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1952-02-22 第13回国会 衆議院 建設委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年二月二十二日(金曜日)     午後一時四十四分開議  出席委員    委員長 松本 一郎君    理事 田中 角榮君 理事 村瀬 宣親君    理事 前田榮之助君       逢澤  寛君    淺利 三朗君       宇田  恒君    瀬戸山三男君       高田 弥市君    内藤  隆君       西村 英一君    三池  信君       増田 連也君    池田 峯雄君  出席政府委員         建 設 技 官         (住宅局長)  大村巳代治君  委員外出席者         議     員 坂田 道太君         建設事務官         (住宅局住宅企         画課長)    鬼丸 勝之君         建 設 技 官 寺田 英一君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 二月二十一日  都市復興事業費増額並びに地元負担金の全額  起債承認に関する陳情書  (第六四五号)  恒久的災害対策制度の確立に関する陳情書  (第六四六号)  接收解除に関する陳情書外一件  (第六四七号)  蒲原海岸潮除堤防修築予算措置に関する陳情  書(第六四  八号)  大塚橋架替えに関する陳情書  (第六四九号)  庄川改修工事実施促進に関する陳情書  (第六五〇号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  住宅緊急措置令等廃止に関する法律案内閣  提出第三四号)(予)   請願  一 南郷洗えんの改修に関する請願河原伊三    郎君紹介)(第一八号)  二 北上川中流地帶国直轄河川改修区域に編    入等請願淺利三朗君外三名紹介)(第    二四号)  三 別山川改修工事施行請願田中角榮君    紹介)(第六八号)  四 永山村地内導水門改修費国庫補助請願(    河口陽一紹介)(第一四九号)  五 吉井川下流改修工事促進請願逢澤寛君    外二名紹介)(第一九四号)  六 西枇杷島、新川両町地内庄内川堤防築設    等の請願(多武良哲三君外一名紹介)(第    二三五号)  七 清津川改修工事施行請願塚田十一郎君    紹介)(第二六二号)  八 天野川上流改修工事施行請願井上良二    君紹介)(第二六七号)  九 中津川改修工事施行請願塚田十一郎君    紹介)(第二六八号) 一〇 岩倉町地内新町谷川及び馬木谷川改修工    事施行請願眞鍋勝紹介)(第三二九    号) 一一 名取川改修工事促進等請願安部俊吾君    紹介)(第三三二号) 一二 治水事業費増額請願藤井平治君外一名    紹介)(第三五六号) 一三 球磨川改修工事施行に伴う立退費補償に関    する請願坂田道太紹介)(第三七五    号) 一四 砂押川改修工事促進に関する請願内海安    吉君外一名紹介)(第三七七号) 一五 山崎打谷地先護岸道路開設請願(内    藤隆紹介)(第三七八号) 一六 木曽川上流水害予防組合に対する助成金交    付等に関する請願江崎真澄紹介)(第    四一八号) 一七 吉井川下流改修工事促進請願逢澤寛君    紹介)(第四一九号) 一八 府県道八日市四日市線改修工事施行請願    (河原伊三郎紹介)(第四七六号) 一九 中小河川改良事業費増額等に関する請願(    大泉寛三君紹介)(第五一六号)     ―――――――――――――
  2. 松本一郎

    松本委員長 ただいまより建設委員会を開きます。まず請願審査に入りたいと思います。紹介議員各位の御都合もありまので、委員長において適当に日程を変更いたしますから、御了承をお願いいたします。  請願日程第三、別山川改修工事施行請願田中角榮君御紹介、第六八号、これを議題といたします。
  3. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいま議題になました別山川改修工事施行請願請願要旨を御紹介申し上げます。請願者新潟刈羽刈羽村長安藤純正君外四名であります。本請願要旨は、別山川新潟刈羽郡の鯖石川西中通村字山本部落で合流し、この流域は西中通、中通、刈羽、二田、内郷村の五箇町村関係を有し、年々鯖石川が逆流するため、多数の屈曲及びせきの工事の不備により、県道新潟富山線並び柏崎新潟を結ぶ越後線及びその他の諸所に浸水し、その被害は多大で、約一千五百町歩に及び、関係町村民は困却している。ついては別山川上流まで改修し、災害を防止されたいというのであります。何とぞ御審議の上採択せられんことを希望する次第であります。
  4. 松本一郎

    松本委員長 これについて政府側意見を聴取いたしたいと存じます。寺田説明員
  5. 寺田英一

    寺田説明員 別山川につきましては、鯖石川中小河川一環工事として考えておりますが、目下鯖石川の方を施工中でありますので、一環工事でありますから、徐々に別山川の方に永工事を進めて参りたいと考えております。
  6. 田中角榮

    田中(角)委員 ただいまの説明員説明で十分了承したのでありますが、二十七年度予算にはこれが計上を要望いたしておるわけでありますし、特に二十六年度の局部改修はすでに県費で進めておるのでありますし、事務当局原案の通り早急に進められんことを希望します。     —————————————
  7. 松本一郎

