか、その点をお伺いいたしたいと思います。
  9. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 現行法におきましては、警察予備隊治安維持のために特別の必要ある場合において内閣総理大臣の命を受けて出動する、こういうふうに規定をいたしてございます。保安庁法案におきましても大体これを踏襲いたしておるのでございますが、その後いろいろ検討もいたしまた結果といたしまして、出動する場合に出動の要否を認定いたしまするについて、警察予備隊はもとより情報収集機関は持つておりまするが、併し何分微力でございますので、治安維持予備隊出動を見ることが適当であるかどうかということについての情報収集並びに状況判断について、地方治安一般的責任者であります県知事協力を得ることが適当であろう、こう考えまして、一応県知事出動要請をする場合を規定いたしております。もとより府県知事出動要請をいたしまするという場合にも必ず出すというわけではございませんので、それを一つ動機といたしまして、内閣総理大臣責任において出動を決定いたすという考え方でございます。このほかに知事からの要請がない場合においても国家治安のために必要があれば当然出動さすべきものでございますから、別個に内閣総理大臣限りで出動命令を出すという場合もあり得ることで、それを予想した規定をも保安庁法において置いているわけであります。  災害についての出動ということは現在特に規定はございませんが、併しそうした場合において、治安確保のための警察予備隊出動することが実際上便利な場合が多うございますので、地方機関要請によつて今までも数次出動をいたしまして治安回復協力をいたしたという事例もあるわけでございますが、この場合は大体災害救助ということが大きな使命に相成りますので、武器使用等については非常事態出動とおのずから趣きを異にする点がございますので、これは別個に規定するほうがよかろうと存じまして、保安庁法においてはその点は別個に規定をいたすことになつておるわけであります。こういうふうにいろいろ出動を促す前置条件について保安庁法はいろいろな場合を予想いたして書いてございますが、併し出動すべき場合はどういう場合であるかと申しますると、これは申すまでもなく一般普通警察がその力を以て治安確保の責に任じ得ないという事態出動すべきものである、これは当然のことでございます。この点について現行法におきましては、自治体警察国家地方警察の活動を補うために出動するのであるということを明らかにいたしておりますが、これは当然のこととして保安庁法においては規定をいたしてないわけであります。  そこで法規のほうはかように相成つておりますが、この法的基準を動かすということは、これは法の執行という行政権の建前からいつてあり得ないわけでありますから、この法的基準範囲内において更にあらかじめどういう場合にどういう手続出動をするかということを更に研究いたしておくということは、これは実際上必要でもあり便宜なことでもあると、こう考えておるわけであります。  そこでこの場合においても二つの点を区別して考え得ると存じます。第一は通常の場合において予想のできないような非常事態に際して当然出動しなければならない、その場合のことは何もあらかじめこういう場合ということを予想し得ないようなことが多いでございましよう。又手続等も緊急の場合でございますからあらかじめ限定をいたしておくことは却つて不適当な場合もあろうかと思うのであります。併し通常起りそうだということが予想されるような事態でありまして、その場合に警察予備隊出動することは治安上適切であると認められる場合、こういうような場合についてはあらかじめそういう事態を予想し、そうしてその場合の出動基準なり又条件なりというものを研究しておくということは、突嗟の場合の判断を適切ならしめる上からいつて必要であろう、こういうふうに考えられますので、政府といたしましては、只今事務当局をして、通常想像される程度治安上の必要ある事態であつて、その場合に如何なる条件、如何なる基準によつて出動せしめるのが適当であるか、又その出動した場合において関係機関との協力をどうするのが適当であるか、こういう点の研究を命じてあるわけであります。  特に取上げておりますのは、御承知のように、日本共産党軍事方針というものを打ち出していることは明らかでございまして、これに基きましていろいろ治安上憂慮すべき事態全国的に頻発をいたしておるような状況でございます。今日までのすべての事態は幸に普通警察力を以て十分に処理できる程度でございましたが、将来或いは普通警察能力をこえたような事態が発生することも、全然予想できないというわけではございませんので、いわゆる国家非常の事態という場合については、これは今日研究段階でないと思います。そうした共産党軍事方針に基く治安上の問題について、警察能力をこえるという場合が絶無でない限り、これに対してあらかじめ想定をし、突嗟の場合に正確な判断をいたすように出動基準条件をきめる、又手続をも打合せを関係機関の間にしておく、こういう必要があると存じまして、その範囲限つて只今研究をいたしている状況でございます。
  10. 三好始

    三好始君 私は法律案第六十一条等の出動規定が抽象的な規定にとどまつておりますので、只今説明のありましたような目下研究中の出動の具体的な条件等については、本来ならば法律案審議の過程において、政府から説明できる程度に或る程度の成案を得た結果を委員会に報告願うべきものでなかつたかと思うのでありますが、まだ事務当局に命じて研究中の段階のようでありますので、その点は法律案の結論を出す上から申しますと、やや遺憾な気持がいたすのであります。  ところでその出動等に関しまして、国家地方警察或いは自治体警察のような、いわゆる普通警察と、保安隊警備隊その他関係治安機関の常置的な連絡機関というようなものが考えられているのかどうか。その点を具体的な一つの問題としてお答え頂きたいと思います。
  11. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 先ほど申しましたるごとく、警察予備隊出動いたしまする事態は、一般普通警察能力をこえた事態でございます。従つて如何なる事態において能力をこえたかということを判定することは非常に困難でありますが、一番的確にわかるのは警察機関みずからが、この事態は自己の能力をこえているという判断をいたしまして、そうして警察予備隊のほうに出動希望して来るというような場合があれば、この場合に能力範囲をこえていると一応認定することは極めて容易なことだと存ずるので、そこで私どもは府県知事要請以外にそうした警察機関から直接に情報として、出動を必要とするであろうというふうな意味要請があつた場合に、一応これを出動すべき場合なりや否やとして取上げて研究をすることが適当であると思うのでございますが、御承知通りに、現在の一般警察国家地方警察自治体警察とに全く分れております。そうして現実に起りまする事態というものはこれらの区域を包含した広範な地域について同時多発的に起るか、或いは又一つ計画に基いてこれらの地域全般に起つて来る、こういう場合が多いのでございます。そこで予備隊当局希望といたしましては、警察機関が直接に予備隊情報を入れ、出動希望するというような場合においては、関係地域というものの各機関が一致した希望として述べられるということが望ましいことと考えられるのでございまして、できれば通常一定地域に多数の警察主体があり、而もいろいろ管轄が分れておりまするが地理的に一つ治安上の区域と観念すべきような場所、これは具体的に申上げますると六大都市或いは十大都市を含みまする、その近郊地帯が大体そうした地帯と目される所であります。そういう地帯につきましては、地元の国警自治体が連合して判断を共通にするために、何か経営的な機関を持つて頂ければこれが一番望ましいわけでございます。そういうことについて警察当局に対して予備隊として希望を申出まして、警察の側において御研究を願つているという次第でございます。
  12. 三好始

    三好始君 旧軍人の採用が相当行われでいるわけでありますが、これは旧陸海軍人部隊指揮等経験なり能力をいかすといいますか、利用するといいますか、そういう意図の下に採用しているものと、我々も一般国民考えていると思うのでありますが、そういうふうに了解して差支えないわけでありますか。
  13. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 旧軍人警察予備隊部隊指揮官として直ちに役立つとは思われませんが、併し曾つて部隊指揮をいたした経歴もあり又そのために特別な知識も持つておりまするので、これを養成いたしまするならば予備隊指揮官として急速に有能な人が得られると、こういう考えの下に採用いたしたのであります。
  14. 三好始

    三好始君 先般元陸海軍大佐等相当採用されたようでありますが、これらは保安庁発足を予定しての措置でありますか。それとも保安庁発足とは無関係に現在の警察予備隊自身としても一応考えられた措置なんですか。その点をお伺いいたしたいと思います。
  15. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 現在警察予備隊が十一万人に増員せられておりまするが、これは本国会において、法案並びに予算案を御審議頂いたものであります。この増員をいたしまするにつきましては、一般隊員と同時に上級、下級の指揮官増員する必要がある、その増員計画の実施として採用いたしたものであります。従いまして、直接保安庁法案の成行とは関係ないものと御了承願いたいと思います。
  16. 三好始

    三好始君 先般採用された警察予備隊幹部の中には旧海軍将校が含まれておりましたが、陸上部隊たる警察予備隊に旧海軍将校を採用するというのはどういうふうに理解したらいいのでしようか。
  17. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 現在の警察予備隊は昔の陸軍に比べますると非常に機械化程度において進んでおります。従いまして車両であるとか或いは通信機関であるとかそうした面におきまして、非常に機械或いは科学的な知識を要求する面が多大でございまして、この点におきまして従来の陸海軍を比較いたしますると、陸軍よりも海軍将校が比較的科学的な面において教養も高く経験も積んでいる。この教養なり経験なりを利用することが適当であると、こう考えたわけであります。
  18. 三好始

    三好始君 私はこういうふうに理解したのですが、これは間違いなんでしようか。即ち、現在海上警備隊には旧海軍大佐、中佐というような幹部を採用しても、まだ具体的に仕事を担当するだけの態勢が海上警備隊には整つておらない、そこで一応警察予備隊に採用して、保安庁法発足すれば、これは保安隊幹部としてではなくして、警備隊にいわば配置転換といいますか警備隊のほうに廻る、こういう予定を持つておるのではないかという感じちよつといたしたのでございますが、そういうわけではないのですか。
  19. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 今後の保安隊警備隊運用につきましては、昔の陸海軍のごとくあらゆる面において対立的になつて行くということは好ましくないのでございまして、いろいろな面において協力しながら共同の目的たる治安確保に当つてつてもらいたい、こういうことは、この保安庁を作り、両者を併せで統制をして行くような機構を考えました大きな動機でございます。併しながらこれは飽くまでも別々にできておりまする部隊相互協力を全うしようという考えでございます。このために直接人事交流をやるということは考えておらんわけでございます。と申しますのは、一方において、陸上部隊の老練な者が必ずしも海上部隊指揮運用において老練とは限らないので、これは速力の点におきましても、又部隊そのもの性質におきましても、使命におきましても、非常に実際的には異なつているのでありまして、必ずしも転換可能とは考えておりません。むしろそれぞれ独自の面においてその点を深く専門的に掘下げて、それぞれの部門において有能な指揮官になつてもらいたいというのが希望であるわけであります。従つて上級指揮官人事交流というようなことは考えておりません。海軍を採用いたしておりまするというのは、これは予備隊においてそうした人が予備隊の将来のために必要であるという考え方から予備隊独自の立場において決定をいたした事柄でございます。従いまして、将来これを警備隊のほうに廻すということは何ら予定されたものではございません。現在入つておる人は飽くまでも予備隊指揮官としてどこまでもやつてもらいたい、こういう前提の下に採用いたした次第であります。
  20. 三好始

    三好始君 先般アメリカ艦艇貸与法成立したわけでありますが、これが成立してから相当日数が経過いたしておるわけでありますが、又本委員会におきましてもこれらの問題をめぐつて質疑応答をしてから相当日数がたちました。その後の日米両国間の艦艇或いは船舶貸与協定に関する交渉進行状況が伺えるのでしたら御説明頂きたいと思うのです。
  21. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 前回の機会において申上げましたごとく、当方としては船舶借入について交渉をいたして申入をいたしております。そこで次の措置としては米国の側からそれに対する回答という形で交渉が続けられると、こういう段階になつておるのでありまして、当方といたしましては、すでに米国国内法成立をいたしたような状況でございまするから、近く向うから何分の回答があるものと期待をいたしております。又情報としては近くワシントンからの訓令に基いて何らかの申入ができるだろうというふうな情報を得ておりまするが、まだその話に本式にとりかかるというところまでは行つておりません。従つて、結果的には前回申上げた以後進展をいたしておらないという状況でございます。併し、恐らくは近く何らかの申入があるものと期待いたしております。
  22. 三好始

    三好始君 只今お答えになりました近くというのは、保安庁成立後というふうに私は考えておるのでありますが、つまり保安庁法成立するまでは公式にこうした交渉を進めるというアメリカ国内法上の根拠が薄弱である、こういうところから保安庁法成立アメリカ当局としては待つておるのではないかと、こういう感じがいたしておるのでありますが、これについて政府はどういうふうにお考えになつておられるのですか。
  23. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 保安庁法成否というものはこの交渉には直接関係はないと存じております。保安庁法ができるかできないかというのはこれは純然たる日本国内の問題でございまして、アメリカとの船舶借入ということは保安庁法案を提案いたしまする前に申入れ、その後或る程度進行をいたしておるので、その進行の結果いよいよという段階になりまして、米国自体が自国の国内法上の根拠を必要とするためにその手続をとつておると、こういうふうになつておるわけであります。従つて、その法案成立いたしましたからアメリカのほうから何らかの申入がこちらにあるという、それを  こちらは待つておるわけでありまして、保安庁法成否従つて保安庁の設立後でなければそうした話合が始まらないと、そういうふうな性質のものではないということを考えております。
  24. 三好始

    三好始君 私は保安庁法成立一つアメリカ側の要件になつておるのではないかと申しましたのは、成るほど保安庁法成立日本国内の問題でありますけれども、これは見方によれば、現在の警察予備隊なり海上警備隊保安隊警備隊というふうに新たに形を変えることが性格の変更を来すものであるかどうかと、こういう問題になつて来るわけでありまして、現行法によりますと、予備隊は第一条、第三条によつて警察補充的な存在であるということは一応明文の上ではつきりしておる。ところが、保安庁法ではそれがいわばぼかされている。こういうところに性格を問題にする余地があるわけでありますが、私はそういう点を考慮に入れて、アメリカアメリカ国内法上の原則に立つて外国軍事援助をしたり武器貸与行なつたりするには一つ条件がある。その条件日本保安隊警備隊性格が充すか充さないかを決定することにもなるわけであります。これは保安庁法成立と決して無関係ではない、こういう意味でお尋ねいたしたわけでありますが、これは或いは見解の相違ということになるかと思いますので、それ以上立入つてお尋ねすることはやめておきます。  次に、講和条約発効後九十日以内に占領軍が撤退する、こういうことになつておるわけでありますが、現在の警察予備隊或いは海上警備隊等に対するアメリカ武器貸与関係は一応占領しておる国に対する武器貸与ということで、ヴアンデンバーグ決議の精神からいつて純然たる他国に対する武器貸与でないということで説明をし得る余地があるわけであります。ところが占領軍撤退期限を過ぎて、日本純然たる外国としての立場になつて日米間の関係アメリカ占領軍という立場から安全保障条約に基く駐留軍という関係に変つて来て、一応他国に対する武器貸与ということになつて来ると、アメリカ国内法立場からいつても法的に問題があるでありましようし、又日本の側からいつて相当法的に問題があることは先般私も又他の委員もいろいろ問題にした通りだと思うのであります。  そこで占領軍撤退期限内に武器貸与関係が明確化しない場合に、日本及びアメリカ国内法上の問題がどうなるのかということが問題だと思うのでありますが、政府はこの点をどういうふうにお考えになつておるか、その点を伺つておきたいのであります。
  25. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 只今警察予備隊武器を借受けておりますが、その借受の形式はたびたび申上げておりまするごとく、米国から日本政府が借受けているという形にあらずして、日本に駐在する米国が持つておる武器予備隊に事実上使わせておるという関係でございます。従いまして、これは日本に駐在する米国軍隊占領軍資格でやつておるか、駐留軍資格でやつておるかということによつて違いがあるかないか、その点はまあ日本政府法律上の問題でなくて、米国国内法上の問題だと思いますが、その点について格別違いのあるようなことは今まで耳にいたしておりませんから、引続きそうした形式で若干暫定的に措置せられることは可能であると考えております。併しいずれこの問題につきましても船舶と同様に何らかの措置が講ぜられて、正式に借受けるということにはなるように話が進んで行くものとは考えております。
  26. 三好始

