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1951-11-27 第12回国会 参議院 人事委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十七日(火曜 日)    午前十一時十五分開会   ―――――――――――――   委員の異動 十一月二十六日委員青山正一君辞任に つき、その補欠として團伊能君を議長 において指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     吉田 法晴君    理事            石川 榮一君            杉山 昌作君            千葉  信君    委員            加藤 武徳君            團  伊能君            平井 太郎君            宮田 重文君            小野  哲君            木下 源吾君            森崎  隆君            紅露 みつ君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    内閣官房長官 菅野 義丸君    内閣官房長官 剱木 亨弘君    総理府事務官    (内閣総理大臣    官房審議室長事    務代理)    増子 正宏君    人事院総裁   淺井  清君    人事院事務総長 佐藤 朝生君    人事院事務総局    給 與 局 長 瀧本 忠男君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省主計局給    與課長     岸本  晋君   事務局側    常任委員会専門    員       川島 孝彦君   ―――――――――――――   本日の会議に付した事件 ○一般職職員給與に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○昭和二十六年度における国家公務員  に対する年末手当の額の特例に関す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○国家公務員等に対する退職手当の臨  時措置に関する法律の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○特別職職員給與に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは只今から委員会を開会いたします。
  3. 千葉信

    千葉信君 この際淺井総裁に一つお尋ねしたいと思うのですが、たしか閉会中の九月二十四日の当人事委員会で、淺井総裁はつきりと地域給修正勧告について今度の臨時国会審議に間に合わせるように勧告をするということを公約されたはずでありまするが、もうすでにこの会期もあと残すところ一日というような段階になつてもまだ勧告されませんが、一体はつきりと公約された事実があるのになぜそれを履行されなかつたか、その点をこの際承わりたいと思います。
  4. 淺井清

    政府委員淺井清君) 千葉さんにお答えを申上げますが、九月何日かの委員会のことをお引きになりましたけれども、その席上で私必ず臨時国会に間に合わせるように出すと申しましたことは私は記憶していないのであります。尤も私の記憶違いかも知れませんが、そうまでは申さなかつたつもりで、成るべく早く出したいと考えております。これは今日でもその通りでありますけれども、何分にも今度でもう地域給はすつかり結末を付けたいと思つているのでありまして、そのためにいろいろ研究の余地が残されているものですから、まだ勧告をいたすところに至つておりませんが、これは間もなく勧告をいたしたいと思つております。
  5. 千葉信

    千葉信君 速記録を読上げてもよろしいのですが、併しもうそこまでしなくても、総裁としては十分この問題について深甚なる考慮を加えられていると存じますから、私はこれ以上御質問申上げず一応この際取りやめます。
  6. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ほかに人事院総裁に御質問ございませんか……それでは私から関連しまして一、二お伺いをしたいのでありますが、今の千葉さんの御質問に対してはできるだけ早くということですが、日にちはこれはお答えがないと思いますけれども、例えば通常国会前であるとか、そういつたような大体のお心組みはあると思いますが、どういう機会に勧告せられる御予定であるのか、お心組みであるのか、ついでに承わつておきたいと思います。
  7. 淺井清

    政府委員淺井清君) はつきりといつと申上げることはできないのでありまして、又これを公約なんと思われてはちよつと困りますが、極力急いでおりまするが、私の考えでは通常国会の最初にはできるのではないかと思つております。
  8. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それからもう一つ地域給の問題についてお尋ねしたいと思うのですが、五月勧告では町村のうち字の指定がありましたが、それをあと意見書の中では官署指定に変えられました。政府の案もこの官署指定という線で出て來ているわけですが、そうすると、五月勧告の字の指定の場合には国家官署指定を受けますが、そのなかにありました地方官署はその指定の中には勿論入らんわけです。そうすると五月勧告で字の指定があつて、自分の所は一級乃至二級の地域給をもらえるだろうと期待した地方公務員人事院官署指定では地域給がもらえないわけであります。これは地方官署指定をするかも知れませんが、問題はそうしますと平衡交付金の問題になると思うのですが、地方官署指定が行なわれた場合に平衡交付金関係考慮するということは行なわれると思うのですが、それについて人事院としてどういう態度措置をとられますか。その点をお伺いいたしたいと思います。
  9. 淺井清

    政府委員淺井清君) お尋ねの点は官署指定は勿論国家官庁指定するわけであります。併しながら同時に地方公務員給与はやはり国家公務員の例によつておりまするからして同様な指定が行なわれると思つております。この点につきましてちよつと抜術的な面がありますので、給与局長から補足させますから……。
  10. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 字指定を五月勧告においていたしまして、その字の中にありまするものにつきましては、これはでき得る限りあの勧告の線を生かすということにいたしたいというふうに考えております。尤も併し字指定をいたしますときに我々が考えました官署というものは目標があるわけでございます。こういうものにつきましては勿論国の官署として指定されるわけです。又その字にありまする我々が考えておつたものより別な官署が仮にあるといたしますればそういうものは十分バランスをとつてやるということになろうかと思つております。又地方官署がそういう所にあればこれはどうかとこういう御質問でございますが、大体この点は内閣側にお聞き質し願いたいというように考えるのでありますけれども、大体私が聞いておりますところによりますと、予算措置はあの字指定がありました所はおよそ対象になつて考慮されておるというふうに承知いたしております。
  11. 千葉信

    千葉信君 この前の字指定の場合に仮に若し包含されておる国の官署でない部分がこれはまあ実際上あると思うのです。既得権という問題を相当重視しなければならないけれども、併し今の御答弁によると国の官署でない地方自治体関係官署などに対しても官署指定方法でできるだけ考慮したいということになりますと、これは人事院の仕事の限界を超えての指定ということになると思うのですが、その点はどう解釈しておられますか。
  12. 淺井清

    政府委員淺井清君) 一体人事院限界を超えてということでございまするけれども、そう申しますれば、これは人事院のこの給与法というものは地方公務員関係ないのであります。ただ別に官吏の例に倣つてやるために出て來るのでございますから、これは同じように考えております。なお給与局長から補足させますから……
  13. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 総裁が言われました通りに、地方官署人事院指定するということはございません。
  14. 千葉信

    千葉信君 今の淺井さんの答弁から言いましても、瀧本さんの答弁から言いましても、どうも明確を欠くのですが、先ほどの瀧本さんの答弁では国の官署でない地方官署に対しても指定するということを言われたようですが、今度はそうじやない形になると思うのですが、結局地方公務員関係のほうは人事院の直接の所管ではないという立場から一応切離された方法がとられて、そうして例えばその同一の字なら字に地方官署がある場合にはこれは人事院のほうではなく、政府なら政府のほうで平衡交付金の問題に関連し、或いは地方官庁のほうで、地方自治体のほうで人事院勧告に準じたやり方をするという形に行くのが正しいやり方じやないかと思うのですが、その点はどうですか。
  15. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) お説の通りでございます。
  16. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ちよつと今のに関連してお尋ねするのですが、先ほどお尋ねをしたのは、地方でそういう官署指定が行なわれる、或いは平衡交付金について考慮しなければならんという場合に、人事院としてどういう措置を講ぜられるかということをお尋ねしたわけですが、その点は答弁が抜けておるのですが、どうですか。
  17. 淺井清

    政府委員淺井清君) それは人事院としてはちよつと措置を講じかねるのでございます。これは官署指定の場合のみならず、市を指定いたしましても、何を指定いたしましても、地方公務員給与の問題はこれは人事院所管ではないように思つております。それは内閣若しくは地方自治庁のほうの問題のように考えております。
  18. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 重ねてお尋ねしますが、そうすると地方自治庁のほうで平衡交付金について、これは地財委ですが、五月勧告の中には字指定があつた、それに從つて地方官署指定が行なわれた、平衡交付金で見てもらいたい、こういうとにかく動きがありました場合に人事院としては、あれは五月勧告字指定の中に入つてつたから地方において官署指定を行ない、或いは地財委その他で平衡交付金考慮するということは妥当であるというか、そういう解釈がこれは成り立つと思うのですが、そういう措置はあり得るのか。それからもう何も関係なしに放りつぱなしにされるのか。若干そこに五月勧告責任と申しますか、字指定をされた責任はどういう工合に解決されるのかと、こういう御質問になるわけですが……。
  19. 淺井清

    政府委員淺井清君) その点でございますが、それは只今申上げましたように官署指定の場合だけではございませんので、すべて地方公務員給与につきましては人事院所管外であると、かように申上げたのでございます。
  20. 千葉信

    千葉信君 官房長官お尋ねをいたします。この前の二十四日の委員会平均給というものを考えられて、その基礎がどこにおかれるかという点について、この点については私と官房長官意見はつきり食い違つたようでありまするが、この点の問題は一応抜きにしまして、次に続いてお尋ねしたいことは、若しも官房長官のおつしやるように、例えば四月なら四月とか、十月一日の推定による実給額とか、そういうものを基礎にして平均給与幾ら幾らで、それにプラス千五百円とか、或いは二千円とか、そういう形で平均給与を算出する基礎というものをそのときの実給額に置くということは、これは常に変動し流動しておる基礎の上に立つて給与審議することになるから、この方法はいろいろな矛盾や不合理を含んで來るということを私は主張したわけでありまするが、官房長官のほうでは平均給与考慮するに当つてはやはり実給額基礎とすることが望ましいという御答弁でございました。そこで重ねてこの問題についてお尋ねしたいと思いまする点は、御承知通り国家公務員法の第二十八條によりますと、「俸給表に定める給与を百分の五以上増減する必要が生じたと認められるときは」、「俸給表に定める給与を百分の五以上」、こういう場合には人事院国会並びに政府に対する報告の中で給与の問題に関する勧告を行わなければならない、こういうことになつておりますが、実際問題として政府現行給与を決定しましたときの平均給与というのは、これは引上げられた給与平均給与として七千九百八十一円まで引上げられた、ところが今度の千五百円の引上の場合に私の見解で行けば八千三十三円の平均給与しか予算上なつていないし、又それを基礎としなければならないのに、政府のほうでは今度の引上に当つては十月の推定給与が八千五百六十九円という平均給与になつている、それに千五百円をプラスするのだ、こう言われておりまするが、只今申上げた七千九百八十一円から十月一日の推定給与の八千五百六十九円という平均給与の数字は七分三厘の給与増大というか、引上というか、給与変動しております。そうすると必然的に例えば家族数増大であるとか、或いは地域給等の変更の関係から、俸給表ではなく、給与ベースの中には入つておりまするが、そういう給与が当然の資格條件に応じて殖えて來ておる分が含まれて、七分三厘の給与の増額という自然増加が行われている、官房長官の言われるように、こういう事実から言いますと、そのときの実給額であるとか、実給推定額というようなものを基礎にして給与というものを考えるということになれば、国家公務員法の第二十八條の百分の五以上の増減が必要と認められた場合にはというこの條文解釈が妙な恰好になつて來はしないか、こういう点について官房長官はどうお考えになられますか。
  21. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) その今の国家公務員法の点は人事院勧告の問題でありますから、むしろ人事院総裁からお答えされたほうが條文解釈については正鵠を得るだろうと思います。ただ私の申したいのは、私の考えでは要するに実際のその生計費と今の実際の給与との差といいますか、がどれだけになればどうするか、こういう趣旨じやないかと思つております。給与の基準があつてそれに家族が殖えたとか、或いは昇給したとかいうことによつて俸給額変動考えていないのじやないか、こう思つております。
  22. 千葉信

    千葉信君 問題は国家公務員法の二十八條に関連する問題だから淺井総裁のほうにお聞きになられたほうがよくはないかというお話でありまするが、私は官房長官に特にこの問題についてお尋ねしている理由は、今の政府はややもすると、国家公務員法を感違いしておられる傾向が非常に多いから是非、とも明白にする必要があつてお尋ねしているわけなんです。御承知通り国家公務員に対するいろいろな制限というものが行われている点はかなりあるようですが、併しどの国の場合でも、特にイギリスの場合なんかにおきましては、仲裁裁定の出た場合にはそれに対して予算上の理由なんかを云々しないで、そうして全面的にこれを実施するという慣行が行われている、ひとり日本だけがいつでも、特に今度のように今までの如何なる給与ベース引上の場合等よりももつとひどく差の付いた、人事院勧告と差の付いた給与引上政府のほうでは考えておる、が、前々申上げる問題でありまするが、これは官房長官も御承知のように、公務員諸君いろいろな基本的な権利というものが人事院の創設によつて、若しくは又国家公務員法の改正によつて制約を受けている、そうしてその制約を受けていることが人事院勧告した場合に政府のほうではそれを労使双方において人事院勧告というか、丁度国鉄、専売との場合には仲裁裁定に該当する、こういう勧告を実施するのだという建前をとつてこそ初めて公務員のいろいろな権利を制限したということが合法的になつて來ると思うのです。ところがいつでも政府のほうでは人事院勧告を全面的に実施しようとしない、殊に今度の場合には今までこんなに大きく引上の金額が開いたことがないほど勧告政府法案とは違つているのです。そういうふうに違つているという事実から考えまして、政府のほうではこういう国家公務員法を本当に私が今申上げたような意味において了解されていないのじやないかという疑いがあるものですから、特に私は官房長官にこの問題についてどうしてもお尋ねしなければならないと思うのです。そういう点から言いますと、いろいろな経済情勢変動とか、社会一般情勢変動に適応するように公務員給与を常に適正に考えなければならない立場人事院があると同時に、政府としてもこの国家公務員法の現存する限り、この二十八條によつて行われた勧告に対してはできるだけ從うという態度をとらなければならないと思うのです。而もその国家公務員法の二十八條には、給与の百分の五以上増減する必要を生じたと認められる場合に、五分以上でさえ、五分程度でさえこういう措置が必要だという建前国家公務員法が成立しているのです。而も官房長官が私と対立する意見の中で主張されるように、国家公務員の諸君の家族数増大であるとか、或いは当然の措置であるところの昇給であるとか、或いは又地域給等増大によつて増大して來ている給与の実際の支給額というものを官房長官給与審議するに当つて基礎とされようとする、この点については、この前も私は官房長官にお話申上げたように、官房長官言つておられるような実給額というものを基礎にして給与考えるということになりますと、当然これは変動常でなければならないものだ、この前もお話申上げましたけれども、例えば行政整理によつて高給者がたくさん整理対象になれば、これはもう当然その全体の集結額というものが減るわけなんです。ですから、そういう場合には私が申上げているように、年度の予算額をその人員によつてつて出た予算に組まれている平均給与額というものを基礎にしてこそ、初めて実際上の公務員平均給与額引上げられたということがはつきり確定的な要素として取上げることができると思うのです。そういう考え方から言えば、御承知通りにこれはこの間も大蔵当局から御答弁がありましたように、二十六年度予算の中には八千三十三円しか計上されておらない。年間に八千三十三円の平均給与しか計上されておらないという、こういう事実の上に立つて、確定的な要素の上に立つて初めて公務員給与審議する場合の基礎というものが出て來るのじやないか、こういう点から言いましても、具体的に先ほど申上げたように、七千九百八十一円から現行推定支給額ではもうすでに七分三厘も増大して來ている、そういう増大して來ている推定給額というものを給与の問題を審議する場合の基礎とするということになりますと、当然これは国家公務員法の第二十八條の第二項の百分の五以上という、こういう立法によつたところの基礎というものが崩壊して來るのではないか、この基礎がぐらついて來るのではないか。こういう点について私は官房長官はつきりした御答弁お尋ねしておきたいと思うのです。
  23. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私はやはり、実際に公務員の受取つておる給与額考えなければ、公務員生活が果して実際にどうであるかということは判定ができないと思います。で、大蔵当局も説明いたしますように、予算に計上しておつても補正という手もあるのであつて、実際にこの中から先食いということも例がしばしばあるのです。現行法生計費ということにつきましても今はもう公定相場は殆んどなくなりましたけれども、昔は殆んど公定相場でずつと來ております。併しながら公定相場だけで公務員生活はこれでいいのだというわけにも行きませんから、闇物価の指教ということも参照はすることになると思います。いずれにしても実態生計費幾らであるか、実態俸給幾らであるか、これを見るのが適当であると思います。
  24. 千葉信

    千葉信君 重ねて官房長官お尋ねいたしますが、この間も大蔵当局から御答弁がありましたように、そういう強引な解釈の下に現行実給額というものを基礎にされて法案をお作りになられるために、非常にいろいろな問題が起つて來ておるという事実を私どもは看過することはできないと思います。例えばこの間も御答弁がありましたように、八千三十三円以外の給与については、八千三十三円とそれから八千五百六十九円との間の不足額予算については、給与予算のほかの別なところにそれだけの予算を組んである、こういう御答弁でありました。私はこの御答弁は非常に不思議な答弁だと思うのですが、その御答弁を余り追及することは、明るみに出さなくていいものまで出す結果になり、お困りになるという考慮から私はその問題については追及は取りやめましたけれども、併し事実上そういう御答弁があり、又実際上そういう措置がとられていなければ表面上は一応辻褄が合わないと思うのです。そういうようなやり方までしなければならないという恰好になつて來ておることは、今申上げたように官房長官が実給額というものを基礎にしなければならないしなければならないと主張してそういう方針をとつておられるから、そういう不合理な矛盾に満ちた方針というものがどうしてもとられなければならない。どうして私はこういうやり方政府のほうで一体やるのかということを考えて見ましたが、これはやはり結局政府のほうで非常に低い給与引上しかやらないものですから、それでもなお且つ人事院勧告の方向に近付けて行つたのだという見せかけを行うために、事実上そういう実給額基礎にすればさながら大幅に引上げたかのごとき印象を与えることができるという態度から、こういう実給額というものを主張され、そうしてそういうものを発表されるのだろうと思うのです。併し理論上から言つても、私はこういう実給額というものを基礎にとるべきでない、将來も勿論とるべきではない。特に先ほど申上げましたように、官房長官の言われるように若しも実給額というものを常に基礎におとりになるとすれば、仮に年齢の高い、若しくは給与の多い高給者をたくさん首を切つたりすれば、その首を切つた直後の政府の言う実給額というものはがたんと落ちてしまう。そうなつたら何を基礎にして公務員平均給与というものを考えればいいのか、どうもその基礎が完全に崩壊するということになると思うのです。そういう点から言つても私はこういう実給額というものを平均給与基礎にお考えになるというやり方に対しては、どうしても理窟の点から言つても承服できないと思う。それでもなお且つ官房長官は実給額基礎にするということを主張されるのですか、更に又今後もそういう方針をおとりなるおつもりでありますか、この点を重ねてお伺いいたします。
  25. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それは比較的例がちよつとおかしいのですが、やはり法律上の減税とか実質的の減税というようなものと同じような議論でありまして、つまり実際の俸給表を御覧になれば、例えば十八才でどういう経歴の人が今まで何円取つてつた、それが今度何円になつたということを見て見れば、給与上つたか下つたかわかるのであります。それで今までやつたことであり、今までやつたことは差支ないように私は思います。
  26. 千葉信

    千葉信君 今官房長官がお述べになりました十八才の給与が四千二百円になつたとかいう問題は、そういう問題は單に十八才の基礎になつた……、政府基礎にして、若しくは人事院基礎にしてお考えになつておられるときの給与の問題は、これは單にこの問題だけとしては、私は了解するけれども、了承できない点がたくさんある。それは二級三号だけではなく、国家公務員全体の俸給表の問題になりますと、これは又別な角度からいろいろその倍率の点などについては私異議もあるし、又相当政府のやつたことに対して疑問もある、この点については又あとで項を改めてお尋ねしたいと思います。私の今お尋ねしたいことは、官房長官は将來においても平均給与基礎というものを、こういう国家公務員法建前からはどうも辻褄が合わないが、やはり官房長官としては将來も平均給与基礎としては実給額、絶えず変動し絶えず流動する実給額というものを基礎におとりになるおつもりであるか、この点を私はこの際承わつておきたいと思います。
  27. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 将來永久ということはこれは人間の考え方ですから、ときには変るかもわかりませんが、只今のところ私どもは実際に給与を受けておる額が幾らであるとかいうことを見るのが一番正しいと思つておりますから、特にもつと名案があれば別ですが、併し長所短所はいろいろ標準をとる場合にはあると思いますが、今はこれがいいと思いますので、この方針で行きたいとこう考えております。
  28. 淺井清

