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1952-06-19 第13回国会 参議院 建設委員会 第55号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年六月十九日(木曜日)    午前十時四十七分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     廣瀬與兵衞君    理事            赤木 正雄君            田中  一君            小川 久義君    委員            石川 榮一君            深水 六郎君            門田 定藏君            三輪 貞治君            東   隆君   政府委員    大蔵省主計局次    長       石原 周夫君   事務局側    常任委員会専門    員       菊池 璋三君    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    建設省河川局利    水課長     山本 三郎君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○河川、道路、都市及び建築等各種事  業並びに国土その他諸計画に関する  調査の件  (琵琶湖総合開発に関する件)  (建設工事費不足に対する処置に  関する件) ○建設省設置法の一部を改正する法律  案について内閣委員会に申入れの件   —————————————
  2. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今から建設委員会を開会いたします。本日は調査案件議題に供します。  最初に琵琶湖総合開発について山本水利課長から御説明をして頂きます。
  3. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 私利水課長でございますが、御指名を頂きまして琵琶湖総合開発化のことを御説明申上げます。この琵琶湖の問題を御説明する前に、現状を先ず簡単に御説明申上げますと、これは非常に雑駁な図でございますが、この図を御覧頂きます。ここが宇治になります。現在は琵琶湖のここに洗堰という非常に原始的な板を入れまして琵琶湖の水を操作する堰がありまして、これで琵琶湖水面調節しております。これは内務省時代直轄工事で施工いたしまして、その後ずつと建設省で直接管理しております。これは淀川の下流洪水調節いたしますと同時に、又琵琶湖水面調節いたしまして沿岸被害をできるだけ除去しよう、こういう目的のために操作されておるわけであります。こういうふうにいたしまして洪水並びに下流利水の問題を建設省直轄で管理しておりますが、電気といたしましては洗堰の所から水路式で取入れまして、延長約八キロの水路宇治という所に導いて、宇治発電所というのがございます。これが三万二千キロだと思いますが、水路式発電をやつております。それから瀬田川の下流にやはり宇治という堰堤を作つておりまして、これを一部堰堤のすぐ直下へ落しまして大峯の発電所というのがございます。それからもう一つ水路式志津川という所に持つて参りまして発電しております。合計六万四千キロの設備があるのでございます。そういうわけでございまして、発電をいたします所は三カ所ございますのですが、これを洗堰とこの宇治の現在あります堰堤との間で発電すれば、この間の落差発電できるわけであります。それからこの調節ももつとうまくやりますると、下流用水大阪神戸方面水道並びに工業用水それから又大阪の郊外の灌漑用水の問題にもつと寄与できろということになつておるわけであります。結局そのほかにもう少し調節をうまくやりますれば、琵琶湖沿岸被害を除けます。結局問題は三つあるわけであります。より以上に琵琶湖に手を加えまして琵琶湖沿岸洪水を除去してやろうというためと、それから発電所落差が余つておりますのを、もつとよく利用しよう、或いはもつとピークに使えるような発電機構にしたらどうか。こういう問題とそれから下流用水目的にもつと琵琶湖を利用したらいい、もつと利用する方法はないか、この三つの問題が残されておりまする琵琶湖総合開発の重要な点だと思うのであります。それに対しましてお聞き及びのことだと思いまするが、いろいろな案がありまするのですが、煎じ詰めますと三つの案が考えられておるわけでございます。これはお手許に差上げましたプリントの三十七ページに表がございますが、この表がわかりにくい表でございましようが、三つの案を比較して示しておるわけでございます。