    松本委員長 次は日程第五、吉井川下流改修工事促進請願逢澤寛君外二名の御紹介、第一九四号、これを議題といたします。逢澤寛君。
  8. 逢澤寛

    逢澤委員 吉井川下流改修工事促進につきましてお願い申し上げたいと存じます。請願者岡山県上道郡西大寺町長家野猛之君外三十一名。本請願要旨は、岡山吉井川は最も荒廃せる原始河川であるため、本県の穀倉とも称せられる本河川流域二万二千町歩の沃野は、毎年洪水の害をこうむり、特に昭和二十年度における洪水には、水害耕地九千町歩浸水家屋三万余戸等多大なる被害を受け、関係町村における民生安定並びに食糧増産上に大なる影響を及ぼしている。ついては、昭和二十一年度より継続施行されている本河川下流改修工事について、昭和二十七年度は、工費二億五千万円、工事箇所十箇所以上を引き続き施行されたいというのであります。  ちよつと一言補足を加えておきたいと思いまするが、この本文にも申し上げておりまするように、吉井川岡山三大河川の一番大きな河川なのでありまするが、いまだ原始河川なのであります。他の高梁川旭川という二つの河川はすでに改修が完了しております。ところが吉井川だけは今まであまり大した被害がなかつたために、原始河川としてそのまま存在しておつたのでありますが、たまたま戦争で上流の伐木をやりましたために、非常に荒廃しておることは、当局のよく御承知の通りであります。三、年前から相当の努力はしていただいておるのでありますが、何しろわずかばかりの工費を投ぜられておるので、地方民は非常に不安を感じておるのであります。従いまして、請願書にも申し上げておりますように、本年度はどうしても二億四、五千万円はこれに投じていただきたいというのが、請願要旨であります。何とぞ事情御了承願いたいと思います。
  9. 松本一郎

    松本委員長 これに対して政府側説明を聴取いたします。寺田説明員
  10. 寺田英一

    寺田説明員 吉井川につきましては、直轄河川といたしまして、二十一年から政府が今までやつておりますのですが、たまたま二十年の大水害でたいへんな被害をこうむつた場所でございます。先年も見返り資金といたしまして一億円を投じまして、——なるほど他の高梁川旭川等と比べますと、まだ工事が進んでおりませんのですが、鋭意工事施行促進いたしたいと思つておりますが、工費二億五千万円は昭和二十七年度においてはいかがであろうかという現状でございますが、当局としても十分認識しておりますし、工事促進をいたしたいと思つておる次第であります。     —————————————
  11. 松本一郎

    松本委員長 次には日程第一五、山崎打谷地先護岸道路開設請願藤隆内君紹介、第三七八号を議題といたします。紹介議員の御説明を願います。
  12. 内藤隆

    内藤(隆)委員 ただいま議題となりました山崎打谷地先護岸道路開設請願でありまするが、請願者富山下新川山崎村長永口豊二氏であります。その大体の要旨説明いたします。富山下新川山崎字打谷地先小川水流第三号河底砂防堰堤上流並びに下流河川地域において、本流河幅約八十メートルを隔てて左岸に八百二十メートルの護岸道路を構築し、現道路を壊滅することは、戦災者及び外地引揚者が開墾せる田畑を水害より防止することができるのみならず約一万町歩に及ぶ美田を構成することができ、同村の食糧増産等に寄與するところ大なるものがある。ついては、打谷地先護岸道路を開設されたいというのがその趣旨であります。何とぞ御審議の上、御採択をお願いする次第であります。
  13. 松本一郎

    松本委員長 これに対しまして当局の御説明を願います。寺田説明員
  14. 寺田英一

    寺田説明員 この河川につきましては、砂防堰堤上流に置くために、いろいろな支障があるように承ります。従つて砂防関係並びに道路の方といろいろ打合せいたしまして、追つてなお詳しい御説明を申し上げたいと思います。     —————————————
  15. 松本一郎

    松本委員長 次は日程第八、天野川上流改修工事施行請願井上良二紹介、第二六七号、これを議題といたします。井上君にかわりまして前田榮之助君より説明を願います。
  16. 前田榮之助

    前田(榮)委員 ただいま議題になつております天野川上流改修工事施行請願であります。請願者大阪守口市長井上七郎外十二名でございます。本請願要旨は、天野川は源を奈良県生駒山に発し、大阪府北河内郡を経て淀川に合流する重要河川であるが、河積挾小で、水路に屈曲多く、護岸もまた貧弱なため、明治、大正、昭和においてたびたび出水決壊の危険にさられた。その後天野川下流淀川合流点一・二四キロ間は建設省淀川維持区域として、すでに堤防補強工事施行されつつあるが、上流部の四・二キロの区間改良の必要があるから、すみやかに施行されたいというのであります。  本件はすでに当局においても、非常に御心配になつておることを承つておるのでありますが、淀川天野川合流点から下は護岸工事がすでに行われておるのでありますけれども、重要な部面である上流部面護岸が行われておらないために、もし一朝豪雨がありますると、その部面から洪水大阪市の重要な部面まで及ぶだろうということを地元側は非常に心配いたしておるので、その部面に対しては、直轄河川区域を離れますけれども、これに対して中央において補助その他の適当な方法を講ぜられまして、ただちに改修されるように請願されておるのでありますから、その点よろしくお願いいたしたいと思うのであります。
  17. 松本一郎