    三好始君 最後に一点お伺いいたしたいのでありますが、現在の予備隊等の米軍顧問将校の法的な地位はどうなつているかということで承ります。又占領軍撤退期限後の顧問将校の法的の地位はどうなるか、こういうことについて政府の見解を質したいと思うのであります。
  27. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) これは法的には事実上日本政府米国軍人協力を利用いたしているということでございまして、その関係には何ら法的な関係はないものと考えます。
  28. 三好始

    三好始君 米軍顧問将校米国の正規の軍人としての地位を保持したままで警察予備隊等の顧問将校としての地位も併せて持つている。現実の勤務は警察予備隊の顧問将校としての勤務に従事しているところの米国の正規軍人である、こういうことになるのですか。
  29. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 国内法におきましては、警察予備隊の顧問将校という法的地位はございません。これは単なる実在の人という事実上の存在でございまして、日本側の機関はこの事実上の存在たる米軍将校協力を事実上利用することによつて予備隊の訓練を支障なからしめたい、こういう形でございます。
  30. 三好始

    三好始君 私は、独立国家のまあ事実上の軍隊と見られる警察予備隊なり、或いは政府が企図している保安隊警備隊等について、法的な性格の明確でない外国の顧問将校が勤務している、こういう関係が単なる事実上の問題として処理せられておるという程度にとどまつていることは非常に問題があるのではないか。占領下であれば或いはそれでも仕方がないということもあるかもわかりませんが、独立回復をした日本予備隊、今後の政府の予定している保安隊警備隊等に今御説明のあつたような程度のお考えで、米軍の顧問将校が引続いて顧問将校としての立場を続けて行くということは非常な問題だということを申上げておきたいのであります。
  31. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は、憲法第九條の解釈について三好委員大橋国務大臣との間にいろいろと論議が交されたことについて十分承知しておりますから、ただ一点だけ明確にしたいと思いますからお尋ねしたいのですが、と申しますことはあの憲法が制定された当時ですね、自衛戦争を認めるか認めないかというような点につきましては、とにかく今までの戦争というものが自衛戦争という名の下において戦われたのだ、だから我々としては自衛というような場合においてもこういうものは放棄するということが私は大体主旨だと思うのです。それが今度変つて来てこの警察予備隊のいろいろな場合の論議を聞いておりますと、外敵の侵入があつた場合には、国内治安というような名目の下において外敵が侵入して来たときに戦うのだというようなことが言われている。そこで私は憲法の解釈が変つて来たという或る程度若干変るということは認めますけれども、それはその解釈の問題ではなくて、実に実質的に私は変化して来たものだと思う。ですから政府はこの際今申しましたようにこう変つて来たものを今更まだ憲法改正の問題についてはほほかむりして、そうして而も警察予備隊を持つて行くということは、私としましては憲法違反の疑いが十分あると思う。併しこれを論議してみたところでやむを得ないのですが、政府としては近い将来にこういうふうに変つて来ればこれはもう変貌ではなくて変質なんですから、憲法改正というようなことについて政府は何らか考えておるかどうかという点だけお答え願いたいと思います。
  32. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 憲法改正につきましては総理からもたびたびいろいろな機会に申上げておりまする通り政府といたしましては現在その段階ではないということで全然これを考えておらないという状況でございます。
  33. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それでは前に自衛戦争をやらないというようなことが、最近においては自衛戦争はそれは憲法の今の解釈においては可能であるというそういう解釈の下に立つて憲法改正はやらない、こういう意味でございますか。
  34. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 自衛戦争はやらない。従つて憲法の規定も自衛戦争を否認いたしておりますが、政府としては一向差支えないと考えております。
  35. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 自衛戦争は否定している。併し外敵が入つて来た場合には治安を保つために、戦うんだ、こういうことなんですか。
  36. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 軍隊のない日本といたしまして、できるだけの自衛権の行使はいたしますが併し戦争はいたさない、戦争以外の方法によつて自衛権を行使する、こういうことであります。
  37. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は大臣の言うことがわからないんだが、戦争はやらんけれどもそれ以外の形で自衛権を行使するんだということはどういうことですか、具体的に。
  38. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 治安維持のために備えておりまする実力組織があれば、その能力の限度において不法侵略者に対して対抗するということでございます。
  39. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それは戦争じやないんですか。
  40. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) それは戦争にあらずして国家が領土内において有する当然の保安上の権利を実行するということになります。他国に対して戦争をいたすわけではございません。
  41. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それが私は自衛のためにやつたということであつてそんなむちやくちやな解釈はないと思うな、実際。併しそれは見解の相違だとおつしやるならしようがないけれども、この点前から何遍も押問答しておりますから、どうもあなたのほうも苦しい答弁でございましようし、そんな次第ですからやめますが。  その次に先ほど三好委員から尋ねておられましたが、この十六条の六項の衆議院において削除いたしました。旧正規陸海軍将校の採用につきましてはあなたがたが衆議院において答弁されましたごとく、人事交流は絶対にやらないんだという点は、今三好君の質問においても答弁されたようですが、間違いございませんね。
  42. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 現在のところ警備隊保安隊の間における人事交流ということは何ら考えておりません。
  43. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 警察予備隊の校舎や学校の施設、ああいうようなものを使つたり或いはまあ校舎ばかりでなくて演習地の問題もありますが、ここで特にお尋ねしたい点は、校舎が例えば水産学校みたいな問題がありますが、やはり整備費として百九億八千五百万円残されておるわけですね。そうした中からそういう方面に使われまして学校施設というようなものは漸次返して行くという私は方針だろうと思います。又そういう方針でなければならないと思うのですが、その方針に則つて大体やつておいでになるのかどうか。
  44. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 只今の成瀬委員の御質問並びに先ほどの三好委員の御質問に対する私の答えは原則的なことを申上げましたが、附け加えて申し落しておりましたので申上げます。  警察予備隊又は保安隊海上警備隊幹部人事交流はやらないということを申上げましたが、それはそれでよろしいのでございますが、ただ医者につきましては、実は海上警備隊のほうは非常に規模が小さいので医者の定員も少いわけであります。従いまして、これだけで独立して医者を持つということ、又病院その他の衛生施設を持つということは現在の段階においては或いは困難ではないか。従つて病院或いは研究所のないような職場に医者が喜んでいい人が来るということは困難でございますので、医者については双方に或いは交流を認めるという特別的な措置も必要かと考えております。併しその他の点については原則的に交流はいたしません、こういう考え方でございます。  それから学校の校舎を使用しておる、それを返すかという問題でございますが、返さなければならないような事情にある校舎につきましては当然返すべきものと考えております。例えば一番問題になつておりますのは水産大学の問題でございますが水産大学に対してはこれは返すべきものだと、こう考えておるのでございます。併しいろいろ水産大学のほうの希望等を聞いてみますと、現在の越中島の建物よりも品川にあります旧海軍経理学校の分校のほうがより校舎として望ましい、従つてそれを若し予備隊或いは警備隊で使う計画があるならば、それを手に入れた場合には越中島を返してくれる代りにそのほうを代りにくれないかというお話もございます。これは私どものほうは両方要るわけではございませんので、越中島を返すとすれば代りの建物がなければならんという考えで品川の建物を希望いたしておつたのでございます。若し水産大学の当事者にそういつた御希望がありますならば、私どものほうが越中島に残りまして、規模が大きうございますし、又土地もいい、場所もいいという点で品川のほうをお望みになるならば、そちらのほうを代りとして水産大学がお使いになるようにできるだけ斡旋をしよう、こういうことも話しております。そういうふうに返すべき必要のあるものは必ず返すという考えを以て進んでおります。
  45. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 その返すべき必要があるとか或いは事情というような判断は、学校関係のおかたの陳情によつて判断されるのか、あなたのほうでそれは判断されるのか、どちらですか。
  46. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) それはむろん学校の御都合によることでございます。
  47. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 それからこの米軍の演習場の問題と警察予備隊の演習場、これは両方重なつているわけですね。
  48. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 重なつている所もあり別々にある所もあると、こういいますのは、演習場の大きなものは、日本は非常に人口欄密でございまするので土地が少いわけでございます、それで例えば富士の裾野のごときは予備隊もときどき使わしてもらうようなことになつておりますか、併しこれは本来は米軍の演習地として提供されたものでございまして、第一義的にこれを使うという立場にあるものは米軍であるわけであります。それで予備隊といたしましてはできるだけ富士も使いたい、又米軍もできるだけお互いに譲り合つて一緒に使おう、こういうような考えかたでございます。これは共同に使うようになるかと存じます。現に予備隊といたしましてもあそこに予備隊の学校を作りたいと思つております。それは米軍としてもあそこは非常に場所もいい、殊に富士の演習地に近くてそれを利用するに便利な場所であるからあの一角に学校を造つたらどうかというような話もございましていろいろ調査したところ、富士を利用すれば非常に適当だと思われるのでここに学校を立てる計画只今調査いたしております。でこれは富士の共同使用ということが前提になつておるわけであります。  そのほかに何分全国亘つて予備隊部隊がございますので、演習地を全国で五、六ヵ所必要であると考えまして只今調査をいたしておるような状況でございます。
  49. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 その場合はその管理権というのですか、そういうようなのはどこで持つていられるのですか。最終的なその責任というものはそういうふうなものはどういうふうになるのですか。
  50. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 米軍の使用すべきものとしてきめられましたものは、管理権は第一義的には米軍側にあるわけでございます。で米軍の承諾を得ましてそのうちの或る部分を仮に警察予備隊で使用するということになりますれば、その区域については警察予備隊が管理する、こういうことになると思います。それから警察予備隊が今後予備隊のために取得いたしまする演習地というものは、これは警察予備隊が管理をするのでございます。若しそれを米軍が使用したいという場合においては、正規の手続を得て使用するか、或いは一時使用するなら外務省を通じて警察予備隊の承認を得て使用する、こういうことになると思います。
  51. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 村上運輸大臣にお尋ねしますが十隻と五十隻の船を借りることについて、これはまあいろいろな論議がここで展開されたわけですが、これは新聞の報ずるところですが、これをこちらへ持つて来るため或いは使われるに可能なために修理するには相当な金がかかるようなことが新聞に報ぜられているわけですが、実際これを通す場合には船がもうじきに来るんだ、だからこの前の海上保安庁法案を通すときにはあわてて実は通したわけです。まあお聞きしておりますと、もう今年一ぱい頃に船は来るんだというような話も実はお聞きしているわけです。ですから若干のお金が向うへ送られておるのか、又その辺の或る程度の話は決済は別個としましてこちらのほうとしては内諾を与えたような形になつておるのか、その辺の事情を御説明願いたいと思います。
  52. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 千五百トン級の船を十隻とそうして上陸用舟艇に使われておりました五十トン級を五十隻、これだけについて昨年夏頃から極東海軍との間において内協議をいたしておつたのでありまして、勿論この内協議につきましては主として海上保安庁が当つておりまして、併し外務省の事務当局とも事務的には時々話合つて交渉を、内交渉と申しますか事務的打合と申しますか、当方から希望を述べて話をいたしておつたのであります。それで正式に申込んだということはよほど、ほどおいてからであるのであります。勿論これは運輸大臣としてでなしに外務大臣として申込んでもらつたのであります。今日はその該当する船が数隻横須賀に参つておるようでありまするが、まだ一隻も授受はいたしておりませんし、今御指摘の修繕というお話でございまするが、若し修繕を要するものであれば先方の負担において修繕してもらうということになつておりますので、それらの費用の負担ということは、只今申します通り、内交渉においては先方で負担してもらうということに相成つております。
  53. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 先方が負担するということは、そうすると向うが修理をして使えるようになつたのを日本へ貸してくれる、従つて修理とか何とかいうことについて、日本はそれに対して使つた以上はいためばもと通りにして返すというのだが、修理に対しては日本は一切責任と申しますか、金銭的な責任もなんにも負わない、こういうふうに解釈していいわけですか。
  54. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 最初の授受をどうせ受けると思います。これは数回に分つてしますか一回であるかわかりませんが、恐らく数回になるだろうと思いまするが、とにかく直ちに使用できるような完全な船を無償で貸してもらうということを期待いたしておるのでありまして、但しその後の修理につきましてはこれは別問題でありまして、正式の交渉の結果これはきまると思います。
  55. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 ちよつと私先ほど先方の負担というふうに決定してしまつたようにお聞きしたのですが、今は期待しているという言葉を使われたのですが、どちらですか。
  56. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) これは内交渉のことを申しておりますのであります。内交渉としてはそういう話合がまとまつております。併しこの内交渉を正式の交渉に移しますのはどうせ政府と申しましても外務省で最後はやつて頂くことと思いまするが、そのときのきまり方によつて今後のことがきまるだろうと思います。期待すると申しましたのは、間違いないとは思いまするが、正式の決定がまだでありますのでそう申したのであります。
  57. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これはこまいことと言えばこまいことでございますが、警察予備隊について非常に汚職事件などがありました点については、大橋国務大臣相当私はにがいことを経験されたと思うのです。今度やりますと、やはり又予算が非常に莫大についているわけですが、そうした汚職の問題について何か特別に何というのですか監督とか、そうしたものが防ぎきれる或いは防がなければならんという点に留意されてこの法案ができておるのか。若しできておるとすればその機関はどこでやるかということをちよつと御説明願いたい。
  58. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 警察予備隊につきましては創立当初におきまして人員不足のためにいろいろ経理事務等も不行届の点があつたことは事実でございます。ただその後の会計検査院の検査等の結果を見ますと、特に警察予備隊について汚職が多かつたというふうには考えられておりません。又不当支出が多かつたというふうにも思つておりません。十人、二十人で普通の官庁ならやるべきものを一人でやつておつたという状況が一年近く続いたのでございますが、その割には割合に事務の処理が良好に行われたというふうに思われます。ただどこにもありがちなことでございますが、二、三の不心得な者が業者から饗応を受けて或いは金銭を受けておるというような事実もございます。これらはいずれも司直の手によつて責任を問われており、予備隊といたしましても厳重に処分をいたした次第でございますが、併しこの予備隊の使用いたしまする経費の総額というものは何分にも他の官庁に比べて非常に大きな金額に相成りますのでございますから、他の官庁よりも汚職が少かつたからといつて予備隊がそれでよろしいんだというようなものでけなく、大きな金額を扱えば扱うほど官紀は一層振粛しなければならんとこう考えておるのでございます。これがために予備隊の経理の関係者の教育につきましては特に意を用いておりまして、久里浜の総隊学校の中にも経理官についての特別のコースを設けまして、現在部隊経理に当つております殆んど全員は数次に亘つて教育を受けておるというような実情でございます。今後におきましてもこの教育は絶えず繰返して行なつて行くと同時に、経理部隊の指導については一段と留意をいたしまして、いやしくも予備隊において不祥の事件を絶無にいたしたい、かような考えをもつて処して行きたいと考えております。
  59. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 先ほど三好委員も例えば久里浜の学校の先生というのですか、実際警察予備隊幹部の人がアメリカ将校から指導を受けている。或いは警察予備隊のタンクとか何とかいう特科隊の人たちがアメリカのキャンプへ行つて訓練を受けている。そういう人たちを訓練する場合にどういう資格アメリカ将校の人がいるかという点と、その場合に、私はキャンプなんかやる場合には向うに対する費用とか、そういうものは日本政府が負担して出しておられるだろうと思う。或いはそうじやなくて向うの費用でそういうものはやつておられるのか、その資格の点と経費の点で御説明願います。
  60. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 米軍の部隊におきまして日本予備隊員が教育を受けます際には、そこへ行つて教育を受ける人たちを以て一つ部隊を臨時に編成いたしまして、その部隊がそこへ出張して訓練をする、こういう形でございます。従つて講師として米軍の将校の講義を実際受ける、又実地に指導を受けている。併しそれは向うの命令によつてこちらがやつているという形ではなくて、部隊長の命令によつてその講師の講義を受け或いは実地指導を受ける、その命令に従つてつている、こういう形でございます。従いましてその部隊がそこに滞在いたしております間の経費というものは、これは当然日本側において負担というより、当然日本自身がそういう炊さんについては炊さんの係をつけて行つて、何と申しますか自炊と申しますか、そういう式でやつているわけでございます。  予備隊へ来ております顧問から講義を受けるというのは、これは予備隊の学校は学校長の管理するところでございます。その学校長の編成いたしました時間割の中で米軍顧問が講師となつて講義をする時間が設けられ、その時間には特に通訳を用いて講義をするというふうにいたしております。その点においては事実上一般の日本の学校の教員と同じような立場で教育に当つているというわけでございます。
  61. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうするとそれは学校長が、久里浜で例をとれば、学校が講師という形で任命したのか或いは一日頼むといつたような形でやつておられるのか、そこはどうなんですか。
  62. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) これは日本側の上級機関と米側の上級機関において相談をしてその学校へ講師として派遣をしてもらつているのであります。学校長は、本部長官の命令によつて派遣されて来ている他の日本側の講師と同じように、講師として取扱うことになつております。
  63. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 最後にお尋ねいたしますが、実際警察予備隊使命とか性格というようなものは、相当あなたのほうは外敵の侵入といつたような場合には何かにおいて防がなければならない、その場合何というか或る場合には命を投げ出してもやらなくてはならない立場にある人たちだと思う。実際に警察予備隊に入隊したところの諸君は私は退職金が相当魅力で入つておられるということは事実であろうと思う。そこであなたのほうとしてはそれに対してそういうふうではなくして一朝有事の際においても、あなたが期待されて働けるようなものについての私は相当な精神的な訓育というか教育を施されておらなければならないと思うが、その点についてはどのように留意されて実際やられておるか御説明頂きたいと思います。
  64. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 各部隊におきましては特別の精神講話の時間を設けて精神指導をするというようないたし方はやつておりません。併しあらゆる機会に、民主々義国家である日本国内治安確保という尊い使命をもつてできておる警察予備隊である、その使命というものについての自覚と、隊員としてその責任を果すための心がまえ、こういうようなものはあらゆる機会を通じて徹底するようにいたしておる次第でございます。  指導官の側に特に留意を促しております点は、国家及び民族に対する高い愛国的な情操というものが結局この責任感なり使命感の基礎になると思いますので、こういう意味で指導に当るように努力させておるわけでございます。
  65. 上條愛一