そのうち一番上の横に一段式案というのがございますが、これは地建立案に当つた案でございます。それから二段式の一案というものでございますが、これはその二段式のうちの一案というのはちよつと修正した案でございまして、二段式の二案というのは滋賀県で立案している案でございます。取りあえず二段式の一案というのはお考え頂かなくてもちよつと修正した案でございますから、一段式案と二段式の一案関西電力の案それから二段式の二案滋賀修正案を一応お考え頂ければよいと思います。  概略を申上げますると、一段式案というのはそれではどういうことかといいますると、この赤く引いた所に大きな堰堤を作りまして、こちらの図面で申上げますると、これが先ほど申上げましたこれによりまして琵琶湖水面調節するわけであります。これがありまして、それから志津川というのがこの位置にあるわけでございます。結局さつき申上げましたように、この間の落差がまだ余つておる、それをどういうふうに処理しようかという問題ですが、一段式というのはこの宇治の新宇治という所に一本大きなのを作りまして、琵琶湖水面をここまで延長しよう、そうしましてそこでここへ一遍に大きな発電所を作りまして、従来ここから取つていたような水は取るのをやめて、ここで一遍に調節をして落してしまおう、こういう案でございます。それによりますと、最大発電力というのは約二十万キロワツト、結局この表によりますと十九万三千三百キロワツトであります。約二十万キロワツト・アワー発電機をここに据え着けまして、一遍にここで発電しよう、こういうのでございます。  それから次の二段式というのは関西電力が考えておるのでございまして、ここに外畑という堰堤を作りまして、ここに遊んでおりまする落差を使う。それから更にこの志津川の所にございまするこの志津川発電所を更に増強いたしまして発電力増加しようというのが二段式になるわけでございます。この堰堤を作りまして琵琶湖水面をここまで持つて来る、それから更にここで水が又更に余るからこれを増強しよう、こういうのでございます。  それから滋賀県の案でございますが、これは丁度この堰堤位置を変えまして、鹿跳堰堤を作りまして、琵琶湖水面をここまで持つて来る。そしてあとはやはり志津川発電所を増強しよう、こういう案でございます。これらはすべて立案者によりましていろいろと基礎に使いました資料など異にしましたが、それを何とかいろいろの資料を揃えなければいかんということになりまして、建設省で、ここに掲げましたように、電気或いは土木の権威者に委嘱いたしまて、いろいろの資料を揃えまして検討して頂いたその結果が、この琵琶湖総合開発に関する意見書というものにまとまつておるのでございます。  これによりますと、この三案の工事費が三十九頁に算出してございます。それから四十一頁には各月別にどれだけの電力が発生できるかということを検討してあります。それから四十二頁に資料五号として増加する量と発電原価が出ております。それによりますと一段式案によります増加する電力量は一億三千九百万キロワツト・アワーでありまして、発電原価は五円四十銭、それから二段式の関西電力の案によりますと増加する電力量は一億九千四百五十四万四千キロワツト・アワーでありまして、発電原価は五円二十七銭になります。二段式二案滋賀県案によりますと増加電力量一億八千八百八十四万六千キロワツト・アワーでありまして、発電原価は五円五十六銭になります。これから見まして私が御説明するまでもなく電力量が最も大きいのはやはり一段式案になります。こういうように水路で流して行く時には或る程度落差がこれで死にますから、堰堤で全部まとめてやりますと、その損失がなくなるから増加電力量は一段式案が一瞬大きくなるわけでございます。併しこれによりますと、こういう既設の発電所が全部駄目になるわけでありまして、それらの残存価格がどのくらいあるかということを評価いたしまして、それらを勘案いたしまして出したのが、こういうような発電原価でありまして、関西電力案が五円二十七銭で一番安く、一段式案が五円四十銭、二段式二案が五円五十六銭、こういうような結論になつたのでございます。  それからそれでは下流の諸用水はどういうように放流してやるかということでございますが、三十頁にございます責任放流量、これは電気には或いは要らない場合があつても、下流の諸用水を確保するために必ずこの琵琶湖から放流してやらなければならん量でございまして、三十一頁に毎月責任を以てこれだけの流量下流水道或いは工業用水或いは灌漑用水のために放流してやらなければならん量をきめてございます。