    政府委員淺井清君) 私から一言補足いたしますが、最前千葉さんのお尋ねの点は、何か内閣におきまして公務員法二十八條とこの給与ベースという問題に考え違いがあるのじやないかということから始まつておるように思いますが、人事院内閣給与の問題について折衝を随分いたしましたけれども、そういうふうには私ども考えていないのでございます。千葉さんも御承知のように給与べースという言葉はこれは六三ペースの場合に給与法の第一條に明記されたのでありまして、俸給とそのほか三つの給与の総平均、これは千葉さんよく御承知のはずでございます。從いまして、これはものの結果でありまして出発点ではないのでございますから、おつしやる通り時々刻々変動するもので、殊に一人死んでも違うでございましよう。併しこれは大体の給与の高を示す目安でございますから、それを使つておるので、いわば便利だからこれを使つておるばかりでございますから、ベースの文字を使いますことが、何も公務員を特に虐待するというような意味でも何でもないのでございます。  次に公務員法二十八條をお引きになりましたが、これはその給与ベースのうち一番根幹を占めております俸給、その俸給の百分の五以上の増減によつて改めて勧告するということをきめたのでございまして、これ又当然のことでございます。俸給というものがベースの中において占める地位に鑑みて当然の規定でございまするから、ベースという言葉と二十八條とは別に矛盾はないように思つております。
  29. 千葉信

    千葉信君 これを淺井さんと論争することになると相当長くかかると思うのですよ。今の問題については六千三百七円ベースに変更した当時の問題に遡つてこれは糾明しなければならない点だと思うのです。それから又この六三ペースに切換えられるときの人事院態度なり、その後における人事院給与ベース勧告に対する考え方の点についてはこれは非常に大きな問題があると思うのです。人事院が完全に情勢に引きずられて、そうして人事院のそれまでの主張というものをいつの間にかうやむやにしておる点なんかについては、これは非常に大きな問題があると思うのです。併し私は、今この会期の切迫した国会の会期末に、人事院当局に対してその点についての論争は問題の解決に今直ちに寄与する点が少いので、私は一応これは敬遠してもいいと思うのです。併しただこの際淺井総裁はつきりお尋ね申上げておきたいことは、今もあなたがそこでお聞きになつておられるように、それから又あなたの御答弁の中にも含まれているように、大体において流動し変動する実給額基礎にして考えるという状態でございまするから、そこでそういうことになりますと、淺井総裁のほうでは今度の給与ベース勧告されるに当つて一体公務員の今の給与幾らであるという考えの上に立つて勧告されたかどうか。つまり先ほども数字を以て申上げたように、今の実給額は十月一日の推定で八千五百六十九円になつておる。そうすると、これはもう昨年の人事院勧告は実施されなかつたけれども、七千九百八十一円という給与に置き換えられたその時から計算しますと、十月一日で以て七割三分の給与増大ということになつております。その場合に人事院としては、一体この二十八條による百分の五というものをどういうふうにお考えになつて勧告せられたのか、この点を先ずお尋ねしたいと思います。
  30. 淺井清

    政府委員淺井清君) 人事院勧告をいたしまするのは、俸給を百分の五以上動かす必要がありと人事院が認めたときにいたします。これは問題のない点でございます。それからなぜそんな変動絶え間なき給与ベースという言葉を使うかという仰せでございますけれども、これは国会の御制定になりました給与法第一條によつて認められておるものでございますから、我々は誠実にこれを使つてつておる。現行法はこれを除きましたけれども、その観念は別に只今まで反対がなかつたわけでございますから、これを使つて來たわけでございます。なおこれについて、これを使うことの可否についての学理的な御見解につきましては、これは又別の場所で一つ申上げたいと思います。
  31. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ちよつと千葉委員に御注意申上げますけれども官房長官は渉外関係があつて十二時には退席しなければならんという御事情のようですから……。
  32. 千葉信

    千葉信君 又次の項目について官房長官お尋ねすると相当時間がかかると思うのです。それで又この前のように途中で打切られると困りますから、又この次にいたします。
  33. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 三時以降ならば又ちよつと時間があるようでございます。
  34. 森崎隆

    ○森崎隆君 官房長官に一言だけお尋ねいたします。二十二日でございましたか、国鉄の争議の問題で官房長官にいろいろ御意見をお聞きいたし、要望いたしておきましたが、あの問題がたしか二十三日でございましたか無事円満に妥結をいたしたのでありますが、あのときに国鉄総裁とも絶えず連絡をしておると官房長官は申されました。二十二日の御答弁では、御承知通りすでにはつきりしておる問題だから年末手当その他の特別の手当は出さないことになつておるというけんもほろろの御挨拶でございましたが、その直後にあの問題が解決いたしたということは、非常に私といたしましては、二十二日の官房長官の御答弁というものはどうも私には腑に落ちない。もう少し懇切といいますか、丁寧なといいますか、肚を割つたそのときの状況のお話を実は承わりたかつたのでありますが、何か余りそれに対して関係を持たない、ただああいう争議が国民全体に大きな影響を与えるということだけ心配しておるということだけでございましたが、あの御答弁のときにも最後の肚とか何かどいうことにつきましては、国鉄総裁との間に別に何ら打合せもなかつたのですか。全然ああいう妥結がなされるということは夢にも官房長官自体として、政府自体としては知らなかつたと、そういうふうに解釈してよろしうございますか、その点お伺いいたします。
  35. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) ちよつと速記をとめて下さい。
  36. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ちよつと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  37. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記を始めて下さい。
  38. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) お話の点はよくわかりました。十分今後気を付けるようにいたします。
  39. 森崎隆

    ○森崎隆君 淺井総裁ちよつとお聞きいたしますが、いつでございましたか、もう一、二カ月前でございましたか、勧告が出されまして、後にその勧告が……、又私たちは御承知通り組合出身でございますけれども各組合がいろいろなベースの要求の線がございましたのですが、いよいよになれば勧告案を支持しなければならないということで、特に総裁にお願いしたわけなんです。是非とも出した限りにはこの案が実現するように一つ全力を挙げて御盡力を頂きたい、それについてはたしか総裁のほうでもできるだけ一つ頑張つてやりたいというような決意のほども聞いたのでございますが、現状はかくの通りでございます。これまでのそういう努力の跡といいますか、経過といいますか、それを一つお漏らし願いたいと思います。
  40. 淺井清

    政府委員淺井清君) 誠に御尤ものお尋ねでございまするが、若し法律的に申しますれば、人事院勧告だけの権限しか与えられておりません。併しながらいろいろそういう御要望もございまするから、勧告を出しました後におきましても、人事院といたしましては、内閣との間に絶えず折衝をいたしまして勧告の実現に努めておるわけでございます。併しながら我々は決して内閣に対して争議権は持つておらないのでございます。内閣と話合いをいたしまする以上は、お互いにその立場を認めての話合いしか我々としてはできません。即ち内閣といたしましては給与の主務官庁としての人事院立場を認め、又我々も内閣国家財政の責任者である立場を認めての話合いでございまするからして、私は今回の勧告におきましては人事院給与体系は非常によく認められたと思つております。ただ奨励手当については、勿論残る問題は金額でございまするが、これが一番大事なものであると仰せられればそれまでのものでございます。これは私ども内閣国家財政全体の立場を認めて話合いをいたしまする以上は、これは止むを得ないと思つております。
  41. 森崎隆

    ○森崎隆君 非常にまあ意外な御答弁を聞きまして、私どももこれはちよつと人事院に対する考えを改めなきやならんと実は考える次第でございますが、それでは総裁はこの一般職給与に関しまする一部修正のこの法案の提案理由の説明の中に、人事院勧告案を尊重する立場を以てという言葉がございましたが、これはそのまま総裁も了承しておる、尊重されておるという建前に立つておられるのか。
  42. 淺井清

    政府委員淺井清君) これはうつかりお答えをいたしますと、罠にかかることになりますから、分けて申上げます。金額の点につきましては、人事院といたしましては飽くまでも人事院勧告は正しいものだと思つておりまするし、從いましてこの案はそれより低いのでございまするから、これは決して満足はいたしておりません。併しながらどうしても人事院勧告通りつてみろという仰せでございまするが、然らば人事院が如何なる権限によつてこれを取り得るかということに相成つて参ります。又人事院がいつでも人事院勧告を戰い取り得るものならば、国会のお仕事はなくなるだろうと思つております。予算法律と両方の権限を合せ持たれておるものこそ国会でございまするから、国権の最高機関たる国会の御盡力を私からお願いするより仕方がないものと考えております。
  43. 千葉信

    千葉信君 淺井さんのその態度国会審議に影響を考えている……。
  44. 森崎隆

    ○森崎隆君 今のようなお話でしたら或る程度よくわかるのですが、さつきは非常にまあなにしたような御意見でございましたが、まあ私了といたします。そうしてやはりまあ政府の案がこういう人事院勧告を踏みにじつて低劣な案が出ましたが、これはやはり総裁自身といたしましても非常に遺憾であるというお考えであろうと私は思うわけでございまするが、その態度はやはりはつきりと堅持しておられるのですか、その決意だけはつきりお伺いいたしたい。
  45. 淺井清

    政府委員淺井清君) それは仰せまでもございません。ただこの人事院のベースの金額に達しませんことについて不満でございます。併しながらこの給与の体系そのものは今回の勧告におきましては非常によく取入れられておると私は思つております。
  46. 森崎隆

    ○森崎隆君 体系の取入れ方というのはこれはまあいろいろありましようが、これは三〇%を差引いても五〇%差引きましても、人事院勧告案の体系は尊重されたとお喜びになるかどうか、私は大いに疑問だと思うのですね。そういう問題も一つありますが、もう一つは、私はこういう問題をお聞きいたしましたのは、政府の意向がやはり予算面その他で必らずしも人事院勧告が尊重できない建前もあつたろうと思います。そう際やはり最後まで人事院といたしましては、はつきりと自分が出した勧告案には絶対の権威を持ち、信念を持つて何とか徹頭徹尾これは頑張つてもらいたい、それに対して如何なる拘束も受けない、勿論人事院がさつきのように争議権はないから、争議をして政府を屈服させることはできないと同時に、政府も又人事院に対してどうこうという手を打つことはできないというこの儼とした人事院の存在、権威というものは私は信じたいのです。そういう意味の実は決意を聞きたかつたのでございまするが、総裁におかれましては、何か多少まあ一応尊重してもらつたというような考え方に立たれたのを意外に感じたわけでございます。で勧告案を尊重すという問題、いろいろあの中には個々の問題はたくさんございましようが、奨励手当もございましようが、総裁は奨励手当は非常に遺憾であつたが、その他の問題については一応という御発言がございましたが、然らば人事院勧告案を尊重するという中心になるポイントをしぼりにしぼつてつて行きますると、結局このベース体系、そのもの以外には私はないと思うのです。結核休職者の問題、又将励手当の問題、その他いろいろな面がたくさんございましようけれども、このベースそのものをまあ決意されまして、それで人事院勧告案がとにかく技術的に尊重されたから不満ながら満足したという態度は私は非常におかしいと思う。もう一つは今政府に対するところのこの態度を実力で人事院が屈服させることができない、これは私どももわかつておりまするが、その反対の場合も言えるわけですね。これまでたびたび開きました人事委員会等に総裁が出て來られましていろいろな話しをしましたが、これまで勧告案のみならず、いろいろまあ人事院から出されましたものにつきましては、予算その他の関係政府と折衝しておるということはわかります。本当にそういう意味で儼とした人事院態度を堅持しておられまするならば、さつきも話題に出まして繰返したのでございまするが、今度の例の勤務地手当地域の指定のこの修正案、あれは今日のようにずれることは私はないと思うのですね。あれは私からみましても、やはり予算折衝をやられたということは総裁はつきり明言された、その結果出すべき期日が今度は延ばされた、言い換えれば政府の実力の下に人事院が当然すべきものを出さないで今日までずらされたということは明らかに力関係で、政府の力の下に人事院の権威がそこまで落ちておるのじやないかと、非常に私この問題は小さいようなことですけれども、非常に又重大に考えておる。こういうような行き方が若し今後出て來ますならば、人事院自体の存廃問題等につきましても強く、私どもは微力ではございまするが、これに対して防衛といいますか、そういう抗争がなかなかできにくい関係に立つわけであります。その点を心配しまして実はお聞きしたわけであります。だから私は最後に確認いたしたいのですが、地域給の再勧告修正案が今日まで延びたということは、さつき申しましたように、やはり政府のお力の下に人事院は屈服したと私ども確認してよろしいかどうか、はつきりお伺いしたい。
  47. 淺井清

    政府委員淺井清君) 御尤もなお説でございますが、人事院に対して御激励を賜わりますることは誠に我々感謝いたします。併しながら人事院は断えず内閣とけんかをするために生れておる機関であるということにはならんのでございまして、人事院の儼たる態度を御希望になりまするならば、人事院が本当のことをここで申上げることが、これが人事院の儼たる態度であると思つております。そこで今度のベースが尊重されたか尊重されないか、給与勧告が尊重されたか尊重されないかということは二つあると初めから申しておるのであります。一番大事な金額の点については、尊重されていなかつたと仰せられればそれまでのことでございます。併しながら一方において給与の体系において人事院勧告というものは死んど全部取入れられておるということは、私が真実を述べるわけでございまして、これがためにどうも森崎さんのやはり政府に対する御攻撃の鉾先が鈍るということに相成つては誠に申訳ないかも知れませんけれども、決してさような意味ではないのでございます。それから地域給云々のお話がございましたけれども、断じて人事院政府の圧力下においてその問題は取扱つておりません。人事院地域給について出しました勧告は少しも変更されずに国会に出されております。一つも政府において増減されたものではないということを御承知願いたい。從つて更に近き将來においてやろうとする追加勧告におきましても決してさようなことはございません。殊にこれは内閣国会と両方へ出すものでございますから、そのようなことはないのでございます。
  48. 森崎隆

    ○森崎隆君 これ以上ここでお聞きいたしましても、そういうまあ型通りの御答弁で、私としましてはこれ以上質問したくないのでありますが、そういう点で人事院のとつておられる態度に厳粛さといいますか、自己の権威を飽くまで確信を以て保持するという態度が非常に弱いのじやないかという気持を私は持つているわけであります。その点は私は非常に遺憾だと存じております。
  49. 千葉信

    千葉信君 淺井総裁に、棚上げになつたような問題ですが、ちよつと疑問がありますのでお尋ねいたしますが、御承知通り今度企業官庁職員級別俸給表の適用の範囲について私修正案を用意してきて、いろいろとこの問題に深い関心を持つて取扱つておりますが、ところが人事院勧告によりますと、企業官庁職員級別俸給表勧告について「左の各号に掲げる職員に適用する。」こういう法律案勧告を行なつているわけです。ところが今の一般職職員給与に関する法律の第六條の第二項には一般俸給表であるとか特別俸給表であるとか、そういうものを規定している。第二條の第一項第二号には「第六條に規定する俸給表の適用範囲を決定すること。」こういう権限が第二條によつて人事院にあるわけです。はつきり第二條に人事院によつて決定される権限があるということを規定せられているのに、特に今度の法律案勧告では「左の各号に掲げる職員に適用する。」というようなことで法律案にされるというふうに勧告をなされたことは、私はこの第二條の第一項の第二号の点から言うと前後矛盾があるのじやないかと思いますが、その点はどういうことになりますか。
  50. 淺井清

    政府委員淺井清君) 企業官庁の特別俸給表お尋ねにその適用範囲についてどうするかという実体論は別といたしまして、今仰せられた法理論だけ先に申上げたいと思います。その意見の申出はこの給与法を変更する規定になつておりまして、從いましてその企業官庁の特別俸給表の規定は、只今お示しの第六條の規定に対して一般法と特別法との関係に立つものでございまするから、特別法たる特別俸給表の上で限定いたしました以上は、その限度におきまして第六條の規定は適用がないということはこれは法理上の通則でないかと思つております。それを擴大していいか惡いかという実体論につきましては給与局長から申上げます。
  51. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) この問題はもう数回お話申上げた次第でありますが、我々が今回企業官庁特別俸給表というものを作りました趣旨は、そういつた何というか、独立採算制をとつておりまする企業の合理的な経営、そういう面に寄与するためにこういうことをやつた。從いましてこの俸給表の適用の対象になりまするものは企業官庁の実体たるべき職員ということに限定されるわけでございます。同様の職務内容を持つている現業的職員がほかにもおるではないか、又或る程度同じ一つの企業のうちにおいてもそういうことが上下に伸ばして考え得るのではなかろうかという点が問題になろうかと思うのでありますけれども、先ず最初の横に類似しておりまする職員、現業的職員というものは、これは職務内容を基にしまして、今後我々が近い将來に作ろうと思つている給与準則のときに当然解決されるべき問題でありまして、そういう意味におきまして今回の級別俸給表というものが最終的なものではない、從つて我々がやりますことは、給与準則を作るときに完成するというふうに御覧願いたいと思います。又企業官庁の一つの内部におきましても、例えば本省におけると同様の職務の実情というものがある、やはりこれはほかの官庁とのバランスということもございますので、そういう面も考慮しなければならないのではなかろうか、從いまして今回はこの程度に決定いたした次第でございます。
  52. 千葉信

    千葉信君 淺井総裁の法理論については腑に落ちない点もございますが、これは今目前の問題を解決するための問題としては私はそう大した問題ではないと考えますので、この問題はあとで機会を改めてお尋ねすることにして、今日は一応これで打切ります。
  53. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 別に御質疑ございませんか……なければ午前中の委員会はこれで休憩をいたします。    午後零時十六分休憩    ―――――・―――――    午後三時十五分開会
  54. 杉山昌作

    ○理事(杉山昌作君) それでは休憩前に引続きまして会議を開きます。
  55. 千葉信

    千葉信君 岡崎官房長官お尋ね申上げます。問題を次に進めて、人事院勧告しました給与引上の問題の次に問題になる給与体系の問題でありますが、いろいろ問題もありまするけれども、先ず第一番にお伺いしたいのは、人事院のほうから勧告されました俸給表の倍率というか、累進率というか、こういう点について政府のほうの御答弁によりますと、二級の三号の場合に人事院勧告は四千二百円政府の案によりますとこれが四千円になつております。從つて政府のほうとしては減税措置等を考慮すれば大体において人事院と余り懸隔はないという、こういう御説明でありまするけれども、私ども成るほど二級三号の給与の点については、おつしやる通り減税措置等が伴えばそういうことが納得できると思うのですけれども、併し成るほど人事院勧告の場合には十四級六号に対して十倍強の倍率で、政府案のほうは九倍強ということになつていますけれども、併し今度の政府案をつぶさに点検いたしますると、一級乃至三級の場合には或る程度の措置俸給表の上に行われておりまするけれども、遺憾ながら最も数の多い四級乃至七級の場合には中だるみといいますか、これらの職員に対する考慮が殆んどとられておられない。そういう点から当時倍率の場合には十倍強とか九倍強という恰好で措置がとられておりまするけれども、これを個別的に各級ごとに計算をして見ますと、一級、二級、三級、四級までは別として、五級以上の場合にはその倍率がむしろ人事院案よりも政府案のほうが増大しておる。その例として申上げますならば、五級の一号の場合には人事院勧告では六・四四一倍になつているけれども政府案のほうは六・四六一倍になつている。それから七級の一号を例にとると、勧告は四・二七〇になつているけれども政府案のほうは四・三〇七であります。このように八級一号の場合には勧告では三・六一倍になつておるけれども政府案のほうは三・六三二倍になつておる、政府案のほうが却つてぐつと開いておる。それから又九級の一号にありましても、勧告は三・〇二八倍、政府案のほうは三・〇五五倍、大体十級も十一級も十二級もこの表によりますと、逆に政府案のほうが倍率が高くなつておる、こういうことになりますと、金額の点についても人事院勧告が最も決定的なこの問題が尊重されておらないという状態の上に、更にこういうふうに俸給表の倍率の点についても人事院勧告が尊重されておらない。尊重しておるような表現をし、尊重しておるような説明を行なつておりまするけれども、実際上一級、二級、三級に対する或る程度の措置が行われただけで、最も公務員の数の多い部分に対しては殆んど人事院勧告の倍率よりももつと開かして持つて來ておる。そういう状態は御承知通りに大体現在の公務員の各級ごとの改正を見ますと、一番数の多いのは五級職で十五万四千三百八十五人、六級職で十三万四千八百八人、七級職で八万七千八百六十一人、こういう恰好で、最も中堅的で最も仕事の中心になつておる公務員諸君の給与の倍率は今読上げましたように、人事院勧告よりもむしろ政府案の倍率が却つて逆に開いておる。そういうことになりますと、一級、二級、三級だけをこれは極端な言葉で申上げますと、一つの遁辞としてこういう措置がとられておる。事実上は人事院勧告しました、これは人事院のほうでは一応科学的な検討の上に立つて各級ごとの俸給額を算定したと言つておりますけれども、そういう人事院勧告給与の体系に対してまで政府がこれを尊重しなかつたということは、私は余りにこれはひど過ぎはしないか、而も理由としては政府のほうで言われておるように、一級一号とか或いは例を二給の三号等にとられていろいろ陳弁されておりまするけれども、その点に対しては立派な理由が言えるような措置がとられておる。而も内実は四級、五級、六級七級という級別の職員に対しては今申上げたような誠に承服しがたい措置がとられておる。一体どうしてこういう点なんかについてまで政府のほうは人事院案を尊重することができなかつたか、この点について先ず官房長官の御答弁を承わりたいと思います。
  56. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今千葉君からお話のように、四千円、四千二百円では差はあります。それから又一番上のほうも余り非常な上り方をするのはどうかと思う点もありまして、少し違つたものになつておりますが、その間はできるだけ人事院勧告に副うように努力をしたわけであります。詳しいことは副長官が私よりもつとよく知つておりますから……。
  57. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 俸給表の作成の実際に当りました私から申上げます。只今千葉委員からお話のような、何か非常に或るわけのために故意に俸給表の価格を変えたというようなことは全然ございません。事実を申上げますると、大体人事院俸給表に対しまして、この俸給表のカーブは全面的に尊重するという態度をとつたのでございます。ただ併しながらこの二級三号の標準生計費につきましては、先ほどお話がありましたように、四千二百円を四千円になるという計算になりますので、これは取りましたが、その他は全部民間の各級別の実績調査に基いた人事院の調査はそのまま尊重いたしまして、大体財源の関係等で金額において八八%になりますので、その各級別の俸給に八八%をかけたものが政府案の俸給表の額であるとかようにお考えになつていいと思います併しながらそれを一級一号からずつと上までその計算で行きますると、二級の三号は四千円に足りませんので、それは勿論四千円にいたしまして、そうしてその間の急激なる変化を除くために金額の調整はいたしましたが、原則といたしましては、先ほど申しました通り人事院の各級別の給付は額に対しまして八八%かけたものがこの俸給表になつている、かようなわけでございまして、特に五級、六級を下げたというようなことはないのでございまして、これはカーヴに書けばわかりますが、人事院でもやはりその点は下つております。これは民間の給与の実績調査がそういう結果になつたということを現わしているのであります。その点は勧告方針をそのまま尊重したわけであります。
  58. 千葉信

