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1952-04-16 第13回国会 衆議院 経済安定委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十七年四月十六日(水曜日)     午後二時九分開議  出席委員    委員長 前田 正男君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 永井 英修君 理事 有田 喜一君       岩川 與助君   小野瀬忠兵衛君       圖司 安正君    奈良 治二君       福田 喜東君    渕  通義君       土井 直作君    横田甚太郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 周東 英雄君  出席政府委員         経済安定政務次         官       福田 篤泰君         経済安定事務官         (建設交通局次         長)     今井田研二郎君         経済安定事務官         (外資委員会事         務局長)    賀屋 正雄君  委員外出席者         専  門  員 圓地與四松君         専  門  員 菅田清治郎君     ――――――――――――― 四月八日  国土総合開発法の一部を改正する法律案内閣  提出第一五六号) 同月十二日  事業者団体法の一部を改正する法律案内閣提  出第一六七号) 同月二日  労務者用酒類配給制度存続に関する請願(庄司  一郎紹介)(第一八五三号) 同月四日  国土調査に対する予算増額等請願小澤佐重  喜君紹介)(第二〇四七号) 同月十五日  国土調査に対する予算増額等請願大内一郎  君紹介)(第二一九五号) の審査を本委員会に付託された。 同月十日  国土総合開発特定地域調査費国庫補助増額に  関する陳情書(第一二  三二号)  国土総合開発計画に基く飯田線水没箇所の左岸  迂回路線建設に関する陳情書  (第一二三三号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  外資に関する法律の一部を改正する法律案(内  閣提出第一三一号)  国土総合開発法の一部を改正する法律案内閣  提出第一五六号)     ―――――――――――――
  2. 前田正男