    ○上條愛一君 私は最初に村上運輸大臣にお尋ねいたしますが、先ほど成瀬委員からも御質問をいたしましたが、なお不明確でありますので重ねて御質問申上げますが、海上警備隊の使用船舶については、アメリカ政府から借受けることを希望して、閣議で協議の上で海上保安庁としてアメリカの極東海軍と下交渉をなさしめたと、こういうことでありますが、下交渉の際には貸与せられるところの条件は下交渉でされたかどうかということをお尋ねいたします。
  66. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 御指摘のように無料で借りられるという大体の見当がつきました故に閣議でも一応協議をいたしました。そしてそれに基いて下交渉を進めておるのであります。  今条件というお話でございますが、先刻も申述べましたように完全な船にして直ちに使用し得る状態において貸してもらうと、そして無料で貸してもらうというようなことは意見が一致いたしておるのであります。なおすべての条件を打合せておるかとおつしやると、なお不足しておる点もあろうかと思います。
  67. 上條愛一

    ○上條愛一君 もう一点だけ伺いますが、それはビンソン氏の提出アメリカ議会において決定いたしましたものの中に、大統領は貸与の時と実質上同一の条件において右船舶を返還すべき条項を含むと、こういうことがありますが、この返還の際の条件について下交渉のときに交渉されておるかどうかということを承わりたいのであります。
  68. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 若干の話合はしておるのでありまするが、今御指摘のアメリカ国内法関係であります、一口に言えば返還の際には原状回復をして返還するというふうにとれるのであります。でこの原状回復の上で返す、原状回復という趣旨が我が国で申すような意味であるかどうか、その辺は明確になつておらない、今後の交渉にあると思うのであります。これらの例えば必要上或る若干の改造を要するような場合、その改造をしたものも更に原状に回復しなければならないかというような問題もあろうと思いまするが、又不可抗力によつて航行中非常なしけで沈没したというような場合どうなるかというような、こういうような問題につきましては、下交渉範囲におきましては責任日本に求償をしないというように期待いたしておるのであります。要するに詳細なことは正式の交渉、正式の文書の上にはじめて確定すると思うのであります。で日本に対して船舶を譲渡するというときまでには正式に決定をみなければならんはずである。正式の決定をみて然る上に一部ずつ引渡しを受けるということになつて行くだろうと考えます。
  69. 上條愛一

    ○上條愛一君 それならば下交渉の場合においては概略の交渉であつて、まだ正式に貸与を受けるという条件は整つていずに、申し込んだという程度承知してよろしいのでございますか。
  70. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) さようでございます。
  71. 上條愛一

    ○上條愛一君 そういたしまするならば、今後の両国間の正式の貸与条件交渉が行われた場合において、日本希望するような条件が整わないとすれば、十隻、五十隻の船は貸与を受けないという場合もあり得ると承知してよろしうございますか。
  72. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 観念的にはそういうことになると思います。
  73. 上條愛一

    ○上條愛一君 そういたしますると、海上警備隊の基礎をなすところの船舶の問題についてはまだ全くの準備時代であつて海上警備隊発足しておらないと承知してよろしうございますか。
  74. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) お説の通りでありまして、まだ今船舶貸与を受けましても乗組員ができないのでありますから、本年秋に初めて乗組員の第一期ができる、御承知通り六千三十八名を乗組員としてその経費を予算に計上して御審議を願つたのでありますが、約その半数を今補充して養成中でありまして、乗組員もまだできておらないのであります。
  75. 上條愛一

    ○上條愛一君 それでは結論として海上警備隊船舶その他の問題については全くの未決定の問題である、これは今後の交渉によつて借りるか借らないかということもきめると、こういう現状にあると考えてよろしうございますか。
  76. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 内交渉といいますか下打合せの進行によりまして期待は十分に持つておるのでありますが、決定は将来にある次第であります。
  77. 上條愛一

    ○上條愛一君 時間がありませんのでちよつと大橋国務大臣にお尋ねいたします。  私は第一にお聞きしたい問題は、現実の問題として警察予備隊を十一万に増強し又更に保安庁を新設するというのでありまするが、これは現在の日本国内治安の現実からそのようなことが必要であると、こういう上に立つての方策であるか、或いは保安庁を作るというようなことが必要であるかという、端的に言えば仮想の下にこのような保安庁を新設しようという考えであるか、その点を承わりたいと思います。
  78. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 政府といたしましては国内治安の現状から見て保安庁の設置が必要である、かように考えておるわけでございます。
  79. 上條愛一

    ○上條愛一君 それならば、もう少し具体的に、こういう条件があり、こういう実情であるから保安隊を作らなければならないという、もう少し詳しい御説明を承わる機会ができるかどうかということを承わりたい。
  80. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) その点につきましては提案理由においても申上げ、又その後もたびたび申上げた通りでございまして、大体今まで申上げたところに尽きているのではないかと思います。
  81. 上條愛一

    ○上條愛一君 我々は今まで承わつた程度の具体性では……、十分に保安庁を設置しなければならないという仮想でなしに、現実の必要からだということであれば納得が又行くと思いますが、併しこの問題はこの問題として、次にもう一点だけ承わつておきたいのは、我々の考えるところによれば、国内治安のための対策といたしまするならば、現在ありまする国家地方警察或いは自治体警察というものを拡充することが急務であると考えるのでありますが、この点についてのお考えを承わりたい。
  82. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 政府といたしましては警察力の強化ということは併行的に必要であると考えまして、警察法の一部改正を今国会に提案をいたしているような次第であります。
  83. 上條愛一

    ○上條愛一君 私が申上げますことは、曾ての特高警察というものが主として共産党対策として生まれたものでありまするが、これが十分に平素共産党の対策を講ぜずして、或る点までは共産党の勢力の増強せられるのを待つて、ときどき共産党の検挙を行なつた。これは共産党というような対象物がなくなると特高警察に予算その他の影響があると言われておつたのでありますが、私の承わりたいのは、現在の国内治安の対策といたしましては、警察予備隊はこれらの国家地方警察並びに自治体警察の補助的な機関であるとこういうふうにお考えになつて設置するというふうにしばしば承わつておるのでありますが、現在の様子を見ると、その補助的機関のほうがその設備においてもその人員においてもこれが中心のような形になつておる。これは国内治安の維持という建前であるならば、若し必要があるならばその本体である国家地方警察なり自治体警察というものを拡充するという建前が当然であつて、それを拡充してなお足らざるところを警察予備隊が補助して行くのだ、こういうことであれば我々もこれは必ずしも納得しないのではありませんけれども、人員においても、その装備においても、これは警察よりも補助機関である警察予備隊のほうが遥かに優勢を示しておる。このようなことは私は国家治安維持のための常道ではない、こう考えます。非常な邪道であると私は考えるのですが、この点について大橋国務大臣の御意見を承わりたい。
  84. 大橋武夫

    国務大臣大橋武夫君) 警察力の強化ということは、これは当然考えなければならん事柄でありまして、政府警察法の改正、又警察における装備の改善、こういうような点につきましてはいろいろ研究をいたしまして、予算案法律案の形において御審議を願つておる通りであります。警察予備隊につきましては警察力の最後の固めといたしまして、或る程度の規模を持ち、真に警察力の不足に対する補充をなし得る程度の実力を備えたものを作り上げなければなりません。そのためには現在の十一万を擁しておることが必要だと、こう考えまして予備隊の拡充というようなことを行なつたわけであります。これは両々相待つて行くべきものと考えております。
  85. 上條愛一