この量は地建下流地方の諸事情を考慮いたしまして、これは十年先頃にはどうしてもこれだけの量が諸用水のために必要であるという判定をいたしまして出した量でございますが、いずれの案もこの流量を確保するということに足を揃えております。  それでは委員さんたちはどういう結論を出したかと申しますと、四頁に結論がございます。それを読上げて見ますと、「以上要するに各案とも発電原価が高く、このままでは早期着工は困難と考えられる。従つて今後更に湖の利用、水深、補償問題、下流への放流量最大使用水重、逆調整池問題等を再検討して、現在及び将来の電力事情に適応する経済的且つ効率的な開発計画立案すべきである。」これはどういうことかと申上げますと、第一に発電原価が非常に高くなる。これはいろいろさつきの工事費の算出のところにもございましたが、護岸の補償費或いはダムを作りますために、この大石村というところが百七十戸ばかり浸水するのでございます。それらの費用に十四、五億かかる。それからその他発電機などもだんだん高くなつておりまして、こういう比較的低落差水路の多い発電所でございますから、水路式発電機思つたより高くかかる。こういう結果から現在やつております各電力会社計画しております発電所に比べて非常に高い、こういうことを言つております。四十五頁に電力五カ年計画案による貯水池地点建設単価一覧表というのがございますが、それによりますと三十七カ地点の平均のキロワツト・アワー当り建設費は二十三円三十銭になります。こういうものに比べると少し高いじやないかということになります。  それから琵琶湖電力火力代用になるということでございますが、それでは火力発電原価はどのくらいかかるかということですが、これは公益事業委員会のほうで作つたのでございますが、四十七頁に資料七号というのがございますが、これは十三万二千キロワツト火力発電所発電原価の概算でございますが、それによりますと発電原価石炭使つた場合は大体六円五十銭から六円の間である。これに比較しますと琵琶湖単価は大体同じくらいになるのでございますが、他の水力のものに比べて非常に高いということを委員さんたち結論付けておるのでございます。  それからもう一つは、下流に流す責任放流量というのを考えておりますが、これはこれだけすぐは要らないのだ、将来はこういうふうに放流するにいたしましても、漸進的にこれに近付けて行つたらいいじやないか、これに余り制限されますと電力が自由に発生できないから、融通性を持たせて順次開発して行つたらいいじやないかというようなことを言つておるのでございますが、この責任放流量というようなものももう少し検討して見る必要があるのではないか、こういうふうに言つておるのでございます。  それから逆調整池の問題というのは、新宇治に大きな堰堤を作りまして、ここに大きな発電機を据え付けまして、現在毎秒三百三十トンの水を流しておるのでありますが、もつと大きな量を流すようにして石炭代用発電をさせたらいいじやないかというのですが、併したくさん水を出しますと下流に対しまして非常に悪い影響を与えます。もう一つ宇治のここに小さい堰堤を作りまして、これから出す量をもう一遍ここで調節して下流に平均化して流してやろう、こういうような意味で考えておるのでございます。  それから現在、将来の電力事情に適応する経済的且つ効率的開発計画立案すべきであるということは、これは電力の需給の想定の問題でありまして、琵琶湖をうんと石炭代用発電所にするか、或いはそう大きな設備をしないで平均化して常時発電させるということが最も重要な問題だと私どもは思うのでありますが、こういう点を更に検討しなければならんと思います。この点は非常に委員さんの間でも問題になつたようでございますが、こういう点をもう少し検討する必要があるのではないか、こういうふうに結論付けられたのでございます。こういうようなわけでございまして、建設省といたしましては従来この洗堰直轄管理いたしておりますが、これも相当古くなつておりまして改造しなければならん時期に来ております。従いましていかなる場所に堰堤を作りましても、この調節というものは下流の京都、大阪、兵庫それに滋賀にも関係いたしますので、この堰堤だけはどこに作りましても、その操作は建設省でやらなければ問題でございます。従いまして今のような結論が出ておりますので、今年度も更に少いのでありますが調査費を計上いたしまして、これらの堰堤についても、又下流用水の問題などについてもう少し検討して見なければならんというようなことで、更に今年度も調査を続行する。こういうように考えておるのでございます。以上簡単でございますが、私の説明を終ります。
  4. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 何か御質問ございますか。
  5. 赤木正雄