    前田委員長 これより会議を開きます。  この際外資に関する法律の一部を改正する法律案について先日の政府提案理由補足説明を求めます。賀屋政府委員
  3. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 ただいま議題となつております外資に関する法律改正案につきまして、大体のあらましは前会提案理由説明で申し上げた通りでございますが、なおやや詳細にその内容を補足的に御説明いたしたいと考えます。  説明の便宜上、ごらんになります資料としてはお手元に配つてあると存じます。外資に関する法律新旧対照表、二段にわけてあるものがあるはずでございますので、これによりましてかわりました点を、條文逐つて簡單に御説明いたしたいと考えます。上の欄に旧條文を掲げて、下の欄に新條文を掲げてございますが、今回の法律改正になりました点は傍線を付して、その点を明らかにいたしております。改正になつていない條文は下の欄ではブランクにしてございます。この前の提案理由説明で申し上げたことではございますが、今度の外資に関する法律改正の大きなポイントはどこにあるかということを簡單に申しておきますと、御承知のように外資に関する法律は、一昨年の五月に制定されたものでございますが、これは外資が入ります際に、その外資導入伴つて收益海外送金することについて、何らかの保証の道がなければ、なかなか外資日本に入れようといたしましても入つて来ない。そこでこの保証制度をつくれば外資が将来期待できるであろうということから、外資法外資導入に伴うところの一定果実なり元本回收金を、自国通貨に還元するということについての保証を與える制度規定いたしておるのがその根本であります。どういう方法によりまして自国通貨に還元することを保証するかと申し上げますと、外資はまず日本に入ります際に、その外資導入日本経済にはたして役立つものであるかどうか、つまり外資であれば何でもかんでも日本に入つていい、こういうまつたく自由な態度をとりませんで、なるべくなら日本経済に役立つものから優先して入れたい、こういう基本方針に基きまして、外資が入ります際に一応導入に際して日本政府がこれを審査する。そういたしまして日本政府がその條件なり、すべての点をよく調べまして、これは日本に有益な外資である、こういう判定を下しますと、それに伴つてあとから元本を回收しますとか、果実を取立てた場合に、それを本国に持ち帰ることについては、御承知為替管理法というもので国際取引を非常に厳重に縛つておりますが、その為替管理の制限を受けないで、自由に送金できるようにする、こういう方法をとつておるのであります。導入に際しまして、日本政府審査をいたします。一定外資が入ります際に、日本政府すなわち外資委員会認可がいるということになつているわけであります。今度の改正の大きな眼目は、この外資委員会認可を要するという認可事項整備一つでありまして、その次は、現行の外資法で認めております送金保証範囲はかなり制限されておりますので、この送金保証範囲を擴張するというのが第二点であります。この二つの点が今度の改正の大きな眼目になつておるわけであります。  そこで新旧対照表につきまして順序を逐つて簡單——條文は非常に複雑な規定のいたし方になつておりますが、その内容をかいつまんで申し上げたいと考えております。第一條、第二條、この辺はかわりはございません。三條では今度新しく用語を使いました関係上その定義を設けただけでありまして、実質的な問題ではございませんので、省略いたします。四條、五條は変更がございません。第六條も條文の字句の整備程度簡單改正でございます。  最初に出て参ります問題は、第八條認可、許可または勧告の基準という條文でありまして、これは先ほど申しましたように、外資が入ります際に外資委員会認可をいたすわけでありますが、その際の認可基準を積極、消極両面から規定しておる條文でございます。第一項はどういう場合に認可をするのだという積極的な基準でありまして、この方につきましては、今度の改正については全然かわりはございません。問題は第二項のこういう場合には認可してはならないという消極的な基準の方でございます。これが今度大きれかわつた分でございます。これには上欄ごらんになりますと、十五、十六ページにわたりまして、従来一号より五号までの基準があつたのであります。これが号では四号に減りましたが、株式投資認可基準について相当詳しい規定を設けました関係上、條文としては非常に長くなつております。一号、二号、三号はこれは従来通りでのります。かわりました條文は四号、五号の点でございます。四号は外国人株式取得する株式投資します場合の認可基準でありますが、これはどういう認可基準になつてつたかと申しますと、ただいままでのところでは、どういう場合に株式について認可がいるかということはのちほど御説明いたしますが、簡單に申し上げますれば、新株旧株とわけまして、新株と申しますのはその株の発行会社が資産を増加する場合、旧株はそうでない株、いわゆる市場で売買されておるものは旧株になる、新株増資の場合の株、会社が設立されます場合の株、この二つ種類に分けまして、外資委員会認可がいりますのは、旧株の場合は全部認可がいるということになつております。それから新株の場合は配当金送金保証を要求する場合は認可がいる。そうでない場合は認可はいらない。旧株については配当金送金保証を要しまいが、ただ円で受取る場合でも認可がいる。こういうことになつてつた。そこでその認可をいたします場合に、どういう基準によるかというと、ただいままでのところでは、この四号で株式持分取得する場合には、その取得対価がその取得のためにドル、ポンドといつたような対外支拂い手段で日本送金して参りまして、それを合法的に、つまりドルでありますれば為替銀行を通じて、三百六十円というレートで交換して得た円貨でなくては買えない。つまり日本でかせぎました円で買う場合には認可してはならない。海外から新たにその目的のために外貨を送つて来て、日本外貨の改善に寄與した場合でなければならない、こういう認可基準になつてつたわけであります。この認可基準によりますと、ある外国投資家日本で株を買いますためにドルを送つて来た、それでAという株を買つた、そうしてしばらくそのAの株を持つてつた。ところが今度そのAを売つてBという株に乘りかえたい、Bの方が有望でもあり、收益も多いというので、Bに乘りかえたいという場合に、前のAの株を売つて取得しました円貨ではBの株を買えない。従来の基準で行きますと、Bの株を買うためには、またあらためてドルを送つて来なければならないという結果になつてつたのでありますが、株式投資いたします方の外国人側の考えからいいますと、一旦一つ種類の株に投資いたしましたならば、未来永劫その株を持つておらなければならないというようなことでは、株式投資の実態に反する。株式投資いたしますのは、なるほど期限はありませんが、随時市況によつて乘りかえができるということでなければ、投資を有利にすることにならないであろうと考えまして、一番最初外貨を送つて来まして、買つた株であれば、その株を売つた金はほかの株を買う場合に使うことができる。そうして新しく買いました株の配当金なり、今度の改正では元本の持ちかえりについても、外貨送金保証が得られるという制度にいたしたのであります。そのために、今まではただ外貨を送つて参りました場合、あるいは外貨と同等の価値のあるものである場合しか認可ができないと書いてありましたのを、この下の欄のイからヘまでに掲げましたような、いろいろな円貨、こういう場合の円貨は、新しい株の取得に充て得るということにいたしたのであります。それでイにありますのは、外貨と同時の価値のあるものということで、今までと同じでありますが、口に書いてありますのは、株式持分受益証券送金のすでに保証されておりますものを売りまして得た円貨は、新しい株の取得に充て得る。但しその場合に、今度の新しく買います株の取得について認可申請する間が一月以上あつてはならない。前の株を売つて、たとえば数箇月あるいは何年も円として持つてつて、そして新しく株を買うというときに、この金は昔送金保証を得ておつた株を売つた金であるからということで持つて来られても困る。その買却認可申請との間が一月以上あつてはならないという制度を置いたわけであります。ロはそのような買却代金でありますが、ハは残余財産分配でありまして、前にドルを送つて参りまして、送金保証がある株について、解散が行われて残余財産分配金を受けたというようなときには、その株はもともとさかのぼればドルを送つておるのだから、新しい株を買つてもいいということにしようということであります。  そのほかこまかい規定がございますが、これはいわば特殊の例で、あまり例が起らないかもしれませんが、性質上残余財産分配金と同じ扱いにしてもよいと考えられるものをこまかく拾つたわけでありまして、なお拾い得ないものを最後で「その他政令で定めるもの」というふうに規定しております。これもやはり支拂い期日と今度新しく買います株についての認可申請の間が一月以上あるものは認可できない、こういうことになつております。  ニは、後に述べますが、新しく受益証券外資委員会認可によつて外国人取得ができ、その送金保証されることになつたのでありますが、その送金保証されておる受益証券の満期が到来して元本がかえつて来た場合に、それでもつて新しい株を買うことはさしつかえないということになつたわけであります。  ホは、相続遺贈合併によつて取得しました円貨で、以上述べました口から二に掲げておりますような場合に、このほかの株に充て得る金を相続いたしました場合には、相続でありますれば、その前の代の投資家にはこのほかの投資に充て得るという資格が認められておりましたが、当然それは次の代のものにも認める。合併でありますれば、法人格がかわつただけであつて包括承継によつて継続しておりますので、その売却代金とか残余財産分配金という形で、すでに持つておりますもので相続合併によつて取得したものを、新しい株の取得のために使い得るという規定であります。  それからへは後に述べますが、今度新しく外国投資家預金勘定というものができて参りますが、これから拂いもどしをして株式を買う場合には認可をしてもよいということになつたのであります。今申しましたのは株式取得してもよいということを申しましたが、これは株式のみならず、持分受益証券社債貸付金債券についても、やはり最初ドルなりその他の外貨投資されまして、それが買却なり残余財産分配という形で普通の円にかわつた場合でも、こういつたものをこれらの新投資に充てまして、その新投資について送金保証が得られるということにいたしたのでありまして、これが第八條認可基準改正ということで、今度の改正一つの大きな点になつているわけてあります。  それから九條は條文整理に伴う技術的な改正でありまして、御説明を要しないと思いますが、九條の2は、外国投資家預金勘定、これはここで御説明するよりも、後ほど出て参りますところでこの点に触れて御説明いたしたいと考えます。  二十七ページに参りまして、第二章に「外国資本の投下の届出又は認可」ということになつておりますが、この第二章でどういう形の投資について外資委員会認可がいるかという條文が設けられているのであります。外資法外資委員会認可を要するとなつております外資導入のまず第一の形態は、資金投資というのではなくて、無形の技術導入の場合であります。これはいわゆる技術援助契約と申しまして、たとえば外国の優秀な特許権を持つておる会社が、日本会社と提携いたしましてその特許権の使用を許可して、その特許によつて生産をいたしました場合に、その売上高一定割合、あるいは確定金額の場合もございますが、そういつたものの技術援助対価として海外送金するという内容契約であります。資金という点から申しますれば、むしろ外貨が使われて出て行く方でありますが、これを長い目で見ますれば、そういう技術導入いたすことによりまして、ただいままではどうしても外国製品を使わなければならなかつた、そのために外貨がいつたが、これが日本でできるようになつて外貨が出て行かなくなつたという意味では外資導入になるわけであります。また新しい技術を使つてできました製品がどんどん海外に輸出され、輸出代金という形で外貨が入つて来るということも当然期待し得るわけであります。そういつた意味でまず第一にこの技術援助契約外資委員会認可を要する外資導入の第一の形となつておるわけであります。これが今度かわりました点を申しますと、従来はたただいま申しましたような、技術援助対価外貨で受取る場合と、円で受取つてそれを海外送金をしないという場合と区別いたしませんで、すべての場合技術援助契約について外資委員会認可がいるということになつてつたのでありますが、今回はこの点を改めまして、技術援助契約対価海外送金したいという希望があります場合にだけ、外資委員会認可がいるということにいたしたのであります。それともう一つは、従来は技術援助契約條項の一部分に変更があつたという場合には、條項の一部の変更だけについて外資委員会認可を得るという道はなく、変更されました場合は、全体をやり直して認可申請しなければならないということになつておりましたが、これは外国投資家にいたずらに不便な手続を課するということに相なりまするので、今度の改正におきましては、変更されました條項だけについて認可申請を受け得る道を開いたわけであります。  それから第二の外資導入の形として重要なものとして、株式持分取得がありますが、これに関する規定が十一條にあります。この十一條で、従来株式取得についてどういう場合に認可がいるかということは、先ほど認可基準のところで御説明いたしたのでありますが、新株旧株にわけまして、いわゆる旧株につきましては配当金海外裏金保証を希望する場合といなとを問わず、すべて認可がいる。そしてその場合には、従来はただ普通の、日本でかせぎました円では取得できない。外貨または外貨相当物、そういつた裏づけのある資金でなければならない、こういうことになつてつたわけであります。これに反して新株の場合には、上に書いてありますように、送金保証を希望しないという場合には届出だけでよろしい。それからもう一つ、従来は外国投資家間の相互讓渡の場合には、やはり原則として認可がいるのであるけれども、送金保証を要望しない場合には届出だけでよろしい、こういうことになつてつたわけであります。この点は今度の改正でも実質的には大してかわつておらないのでありまして、下の欄におきまして、新株につきましては送金保証を希望しない場合には事後の届出を要するが、認可申請はいらないということになつております。今度新しく第三号を設けまして、こういつた認可だとか届出を全然必要としない場合を、一から十一まで列挙いたしたのであります。これは三十ページの下の欄の第三項に規定してございますが、そのうちの第一号は、外国投資家が他の外国投資家から讓り受ける場合、これは全然認可がいらないということになつたのであります。それから株式持分相続遺贈合併によつて取得する場合、これもまた二号、三号によつていらないということにいたしたのであります。それから四号の方は、これは持つております株式を発行しておる日本側会社合併されまして、そして新しく設立されます会社の株が割当てられた、こういう場合には、実質的には元の株の継続と見てさしつかえございませんので、こういつた株式の取得には認可はいらない。それから五号は準備金資本組入れによつて新しく発行される株式、これも認可はいらない。六号は最近よくありますいわゆる無償交付の株でありまして、再評価積立金資本組入れによつて発行されるもの、これも前に持つております株に当然の権利として割当てられる新株でありますので、別段認可を要しない。それから第七号は株式の分割、併合の場合、これも実質的には前の株と同一性を持つておりますので、認可はいらない。それから利益配当のために発行される株、これも第八号におきまして、前の株式果実として当然ふくらんで来るものでありますから、いまさら拒否もできませんので、認可はいらないということにいたしたのであります。それから第九号は、転換株式転換社債、これは形がかわるだけでありますから前と同じでありまして、いらない。第十号は連合国財産である株式の回復に関する政令ドイツ財産管理令連合国財産返還等に関する政令云々ということでありますが、これも戰争前の状態に復せしむべく当然渡される株でありますので、そういつた株外国投資家取得いたします場合には認可がいらないということにいたしたのであります。最後に「その他政令で定める場合」というのがございますが、これは将来どういう場合が出て来るかわかりませんので、当然認可をはずしていいと考えられます場合は、政令規定いたしたいと考えておるのであります。株式取得につきましてどういう場合に認可がいるか、どういう場合は認可かいらないかということは以上御説明申し上げた通りであります。  それから第十二條は今度新しく入つた條文で、これは受益証券取得について規定いたしておるのであります。御承知のように昨年投資信託という制度ができまして、受益証券が非常に盛んに発行されておるのでありますが、この投資信託制度は諸外国においても相当普及しておるようでありますので、今後外国投資家がこれに対する投員をいたそうという意欲が出て参ることは当然予想されるわけであります。従来の法律によりますと、これに投資いたしましても、元本だとか果実につきまして送金保証をするという制成が全然なかつたわけでありますけれども、今度新しくこの外資法規定いたしまして株式同様、果実元本について送金保証をなし得る道を開いたのでございます。従いまして外資委員会認可を要する受益証券取得は、果実なり元本回收金海外送金を希望する場合に限つておるわけであります。そして受益証券について外人相互間で讓渡が行われる場合、あるいは相続遺贈合併の場合にやはり認可がいらないという点は株式同様でありまして、十二條の二項はそのことを規定いたしたのであります。  それから第三の形態といたしまして、社債または貸付金債権取得というのがございまして、これがやはり従来の規定相当大きくかわつた一つの点でございます。従来單純に資金貸付を行う、あるいは社債に応募するといつた形の投資は、どういつた場合に外資委員会認可を要するかと申しますと、三十六ページの上欄にありますように、そういつたものに対する投資外資委員会認可を要する他の事項とともに行われるときには外資委員会認可を要する。つまり外国のある会社日本会社に対して技術援助を行う、あるいは日本会社の経営に参加するために株式一定割合取得する、それと同時にその会社に対して貸付金を行う、こういつた場合にはその貸付金について外資委員会認可かいる。そして後の條文に出て参りますところによつて、その貸付金については元利金海外送金保証される。従いましてこの外資委員会認可を要する他の事項と同時に行われないで、單独貸付金だけを行うというような場合には、外資委員会認可がいらない。しかし認可はいらないけれども、元利金送金保証を受ける道がなかつた、こういう不都合があつたのであります。この点の不都合を除きますために、今回の改正では、外資委員会認可を要する他の事項と同時に行う場合であろうがなかろうが、元本なり利子の海外送金を希望する場合には、たとい單独の場合であつて外資委員会認可を要する、そうして外資委員会認可すれば元利金保証される、こういう形にいたしたのであります。但し一年未満の、ごく短期のものでありますとか、あるいは短期国際商業取引の決済のために生じますような貸付金につきましては、これは外貨送金保証ということを行います実益もあまりありませんので、そういつたものは認可がいらないということにいたしたのであります。またこれらの債権増資合併によつて取得する場合、あるいは外人相互間に讓渡が行われる場合には認可がいらないという点は、株式受益証券の場合と同様であります。大体技術援助契約、それから株式取得、それから受益証券、それから社債貸付金債権、この四つの形の外資導入につきまして、どういう場合に外資委員会認可がいる、どういう場合に外資委員会認可が不要であるという点を、一応御説明したわけであります。  第十三條の二以下は多少ほかの事柄になりますので、この辺で一応打切りまして、また後ほど説明を継続いたしたいと思います。     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  4. 前田正男