    ○上條愛一君 私がそのことを申上げたのは、警察予備隊が戦備だと世間で言われておる、又そういうふうに国民の間に認識を強める原因はここにある。若し国内治安のために真に国家が対策を講ずるとするならば、若し国内治安に不安があるとするならば、警察力の増強を先ず第一に図るということがこれは当然の措置である。然るに大橋国務大臣警察力の増強も考えつつあると言うけれども、それよりも警察予備隊の増強のほうに遥かに力を注いでいる、こういう実情である。現状においては人員からいうても設備、装備からいつても、警察力よりもその補助機関である予備隊のほうが遥かに優勢を示している。これはどのように政府が言うても警察予備隊というものが国内治安よりも何か他の目的のために増強せられるのではないかということになるのではないかと思いますが、この点についてはなお私は時間があれば詳細に御質問したいと思いますが、時間がないので一応打切ります。
  86. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 海上保安庁関係で簡単に伺います。海上保安庁が持つておる船に警備艇とか雑船とかこういうものがあるようですが、警備船というのを本年の六月から備えられたようでありますが、先ずこの警備船というのはどんなものですか、簡単に説明して下さい。どういう大きさのもので、どういう性能のものかということを。
  87. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) 大体海上保安庁におきましては従来は巡視船及びその外の船舶というふうに分けております。今度警備隊をこの前の海上保安庁の一部改正のときに作つて頂きまして、大体米国から船艇が借りられるということに相成りました。これに対する乗組員の発令その他をするためにこれらの船舶を警備船という名称を与えているわけであります。従いまして警備船は大体六十隻ということになつております。
  88. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 六月四日の官報で海上保安庁告示第十一号といたしまして、「七警備船もつばら海上警備隊の業務に従事するもの」ということが出ておりますが、今これは借りるとおつしやいましたが、これはどういうことですか。
  89. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) これは人員その他を募集いたしまして、これに対する配属等をきめなければならん、これに船長その他のグループを作るという場合に、何らかそういう名称を付けてその名称によつて発令をしなければならないという恰好に相成つております。その意味におきまして警備船というものをあれしたわけであります。
  90. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうすると警備船というのはまだ具体的にはないのですか。船はないが警備船というものが今後できるだろうから、それの配属、船長その他機関長、機関士等を養成しなければならんという意味で警備船という名前だけを、空なものを作つたというのですか。
  91. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) これはそのグループを部隊として作つたわけであります。大体船艇といたしましては、船艇が新造される前に、その籍のできます前に大体そういうものをこしらえまして予定を作りまして、そうしてその予定によつて乗組員を選定して発令をする、こういうことに相成つております。多少そこに深く考えますと矛盾したところがあるかとも思いますが、併し通例といたしまして、大体船のできます前に一応そういう発令をするという恰好に相成つております。
  92. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そうすると警備船というのは具体的にはないのですか、あるのですか。
  93. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) 現在におきましては警備船というものはございません。
  94. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 ないのですね。アメリカから借りるからという予想の下に警備船という名前だけを作つた、こういうことですか。
  95. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) まあそう申せばそういうことに相成ります。
  96. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それからもう一つ。巡視船それからその他と区別しておつたのを、今後は巡視船、警備船、その他ですか、そういうことになりますか、分類は。
  97. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) 警備船の中にもいろいろ分けておりますが、大体においては警備船、巡視船、その他の船舶というふうに相成ります。
  98. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 雑船というのは何ですか。
  99. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) これは大体巡視船の外に燈台専用船、或いは水路測量船、こういうものがありまして、その他の船舶の中が各種に分れております。併しその中で非常に小さい小船でございまして人がこいで行くというようなものとかそういうものがございます。こういうものは一々番号を付けて呼ぶほどのものでございませんので、これは巡視船として一応処理しております。
  100. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 船の標識と申しますか、記号と申しますか、PFという記号もあればLSSLという記号もありますが、先ずPFという大きさの船は……。
  101. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) PFは大体今度アメリカから参ります千五百トン級の船艇を言つております。
  102. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 LSSLは……。
  103. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) LSSLというのは今回入ります二百五十トン級船艇のものであります。
  104. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 どうもそうすると海上保安庁は、借りておらんものを借りておると公告しておるのですな。六月四日の官報の海上保安庁告示第十一号、これを見ますと、「別表中雑船の部の次に次のように加える。」とありまして、PF、これは千五百トン級だと言われますが、PFという記号の船が四隻、それからLSSLという記号の船が二隻、合せて六隻、すでに海上保安庁の警備船として編入いたしておる。これはどういう意味ですか。
  105. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) 先ほど申上げました通り現在の乗組員養成その他をやつておりますときに、この船艇に対しまして船長以下各部署をきめまして一つ部隊を作るわけであります。これらの部隊を発令いたしますときに、その船に乗る者がはつきりわからずにやるわけに参りません。これらに対しての発令の基準といたしましてそれらの船艇の名前を挙げまして、それらの船艇に対する乗組員の発令をいたしているわけであります。先ほど申上げました通り船艇の新造或いはその他の場合においても未だ船籍がはつきり登録されます以前におきまして船艇の発令をいたします。このときには大体におきまして事前に船艇編入の手続をとりましてこれによつて発令をいたして船艇に乗組ませるということをいたしております。
  106. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 どうも理解できないのは、先ほどから雑船というのは手でこいで行くぐらいの小さな船だという話であつたのです。ところがこの告示を見ておりますと雑船の部の次に、だからまあ雑船の中かどうか知りませんけれども、雑船以外かも知れない。それはまあ別といたしましてここに挙げてある千五百トンの船四隻、二百五十トンの船二隻というのはちやんと番号もできております、PFO六警備船第六号、PF二六警備船第二十六号、PF三九警備船第三十九号、PF五三警備船第五十三号、以上四隻千五百トン、LSSL一一九警備艇第一一九号、LSSL一三〇警備艇第百三十号、これは只今先ほどから質疑がありこの前からも質疑があるのだが、実に不明確な点だから何度でも繰返し質疑があるわけで、アメリカから借りたのか借りないのか、借りたとすればどういうこれは条件で借りたのかというと政府のほうではまだ借りておりません、下交渉をやつているのです、そうして借りる条件については双方の希望を述べているだけで、そういう段階で向うがまだ返事をしないで条件がきまつておらない、従つて借りていない、ただ向うが所有支配している船、そこへ日本の人を乗せて訓練をするような一時的な使用許可は受けておるという程度のものだ、こういうことが何度も答弁に繰返されております。ところが官報を見ておりますとこれはもう日本の船ですよ。日本の船でないものをどうして官報に載せて雑船の部に次のようなものを加える、千五百トン四隻、二百五十トン二隻とちやんと船名までも出すのですか。アメリカの船ですか。アメリカの船を日本の官報にちやんと載せるのですか、その辺を聞きたい。(「運輸大臣がそう言うわけです」と呼ぶ者あり)
  107. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) この点につきましては先ほどから申上げます通りに、アメリカ貸与船舶に対する乗組員というものを発令いたします順序といたしまして、来たるべきものに対する船艇を海上保安庁に来るものと考えましてこれらの人間に対する発令をいたしておるわけであります。船艇につきましては先ほど来運輸大臣から御答弁申上げました通り交渉をいたしまして、正式交渉という段階大橋国務大臣からもお話がございましたが近く妥結されるものと考えております。我々事務当局といたしましては現在のところ我々の希望はそのまま容れられるものとかように考えておるわけであります。この辺は事務的交渉の双方において大体の了解ができておると我々としては確信を持つております。(「確信を以て日本の船に入れたのか」と呼ぶ者あり)そこで我々といたしましては発令の手順といたしまして、これらの船艇の名前を挙げましてこれに対して乗組員の発令をしたという手続上の一つの問題として告示をしたわけであります。
  108. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 随分おかしなものですね。あそこの家は借りられるだろうという確信を持つているのだけれども、まだ借りる条件がきまつていない、併し私はここに住んでいるということを公の機関に報告をするということは個人間の関係でも許されないことです。そういうことがあつては詐偽ですよ。いわんや国と国との関係アメリカの船籍がある船を日本の船籍に載せて公示するというそういうことができますか、特に確信があると言つても。運輸大臣の答弁を求めます。
  109. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) これが今当面の問題は米国から借入れるということになつておりますから非常に異様にお感じになると思うのでありますが、ともかく船を必要としてこれから作るという場合には、進水後間もなくまだ艤装中に船長も任命いたしまするしその他の人も任命してそうしてやつて行かなければなりませんし、装備上においても必要なのであります。従つてそういうふうの任命をいたす意味で公示いたしておるのおります。たまたまこの船が日本で新造するのでなしに借受けるという性質の船であるのでことさら異様にお感じになつておると思いまするが、一般の場合でも新たにここに船が生れ出るという場合には生れ出ざる以前に船の登録をし、それぞれ船長以下の任命をするということになつておりますから、そういつたことにこの場合もなつておる次第であります。
  110. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それは違うですよ、大臣の言われるのは。それは日本で新造中なら話はよくわかりますが国籍が違うのですよ、よその国の籍にある船を日本のものだなんて公告をしていいかというのでは。それは発令をする準備が必要だからといつて、よその国の船を日本のものだといつて公告をするわけに私は行かんと思います。その点どういうことなんですか。
  111. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 甚だ理窟めいて恐縮でありますけれども、まだこの今公示しております船は今までアメリカの国籍ではどういう船だということに、そこにアイデンテイフイケーシヨンがないのであります。今のところ新造船であるか、買船であるかということははつきりしていないのであります。
  112. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そんなことでは余計いかんですよ。そんな答弁ではますますいかんです。それでは造りますか、造る計画がありますか、予算上適当なんですか。
  113. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) もとより借りるという予想をしているということは前から申上げている通りでありまして、大体借りられるというので只今長官も申しておりまする通り確信を持つているというに過ぎないのであります。
  114. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 そういうことが、よその国籍にある船を日本の国籍に入れるについては何か話合がなければいけないと思います。そんなどろぼうみたいなことを国がやりますか。話合をしてまだ交渉妥結するか妥結せんかわからんでしよう。借りるかどうか今話合の最中だと政府委員が言つている、未決のものなんです。未決のものを日本の国籍の船として公告することができますか、一種のどろぼうじやないですか。
  115. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) この点につきましてはお話の通りでございまするが、実際問題といたしまして海上保安庁の船艇にこういうものができるという、それでそれができましたならばこういう番号をつけるものであるという告示をしているわけであります。それが若しできましてこちらの国有財産になれば財産的の手続は別にいたさなけれどならないと思います。なおこれにつきまして借りるということになれば、正式に借りましたならばその財産をどういうふうに取扱つて行くかということにつきましては別途又やらなければならん、海上保安庁の船艇としては今後こういうものができる、従つてそれの番号はこうである、そういうものをこしらえまして、それによつて乗組員その他の任命を行うというのでございます。その番号その他は標識もはつきりしまして、そうしてこの船はこういうものであるということをはつきりした標識をしまして、その標識番号に従いまして、これが財産上のいろいろの問題とは又少し別個の問題と相成つているわけであります。その辺についていろいろ誤解ができるというふうに考えられますが、現在海上保安庁といたしましても新造船その他を造りますときに、その新造船ができまして船艇としての登録は別といたしまして、その以前におきまして、海上保安庁としてのマーク或いは番号というものは先につけまして、今度できる船はこういう船である、従つてその船に対して乗組はお前たちがやるのだと、その船長その他の任命のためにつけます一つの記号でございます。従いまして、これが実際に先ほどから申上げます通り財産上或いはその他の問題につきまして手続をするということは又別個の問題と相成ると、かように考えておるわけであります。
  116. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 こんな不明確なことではいかんですよ。財産上の処置はどうこうと言われますけれども、いやしくも官報というものは日本政府の見解、方針を公告するものなんです。日本政府のあれに入つたということを、PFとか何とかいうことを公告している。而も国籍は現在アメリカにあるということも政府は認めている。この実態は大体予想されている。物はちやんとはつきりわかつているのですよ。アメリカの船だということははつきりわかつている。日本が新らしく造るというのではない。物はちやんとわかつておる。而もその物はアメリカの国籍にあるということもわかつている。而も日本がその物を目指してこれは日本の船だという登録をして、登録というか告示をしてよいかということなんです。それは国際的な一つの欺瞞行為ではないかというのです。
  117. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) この点につきましては先ほど来申上げました通り、乗組員任命の一つの手段として今まで新造船その他のときに用いました手続を用いているわけでありますが、併し今お話のような疑義を我々考えても波多野先生のような考え方も又できるのではないかというふうに思うわけであります。従いまして、我々としましてはこれはもう少し研究いたしまして、これが果して正しいかどうかという点につきましては、今までの慣例によつて我々はやつて来たのでありますが、たまたま貸与船の問題につきましてそういう問題は一応又考慮しなくちやならないというふうに存じます。従いまして、よく研究したいと思います。
  118. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 まあそれでは研究してもう一遍答弁してもらいたい。それでなかつたら海上保安庁なんか問題にならない。こういう欺瞞的なことをやられたら困るのですから、国会議員として黙視できない。  もう一つ技術的な点を聞いておきますが、PFというのはどういうのですか、日本で従来ある記号なんですか、PFとか、LSSLというのはどういうことの記号ですか。
  119. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) これは大体今までアメリカにおいて使つておりました記号で、そのまま今のところ使つておるような次第でございます。
  120. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 両方ともアメリカの記号ですね。だからこれでもわかるじやないですか、アメリカの船が目指されておる。具体的に指さしておるものはアメリカの船だということはわかつておる。答弁があるまで暫く私は質問を留保しておきます。
  121. 中川幸平