    松本委員長 これについて政府側説明を願います。
  18. 寺田英一

    寺田説明員 淀川につきましては、早くから直轄改修工事施行しており  まして、その一環といたしまして、支川である天野川下流部直轄工事  いたしまして、また取残された上流部については、直轄でやる区間になつておりませんが、中小河川改良工事と  いたしまして、できるだけ早く着工いたしたいと思つて、目下考えておる次第であります。     —————————————
  19. 松本一郎

    松本委員長 次に日程第一三、球磨川改修工事施行に伴う立退費補償に関する請願坂田道太紹介、第三七五号を議題といたします。紹介議員の御説明を願います。
  20. 坂田道太

    坂田道太君 請願者は熊本県八代高田大字豊原字中河原代表満田和となつております。本請願要旨は、中河原下河原部落の三十六世帯は、同地内の球磨川改修以前は最高出水期においても何ら生命の危険を感じなかつたのでございますが、最近二十五年あるいは二十六年度の改修工事が着々進みますにつれまして、家屋流失あるいは浸水等が非常にひどくなりまして、その関係住民は、昨年のごときは生命の危険にさらされたような状態もあるのでございます。つきましては、こういう関係住民生命の危険を最小限度にとどむる意味におきまして、何らかの立ちきの費用補償を得たいというのが本請願要旨であるわけでございます。
  21. 松本一郎

    松本委員長 では政府側説明を求めます。
  22. 寺田英一

    寺田説明員 球磨川改修工事は、目下これにもありますが、着工しております。その結果に基きまして、いろいろな被害もそのために生じたようなことでございますので、このことにつきましては、事情をよく調査いたしまして、そうしてなお考究して、御趣旨に沿うように善処をいたしたいと思います。しばらくの間お待ちを願います。
  23. 坂田道太

    坂田道太君 実は私もこの高田村の隣の八代市に住居しておるものでございまして、毎年一回か二回かは非常なる洪水に見舞われるのでございまして、この住宅のありまするそばを通つておりまする国道は、毎年一文有余の浸水となつて激流にさらされているような状態であります。この前のキジア台風のときでありましたか、そのために逃げ場を失つた老婆が付近のはぜの木に登りながら終夜救いを求めておつた。しかしながら消防団ですらも舟をもつてこれを救いに行くということができないような状態になつておりまするので、何とぞこの点もよく御考慮の上、適当なる立ちきの費用補償あらんことをお願いする次第であります。つけ加えて申し上げます。     —————————————
  24. 松本一郎

    松本委員長 次は請願議題第二、北上川中流地帯を国の直轄河川改修区域編入等請願淺利三朗君外五名紹介、第二十四号を議題といたします。御説明を願います。
  25. 淺利三朗

    淺利委員 本請願は、北上川のうち上流部岩手県、下流宮城県、その中間地帯であります、すなわち俗に北上川中流狭窄部と称されている地域の問題であります。この地域は現在北上上流狐禪寺より上流直轄河川となり、また下流宮城県の領分は全部河口まで直轄河川区域になつております。その中間地帯すなわち東磐井郡においては薄衣村外五箇村、西磐井郡においては永井村外六箇村、十三箇村の地帯を貫流するところの地域であります。そうしてこの地帯に注ぐところの支流といたしましては砂鉄川、千厩川、黄海川、金流川及び夏川という五つの支流があるわけでございます。これらの支流の注入するところのこの地帯は沿川約六里の間ほとんど何らの対策も講ぜられておらぬのであります。ことにこの支流洪水終つてから後に、本流のいわゆる狭窄部を流れて通りますところの六千三百立米の流下するその本流洪水が、さらに逆水となつてそうしてこの中流の沼津を毎年洪水にさらすのであります。そのためにこの地帯の五万の人間は、累年その水害に苦しんでおるのでありまするが、これに対して何らの施設が講ぜられておらぬのであります。しかしてこの地域は、下流宮城県の領分は、両岸の堤防はすでにりつぱにできております。また上流計画もできておりますが、この地帯対策については、下流との関係上県としてこれを実施するわけに参らぬ、どうしてもこれは国家の総合的の方針によつて対策を講ずるほかはないというのでありますが、今日までこの北上川上流下流のこの中間部だけが一部除外されて、国の直轄河川区域になつておらぬのであります。それでそれをぜひ一貫して上流から下流までの区域直轄河川区域に編入していただきたいという請願であります。  ことに昭和二十二、年二十三年のカザリン及びアイオン台風の際には、この地帯においては死者が八人、負傷者が二百五十人、人家の流失は四百二十二、倒壊家屋八百余、浸水棟数は約七千、こういうふうでありまして、この地方耕地の五九%は被害を受けておるような惨害を繰返しておる次第であります。なお詳細なことは、この委員会に詳しく統計をつけて請願いたしておりますから、これによつて審査を願いたいと存じますが、最近積雪寒冷地帯として特に土地改良計画が樹立されんとするのでありますけれども、六千五百町歩土地改良及び二千二百町歩生産計画の樹立は、この洪水の根本問題が解決されなければ、とうていできない、こういうような事情にありますので、何とぞ愼重御審議の上、この地帯を国の直轄河川区域として編入し、その計画を樹立して、その途行に努力せられるよう特に御配慮を願いたいという趣旨であります。よろしく御審議を願います。
  26. 松本一郎