    前田委員長 次に、去る八日本委員会に付託になりました国土総合開発法の一部を改正する法律案議題といたします。まず政府提案理由説明を求めます。周東国務大臣
  5. 周東英雄

    周東国務大臣 ただいま議題となりました国土統合開発法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  講和條約の締結後におきまして、わが国の経済自立を達成するためには、電源開発食糧増産、未利用林開発及び災害防除対策確立等国土総合開発事業の推進が、焦眉の急務となつておりますることは、御承知通りでおります。  これがために、一昨年の五月二十六日に国土総合開発法が公布され、中央、地方を打つて一丸とした総合開発計画の立案とその審議の体制を整備する上に、大きな役割を果して来たのでありますが、同法は計画組織法でありまして、実施上の措置につきましては、特定地域の関発について国の経費負担及び補助の特例に関する規定があるのみであります。  特定地域につきましては、昨年の十二月四日に地域指定が行われ、しかも一方、これら特定地域内の重要河川の総合開発計画は、今や国をあげての要望となつている際、国土総合開発計画を実施に移すための諸般の措置を講じまするととも、当該計画を調査審議する国土総合開発審議会の組織及び所掌事務を擴充強化して、国土総合開発計画を促進し、もつて社会福祉の向上に貢献したいと存ずる次第であります。これが本改正法律案提出した理由であります。  以下、本改正法律案内容につきましてその大要を御説明申し上げます。  第一に、国土総合開発計画を国の行政に移す手続が現行法には何ら規定されていないので、本改正法律案におきましては、特に国家的要請の強い特定地域総合開発計画を閣議決定するとともに、これに必要な予算の計上及び資金の確保に努めることといたしたのであります。さらに、都府県、地方の各総合開発計画につきましても、都府県がその年度計画を作成して提出した場合には、これに必要な調整を加えて、行政に反映せしめる措置をとつたのであります。  第二に、国土総合開発審議会の組織及び所掌事務を擴充強化したことであります。従来国土総合開発審議会の委員には衆参両院の議員は入つていなかつたのでありますが、本改正法律案においては、これを委員として任命することといたしまして、審議会の組織を強化するとともに、その所掌事務につきましても、国土総合開発計画の調査審議にとどまらず、その実施に関して必要な事項についても調査審議することといたしまして、国土総合開発計画の実施の促進をはかることといたしたのであります。  第三に、国土総合開発計画は、強度の総合性を確保する必要があり、そのためには、計画段階における調整のみならず、実施段階における調整も欠くことができないのでありまして、このために特定地域総合開発計画のみならず、その他の国土総合開発計画についても、新たにこれが実施の調整規定を設けた次第であります。  第四に、各種の国土総合開発計画を総合的に進めて行くためには、これらの各計画全体についての基本となるべきものが必要なのでありますが、本改正法律案におきましては、全国総合開発計画を内閣総理大臣が作成した場合には、これを国土総合開発計画の基本とする旨の規定を設け、これによりまして、当該各計画を一貫した方針の下に推進して行くことといたしたのであります。もちろんこれにつきましては、全国総合開発計画が作成されてから他の計画が作成されるということではなく、都府県、地方、特定地域の各総合開発計画と全国総合開発計画とは、相互に関連しつつ、策定または修正されて行くべきものであると考えております。  第五に、国土総合開発計画を進めて行きますためには、当該計画の作成及び調整のための調査は絶対に必要なのであります、これにつきましては、都府県が当該諸計画を作成する場合における調査費の補助規定を設けるとともに、一方政府といたしては、各省の調査が重複することのないよう、これを調整することとしたのであります。  以上本改正法律案の大要につきまして御説明申上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに賛成せられんことをお願い申上げます。
  6. 前田正男