    赤木正雄君 そういたしますと、どこが一番いいという具体的のことは出ていないのですか。
  6. 山本三郎

    説明員山本三郎君) 意見書の中にもありますが、始めから何もないところに施設するならば、地建のような大きなダムを作るのが勿論いいのだというふうなことが書いてあります。それから又現在の状況においてはどうもはつきりした結論は言われないけれども、電気だけの面から考えますと二段式の案がいいじやないかというふうに見受けられるのでありますが、まだはつきりした結論というものは私は出ていない、こういうふうに思うのであります。
  7. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止
  8. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記を始めて下さい。赤木さんどうぞ。
  9. 赤木正雄

    赤木正雄君 各省設置法案の中で建設省設置法案について委員長の御意見を承わりたい。と申しますのはこの前この問題を協議いたしました際に、私は技監は無論、副技監まで置いて技術の強化を図れということを申上げました。これに対して副技監は時期尚早という御意見がありましたが、あの際に技監を置くことについては全面的に皆さん賛成なされたと私は思つております。もう内閣委員会といたしましても各省設置法案に対して審議が進んでおりますから、この委員会意見と申しますか、私は国民の大部分がこういうふうに思つておると思う。でありますからこの委員会といたしまして技監は必ず置くということに皆様の御同意を得られるかどうか、先ず皆様の御意見を諮つて欲しい。
  10. 田中一

    田中一君 只今赤木君の御提案に全面的に賛成です。少くとも現業官庁である建設省事務次官一人おればいいというものではない、これは行政官庁だけの建設省ならば、これは次官で結構、局長やいろいろな課長で結構でしよう。併しながら相当予算現業仕事をやつておる建設省にはどうしても次官と同一の技術面に権限を持つところの技監を必ず置かなければならん、こう私は考えます。私のほうとしては実はこれに対して党議できめておりまして、従つて赤木委員の今の提案に対して全面的に賛成します。
  11. 小川久義

    小川久義君 赤木委員提案田中君の賛成がありましたが、私も全面的に賛成であります。従つて委員長名を以て当該委員会である内閣委員会に強く申入ることを御決定願いたいと思います。
  12. 赤木正雄

    赤木正雄君 皆様内容をお知りかどうか、他のかたの発言もありませんのですが、皆様意見はつきりさせて、全部賛成とか何んとかはつきり筋を立てて委員長名で早速私は今日皆さん技監を最非とも置かなければならんということに、この委員会意見がまとまるならすぐ処置して欲しい。
  13. 三輪貞治

    三輪貞治君 私のほうでも大体党議では技監を置くことに賛成です。それにこの建設技術会議の議長に技監を当てるというようなことも恐らく困難だと思うのでありますが、こういう意見もありますから、それを附加えて赤木さんの御提案賛成いたします。
  14. 赤木正雄

    赤木正雄君 仮に技監廃止いたしまして或いは建設技術会議というものを置いて、これを意義あるものにしようとするならば、現在すでにそういうものはある、と申しますのは建設省では技術に関する大きな問題は、各局長と同時に関係課長を加えたいわゆる大きな技術会議があり、これで始めて来ております。だから実際問題は仮に大臣技術会議がこれに代わるのだというふうに言われるのは強弁も甚だしい。大臣のいい加減のことでごまかされるのはいやだ。この際はつきりしてもらいたい。
  15. 東隆

    東隆君 私は建設省関係仕事技術中心を置かなければならんと思うのです。それで度々恐らく政変も行われると思いますが、その都度私は予算その他の面において非常に大きな変化を及ぼす、かようなことがありますと、折角の仕事ができなくなりますので、どうしても技術中心にしてやつて行く、このことを筋金を入れておかないと大変だと思いますので、赤木君の提案に私は賛成をいたします。
  16. 石川榮一

    石川榮一君 私は自由党党席がありますので、その点からも一応意見を述べたいと思います。独立後における庶政の刷新は緊要にして不可欠のものである。そのため行政機構の改革というものを実は大きく取上げ、それがたまたまこの建設省技監廃止になつたのですが、この技監廃止については私個人といたしましては勿論意見があるのであります。併し党議といたしまして一応政府原案を支持すべき立場でありますので、私は別な観点から技監を置くことに不賛成意見は述べませんが、政府原案を主張する立場から      一技監廃止する以上、事務次官は必ず技術人から出すべきという條件を付けて政府原案を支持しようと思つておるのであります。若しそれができなければ皆さんの御意向に従います。
  17. 赤木正雄

    赤木正雄君 今石川君の発言は奇怪に存じます。事務次官技監を以てすることは飛んでもないことです。たまたま岩澤君が事務次官を兼務したからああいうことがありましたが、筋道から言うならば事務次官はもう行政官を以てしなければならん。でありますから、そういうことをはつきりするために技監が必要なのです。事務次官技術官を以てするから技監をやめてもいいというような御意見なら飛んでもない考え違いだと思う。私はそういうものじやなかろうと思います。もう一度石川君のはつきりした御意見を承わりたい。
  18. 石川榮一