    千葉信君 只今の御答弁の中で二級三号のところに対して特にこれを考慮したということは、これは私どもとしては承服しがたい点なんですけれども、併しただこれがたとえどういう意図の下に行われたにせよ、下級職員給与というものを御考慮になつた点でありますから、この点については私は御努力を多とするものでありますけれども、併し只今の菅野副長官の御答弁でわかりましたことは、政府案のほうは人事院案に対して〇・八八をかけて作成したからそう上下の倍率なんかに不合理はない、こういうお話なんですが、私どもの調べたところによりますと、必ずしもそうなつていない傾向が非常に強いと思うんです。例えばその倍率の点は別としまして、増加された部分のパーセンテージなんかを見ますと、一番低いのは、これは十七号俸の一五・八という増加率、これが一番低いのであります。そうしてそのほかに今度大体見ますと、二割以上の増額になつている分が一号から十号まで、それから同じく四十二号から六十二号まで、それから六十三号から以上はこれは三割以上の増加になつている。そうして十一号から四十一号までは一割以上二割以下、こういう増加率になつているのであります。こういう増加率もこれは人事院勧告に対して全部〇・八八おかけになつてこういう数字が出たんですか。
  59. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 四十一号以上の点につきましては、人事院の増加率を御覧になつてもわかりますように、ここで以て約四〇%近くの、或いはそれ以上の増加になつております。問題はこの一級通し号の一号から十五、六号あたりの点だと思いますが、これはいわゆる通し番号の五号、二級三号のところに標準生計費の四千円というものをおいたためにこういう結果になるのでありまして、若し仮りに人事院勧告をそのまま採用するといたしましても、二級三号の四千二百円をこのままとるというと、その後の減税等を考慮してこれは妥当でないことは御了承願えると思いますが、これを四千二百円を四千円にするということになりますると、ここの辺はやはり変つて來るのでありまして、四千円に置いたためにこの一級一号から十号ぐらいまでのやつが二割くらい、それから十一号から四十号ぐらいまでは一割六、七分ということになるのでありまして、どうしてもこの標準生計費は二級三号に置くという原則を人事院に倣つて行きますると、こういう結果になるのでございまして、若しこれを置かないで全部八八%をかけますと、一級一号から十号くらいまでのところが非常に低いことになりまして、これは不当と考えられましたので、それを調整いたしたのであります。
  60. 千葉信

    千葉信君 そういう調整が果して合理的なものかどうかということはいろいろこれは見解の相違になりましようから……、更にその次に進んで、具体的に政府言つている今度の減税措置によつて、大体人事院勧告と実際に支給される手取金額においてはそう差が起らない。これはまあ政府のほうでは二級三号を基礎としてそういうことを言つておられまするけれども、私どもの調査したところによりますと、今度の減税措置の問題を取上げて考えて見た場合においても、その手取の金額に非常に開きが起つておる。例えば一級三号であるとか、二級三号の場合には勧告よりも成るほど手取金は殖えて参ります。これは東京都における二割五分の勤務地手当の付く職員諸君、そうして税金としては所得税、それから地方税、恩給納付金、共済組合掛金に相当する額を全部計算して見て、そうして一級三号の場合には二百七十一円、政府案が人事院案よりも成るほど多いには多い。それから二級三号の場合にも二百十八円、これは東京都に勤務する職員諸君ですが、二百十八円二級三号では多くなつておる。ところが三級四号に行きますと、これらのものを全部計算いたしますると逆に七円足りなくなつて、四級四号では百九十円足りなくなつておる。それからその次に五級の五号では百七十九円足りないし、六級五号では二百九十五円足りない。七級五号も三百九十五円、最も足りなくなつているのはこれは八級五号の四百六十七円、税金その他を全部計算しますると四百六十七円足りない、そうしてそういう状態でずつと十二級の三号、四号あたりまで続いて、やつと十三級の三号へ行つてから手取金額が政府案では人事院案よりも百円多いという現象になつておる。十四級の三号では同じく四百三十円多いと、こういう恰好になつておる。どうして政府のほうでは減税等の措置をも併せて考慮されたというならば、こういう最も中堅的な諸君に対して不利益な案を作られたか、政府としては單に減税だけではなく、勿論減税の問題もありまするが、公務員の手取金額としての場合は恩給納付金であるとか、共済組合掛金であるとか、こういう実際上の手取金額に影響する問題をなぜ考慮されて、もう少し納得の行くような給与法を、俸給表をお作りにならなかつたのか、この点を御答弁願いたいと思います。
  61. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 人事院勧告をそのまま採用した場合と、政府案のこの問題になつております給与法を実施した場合と、手取金額において差がないというようなことはあり得ないと思います。財源におきましても倍以上の財源が要るのでありますし、又引上率から見ましても相当の差がございますので、この点につきましては決して同じになるとは言い得ないのであります。大体におきまして平均して八八%くらい、少いのはこれはそういうふうに俸給表が作つてありますから、從つてそういうことになると思います。ただ今回の減税案は比較的下級の低額所得者の勤労者に重きを置いております。それから家族をたくさん持つておる者に対しましても、どうしても減税の率が多くはたらきますので、從いましてそういうことになるのでありまして、只今のお話の点は想定の扶養家族数であるとか、或いはそういうものに独身か或いは配遇者があるかというようなことについていろいろ仮定が入るのでありまして、ただ減税の問題点につきましては、そういうようなところに重点を置きました。それから給与の点につきましては、人事院勧告より一割強下廻つたものを今回の案に出した次第であります。
  62. 千葉信

    千葉信君 次にこれは官房長官お忙しいそうですから、その他の問題に亘りますが、今度政府のほうから提案になつております特別職職員給与に関する法律の問題について、国会法を見ますと、国会法の第三十五條によりますと、「議員は、一般官吏の最高の給料額より少くない歳費を受ける。」。この問題については、私は別に議員の歳費をもつと上げろというために御質問申上げるのではないのです。一般官吏の最高の給料額よりも少くない歳費を受けるというようにはつきり国会法できまつているのに、今度たしか議員の歳費として政府のほうから提案されているのは五万七千円とか承わつております。その場合に一体一般官公吏の給与はどうなつているかということになりますと、これは法案の別表第一に掲げられている通りいろいろな特別職の諸君が大幅引上ばの提案になつております。これは内閣総理大臣を初めとして、八万円とか六万四千円とか、或いは六万円という形でこの中には岡崎さんの給料も入つているようでございます。そこで一体この国会法でいう一般官吏という條項にあてはまる官吏は何かということになるわけです。これは第九十一帝国議会の衆議院における国会法案委員会速記録第一回の記録によりますと、この三十五條の説明について、議員の歳費につきましての原則的規定であります。現在は議院法第十九條の金額まで規定せられておりまするが、具体的の金額の点につきましては、別に法律をもつて定めねばなりません。ここにいわゆる一般官吏と、ここで説明が行われておりますが、ここにいわゆる一般官吏とは内閣総理大臣、国務大臣、最高裁判所の裁判官を除いた官吏を意味するので、具体的に言えばこれらの人を除いた次官などよりは必ず高い歳費を受けることになつております。こういう説明になつておる、こうはつきりとここに内閣総理大臣、国務大臣、最高裁判所の裁判官を除いた官吏を意味する、こうなつておりますが、この点と今度の提案されております、これは前からそういう形になつておるようですが、それ以外の一般官吏に対して議員の歳費として提案になりました五万七千円より高い六万円だとか、或いは六万四千円という額になつておりますが、この点は一体どういうふうにお考えになつておりますか。
  63. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私はその速記録はまだ拝見しておりませんが、我々の常織を以て解釈しておるところでは、一般官吏とは特別職以外の官吏と解しております。そこにも今お読みになつたのにも次官等というような字があつたと思いますが、その意味ではないかと思います。そこに書いてあるのは。
  64. 千葉信

    千葉信君 ここでは含まれておるのははつきり総と内閣理大臣、国務大臣、最高裁判所の裁判官とこうなつておりますが。
  65. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) そのあとに何と書いてありますか。
  66. 千葉信

    千葉信君 次官などよりは、「など」として例を挙げてありません。
  67. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私はやはり例として初めのも挙げたのではないかと思います。
  68. 千葉信

    千葉信君 例として挙げてあるのは次官だけであつて、一般官吏以外の職員としては、これは職員と言うのはおかしいけれども内閣総理大臣、国務大臣、最高裁判所の裁判官を除いた、とはつきりと説明されておるのですが。
  69. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私は一般官吏と、「一般」とこういう名前を付ければ、特別職の中のそれだけが一般官吏でなくして、あと特別職でも一般官吏だと言うのはどうも了解しにくいのでありまして、そのあとに「次官など」という字があるように、いわゆる一般職職員の給料よりは少くない、こういう意味であろうと思います。又政府としてもそういう意味に解釈をいたしております。
  70. 千葉信

    千葉信君 どうもその点納得できませんが、岡崎さんの場合には一般職特別職とに分けて、そうして一般職はまあ一般官吏だ。それ以外のものは特別職特別職の場合には一般官吏とは違うのだとこういうふうに分類されておるようのですが、今の国家公務員法による分類によりますと、特別職職員というのは單に総理大臣だとか或いは国務大臣だけではなくして、相当広範に特別職職員がいるのですから、例えば人事院指定する公団の職員だとか、或いは、連合国軍の需要に応じ連合国軍のために労務に服する者とか、こういう形で特別職の中にはもつと広範なものが含まれていて、岡崎さんの言われるようなこういうような分類はちよつと公務員法の解釈から言つても腑に落ちない点が出て來ると思う。そして又こういう国会議員の歳費の問題を一番最初に取上げて審議した場合の政府の説明として、こういう條文はつきりして、一般官吏とは、内閣総理大臣、国務大臣、最高裁判所の裁判官を除いた官吏、こう言つておることになると、私は岡崎さんの考えが正しければこの説明は嘘になるし、この説明が正しければ岡崎さんの言つておることは嘘だということになるのですが、これは一体どつちですか。
  71. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 政府一般職のことを一般官吏と言つておると了解しております。
  72. 千葉信

    千葉信君 私の質問お答えになつておらないようですが。
  73. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) いや、御質問はその通りだと思います。
  74. 千葉信

    千葉信君 質問は、一体こつちが本当か、岡崎さんの言つていることが本当か、あなたのお手許に差上げてもよろしうございますが、もう少し明確に御答弁願いたい。でなければ特別職俸給引上げに関する法律審議は困難だと思います。これははつきり出ておる。私はこの速記録を偽造したのでも何でもなく、これは国会法案審議された時の速記録なんです。
  75. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) その速記録はよく取調べて見まするけれども、この給与の改訂というものは今回初めてじやありません。先般もあつたわけです。そのときでも千葉君のおつしやるようなふうにはなつておりませんで、国会議員の俸給よりも高い特別職で而もそこに挙げてある人以外の人で国会議員より高いのがあると思います。そのときにも問題になつたのでありますが、ずつとそういう趣旨で來ておると私は了解しております。
  76. 千葉信

    千葉信君 そういうふうに前の国会、或いは從來国会の中でそういう問題が仮に審議されて今のような形になつていたとしても、こういうふうに明らかな根拠のある問題を我々は問題にしないで御提案になつておられる法律審議することはできないと思うのですが。
  77. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それは文章の解釈の問題でありまして、我々はそれは例として挙げたと考えております。
  78. 千葉信

    千葉信君 民主国家の場合にそういう御答弁通りますかね。もつとお互いに納得できるような話でなければ、私はちよつと御答弁だけでは余りに一方的じやないかと思うのですがね。
  79. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 民主国家を振廻されても困りますが、私はどうも千葉さんの言うほうが無理じやないかと思います。一般職という字、一般官吏という字は非常によく似ております。特別職というのは特別職というはつきりした字がありまして、一般職と言えば一般官吏、つまりこれは恐らく国会議員は、いわゆるキヤリア・オフイサーと言いますか、昔で言えば官吏ですが、その普通の意味のキヤリア・オフイサーよりも少からざる俸給ということになるのが常識的な、又法の精神に適つた解釈だと政府は了解しております。
  80. 杉山昌作

    ○理事(杉山昌作君) ちよつと千葉委員に申上げます。官房長官は御用があつて四時ちよつと前くらいには帰りたいと言つておりますが……。
  81. 千葉信

    千葉信君 私は結論としてこういう根拠がある以上、只今官房長官の御答弁では納得できませんので、この問題は私ども法案審議の際に御参考にして審議をする以外に途がないようですが、これ以上この問題で御質問申上げることは一応切ります。
  82. 木下源吾

    ○木下源吾君 今の千葉君の問題は両方の見解が食い違つておるということが明らかになつた。これは委員会として検討する余地があるからあとを進めてもらつたほうがいい。
  83. 杉山昌作

    ○理事(杉山昌作君) どなたか岡崎さんに……、じきに帰られますが。
  84. 木下源吾

    ○木下源吾君 年末手当のことですが、実は私ども今年の年末手当は二カ月分を支給することが妥当だと考えて、そういう修正案を持つて司令部のほうへ出したところが承認を得られない、こういう事情になつておりますが、併し二カ月分をやることが妥当だという考えは毫も変つておらん。そこで政府は今日まできめられた、つまり国会できめられた年末手当よりも額を多く支給しておる例があることは御承知と思うのです。財源はもとよりその場合でも特に別途の財源を充当したわけではない。いろいろ人件費とか、或いは物件費とかいうものの中の節約だろうと思うのです。本年度ここに提案されておるのは、正確に言うと〇・五カ月分。成るほど〇・八カ月となつておりますが、〇・三カ月は御説明のように八月からべースアツプをなすべきであるという人事院勧告であるし、又実際においても公務員給与は低いというように考えられて、今回政府の提案が十月一日になつているので、八、九の二月分の旧ベースと新らしいベースの差額を〇・三にするとこういうように言われておるので、これは強いて言えば成るほど年末に固めてやるのだから年末手当言つてもいいでしようが、いずれにしても今年は減税等の措置政府は行なつておるにしても、なお物価が高くなつておることは御承知通りである。公務員の年末のいわゆる費用、入費というものはそのくらいの、今度の提案くらいでは到底やつて行けないのではないか、こう考えますので、我々も考えるし、特に当事者もこれでは困る、何とかして二月分をもらいたいという切な要求をそれぞれしておるような現状に鑑みて、從來のように特別の措置をしてこの年末にやる、これらの公務員にやるというような方法考えておられるかどうか。私どもとしてはでき得る限り政府はこの年末を切り抜けるために、公務員給与法にある以上に    〔理事杉山昌作君退席、委員長着席〕 支給してもらいたい、こういうように考えておるのでお尋ねするのですが、從來のような例によつてなお更に一段と財源の工夫をして、年末手当を実質的にこの法案よりも増額してやるというお考えがあるかどうか、こういうことをまあ一応お尋ねしてみたい。
  85. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは財源の関係もありまするし、この際においては非常に困難であると私は考えております。
  86. 木下源吾

    ○木下源吾君 困難だと言えばすべてを盡くしたようでありますが、具体的に言えばどんなことになるのでありますか、その困難なということは。
  87. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) できますまいということであります。
  88. 木下源吾

    ○木下源吾君 できない……。実は国鉄あたりの例を御覧になつてわかりますように、当初できないとこう言つてつても、いろいろ要請止みがたくやはり出して來ておるのですな。現実には要求を満すことに努力しては來ておる。政府のほうでも一つ誠意を以てやれば何とか方法があるらしい。だから考えざるを得ないわけなんです。ただ止むを得ないと、こういつただけではちよつと納得が行かん点があると思う。ほかの例もありますから、国鉄等の例もありますから、そういう点についてはどういうふうにお考えになつておりますか。
  89. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これはいろいろの問題を含んでおりまして、前にそういう例があつた場合にも全然やれない部面も出て來ておる。そのために非常に問題を紛糾さした例も現にあるのでありますが、それはともかくとして、やれるものだけに出したらいいじやないかという議論もあるかも知れません。それには財源の点もありまして、公共企業体等と違つて政府はなお更諸経費が年末に近くなれば詰つて來ておる。尤もそういう要求はいろいろの省に対してあるようでありまして、それぞれの省で研究している向もあるように聞いておりますが、結論はやはり非常に困難である、まあできそうもないということが只今の結論であります。
  90. 木下源吾

    ○木下源吾君 それぞれの省でおしなべて全部がないというわけでもないように私ども聞いているのであります。ある所はこの際やつたらいいのではないか、こういうことをまあ私は考えるのです。政府はいつの場合でも、ある所にはやつて、ない所にはやらないと問題が起きるということもそれは一応御尤もなんです。それはそれとして、まあ別途に何か理由もあるし、考えられるところもあると思うのですが、ある所はやつたらばどうですか。
  91. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私の先ほど申したのは、例えば一般の行政府と申しますか、それと、例えば特別調達庁のような問題を言つたのであるが、いわゆる各省というような行政機関におきまして、等しく働いて等しく勉強している各省に対して、たまたま政府の全体の予算というものは、これは国家の税金でできている予算であつて、それをただ一応各省に配分したのであつて、たまたま或る省で以て何か都合がついたから出す、そんなことは政府の行政機関全体としては私は認められないものだと思つております。
  92. 木下源吾

    ○木下源吾君 この認められる認められないとかいうそういう原則論は別として、現実にあつたらば今までもやつてる所があるのです。あなたの御承知通りなんです。そのやつている例に倣つてつて差支ないのじやないか、こういうふうに考えるのですが。
  93. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは例えば共済組合とか何とかいう税金と性質の異なるもので工面することは、これは又別問題だと思います。併しながら国民の税金という財源から或る省の政府職員には何かやり、或る省の公務員にはやらん、こういうことは許されないことと考えております。
  94. 木下源吾

    ○木下源吾君 私のは、その許される許されないは別にして、今までもそういうことをやつたことがあるので、おやりになられないかどうか、こういうことを聞いているのです。
  95. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私は今までの例を正確には知りませんが、各省の間で不公平があるような措置はしてなかつたと思います。若しありとすれば、それはその省の共済組合等の何か関係じやないかと思うわけでありますが、それは別として、今申したように等しく公務員であるのにこれに不公平な待遇を与えるということは正しくないことだと考えております。
  96. 木下源吾

    ○木下源吾君 ではそういう財源があつた場合には公平におやりになつたらどうですか。一応ただ配分しているだけだということであれば、一元的に政府のほうでそれはそういうふうにできるのではないかとも考えられるのですか、どうですか。
  97. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは先ほど初めに申したように、財源の関係もあつてできそうもないというのが只今の結論であります。
  98. 木下源吾