    前田委員長 次に補足説明を求めます。今井田政府委員。
  7. 今井田研二郎

    ○今井田政府委員 国土総合開発法の一部改正法律案内容につきまして、私から補足的に御説明を申し上げたいと思います。  お手元に国土総合開発法の一部を改正する法律案内容説明という書類が差上げてありますので、大体の要旨はその方に書いてございますが、なお私から補足的に各條につきまして、改正の要点を御説明申し上げたいと思います。  全体の構成といたしまして、従来は章別及び章名の記載が法案の中になかつたのでございますが、今次の改正によりまして、見出しをつけ、あるいは章名をつけるというふうなぐあいにいたしまして、全体を見よく、わかりやすいように構成をかえてございます。この点が第一の改正点であります。以下各條につきまして御説明を若干加えたいのでありますが、おもなる点だけ申し上げます。  その第一は、第六條であります。第六條の国土総合開発審議会の組織と機能を変更した点であります。御承知のように、従来の国土総合開発審議会の委員の構成は、三十名でございまして、そのうちには学識経験者及び関係各行政機関の職員と、地方公共団体の長の一、二名を含んでおりまして、衆参両院の議員は、その構成のうちには入つておらなかつたのでございます。ところが今回の改正によりまして、委員の数を三十名から四十五名に増加いたしまして、うち十五名を衆参両院の議員に充てる。衆議院から九名、参議院から六名の委員を新たに総理大臣が任命するというふうな関係変更したのであります。この変更をいたしましたおもなる理由は、総合開発審議会が、従来主として審議いたします内容は、計画の審議にとどまつておりまして、計画の実施の面には触れていなかつたのでございますが、総合開発事務を進めて参ります上におきまして、ただ單に計画の審議だけでは足りない。計画の実施の促進に対しましても、審議会としてある程度の役割を果していただきませんと、総合開発計画の円滑なる遂行ができないというふうな段階に立至つて参りました。そこで衆参両院から、今申し上げましたように、十五名の委員の参加を得まして、これによりまして主としてでき上りました計画の実施を促進するような御努力をお願いするというふうな点を、おもなる理由にいたしまして、衆参両院の議員を十五名新たに参加していただくというふうな規定にいたしたのであります。すなわち審議会の機能が擴充されましたので、これに伴いまして、所要の構成の変更をいたしたというふうな関係になつておるのであります。  その次に第六條第五項で、特別委員を設けることができる、特別委員には「学識経験を有する者及びその他適当と認める者のうちから、総理大臣が任命する。」ということを規定してございますが、これは第六條の二に、国土総合開発審議会に特別委員会というものを設けますと関係上、その特別委員会の特別委員たるべき者の一部をあらかじめ総理大臣が任命するという関係で、この規定を置いたわけであります。この六條の二の特別委員会と申しますのは、国土総合開発審議会の下部機構でありまして、その審議会のうちに、第六條の二にございますように、特に重要と認める河川を含む特定地域又はその他の特定地域に対しまして、委員会を特別に置きまして、そこで審議をしていただくというふうなものであります。これはここにありますように、特定地域のうちでも「特に重要と認める河川を含む特定地域又はその他の特定地域、」これらの地域につきまして、特別の調査審議をする。しかも通常の委員のみでは不十分でありまして、特にその地域の事情に通暁しておる方、あるいは特別の専門家、そういうふうな方々は、先ほども申し上げましたように、特別委員といたしまして、あらかじめ総理大臣の任命を得まして、それらの方々をもつて構成いたします特別委員会によりまして、それらの地域の問題につきまして審議を願うというふうな形をとつておるのであります。これも今次の改正によりまして、総合開発審議会の内容あるいは構成等につきまして、変更をいたしました重要なる事項一つであります。  その次に第三章の第七條でありますが、今次改正におきまして、全国総合開発計画の作成を内閣総理大臣の義務といたしますと同時に、第二項におきまして、全国総合開発というものの性格を明らかにしたというのが、改正の点でございます。御承知のように現行法におきましては、全国総合計画というものは、国がつくるのだということだけをうたつてありまして、いつ、だれが、どのような方法で、いかなるものをつくるかというふうなことにつきましては、まつた規定が欠除しておつたのであります。ところが総合開発計画をだんだん進めて参ります上におきまして、地方計画なり、あるいは府県計画なり、あるいは特定地域計画なりの相互関係を、統一ある関係におきまして調整いたしたり、あるいは計画自体の適否を判断いたします場合におきまして、全国的な視野に立ちました場合の一つ基準というものがありませんと、これらの判定も非常に困難になりますので、どうしても全国総合開発計画というふうな有権的な一つ基準がなければいかぬというような必要も感ぜられましたので、そこで今回新たに総理大臣が各行政機関の長の意見を聞きまして、特別の総合開発計画を作成しなければならないというように規定したのであります。しかもそのつくられますものは、第二項にございますように、特定地域総合開発計画、地方総合開発計画あるいは都府県総合開発計画の基本となるものである、すなわちこれらの計画の基本となる性格を持つものであるというふうに規定いたしております。全国総合開発計画はそれ自体実施計画にあらずして、他の計画の基本となるものであるということを、ここにおいてはつきり規定したのであります。ただこの條文規定あたりまして、いろいろ意見が出まして、こういうふうな基本となるべき計画ができなければ、地方計画、特定地域計画あるいは都府県計画というものができないというようなことでは困る。全国計画の作成に手間どつて、他の計画の決定が遅延するようなことでは非常に困るというような意見がございましたので、第二項の第一行目にございますように、全国総合開発計画は、前項の規定により作成された場合においては、これを各計画の基本とするというふうに規定いたしまして、万一全国総合開発計画ができないというような場合には、他の計画はこれに準拠しなくてもよろしい、これができた場合のみ準拠すればよろしいというように規定いたしたのであります。蛇足でございますが、われわれといたしましては、なるべく早く全国総合開発計画というものをつくる、おそくも今年度の下期にはつくりまして、計画の統一性を保持したいと考えまして、準備いたしておる次第であります。  次に改正いたしましたおもなる点は、第十條の特定地域総合開発計画に開発目標を新たに加えた規定をするというような関係にいたしたことでございます。従来、特定地域の指定にあたりましては、御承知のように、單に地域指定のみ行いまして、その地域におきましていかなる事業、いかなる計画が作成されることを国として意図したかということにつきましては、何らこれを規定いたしておらなかつたのであります。ただ地域指定を行つてつたにすぎないのであります。これでは何がゆえにその地域の指定を行つたかという理由につきましても明白でございませんし、またその地域におきまして、いかなる事業計画に重点を置くかという国の意思も明瞭でございませんので、地方で特定地域計画をつくります際にも、非常に困難を感ぜられることでもありますので、今回の改正によりまして、特定地域を指定いたします際には、同時にその地域に対しまして目標となるべき事項を指示いたしまして、計画作成上の参考といいますか、計画作成上の便宜に資したいというふうに改正を行つたのであります。これによりまして、とかく従来散慢になりがちでありましたところの特定地域の総合開発計画も、きわめて重点的に遂行されることに相なるのではなかろうかというふうに考えておるのであります。一つの地域の開発計画をつくります際には、あれもこれもということでありましたのでは、とても実施に手間どりますので、なるべく開発目標というものは重点的にしぼりまして、計画の簡素化をはかりまして、当該地域の最も必要な事項についてのみ、早く総合開発計画の成果を実現いたしたいというのが、この開発目標を指示いたした理由であります。  その次に、第十條の二におきまして、特定地域総合開発計画の決定という條項を新たに追加いたしました。現行法におきましては、御承知のように、総合開発計画が地方から提出されまして、内閣総理大臣がこれを審議会に諮問いたしまして、審議会の報告、勧告がありました際には、それに基きまして、必要なる勧告を地方に対して出すという関係規定しておるのにとどまりまして、その完成されました計画を行政の上に反映し、あるいは国としてこれをどう取扱うかというふうな関係は、まつた規定してなかつたのであります。従いまして政府としては、でき上りました計画をただ單に参考案といたしまして、これを机のひきだしに入れてしまうというようなことをいたしましても、何ら法的な拘束はなかつたのでありますが、これではせつかく国をあげてつくりました総合開発計画も、いたずらに机上計画となつてしまうおそれもございますので、今次の改正におきましては、総合開発計画をいかにして行政の上にのりうつらせるべきかという関係規定を、最も重点的に改正することを意図いたしまして、以下十二條、十三條におきまして規定したのでありますが、その一連の規定の第一としまして、第十條の二があるわけであります。すなわち特定地域総合開発計画というものは、今後地方から提出されまして、審議会がそれを審議しました場合には、これを国として閣議で決定いたしまして、国の行政方針にするということといたしたのが、第十條の二の規定であります。すなわち当該地域としまして、その計画が開発目標に照しましていいか悪いかということを判定いたしまして、国の行政方針にするということをいたすことにいたしたのであります。これに対しまして、第十二條におきましては、この全体計画としての特定地域計画をさらにくだきまして、年度計画として国が取上げるという関係規定しておるのであります。関係各行政機関の長は、第十條の二において、行政方針としてきめられました特定地域の総合開発計画につきまして、それぞれ次年度の実施計画たる事業計画をつくりまして、それを安定本部総務長官に提出しなければならないというふうな年度計画の作成義務を、関係各行政機関の長に対しまして與えたのであります。そうしてこの規定の第三項におきまして、安定本部総務長官は、各省から提出されました年度計画を調整いたしまして、一応最終的な姿におきますところの、翌年度の特定地域総合開発計画の事業計画をつくる。そうして第十三條におきまして、このつくられました計画に対しましては、国は財政の許す範囲におきまして、予算を計上し、あるいはこれに必要な資金の確保をはからなければならぬというふうな関係を加えまして、これら一連の規定によりまして、従来行政にのりうつりませんでした総合開発計画が、まつたく国の行政の上に移り得るような規定を設けることにいたしまして、総合開発計画の成果を確保することにいたしたというのが、今次改正の最大のねらいになつておるわけであります。先ほど御来説明いたしましたように、今度の改正は特定地域をおもなる対象として取上げておるのであります。御承知のように、特定地域は国民経済に非常に強度な関連を持つておるという意味合いからいたしまして、国が特に指定した地域でもありますし、その地域の計画が遂行されるとされないとは、国としても非常に責任を持つておる地域でありますので、まず第一に特定地域につきまして、完全なる総合開発の成果を果したいというのが、国の現在の総合開発に対する態度であります。今次の改正におきましても、そのような観点からいたしまして、むろん地の都府県計画なり、地方計画につきましても重点を置いておるのでありますけれども、それ以上に特定地域計画に対しまして大きな重点を置きまして、主として特定地域計画の遂行が確保されますような規定をたくさん盛り込んである次第であります。従いまして、今次改正の重点は、特定地域総合開発計画の遂行に重点を置いたということもいえると思います。しかしながら、むろん都府県計画につきましても等閑視したわけではないのでありまして、たとえば第十二條二項にありますように、都府県も年度計画はつくるのであつて、つくつた場合には、これを関係行政機関の長及び安本長官に出さなければならぬ。従いましてこれらの行政機関は、これを受理する義務がある。そうしてこれに対しまして、第三項によりまして必要な調整を加える、調整を加えました以上、これにつきまして国が予算を計上する道義的責任があることは明白な事実でありますので、第十三條にその関係は明記はしてございませんけれども、当然調整しました都府県計画につきましての予算計上につきまして努力すべきことは言うまでもないことであります。  第十三條の二は特定地域総合開発計画に関する調整の関係規定しております。一旦きまりました特定地域総合開発計画も、だんだん実施して参りますと、やむを得ない事情によりまして、その計画の円滑な実施に支障を及ぼすようなおそれがある処分や、あるいは事業を行わなければならないような関係が起つて来るかと思うのであります。この場合、それぞれその事業を所管しております関係行政機関の長は、総理大臣に対しまして本来の計画との調整を要請しなければいけない。むろん本條文には限界があるのでありまして、元の計画を変更するようなものがありました場合には、計画変更としての手続をいたすのでありまして、計画の変更に至らない程度の調整の必要があります場合には、総理大臣に関係各省が以上のようなことを要請いたしまして、その間の調整をはかるようなふうにするというような関係が、十三條の二の規定の趣旨でありますが、これによりまして特定地域総合開発計画というものの有権性を確保するというための配慮が拂われておるのであります。  第十三條の三の、総合開発計画の実施に関する勧告の規定でありますが、これは年度計画としての実施計画を実施して参ります場合におきましても、なおかつ事業の進度なり、あるいはその規模等につきまして調整を必要とするような場合が起ろうかと思うのでありますが、さような場合には、経済安定本部総務長官は、関係行政機関の長に対しまして必要な勧告をなし得るという権限を留保してありますのが、第十三條の三であります。  以上大体今次の改正におきまして意図いたしましたものの要点を申し上げたのでありますが、繰返して申し上げますように、今度の改正で最も重点を置きましたのは、従来の規定、すなわち現行法において欠除しているところを補完した計画を、いかにして行政の上に反映させるべきかというような規定を盛り込むことにあつたのでありまして、総合開発法といたしましては、まだこれでは不足な面があるのであります。と申しますのは、実施上の隘路につきましてこれを解決するような権限なり、あるいは補助策なりを講ずべき必要がまだ考えられるのでありますが、それらの改正は後日に讓りまして、今日の段階におきましては、今申し上げましたように、完成されました計画をいかにして行政の上に反映せしめるかというような点に重点を置きまして、今次の改正案を作成した次第であります。  大体要点は以上の通りであります。     —————————————
  8. 前田正男