    中川幸平君 この法案については先だつて委員長から質疑打切りを宣言されたと私は記憶しておりますけれども、やはり重要な法案でありまするから、委員長は午前だけというような話で私もその点を指摘いたしませなんだが、相当長時間に亘つて質疑を行われてまあ質疑は尽きないとは存じますけれども、この程度質疑を打切つて頂きたいと存じます。
  122. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それは違うよ、反対だ。議事進行について。私は今の意見に反対なんです。反対意見を述べる理由は……、質疑は十分何回かやりましたよ。それは私もよくわかりますが、(「先だつて委員長ははつきり宣言された」と呼ぶ者あり)発言中だ。それはよくわかりますが、なぜこの法案について質疑が長く続いたかといえば事態が明白にならないからです。質疑をやつておるほど明白になつて来ないのですよ。而も今日私が聞いた問題なんかちつとも明白じやないです。でありますから私はもう少しこの事態を明白にするためで、何もわざわざ引延すために質疑なんかしておりません。事態を明白にすればそれでよいのだ、五分間でも私はいいのだ、打切りは反対です。
  123. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 二時半まで休憩します。    午後零時五十五分休憩    —————・—————    午後三時三分開会
  124. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 休憩前に続き委員会を開会いたします。波多野君に申上げますが、あなたが御出席前に大体本日は午前中に質問を終了するというような申合せがありましたからそれをお含みでお願いいたします。
  125. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 今朝ほど申しましたこの六月四日の官報に出ている海上保安庁の告示の問題でありますが、先ほどの質疑応答によりますとPFとかLSSLという記号はアメリカの軍艦の記号であるということもはつきりいたしました。而もまだアメリカから軍艦の貸与を受けるという予備折衝といいますか折衝の段階であつて、まだ貸与を受けておらんということもはつきりしておるのであります。而も貸与を受けておらないアメリカの記号の軍艦の名前を海上保安庁の所属の警備船として公示するということはどうも私には納得できない、その点について先ほど来答弁を一部を留保しておられたのでありますが、政府側から答弁を承わりたいと思います。
  126. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 今お話の海上保安庁の告示につきまして疑義がある、了承しないというお話でありますが、午前にも申述べましたごとく準備として船長、機関長等の任命をせんならん、それについては何らか船の名前が必要である、これは一般の船の場合にもそうでありまして、進水前に船の名前等もきめて、進水前に船長、機関長その他を任命して、その後の艤装について造船所と協力せしめるということが通例なのであることは御承知通りであります。大体今までの慣例によつてそういう任命するための告示を海上保安庁においてしたというに過ぎないのでありまして、正式に船の登録、又財産権の問題とかいうものには全然関係なしにやつておるような次第であります。  今朝も海上保安庁長官が申述べましたごとく、この告示の仕方がなお考慮の余地研究余地があるということは長官も申しておりましたのでありまして、今後の告示につきましては十分その点を注意して告示せしめることにいたしたいと考えておるのであります。
  127. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 告示の仕方、そういう形式論を私は言つておるのではなくて、実際においてすでにアメリカの軍艦六隻を借りておられる、そういう契約がすでに成立しておるからこそこのアメリカの船の記号なりをそのまま使つて日本政府が告示しておるということに私は問題があると思うんで、それならば私としてはアメリカとの契約の内容というものについて示して頂きたいということが問題の重点であつたわけなんであります。単に形式上誤つてPFとか、LSSLというようなアメリカの軍艦の記号と申しますか、これを用いたというだけじやないと私は思います。若しそれだけのことであれば、この記号を変えたらどうですか、やり変えますか。或いは又先ほども言われましたようにこの告示の仕方に間違いがある、多少間違いがあつたと言われるならば、どういうふうに訂正しようと思つておられるのか、その点も承わつておきたい。
  128. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 只今お話のアメリカとの間に正式の契約は全然今までにないのでありまして、これは以前から繰返して申述べておる通りでありまして、海上保安庁において閣議の了解を得て極東海軍と内交渉をしておる、下打合せをしておるということに過ぎないのであります。まだ日本のほうとしてもそうでありますが、米国としてもこういう話を正式にする階段に今までにはなつていなかつたじやないかと思うのであります。それは要するに貸与する権能を与えられていなかつたのではないかと実は思うのであります。今後この正式の話は進めることになつております。それはもう間違いない事実であります。どうぞ一つ疑問を持たずに信じて頂きたいと思います。  それからこの書き方で誤解を招くという虞れもあるから名前を変える、それはどういうようなことを考えているかというお尋ねであります。これはまあまだはつきりとはなつていませんが、これを全然取換えるとすれば警備船第一号、第二号、第三号というふうなことにして行つてもいいのじやないか、これは私の考えであります。そういうふうにも思つておりますが、まだ別にはつきりした考えを今申上げることはできないのであります。
  129. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 それじやまあ最後に一つ。こういうふうにPFO六とか、PF二六とかいうような記号をここで用いられたのは横須賀の港かにそういうものがちやんとある、それを見てこれはなさつたのだと思う。どういう記号番号をつけようかというときに、そこに浮んでおるものだから、そうしてそれは借りられるだろうという予想の下にこれを付けたものだと思う。そこで仮にアメリカのほうから、自分たちのアメリカの国籍にある船の記号番号などを日本政府が勝手に濫用した、日本政府は何か国際的に非常に不信な行為をやつているという抗議が来たらどうなさいます、この場合どうなさいますか。
  130. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) 今抗議が来たらどうするかというお尋ねでありますが、これはまあそういう抗議は来ないと思つておりまするし、それは内談において相当程度の了解を得ておるのでありますし、又それらの船は先般もこの席で申述べましたように、一時必要に応じてその機械の操作でありますとか、施設してある資材の取扱でありますとかいつたようなことについていろいろ練習を一時やるために日本の船に入ることも認められているというような実情であるのであります。極東海軍におきましてはそれらの船を近く日本に貸すということについては十分な了解をしていてくれるものだと思うのであります。抗議の来るというようなことはないと固く信じておるのであります。併し今お話のように抗議が来たらどうするかというお尋ねであります。それは間違いであることを十分釈明して告示を直すということで誠意を示すより仕方ないと思うのであります。
  131. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 要するに事小さな告示でありますけれども、ここに現われている事実は非常に重大であると私は思つております。で、政府が本委員会においていろいろ口をすつぱくしてああでもない、こうでもないと答弁いたしておりますけれども、事実はもう明白だと思う。政府がこのようなアメリカの軍艦の記号番号を使う告示がし得ること、又しても差支えないと考えていることは、相当アメリカ政府との間に契約の内容、賃貸といいますか、貸借といいますか、内容について話が進んでおる。それを祕密にこの委員会ではしておこうという下心がありながら、而も事実上においては借りておるのだということの矛盾がこの小さな告示の中に現われておるのであります。私は政府のほうがこういう問題については、委員会においていつも何度も繰返された質疑応答でありますが、事を祕密のうちに運んでしつぽをちよちよい出しておる。これもそのしつぽの大きな一つです。そういう祕密政治をやらないで今後は非常に公明な政治をやつて行くという熱意を一つ示して頂きたい。そうでないと私どもはどうしても了承できない。もつと国民と共に政治をやつて、頂きたい。特に大きな国際問題でもありますから、そういう点国民に誤解を起させないで公明な政治のやり方をするという点についての運輸大臣の決意を伺つて私の質疑を終ります。
  132. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) フエア・プレイで以てやつて行くということはこれは民主主義の基本だと思います。殊に国際間においてはその必要が一層強いと考えております。その点につきましては私の希求するところは波多野さんと何ら変りはないつもりであります。これは正式の契約は何らまだ進んでいないのであります。これはもう繰返して申しますが何らかけひきのない点であるのであります。全く保安庁長官その他をして極東海軍との当事者と内交渉はこれは相当進んでいるのであります。進んでいればこそ確かに協定で借りられるということで千五百トン級を十ぱいと、そうして二百五十トン級を五十ばいとは確かに借りられるという信念を以て今年度の予算を組み進んで来たのであります。ただ正式の協定が遅れていると申しまするか、これから進むという状態にあることはこれは事実なんであります。その間にいろいろな御疑念をお持ちになるように相成つたことは誠に遺憾に存ずるのであります。その点は一つ了として頂きたいと思います。
  133. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 ちよつとこのことについて今波多野委員の質問に関連して一、二お伺いしたいと思いますが。
  134. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 簡単にお願いいたします。
  135. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 このPF、LSSLですね、これの違いは、例えば借りられる千五百トンと二百五十トンと何かそこに関連があるのか、そこをちよつと御説明が願いたい。
  136. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) PFというのは千五百トン級を現わしたものであります。LSSLは二百五十トン級を現わしております。
  137. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 この横須賀に来ているのは千五百トンが二はいと二百五十トンが二はい来ているということを私どもは聞いておりましたが、先ほど村上運輸大臣は横須賀に数隻来ていると言われましたが、実際もうこれは横須賀に来ているのですか。それともここに掲げた四はいは来ているということは我々前から聞いておりましたが、あとは向うにあるというのですか。
  138. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) そこに挙げておりますのは大体近く横須賀にもう着くであろうというものについて、我我のほうで人間の訓練をやりますために挙げたのであります。現在は来ております。
  139. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 来ているのですか、六ぱい、そこのところをもうちよつとはつきりして下さい。私たちは今まで千五百トンが二はいと二百五十トン二はいは横須賀にある、そうしてそれを便宜的にお借りして一時的に借りて訓練をしているということは承つて参りました。ところがこういうまあ四はい、併せて六ぱいになる、二はい数が合わないわけですね。ですからお尋ねしたい点はその二はいがもう横須賀に来ているかどうかということです。
  140. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) この告示をやりますときには来ておりませんでしたが、近く来るというつもりで告示をしたわけであります。それは人間の訓練と部隊に対して態勢を整えるためにいたしたのであります。現在におきましてはこれらのこの前申上げましたPF二隻とLSSL二隻は前に来ております。その後二隻着きました。現在はあります。
  141. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 その近く来る、近く来るということですが、この二百五十トンとか或いは十ばいとか二百五十隻とかいろいろの話を聞いておりますが、そのうちの特に二はいは近々のうちに来ると告示をされたくらいですから、あと一週間とか五日間とかいうような本当に近いときだと、こう了承してよろしいわけですか。
  142. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) 現在もうこの四隻は来ております。
  143. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 来ておりますか。
  144. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) はあ六隻が。それでこの告示しますときには予定を組みまして、来るであろうというのでやつておつたわけであります。それで実際に来ましたのは二隻、二隻というお話をこの前申上げましたがその後二隻来ております。現在はこれは着いております。
  145. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そうするとこのもう六ぱいについては、一時的にしろどういうことにしろ今現に借りて使つて訓練されているというふうに私たちは了承していいわけですね。
  146. 柳沢米吉

    政府委員(柳沢米吉君) 現在、先ほど運輸大臣も申上げました通り、これをそのまま乗組員で動かすとか何とかいうことまではやつていないわけです。向うの了解を得まして適宜必要に応じて乗組ましましてそうして訓練をしているという状態になつております。
  147. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 これはちよつと私は先ほどから村上運輸大臣のお話を聞いておりますと、船を造るとき進水前に船の云々というようなことは理窟としてあり得るのだということをお聞きいたしましたが、少くとも国際条約上の上に立つてこうこうこうこうだと言つて後に出されるなら私はいいと思いますけれども、どう考えてもやはり法的に私たちはおかしいと思います。これは特に外国のPFというようなものは私は登録した名前だろうと思います。それをこちらで勝手にこういうことをやるという点は国際道義上遺憾な点もあるだろうと思います。ですからこれが向うでこういうものをやつてもよろしい、下交渉においても了承をしているというなら私はそれならそれでいいと思います。だつたらそういう契約内容と申しますか下交渉の内容において、この名前を使つてもいいという点を契約の内容として下交渉をやつたときに許可も得ているのだというようなことは私は話されたほうがいいと思います。それをひた隠しに隠しておいて云々ということはおかしいと思う。ですからもう少し波多野委員も指摘された通り率直に私は話されたほうが然るべきであろう、大変政府の態度に対して遺憾の意を表して質問をやめます。
  148. 三好始

    三好始君 ちよつと村上運輸大臣に一点だけお尋ねしたいのですが、今度の保安庁法案によりますると、現行の運輸省に所属している海上保安庁の大部分の機能が保安庁に移ることになつております。そういたしますと、運輸行政と非常に密接な関連を持つべき仕事が運輸省を離れて総理府の外局たる保安庁に移ることになるわけでありますが、そういうことが運輸行政の上からいつて支障を来さないのかどうか、こういう点について運輸大臣としての見解をはつきり承わりたいのです。
  149. 村上義一

    国務大臣(村上義一君) この海上警備隊の仕事は別といたしまして、従来からの海上保安庁の仕事、今までにも申述べましたごとく航路安全業務と警備救難業務と二種類に大別されているのであります。で、その中で海上の航路安全業務というほうと救難業務は、これは大体において運輸省の業務と密接不可分にある次第であります。そのうちで特に密接な燈台の問題であります、こういうものは一部今回の機構改正において運輸省に残すという原案になつているのであります。併しながら然らばこの運輸省に密接な関係のあるその他の航路安全業務、又救難の業務といつたような方面のことは、運輸省に残しておいたらいいじやないかという御意見もあろうかと存ずるのであります。併し業務を残しましても施設が伴わなければ業務を円滑に遂行できがたい、その施設の最も主なるものは船舶と通信の設備であります。この船舶なり通信施設というものが実を言うと非常に足りないのであります。密入国の取締の仕事は御承知通り外務省の仕事でありますが、又その準拠法規は外務省の立案されたものであります。この業務の密入国の取締をすることにつきましても相当船舶又は相当の通信施設を必要といたします。又密貿易については大蔵省所管で大蔵省の立案になる法規によつて仕事をするのであります。これ又相当船舶を必要としますし通信施設を必要とするのであります。密猟についても同様であります。又日本の漁船の保護についても同様であります。遺憾ながら現在の実情におきましてはこれらの施設、特に船舶と通信施設が非常に欠乏いたしておるのであります。このたださえ不足しているものを四省の所管に分けるということになつちや仕事にならない。到底円滑な取締を期待することができないものです。それで一省に実はして、最も関係の多い運輸省の外局として今日までやつて来たような次第であります。で、そういうことでありまするがゆえに、今回総理府に保安庁を設置するというのに際して、これらの業務を保安庁に持つて行く、こういうことが妥当だと考えて原案ができたような次第であります。
  150. 河井彌八

    委員長河井彌八君) もはや保安庁法案及び海上公安局法案及び運輸省設置法の一部を改正する法律案につきましての御質疑は、終了したものと認めて差支えありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  151. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 質疑は終了したものと認めます。つきましてはこの三案につきまして討論に入ります。
  152. 三好始

    三好始君 保安庁法案海上公安局法案運輸省設置法の一部を改正する法律案、この日案につきましては、委員会として修正問題その他についてどういう取扱をするかという懇談を一度も開いたことがありません。それでいきなり討論に入るというのは少し早いと思いますので、なお修正案等も用意されておるようでありますから、一応懇談会を開いて懇談の結果討論に入る、こういうことにして頂きたいと思うのであります。
  153. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 今質疑が終了いたしましたから、順序として討論に入るべきであると委員長考えております。而してここに鈴木直人君から三案に対しまする修正案が提出せられております。他の委員諸君からはまだ修正案が提出されてはおりませんが、委員長といたしましてはこの原案に対してそれの修正案をも議題といたそうと考えておるのであります。懇談が必要でありますかどうですか、諸君の御意見を伺います。
  154. 楠見義男

    ○楠見義男君 三好君の御動議のようにちよつと懇談したらどうですか、而も時間も私はかからんと思いますから。
  155. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは諸君において御異議がなければこの際暫らく速記をとめて懇談をいたします。    午後三時三十一分懇談会に移る    —————・—————    午後三時四十八分懇談会を終る
  156. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 懇談会はこれを以て終了と認めます。  つきましては、先刻申述べました保安庁法案海上公安局法案及び運輸省設置法の一部を改正する法律案、この三案を議題といたしまして、これに対しまして、それぞれ修正案が提出せられております。その修正案をも併せて議題といたします。さように御承知を願います。  これより討論に入ります。御意見のあるかたの御発言を請います。
  157. 中川幸平