    ○木下源吾君 これについて官房長官のほうで実情を御調査になつた具体的な何かがあるのでございますか。
  99. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今手許には持つておりませんが、予算の状況と使用済の状況等は知つております。
  100. 木下源吾

    ○木下源吾君 いや私の今申上げたのは、そういう金があれば公平にやる方法等を考究されたことがあるか。或いは又そういう金が各省にあるかないか等について御考慮を拂つたことがあるか。それをどういう形でおやりになつたことがあるかということをお聞きしておるのであります。
  101. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは給与引上げ等に関連して、物件費の節約とか旅費の節約とか、そういうことで財源を浮かす努力をいたしておつたのであります。そういう方面の財源がどの程度あるかというようなことはここに資料は持つておりませんが、研究はいたしております。
  102. 木下源吾

    ○木下源吾君 その研究の方法はどういうふうにしておやりになつておるか。今私のお聞きしておるのは、現にこれらの要求が具体的に現われておるのであつて、これに対して何らかの努力が拂われておるかということをお尋ねしておるわけであります。ただ大ざつぱにそういうものはないことになつておるとか、或いは政府としてはやるべきではないというようなそういう抽象的でない、やはりそれぞれ要求しておる者の側の状態に立つて見れば、政府はやはり何らかの一つ決意を持つてそれに努力をして、從つてなければこの通りないのだとか、いろいろそういうことを示してもらいたいと思うのです。あなたがよく国民の税金だと言われる。これは何も国民の税金をとり立てるのだから、あなたがたの私有物でもなければ、やはり国民の一人としての公務員もそういうことは知つておくことは一向差支えないことで、又知らなければならんのだと思うので、とつてしまえば自分のものだというふうな形が現われる、なおそれでは円満に、円滑に話がつくものもつかないのではないかと私は考えるのです。これは毎年やはり御承知通り年末になれば越冬資金、或いは年末手当の問題は、これについてあれば一つ何とかしてやろうという気持と、これはやらないのだと、お前らが何と言つてもやらないのだ、頼まれても駄目なんだという気持とこれは全く違うと思うのです。私の言うのは、何とかあればやりたいのだということの一つ努力、そういうことの具体的ないろいろの調査、そういうものをおやりになつたのかどうかということをお尋ねしておるわけなんです。若し今日までそれをやつておらんければおらんでも、一つそういうことに努力して見るという気持があるかどうか。こういうこともお尋ねしておるわけなんであります。
  103. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 政府立場は、要求があるから考慮するということは二の次でありまして、そう言えば語弊があるのですが、それじや年末手当十ケ月、十五ケ月要求があつたら、何でも要求があれば考慮するのかというとそうではないのであります。元來これはストライキということを禁止しておるので、ここに人事院総裁もおられますが、人事院というものができていろいろ公務員の利益も図つておる。政府としてもむしろその要求があるなしにかかわらず、自発的に考慮すべきものだという立場をとつておるわけであります。ただ財源等の関係上遺憾ながら十分な満足を今日まで与え得ずに來ておることは事実であります。今回の場合でも只今申したように今のところでは困難であろう、むずかしいということは、その程度の研究はしておるのであつて、ただ研究がこれで完全であつて、もう全部財布のそこまでひつくり返して見て駄目だというだけの非常な精密な研究はしておらないから、今のところはむずかしい、こういうふうに申上げておるのであります。その程度の研究は無論しております。
  104. 木下源吾

    ○木下源吾君 それについて各省のつまり責任者、或いは大臣とかそういう人々と何か話をなさつて、年末手当のことについてできるだけ何とかしてやろうじやないかというような話も何にもなかつたのですか。
  105. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは主として各省大臣というよりは、各省次官のほうで研究をいたしておる問題であつて、各省次官とも話合いはいたしたことがあります。各省大臣のほうには閣議等でまだ問題に出たことはないのでありますが、個別的に非公式に状況を聞いたりはいたしております。これは併し大した程度の話じやないのです軍務次官等はいろいろ省の運営等について経費その他の点から常に考慮しておる問題であつて、この方面とは話合いをいたしております。研究も頼んでおりますし、報告も受けておりますが、私の言うのはそういうようなことの結果、只今のところではむずかしかろう、こういう結論になつたというのでありますが、正確にまだ、今申したように数字を全部に亘つて、決算みたいに数字を出して來たかというとそうじやないのです。こういう程度であります。
  106. 木下源吾

    ○木下源吾君 まあ御承知通り、各省にはそれの要求のためにいわゆる坐り込みをやつて大臣に面会をしたり、或いは次官と折衝するということが現実に行われておる。それらの人々の態度、又回答、現実にやつておることを聞きますというと、何ら納得の行くような回答が何もなされておらんようなんですね。一にかかつて政府全体のやり方には余り好感を持つておらんのである、そういう返事をする所もある。何とかやつて見ようという回答を与えておる所もある。これを総合して見ればそれぞれやはり各省の次官なり大臣なりが一方に対して回答して、その行う回答の責任はやはり政府に持つて來なければならんものじやないかと、こう思うのです。ただちやらんぽらんに、お前ら何を騒ぐのだというような態度では、使つておるものが将來余り効果的に仕事をさせることはできないのじやないかと思うのです。私はそういうように次官も大臣も何とかやらにやならんという気持はある。その気持があるならば、本当にそれがそういう気持であるならば、あなたのほうにやはり何か話があるのではないか、あるべきだ、こういうように考えておるわけなんです。これは普通だと思うのです。そのことが行われておらないということになれば、一方公務員の側から一向どうも誠意はないじやないかということになりはせんか。でありますから、私は今までにそれに対して何らの心配もしたことはない。ただ計数を調べてちよつと見たけれども、そんなものは出せないのだというようなことではなく、やはり年末にはできるだけ何とかしてやらんならんという努力が私は拂われて然るべきじやないか、国民も又そう考えておると私は思うのです。公務員給与が非常に安いのだということで特に下級の者が苦しんでおる。上級の者はいろいろ役得がある、新聞に現われておるようないろいろのものが出ておるので、これに対しては余り好感を持つておらんけれども、下級の者、常に貧しい暮しをしておる者、そういう者に対しては国民は同情を持つておる。ただ一般にどうも官吏が惡いことをしておるのだというようなことで、全体を見ておらないのが今日の国民だと思うのであります。やはり国民の意思がそういう点にあるということも一つ洞察されて、不正に国費が濫費されておる面も一方に多々あることはもう御承知通りなんで、これらを何とかして一つ救済してやる、これだけでも何とかして年の瀬を越さしてやろうということの具体的な何か一つ手を打つて欲しいのだ、何もやつておられないのならば、これからでもどうかというように私はお願いなり、且つあなたにいろいろ要請なりをして、この問題を一つ解決してもらいたいと、こう思うわけなんです。
  107. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは私は一番惧れるのは架空な希望を公務員に持たして、何とかなりそうだというような期待を持たせてできないときは非常に工合が惡い。ところが今や現実にまあそう深い調査でもないにしても、今調べたところではできそうもないというのが現状でありまして、このときに私がよさそうなことを言うことは却つてあとあとよろしくないと思いますので、折角のお言葉ではありまするが、ここで公務員に期待を持たせるような発言は私としては到底できないのであります。
  108. 木下源吾

    ○木下源吾君 私はそういうような何かあなたの発言、いわゆるこの答弁が非常に公務員に期待を持たせて、それが実現しない場合のことをいろいろ考慮されておるようでありますが、私はそういうようなただ抽象的なのではなく、具体的に一つ考慮してやつてみよう、各省をみんな集めて一つ心配してみよう、何とかそういうようなことをお聞きしたいのです。ただ期待を持たせて、架空のようなことを言つてはいけないのだとかいうような責任上の問題を何もあとあとに追及するような考えではないので、もつと親切に一つ下級の公務員を何とか一つしてやろうというこの気持を、実際にはどういうようにして調査をするとか、或いは次官も呼んで一つ、或いは大臣の話を一ついろいろ相談してみるというようなことは私は一向何も差支えないのじやないか、又それはそういうことをやるのが私は政府の一つの仕事じやないかと考えるのです。決して言質をとつてどうこうという意味じや私はないので、一つ何とかそういう点を御了解になつて努力して頂きたいと私はこう思うのです。
  109. 千葉信

    千葉信君 只今木下委員質問に対して、岡崎さんのほうから架空な希望を持たせるようなことは私としては好ましくない、こういう御答弁がありましたが、実は岡崎官房長官は曾つて年末手当の問題に関する限り、今となつては架空な希望を持たせるような発言を行われたことがあるのです。その問題をこの際少し明らかにしたいと思うので、先ず第一番にお尋ねしたいことは、政府のほうでは関係筋と予算上の折衝をやつたりなさる場合には、閣議で決定されてからなされるかどうかということ、この点を先ず承わりたいのであります。
  110. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それは閣議で決定することもあり、閣議で決定する前に相談することもあります。
  111. 千葉信

    千葉信君 ところでこれはたしか閣議で決定になつた問題だと思うのですが、岡崎さんも御承知通りに、昨年二十五伸度の年末手当の問題についてはこれは閣議で十割を支給するということを決定して、その予算上の折衝を行われたことがあるはずなんです。これは国会における岡崎さんの答弁から言つてもいろいろな這般の事情でこういう五割という恰好になつてしまつたという国会における答弁もあつたわけでございます。で私はそういう段階に立至る以前に昨年の七月中でございましたか、私は岡崎さんの所へお訪ねして、非公式ではありましたけれども、昨年の年末手当の問題に間連していろいろお話を申上げたときに、岡崎さんのほうからこういうお話があつたはずなんであります。それは当時二十六年度予算もいろいろ御考慮中でございましたが、そのときの岡崎さんのお話では、政府としてはこれは前年度は五割であつたけれども、その他に何がしかの措置を講じて或る程度の急場の救済措置はやつたと、そこで政府としては今年十割を組んで、そして來年度、二十六年度の分について当時五割という恰好で計上されておる。ところがそのときに岡崎さんのお考えとしては、今年十割に計上して來年を五割に計上するということは、來年は五割しか出さないという意味ではなく、知つておる通り大体來年あたりは講和條約が結ばれるだろう、そうすればこれは日本政府の自主的な立場において今までのような制約予算編成の上に受ける必要はないと思う、それで今実際上五割計上しておいても、講和條約の結ばれた後にはこれは政府として十割出そうという考えの下にこういう予算編成をやつてるんだと、こういう話を私は非公式にはつきり承わつておるのです。そしてその後その政府の意向をはつきり立証しておるように、政府としては大体昨年度の十割の年末手当の問題についても、非常に真剣になつて折衝されたということは私ども承わつております。併し遺憾ながら到頭昨年は十割支給が実現しないで、五割という恰好になりました。ところが私どもその当時最も遺憾に思つたことは、当時政府が例えば二十六年度の五割の年末手当を計上しながら、実際上は先行きの見通しにおいて講和條約が結ばれるであろうから、そうなれば政府としての本当の肚は十割支給ということを考えているのだということを率直にその折衝の中でお話にならなかつたと思うのです。で、又そういう事情について私どもは承わつておりますが、その真偽のほうは別として、これは筋道の通つた話で、岡崎さんも恐らく否定なさらないと思う。そういうことになりますと、今の段階ではまだ政府の最初の見通しの通り今日の段階では、実際上條約がまだ成立していないという恰好では、最初政府がお考えになられたような段階にはまだ來ていないかも知れませんけれども、併しながら政府としてはそういう非公式な発言でありましたけれどもお答えがありましたけれども、そういうお話もされておる。況んや今度は人事院のほうから年末手当、特別手当は十割支給ということがはつきり勧告されておるのです。そうして政府のほうでは今度ここへ年末手当の額の特例に関する法律案を提出になつておりまするが、政府の説明によつても、この特例は八月と九月の給与引上分に対する補償と、こういうことを答弁されておるのでありますから、從つて、これは人事院勧告をした年末手当、特別手当のようなものとは実質上は三割違いますと、そういうことになれば、私はこの際どうしても政府としては仮に非公式な発言であつたとしても、事実上政府としては昨年度十割の年末手当を補正予算に計上された当時からそういう方針のはずだつたのです。そうして又公務員諸君もこれは岡崎さんの言葉を借りれば仮空の糠喜びということになるかも知れませんけれども、併し事実上公務員諸君はこういう諸般の経過をよく知つていて、そうして二十六年度の年末手当は十割來るんだということを初めから期待しているんです。そう信じているんです。そういうことになりますと、今年の三割のこの特例の分を除いて政府としては十割程度の年末手当を出すべきではないか、特に人事院からの年末手当の点については、特別手当という形で十割の勧告が出ております。そうすれば政府としてはできるだけ人事院勧告を尊重するという建前から十割の年末手当、それから又この特例の言つております三割の分については、政府もおつしやつておられるように八月、九月の給与引上分、こういう形で今申上げたような経過からすれば十三割年末手当を支給するという必要が政府として実は起つて來ているのではないか。これは岡崎さん個人、官房長官個人のお話であつたかも知れないけれども官房長官であるという立場から岡崎さんのあのときの、來年の十割支給の問題については非常に大きな期待を持つているわけでありまするから、そういう問題を十分お考えになつて、この際私は政府としては十三割年末手当を当然支給すべきだと思うのですが、この点について岡崎さんの一応の釈明になるかも知れませんが、御答弁を承わりたいと思います。
  112. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私はいつどういう話をしたか、正確には記憶しておりませんが、若し何か話をしたとしても、これは非公式な私的な話であつたと信じております。この公式の速記をつけて質疑をやる委員会においてそういうお話を証文のように出されることは甚だ迷惑であります。それから予算的の措置は、これは初めの意図はどうであつたか、これは政府の意図が関係方面の意見と違うこともあり、又国会意見とも違うことがあつていろいろ修正もありますから、初めの意図だけで物は動きません。少くとも今年の予算で〇・五というのを計上されたことは、いきさつはともかくとしてこれは前から公務員等も無論知つておることであります。これに対して予算的に又〇・五を増せということをおつしやつも、私はこれは不可能であろうと思つております。
  113. 千葉信

    千葉信君 そこで政府としては、今補正予算も上程されておりまするし、これも結論がどう出るかはわかりませんけれども政府としてはそういう予算国会で原案通り決定した場合でも、私は先ほどこれは木下委員がいろいろ発言された点とも関連するのですが、今申上げたようないろいろな今までの経過から言つても、私は今度の予算のうちで相当政府としては正式に年末手当として支給することはむずかしいとしても、或る程度の公務員の窮状に対する救済の措置の必要はこれはもうお認めでありましようから、そういう方法についてこの際官房長官としては積極的にお考えになる御用意があるかどうか、この点だけでもこの際御答弁を承わつておきたいと思います。
  114. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これはこの際のみならず、常に私どもは職務の一つとして考慮しておるのであります。併しながら今申したように、実情はこの年末にはできそうもないというのが偽らざる結論であります。それに対して仮に考慮するとか努力するとかいうことを私がここで言えばそれで了承して質問を終つて下さるかも知れませんけれども、そういうことで以て架空な希望を持たせるということは甚だ面白くないと思いますので、しつこいようですが、同じことを繰返しているような次第であります。
  115. 木下源吾

    ○木下源吾君 架空な希望、希望と言われるのですが、これは実際上は国民は批准をしたならば独立になるのだ。そうして修正案を作ることも国会が自由にできるのだというふうにも考えている。政府は両條約の批准というものを終れば独立になるのだというようなことを、それ自体が架空なことを言つているようなものです。実際條約が済んでみてなお面倒になつて來るというような実状にあるのじやないか。もつと大きいところに架空なことを政府言つている。これくらいのことは架空でも何でもない。そこで先ほどからいろいろお尋ねしているのですが、やつぱり今の財政状態から出されないと言うのですか。今度一体国家公務員に対して、仮に一カ月分を余計やろうとするならば、財源はどれくらい要るようにお考えになつているか。
  116. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今正確な数字はちよつと計算してみなければわかりません。大まかに言えば、一般職は約九十億程度、併しながらまだそのほかに特別職があります。この中には先ほど千葉君から言われたように、進駐軍労務者というようなものもあります。それから地方公務員のほうは国家公務員に準ずるということになつておりますので、準ずるという意味はどういう意味かという議論もありましようが、まあいずれにしても地方平衡交付金増額というようなことになつて來ると思いますけれども只今の財政上から言えば、それはもう相当に大きな金額になるということは疑を容れません。
  117. 木下源吾

    ○木下源吾君 その九十億というのは一月分の手当をやれば九十億要るというのは間違つておりませんですか。今の政府の出しているこのペースで。
  118. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) ちよつと今の質問……
  119. 木下源吾

    ○木下源吾君 新らしい給与平均で一月分というとどのくらいか、九十億と言われましたが、間違つているのではないか。
  120. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは極く今申したように、資料で正確に計算したのではありません。ただ新らしい給与が約一万円程度ということから、公務員の数をかけたわけです。
  121. 木下源吾

    ○木下源吾君 私はそれを正確に何も知ろうとしているわけでも何でもない。公務員が要求しておれば、一体政府はどれくらい財源が要るのだくらい官房長官がわかつているべきだと思う。それがわかつておらんということだとすると、大体今までそういうことを考慮したこともないということに私は結論付けられるのではないか。本当に心配しているなら、何ぼ要るのだということくらいは私は念頭から離れないくらいになつているのではないかと思う。私どもいろいろなお話を聞いておると、そういうことは皆属僚に任せておいて、これらがないと言うからないと言つておけというような、誠に不親切極まる態度ではないかと思うのです。(「一ぱいあるぞ、そういう例。」がと呼ぶ者あり)そこで実はこれは今度の予算に前年度の剰余金が一体何ぼございますか。大よそでよろしい。これは大蔵省の人から一つ聞いてもいいです。
  122. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今資料を取りに行きましたから……。
  123. 木下源吾

    ○木下源吾君 私のほうから申上げます。約二百五十億あります。それでその半分は法律で縛られている、財政法で縛られているのです。そういう金もあるのです。これは官房長官はお知りにならんかどうかわかりませんが、或いはそれは來年度の歳入に入れるのだと言うかも知れん。ここへ使うのだ、宴会費に使うのだと言うかも知れないけれども、国民はそれをわかつているのです。そうしたならばもう少し親切に財政上のことなどをやはり私は官房長官はおやりになつていいんじやないか、こういうふうに考えるわけです。それでもなお且つ俺はここでは何も言わんということであれば、それはもう何をか言わんや。それでは併し税金を拂つてつている公務員に一つ何とか年を越さしてやろうというような、国民に対して私は相済まないのではないか。何もかも税金だ税金だと言つて、税金にも使いどころがあるのです。御承知通りこの頃の涜職或いはいろいろな事件を御覧になつて、およそ二十五年度のこれらの事件の空費は、濫費はどのくらいになつておるかぐらいはおわかりになつていると思うのであります。国民のいうところの俺らの税金というものはそういうことに余計に関心を持つている、而もそういうことをやる側はこの一般の公務員の反対の側に立つて、成るべく給与をやらないようにし、要請が來たら蹴飛ばしてしまう、こういう側の人たちがそういう惡いことばかりをやつている。これは私は国会を通じて国民に明確にしなければいかん、ですからそういうことで何もあなたの責任を今責めるわけではありませんが、一応は親切にやつてやるというような振りをして見せても何も、損は行かんのじやないか、先ほど來私が申上げているのは、何もこれまで言うつもりではありませんけれども、今までもやつた例があるので、できるなら何とかしてやつてあげたいという気持でいろいろ各省の連中とも話している、話をしておられんのならば、これからでも何とかするのだ、何もあだな希望を与えてくれとか、そういうことを言つているのでありません。現に各省においては坐り込みで次官、大臣といろいろ折衝をやつているのです。こういうような事態は、この中に入つておれば俺らは警察官に保護されて、必要があればベル一つ押せば何個中隊でも來るのだ、お前らは言いたければ勝手に外で言つているというような態度ではもう道徳も何も終りだと思う。私は今あなたに説教するわけではありませんけれども、もう少し国民の膏血の税金を善良に管理しているのならば、やはりそれだけくらいの責任を一つ考えて、ここで我々国民の代表者、我々の言うことに耳を傾けて、特に野党には耳を傾けて、そうして誠意ある御答弁をされるのが私は当然じやないか。お前らが言うとつたつて俺らは多数党を持つているのだ。軍艦にとまつたとんぼぐらいのものだなんということを与党連中は言つている。併し一膳の飯の上にとまつている蝿でも邪魔になる。私はあなたがたの態度が誠に不親切だ、こういうふうに考えるので、これ以上はもうあなたに聞きませんけれども、併しこれから起きる事態は一切私は責任政府にある、これだけは銘記しておいて頂きたいと思う。
  124. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 関連して一点だけ官房長官に伺いたいと思いますが、夏季手当の問題のときに、官房長官として委員会の席上、超勤手当等合法的に出されるものについて、政府としてはとかく言うべき筋合ではないというお話でありましたが、あの点は現在においても同様でありますかどうか、その点一点だけお伺いいたします。
  125. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 夏の場合は超勤等の支拂いのまだ済んでおらなかつたこと、その他もございましたので、各省でこれを整理して出すことについて、これは各省の問題であるというふうに考えましたので、各省に任せたわけでございます。併しながらその結果は、例えば特別調達庁に勤務する進駐軍労務者といいますか、そういう種類の人に対しては不公平な結果が起つて、甚だまずいことが生じたことも事実であります、そこで現在におきましては、超過勤務手当などの財源も残り少くなつておりますし、又今まで拂うべきものは適当に拂つてつたと私は了解しております。そのためにこういう方面からどうかするということは困難であろうという結論になつております。
  126. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ちよつと途中ですが、官房長官は四時の記者会見を五時に振り替えてもらつたので、五時に中座しなければならんという御事情ですから、官房長官への御質問がありましたら一つ続けて頂きたい。
  127. 森崎隆