    松本委員長 ただいまの請願に対し政府側の御説明を願いたいと思います。
  27. 寺田英一

    寺田説明員 北上川につきましては、ただいま申されましたように、下流宮城県は改修工事をして、上流は一ノ関から上流岩手県の方を直轄河川区域に編入しております。その後打続く災害によりまして、中流部区間をいかにすべきか、またどういう計画をすべきかといろいろ調査中でございます。その成果のできました上に、区域に編入するなり何なりの方法を講じたいと思つて、ただいま調べております。
  28. 淺利三朗

    淺利委員 この地域は従来建設省としては何ら調査いたしておりません。最近何か東北地建において技官を派遣して実地調査をせられておるように聞いておりまするが、それは確かでありますか。
  29. 寺田英一

    寺田説明員 ただいま申し上げましたように、直轄河川区域上流下流とわかれておりまして、この区間直轄河川改修区域から抜けておりますために、その後の災害の状況を見て、ここをいかにすべきかということで、ただいま東北地建北上川改修事務所の方で調査いたしております。
  30. 松本一郎

    松本委員長 ただいま議題となりました各請願につきましては、愼重に審議する必要があると認められますので、採否の決定は後日に延ばしたいと存じます。御異議、ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 松本一郎

    松本委員長 御異議なきものと認め、さように決します。なお残余の請願につきましては、紹介議員もお見えになつておりませんので、審議を後日にいたしたいと存じます。     —————————————
  32. 松本一郎

    松本委員長 次に日程に従いまして、住宅緊急措置令等廃止に関する法律案内閣提出第三四号を議題といたします。本案は現在予備審査中でありますが、まず住宅局長より逐条説明を聴取いたしたいと思います。大村政府委員
  33. 大村巳代治