    中川幸平君 只今上程されました保安庁法案海上公安局法案運輸省設置法の一部を改正する法律案、以上三件に対しまして、只今提出されました修正案並びに爾余の原案に対して賛成の意を表明いたしたいと存ずる次第であります。  吉田総理は先般も当委員会におきまして、再軍備はいたしません、再軍備は軽々しく論ずべきではない、国民の盛り上る力によつてできた軍備でなくては、一朝有事の際には何ら用をなさないのである、而ういたしまして、我が国の今日の経済状態では到底再軍備はでき得ないと信ずると申されたのであります。而ういたしまして、独立後の国防は日米安全保障条約によつて駐留軍の手に依存しなければならん状態ではありまするが、少くも国内治安の維持はみずからの手によつてこれを行わなければならんのであるということを強調されたのであります。而ういたしまして、警察予備隊の増強、海上警備隊の強化に対しまして、これは再軍備である、これは戦力である、憲法に牴触するものであるという論戦がしばしば戦わされおるのであります。これに対して木村法務総裁は、近代戦を有効適切に行うことのできる装備を持たないものは戦力ではないという定義を下されておるのであります。私は一歩進んで、端的に竹槍以上の武器を持たない部隊でありましても、戦争目的に編成された部隊でありまするならば、これは軍隊である、半面、機関銃や小銃をたとえ持つておりましても、戦争目的でない以上それは軍隊でない、戦力でないということを強調いたしたいのであります。而ういたしまして、国内治安の状態を眺めて見ますると、政府の口からは一切出ませんが、共産党の現有勢力は或いは七万と言い、八万と言う。併しながら潜在党員が二十万三十万ということを聞いておるのであります。これらが至るところ悪辣なる手段を弄しておりますことは皆さんも御承知通りであります。一面在日朝鮮人は表面は五十数万と言われておりまするが、本当の数字は七十万或いは八十万と称えられておるのです。これは相当悪辣なる指令の下に活動しておる状態が次から次と現われておるのでありまして、全く時によりますと、内乱の兆候までも現われておるのであります。かような際に、警察予備隊の十一万やそこら、これにかれこれ言う状態ではないと思うのであります。一面海上におきましても密入国、密貿易、或いは漁業の保護、海上の治安維持のために、秩序維持のためには相当の増強を必要とすることは申すまでもないことであります。これを戦力と言い或いは軍隊であると言い、憲法違反であると論ぜられておられる皆さんは、今日の国内の状態を甘く見ておられる結果ではなかろうかと私は存ずるのであります。而ういたしまして、これまでの警察予備隊本部組織は相当確固といたしておることは承知をいたしておりまするが、より一層管理機構を強化するために立案されたのが保安庁設置の法案であると存ずるのであります。而ういたしまして、この法案の第十六条の第六項の旧正規陸海軍将校のこの修正に対しまして、政府としてはこれは誤つておつたから衆議院の修正に同意をいたしたと言われたにもかかわらず、松原委員ば非常に不満なようなふうでありました。私は政府の言われるごとく、かような事柄を法律に現わすべきではないのであります。この実施面においてかたくそれを守つてやるべきである、かよりに考えるのであります。而ういたしまして、今後の警察予備隊或いは海上警備隊の管理につきましては、先刻来いろいろの話のありましたごとく、国費の濫費を防ぐことはもとより、何分にも多数の部隊でありまするから、第一は規律の訓練、及びこの大部隊が目的以外に行動いたしまするといたしましたならば殆んど国の存在を危ぶましめる、成瀬委員がこの点について非常にやかましく言われたことは尤もであると思うのでありまするから、精神訓育については一層の留意をされることを希望いたすのであります。而ういたしまして、国民の期待に背くことのないよ)に、十分にこの管理をされんことを要望いたしまして、この三案に賛成の意を表する次第であります。
  158. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 私は本会議で討論しようと思つておりますから、簡単に反対の理由だけを申上げます。  保安庁法案並びに海上公安局法案につきましては、これは政府が軍隊ではないというようなことをしばしば申しますけれども、軍隊的な機構を一歩前進させるものであるということは、これは疑いがないのでありまして、もう議論をいたしても始まりませんけれども、国民の常識からいつても、世界の常識からいつても、皆これは軍隊の子供であります。そういう意味において、私どもも憲法違反の疑いがあるという見地からこういうものの設置には反対であります。特に大橋国務大臣がおられますが、幕僚長、幕僚幹部といつたようなあの組織は、これは全く軍隊統制の機構を持つたものであると、大橋国務大臣もはつきり本席で言明されておる。そういうところにも軍隊的な性格があるということはもう明白なんであります。更に又保安隊或いは海上警備隊という新しく作られるものは、警察及び海上保安隊、これの補助機関であるべきであるが、而も本隊よりももつと大きな補助機関になりつつある。これは主客転倒いたしております。主客転倒するような機構組織を育成しようとするものでありまして、従いまして、保安隊警察予備隊と同じものだなんという強弁をいたしておりますけれども、これは全く性格が違うことは第三条の規定によつても明らかだと思います。更に又保安隊並びに海上警備隊が使用する武器の問題、これはアメリカから借りるのだというようなことをしきりに言つておりますが、この点について本予算委員会においては最後まで明確でない。借りたるがごとく借りざるがごとく、契約が成立したるかのごとく成立せざるかのごとく、あいまい模糊のうちに既成事実を作つて行こう、この政府の下心は唾棄すべきものがあると私は思う。もつと民主主義の政治の本質に即して、国民と共にものを考え、国民と共に政治をやるという態度を自由党内閣がとられんことを強く要望します。こういうことを自由党内閣に言つたつて、蛙の面に水かもしれませんけれども、自由党でも民主主義ということは守らなければならんということは、いつも口の上では言つておるのでありますから、その品の上で言つておることを政治の実際において現わしてもらいたい。仮に今自由党のかたが、共産党がどうのこうのということを言われまして、これに対抗するようなものが必要だということを言つておられますけれども、国民から遊離したこのような保安隊海上警備隊を作つて見ましても、つまり国民が本当にその本体を納得しないようなものを作つて見たつて国民の支援は得られない。国民の支援を得られない保安隊海上警備隊が何の力がありますか。ひた隠しに隠して、事実をひた隠しに隠しながら着々とやつて行こうと、そういう専制的な政治のやり方では、絶対こういうものは国民の支持を得られません。国民から遊離してしまつて、何ら力にならない、無力のものになつてしまう。現に各地の警察予備隊の何といいますか、任期と申しますか、これが切れかけて、この九月ですか八月ですかに切れて、新しく採用しようという。又今までおつた者に残つてくれと頼んでおるけれども、残る者は少い。或いは新しく採用せられる応募人員が予想よりも少いといつたような事態は一体何を物語つておるかといえば、こういう保安隊海上警備隊というものの性格が非常にあいまいであるということにあるので、私どもの知つている警察予備隊の或る隊員のごときは、どうも自分たち町の中に住んでおつて予備隊へ通うことに身の危険を感ずる。営舎の中に住ましてくれというようなことを言つておるのであります。そうしてそういう空気が非常に多いということを言つておる。或いは又外へ出るときには制服を着ないで、平服のままで外へ出たいということも言つております。これは何であるかといえば、国民から非常に白眼視されておる。国民のモラル・サポートを得ておらないというひがみ、そういう弱さが警察予備隊の心の中に巣食うておるのです。こんな自信のないことで何の力がありますか。今度の保安庁法案海上公安局法案などにつきましても、審議の過程を通じて不明確なところはたくさんある。これを国会を通じて明確にすることによつて国民の支持を得べきであるのに、その努力をしない。ますます力の弱い、自信のない幽霊のようなものを作つて行くことになつてしまう。国費の濫費に終ることは眼に見えております。かような意味において私どもは絶対的に反対せざるを得ない。特に警備隊の問題については、今日も申上げましたけれども、ああいう不明朗なことをやりながら訓練をやつて行こう、こんなことでは訓練など身に入りません。何のことやらわからない。よその国の軍艦であるのか自分の借りた軍艦であるのかわからないところに、訓練をやるといつたつて、身に入るものですか。私はこのような点を考えますと、保安庁法案並びに海上公安局法案というものは、今の自由党内閣の専制的な秘密的な政治の結晶物である。この意味において根本的に反対をするものであります。
  159. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 反対をいたします。  反対の理由を簡単に申上げますならば、第一点といたしまして、これが憲法違反であるかどうかという点は、私たちは憲法違反という建前をとつております。この点につきましては最高裁に実は提訴しておるわけであります。従つてこういう点で、くどくど申上げる必要はないと思うわけでございますが、少くとも私は政府がこの警察予備隊或いは保安庁問題について正々堂々とやれんという点について、波多野委員が指摘されたごとく、何か隠してやつておるということ自体がすでにもう憲法に違反しているということを、誰よりかも私はやつておられる政府が一番よく知つておられると思う。袖で隠して、袂で隠してしまつても、ばれてしまつておるというのが、今の実際の警察予備隊といいますか、保安庁のものだと思います。何と答弁されようと、私たちはやはりこれは軍隊の役割を果すものであると、こういうふうに考えられるのでございます。当時答弁と申しますか、質問において明らかにされたような点を逐一ここへ挙げてその例証を引くことよりも、そうした点は本会議場でやるのが当を得ておるかと思いますから、結論めいたことを申上げておるわけでございます。実際ここへ来て公聴会のときに、東大の田中一郎先生も言われたわけですが、仮に自衛のものであつても、その装備と訓練と規模というものが一定の大きさと力というようなものを持つておれば、当然憲法の第九条の精神に違反するということを言われましたが、私たちもその装備についても、祕密会とかいろいろな点を通して伺いました。或いは規模の大きさ、規模の問題についていろいろな資料を頂きました。或いは特に訓練などというようなことにつきまして伺つておりましても、やはり部隊訓練みたいなことが多くて、精神的訓練というようなものが欠けておるという点は、私どもも質疑の間において、指摘したわけでございますが、こういうような点から見ましても、どう考えて見ても、私は政府が祕密でやらなくちやならない、そこのところに何らかの弱点がある。こういうふうに考えまして反対をするわけであります。
  160. 三好始