    ○森崎隆君 特別職職員給与に関する法律の一部を改正する法律、これの三ページのところに別表第一がございます。これは随分議員連中から何回も聞かれますので、一応議員のかたがたの納得の行くような御説明を頂きたい。それは衆議院並びに参議院の事務総長の格付けの基本的な説明を一つ願いたい。
  128. 淺井清

    政府委員淺井清君) これは人事院所管ではございません。人事院は一切関係いたしておりません。
  129. 森崎隆

    ○森崎隆君 それでは副官房長官に……。
  130. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 衆議院及び参議院の事務総長でございますが、これは從來から実はこのランクにありますものをそのまま踏襲いたしたのでございます。
  131. 森崎隆

    ○森崎隆君 それだけで、從來ここに入れたからそのまま入れたということですね。これにつきまして人事院立場から何か御意見がございましたならば……。
  132. 淺井清

    政府委員淺井清君) 人事院といたしましては、何も申上げることはできないと思つております。これは特別職の問題でございますから、只今仰せられたのは国会の事務総長でございまして、これはどうも私のほうから申上げる筋合のものではないと思うのであります。
  133. 森崎隆

    ○森崎隆君 これは議員のかたがたから随分いろいろ御意見があるのでございますが、議員という者の資格の問題と、この両院の総長の格付の問題につきましてもそういう関係があり、何か單に從來からここに入つていたからまあここに入れたと、ここれは正直なお答えだろうと思うのですが、何かこれにつきまして根拠でもありますれば、例えば從來から入れたということについて、例えば從來の貴族院時代に非常にこの事務総長という者は大きな責任を持つてつたと、そういうような慣習をそのまま新らしい今の国会の中に踏襲されているということになりますれば、これは又一つの大きな問題になろうかと思いますので、そういう点でやはり一応議員各位の納得の行くように御意見を実は伺いたかつたのでございます。何とかそういう説明はつかないものでしようか。決してこれは個人を指しているのではございませんで、職務そのものについて。
  134. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 非常に形式的な御答弁で恐れ入りますけれども、議員のほうは別の法律でございまして、これは実はこれと関係ない法律で、たまたまその議員の歳費がここの表によりますと政務次官と同じになるということになるわけでございますが、どうも一つのランクを動かすということはよほどの事情がないとなかなかむずかしいのでございまして、事務総長につきましても、いろいろ参議院のほうの先般の法律審議のときにいろいろ御意見のあつたことを承知しておりますが、今回はそのままのランクで踏襲したような次第であります。
  135. 森崎隆

    ○森崎隆君 このランクはいろいろこれは研究を要するる点が多々あろうと私は思いますので、例えば第一のランクは国家公安委員会委員全部がここに入り、それからその次に地方財政委員会委員長はじめ第二のランクに入るというようないろいろな問題があると思います。それで今御答弁を願うということは無理かも知れませんが、次の国会が始まりますまでに一つ宿題としてお考え、願いたいと思う。実はこのランク全体をお考え頂きまして、おのおのこれが妥当だということ、そういう根拠がはつきりすれば結構でございますが、根拠がなければこれにつきましてもう一回再検討するということで、次の国会まで宿題として。
  136. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 只今の御要求了承いたしました。ただ国務大臣のクラスにあります人事官以下の四の職名のかたがたは、法律上国務大臣と同等にの給料を受けるとということになつておりまして、その法律を改正しない限りにおきましてはこれは何とも変えることができないわけでございます。そうしてそれぞれの法律の趣旨によつて、例えば国家公安委員会委員は国務大臣と給与の方面において同様に取扱うということになつているだろうと思います。それでその次のグループにつきましては、これは実は政府のほうといたしましては、委員長と言われる者を原則としてここのグループに入れたいと、こういう考えを持つているのでありますが、そうして実際におきましては委員長は一、二の例外はありますがここに集めております。併しながら法律の成文で国務大臣と同等以上の給与を受けなければならんというものにつきましては、その法律に從いましてここに挙げた次第でございます。なおこの点につきましてはいつも改正の都度問題になりますので、でき得れば速かに何とか理窟のつくようにすつきりした姿にいたしたいと、かように考えておる次第であります。
  137. 森崎隆

    ○森崎隆君 次は一般職職員給与に関する法律の一部を改正する法律の中で大体今まで質疑が済んでいることだと思いますが、第五項でございまするか、企業官庁職員級別俸給表の問題でございまするが、これにつきまして一つ希望を持つているわけでございますが、特に五項の最後の六のところでございますが、これは今日午前中でしたか、瀧本給与局長からもいろいろお話がございまして、その趣旨はよくわかるのでございますが、現実におきましてやはり現業職員としの性格を十分持つて少しも変らない、そういう職種もあるようでございます。例えば電通関係でしたら、本省にも建設部とか、工事の面とか、或いは配線の面とか、いろいろな問題があるのでございます。そういうところはやはり現業職員として当然考えらるべきものではないか。郵政関係も当然この趣旨から考えますると、全部にこれは適用すべきものであるというような気もいたすのでございまするが、もう少しこういうような部面が入らなかつたことについて政府側の御説明を懇切に頂きたいと思うのですが。
  138. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) この企業官庁職員級別俸給表につきましては、今朝ほどから話がありましたように、これは人事院意見をそのまま採用したのでございますが、人事院のほうの御意向を聞きましても、これは必ずしも永続性のあるものというのでございませんので、これをもつて不当のものであるとういふうに考えておられないようであります。政府といたしましても、これはしばしば御説明申上げたように、非常に企業官庁職員にいわゆる頭打ちという現象が多いのでありまして、それの救済のために一先ず一番多い企業官庁職員にこれを適用しようといたしたのでございまして、これらの救済、殊に今お話の一般官庁の中の現業職員給与につきましてはこういう方法で以て解決する方法と、もう一つ、人事院でもつて今検討中の給与準則によつて解決する方法と両方ございまして、給与準則のほうにおきましては、そういう職名を横に統一してバランスをとつたものを考えているようでございますので、その方面でもつて解決できるものが相当たくさんあると思います。併しそれの制定を待つまでもなく、この企業官庁につきましてはどうしてももう少し幅を擴げて頭打ちの現象を救済したいという気持から人事院意見通りここに採用したわけでございます。いわば暫定的なものであるというふうに考えております。
  139. 森崎隆

    ○森崎隆君 暫定的なという意味でございましたならば、この際もう少しその適用の範囲を擴大するという意思は今のところ全然ございませんか。
  140. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) この点につきましては給与準則と睨み合せまして、それでもなお解決できないような現象が恐らくあると思いますが、そういう点と睨み合せないと、ここで変えましても更にそつちのほうで以て又不合理なことが起らないとも限りませんので、もう少し待ちましてその解決をしたいと、かように考えております。
  141. 森崎隆

    ○森崎隆君 次に三頁のところにおいて淺井総裁にお聞きしたいのですが、例の地域給の区分のことですが、これはやはり御研究になられた結果、その地域に住んでおる公務員につきましては、各種の事情を勘案して当然地域給を支給したとその点に立たれた上のことと思いますが、それを原則として計算されます以上、その地区に住んでおる地方公務員自体にもやはり地域給は当然であるというこの原理だけは認めてございますか。
  142. 淺井清

    政府委員淺井清君) お尋ね通り人事院としては……。
  143. 森崎隆

    ○森崎隆君 これは人事院国家公務員のことだけやつているので、地方公務員のことにつきましては何もできないということで、そのことについて積極的に努力をされないと、そういうことでございますね。
  144. 淺井清

    政府委員淺井清君) 発言の前とあととが少しく逆になつておりますが、決して努力はいたさないということではなくて、この一般職俸給地方公務員には適用がない。ただ地方公務員もこの例によると、こういうことになるわけです。これは間接規定だけではないのです。但し人事院といたしましては、そのような見通しもこれはこしらえてあると、こういうことでございます。
  145. 森崎隆

    ○森崎隆君 第四頁のところで、休職者の給与の問題で、私留守の間に或いはもう済んだと思いますが、二の結核性疾患にかかつた公務員の問題でございますが、これが第一の場合の公傷、公務上の負傷、疾病等の場合と区別されております。百分の八十になつておるのです。この観点から行きますと、国家公務員が結核性疾患にかかりましたものにつきましては、これは公務上の影響は全然なかつたという判定の上に立つてこういうようなことになつたのですか。
  146. 淺井清

    政府委員淺井清君) お尋ねの点は公務上結核にかかつた場合はどうするかということでございますが、これは勿論第一のほうの公務上の疾病にかかる、これに当るのでありまして、二のほうは公務によらずして結核性疾患にかかつた場合でございます。
  147. 森崎隆

    ○森崎隆君 今の公務員の採用につきましては、厳密な、精密検診も含めたところの健康診断がありまして、これが必須條件になつているように私伺つております。公務上の結核性疾患にかかつたものと、公務でなくて疾患にかかつたものとの区別ですね、どのように政府はされておりますか。その判定の基礎ですね。
  148. 菅野義丸

    政府委員(官野義丸君) それは各職場の環境なり、或いはその仕事の性質等によつてきめるより仕方ないと思いますが、他の者がその同じ職務をしておりまして結核性疾患にかからないのにもかかわらず、ほかの原因で以てかかつた場合には、公務上の疾患とは言い得ないのでありますが、仕事の性質上非常に疾患にかかり易い仕事をしておるとか、或いは働く環境がそれを誘発するような非常に惡い條件の場合には、勿論これは公務上の疾病として第一項のほうに行くと考えております。
  149. 森崎隆

    ○森崎隆君 その判定が非常にこれは私問題になつて來るだろうと思います。又惡く考えますと、その職場の責任者の判定なるものが中心になりまして、どちらへでも左右されるというような面があるのではないかと思います。私はやはり原則的には結核性疾患にかかつた者は、やはり公務上の問題として当然取上げるべきではないかと思います。又疾患そのものにつきましては御承知通り他の疾患と非常に違いまして、あとで非常に悲惨なる生活が待つておると思います。特別にこういうものは、特に結核性疾患の患者の多い等本におきましては、これは特に公務員を保護する意味におきましても、むしろ公務上の疾患保障なんかと同等以上にこれは取扱うべきではないかと私は考えるのです。今の御答弁によりますと、判定におきまして本來の疾患なら第一、そうでなければ第二、というようなお話は甚だ御答弁そのものとしましては、一応常識的にはそれでいいように思いますが、実際上の取扱はなかなか、むずかしい問題です。これについてもつと具体的な御研究がなされておるか。
  150. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) この二十三條は休職をした場合の休職者の給与で、その休職者の給与が原因によつてつて來るわけでございますが、この一項になるか、二項になるかという判定は、つまり公務員の災害補償法によつてきめるのでございまして、これは人事院の厳重な監督の下に補償法ができておりまして、その標準によつてきまるわけでございまして、決して使用者が殊に職場の長あたりが勝手にこれを判定するというようなことはないわけでございます。
  151. 森崎隆

    ○森崎隆君 それはよくわかつておりますが、そのわかつた上で今のような重大な、本人にとりましては重大な問題でございますから、そういう意味で私お伺いいたしますが、そういうまあこれまで出された法律的な措置基礎にして御答弁になつておるのが、私は形式的な御答弁に過ぎないと考えまして残念に存じます。
  152. 千葉信

    千葉信君 只今の改正案第二十三條第二項の問題ですが、これは私どもの場合は人事院のほうから勧告されたままならば問題は起らなかつたと思うのです。いわゆる官房副長官の御答弁では、結核の場合はその原因等によつて区別させるというお話ですが、これは御承知通り国家公務員災害補償法の審議でも非常に問題になつたところなんです。で今官房副長官は、人事院のほうで非常に厳重な監督の下にその原因等については遺漏のないようにやるというような御答弁でありましたが、これは公務員災害補償法の審議の中でも非常に問題になつたところで、人事院の説明では、この問題に関しては、結核菌の伝染を受けるような職場で働いておる職員の場合に限るというような限界があるわけであります。ところがそういう問題に対して、国会の中で幾日間もこの問題に対して審議審議を重ねた結果、人事院のほうからはそういう先の答弁を崩したわけではありませんけれども、できるだけ結核性疾患にかかりやすい職種に対しては、人事院規則で今後そういう職種を十分に検討して、そうして人事院規則等で善処する、こういう恰好になつておりまして、第一項か、第二項かどちらになるかという問題はまだ最終的にはきまつていない。人事院のほうにおいてはその問題について十分検討するということになりますが、また最終的に出ていない。そういう公務員災害補償法との関係からそういう問題の起るのを防ぐために人事院のほうでは今度の勧告の中で結核性疾患に対しては全額を支給するという、そういうやりかたを勧告をしたわけなんです。ところがあなたのほうで今度こういうふうに第二項の減額の措置をとられたために問題が起きるのであつて、あなたの今の御答弁だけでは僕は非常に重大な問題が解決したとは思えないのです。これを人事院勧告のように、給与の全額を支給するということに持つて行けば、これはまああと予算の範囲内で満二年を超え満三年になるという問題は別にしても、とにかく二年間の分に対してはその分だけでも私は人事院勧告は合理的でもあるし、問題の発生を防ぐということができると思います。そういう立場から人事院のほうの勧告になつておるというふうに私どもは了解しておるわけなんです。この点は只今の官房副長官の御答弁だけでは問題を單にあとに残したということになると思うんですが、この点について政府はこの際問題の発生を防ぐためにこれを修正する意思がございませんか。
  153. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 今の千葉委員の御質問は、百分の八十にした理由はつきりしない、勧告は百分の百であるにかかわらず、政府は百分の八十にしたのはどういう理由であるか、こういう点に帰着すると思いますが、これは労働基準法とか、国家公務員の災害補償法によるいわゆる休職者の給与の補償、それから又は失業保險によるところの失業保險金、こういうような現在の日本の社会保障制度における給付はすべて平均の報酬の月額の六〇%というふうになつております。從いまして国家公務員の場合について考えますと、基本給を計算の基礎とすることになつておりまするので、年末手当とか或いは寒准地手当とか或いは石炭手当といつたようなものを見込みまして、そうして二〇%といたしまして合計基本給の八〇%とした、こういうふうなつもりでありまして、これは遺憾ながら人事院勧告のように百分の百としてはほかの法律による給付とバランスがとれないじやないか、言い換えますれば不当に公務員だけが他の一般国民に比べて利益を受けるというようなそしりを免れないだろうというふうな懸念から百分の八十といたしたいのでありまして、今これを改正するというような意思はございません。
  154. 千葉信

    千葉信君 非常に只今の御答弁は重大な問題に関連して來ると思うのです。今菅野副長官の御答弁によると、これは政府独自の考えに基いてこういう措置をとつたということになるわけです。そういうことになりますと、從來すでに給与の問題が人事院勧告通り合理的な結論が出ないで、そうして政府のほうでこれを延引したり、或いは夜店のバナナの叩き資りのように、勝手にこれを減額するというような措置をとつて來たその第一番の理由は、予算上到底不可能という理由が第一の理由でございました。私どもいろいろな立場からそういう予算上の問題に藉口するということに対して到底承服できないという意見を持つておりまするが、併しなんと言いましても政府理由とする予算上の問題については、これは最終結論を非常に大きく支配する力であつたこともこれ又見逃し得ない点であろうと思うのであります。併しそういう予算上の問題は抜きにして、その他の例えば給与体系の問題ですとか、今度も随分いろいろ議題が、例えば特別俸給であるとか或いは奨励手当であるとか、或いは休職者の給与とか、こういう点についてどうして政府としては人事院がまじめに研究して、そうしてできるだけ科学的な基礎に立つて勧告したその給与を、給与引上げの問題は抜きにしてもなぜ中身に対してまでいじるかということ、なぜそこまで人事院勧告を尊重する意思を初めからお持ちにならないで、こういう法律を作ろうとなされるかということです。その点については從來の委員会でもいろいろこれは質疑応答のあつたところでありまするが、大体政府のほうでは国家公務員法第二十八條による勧告の重要だということ、尊重しなきやならないということ、特に本当に民主国家であるならば、なぜ人事院勧告を、予算の問題等に藉口しないで全面的に実施するだけの民主的な態度をおとりにならないか。それから同時にその問題を仮に一応言い古したことでもありまするからこの際その問題についての追及はやめても、この政府のほうからお出しになつて來ておられる一般職職員給与に関する法律、この法律の第二十四條にもこういうふうに書いてある「国会は、給与の額又は割合の改訂が必要であるかどうかを決定するために、この法律の制定又は改正の基礎とされた経済的諸要素の変化を考慮して、人事院の行つた調査に基き、定期的に給与の額及び割合の検討を行うものとする。この目的のために、人事院は、総理府統計局、労働省その他の政府機関から提供を受けた正確適切な統計資料を利用して、事実の調査を行い、給与に関する勧告を作成する。」人事院のほうで、この條文の点からいいましても、只今お話のありました休職者に対する給与の問題も、それからその他の給与体系の問題等に対する考慮も、一切この條文によるところの合法的な資料、政府のほうから提供された資料なんかをまじめに基礎として研究し、結論を出しているのです。それを更に政府のほうでは、やれ労働者災害補償法がどうの、或いは一般の労働者に対する問題がどうのということを、こういう席上でぬけぬけと言われるということは、これはもうあなたがたが人事院勧告を初めから尊重するなぞという意思をお持ちになつておらない、こういうことが私はつきり言えるのじやないかと思う。今菅野副長官は労働者災害補償法なぞの関係から、一般の民間の給与の問題などに言及されましたけれども、一般の民間の給与との開きというものは、例えば寒冷地給であるとか今お話のありました石炭手当のような問題を抜きにしても、非常に民間の給与とは大きな開きがあるのです。この点について私は人事院勧告自体も非常にその金額が少かつたというふうに認定しておりまするが、大体これは財団法人の日本労働研究所、東京商工会議所内にある機関で調べた資料によりましても、大体の公務員全体の、これは一般の労働者の働いている職場の、その構成する平均年令なんかも調査しまして出た結論の中では、三十三・三才の平均年令構成になつている。公務員の場合には現在の労働賃金を対比すると、この年令の賃金というものは一万四千円という水準が至当だ、こういう結論がはつきり出でおります。從つてこういう結論から言いましても、公務員給与は、今度の人事院勧告からも、勿論政府案は更にこういう水準から非常に下廻つている。そういう公務員給与の状態のために、御承知通り今の公務員諸君の殆んど半分は自分が内職をやるか、さもなければ家族がそれぞれ苦労しながら職を求めて働いてやつと暮しを立てている状態である。そういう状態であるにかかわらず、休職者の給与等の問題についても人事院勧告を尊重するという民主的な態度をおとりにならないで、今のような御答弁があるということは私は全くこれはもう承服できない御答弁だと思うのです。なぜ一体政府としては予算の問題以外については人事院勧告をできるだけ尊重するという民主的な態度をおとりにならないのか、その点について御答弁を承わりたい。
  155. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 千葉委員のお考えに対しまして私がいろいろ考えを申しますとちよつと議論のようになりますけれども政府考えをと言うので私からお答え申上げますが、政府は、官房長官からも申上げております通り人事院勧告を尊重することについては決してやぶさかでないと考えております。ただ併しながら財源等の関係上そのままこれを採用することはできないというような問題につきましては、遺憾ながらそのままの法律案になつておらないのでございまするが、ただ如何に財源の都合とはいえ、例えばどうしても公務員が食つて行けないような財源を出して政府が安閑としていることはできないのであります。勿論この財源をきめます場合においては、予算財政一般の方面から捻出し得る財源をきめると同時に、客観的の情勢例えば物価であるとかその他民間給与がどうなつているかということをきめまして、それぞれ、理由のつき得る限度で財源を考えなければならないのであります。例えば現在の休職者に対する給与の問題につきましても、政府といたしましては、成るべく税の負担を軽くするためにできるだけ財源は少からんことを欲しておるのであります。併しながらただそれだけでもつてあてずつぽに八〇%にしたというのではなくして、財源の都合もあるから少くしようという意図を持ちながら、それに一々説明がつけ得るようなパーセントにしなければならないのでありますが、それで八〇%というのはどうわけかというから、私のほうではこういうわけで八〇%にきめたのでありますと、こういうふうに答えたのでありまして、財源の関係がないのではないのでありまして、こういう勧告につきましては勿論一々予算制約を受けるわけであります。そういうふうにいたしまして、たとえ予算上の都合によりましても一々納得が行くような説明ができ得る限度にこれを考えて行かなければ、これは如何に財源の都合とはいいながらこの勧告を尊重するゆえんではないと、かように考えております。なお又政府勧告を尊重すると言いますることは、決してこれを変えてはならないという意味ではないと私のほうでは確信しております。財源の点その他ほかの給与との振合いというようなことも考えまして、勿論この趣旨は尊重するのでありますが、仮りにこれが絶対的に人事院勧告がそのまま実施すべきものであるとするならば何も政府のほうでもつて立案する必要はないのでありまして、人事院勧告をそのまま法律案として出せばいいのでありまするが、これを勧告として政府並びに国会に出す以上は、やはり政府は財源と見比べまして責任ある政府案を作りまして、最後の判断は国権の最高機関であるところの国会がきめる、その意味において国会内閣とかように両方に勧告が出ると、かように信じておる次第であります。
  156. 千葉信