    前田委員長 これよりさきに補足説明を聴取いたしました外資に関する法律の一部を改正する法律案議題といたし、質疑に入ります。質疑の通告がありますから、順次これを許します。
  9. 横田甚太郎

    ○横田委員 その前に議事進行について……。
  10. 前田正男

    前田委員長 それでは質疑を少し待ちまして、横田君。
  11. 横田甚太郎

    ○横田委員 審議日程表というものをもらいましたが、これに不服なんです。これで見ますと、第一日数が少いということです。少いということはあとで聞きます。国土総合開発法というものは、五月一日までにどうして上げねばいけないのですか。もし上げねばいけないということを公に言つたのではないというような、自由党のいつもの卑怯な逃げ口上を言うならばなお聞いたんですが、そういうようなことに根拠があるかないかということを承りたい。
  12. 前田正男

    前田委員長 その問題は私の方といたしましては、政府から五月一日施行という法案が出ておるわけでありますから、いずれ質疑のときに政府に御質問願うことにいたしまして、本日の理事会におきましては、一応そういう日程でやつてみようじやないかという申合せをしたわけであります。しかし申合せでありますから、また理事会の了解を得れば、日程の変更はできないことはありません。
  13. 横田甚太郎

    ○横田委員 それじやもう一ぺん確かめておきますが、審議をやつてみようかということでやりかけたのですね。これで押し切るつもりはないのですね。
  14. 前田正男

    前田委員長 お答えいたします。こういうことでやろうということで理事会に諮りまして、結局それは理事会の申合せ事項になつておりますから、その申合せを変更するには理事会の了解を得なければならぬことになります。
  15. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは、その点については理事会でどんなことを決議しても、こつちは責任がない、反対だという意思表示をはつきりしておきます。大体これで見ますと、国土総合開発法の審議日数は三日しかないでしよう。外資法なんかも非常に重要な法案であるにもかかわらず、三日しかないでしよう。国土総合開発法の場合には、十六日、十七日、二十二日、二十三日は討論で、外資法のときは十六日、十九日、二十二日の三日間になつておりますが、従来三時ごろに発言がまわつて来て、五時ごろに打切らなければならないという情ない実情なんですから、野党としてはもつと時間を十分とつてもらいたい。野党でも理事会に参加した人もあるのだから、そんな野党のことは知りませんけれども、共産党としては反対なんです。要は国土総合開発法審議には十分な時間をとつて、まじめにやれないか。今になつて五月一日にあげるがために時間がないというような、おかしな役人根性を出して答弁するならば、五月一日は今年の正月の一日の日から来るということがわかつているんだよと言い返したい。もつと早くなぜ出さないのか。これでは根性が腐つているのではないですか。そんな点について、理事会なんかについては私反対であるということをはつきり意思表示しておきます。従いまして、自由党として、反対側から十分聞かなければならない内容のものであるならば、質疑時間を延ばすということを、大体考慮に入れておいてもらいたい。そのことだけはつきり要求しておきます。
  16. 前田正男

    前田委員長 ただいまの御発言は理事会の申合せ事項関係がありますから、理事の各位とよく御相談いたします。
  17. 横田甚太郎

    ○横田委員 そんならこれから共産党も公然と入れるようにしてもらいたい。これはもちろん議運の関係云々もあります。しかしこんな時には自由党に都合のいい解釈で、定足数の場合には数不足の場合でもたくさんおるように言えるわけだ。だから、そういう意味において、理事会にわれわれも入れるように確約したいのですが、これを理事会ではつきり確約してもらわなければ、公然性がないからおれはいやだ。
  18. 前田正男

    前田委員長 その点は議運で理事の人数の割振りについてはきまつているのですから、正式に理事になつていないということになりますと、理事会の申合せでいろいろと問題がある思いますけれども、なるべく皆さんの御意見を理事会に諮るようにしたいと思つております。
  19. 横田甚太郎

    ○横田委員 なまいきに人数の関係を云々しますけれども、私たちが当選して来たときには、公然と理事を共産党からも出しておつた。ところが、自由党はアメリカの言うことを聞いて、共産党議員を追放した。しかし共産党は自由党の人のように殺人をやつた者はいない。自由党の議員は裁判になつているじやないか。だから、君の方はむしろ共産党の追放した人を一番先に追放解除して迎えなければいかぬ。そうすれば治安費がいらなくなつて来る。だから、そういう意味において、法規上いかぬというのであれば、自由党には慣例という便宜なものがあるのだから、慣例の前例とかにおいて、経済安定委員会においては共産党を理事会に率先して呼びに来るようにしてもらいたい。
  20. 前田正男

    前田委員長 この問題は何といいましても、議運の理事の配分の問題ですから、議運にお願いすることにいたしますが、しかし当委員会理事会へ御出席願うことにはさしつかえないと思いますから、御出席いただいてけつこうだと思います。
  21. 横田甚太郎

    ○横田委員 そんな出席してもらうことはけつこうだということではだめだ。私のところは初めからはつきり入つてつた。それを議運でやめさした。だから、共産党抜きの理事会でおきめになりましても、共産党は懲罰動議を出して、除名処分をされない限り、議席のある限り反対しますよ。その点だけ申しておきます。
  22. 前田正男