    三好始君 私は改進党を代表して、保安庁法案並びに関係法案に対して反対の意見を表明せんとするものであります。  その理由を明らかにする前に、一言いたしておきたいことがあります。それは我々は条理を曲げではならないということであります。真実を無視する野蛮な態度をとつてはならないということであります。遅れた社会では、ともすると理論と現実とを全く別々な世界と考えて怪しまず、理論は理論として棚上げして、現実的には、状況に応じて要領より処理して行くべきだというような態度がとられるのであります。日常生活の末端においてならともかく、国会の審議の中に若しこの条理を無視した便宜主義の態度が持ち込まれるならば、それは法秩序維持の根柢を破壊するものでありまして、社会生活の秩序を保つことは到底不可能となり、良心的な国民の間に政治の不信を来たすことは明らかであります。そこには社会生活の秩序を維持するところの条理の尊重がなく、人間生活に必要な理性がないからであります。私は五年前党籍を持つたそのままで一年ばかり緑風会に所属しておりました。今でも同じだと思うのであります。緑風会は是々非々主義を標標しておりました。是々非々主義というのは無性格ということではなくして、むしろ特定の立場に捉われないで、条理を尊重するということでなければならんと思います。即ち野党だからすべて政府案に反対するというような立場でもなければ、また与党だから政府案には無条件で賛成するというような態度でもない、こういうことが是々非々主義の本来の姿だと思うのであります。私は参議院にはこのような冷静に条理に従つて行動する会派が存在することの重要性を認めるものであります。  そこで特に今から述べることは、緑風会なり民生クラブなり、そういつた諸君に特に十分に聞いて頂きたいのであります。私はこの保安庁法案の審議こそ最も条理を尊重する必要の痛感される問題であることを感じております。国家には治安維持機構或いは自衛機構が必要なのだから、手続は単なる形式的な手段の問題であつて、とにかくその実現には賛成すべきだというような素朴なる立場が若しとられるとするならば、民主主義以前の状態であつて、国会のあり方としては悲しむべきことと言わなければなりません。手続の履み方を誤まらずに目的を実現するという原則を守ることが民主主義の第一課であることは、殊更私が指摘するまでもありません。保安庁法案が必要であり、保安隊警備隊が必要であると感じている人々は、外敵が侵入して来た場合、正当防衛として国家がこれに対抗し、或いは国家機関たる保安隊警備隊出動しなければならないのは当然であるというような考え方を持つているのではないかと考えられます。単に保安隊警備隊だけでなく、一般国民もただ外敵のなすがままに任しているはずはない、これに対抗するのが当然である、保安隊警備隊の行動も当然である、こういうふうに思つていると感じられます。私は政府を初めとして国会内部に、このような単純にして素朴な考え方が行われていることを了解するのに苦しむのでありますペーグの陸戦条規によりますと、正規の軍隊でないものが交戦資格を与えられる場合として、義勇兵団と群民蜂起の規定があります。義勇兵団は統率者があつて一定の標識をつけている場合、群民蜂起は統率者を選んだり或いは徽章をつけたりするようないとまなくして、所在の民衆が外敵に抵抗する場合をいうのであります。ところがこれら国際法上合法的なものとした認めることと、憲法上自衛権を放棄した日本の国家が、国家機関としての保安隊警備隊等に交戦の資格を認めることは全く別なことでありまする日本の憲法は国の交戦権を認めておりません。従つて国家機関が国家の意思として外敵に対抗することは憲法上は不可能であります。これを義勇兵団、群民蜂起と同一視するわけには行かないのであります。是非は別といたしまして、これは憲法の命ずるところであります。法はたとえ悪法なりといえども無視することは許されません。それは改正を待つてのみ適用をやめることができるのであります。今回の保安庁法案に対して私は先ず以上の点を最初に強調しておかなければならないと思うのであります。  以下具体的に反対の理由を申上げたいと思います。政府説明によりますと、保安庁国内治安維持のために設けられるものだというのでありますが、治安の維持とは別な表現をいたしますというと法秩序の維持であります。ところが保安庁法は憲法に違反し、憲法の秩序を破壊するものであつて、法秩序の維持に任ずべきものが先ず出発点において最大の法秩序破壊を侵している。この点が私は本法案に反対する第一の理由であります。  反対の第二の理由として指摘しなければならないのは、保安庁機構運営の物的手段としての保安隊警備隊の装備は米軍の貸与に待つものであり、貸与兵器並びに艦艇の種類、数量等は我が国の発意と自発的判断によつて決定されておるよりは、むしろこれらの決定のイニシアテイブは米軍にあると思われる点であります。即ち国内治安の維持乃至国家自衛の手段が自主的に決定されていないということであつて、独立国の名に値するかどうかに大いに疑問を持たざるを得ないことであります。而も貸与条件は未定であり、貸与に関する国内法上の手続すら未だ明確になつていないのであります。  反対の第三の理由は、保安庁法規定が極めて弾力性のある表現に終始し、而も重要なる具体的内容を政令又は総理府令に委任しているために、部隊の組織、編成、装備、訓練機関等から始まつて、その実体と行動の内容を予測することが困難であつて、国会の監督を不十分にし、民主政治に反するという点でありまして、もつとはつきり言えば、このような弾力性のある規定によつて保安庁の国防省的性格をカムフラージしようとしていることであります。以下これらの諸点に関して内閣委員会における審議を通じて明瞭になつたところを中心に問題を明らかにしてみたいと思います。  先ず憲法違反性の問題でありますが、具体的に保安隊警備隊が憲法違反的の存在であるかどうかを決定するには、先決問題として基準となるべき憲法の解釈自体を明らかにしなければなりません。本法律案の審議に当つて憲法論が長時間論議されたのはこのためであります。保安隊警備隊が憲法に抵触するや否やを判定する上に関係のある憲法の主たる条文は第九条二項であります。即ち憲法九条の戦力放棄の意義は如何なるものであるか、「交戦権は、これを認めない、」という規定はどういう意味であるか、先ず明らかにされねばならないのであります。この点に関する従来の国会の論議は極めて活発であつたかに見えて、実は単純極まる議論にとどまつていたことは遺憾なことであつたと言わざるを得ないのであります。政府は予算委員会以来、戦力とは近代戦を有効適切に遂行し得る編成装備を持つたものであつて、時代により国際情勢によつて異るところの相対的なものであると主張して参りました。これに対して予算委員会においては野党側より、潜在戦力も憲法違反であるとの反対論が述べられたことは余りにも有名であります。率直に言えばこれはいずれも憲法の正しい解釈論とは言えないのであります。殊に政府の憲法解釈は、国際法の原則と憲法の平和主義的構想に全く目をおおい、憲法の規定を離れた、抽象的な戦力の定義をもてあそんでいる暴論であるととは識者の常識であります。成るほど法を離れた、抽象的な概念としては、戦力の意義は相対的であり、固定的でありません。併しながら実定法に規定された用語の意義はこのような不確定極まるものではないのでありまして、或る程度限定された客観的な意義が考えられねばなりません。即ち憲法が戦力を保持しないという規定を設けた趣旨は、解釈上おのずから論理的な限界があるはずであります。それは何であるかと申しますと、攻撃目的にせよ自衛目的にせよ、対外的な対抗の意図を持つた武力は、名目の如何にかかわらず、これを保持しないということであります。換言すれば、武力を保持する国家の意図が外敵に備えんとするものである限り、憲法第九条第二項の禁止する戦力であるということであります。これは先ほど中川委員の賛成討論においても認められたところでありまして、中川委員は、竹槍以上の武器を持たなくとも、戦争目的で設けたものであればいけないのだということを率直に而も強く主張されました。憲法第九条第一項が、国際紛争を解決する手段として、戦事に限らず、一切の武力を用いないことに規定したのに対して、第二項はそれを確実にするために、名目の如何にかかわらず、一切の対外的意図を持つた武力を保持しないということを明らかにしたものであります。そこには対外的な目的を持つて保持し得る武力の程度問題のごときは、全く考慮の余地のない問題であります。即ちこの場合には近代戦遂行能力に達しているかいないかということは問題にならないのであります。それを問題にすることは全くナンセンスなんであります。これは憲法第九条の正しい文理解釈であると共にへ憲法全体の平和主義的構造の正しい認識に立つた理論的帰結であります。このような対外的意図は、軍と名付けられた軍隊を保持する場合には明瞭に現われているから勿論許されないが、軍隊と名付けられていない実力部隊についてもそれを設ける意図が奈辺にあるかが客観的に判断されなければならない。若しそれが、外敵対抗を予想して設けられたものである限り、保安隊と名付け警備隊と名付けてみたところで、憲法の容認しないところであることは解釈論として明瞭であります。潜在戦力の問題のごときも、このような考え方に立てば極めて明快に解決できるのであります。政府及び一部の学者は、憲法が潜在戦力をも禁じているものとすれば、普通警察は勿論、人口も産業一般も潜在戦力たり得るのだから、一切の産業活動も国民生活も不可能になると称して、潜在戦力違憲論に反対しております。これは潜在戦力としての可能性の問題と、潜在戦力意図の問題を混同するものでありまして、戦力の意図を持つて保持する場合、潜在戦力が初めて違憲であるということを見落している幼稚な議論なのであります。一方潜在戦力が無差別に違憲であるという素朴な議論も、憲法論としては正当であるとは言えないのであります。  そこで保安隊警備隊が違憲であるかどうかを判定する上に先ず検討しなければならないのは、兵員、装備を中心とした総体的な戦力論争ではなくして、このような武力機構を設けんとする政府の意図が対外的にあるかどうかの一点に始らなければならないのであります。私は委員会の審議で先ずこの点の究明に全力を傾けた次第であります。先ず理論的な前提として、主として対外的な意図を持つて設けられた部隊は近代戦遂行能力に達しなくても違憲であるということを大橋国務大臣は率直に認めるに至りました。これは六月六日及び七日の会議録に極めて明瞭に繰返して記録されております。これに対して木村法務総裁は六月二十六日の内閣委員会で、そういう考え方も下し得ると思うけれども、自分としては近代戦遂行能力が戦力であると解すると答えて、政府部内に憲法解釈上混乱があることをはつきり示したのであります。これは先ほど中川委員が木村法務総裁と違つて、今私が申しました、大橋国務大臣が認めたのと同じ立場を主張されたことによつてもはつきり示めされているのであります。この点に関する限り私ははつきり申上げまして、大橋国務大臣の答弁が良心的であり、木村法務総裁の答弁には違憲の追及を免がれるための法制意見局苦心の作為の跡がありありと見られるのであります。ところが政府にとつてお気の毒だと思うけれども、大橋理論をとつても、木村理論をとつても違憲であることを免がれることは不可能であります。即ち政府としては、違憲論争の上からは進退両難に陥つていることはもはや動かし得ない事実なのであります。即ち大橋国務大臣は、主として外敵に対抗する意図があれば違憲であることを認めたのでありますが、警察予備隊創設以来、今回の保安庁法案提出までの間に、これらの部隊が外敵に当然対抗するものであることは繰返して述べられたところでありまして、これらの証拠資料としての速記録は枚挙に遑がないほど数多く記録されているのであります。政府の主観においてすらそうなのでありますが、更に客観的にも現にライフル銃に始まつて、重機関銃、バズーカ砲、迫撃砲等を多数に持ち、更にこれ以上の戦車、航空機等の装備を急ぎつつある部隊の意図が「治安を乱すところの一部国民を目標にしているとは到底考えられないのでありまして、大橋国務大臣が、憲法の解釈論として、外敵対抗の意図を持つ部隊を持つことは違憲であると認めたことは、予備隊保安隊等の違憲であることを自認したものと言わざるを得ないのであります。この辺の事情がわかつたかどうか知りませんが、大橋国務大臣は後に至つて、憲法問題は法務総裁が主管大臣であると言出しました。ところが木村理論は、これを追及して行きますます陸海空軍と名付けられたものを保持しても、客観的に近代戦遂行能力に達しない限り違憲ではないというところまで到達するのでありまして、これは六月二十六日の内閣委員会速記録に明瞭に記録されたところであります。これはまさに木村理論が到達せざるを得ない運命であつたのでありまして、逃げ廻つていた船が陸に乗り上げてしまつたと称するほかはないのであります。近代戦遂行能力に達していないと政府が認定する限り、陸海空軍と名付けられた部隊を持つても差支ないという考え方が、陸海空軍その他の戦力はこれを保持しないという憲法の明文と両立し得るかどうかは問わずして明らかであります。このように憲法理論の上で進退両難に陥つた政府をなお且つ弁護しようという篤志家があれば、私はいつでもこれと対決する用意があります。若し本法案の賛成者が、この程度部隊を持たないと安心できないというような極めて通俗的で、何ら憲法問題の本質に触れない幼稚な立場にとどまるならば、それは私は冐頭に主張したところの条理を無視する態度であつて、参議院の権威、国会議員の権威を失墜するものであると指摘しなければなりません。先ほど申上げました通り、法はたとえ悪法なりといえども無視すべきではないのでありまして、法改正の手続を待つて欠陥を是正する以外に文明国のとり得る途はありません。政府が若し自衛機構の必要を認めるならば憲法改正を提議すべきであります。政府はそれを問題にしないだけでなく、憲法は改正しないと言明しながら、対外的自衛力の具体化を急ぎつつあることは、明らかに法秩序を破壊するものであつて、憲法違反として糾弾されることを免れないのであります。  本法案の憲法違反性の第二の問題は、国の交戦権はこれを認めないという憲法の規定にもかかわらず、外敵に対して対抗の意図が明らかに示されている点であります。政府保安隊警備隊が外敵に対抗しても、国内治安維持のための警察行動であつて、自衛戦争ではないから違憲ではないと主張しておられます。即ち保安隊警備隊の行動は国際法秩序維持のための軍事行動ではなくして、国内法秩序維持のための警察行動である。従つて外敵に対しても国内法を適用するのだと弁解しておるのであります。侵入外敵に対して日本国刑法の騒擾罪を適用しようというがごとき答弁を、私は正気の者が言う言葉として受取ることはできないのであります。国家として武力を以て外敵に対抗する場合、交戦状態が国際法上発生するのは当然であつて、交戦に伴つて生ずる法律関係が、政府が宣戦布告をすると否とにかかわらず、国際法関係であることは否定できないのであります。これを強いて国内法関係として説明しようとした政府は、相手国が宣戦布告をして侵入して来た場合はどうかという問題を私が出して見ますというと、全く答弁ができなかつたのであります。戦争は合意を要せずして成立するという国際法の原則があるからであります。このようにして、違憲論に答えました政府の主張は、全くしどろもどろでありまして、我々を納得させる何物をも見出すことができなかつたのであります。  次に私は本法案に反対する理由として、保安隊警備隊の装備の内容が、独立国家としての自主性のない状態で定められていることを申上げなければなりません。現在までの使用武器は米軍の貸与に待つているのでありますが、これは米国と我が国、又は米軍と警察予備隊との間の正式の契約又は協定によつておるのではありません。全く予備隊の顧問将校の個人的責任において事実上の使用をしておるのに過ぎないのであります。貸与条件は何ら明確にされておらず、貸手が誰で借手が誰なのか、有償なのか無償なのか、返済条件がどういうことになつておるのか全くわかつておらないのであります。而も如何なる武器をどれだけの数量貸与されるかは、日本の自主的な計画に基いてではなくして、米軍の発意と示唆に基いて決定されておるという自主性のない状態に置かれておるのであります。若し財政的な考慮を全然伴わずして装備充実を急ぎつつある政府が、その期待に反して、将来武器貸与が我が国に財政負担を課するものとなる場合、その責任は一体誰が負うというのでありましようか。私はそうした責任政府にあると共に、こういう法律案に賛成を与えた議員も共同責任を免がれることができないということを指摘しなければなりません。又このような独立国としての自主性のない、而もわけのわからない貸借関係の装備に依存して、果して部隊の指揮と任務の達成が期待できると言い得るかどうか、甚だ疑問と言わざるを得ません。吉田内閣の最大の失政は、我が国の独立の回復に当つても、国民に対して何ら独立国家の国民としての感激も与えることができず、精神的に依然として占領下の状態から脱却し得ないという風潮の原因を作つておることであります。国民的誇りと勇気を失わしめるがごとき政治を継続しておることであります。本法律案の実体をなす具体的事実の中にもこれが明瞭に現われていることを私は強く指摘せざるを得ません。  次に反対の理由として、保安庁法案規定が余りにも弾力性が強く、解釈の中が広くて、而も具体的な内容の多くは政令又は総理府令に委任されておるために、いよいよ捕捉しがたいものになつている点を挙げなければなりません。例えば第四条によると、保安庁の任務は、「わが国の平和と秩序を維持し、人命及び財産を保護するため、特別の必要がある場合において行動する部隊を管理」することが主なる内容として規定されておるのでありますが、「特別の必要がある場合」とは如何なる場合か、甚しく不明確である。それは六十一条以下に書いてあると大橋国務大臣は主張するのでありますが、六十一条にはどういう規定をしておるかと申しますと、「内閣総理大臣は、非常事態に際して、治安の維持のため特に必要があると認める場合には、保安隊又は警備隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。」と規定してあります。ここに言う非常事態とは如何なる場合であるかはつきりしないのであります。暴動も含まれるし戦争も含まれるというわけであります。又六十八条には「保安隊及び警備隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる。」と規定しております。「任務の遂行に必要な武器」とはどの程度のものであるか、全く限界がはつきりしないのであります。ピストルから始まつて原爆にまで及び得るという広汎な内容を持つておるのであります。而も保安隊警備隊の組織、編成は政令で定めるのであり、第一幕僚監部から第二幕僚監部の内部組織を規定するのは総理府令であり、保安研修所、保安大学校、技術研究所の内容を規定するのは政令であり、第一幕僚長又は第二幕僚長の監督を受ける訓練施設、その他所要の機関を定めるのは政令である等、重要なる問題を余りにも多く立法事項から外しておるのであります。そのためにどこにどういう部隊がどれだけ置かれるということは、法律自体には全然明らかにされておらないのであります。警察予備隊海上警備隊を統合したこのように弾力性のある法律を作ろうとする政府の真意が一体どこにあると考えたらいいのでありましようか。それは国内的には警察説明し、アメリカに対しては軍隊と説明できる状態にして、性格の二元性を実現しようとしておると考えざるを得ないのであります。それはアメリカヴアンデンバーグ決議に基いて、自助と相互援助の原則に立たないところの他国治安維持のごときものには軍事援助をしないという原則があるところに最大の事情が存在すると考えられるのであります。そこで今回名称を保安隊警備隊として、警察補充的表現を条文中から一切削除して、性格に弾力性を与え、アメリカからは公に武器貸与その他の軍事援助を期待し、国内的には違憲の追及を免れんとしたのが保安庁法案提出の真意と見ることができるのであります。かかる意図は、政府の弁明にもかかわらず、我々には掌を指すがごとくに明瞭に指摘し得ると断言すれば、果して言い過ぎでありましようか。  以上私は保安庁法案の主要なる問題点を指摘したのでありますが、このような保安庁法案を認めることは、良識ある国会議員のなすべからざる態度であつて、このような法律案成立することになれば、現在の心ある国民は勿論、後世の国民に国会の能力と権威を疑わしめることになることを恐れるのであります。ただそれだけではありません。政治的方便のためには憲法をまげてはばからないという例を示すことは、正義と秩序を基調とする法の権威を政府みずからが傷つけるものであつて、国民の良心を破壊するところの最大の罪悪を犯すものであります。今日我が国は社会的にも政治的にも無秩序と分裂の傾向を示しつつあります。敗戦に打ちのめされた日本が、講和発効後の国家の独立と繁栄を期待するには、今日各方面に見られる国論の分裂は、速かに克復しなければなりません、それには殊に政治家が真に良心と誠実を以て国民に真実を語り、真実を訴えなければなりません。政治的方便のために一時を糊塗し、憲法をさえ曲げて憚らないごとき野蛮政治が許されるならば、民族の前途は誠に憂慮すべきものがあります。占領軍から憲法を与えられてこれに従い、軍隊設置を示唆されて、今度は憲法を曲げてこれに従うというがごとき、無気力にして自主性のない状態が独立回復後においても続けられる限り、真実を追及せんとする国民の胸に深い憤りと苦悩を感ぜしめずにはおかないと思うのであります。純真なるべき学徒が暴力的な狂態を示すのも、その由来するところの多くが今日の政治の真実無視の態度にあることを我々は銘記しなければならないと思うのであります。  以上私は保安庁法に対する反対の意見を述べたのでありますが、私の反対の意見の中には与党側と政策乃至見解の相違に基くものも多いと思いますけれども、武器貸与関係をめぐる問題のごとく、保安隊警備隊設置の前提条件を欠くというがごとき、本質的にこの法律案を現在の段階において可決することは内閣委員会としてとるべき態度であるかどうかを疑わしめる問題も含まれておるのであります。そこで私は討論を終るに当りまして、本法律案は今最後に申しましたような理由に基いて、今国会においては本委員会において議決すべきものではなくして、前提条件として未定の諸問題が明らかになるまで決定を延ばすべきである、こういう見解の上に立つて継続審議にすべきことの動議を提出するものであります。(「賛成」と呼ぶ者あり)
  161. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 三好君から只今本案に対する御批判がありまして、更にこれを継続審査に付すべしという動議が提出せられました。これは三好君のは御意見と共に動議であつたと考えますが、それに対して松原君の賛成がありましたが、これを継続審査に移すべしとする諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  162. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 少数であります。それではその動議は否決せられました。なお討論の御発言があれば御継続を願います。……では討論の御発言がないと認めまするから本案を採決いたします。  議題は保安庁法案海上公安局法案及び運輸省設置法の一部を改正する法律案運輸省設置法の一部を改正する法律案は、申すまでもなく衆議院の修正を経たものであります。それに対しましてそれぞれ修正案が鈴木直人君外七名から提出せられております。この修正案を先ず以て採決いたします。修正案に賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  163. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。  次に三案の残余につきまして採決をいたします。賛成の諸君の挙手を願います    〔賛成者挙手〕
  164. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。よつてこの三案は修正議決せられるべきものと議決いたしました。つきましては賛成の諸君の御署名を願います。   多数意見者署名    鈴木 直人   中川 幸平    岡田 信次   郡  祐一    愛知 揆一   竹下 豐次    楠見 義男   栗柄 越夫
  165. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお委員長の報告は委員長に御一任を願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  166. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。さように決します。   —————————————
  167. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に総理府設置法の一部を改正する法律案国家行政組織法の一部を改正する法律案及び行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。  諸君にお諮りいたしますが、只今議題に供しました三案のうちで、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案だけはまだ修正案が用意ができておりません。で、すべてこの三案が只今までにずつと審議せられました結果をこの中に盛ることが趣意でありますので、まだ修正案ができておりませんから、暫く休憩をいたしまして、その間にその修正点につきまして御懇談を願いたいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  168. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めまして、さように決します。では暫く懇談会をいたします。  委員会は暫時休憩にいたします。    午後四時四十七分休憩    —————・—————    午後六時二十八分開会
  169. 河井彌八