    千葉信君 これは菅野さんのほうで勧告という言葉になつているからこれを非常に甘く見ているような傾向が非常に強いんですね。若しこれが裁定というような言葉であつた場合には、これは菅野さんのお感じになる言葉の比重というものも随分変つて來と思うのですね。ところがですよ、実際問題として例えば専売職員、国鉄職員の場合には、国家公務員よりももつと少し幅の広い権利を保有されながら、仲裁裁定の制度があるわけでございます。仲裁裁定の制度においては、これは言葉の関係ばかりではなく、大体国家公務員の諸君の場合より從來も少しずつ有利に解決されている状況なんです。今度専売裁定なんかの場合もそうだつたんです。そういう條件からいうと、むしろこの勧告という言葉ではあるけれども公務員諸君の利益を保障するという意味におけるこの勧告の比重はですね、むしろいろいろ権利制約されているというその條件から言うと、仲裁裁定等よりももつと比重の強いものでないか。そういうものであるはずなんです。ただこの点についてはおつしやる通りこれは一応国会政府に対して行うものであるという立場からです、殊に国会が立法府として国権の最高機関という立場から、これに対して若しくは政府に対して裁定というような若しくは又もつと勧告というような言葉よりも強い意味の言葉使うことがこれがどうかという配慮のから僕はこういう勧告という言葉になつていると思うのです。そういう点についてはこれは菅野さんも御承知でしようけれども、大体同じ民主国家といわれておるイギリスなんかの場合も、これは仲裁委員会のようなものがあつて、そうして公務員給与等はそこで一応の結論が出れば、從來予算上の問題に藉口したり、それから又その給与の体系等について一切政府のほうで変更したなぞということはないのです。一切從來そのまんま国会に上程されてそして政府のほうでは公務員給与を適正に決定しているのです。ところが日本の場合には菅野さんたちのようなお考えを持たれておるかたが政権をとつているために、日本が民主国家といわれながら、実際上民主国家どころか反動国家みたいな恰好で公務員法が取扱われ考えられているのです。一体どうしてそういうふうに日本の場合だけ、同様の制度でありながらこういうふうに勧告を実施しないでやつて行くのか、私はその点について非常に疑念があるのです。まあそういう点について私は菅野さんのおつしやつた勧告という言葉に対する認識、これはもう事実の上に立つてのこの言葉の認識という点については、私は非常に不満に思うのです。そういうところから私は給与引上げを握つてみたり、それから又休職者の給与をこういう恰好で理由をつけたり、或いは陳弁したりするという態度がそこから私は出て來ていると思う。そういう点で私はこの際菅野副長官に、特に菅野副長官給与の問題等については総理府におられて非常に努力をされておるということも承つて私は敬服しておる次第でありまするが、更に百尺竿頭一歩を進めて、どうか日本の場合でもこういう人事院勧告なんかは全面的にいつでもそのまんま実施してこそ初めて民主国家だというふうにあなたのお考えを少しでも進歩さしてもらいたい、これはまあ私の意見とお願いということにしておきますが、この点について十分この際お願いしておきたい。
  157. 森崎隆

    ○森崎隆君 この二項には実に私は憤激を感ずるのでございますが、さつきも申しましたがやはり私たちの目から見ますれば、予算の枠は基本的な要求水準によつてきめるべきである。あれを切り、これを切り、ついでにこれを切つたというふうに見えるのです。さつきも申しましたように結核疾患の問題は日本が肺病国と言われておるというような観点にも立ちますし、又採用の際にもさつき申しましたように厳重な健康診断をなされます。大体この身体検査はこれが中心にやつたわけですね、その採用した後におきましてこの病気にかかる。まあいろいろ影響はあると思います。職場だけの問題じやありません、通勤の経路の問題もありましようし、家庭、住居の関係等もございましよう。若し本当にこれが公務上の疾患じやないと判定するためには、公務員の住居から交通関係から、すべての問題につきまして全部一応それだけの論拠が立ち得るだけの準備だけはしてやらなければなりません。その上に立つて初めてこれは公務上の疾病じやないということは私は言えると思う。そういうようなことを考えますと非常にここに手を入れたということ自体に人道的な憤激すら私は感ずるのです。これはどなたが手を入れたか念のために聞きたい、又閣議が全会一致でこの修正案を認定されたか、又何人のかたが反対されたか、後学のためにこれは承つておきたい、これが自由党の政策と基本的に一致しておるのか、そういうことを参考までにお聞きしたい。
  158. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 成るべくお静かに願います。
  159. 森崎隆

    ○森崎隆君 いくら金がなくともこういう所に手を入れるということは、これは実際責任ある政府やり方ではないと思う、私はそういう点に立つてこれをお尋ねするのです。第一にはどなたがこれを発案されたか、第二に閣議は全会一致で認められたか、採決の際何人か反対されたかたがあるかどうか、そういつたことを是非お願いしたい。
  160. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) こればかりではございませんが、一つの法律案ができますまでにはいろいろの経緯がありまして、必ずしもこれが最上の案であるとは申上げられないのでありますが、これに決定をいたしまして立案いたしましたのは内閣の官房でございます。で閣議におきまして、閣議は御承知通り多数決で以てきめるものではないのでありまして全員一致してきめたのであります。
  161. 森崎隆

    ○森崎隆君 よくわかりました。
  162. 木下源吾

    ○木下源吾君 さつき森崎君から聞いておつた地域給の問題ですがね、今度字を削つてしまつてそして指定をするという場合に地方公務員だけいるところの字、これも併し地方でやれる。やれるが併しその財源というものがない、これは大蔵省の財源の問題は、この前やはり平衡交付金とか何とか財源の考慮はやつぱりして上げる意思はございますでしような、その点だけお聞きしておきたい。
  163. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 地方財政の平衡交付金その他におきまして、今回の国家公務員と平仄のあつた地方公務員給与の改訂についての財源が見てあるか、こういうお尋ねでございまするが、政府といたしましては、今回の平衡交付金の増額に当りまして、いろいろの観点から地方の財政を中心にして推定いたしたのでありますが、その際に今回の給与改訂に必要な財源、その中には御指摘の地域給関係も含まれておりますが、そういうものの財源が見てあるということで、地方財政平衡交付金に関する金額の御審議を願つているわけであります。
  164. 木下源吾

    ○木下源吾君 今副長官が大変堂々たる一つの政策を話されたので、このついでに一つお伺いしておきたいと思うのでありますが、今の百分の八十、百なんというのは、これは思いつきできめたのだと思うので、言うまでもなく国は最大の雇用者で、そして国自体のをきめるときには民間その他を調べて参考にするのだが、結局は国が中心であろうと思います。そういう点からやつぱり人事院というものの中にその基本はあると思うのです。これは大体比較してこれを人事院勧告を修正して違つたものを出したということは私は間違いだと思う。それでよく政府財源政府財源というが、なぜ一体弱い者ばかりいじめるのか、一口に言うならば公務員給与ということになれば針で突いたような所までさがしてそし余計やるまいとするのか。これは一体私は腑に落ちないのだが、今度の補正予算の財源でも大部分は自然増収、それでその金が千何百億もどこに使われるかというと、いわゆる講和後の処理費、治安費とか、或いは急を要しないところのいろいろ銀行に出資するとか、何かそんなことばかり、金は使おうと思えば幾らでもある、出そうと思えばです。これは自由党の政策でおやりになつたということは誰が見てもわかるのだが、或いは私が指摘しておるようなこの予算の歳出は、これは全部講和後のそうして今後來年度予算もこれを継承する。で大部分の予算は軍事費でないまでもそれに似通つたもの、そういうものにばかりたくさん使つておる。こういうような結果が今度の講和で起きた。幾らそれは使つてもよろしいが、他面においてそうして公務員給与というもののようなことには目に角を立ててそうして少なくする。公務員給与は御承知通り贅沢するだけもらつておるのではない、これは皆なもらつたら直ぐ生活費に使う、從つてこれは中小企業にも皆関係がある。一方には今、日米経済協力形体、そんなことで日本の全体の工業が潤うのではなくして特殊なものだけ潤おう。大多数の中小企業というものは却つて原料、金融その他で圧迫を受けておる。これらはひとえに購買力に依存するのです。これらの公務員給与というものは而もこの購買力増大の呼び水になるということはすでに御承知通りだ、こういうこともやはり抑圧しなければならんほど今度の講和というものは国のためになるかならないか知りませんけれども、現実にはよくないことになるのだ。平和的な生活を営む、安定の線に行くということを誇示して、一方においてはややもすればインフレの要因になる再生産の必要のない所に金を使うことになる。こういうことは我々としては絶対に承服できないと、こう考えておるので、先ほど來いろいろ質問の形式で政府考えの明確にわかることに我々は努めておるわけです。どうですか、いつそざつくばらんに、條約の結果日本はやがて軍事的な方面に重点を置かなければならないから、それで公務員一切のそういうものの給与予算というものは第二義、第三義になるのだというのだ、こういうように明確に言つてくれれば私たちは余り質問いたしません。それだけ言う勇気ございますか、その点ちよつと一つこれをお伺いしたいと思います。
  165. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 又先ほどのお話のように勧告の性質になつて來るのでありまするが、勿論財源の関係と申しましても、これが国民の代表であるところの国会のかたがたに納得の行くような事由がなければ、如何に財源の理由といえども人事院勧告に下廻るようなことはできないわけでございます。政府といたしましては、今回の給与法の改正は勿論皆さんに納得がして頂けると思う理由があると信じて、かように財源の関係もあり下廻つたものを出したのでございますが、只今のお話のようにほかに財源があるじやないかということでございますが、これはちよつと話が違うのじやないかと思います。例えばほかに冗費があるというのならばそれをとるということは、これは国家のために非常に大事なことであると思いますが、ほかに費用があるから理窟抜きに人事院勧告を実施したらどうかという先ほどの問題に戻りますが、勧告の性質というようなものを余りに過大に見ていることじやないかと思うのであります。と言いますのは、先ほど千葉委員のお話になりました例としまして公労法上の裁定の話が出たのでありますが、裁定は御承知通り両者の間に係争事件がありまして、それを両方の意見を聞いて、つまり管理者側の財政の状態までつぶさに検討した結果下されたものでありますが、人事院勧告は、国の財政に関係なく、とにかく公務員給与はかくあるべきものであるという勧告でありまして、從いましてこれは財政的の考慮というものは全然拂われていないということは人事院総裁がしばしば御答弁しておるような次第であります。從いまして丁度裁定委員会の裁定のようなことを国会がなさることでありまして、国会は国の最高の機関として、一方においては財政の方面のこともよく目をお通しでございますが、又国の内外の諸般の情勢も十分調べておられますし、又公務員給与ということについては十分な関心を拂われて、そうして彼比勘案してこれがいいとか惡いとかいうことをおきめになるのでありまして、裁定のごとく両方の意見を聞いたものでも、最後に予算上、資金上不可能なものは国会の議決に待つということになつておるくらいでありまして、財政の関係を全然考慮に入れない人事院勧告が、ほかに財源があるから当然これはやるべきだというようなことは政府としては考えられないのであります。
  166. 木下源吾

    ○木下源吾君 私淺井さんにお聞きしたいが、全然財源のことは考慮しないで勧告しておるということは、これは淺井さん違うでしよう。一つ答弁を。
  167. 淺井清

    政府委員淺井清君) 違うかとおつしやいます。けれども理届から申せば、人事院勧告というものは、財政の問題を考えておりません。国の予算考えませんでただ公務員給与がどういうものが適切であろうかという立場からやるのが人事院勧告だろうと思つております。それで今副長官からさよう申されたのだろうと思います。
  168. 木下源吾

    ○木下源吾君 だんだん変つて來ておるが、前には国の財政を考慮したとよく言われておる、それは変つて來たならそれでもよろしいが、そこでこの勧告のことはあつてもなくともいいように聞き取れるが、これは一体内閣人事院が創設された当時のことをよく知らないのだ、これはこういうことだ、この人事院勧告という言葉を使つておるが、政府はやはり最終的にはこれは從わなければならない義務を負うておる。経過をずつと調べればわかるのですが、勧告という言葉を使つておるのは、政府は立派な道徳的な存在であるという考え方で、そして一方同じようにできた公企労法は最低ということになつておるのですが、政府としてはそれを尊重する意味で勧告ということになつておるのですよ。ただ違つて來たのは、東洋のスイスたる目標を以て進んだ、日本が占領軍の最高司令官が言われたそういうときからいわゆる世界的客観情勢が違つて來て、今や反共の防衛の役割を果すということに変つて來た、それでこのごたごたがたくさん出て來た、だからそれを率直に言われればいいんだよ、私が言うのは。何ほど陳弁されても、これは自由党で何でももないんだ、かように変つて來て、從つていろいろ財政の問題もやはりそれなりに制約されるようになつて來ておる、それをはつきり言われればいい。それをはつきり言われたときに、私はそれを前提としましてなおいろいろ申上げることであれば、話の解決はつくのだ、これはまさしくそうなんだ、人事院の創設されたのは、東洋のスイスたらしめる、そういう方向のときに創設されたんだ、淺井さんはそのときどきで変つたことを言うけれども、実際はそうなんだ。ところが今度日本が反共の役割を背負つて來たのはこの講和條約によつても明瞭なんだ、今更それを隠すこともない。こういうふうに変つて來ておるのだから変るのが当り前で、今の勧告の問題の解釈も、千葉委員の言われることに対して政府はいろいろ言われるけれども、これは説が合わない。人事院勧告というものは、その当時は公務員のいわゆる労働基本権というものを制約したが併し基本的人権がある。それを守るために勧告をちやんとするのだということが、これはマツカーサー元帥のメモランダムにも書いてある。それをひん曲げて今答弁せられておるから事が面倒になるんだ。あなたはよくわからないからよく調べてもらえばわかるですよ。そういうちぐはぐな合わないものを答弁しないで、総理大臣のように客観情勢が違つて來たからこうだと率直に言われれば、そして我々はその観点に立つて言えばあなたがたもよく了解ができると私は思う。どうです、私の言つていることに違いがありますか。
  169. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 国家公務員法によりまして、人事院の使命、又はそういう重大なる職貴に対しては政府は勿論これに敬意を表し、その研究によつて出されるところの勧告につきましては、これを尊重することはしばしば申上げておる通りであります。併しながらこの国家公務員法を作りましたのは第二次吉田内閣でありまして、人事院のことにつきましてはこの内閣といたしましても決して認識が足りないというようなことはないと確信しております。從いまして尊重できるところは尊重するのでありますが、一方においてやはり財政一般の関係考えてそうして政府の案を出す。それについていいか惡いかということはやはりこれは国権の最高機関として国会がきめて頂くより何とも仕方がない、かように考えておるのであります。国家公務員法の趣旨もそこにあるのではないか、かように存じておる次第であります。
  170. 木下源吾

    ○木下源吾君 それはおつしやる通り国会が最高機関だからきめるけれども、そこなんだ、最高機関の国会といつても、あなたがたが行つて司令部でOKをとつて來る、自由党は現在国会の多数党であるから国会の意思だと一般に認められるのは当り前なんです。だが併し現実の情勢というものに対してこういう事情であるからということで我々がこうして訴えておるわけだ。おれらの意思は国民の意思だと言つてしまえばそれで終りだ、それでそのことはみな解決される。私の言つているのは成るほど多数党であるから国民の意思を余計に代表しておるのであるけれどもそれは何年間か前のことなんだ、現状においてはこういうふうに変化しておるのだから、変化に適応するように今考え直さないのかということが問題なんですよ。国会できめることはあなたがおつしやらなくともわかつている問題だ。現状に対する認識が違つておる。やはり同じなんだと言われるならこれはおのずから問題は別だが、我々が口をすつぱくして言つておるのは、いろいろ事例を挙げたり、情勢を申上げたりして具体的なことを指摘しておるのだから、これくらいのことはあなたがたはやらなければならん、OKをとつて來られたのもあなたがただから一つこの点で努力して直して來られたらどうか、こういうふうに率直にいえば言つておるのです。私どもも何遍か行つてわかつておるのだ。ところが行つたつてうんと言わない。あなたがた多数党のこれは責任である。我々はただ責任だけを追求しておる。我々少数党の野党であつてもやはりなお国民の意思というものがあるのでこの国会で我々がいろいろ論議をする、それに対してやはり少しは耳を傾むけたらどうかと言うのです。だから結論としてはあなた自身が持つてつて、百分の八十を百分の百にしろと国会で以て野党の少数者から言われたからと言つたらどうか。もう少し人事院勧告を尊重したらどうか、財源はここのポケツト中にありますといつてつたらどうだ。早い話がそれぐらいの御苦労をなさつたらどうですか。(笑声)
  171. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 政府責任を持つて出した案でありますし、衆議院も通つておりますので、これを又修正するというようなことは、参議院でなさるなら別ですがそういう意思はございません。
  172. 森崎隆

    ○森崎隆君 今の二の問題でこの二割減をやつたらどれだけ節約になるのですか、何百億ぐらいになるか。(笑声)
  173. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 休職者が一体どのくらいになるかという的確な数字でありますが、実は政府といたしましては、只今まで休職者の数に関しまする的確な調査は持合わせておりません。ただいろいろ関係庁から聞きました数字を総合いたしてみますと、一月以上のいわゆる長期欠勤、これが休職に当るとは決して申しませんが、そういうものが大体二%半見当ではなかろうかという一つの見当はつけております。ただその前後の見当程度でありまして、これを以て休職期間の数がどうか、或いはそれに伴いまする休職級がどうであるかというようなことにつきましては、ちよつと只今的確なるところは申しかねるのでありますが、なお人事院等に御資料がありますればそちらからお伺い願いたいと思いますが、まあ二・五%見当が比較的長期の欠勤者ではなかろうかというふうに考えておりますので、その辺のところからこれに伴いまするところの金額につきましては御想像を得たいと思います。
  174. 千葉信

    千葉信君 その所管人事院ですよ、人事院のほうはどうですか。
  175. 淺井清

    政府委員淺井清君) ちよつとその問題で的確な資料がないということについて御追及があつたのでありまするけれども現行公務員法によりますると、この休職者に対しては如何なる給与も支給できない、こういう建前になつておりますから、休職の制度を利用することが非常に少いからであろうと思つております。ただその点について人事院のほうは給与局長から御説明いたさせます。
  176. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 先ほど大蔵省の主計局次長からもお話があつたのでありますが、休職者の調査というものが現在行届いてはおりませんが、我我が急遽調べたところによりますと、国会、裁判所、会計検査院から各省を通じまして、およそ休職者は現在三千六百人ぐらいあるのではないかというふうに想像いたしております。
  177. 千葉信