    石川榮一君 赤木先生の御意見に対して私の意見を更に附加えさせて頂きます。一応先生の御説は御尤もでありますが、私はこの技術人の長い間の経験を国策に十分与らしめるために、少くも事務官僚最高メンバーに、全国技術人の中から政治性があり投術に堪能な士を入れまして、多年建設業務で得たところの技術をそのまま建設省行政面に現わさせるべきだと思います。建設省には数万の技術人がおるのでありますから、技術のみでなく、政治性もあり事務官僚を圧倒する人材もあると思います。こういう観点からできるだけ事務次官はそういう面から採用すべきだと思います。又政治方面については政務次官もおることだから、こういう見地に立つて技監廃止するというなら私は意義があると思います。それなくして単に投監廃止することに対しましては、それができない以上、私はやはり赤木先生の御説明に同調せざるを得ません。
  19. 赤木正雄

    赤木正雄君 この前の委員会でこれを議したとき、石川委員もこの技監だけは絶対置かなければならんと、はつきり言われて速記録にも残つております。それなのに今のことは実に何と申しますか、卑怯と申しますか、与党の議員と雖も正しいことは主張すべきが私は議員の職責だと思います。自分の党に引きずられて正しいと思うこともはつきり言われないというのは、実に残念でございます。併しこれ以上追及してもなんですが、併し石川委員技監を置いてもいいというようなことをちよつとおつしやいましたので、そういうことを考えてこの委員会技監を置くべきかどうか一つ採決に付して下さい。
  20. 小川久義

    小川久義君 自由党委員諸君もしやべられることと、肚とは違うように考えられますので、(笑声)従つて建設省技監を置くことは全会一致であると認めておるのでありますが、全会一致が都合が悪ければ多数を以て決議したということで、委員長名を以て先ほど申上げました通り内閣委員会に速かに申入を願いたいと思います。
  21. 田中一

    田中一君 私は深水君の意見を伺いたいと思います。
  22. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) ちよつと速記をやめて下さい。    〔速記中止
  23. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 速記を始めて下さい。
  24. 田中一

    田中一君 只今議題になつております問題につきまして直ちに採決して下さい。
  25. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それではお諮りいたします。建設省設置法の一部改正に対して、本委員会技監を置くということに決することに賛成のかたの挙手を願います。    〔賛成者挙手
  26. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 全会一致でございます。
  27. 小川久義

    小川久義君 文案その他は委員長に一任して速やかに手続を願いたいと思います。
  28. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 承知いたしました。    —————・—————
  29. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 次に建設工事費不足に対する処置について、河野主計局長は見えておりませんが、石原主計局次長が来ておりますから石川君から質問して頂きます。
  30. 石川榮一

    石川榮一君 補正予算を近く編成する時期に入つておると思いますので、この際建設関係補正予算に関する意見を申述べ同時に大蔵当局の見解を一応この際承わつておきたいと、こう思つて質問するのであります。御承知のように建設行政予算が非常に圧縮されておりまして、全国直轄河川準用河川が荒廃しきつておることは御承知のことと思います。八千五百二十七億の総予算に対して、建設省予算特に治山治水に関する経費は非常に貧弱であります。その額は御承知通り直轄河川七十の改修費八十四億、九百に上る準用河川に配分いたしました国庫補助は僅に六十五億、合せまして百四十九億、それに砂防費は、これは赤木先生等の御健闘によりまして相当増額はされておりますが、これが三十九億、その他総合開発等を加えまして二百十六億であります。これが治山治水総合開発機械整備等を加えた全部であります。こういう僅かの予算で全土に及びます全国河川の荒れ切つたものを、根本的に改修するということができるかどうかということは、何人も百年河清を待つようなものだという非常な不満を持つております。これをパーセントにしますれば、全予算八千五百二十七億の〇・二五二%に過ぎない。これが全国河川に対する予算であります。こういうことのために災害は年々歳々瀕発いたしまして、年々一千億に達する公共物災害、更に国民被害はこれに数倍するものがあります。このままでは水害亡国の一途を迫るのみと我々は考えております。この状況をよく御認識願いまして、補正予算においてでき得る限り災害復旧並びに今やりかけておりますところの建設省治山治水総合開発等に対しましてできる限りの予算を出してもらいたいと思うのであります。すでに御承知のように先般七日に大阪治水大会があり、昨日は東京に全国災害復旧促進大会国民の名において行われ、熾烈なる決議をしておるよりうであります。これに対して総理大臣国土保全開発に対しては、できる限りの努力をするというメツセージを出しております。与党の幹事長は大きな声を揚げまして国民の要望に副うというような発言をしておるのであります。でありますから来るべき補正予算においては、恐らく今までに例のない配分が行われると思うのですが、私どもは現在の状況を考え、国土の荒廃の状況を勘案いたしまして、この災害の急速なる復旧並びに根本的な改修、砂防等にでき得る限りの予算を出してもらわなければならんと思います。私どもが各地で調べたものを集計して見ますと、どういたしましても本年度の補正においては治山治水、砂防、総合開発等を加えまして最小限三百億を主張したい。これは数字的に細かく言うことは止めますが、恐らく建設省でもこういう見地に立つて補正予算においては今までの治山治水を軽視するような予算の姿を大いに改めまして、補正予算においては国民の要望を少しでも充すようにしてもらいたい。これに対して大蔵当局のお考えを伺つて置きたいと思いまして質問するわけであります。
  31. 石原周夫