    大村政府委員 法案の逐条説明をいたします。この法条は、十二条と附則一項からなつております。  第一条は、住宅緊急措置令とこれに基く住宅緊急措置損矢補償委員会官制廃止規定した条文であります。  第二条は、使用権存続期間延長に関する規定であります。使用権存続期間につきましては、旧令第二条第三項の規定に基きまして、都道府県知事が定めることとなつていますが、その期間本法で特に更新の手続をしなくても、昭和二十八年三月三十一日まで自動的に延長しましたのは、現在建物等に居住している立ちのき先のない者を公営住宅へ収容したり、またその他の立ちのき先をあつせんするために必要な時間的余裕を見たわけであります。従つて当該期間までに建物等返還ができた場合には、その返還の完了した日に使用権を消滅させることにいたしたのであります。第二項は、使用権存続期間延長に伴い、旧令中必要な規定、すなわち第九条、使用権行使支障ある権利行使の停止、第十条、建物等所有者に対する損失補償、第十一条、損失補償に関する出訴規定、第十二条、使用権の取消し、第十四条、旧令に基く行為の起業者または建物等所有者承継人に対する継受規定、及び第十五条、使用忌避、妨害に対する罰則の効力を存置させる条文であります。第三項は、前項の場合における損失補償金額都道府県知事土地収用法第五十一条の規定による収用委員会議決を経て定める規定であります。従来損失補償金額は、旧令第十条第三項の規定により都道府県知事住宅緊急措置損失補償委員会の議を経て定めていましたが、第一条で官制廃止しましたので、昭和二十六年十二月一日より発足することとなつ収用委員会に諮問することといたしたのであります。  第三条は、建物筆返還に関する規定であります。前条規定によつて使用権存続期間昭和二十八年三月三十一日までとしましたが、その期日前でも居住者立ちのき先さえ都合がつけば、居住者立ちのかせて所有者返還した方がよいので、「前条第一項に規定する期日までにおいてなるべくすみやかに」と規定したのであります。但書は、建物等所有者がみずから住宅経営を行う場合を予想して規定したものであります。第二項は、起業者居住者立ちのかせようとする場合の予告期間に関する規定であります。使用権の設定された建物等居住者は、使用権に基いて入居を認められたものでありますが、使用権そのもの建物所有者自由意思に基いて取得されたものでなく、従つてその使用期間期限付であり、入居期間入居のときから予定されていたものであります。従つて借家法上の賃貸借関係同一に解すべきではないと考えまして、別に解約予定期間を定めたわけであります。  第四条は、都道府県知事明渡し命令に関する規定であります。明渡しは、起業者居住者との民事関係にゆだねておくだけでは解決が困難でありますし、また起業者が怠慢によつて居住者立ちのかせようとしない場合も予想されますので、都道府県知事建物等明渡し命令を発することとしたのであります。  第五条は、建物等原状回復に関する規定であります。第一項は、起業者建物等所有者返還する場合には、原状に復するか、または原状に復するために必要な費用補償すべき義務を課した規定であります。起業者は、使用権の設定された建物について、住宅向き造作補修を加えておりますが、使用権の消滅に伴つて、これを所有者返還する場合に原状に回復すべきは当然であります。もつとも原状に復するといいましても、本法使用権設定前の用途に供するのに支障がある部分だけを原状に復すればよいこととし、またその原状回復建物等所有者請求をまつて行わせることにいたしました。第二項は、起業者原状回復をする資力がない場合等を予想して、建物等所有者の申出があつて、必要があると認められる場合には、都道府県がかわつて原状回復を行う規定であります。市町村である起業者を除いたのは、市町村には原状回復の能力があると考えられるからであります。第三項は、原状回復工事の内容や金額等について都道府県知事収用委員会議決を経て定めることを規定したものであります。第四項は、前項規定による決定をした場合に、都道府県知事起業者建物等所有者及び所有者以外の関係者に通知する義務規定したものであります。  第六条は、建物等居住者立ちのき先のない者に対して公営住宅優先入居を認める規定であります。立ちのき先のない者でも、等一号及び第二号、に該当する者は、公営住宅優先入居を認める必要はありませんが、地方公共団体において別途措置を講ずる必要がありましよう。第二項は、地方公共団体居住者公営住宅入居させる場合に、何世帯を収容するか、第一種公営住宅へ入れるか、第二種公営住宅へ入れるか等、その他必要な事項を都道府県知事関係地方公共団体意見を聞いて具体的かつ公平に定めるところに従わなければならない旨の規定であります。  第七条は、この法律施行前に使用権が消滅した建物等への準用規定であります。すでに使用権が形式上は消滅したが、現に使用者居住者入居させているものについては、当事者間の民事関係にゆだねておくだけでは解決が困難であり、それだけ建物等所有者に不当の損害を與えることになりますので、使用権設定中のものと同一の取扱いをして、的確迅速に処理することが公平な措置と思われるからであります。但し、居住者立ちのきについては、すでに不法占拠状態にあるわけですから、立ちのき期間は「すみやかに」としたわけであります。第二項は、前項の場合において、この法律による補償以外に建物使用に関して損害賠償請求ができるということを、念のために規定したものであります。  第八条は、第五条の規定によつて起業者または都道府県建物等原状に復し、または原状に復するために必要な費用補償する場合に要する費用の一部を、国が予算の範囲内で補助することができる旨を規定したものでありまして、補助率等は政令で定めることにいたしております。  第九条は、原状回復の範囲及び補償金額等についての都道府県知事決定に対して、不服がある者に対する出訴期間の特例の規定であります。  第十条から第十二条までは旧令の効力に関する経過規定であります。第十条第一項は、都道府県知事の貸付の勧奨または命令によつてした余裕住宅の賃貸借については、それが住宅所有者の完全に自由なる意思に基いて賃貸借が結ばれたものでないので、今後といえども借家法第三条の解約申入れ期間の特例を認め、また都道府県知事立ちのき命令権を認める必要がありますので、旧令第十三条の五の規定の効力を存続させることといたしたのであります。第二項は、都道府県知事が余裕住宅居住者立ちのきを命ずる場合において、第六条の規定を準用して公営住宅優先入居をさせる規定であります。  第十一条は、この法律施行前に使用権が消滅した場合の損失補償金額について、その決定及び不服のある場合の出訴期間の特例について、旧令の規定の効力を存続させる規定であります。第二項は前項補償金額がこの法律施行前に決定していない場合に、都道府県知事収用委員会議決を経て定めるという規定であります。  第十二条は、罰則の経過規定であります。附則はこの法律施行期日を定めたものであります。  以上簡単でございますが、よろしく御審議願います。
  34. 松本一郎

    松本委員長 ただいまの法案に対して質疑の通告がございます。順次質疑を願うことといたします。通告順によりまして、西村英一君。
  35. 西村英一

    ○西村(英)委員 第一に、先般配付せられましたこの法律案参考資料を見ますと、住宅緊急措置令施行状況の数字が昭和二十五年十二月三十一日のものですが、もつと新しい最近の資料がなければ判断がつかないと思いますが、新しい資料がありましたらお出し願いたいと思います。第二の点は、第六条で、公営住宅優先入居させることになつておりますが、公営住宅法による公営住宅の三箇年計画をこの際ひとつ御説明願いたい。この二点でございます。
  36. 大村巳代治