    千葉信君 暫時休憩を願います。
  178. 森崎隆

    ○森崎隆君 それでは最後に確認いたしたいと思いますが、この二の改惡の問題につきましては、内閣官房でこれが発議されて吉田総理並びに厚生大臣も含めまして閣議で全会一致でこの問題が決定されておる、そう確認してよろしいでございますかね。
  179. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 閣議は御承知のように連帯責任でありますから一人でも反対があれば駄目なんですが、多数決というようなことはございません意味におきまして全会一致であると、かように申上げます。
  180. 森崎隆

    ○森崎隆君 そう確認いたしました。
  181. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  182. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記を始めて下さい。それでは暫時休憩をいたします。    午後五時四十四分休憩    ―――――・―――――    午後六時五十三分開会
  183. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは休憩前に引続いて委員会を開会いたします。引続いて御質疑をお願いいたします。
  184. 森崎隆

    ○森崎隆君 淺井総裁ちよつとお尋ねします。今度別表の第五、企業官庁職員級別俸給表ができましたが、これを特に作られました御趣旨を簡單にお話願いたいと思います。
  185. 淺井清

    政府委員淺井清君) これはもう提案理由の説明等において政府から申上げたので、人事院といたしましてもそれと全く同意見で改めて申す必要はないとも思いますが、ただこういういわば現業的な性格を持つている官庁職員におきましては、係長とか課長とかそういうポジシヨンが少いのでございます。そうしていわば熟練度で長くいる、こういうことでございまするから、それらの職員には得て頭打ちが多い、これを解消することが必要である。尤もそればかりで問題は解決しないと思いますが、今回は給与準則制定に至る暫定的な措置としてこの別表をこしらえた次第でございます。
  186. 森崎隆

    ○森崎隆君 成るほど非常に結構な御趣旨でできましたことを私たち歓迎いたしたいと思います。この表で見ましても、曾つてなかつた各級に何号かの号俸が追加されまして頭打ちを幾分解消する方途が講ぜられましたことは非常に喜ばしいことだと思いますが、まあこの主目的が頭打ちの解消ということにあることは、勿論私どももそう考えますし、副官房長官のほうでもそういうようにさつき御説明があつたのであります。それでこの頭打ちの問題を一応私根本的に考えてみたいと思います。それはこの頭打ちというものはなぜできたかということになるわけです。これはいろいろ調べて、みますると、或いは三年前でしたかやはり一月から実施の二千九百二十円ベース、あのベースのときにやはりこういう頭打ちを解消するための措置として、現業官庁の特殊性を十分に活した別表でもできておりますれば、私頭打ちのことはそのとき以後ずつと解消していたものと考えておるわけであります。今回これが遅まきながら出されましたことは非常に私たちとしましても敬意を表する次第でございますが、ただ今回のこの別表だけによりますると現在の頭打ちだけが解消されるのでございまして、頭打ち自体は考えまするとあの三年前からずつと随分この頭打ちの犠牲を受けておる人たちがたくさんある。この全体についてやはり原則的には今回全部解消しなければ、給与について非常に不均衡が起るというような意見を私持つておるのです。その点につきまして官房副長官にお伺い申上げますが、この頭打ち解消という趣旨から考えますると、過失に頭打ちで随分困つて長年犠牲を拂つて來た者が、今度この別表ができたことによつて何ら解決をみないという者も相当にある、これもやはりどうしても今回一緒に解決をして頂かなければ、この別表を出した基本的な使命の達成が私たちとしましては期待できない、こう考えるわけであります。その点につきまして政府の御意見を伺いたいと思います。
  187. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) この特別俸給表の趣旨は、先ほど人事院からお話がありましたように、いわゆる監督的な職の比較的少い所において起りますところの頭打ちの現象を救済しようというのでございまして、現在の頭打ちの者ばかりではなくてすでにその一般俸給表を使つておりますために昇級できないで長い間現級にとどまつておりましたものにつきまして、その最後に昇給をいたしましたときから計算するのでありまするから、從つて現在の頭打ちと申しまするか、上げたくても上れないというばかりでなくて、過去においてずつとそのために上げられないものも救済されるような結果になるわけでございます。
  188. 森崎隆

    ○森崎隆君 それではこの百二十四頁の第五に、特別にそういう点がはつきりと書かれてないのでございまするが、今副官房長官の御趣旨をそのまま具体的に申しますると、丁度昨年末の給与の改訂のあとにおきまして、いろいろ矛盾を是正するために人事院指令のあれは百一号でしたか出されまして、特別昇給のそういう措置がとられて参りました。それと同じような方途によりまして昭和二十三年一月以降頭打ちで困つて來た犠牲者を今度全面的に是正される、こういうふうに解釈してよろしうございますね。
  189. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 昇給につきましては、やはり最後の昇給をした日から計算いたしまするので、自然にそういう人たちがこの恩恵によつて平等に利益を受けるということになると思います。勿論その昇給をするのはこの法律にきめてあります一定の年限を経なければならんと思いますが、それぞれの起算点が最後に昇給をしたときから起算されまするので、その点は長い間同じ給料にとどまつてつた者に対しても不利益はないように感じております。
  190. 森崎隆

    ○森崎隆君 もう一度確認いたしますが、これで過去三年間の不利益というものは一応解消する、そういうふうに確認してよろしうございますか。
  191. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) この特別俸給表で以て救済できない人は仕方がありませんけれども、これが適用されてこの俸給表によつて幅が擴げられた分野に対しましては救済される、かように考えております。
  192. 森崎隆

    ○森崎隆君 そこにちよつとこれは疑義があると思うのですが、それでやはり現在頭打ちで困つている者についてはこれは一応解消しますけれども、過去三カ年の間随分これで犠牲を受けて來た者についてはどういう救済の方途を講ずるのですか。それをしないできめるだけではこれは法律上の趣旨から考えても私はおかしいと思うのですが。
  193. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 三年にしても五年にしても一般俸給表を適用しているために昇給ができない、要するに表を変えなければ、それ以上の給与が受けられないという者に対しましては、その最後にその級の最上級になつたときから計算して、今回の擴げた幅の所に昇給して行くのでありますからそれは救済されると思います。
  194. 森崎隆

    ○森崎隆君 私はそれで全部解消できないような気がするのでございますが、やはり相当それで幅が擴がることはよくわかりましたが、一つこれは若しこの面につきまして不合理な点がありました場合には、是非特別の措置で今の問題は全面的に解消して頂くようにお願いいたしたいと思います。
  195. 千葉信

    千葉信君 これは菅野副官房長官よりも実施官庁としての人事院のほうにお伺したほうがいいと思いますが、今度の政府案によりますると附則別表第二、これは勧告でも政府案でも同様ですが、この附則第二の内容を見ますると、人事院のほうの勧告では切替日の前日における俸給月額ということになつておりますが、政府案のほうは私はこれを頭が惡くてよくわからないのですが、改正前の法の適用により切替日以後この法律施行の際までの期間内の日において受けておる俸給月額というふうになつております。こういうふうに人事院勧告政府によつてつて來ておるんですが、そこで問題になつて参りますのは、政府案の附則第三号の関係と五号の関係、この点を仔細に私ども検討いたしますると、実施官庁としての立場から今菅野さんの言われたような措置が行えるかどうか、この点についての人事院の見解を承わりたいと思います。
  196. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ちよつと私遅れて参りましたので勧告文につきましてもう一度お願いいたします。
  197. 千葉信

    千葉信君 人事院勧告における附則別表第二が、政府のほうの別表第二では、人事院のやつは切替日の前日における俸給月額というふうになつておりますが、政府案のほうでは、改正前の法の適用により切替日以後この法律施行の際までの期間内の日において受けておる俸給月額、こういうふうになつておるんです。從つてこういうふうな表現になつておることと、それから政府案による附則第三と第五との関連等で、これが一体今官房副長官が言われたような措置が行えるかどうかということ、この点は人事院はどうでしようか。
  198. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 附則の所の言い廻しが人事院意見の申出と政府の表現とちよつと表現が違つておりますが、内容は別に食い違いはないというふうに存ずるのであります。で今回企業官庁職員級別俸給表が適用されまして、そうして枠内に入つて來る人々につきましては、從來はそういう人が枠外におつたわけでありますから、昇給期間には從來の俸給表の或る級における最後の号俸附近の昇給期間の二倍の期間を要したわけでありますが、今回にその半分の期間で昇給するということになります。從いまして前回昇給後の期間をずつと通算いたしまして昇給することになります。從つてこの経過しております期間が、昇給に必要な期間を満たしている者につきましては、これは当然昇給ができるということになります。昇給いたす、こういうことになります。そういう限度におきましてこの特別俸給表の適用者は有利な取扱を受ける、こういうことになります。
  199. 千葉信

    千葉信君 それから次には淺井総裁お尋ねいたしますが、これは又実施官庁としての立場から御承知でもございましようが、昨年の十二月国会で当時の給与べースの改訂の審議の際に非常に問題になりました調整号俸の問題について、その時政府のほうから最後に〇・五号俸の問題について一応考慮されるというような御答弁がありました。そうして法の適用によらずにそれに対する一つの措置がとられたわけであります。併しそういう措置がとられたというようなやり方を私どもは法の審議をする国会立場としては、こういう意見はどうかとは思われますけれども、併し実際上公務員の非常に不利益な状態に対して、而も相当その待遇上不合理が從來行われていたという段階から言いますると、私どもそういう実際上の行政措置といいますか、救済措置というものがどうしても必要になつて來るというふうに考えております。  そこで今度問題になつて参りますことは、今特別俸給表等の適用によつて若しくは又、今度の法律の改正によつて今度昇給期間等の改正が行われまするから、そういう場合に一番最近の昇給した時期を昇給期間の計算の基礎にすると菅野副長官の御答弁があつたわけですが、そこでそれは私どもいいとして、今一般職公務員の中でも一番人数の多い郵政省職員等の例だけをとつて調べてみましも、非常に從來頭打ちの現象がおびただしくあつたわけです。まあその点については現在の級より昇給時期というものは、これは考慮されまするから、一応この問題は別として、その以前に從來非常に極端な頭打ちの現象があつたわけです。これはここで数字を読上げても結構ですが、併しこれを読み上げなくても大体人事院のほうでもそういう実態をよく御承知だと思います。從つて実施官庁立場から人事院としては、これらの救済措置等についてどういうふうにお考えになつておられるか、その点についての御説明を願いたい。
  200. 淺井清

    政府委員淺井清君) その問題は最前森崎さんの仰せになつたのも結局その問題ではないかと私は拝聴いたしておつたのであります。例の号俸の調整の問題からお話になりましたが、あれは法を破つたものであるという仰せならば問題はありませんが、これは実は国会の御意思によつてつたことでありますからさよう御了承願いたいと思います。ああいう方法は実は邪道でありましてああいうことはやりたくないと思つております。  そこで只今の頭打ちの問題でありますが、これは非常に重大な問題を含てでおるように思いますので、只今この席上でお約束をするようなことは私としては言いかねる。これは予算上の措置ともからみ合つておりますので十分研究しなければならんと思つておりますが、よく御趣旨に從つて一つ研究をさして頂きたい。それ以上ここで申上げることはちよつと私只今はできかねると思います。
  201. 森崎隆

    ○森崎隆君 これは何でもない問題ですけれども官房副長官でなくても、課長さんおりますね。今の年末手当の問題、この一頁に在職期間が六カ月以上の場合は百分の八十とありますね。このうち三十が八、九月分の特別措置、第二、第三の百分の四十八並びに百分の二十四、これの五割と三割の内訳をはつきり一つ御説明して頂きたい。
  202. 岸本晋

    政府委員(岸本晋君) 在職期間が三月以上六月未満の場合は十分の五に相当いたしますものが百分の三十でございます。第三号の三月未満の場合は百分の十五であります。
  203. 森崎隆

    ○森崎隆君 じや言い換えたら〇・三は、第二につきましては百分の十八ということになるわけですね。第三につきましては百分の九ですか、これでいいですね。
  204. 岸本晋

    政府委員(岸本晋君) さようでございます。
  205. 森崎隆

    ○森崎隆君 それから次に淺井総裁に一つお聞きしますが、今日も午前中ですか午後ですか政府案によりましてはいろいろ不満の点もあるが、人事院の時に給与水準のあのベースの基本的な性格は一応認められたというようなお話でございますが、結論としてお聞きいたすのでありますが、その内容につきましてはさつき千葉委員のほうから、特に五級から十級あたりのところの政府案とそれから勧告案との手取りの差違についていろいろ具体的の数字が出たようでございますからお気付であろうと思いますが、私たちはこういう点を考えましても根本的にやはり勧告案が蹂躪されているというような実はそういう観点に立つのでございますけれども、結局この政府案に対しまして総括的に人事院総裁といたしましてどういうお考えですか。
  206. 淺井清

    政府委員淺井清君) 人事院勧告よりもずつとこの案のベースが下廻つていることは遺憾に存じます。
  207. 森崎隆

    ○森崎隆君 この遺憾に存じますは私よくわかるのでありますが、それだけの言葉ではさつき申されました政府案にも何か満足すべき点がいろいろあるような、私の聞き違いかも存じませんがそういう意見があつたように思いますが、もう少し具体的に、全体として不満ならば不満、それから事実どこが認められないからそれは不満だという具体的のことでなくて、総括的に政府案に対して御批判と申しますか、人事院総裁としてのお立場から御意見を承りたいと思います。
  208. 淺井清

    政府委員淺井清君) それはすでに午前中申上げた通りでございます。この給与の問題で一番重要な点はやはり金額の問題でございましよう。これはベースというもので現わされております。そのベースが政府の案が人事院よりも低いということは、人事院といたしましては飽くまでも人事院給与のベースが正しいものだと考えております。それを只今遺憾であると申上げたのであります。併しそれに対してなお詳しく申せと仰せでございますから詳しく申しますが、然らば人事院としてどう考えておるかと仰せでございますならば、それ以外の点につきまして人事院給与の体系というものは非常によく取入れられておると、こういうことを私は申上げたいのであります。
  209. 森崎隆

    ○森崎隆君 今のお言葉から想像いたしますと、結局政府案に対しましては人事院総裁としてはやはり非常に不満であるという結論になろうかと思います。又そういう御意見は私至極人事院総裁として尤もだと考えるわけであります。さつきも人事院勧告案につきまして副官房長官のほうから、予算のことは考えずに公務員給与としてあるべき姿を出しただけで、これに予算をにらみ合せて政府案は当然現実の問題として作らるべきであるという観点に立つた意見もありましたがそれはそれといたしまして、やはり予算の面は別にいたしましても公務員給与実態からこれは決して私は賛沢な勧告案でないと思う。これに対しまして恐らくどの労働組合の人々に聞きましてもどの公務員に聞きましても、これでとにかく十分だというような一応満足のような意を表するような公務員は、人事院勧告案に対しまして意思表示をされるかたは実際にないと思う。そういう意味におきましては、極端に申上げまするならばやはり公務員の最低生活を保障する意味の、これは最低限度のぎりぎりの勧告案です。もつと極言いたしまするならば食えるか食えないかの境目だということもあえて言おうとすれば言い得ると思います。その勧告案を政府におきまして予算の枠内においてそれを更に切下げるという、この二つの観点の違いは非常に大きな問題になるのでございますね。その点を特に副官房長官にも申上げておきたい。それで本当に人事院としまして、とにかく現在の公務員か日本の現経済情勢の中で生活をして、そうして国民に対する奉仕をとにかく十分になし得るためには、どうしてもこれだけのものは出さなければならんという観点に立つた勧告案であろうと思うのですね。そういうような結論から参りますると、若し最惡の場合この人事院勧告案が無視されまして、予算の枠とはいえ政府のこの案が若し不幸にして国会を通過して法律化いたしました暁におきまして、おのずから人事院の第二段の態度というものはそこに出て來なければならんと思う。今これはこんな所で言うのはおかしいと思いまするが、やはり私は今からその決意を総裁には持つて頂かなければならん。総裁は今日も当初におきまして、人事院は争議を起す権利も何もない、政府とその立場を認めての話合いしかできないのであるということはよくわかりますが、併しながら自分が公務員給与に対する一応の責任者としてこの良心的な案を出しまして、それがとにかく切下げられてこれではいけないという観点に立つた限りは、不幸にしてこのこの政府案が通りました直後におきましては、強力に自分が出した八月の勧告案を更に支持する意味の意思表示が当然あるべきものだと私は期待するわけです。そういう意味の決意は当然なくちや私は人事院の権威は失墜すると思います。そういうような決意を総裁にこの際私はお聞きしたい、
  210. 淺井清

    政府委員淺井清君) 只今お尋ねは実は私自身がお答えとして申上げたいと言葉でございます。人事院勧告は今回の措置によつて決してこれでおしまいに、帳消しになるものではございません。人事院公務員の最低の生活の線として出しました勧告は私は生きておると思つております。今回のべース・アツプによつてそれでもうおしまいになつとは私は考えておりません。
  211. 森崎隆

    ○森崎隆君 私は今のお言葉はちよつとわかりかねるのでございまするが、具体的に申しますと、昨年末のあのように、これはこの間も副官房長官に皮肉を申上げたのでございまするが、人事院勧告案はあの通り実施できずに政府案が出ました。あの時に実はこの問題は言わずに人事院に期待しておつた。言い換えますとあの法律が通過した直後に、強力に人事院としまして前のベースを支持するような一つの意思を発表といいますか、自分の権威を保持するところのそういう意思が発表されて然るべきであつたと思います。ところが現実におきましてはあの法律が通過してのちまあ八カ月ですか、その間たびたびいろいろ新らしいベースは出ましたものの、その間はとくにかく人事院のべースというものは蹈みにじられて來た、この間に受けたところの公務員のやはり損害、生活の窮迫というものに確かに何パーセントかはあつたわけであります。その点を私は総裁に伺いたかつたのであります。そういう意味で直後に何とか意思表示をされるかされないかということを私はお伺いしたいのであります。勿論これがどんな形で通ろうと通るまいとベース改訂の問題は人事院の使命でございますから、もう日夜を分たずこれは研究を積んで行きまして適当の時期に再勧告をされることは当然でございますけれども、現実におきまして八月に勧告したものが今又これを蹈みにじられるというようなことになつた場合にこのまま黙つておれるかどうかの問題を実はお伺いしたいのであります。
  212. 淺井清

    政府委員淺井清君) ちよつと私のお答えが外れるかも知れませんが、人事院勧告とか政府の案とか申しましてもそれは法律になる前の話でございまして、国会の御意思によつて法律が出ました以上は人事院は誠実にこれを施行しなくちやなりません。故に去年の法律人事院は誠実に施行いたしたのでございます。併しお尋ねの趣旨はここにあるんじやなくて人事院勧告を今後どう持つて行くのかということにあるのだろうと思つております。人事院といたしましてはあの勧告は決して死んだものとは思つておりません。これは国会にもそのまま差上げてあるのでございまして、この勧告の趣旨を実現すべく将來も努力いたすということは当然なことで、そのつもりで最前お答えを申上げたつもりでございます。
  213. 森崎隆

    ○森崎隆君 非常に消極的な表現でわかつたようなわからないような気持がいたしますが、その問題は又後日に取上げたいと思います。  いま一つ副官房長官お尋ねしたいと思いますが、今度の給与の改訂に関連いたしまして非常勤の職員の問題がやつぱりあるわけであります。林野庁その他に随分定員外とする職員がいるわけです。こういうかたがたについての取扱はやはり前の一般職給与に関する法律に從いまして適当の措置がとられるものと思つておりますが、念のためにその点確認しておきたいと思います。
  214. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 非常勤職員につきましてはもとより一般職職員に準じてやるのが原則であります。ただ併しながらいろいろ勤務形態が違つておりまするので、一般職の常勤の職員と似たような仕事をしている者に対しましては、これに準じた殆んど同様な給与の改訂がなされます。なお詳細につきましてはこの点の非常勤職員給与責任官庁であるところの大蔵省の政府委員のほうからお答えいたします。
  215. 岸本晋

    政府委員(岸本晋君) 非常勤職員という言葉は非常に今まであいまいでございますが、そのうちで人事院の最近の取扱によりまして、勤務形態その他において常勤職員と全く同じものと認められたものがございます。こういう種類の非常勤、非常勤と申す言葉では当らないかと存じますが、そういう職員につきましては一般職の今回の給与ベースの改訂はそのまま適用されます。人事院におきましては、常勤職員としての取扱を受けていないその他の非常勤職員があるわけであります、これにつきましては現在只今質問がございました林野庁あたりの実情を見ますると、一般職職員給与と均衡して、或いはPWを基礎として改訂給与を決定いたしております。從いまして今回一般職が改訂になります。又PWのほうも最近十月一日から改訂になつております。そうしたものを検討いたしまして新しい給与が決定されると思います。
  216. 森崎隆