    前田委員長 それは何といいましても、当委員会の問題を離れまして……。
  23. 横田甚太郎

    ○横田委員 だから、当委員会には慣例があるじやないか。
  24. 前田正男

    前田委員長 それは当委員会に御出席願つて御発言願いたいと思います。御意見は尊重するように理事会に諮ることにいたします。
  25. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは理事会においては今まで通りだし、何も聞いていない。その点きようはごたごたしていることは認めるだろう。認めるんだつたら、こういうようなことのないように何とか善後策があるかどうか聞いておきます。
  26. 前田正男

    前田委員長 なるべく今の御意見は皆さんにお諮りすることにしておきたいと思います。  それでは質疑に入ります。志田義信君。
  27. 志田義信

    ○志田委員 大臣がいなくなつたあとでありますから、外資に関する法律の一部改正法律案につきまして、技術的な点だけを聞いておきたいと思います。あとは大臣の出席の機会にお尋ね申し上げてみたいと思います。  大体外資を入れるということは、日本の信用を増大せなければ外資が入らないことは申すまでもないのでありますが、戰前におきましても、民間投資がかなり多く日本に入つた理由は、やはり外債支拂い等に対して日本が誠実であり、きわめてまじめであつたことが、外国の信用を得る理由の重大な一つになつてつたと思うのでありますけれどもこういう外資法改正によりまして、收益海外送金保証の道や、あるいは認可事項改正だけで、外資が入るものとはわれわれは考えられないのであります。日本の信用を増大する外債の支拂いに対しましてお考えを持つておられるかどうか、その点をひとつお尋ねしておきたいと思います。
  28. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 お答えいたします。日本がこれまでに外債をデイフオールトしたことがないということはまことに輝かしい歴史であることはお説の通りでございまして、不幸にして戰争が起りました結果、旧外債につきまして、元本の期限が到来いたしましたもの、あるいは利拂いについてその履行をいたし得なかつたわけでありますが、これは講和も発効いたしまして、正常な国際関係に入ります以上、当然考えらるべき問題でありまして、すでに数年前から吉田総理もたびたびこの外債については考慮するということを内外に宣明されております。事務当局におきましても、その具体的な方法については研究を続けておるわけでございますが、どういつた方法によつて利拂いを再開するか、あるいは元本の期限の到来したものを処分するかというこまかい点につきましては、まだこれをお答えする段階には至つておりません。ただ御承知のように、先般英貨二千万ポンド、米貨二千万ドルをそれぞれイングランド銀行、フェデラル・リザーブ・バンクに預託することにして、日本の誠意のあるところを示したわけでありますが、これは諸外国に対しまして非常にいい反響を與えたものと思います。これによりましても、日本の外債処理についての誠意のあるところは十分理解せられたものと思うわけでありまして、できるだけ早く具体的な方策を決定いたしたいと考えております。
  29. 志田義信

    ○志田委員 預託をしたということは、誠意の片鱗を示したという点では考えられるのでありますけれども、まだ元本は当分どうにもならぬといたしましても、利拂いに対しての方針だけは、相当すみやかにこれをなしておかなければならぬと思うのであります。一体利拂いの滞り高はどのくらいございますか、政府のお調べになつておる内容をお聞きいたしたいと思うのであります。
  30. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 今年の三月末日現在におきまして、未拂い利子の残高は、英貨債、米貨債、仏貨債全部をドルに換算いたしまして一億六千四百万ドルこういう数字になつております。
  31. 志田義信

    ○志田委員 一億六千四百万ドルであるとしますと、利率は何分になつておりますか。それから同時に利率を下げるという問題が一つあるのですが、そういう点も勘案して計算したことはございませんか。
  32. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 ただいまこまかい資料は持ち合せておりませんので、詳細に御説明いたしかねますが、利率は元の契約によります利率でありまして、四分、五分、六分といろいろございますが、その元の契約通りの利率で拂うといたしまして、この金額に上るというわけであります。
  33. 志田義信

    ○志田委員 この利子の未拂いの滞り高はそれだけとわかつて、利子も大体今聞くと四分、五分、六分——平均してどのくらいになるか知りませんが、この利率を相当に切下げられるというようなことも考えていいかどうか、その点をお伺いいたします。
  34. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 先ほども申し上げましたように、この未拂い利子の処理方法をどうするかということにつきましては、ただいま研究中でございまして、それを低利に借りかえるか、あるいは元の契約通りの利拂いをいたしますか、それの期限を延ばすということで参りますか、いろいろ方法は目下検討中でございますので、何とも申し上げかねるのであります。ただこの点につきましては、かつてイタリアが旧債の処理をいたした例がございますが、これはその当時の未拂い残高をたしか三分でありますか、非常に低い利率に借りかえまして、その結果は、私の存じておりますところでは、旧外債の持主の感じといたしましては、あまりこれを喜んでおらなかつたというふうなことを聞いておるのであります。日本がはたしてイタリアと同じ方法をとりますかどうかは、ただいまのところはまだ申し上げかねます。
  35. 志田義信

    ○志田委員 今イタリアの例をおつしやつておりましたが、ニューヨークに外債保有者協会というものがあることは御承知だと思います。そういうところの希望が何か皆さんの方に資料として入つておるものがございましようか、その点わかつてつたら、お知らせ願いたいと思います。
  36. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 私どものところにはまだ入つておりませんが、直接の権限を持つております大蔵省の方にあるいは入つておるかとも存じますので、その方を問い合せまして、もしございましたら、お答えいたします。
  37. 志田義信

    ○志田委員 それから米国が興味を持つて日本投資するというような、投資の対象になるものが何であるかというお調べをあなたの方ではなさつたことがあるかどうか。あればどういうものですか、それをひとつ……。
  38. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 何分にもこの外資導入が軌道に乗りましてから日が浅いのでございまして、外国の様子はよくわかりませんが、日本に対して興味を持つております投資層も、ただいまのところではまだそう広いというふうにも考えられませんので、どういつた日本の事業に対して特に興味を持つておるかという点を、一般的に調査いたしたことはまだありません。ただときどき、これこれの具体的な事業に対して投資を考えたいが、日本はどう思うかというような照会を受けることはございますが、それをもつてアメリカの投資層全般がその事業に対する投資を特に好んでおるというふうにも言いがたいかと考えます。結局のところは、外資導入が軌道に乗りましてから今日までの、実際現われたところによつて御判断を願うよりいたし方ないと思つております。
  39. 志田義信

    ○志田委員 政府としては今一番必要な外資電源開発であるというふうに私たち考えます。その他いろいろな商業採算にマツチするものをつくるために必要とする施設の改良費のようなものもあるだろうし、あるいは造船等にも必要とするだろうと思いますが、これらはいずれも外資を呼ぶ費目の対象になるのでありまして、外資それ自身の魅力にはならないと私たちは思つております。そういう場合に政府として今考えなければならぬことは、民間外資よりも、アメリカならアメリカの政府の金であるというふうに考えられるのであります。そういう点では、政府はさきに七億ドルほど要望しているような事実もあるのでございますけれども、現在におきましてはどのような状態になつておりますか、それをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  40. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 ただいまの御質問は、多少政治的な御質問でもございますので、大臣から御答弁申し上げた方がいいかと思います。
  41. 志田義信

    ○志田委員 それではきわめて技術的なお話を承りたいのですが、技術援助の條件が、戰前に比べて、今日まで来ているものの中で、非常に高いという批判があるのであります。そういうものは皆さんの方では、どういうふうにお調べになつておるか、それをひとつ例をあげてお聞かせ願いたいと思います。
  42. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 技術援助契約は、ただいまのお話の通り、戰争中一時中絶いたしましたのを、今回再開するという例が相当多かつたのであります。そういつた場合には、戰前の契約の條件がどうなつてつたかということを、よく調べて認否を決定するということにいたしておりますが、ただいままでのところでは、戰前よりも不利な條件になつておるというものは、一件もございません。むしろ條件は前よりもよくなつておるというものがあるくらいでありまして、そのほか一般的に考えまして、新しい契約でも、條件が非常に日本会社にとつて負担が過重であると思われますような場合には、認可申請が出ましたあとにおきましても、外資委員会で相談いたしまして、この点をこういうふうに直したらどうかということを、ごく内部的に勧奨いたしまして、そして当事者の再考を求めた結果、條件が当初の契約に比して、著しく日本側に有利になつたというようなケースも二、三あります。
  43. 志田義信