    委員長河井彌八君) これより内閣委員会を開会いたします。  総理府設置法の一部を改正する法律案及び国家行改組織法の一部を改正する法律案、この両案を議題といたします。国家行政組織法の一部を改正する法律案衆議院において修正議決せられたものが議題となつております。これに対しまして竹下豐次君から両案についての修正案が提出せられております。これも併せて議題といたします。  別に御質疑もないと認めますから討論に入ります。
  170. 上條愛一

    ○上條愛一君 総理府設置法の一部を改正する法律案に対しましては、私どもは全国選挙管理委員会地方財政委員会、外為委員会、電波監理委員会等の重要なる行政委員会が廃止せられておりまするので、この一部改正の案には反対をいたしたい。
  171. 楠見義男

    ○楠見義男君 只今議題に相成りました両案につきまして、竹下委員の提案になりました修正案を含めて原案に賛成いたします。  その理由は只今までこの委員会で採決、決定せられました各種の設置法の集大成でありますから、従つてその集大成を盛り込んだこの修正案に賛成と同時に、修正案を除いた他の部分について原案に賛成いたします。
  172. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 国家行政組織法の一部を改正する法律案、それから総理府設置法の一部を改正する法律案、共に修正案並びに修正案を除く原案に対して反対です。理由は先ほど上條委員も指摘せられたごとく、あれに附加えれば、我々は、例えば北海道開発庁の廃止を主張して参りましたけれども、これも容れられておりません。或いは国家行政組織法においては保安庁の問題、海上保安庁の問題等々を含めて反対する。
  173. 三好始

    三好始君 只今議題に出ております両案は、楠見委員が述べられましたようにすでに本委員会で議決いたしました結果に基いて事務的な整理を行つたような法律案でありますから、今までの態度によつて私たちはこれに賛成することはできないのであります。即ち我々が存置を希望した電波監理委員会等はこの両法律案から漏れておりますし、或いは賛成することのできなかつた保安庁がこれに入つておる、こういうことになつておりますので、遺憾ながら賛成することができないのであります。なお各省の外局として相当我々は主張したものが入つておるのでありますが、こうした部分的なものには勿論個々の法律案で賛成して来たのであります。問題はないのでありますが、今申しましたような点で反対いたしたいのであります。自由党の諸君は恐らく反対せられた外局が含まれておるので反対せられることと思つておるのであります。(笑声、「賛成したら嘘だよ」と呼ぶ者あり)
  174. 中川幸平

    中川幸平君 只今議題となりました総理府設置法並びに国家行政組織法の一部を改正する法律案に対しまして、修正案並びに修正部分を除く原案に賛成の意を表したいと思うのであります。  先般農林省の設置法の改正の際に楠見委員から林野局を林野庁に、食糧局を食糧庁に復元された理由について縷縷意見の開陳がございましたが、我々としてはどうしても納得ができなかつたのであります。と申しますことは、政府としては行政の簡素化によつて内部部局で十分にやつて行ける。殊に大蔵省の国税庁のごとき、これまでの制度と違つて相当簡素化になつている。而も第一線に人材を配置して、中央の機構を簡素化している、そのために徴税局で十分やつて行ける、かように言つておるのにかかわらず、それを外局にせんければならんというようなことは、我々としてはどうしても納得が行かないのであります。(「従つて反対」と呼ぶ者あり)行政管理庁はいろいろと苦心して、それらの点を勘案して提案されておる。我々内閣委員としては政党政派にかかわらず、この行政管理庁の政策に対して十分に協力をせんければならないということを我々は痛感いたすのであります。さような点で非常にそれらの点は不満ではありまするが、きまつた以上は止むを得ない、さようなことからここに誠に不満な点はありますが、賛成の意を表する次第であります。
  175. 波多野鼎

    ○波多野鼎君 只今議題となりました総理府の設置法案でありますが、これにつきましては我が党としては反対の意を表せざるを得ないのであります。  我が党はこの委員会においてしばしば申上げましたように、又先ほど上條委員から国家行政組織法の……、我々としましては行政委員会というものは民主的な委員会の制度であるから、これは育成しなければならんという考え方を基本的にとつております。ところがこの行政委員会の制度を根本的に覆えそうという趣旨のものでありますから、その意味において根本的に反対の意を表するものであります。
  176. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 他に御発言がないと認めまするから、これより採決に入ろうと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  177. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。採決につきましては各条についてそれぞれ採決いたしますのが本式かとも考えますが、便宜上修正案、それから修正案を除くところの原案について採決したいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  178. 河井彌八

    委員長河井彌八君) さように取計らいます。  先ず総理府設置法の一部を改正する法律案、これは修正案を共にいたしますが、先ずこの修正案に賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  179. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。  次に総理府設置法の一部を改正する法律案中、只今修正議決すべきものとせられた修正案を除いての残りの分を問題といたします。これに賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  180. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。故に総理府設置法の一部を改正する法律案は修正議決すべきものと議決せられました。賛成者の諸君の御署名を願います。   多数意見者署名    鈴木 直人   中川 幸平    岡田 信次   郡  祐一    愛知 揆一   竹下 豐次    楠見 義男   栗栖 赳夫   —————————————
  181. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 次に国家行政組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。これも修正案を含めてであります。先ず以てこの修正案に賛成の諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  182. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。  次にその部分を除いた残余の国家行政組織法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の挙手を願いまま王。    〔賛成者挙手〕
  183. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。故に国家行政組織法の一部を改正する法律案は修正議決すべきものと議決せられました。賛成の諸君の御署名を願います。   多数意見者署名    鈴木 直人   中川 幸平    岡田 信次   郡  祐一    愛知 揆一   竹下 豐次    桶見 義男   栗栖 起夫
  184. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお委員長報告は委員長に御一任を願いたいと思います。    〔「異一議なし」と呼ぶ者あり〕
  185. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。  それでは休憩いたします。    午後六時四十四分休憩    —————・—————    午後八時十五分開会
  186. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それでは先刻に引続きまして内閣委員会を開会いたします。行政機関職員定員法の一部を改正する法律案を議題に供します。楠見委員から修正案が提出せられております。これは朗読を省略いたしまして、速記録に載せることにいたしまするが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  187. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 御異議ないと認めます。ではさように取計います。  この修正案を含めての議題全部につきまして御意見のあるかたは御発言を願います。
  188. 上條愛一

    ○上條愛一君 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対する修正案に対しましては大体においては異議ないですが、保安庁関係に対しましては私ども反対でありまするので、遺憾ながら本案に反対をいたします。
  189. 三好始

    三好始君 私も上條委員と同じように修正部分は了承いたすわけでありますが、修正部分を除く原案に、保安庁定員、その他今まで設置法を審議した際に反対したものを含んでおりますので、遺憾ながら修正部分とも本法律案に反対いたすものであります。
  190. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私のほうも修正をされました点については異議がございません。その点については敬意を表するものでございますが、全体を見ますときに、例えば北海道開発庁の問題或いは保安庁の問題、公安調査庁の問題等意見を異にするところの定員が含まれておりますから、全体的に結論としてはこれについて反対をするわけでございます。
  191. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 他に御発言がないと認めまするから採決をいたします。  只今楠見委員から提出せられました修正案を含めまして、行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に賛成介諸君の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  192. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 多数であります。よつて修正議決せらるべきものと議決せられました。賛成者の諸君の御署名を願います。   多数意見者署名    鈴木 直人   中川 幸平    岡田 信次   郡  祐一    愛知 揆一   竹下 豐次    楠見 義男   栗栖 赳夫
  193. 河井彌八

    委員長河井彌八君) なお委員長報告は委員長に御一任をお願いいたします。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  194. 河井彌八

    委員長河井彌八君) さように決します。  最後に委員長として一言御礼を申します。甚だ不行届な委員長でありまして、大変御迷惑をおかけいたしました。併しお蔭を以ちましてこの行政整理という大きな仕事がここに結末を見ましたことは諸君の御勉励の結果でありまして、深く御礼を申上げます。なお委員長として、委員長報告について少しくこの委員会全体を運営して参りました上から、所見を一応申上げまして、そしてこれは明日の本会議に報告しておきたいと考えまするから、お聞き取りを願いとう存じます。  第一は、複雑煩多なる法律政令等の整理が必要であるということ、法律政令等の煩多であつて、殊に立法が煩雑であるということは、三権分立主義の精神に反対するものであつて、又立法府としては政府行政権に対する侵害であると考えまするから、これを是正することが必要であつて、これは政府及び国会に対する警告であります。第二には、国家の経費の濫出ということ、議員諸君は濫出をば戒めなければならぬということと、予算編成の方法が従来のような不明確な方法を改むべしということであります。これも政府及び国会に対する希望であります。第三は、地方財政財源の強固を図つて地方自治制の確立を期し、中央地方事務の再分配を検討しなければならんということであります。第四には、中央行政府の組織を簡素化し、権限を強力推進し、すべて事務は課長を中心として執行するということ、これによりまして、局々の次長、部等を減少又は廃止することができて、すつきりした行政機構ができるであろうことを期待するのであります。これがためには現行の国家公務員の処遇、待遇等を改善しなければならんということであります。第五には信賞必罰の主義を厳格にして欲しいということであります。第六にはフーバー・コミツテイのごとき組織を作つて、一年又は三年を期して適切なる行政機構改革案を立案して欲しいと、こういう点がこの長い間の委員会を通じまして委員長として強く感じた事柄でありまするから、このことを国会並びに政府に警告するということは、警告という言葉はどうか知りませんが、警告することが必要と考えまするがら、お許しを願つておきます。
  195. 楠見義男

    ○楠見義男君 今のお言葉の中に経費の濫費を防ぐという場合に、議員に警告するという、議員においてもそれを戒心すべきであると、従つてそれを政府並びに国会に警告するというお言葉がございましたが、国会及び議員において経費を濫費しているどいうこどはどういうことを指すのでしようか。
  196. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 例えば私は国会議員の演説を聞いて見ても、すべて国家の経費の増大を図らないものはないと考えておりまするから、そういう点について節減をするという意味の警告をしたいと存じます。
  197. 楠見義男

    ○楠見義男君 その点が私はよくわからないのですが。
  198. 河井彌八

    委員長河井彌八君) すべての発言は皆そうです。
  199. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 委員長、これはこういうふうに了承していいわけですか。それは例えば国会の期間をどうこうするような、具体的にいつて大きな問題は、期間延長の問題とか何とかそういうものまで含まれておる……。
  200. 河井彌八

    委員長河井彌八君) それは、私はむしろ例えば政府内の訓令のごときものまでも法律案として出して来ているようなことなんぞは、私は本当に感心しないと考えます。国会はもつともつとその大綱をつかんだ強いものに、簡単な明朗なものにしたいという考えを持つていその方面から……。
  201. 楠見義男

    ○楠見義男君 その点は第一にお述べになつ法律政令が複雑煩多である。従つて立法府が例えば極めて小さいことまでここで論議をしなければならんということになるという点では、私は第一の問題で触れておられると思うのです。それは私は結構だと思うのですが、その経費の濫費を慎しめとしうことは、私ども国会議員としては、自分たちの責任においてそういうことをやつておるとは夢にも考えておらないのです。従つてそれを議員に警告をし、国会に警告するという点は私は不賛成ですが。
  202. 河井彌八

    委員長河井彌八君) やめてもいいですよ。
  203. 楠見義男

    ○楠見義男君 はつきりしないことは……、若しお述べになるならばはつきりしてやつて頂きたいし、若しそれがはつきりできないなら、政府に対しての警告はこれは別にして、政府に対する警告は事実決算委員会でも随分それを不正支出があるとか或いは濫費支出があるとか、そういうことはしばしばやられておることですから、それは私も結構だと思いますが、議員自体では偽仰天地に愧じず、私どもは濫費しておるとは思つておりませんですか。
  204. 河井彌八

    委員長河井彌八君) じやよしましようか。
  205. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私はこういうふうに思うのです。会期の延長などについていろいろな点において非常に不明朗な延長がなされておる。それはまあ一日延ばせば私は莫大な金だと思うのですよ。そういう意味なら私は賛成です。それは衆議院のほうへ警告をしてもらう。
  206. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 諸君がそれを間違つておるとすれば、みなやめてしまいます。
  207. 竹下豐次

    ○竹下豐次君 私は言葉尻をつかまえるわけじやありませんが、課長を中心にしてというお話ですね、私は課を減らす、整理をするということについては初めからそうしてもらいたいという希望を持つておりましたが、ただ課長を中心としてというような言葉は少しはつきりし過ぎているのじやないかと思いますが、まあ大きい課にするとか、整理するとかいう意味でお話を願つたほうがいいじやないかと思います。
  208. 河井彌八

    委員長河井彌八君) そのつもりです。
  209. 上條愛一

    ○上條愛一君 楠見さんがおつしやる、委員長の言う経費の節約ということは、議員自体が経費を濫費していると、こういう意味じやないと思う。議員自体の国会においてきめることが、経費の濫費というようなことをきめないように注意してもらいたいと、こういう意味だと思うのですがね。
  210. 楠見義男

    ○楠見義男君 併しながら議員立法で選挙目当ての法律があるとか何とかいう意味ならいいと思うのですね。そういう意味なら意味ではつきりしてもらいたい。何も書かずに、ただそれは議員において自粛すべきである、従つて国会に対して警告すると、こうなつて来ますと、どの点お考えになつているのかわかりませんから、先ほど申上げたように、私は必ずしも反対じやないが、若しそういうことを言うならその点を明らかにしてからやつてもらいたい、こういうことです。
  211. 上條愛一

    ○上條愛一君 そういう点を明らかにして頂ければ結構です。
  212. 河井彌八

    委員長河井彌八君) 大体そんなつもりでいます。実を言うと我慢できないようなものがたくさんあるのですよ。そんなのはやめてほしいと言つたのです。(「委員長一任だ」「賛成」と呼ぶ者あり)
  213. 河井彌八

    委員長河井彌八君) もう一遍考えますが、今ここで妥協しただけでありますがね。そういうつもりで発言さして頂きたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  214. 河井彌八

    委員長河井彌八君) どうも有難うございました。    午後八時二十九分散会