    政府委員石原周夫君) 補正予算のお話でございますが、補正予算につきましては大蔵大臣がいろいろの機会に申しておりますように、現在なお編成の運びに至つておりませんので、どういうようなことで編成いたすかということにつきましては、今日申上げる時期ではないと思いますが、将来補正予算或いは来年度予算が編成せられます際におきまして、今御発言のありました災害状況というものを十分に考えまして、最も重点を置いて検討せらるべき一つの項目として十分考えて参りたいということで御了承願いたいと思います。
  32. 石川榮一

    石川榮一君 更に大ざつぱですが、私どもの調べたものを参考に申し上げまして、成るべく早い機会に大蔵首脳部の御検討を煩わしたいと思います。大体直轄河川改修費といたしまして、設備技術上の陣容も揃つておりまして、予算不足のため中絶しなければならんものの中で、緊急止むを得ない改修費が約四十億あります。中小河川国庫補助のものが約二十億、それから直轄河川総合開発として今実施しております事業で緊急止むを得ないと見るべきものが二十三億あります。海岸堤防の改築費約六億、道府県の河川総合開発事業費約三億、地盤変動の対策費用といたしまして約二十億、北海道の河川改修費の追加分といたしまして約四億、又北海道費で取上げております河川改修費といたしまして約一億、一般鉱害復旧費に約一億二千万円、総計大体河川改修事業と見られるものが少くも百十億を最低として見て置かなければならんと思うのであります。更に災害に対しましては一応直轄河川に対しましては過年度災害は二十六年度予算、二十七年度予算において一応カバーした形になつております。後は本年の災害に加えまして調査することになつておりますから、これは別にいたしますが、道府県の災害復旧の現在未完了のもの、これに対して約三分の一をこの際持つてもらうといたしまして約六十二億、砂防費といたしましては大体におきまして追加十五億、それに先般国会を通過した特殊土壤地域の災害十億等があるのであります。これらを合せると二百十五億ばかりになる予定でありますが、少くも三百億程度のものを、これからも相当殖えて参ると思いますので、三百億は是非用意して頂きたい。これは各省を駈け廻りまして集めた数字でありまして、必ずしも正鵠なものではありませんが、それからと言つてつておらないとは私どもは考えておりませんから、是非次長から上司に対しましてこの点を強調して頂きまして、そうしてややもすると国土の保全開発を常に称えております政府の方針が、予算面においてその名実を異にしておるということを指摘いたしまして、是非この河川改修を中心とする国土保全開発に対する費用を大幅に組んでもらいたいということをお願いしたいのであります。細かい数字については、いずれお願いに出るつもりであります。  以上を申上げまして私の質問を打切ります。
  33. 小川久義

    小川久義君 今石川委員から縷々お話がありましたが、私は大ざつぱに見て過年度災害は一千億だと思うのであります。過年度災害一千億をどう処理するかということは、今の石川委員の問題と相平行として重要な問題と思います。この問題に対しまして私は大蔵大臣の出席を求めまして直接大臣からお聞きしたいと思いますので、委員長において次の機会に大蔵大臣を招致することをお諮り願いたい。
  34. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) 只今小川君の御意見如何がいたしますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 廣瀬與兵衞

    委員長廣瀬與兵衞君) それでは大蔵大臣に来てもらつて説明をして頂くことにいたします。本日はこれにて散会いたします。    午後零時十三分散会