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滝本政府委員 地域給設定の
根本基準につきましては、おおむね御指摘の
通りであろうと
考えております。ところがこの
地域給の
やり方等につきまして、
境界になるところ
あたりで、困難な問題が起きるのではなかろうかという御
見解、これもごもつともだと思います。従いまして、われわれといたしましては、現在の基準の
範囲内におきましても、たとえば近畿地方の例をと
つてみますと、大阪でありますとか、あるいは奈良県という
ようなところにおきましては、おおむね町村單位で小きざみにするという
ようなことはいたしませんで、これは比較的大きい
範囲にわた
つて、
同一階級にするという
ような
考慮を加えているのであります。しかしながら、そういうことを申し上げましても、これは決して十分なことではございません。従いまして、現在
地域給の区分が町村單位におおむねな
つているという理由で、たとえば教員の人事交流に非常に
支障を来しているという
ような事情も、よく
承知いたしておるのであります。従いまして、われわれが今後
地域給をいかにすべきかということにつきまして、いろいろ
研究いたしております。これは都会地あるいは町村
あたりにおきます生計費というもの、
生活水準という
ようなものが、大体同様になるということでありますれば、これはもう放してしま
つてもよろしいという事情があろうかと思うのであります。しかしながら、われわれが
地域給を設定いたしております
根本基準は、やはり実質賃金を同じにし
ようということが、根本のねらいでございますので、たとえばCPS、CPIという
ような資料によりまして、都会地と町村
あたりと、相当生計費の指数が違うという
ようなことに相なりますれば、これを卒然とやめてしまうということもなかなか困難であろうかという
ように
考えるのであります。現に
公務員の
職員組合側からいろいろべ
ース・アツプ等につきまして、
計算等もされておりますが、そういう資料を拝見いたしましても、東京は三割
地域給を
支給するのが適当であるという
ような御
見解がある
ように聞き及んでいるのであります。これのごときは、やはり都会地といなかの町村とにおいては、
生活実態の面において困難の
程度が違うということを、認識されてのことであろうと
考えます。そういう現状でございますから、卒然とこの
地域給をやめてしまうということは、なかなか困難ではないかというふうに
考えます。しかし
現行地域給制度というものは、いい面もございますが、それが及ぼす影響の悪い面も多々あると思いますから、これは何とかそういう影響を局限いたしたいというふうに思いまして、次期
勧告あたりにおきましては、相当
程度こういう問題を
考えて参りたいというふうに
考えております。この
地域給を廃止するということにつきましても、たとえば全国を一本にするために、東京の
地域給を下げてよろしい、いなかでは上げてよろしい、そうして
バランスをとれというなら、これは話は簡單です。ところが実際問題としましては、なかなかそういうことはできるものではございません。従いまして、みな現在の二割五分の
地域給にずつと上げてしまう、そうして
地域給というものを廃止して、
本俸一本にするということが、
地域給廃止の方法として
考えられ得るのであります。しかしながらこれに要しまする
予算は、概算でございまするが、おそらくは百二十億円くらい年間を通じまして、必要になるのではなかろうかというふうに思うのであります。これはなかなか
予算実行上もまことに困難なことであろうかと思いまするし、現に
職員組合側における認識というものも、やはり都市といなかにおける
生活実態の違いがあるという
ような認識がある現状におきまして、卒然とこれをなくしてしまうという
ようなことは、実際問題として困難ではなかろうかと思う次第であります。くどくど申し上げましたが、要は次期
勧告等におきまして、相当
程度この問題を整理する方向に参りたいというふうに
考えておる次第であります。