    大村政府委員 まことに資料が古くて恐縮でございますが、一月十日現在で集計をとつたものが最近まとまりましたので、この合計を修正いたしますことで御了承を願いたいと思います。この参考資料の八ページ、「令第二条による使用権設定の現況」という表であります。こまかい数字は後ほど印刷物にして差上げますが、合計欄だけ御報告いたしますと、収容世帯数の合計が二千六百四十六世帯となつておりますが、一月十日現在では千七百七十六世帯になつております。それから収容人員の合計が一万九百六十四人になつておりますが、これが七千二百三十人に減つております。建物坪数の二万一千四百十坪は一万一千九百二十八坪になつております。建物所有者数の六十四人は四十八人になつております。なお公営住宅法に基く三箇年計画につきましては、法律施行が御承知のように昨年だつたのでございますが、地方の公共団体に通牒を発しまして、三箇年計画資料をとつたのでございますが、大府県があまりそろいませんで非常に遅延いたしました。そういう関係予算要求の資料に間に合いそうもございませんものでしたから、各般の数字を建設省において調べまして、それを基礎に置いて、予算要求には使いました。その後実は三箇年計画案は住宅審議会にかけてその結果を閣議に報告し、それから国会の御了承を得るという段階になつているわけであります。住宅審議会の委員の任期がちようど昨年の十月に切れまして、あとの委員の任命が人選その他で非常に遷延いたしまたものでございますから、ことしになりましてから委員会を開きまして、三箇年計画案を審議会にかけ、ほぼ成案を得たのでございます。私どもの予想した数字よりは、現状ではやや小さい数字でございますけれども、予算につきましては、いろいろの財政的見地並びに起債その他の問題について、希望通りの数字を上げ得ませんで、大体昨年とほぼ同じ二万五千戸、約二百七十戸分くらい昨年より多くなつております。單価増などもございましたので、割に数字を上げられなかつたわけでございます。そのような関係に相なつております。
  37. 西村英一

    ○西村(英)委員 今の参考資料のうちの余裕住宅の方ですが、これも昭和二十五年の数字ですか。それとも新しい数字があるのですか。余裕住宅にどのくらい今入つておりますか。この新しい二十七年度の資料がありますか。
  38. 大村巳代治

    大村政府委員 余裕住宅につきましては、現在地方公共団体の手を離れております関係上、詳しい資料が遂にできずにしまつたわけであります。
  39. 西村英一

    ○西村(英)委員 住宅建設三箇年計画、それは一体いつごろできるのですか。閣議にかけるということになつておりますが、閣議にかける前に、住宅について町村の要求がどれくらいあるか、それをどういうようにあなた方がまとめられようとしておるか。事務当局の案として圧縮してまとめるなら一つも意味がないことになる。しかもただいま議案になつておる法律は、非常に住宅に対する緊急措置であつたのでありますが、あなた方の方では、住宅は終戦後非常に緩和されておる、これは確かですが、さりとてやはり現在の国民生活に一番重大な関心は、住宅なんです。従いましてこの法律の改廃は別といたしましても、住宅は非常にゆたかになつたというような思想を持たれては困るのであります。公営住宅の方へひとつ身を入れてもらう、従いまして公営住宅の三箇年計画というものに私どもは重大な関心を持つておりますのでもう法律施行後約一年も経過するのでありますから、その建設三箇年計画のあらましを当委員会においてもできるだけデータを出してもらいたい。     〔委員長退席、田中委員長代理着席〕
  40. 大村巳代治

    大村政府委員 地方から出て参りました三箇年計画はあいにく資料を持つて参りませんでしたが、約三箇年で三十万戸というふうに記憶しております。それで地方から出て参りました資料をずつと比較してみますと、人口の自然増の計算がまちまちになつておりまして、これを建設省では補正いたしまして、現在住宅審議会にかけておる次第でございます。ただいま審議会の方で三箇年計画として取上げられております戸数は、たしか六万戸ずつ、三箇年で十八万戸のように記憶しております。
  41. 前田榮之助

    前田(榮)委員 今西村委員からの御質問の中で、資料の問題でありますが、二十六年、二十七年の資料の内容については、あとからプリントにしてお渡しするという御答弁であつたので、それをお待ち申しておりますが、大体今御説明なつた中の資料で、たとえば建物所有者数が六十四で、二箇年の間に十六だけは解決がつき、残余が四十八となつておるわけであります。ところがこの説明書の中の買収その他によつて解決可能認められる、あるいは予想されておるものは、昭和二十五年の予想であつたのか、あるいは現在の予想なのか。ここに出ておるのは、建物所有数の十九は解決つける見込みだということになつておる。この建物の所有数は、予想されておるものより多く、解決ついたものが十六しかない。その他の坪数あるいは収容世帯、収容人員等は、予想されておるものよりも実際に解決した数が多くなつておる。こういう事情はどういう事情のもとにこうなつておるのか。それをまず第一にお答えを願いたいと思う。
  42. 大村巳代治

    大村政府委員 実はその資料は、予算要求の資料として地方庁から集めたものでございます関係上、少し古かつたわけでございますが、この買収等により解決可能と認められるものというのは、やはり二十五年の十二月三十一日現在の数字でございます。
  43. 前田榮之助