    ○志田委員 戰前に比べて、高いのは一つもないというようなお話ですが、この外資法は一昨年の五月に制定された。これは先ほど御説明になつた通りであります。日本にその後入つて来た第一回の技術援助は、何月に入つておりますか。五月以後技術援助はありませんか、ありますか。
  44. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 外資法ができましたのは、一昨年の五月でありますが、実はその前にも技術援助のケースはあるのでありまして、御承知の昭和二十四年三月に、この前御審議願いました外国人の財産取得に関する政令、いわゆる政令五一号によりまして、技術援助契約を締結いたしました例が、十件ばかりございます。外資法ができましたのが、今申しました一昨年の五月でありまして、その後ずつと毎月技術援助契約を数件認可いたしておりまして、ことしの三月末日までに、合計百三十二件という数字に上つております。
  45. 志田義信

    ○志田委員 あと一、二点ちよつと聞きますが、そのときに、たとえば売上げの一%というような技術援助の形式があります。売り上げの一%というと、これは相当なものであります。利益の何パーセントということはわかるのでありますが、売上げの一%というようなことは、技術援助の條件としては非常に高いということが言えると思うのですが、その点はいかがでありますか。
  46. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 技術援助契約のローヤルテイ、その他の対価の取り方については、今のお話のように、売上げに対して何パーセントという場合もありますし、あるいは売上高について何ドルというような確定金額のきめ方もございますが、お説のような売上げの何割というようなきめ方は、むしろケースとしては例外の方でございまして、投資といたしましては、むしろ株式投資というかつこうで参りまして、その利益に応じて、配当金という形で出て行くのが多いのでありまして、技術援助の場合には、大体原則は販売高の一定割合ということになつておりますが、これはむしろ負担としてはその方がいいわけでありまして、売れなければ拂わない。もつとも契約につきましては、いわゆるミニマス・ローヤルテイと申しまして、現実に生産して販売いたしませんでも、それだけは拂わなければならないというようなケースもございますが、いずれにいたしましても、われわれが技術援助契約認可いたします場合には、この技術導入いたしまして、将来どれだけの生産率が上るか、そしてまたそれがどれだけ輸出され、外貨をどれくらいかせぐかというような資料のみならず、その会社の将来の收支予想を詳しく調べまして、日本側会社がこの契約をしたために、非常に損をする、あるいは立ち行かないというようなことのないように、十分な考慮を拂つた上で認可いたしまして、たとい表面上の料率は高い場合がありましても、それ以上に日本経済全般、あるいはその会社自身にとりましても、将来非常に有益であるという印象を得ました場合において認可する、こういうことにいたしております。
  47. 志田義信

    ○志田委員 私は今のお話は、よく考えなおしてみなければわからぬと思う。一体技術援助というものは、御承知通り二年や三年で收益を上げようとして来るのではないのです。十年なり十五年なりの長期の技術援助になるわけです。そういう場合に売上げの一%——今私が申し上げているのは興銀の調査で、智さんの方の調査ではございませんが、たとえば東芝のゼネラル・エレクトリツクは、売上げの一%をやられて、それではとうていやつて行けないというので、利益の四%に減じている実情がございます。これは御承知ですか。
  48. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 ちよつとその実情は存じませんが、それは戰前でございましようか。最近のケースですか。
  49. 志田義信

    ○志田委員 最近です。日本経済年鑑一九五一年版に載つております。戰後です。
  50. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 東芝が、利益の何割という形でもつて技術援助契約を締結したということは、記憶がございません。
  51. 志田義信

    ○志田委員 それでは住友電気、横浜ゴムというようなものは、これは技術援助の中に入れておるのでございますか。これも同じケースだろうと思います。
  52. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 いずれも入れておりますが、大体販売高の一定割合、あるいは確定金額、このいずれかによつてきまつております。
  53. 志田義信

    ○志田委員 だから売上げの一%というようなやり方は、向うは売れないときのことを考えて——好意的だというようなお話もありましたけれども、この一%ということは相当なものです。だからそういうようなものから考えて来ると、最近の技術援助の條件というものは、戰前よりも安いのだという考え方を皆さんが持つて立案されておると、私たちは大分そこで違つて来るのじやないか、こう思うのです。従つてその点をもう少し具体的にやつていただかなければ困難じやないか、かように思うのでありますが、皆さんの方は、技術援助の條件としては売上高で行く——これもパーセンテージはもちろんありますが、売上高で行くということが、純益で行くよりはいいのだというふうに考えますか。その点をお尋ねいたします。
  54. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 技術援助契約と申しましても、その技術種類が非常に多くございますし、またその技術導入しました結果の、日本経済に及ぼします貢献の度合というようなものも、非常に多岐にわたつておりますので、その方式がどちらがいいかということは、私は厳格にこちらの方がいいということは、結論を出しかねるのではないかと思います。結局その技術が、日本にとつて必要とする度合がどの程度であるか、またそれを入れた結果、日本経済にどの程度利益がもたらされるかということを、ケース・バイ・ケースに判断いたしましてきまるべき問題でありまして、片一方の方式が、片一方よりも必ずすぐれておるということは、結論を出しかねるのではないかというように思つております。
  55. 志田義信

    ○志田委員 これは重要な問題だから、もう一度お尋ねいたします。たとえば機械、工業製品、こういうものの売上げ利潤で行くといたしますと、これは一〇%前後になつておる。そういうような場合で行つたときに、使用料が販売高の五%なり一〇%出すいうようなことの負担を、業界では受けなければならないのですが、そういう場合に製品需要が予想外に少いという結果が出て来るということも考えられるのです。その点はいかがですか。
  56. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 たとい製品の売上げ高に対するローヤルテイが、必ず一〇%というふうにきまつておりましても、それから生じます收益が、非常に会社にとつてあります場合もありますし、またその技術がどうしてもその程度の負担をしのんでも入れた方が、将来の日本のためにいいという場合もあり得ますので、一〇%であるから一概にいけないということは、言えないのではないかと思います。またその一〇%のローヤルテイを負担したがために、その製品の価格が割高になつて、需要が減るというようなことも、ちよつと考えられないのではないかというふうに思つております。
  57. 志田義信

    ○志田委員 もう一つ最後に……。たとえば株式の問題で行くと、株式元本や値上りの收益、あるいは売却代金送金保証ということをやつてくれて、今度これは非常によくなるわけですが、株の買いかえの自由はどうなりますか。株の銘柄をかえて、そうして投資をする。今まではAのものにしてあつたのを、今度はずしてBにかえるというような自由性があるかどうか、その点はどういうふうにあなたの方では認許可しますか。
  58. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 これは先ほど申し上げましたように、第八條に書いてあります認可基準によりまして、従来でありますれば、Aの株に投資しました場合に、Bの株に乘りかえたいという場合には、市場にすでに出ております旧株であります場合には、それができない。Bの株を買うためには、やはり新しく外貨を持つて来なければならぬということになつておりましたが、これは投資家にとつて非常に不便であろうということを考えまして、Aの株を売つた代金でも、一月内に申請して新しい株を買う許認可が得られました場合には、前の株を売つた代金でもつて、Bの株を買うということが認められるようにしようというふうにいたしたのでありまして、ただこの場合には、やはり認可がいるという点については、かわりはないわけでありまして、一旦外貨を持つて来て株を買えば、将来自由に乘りかえられるということではありません。B、C、Dと転々として株をかえます場合に、やはり認可の必要であるという点については、従来の通りでございます。
  59. 志田義信

    ○志田委員 そうすると、自由に買うというわけに行かない、やはり認可を受けなければならないということになりますと、そこに何か日本側でチエツクするようなことも出て来るかと思いますが、その点はいかがですか。
  60. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 ただいま市場で買われております株は、ケースといたしましては、最近累増の傾向にあるのでありますが、それにいたしましても、個々の会社にとつてみますれば、パーセンテージは非常に低いものでございまして、大部分が零コンマ何パーセントといつたようなぐあいでありまして、まだただいまのところでは、その市場株を自由に認めましても、その会社の経営にどうのこうのというような心配はございませんが、これを無制限にいたしましては、まだ日本の株価の現状、それから日本会社の立直りの状況といつたようなことで、危險な場合も予想され得ると思われますので、ただいまのところでは、株式だけにつきましては、認可という制度を残しております。これが唯一の例外でありまして、ただ、ただいまの日本経済の段階におきましては、完全に自由にするということはできないというふうな見方をいたしております。しかしながら、先ほども申しましたように、パーセンテージもまだ非常に低いという状況でありますので、ただいまのところでは、そうやかましいことを言わずに、認可をいたすことになろうかと考えております。
  61. 志田義信

