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風早委員 私は
日本共産党を代表して、
外資に関する
法律の一部を
改正する
法律案に対し
反対の意向を表明するものであります。
この
外資導入の
是非ということを抽象的に論議しますことは無
意味であり、またきわめて有害であり、
危險であるというように考えます。
現実に
外資がどういう役割を果しておるか、あるいはまたこれから果そうとしておるか、それを見きわめることなしには、容易にこの
外資導入の
是非を論ずることはできないと思います。その
意味におきましてわが党は、現在まで入
つて来ておりました特に
アメリカからの
外資導入そのものに対して
反対して来ておる。またその立場から申しまして、今回のこの
外資導入の地ならしになるいろいろな
便益提供、こういうものに対してもわれわれはもちろん
反対であります。
現実に
日本の
主権の完全な
独立というものの物的な
基礎といたしまして経済的な
独立が必要で、経済的に隷属させられるならば、何とい
つても
主権の
独立ということはあり得ないのです。私は
一つの例をあげておきますが、たとえば
石油にいたしましても、今回四日市の
燃料廠の拂下げ問題を
めぐつていろいろな論議が行われましたが、私
ども他の
委員会においてこの問題について
参考人を呼んで
意見を聞きました。その中で特に
東亞石油の
社長の近藤さんが来られまして、そこで公述されておりましたが、
日本の
石油の七八%というものは
外資に支配されておる、それでかりに
社長は
日本人であ
つても、その副
社長は米人である、そしていかなる会社の
運営につきましても、すべて
ロンドンあるいは
ニユーヨークに一々照会しなければきまらない、逆に
ロンドンや
ニユーヨークですべて
日本の
石油の
運営がきまる、こういうことが実際に行われている。これではどうにもならない。せめて今ここに残
つている
四日市燃料廠だけは、われわれ
外資に関係のない業者が相
集つてこれを確保して、幸いに非常に大きな能率を持
つておるから、これをわれわれが十分育て上げて、
外資に支配せられている
日本の
石油業というものに大きな変革を与えて行きたい、こういうことを言
つておる実情であります。これは
石油だけではありませんが、特に
石油のような大きな
戰略物資についてそうだと思う。
外資がどんどんと入
つて来ることは歓迎だといわれるが、私
どもはその気がわからない。やはり
危險な
外資であるといわざるを得ない。そういう
意味でこの
外資の
導入に、ことさらに多大な便宜をはか
つてやるということは、今日の段階におきましてはきわめて有害である。われわれが真に対等な状況に
なつた場合において、対等な資格で、お互いに
資本の交換をやるということはまた別問題であります。その他もつと具体的にこの
法案の各
改正條項につきまして
質疑をいたすはずでありましたが、実はその
質疑をいたす
機会を持たなかつたのでありまして、
従つてあまりこの席で
反対理由を列挙することはこれ以上私は遠慮いたしたいと思います。詳細は本
会議におきまして述べることにいたします。
結論として本
法案に対する
反対の意を表明する次第であります。