    前田(榮)委員 それからその次に申し上げたいのは、この緊急措置令によつて庶民住宅その他の住宅で収容しなければならぬ、そのために二十八年三月三十一日まで猶予されておるということでありますが、三月三十一日までにはそういうものの処置が全部完了するという見通し、確信があるかどうか。この点お尋ね申し上げたいと思うのであります。  それからその次にお尋ね申し上げたいのは、庶民住宅等と現在の居住者の、つまり家賃等の負担がおそらく同額ではないと思う。最初における庶民住宅等も相当建築費等がかさむ関係もあつて、その点はたして居住者が庶民住宅へ収容される場合において生活上の脅威が起りはせぬか。そういう場合において、もしそういうようなことのために起るところの支障については国で何か補助その他の点においてその調整を行うというお考えなのか。その点をひとつ明確にしていただきたいと思うのであります。
  44. 大村巳代治

    大村政府委員 この緊急措置令を実施いたしました当時、いろいろ地方的な事情があつたのでございますが、現在大量に残つておりまするのは東京都と神奈川県が非常に多いのであります。それでちよつとその数字を申し上げてみますと、東京で九百二十五世帯でございますが、これが東京都営のものが百九十七世帯、それから同胞援護会とか貸家組合とか貸家組合連合会あるいは住宅営団等が事業主体になつておりますのが七百三十八世帯あります。それから神奈川県の方は総数で八百十三世帯でございまして、県並びに横浜市でもつて事業主体になつておりますのが七百十七世帯、それから同胞援護会でやつておりますのが九十六世帯。それからそのほかのはまことに微微たるものでございますが、長野県営貸家組合が二十二世帯、それから千葉県の勝浦町でもつてやはり十六世帯ございます。非常に京浜地区にかたまつております関係上、いろいろ、当事者も数年前からこの所有者から相当責められております。処置のつくものは数年前から漸次話をつけて、入居者をほかへ移しまして、明け渡しておつたわけであります。実はこの神奈川県と東京都の事情は、公共企業体に様子を聞いてみますと、やや建つている点があるようであります。と申しますのは、東京都の方は入居者などの移転先を公営住宅優先入居にしますれば第一種でもいいというような希望が相当大きいようであります。というのは結局当時入られた方々は特別低収入の方だけではないようでございまして、住宅困窮という意味でもつて相当収入のある方も入つておられるようであります。ひざを突き合せて懇談いたしますれば、適当の近所の公営住宅なら移転の自信があるという状況でございます。それから神奈川県の方は約一割ぐらいはいわゆる保護の必要のある世帯のようであります。こういう方々の方は、公営住宅へ移したならば結局家賃がとうてい払い切れぬのではないかという心配をいたしておるのであります。実は予算措置のときにも多少そういう点を考慮したのでございますが、財政的の立場からその実現を見なかつたわけでございますが、手近な東京と横浜が大部分である関係上、建設省といたしましても十分連絡をとつて指導はできますし、それから公営住宅の数も多少そういう意味で手心できると思いますが、ただこの今の千七百世帯というのは何分大きな数字でございます。一年間で処置できるかどうかはちよつと疑問でございます。しかしかりにとうてい一年間で処置できないとしても、一応努力目標として来年の三月を期して地方公共団体の努力を待つておるわけでございますが、もし入居先の関係などでもつてとうてい一年間の期限では無理だという見通しがつきましたならば、来年の通常国会でもう一年御延期を願いますようなことにいたしたいと思つております。
  45. 前田榮之助

    前田(榮)委員 どうも今の答弁では来年の三月三十一日までには解決つける見通し、自信等があるのやら、ないのやらわけのわからぬことで、事務の処理の関係上まず一年ぐらいにしておいて、それでうまく行かなければもう一年延ばそうというような見通しのようでありまして、われわれは本問題を審議するのに非常に不安を感ぜざるを得ないのでありますが、こういう問題につきましては、大体当局は現在の居住使用者が生活に脅威を来さないということを前提にしておられるのか、従つてそういう点から考えますと、現在東京都並びに横浜等が大部分でありますから、手近なところにこういう問題がある点から考えましても、現在の負担をしておる家賃、それから現在庶民住宅等の建設されておる現行家賃の状態こういうものから考えて負担が過重になるとか、あるいはそう大した負担でないというような見通しがつくと思うのでありますが、大体今の居住者の家賃の平均と、現在の庶民住宅等を建てうれておる家賃の平均との差はどのくらいになつておるか。こういう御調査があつたら御知らせを願いたい。
  46. 鬼丸勝之

    ○鬼丸説明員 御説明申し上げます。現在この緊急措置令によりまして設定されております住宅入居しております者の家賃の平均は大体三百円程度であります。しかし入居者の個々の生計状態を見ますると、先ほど局長から申し上げましたように、神奈川県が特に問題でありまして、しかもそのうち公営住宅の家賃の負担能力がないと認められます者は大体一割程度の世帯数であります。翻つて会堂住宅の家賃はこれは第一種、第二種、構造によりましていろいろございますが、第一種で千三、四百円から千六、七百円くらいになつております。第二種の方でございますと、補助率が三分の二になつております関係上七百円程度であります。従いまして神奈川県の入居者の一部につきましては、第二種に全部入れるといたしましても、そこに三、四百円の開きが出ております。しかしながらこの家賃負担能力のない入居者に対しましては、御承知のように生活保護法による住宅扶助の道もございますので、こういう点を積極的に公共団体に指導いたしまして、負担能力のない者にはできるだけ保護法による住宅扶助の道を講じてもらうようにいたしたいと考えております。
  47. 前田榮之助