    ○志田委員 最後にちよつとお尋ねしますが、元本の償還が保証されるということは、非常に必要なことで、そうなるということは、これは外資を呼ぶ唯一の方法だろうと思います。もし投資国の、アメリカならアメリカの株を買つている人たちの利潤よりも、日本の方が上ですが、株式なんかについては、平均して今五百ほどの銘柄が、一三%くらいの利率になつております。アメリカでは七分くらいだという話ですから、それからみると非常に多いのですが、その場合、元本送金保証が必要であるということになると、日銀の貸出し利率の変更というようなことによりまして、わが国の市中金利との関係で、問題が非常にあるというようなことは考えられませんかどうですか。市中銀行は九%ですから、それ以上に引上げるというようなことがあり得るかどうか。
  62. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 御質問の意味がちよつとはつきりいたしませんが、株式投資して参ります場合と、それからいわゆる資金的な純粋な貸付といつた形で来る場合と、外資が入つて参ります場合に二色あるわけでありますが、そのあとの方の資金投資につきましては、従来の制度は、外資委員会認可を要する事項とともに行われる場合に限つてつた関係上、ただいままでの実績はそう上つておりませんが、今後はこの制度をかえまして、單独貸付金についても認可し得る。それから送金保証ができる。こういうことになりましたので、今後はぼつぼつふえて来るのじやないかと予想いたしておりますが、御承知のように、金利を比較いたしましても、それから株式の利回りを比較いたしましても、アメリカにおける水準と日本の水準とは相当開きがございまして、日本の方が安いということになつております。安くてもただいままでのところでは、外国投資家はその利率に甘んじて入つて来ておるわけであります。これは元本自体の将来の値上り、株でありますれば、値上りというようなことも織り込んで入つて来ておるので、必ずしも利回りだけを見て投資しておるのではないということが言えるかとも考えております。また従来資金投資で金利が安かつたということも、技術援助などとともに、行われる場合がありまして、それ以外の点でカバーされるというようなこともあつたのではないかというふうに考えております。日本の金利水準が今後上るか下るかはちよつと言明いたしかねますが、これ以上に上れば、だんだん投資をいたします方でも、日本にとつて不利な條件を持つて来るというようなことにもなりかねないとも考えますが……、
  63. 志田義信

    ○志田委員 そうなつた場合に、そういう金利の引上げに耐えるような企業でなければならぬわけですが、今の状態ではそういうことが耐える企業かどうか。こういうことはあまり共産党のいる前では言いたくないことなんですが、安本ではそれでも耐えられる企業であるというふうに見ていられるかどうか。そうなれば、そういう耐えられる企業というものは、アメリカは投資対象としてどういうものを日本に求めておるのか、もしわかつておられれば聞きたい。
  64. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 具体的にどういう投資対象をねらつているかということは、まだ私どもにはわかつておりませんが、かりにそういう條件を持ち出して外資を入れるという具体的な話合いが成立いたしました場合でも、認可をいたします際には、十分注意いたしまして、その外資を入れることのメリツトと、これに伴う日本に不利益な点とをよく比較勘案いたしまして、日本経済に少しでも役立つ場合にだけしか認可しないという方針にはかわりないのであります。
  65. 志田義信

    ○志田委員 参考までにちよつとお尋ねしておきますが、今まで日本の借入金あるいは金利の配当というようなものの合計というものは、貿易外の支拂い総計では、私の手元にあるものによりますと、〇・九%ということになつておるのでありますが、皆さんの方でもやはりそんなふうに見ておられますか。——わからなければ、あとで……。
  66. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 正確なことを申し上げた方がいいと思いますので、もう少し数字をよく検討いたしまして、お答えいたしたいと思います。
  67. 横田甚太郎

    ○横田委員 関連して——日本の今後の不況と言つたら、われわれがかつてに言つているのだと言われますが、とにかくうまく行かないと世間一般にいわれている。そういう現状のもとにおける日本経済の中においても、こういう日本の産業に対しては投資したいというアメリカの考え方と、それからついこの間の新聞にも出ておりましたように、安本の計画以上の日米経済協力下の経済のゆがみ、産業構造のそれ、そういうものの伸び方が計画とは違つておりますね。この現実から出発して聞くのですが、政府は売弁性を隠すために、日本経済に役立つようなものに対しては、外資を入れるとか入れないとかいうことを言つておりますが、日本経済に役立つというのは、一体どんな意味ですか。この問題が食い違つた場合、どういうふうにそれを調整するのですか。安本の計画というのがあつたでしよう。そこへ血のにおいのする日米経済協力という妙なものを言うて来た。そういたしますと、四月六日の朝日新聞にも出ておりましたように、安本が心配するような日本の産業のゆがみになつて来た。私はざまみろと思つているというわけは、こういうふうに日本にわずか残つている良心的な官僚がやつたところの計画に対してさえ、その経済面、産業面においてぐちやぐちやに属国化されて行つているのが日米経済協力だ。いわゆる植民地型、簡單に申しますと、こう言つている。だからアメリカはそういうものに対してはそういうものに対しては金を入れるのです。あなたは、外資法の骨子というものは、日本経済に役立つと言われますが、そこに非常な食い違いが出て来る。その食い違いをどういうふうにして調整して行くのですか。
  68. 賀屋正雄

    賀屋政府委員 私は別段その間に食い違いはないと思うのでありますが、外資法認可をいたします場合に、日本経済に役立つということは、外資に関する法律の第八條にもありますように、国際收支の改善に寄與するとか、あるいは重要産業の発達に寄與する、それが直接であります場合も、間接であります場合も、いろいろあると思いますが、そういう観点から見まして、これは日本経済の将来に役立つということをきめるのでありまして、アメリカが投資いたしますものがこの基準に合わないという場合ももちろんありますが、そういつた場合は、何も外資がほしいから何でもかでも入れるという態度は、日本政府は決してとらないわけであります。日本の将来のために役立つというもののみを入れて行こうという従来の方針には、かわりないのであります。
  69. 横田甚太郎

    ○横田委員 外資がほしいから、何でもかでもそれに追従して入れてもらうという態度をとらない、その態度は非常にけつこうなんです。しかしそれはから念仏と違いますかというんです。それは四月六日の朝日にも、その当日の日経その他各紙にも出ておりますし、あらゆるものに出ております。「重工業、伸び過ぎ、安本見解、産業構造にゆがみ」というので、内容は、帰つてゆつくりとお読みなさい。それがあなた方の心配の種になつているはずだと思う。おそらくこういう形における日米経済協力のもとにおいては、妙な経済構造が発展して行くと思うんです。そのときに、あなた方はあなた方として一つの計画があるのでありまして、その計画の通りに行くのが今後の日本経済に役立つのだと思つておられる。ところが一方に外資を入れてもらいたい自由党の政治家がおりますね。その外資を入れてもらいたい自由党の政治家は、あなたたちが考えるところの日本経済の今後に役立つというような考え方はない。それは端的な面から申しますと、すでに官僚が今の議員を笑つている。今の議員は日本の今後に対しての考えを持つておらずに、選挙が間近に迫つているから、選挙に関する場あたりのような法案審議ばかりやつている。またそれの提出ばかりやつている。こういうふうに議会政治にさえゆがみが出ている。小さいひびですが、それがだんだん大きくなつて来ると思うのです。だから私の言いたいのは、日本の政治家は、外資をもらうことにおい蒋介石のあとをどんどん追つて行く。また外資もそれをねらつて日本を買うために、日本の一部の人に利得を與えつつ、日本経済をゆがめ、日本がどうなつてもいい、アメリカのもうけ、米国人の金として持ち帰りたい。ところがあなた方は法案説明の場合においては、今後の日本経済に役立つというような、良心的なまじめなことを、感心に言われましたから、ごま化されてはいけないから、民族の独立とか、この国の繁栄を願う共産党としては、その点をはつきり聞いておかなければならぬので、あらためて聞いたのです。
  70. 前田正男

    前田委員長 ただいまの点は、いずれ大臣がおいでになりましたときに御質問願うことにいたしまして、本日はこの程度にとどめ、明日午前十時より委員会を開きまして、国土総合開発法の一部を改正する法律案の質疑に入りたいと考えます。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十八分散会会