    前田(榮)委員 今の御答弁を見ますと、大体三百円程度のものが二倍半ないし五倍程度になるということになりますと、確かに簡単な問題ではないと思うのでありますが、この中で借家組合あるいはその他連合会等の部面は別といたしまして、地方公共団体のものが相当多いのでありますが、現在の使用いたしておるところの家屋をそのまま継続して使用させるということにもう少し重点を置いて、御研究になつたらどうかと思うのでありますが、そういう点についてはいかなる点において支障があるか、あるいはまたその点は建物の種類の関係上、絶対にできないという不可抗力的な重要な条件があるのかどうか、この点お答えを願いたいと思います。
  48. 鬼丸勝之

    ○鬼丸説明員 お答え申し上げます。資料で御承知のように神奈川県下におきましては、特に公共団体経営のものが多いのでございますが、これは神奈川県当局及び横浜市当局ともつぱら話合いを進めておりまして、先ほど申し上げましたような、家賃負担能力のない、あるいは乏しい入居者に対する措置一環といたしまして、また他面公営住宅の建設戸数との関係もございますので、一部はそのまま、実質的には買収ということになりますが、そのまま経営させるような措置を講ずるように勧奨いたしておりますが、まだどの程度にこれを買収して従来通り経営管理するかという点は、はつきりしたことは今のところ申し上げられません。
  49. 前田榮之助

    前田(榮)委員 普通の家屋立ちのき等を行う場合においても、家主が立ちのき料だとか、または滞納になつておる家賃等の免除というようなことで、居住者に対しては相当な負担をしておるものでありまして、これは社会において通例行われておる慣習なのであります。そういう意味からいたしましても、戦災等を受けておる者が、もつと気のきいた家に住みたいのだけれども、好んででなしに、やむなくそういうところに住んでおるわけなのでありますが、それを所有者その他の企業者の都合によつて立ちのきをさすわけなのであるから、それらのことについては相当負担をするのが当然だと思う。これが公共団体であるならば公共団体が負担し、あるいは貸家組合等ならば貸家組合が負担するのがあたりまえなのであつて、そういう負担等を考えても、この次に二倍平ないし五倍というような家賃の家に入らなければならない不都合を何とかして緩和しなければならぬと思うが、そういう立ちのき料等の問題についてはどういう考慮を払つておられるか、お聞かせを願いたい。
  50. 鬼丸勝之

    ○鬼丸説明員 移転料を補償するかどうかという点につきましては、私どもといたしましては、生活困窮者に対しましては補償すべきであるという考えを持つて予算の要求もいたしたのでございまするが、いろいろな折衝の過程におきまして遂に認められなかつたのでございます。ただ真に生活に困つて引越料も払えないという人たちは、先ほど申しましたように全体の世帯数から申しますと比較的少うございますので、この点につきましては、やはり地方公共団体に、実際どうしても引越しの負担ができぬという人に対してはめんどうを見るように指導いたしたいと考えております。
  51. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 いろいろ説明を聞いても、まだ資料が十分に出ておりませんから、質問はあとにいたしまして、資料だけ要求しておきます。第一に住宅の不足数です。一は不良住宅の数、二は遠距離通勤者としてどうしても勤務地の付近に住宅をほしいという者の数、三は人口の増加あるいは分家、結婚等によるところの不足数、つまり住宅の自然需要増ともいうべきものと思います。第四に風水害あるいは火事による減耗、第五に自然に腐朽して減つて来るいわゆる自然耗といつた項目についてお知らせ願いたいと思う。  次に住宅の増加の問題ですが、どのぐらい住宅がふえているか、つまり自力で建設しているものがどのくらいか。第二に金融金庫を利用して住宅がどのくらいふえているか。第三に公爵住宅としてどのくらいふえているか。第四に一般の人が自己資本をもつて新築家屋をどのくらいつくつているか。こうした項目についてお願いしたい。  次に遊休住宅はをお知らせ願いたいと思う。この遊休住宅というのは、たとえば富豪や貴族等がどのくらい大邸宅を持ち、むだにそういう大邸宅を占用しているか。これは住宅緊急措置令のねらいでもあつたわけですから、政府として把握されていることと思います。そこで富豪、貴族等の住宅—自邸、別荘、大料理店、それから現在占領軍が建てているハウス、——これは当然、日本に返還すべきものだろうと思う。それから占領軍の接収家屋といつた項目で、ひとつ遊休住宅がどのくらいあるかお知らせ願いたい。
  52. 田中角榮

    田中委員長代理 質問通告者に村瀬宣親君、池田峯雄君の両君がありますが、質疑は次会に続行することとし、本日はこの程度で散会いたします。     午後三時散会