    ○森崎隆君 重ねて岸本さんに確認を得たいと思います。結局それでは給与の改訂並びに今度の年末の手当、これらの問題二つともやはりこの非常勤の今人事院指定されたものにつきましては当然やはり準じて実施される、こういうふうに確認してよろしうございますか。
  217. 岸本晋

    政府委員(岸本晋君) 先ほど申上げましたのは本來の給与の問題の点についてでございますが、年末手当につきましても今回年末手当の持例法案が通過いたしますればそれに応じまして常勤職員並みのものには給与が支給せられることになろうと存じます。
  218. 森崎隆

    ○森崎隆君 一般職職員給与に関する法律の第二十二條ですかの第二に書れておりますところのこの條項、これをとにかくまあ忠実に実施して頂ければいいのでございます。具体的に申しますならば給与そのものの改訂、年末手当、まあ両方の問題につきまして、是非とも一つ非常勤を一般職員なみに御配慮を頂きたいと思います。
  219. 千葉信

    千葉信君 人事院お尋ねいたしますが、特に給与局長お尋ねしたいと思うのですが、人事院のほうから今度の第二十三條の法律改正意見の中で、その第二項で「職員が結核性失患により」云々と勧告が出ておりますが、この勧告を出されました趣旨の中には、現在閣議決定による結核対策要綱に基く休暇の制度はこれは存続しながら休職者になつた場合にこの條項を適用するという建前勧告をされているかどうか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
  220. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 今お尋ねの点はそのように思つております。即ちこれは或る場合には從來の結核対策要綱によりましていたす、併し長期の療養を要するというようなことが初めからわかつております場合にはその方法による、こういうふうに考えます。
  221. 千葉信

    千葉信君 その点についての大体の実施の基準のようなものは人事院として考えておられますかどうか。今お話のありました長期に亘る療養を要すると認められたような場合というようなときには、これは今の御答弁を承つておりますと相当幅のあるやりかたが考慮されているようですが、私の御質問申上げている中心は、閣議決定による從來の結核対策要綱なるものを大体において完全に実施しながら、この第二十三條の二項の措置をとるというふうにお考えになつて勧告されたかどうかという点で、その点についてもう少し明確に御答弁願いたい。
  222. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院勧告いたしました趣旨は、結核対策要綱によりまして休暇をしまして、そのあと意見の申出の二十三條の二項によるような措置をやるというふうには考えていないのであります。從いまして先ほどお尋ねの中にございました然らば如何なる基準によるかということは研究いたしております。これはまだ結論には達しておりませんが研究を進めております。
  223. 千葉信

    千葉信君 そこで問題になりますことは、公務員の利益をできるだけ擁護しなければならないという人事院立場に鑑みて、御覧の通り人事院勧告が必ずしも満足なる状態において今度の給与改訂が行われようとしておらない。その点については只今淺井さんから誠に政府のこの給与引上のやりかたは不満であるという明確な意思表示がございました。從つて、実施官庁としての人事院責任の範囲内においてなし得るところのこういう問題の処理については、できるだけ人事院としては人事院本來の立場に立たれて、一つこの点に関する公務員の利益の保護ということをこの際お考願いたいと思うのです。如何でしよう。
  224. 淺井清

    政府委員淺井清君) 御趣旨に從つて善処するつもりでおります。
  225. 千葉信

    千葉信君 そこで今度は只今の問題に関連して菅野副長官お尋ねしたいことは、たしか今度は休職者に対しては定員外の措置をとるということになつておりますが、そういう措置をおとりになるわけですか。
  226. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 仰せの通りでございます。
  227. 千葉信

    千葉信君 それでは次の退職手当の問題でありますが、まあろくろく大詰に來たので成るべく早く議事を進行したいと思います。この際退職手当の問題については、本年の第十国会ですか、第十国会でも退職手当法律の改正の問案が審議されましたが、退職手当の今度の特例ではなくて、今度の法律基礎になりました今までの退職手当に関する法律の問題について、衆議院のほうの大蔵委員会審議の経過等もございますから、簡單に専門員のほうから御説明を願いたいと思うのであります。
  228. 川島孝彦

    ○専門員(川島孝彦君) 今お尋ねがございましたので極く概略を申上げます。その問題は本年の二月の中旬から三月の下旬に及ぶ問題でございまして、政府から衆議院のほうへ退職手当法律の一部改正法律案が出て参りまして衆議院では大蔵委員会に付託になりました。その改正の趣旨は、元來この法律は臨時的のものでありまして恩給法ができるまでの間臨時に退職者に対する手当の基準をきめるものだというのでありまするから、昭和二十五年度の退職者に対する手当の基準を定める、從つて昭和二十六年三月三十一日限り失効するという規定でありましたのを、まだその恩給法も出ませんのでそれをもう一年延期するというだけのものでございました。ところが衆議院におきましては各派が一致いたしまして、昭和二十六年度にも若干の行政整理があるからその人たちにもやはり前の年度と同じような恩典を均霑させたい、又それと同時に公団とか閉鎖機関等の残務整理をする人々に対しましても有利な退手当の取扱をしたいというために、その趣旨の規定を入れまして、なお且つ公団等比較的できましてから短い期間の間存続しておりました職員につきましては、なお一層これを優遇する意味におきまして、從來の勤続二年乃至三年未満のものにつきましては二カ月というのを二カ月半、それから三年乃至四年未満という期間の人につきましては三カ月とありましたのを三カ月半、それからなおその上に満四カ年以上という勤続者につきましては新たに四カ月を以て計算するという修正案を出されましてそれが委員会において可決されたのであります。その後におきましてその手続の上に不備があることがわかりましたために衆議院の委員会では事会議に上程するのを抑えておきました。それがたしか三月の十二日であつたと思いますが、その後三月の二十九日になりまして再び委員会を開きまして最初の決定された案を再議に付しまして、期間の計算に関する條項を削除した修正案を提案されてそれが可決されたのであります。そうして参議院のほうへ送付されました。
  229. 千葉信

    千葉信君 只今川島専門員のほうからお述べになりました問題について菅野副長官なり東條次長なりどちらからでも結構でございますから御答弁を承わりたいと思います。今度の退職手当の臨時措置に関する法律の改正の中では、附則第九項の第二号で今衆議院における大蔵委員会の決議になつた職員等の場合について、今度の定員法の改正或いは予算関係等による定数の改廃等に関連する退職手当の特例はこれは一応わかりましたけれども、今川島専門員のほうからお話のございました、今度のこの行政整理による退職以外の場合でも殆んど行政整理による退職と同じような現象が起つていやしないか。例えば閉鎖機関の処理委員会等のごとき、或いは連合国軍要員諸君のごとき、これはもう極端な形における行政整理、首切りの状態が累年続いております。殊に進駐軍要員の関係等ではその点が非常に極端でありますし、又閉鎖機関等の場合においても最初は三割、本年度は五割という恰好の継続的な恒常的な首切りが絶えず行われております。こういう職員に対して衆議院の大蔵委員会で一旦決議になりました退職手当の増額の問題等について、これは参議院の人事委員会でも問題になつたところでありまするが、その第十国会において当時大蔵省としてできるだけの問題についてはいろいろな経緯のために実現が困難であつたけれども、あらゆる機会をとらえてその実現に努力するということの御答弁がございました。今度の退職手当の臨時措置に関する法律にはその問題が解決されておりませんが、この点については官房副長官なり東條次長のほうでどういうふうにこの問題を考えられ処理されようとしているか、この点をお尋ねしたいと思います。
  230. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 専門員からお話のございました大蔵委員会その他の委員会におききする審議の経過等十分つまびらかにいたしておりませんので、或いはお尋ねの御趣旨と違つたお答えを申上げるかと思いますが、その節は御指摘をお願いいたましてお答えを申上げます。今回のこの退職手当の臨時措置は、まあ御承知通りの今回の定員法の改正と表裏一体的に是非從來の退職手当に増しました金額の支給をお願いいたしたいと、こういう趣旨でこの法律案の御審議をお願いいたしたことは申上げるまでもないのでございます。從いましてこの特別の退職手当給与に関する法律案の支給の対象になりまするところの範囲には、今回のこの定員法の改正なり、或いはまあ定数という言葉を使つてもよろしいかと思いますが、そういうものの増減に伴いまするものがその対象になるということは、これは申上げるまでもないことであります。そこでまあいわば嚴格な意味におきましては、今回のこの定員法の改正に伴つて退職、離職せられるかたがたではないけれども、趣旨においてほぼこれに準じたものにおいて、從來の審議の経過もあるんだが何らかこれに準じた扱いができるかどうかと、こういう御趣旨の質問だと思うのでありますが、私から申上げるまでもなく、この国家公務員なり或いはこれに準ずるかたがたのまあ範囲と申しまするか種類と申しまするか、いろいろのかたがたがおられます。それで個々の場合々々に応じまして具体的にその事情が果して今回のこの改正法律案に意図しておりまするような具体的な事情に、條件に当てはまるかどうかということを十分仔細に検討いたしました上でございませんと、抽象的に大体この法律案に準じて扱えるんだということを実は申上げかねる次第なんです。ただお話が出ましたので一例として申上げますれば、十月以降に來年の三月までに退職せられるところの閉鎖機関の職員につきましては、予算に定めておりまするところの定員の減小に伴つて退職が起るという場合におきましては、この法律案の趣旨に準じて扱えるのではなかろうかとこう思つております。ただこの法律案の内容が実は從來の金額に比べまして相当多額に上つておるのでありまして、この法律案の制定にいろいろな実はいきさつがございまして、具体的の事情を十分検討いたしませんと的確に個々に申上げかねますが、進駐軍等のお話でございますと、この範囲外のお話でございますると、この退職金の給与に関する法律案の適用があるということは申上げかねるのではなかろうか、極めて困難であります。かように考えております。要は極めてこれはデリケートな又むずかしい問題でございますから、一つ一つの場合の具体的の事情を十分伺いまして検討いたしませんとわかりませんが、根本の気持におきましては、この定員法の改正なり乃至はそれに準ずる場合におきまして、そうしてこの法律全体を通じた解釈上でき得る場合につきましては成るべくこういう法律に準じた扱いをいたしたいということは考えておりまするけれども、個個の場合々々になりますと、そういう條件にあつてはめかねる場合が実は公務員一般職の中にもございますので、甚だ抽象的な言い方になりますが個々の場合に応じて検討するよりほかないと、この席では申上げるほかないと思います。
  231. 千葉信

    千葉信君 退職手当の臨時措置に関する法律の適用の問題については、これは今の東條さんの答弁はちよつとおかしいと思うのですね。もうしちよつう今度の定員法の改正であるとか、或いは予算による定数の改廃というような問題と同様以上に不利益な扱を受けている職員に対して、今度の特例というかこういう法律の適用について嚴格に考慮しなければならないのだというようなことは、これは私は非常に余りに嚴格過ぎるというか余りに冷酷な法解釈の仕方であつて法律というものは常に涙を伴わなくては本当の法律でないという点からいつて法律が本当にそういう制限を撤廃して、そうして今度は八割減らすとか、或いは四割減らすということを言つているし、事実上今度の行政整理以上の行政整理が絶えず行われている職員に対して、この第九の第二号の点かいつて擴大した解釈のできるものに対してまで私は今のような御答弁があるということは全然考えておらなかつたのです。私のお尋ねしているのは今度の退職手当の規定というのは、そういう点ももう完全に適用されるのだという観点の上に立つて、私はあつたお尋ねした点は、今度のこの期限に付した十月五日から來年の六月三十日までという間の退職する職員に対してでなく、それ以外の期間に退職する閉鎖機関処理委員会のほうであるとか或いは又進駐軍の要員等に対して、今度のこの法律の臨時措置をやられるときにこの前の国会で問題になつたような、ああいう衆議院の大蔵委員会の決議等に副うような努力をどうしてされなかつたか。この点については大蔵省当局のほうから十分考慮するということが言われておるのですから、今度のこの法律案の提案の際にどう考えられたか。それから又今後どうするおつもりであるか。私はその点をお尋ねしておるわけですから御答弁がいささか私のお尋ねしている点とは違つた答弁がなされておるようでありまするから、重ねて御答弁をお願いいたします。
  232. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 退職手当法律案につきましては先般來いろいろ国会の御審議の経過等もあり又御意見等も拝承いたしておりまするので、今回の法律案にも関連いたしましていろいろと検討はいたしてみたのであります。検討はいたしてみましたのでありますが、今回国会に御審議を願いますところの法律案といたしましては、只今御覧を頂いておりまするような法律案として御審議を頂くほかはないとこういう事情に立ち至つておる次第でございます。
  233. 千葉信

    千葉信君 そこで從來利害関係者であるところのこれらの從業員諸君からしばしば大蔵省と折衝が重ねられているということを承わつておりまするが、この点について大蔵省ではどういう方針只今おられるか。その点について御存じの範囲に、おいて結構ですから御答弁を願いたいと思います。
  234. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) まあ大蔵省等にもいろいろ関係の機関のかたがたがお見えになりましてこの退職手当につきましてのいろいろの御要望がございます。私といたしましてもそれらのかたがたの御要望は十分いろいろ機会がありますれば承わつておるつもりでおります。又退職手当のその御要望の内容もまたいろいろでございまして、基準になつておる額がもう少し殖えないかという御要望もありますし、又或いは最低額等について何らか考慮が拂えないだろうかという御要望もありまするし、又期間につきましても今度の政府案におきましては十月から六月、或いは十月から三月というような期間が区切られておりますが、それらにつきましてももう少し広い期間の扱いができないものかというような関係のかたがたからの実は私ども極めて多岐に亘つた御要望があるというように承知いたしております。それらの御要望の点をもいろいろ勿論私どもこの法律案の起案に参加するものといたしましては、御要望があつたということは十分承知の上で、今回の審議を頂きまするところの法律案というものに到達せざるを得なかつたという事情に相成つております。
  235. 千葉信

    千葉信君 どうでしよう東條さん、通常国会あたりまでにその退職手当に関する関する法律の一部修正についてこの際御用意できませんか。
  236. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) まあほかのかたでありませんので、千葉委員はこの法律案の内容につきましてはかねて十分御見識もお持ちになつておられるし、又いろいろ御努力のあつたことを拝承いたしておるのでありますが、私どもといたしましては、通常国会に更にこれを改正する法律案を出すということを、この席上でお約束いたしますだけのまだ準備なり或いは案を持つておりませんことを遺憾に存じます。
  237. 千葉信

    千葉信君 了承いたしましたが、只今の御答弁からも十分御努力を継続されて行くということは確認してよろしうございますね。
  238. 東條猛猪

    政府委員(東條猛猪君) 御想像にお委せいたします。
  239. 千葉信

    千葉信君 今の御答弁から十分御努力を続けられて行くということを確認して私は質問を打切ります。
  240. 森崎隆

    ○森崎隆君 質問じやなくてちよつと私提案いたしておきたいのですが、いろいろまだ質問をやればありますけれども一応質問はこの辺で終えたい。ただ私今日まで正式に大蔵大臣の出席を特にお願いしたことはございませんけれども、やはり一度は是所來てはつきりと予算関係のある重大な問題でありますので特にそういう点で一応聞きたいのです。私はほかの質問はこれで打切りたいと思いますが、私は時間は極く五分か十分以内で結構だと思いますが、今日或いは又明日の朝劈頭でも結構ですから十分くらいでも大蔵大臣に出席をして頂きたい。大臣に対する質問を極く簡單にいたしまして私はそれで終りたいと思います。
  241. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 御希望を承つて折衝をすることで御了承頂きたいと思うのですが。
  242. 加藤武徳

    ○加藤武徳君 私只今森崎委員の御発言のようにこの委員会に付託されておりまする法案質問を今日打切ることに関しては異論はございませんです。ただ只今のお話の大蔵大臣の出席に関しましては先ほど來のお互いの話合い等もあるわけでありまして、明朝の仮に十時に委員会を開くといたしましても、これは明日は本会議が開かれることになつておりまするし、本会議に法人税法なり或いは所得税法が上程されますると、大蔵大臣は本会議に御出席にならなくちやいかんし、お互いに本会議優先の原則をはつきり打出していることでもありますし、この委員会に出席を求めるということは十時であつては極めて困難である。このように判断いたしまするので我々としては只今の森崎委員の発言には同感いたしかねるのであります。併しながら森崎君の只今の御発言のように、今日これで四法案に対して質疑を打切るということに関しては異論はございません。
  243. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) ちよつと速記をとめて下さい。    午後七時五十四分速記中止    ―――――・―――――    午後八時九分速記開始
  244. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記を始めて下さい。
  245. 木下源吾

    ○木下源吾君 淺井さんに一つ、地域給をこの間からもつと大巾に勧告を擴げてやつてもらいたいということをお願いしておつた、それをまあどうしても実情はこういうように給与のほうも本当のことを言うとだんだん押されて來ておるので、地域給ども非常に重要視しなければならん。非常に調査の結果でも不合理な所も多々ありますし、なお一つ勧告をしてもらわんければなんぼ政府が尊重しないとか何とか言うても、勧告はやはり権威ですから一つやつてもらいたいと思うのですがいつ頃お願いできるか、そういう点についてちよつとお話を願いたい。
  246. 淺井清

    政府委員淺井清君) そのつもりでやります。これは全国に亘つて近く勧告のつもりです。それで給与べースとの関係を仰せられましたが、一般職について言えば公務員の七五、六%が地域給を受けるようなことになるのじやないかと思つております。その時期はまだなかなか、そうい御希望があるので研究中でありますけれども通常国会早々には出したいと思つております。
  247. 木下源吾

    ○木下源吾君 これはこの前もそういうように総裁言われて固く信じておつたのですが、この前は金額にして約六億ぐらい、実際においては今みんなのほうからいろいろ要請があり調べてみるとなかなかそれではおつつかんようです。指定区域も増されねばならん。又支給率もいろいろ均衡上是正しなければならん。今度私どもは今の原案に対して修正案を出す、この何は金額にして人事院勧告の一万一千二百六十三円でやれば約二十七億ぐらいの範囲なんです。支給率と指定区域と、これはこのように出しているけれども、御案内の通り我々のほうの側からの申入はなかなか向うさんで聞いてくれないのだけれども、実際はこのくらいはやらなければならん所があり、衆議院においてはこれは各党各派ながらもつと多いだろうと思います。そういう国会の実情にあることをよく一つ考えて頂いて勧告をできるだけ速かに、そうして均衡のとれるように公平に一つやつてもらいたい、こう思うのです。大よそどのくらい予算に一つ見込んでおられるか、この点を一つお伺いいたします。
  248. 淺井清

    政府委員淺井清君) 御趣旨に從つてやるつもりですがいろいろやつておるのでして、一体どれほど要るかということはまだ最後の結論が出ておりません。併しお示しの二十何億というのは追加だけの話ですか、それは少し多過ぎるのじやないかというふうに思います。
  249. 木下源吾

    ○木下源吾君 それはあなたのほうの今度の勧告ベースに上る場合の話なので、政府のほうはもつと少いベースなのだからもつと金額が少いと思いますが、何もそう金のことをどうこういうのじやなく、実は第二次補正のことを政府言つておるのですが、第二次補正はなかなかこれは政府が一応請合つてもこれこそ淡い希望、ぬか喜びさせるようなことだと思うのですが、第二次の補正が出せるように我々も大いに努力いたします。ですからでき得る限りそういうものに間に合せるように、そうして一つやつで行けば公務員も大いに喜ぶし、喜ぶというのはただ喜ぶのじやない、困つておるから一銭でもということになるわけですから、一つせいぜい勉強して、予算のことは余り、さつきも言う通りあんたお考えにならんでよろしい(笑声)、それを人事院として公平なところを一つお願いしたいと思います。これを官房長官にお願いしておくわけですが、これはもうわらすべでもすがりたい、我々でもそうだけれども、一般公務員の側では本当に切実な願いなんだから一つ考えて頂きたいと思います。是非、いつ頃、この国会が済んだらすぐにでも出して頂けましか。
  250. 淺井清

    政府委員淺井清君) 先ほど申しましたように通常国会早々までには急いで出しましよう。
  251. 木下源吾

    ○木下源吾君 でもいろいろ案ができて作業ができておると思うのです。まだいろいろ参議院の側からも各党派からも持込むだろうと思いますが、これは全部一応受入れてそれを検討して公平に一つ分配して頂くようにお願いします。これはやつぱり人事官会議で早いところきめて一つお願いしたいと思います。
  252. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 私からちよつと一点だけ伺いたいのですが、人事院勧告を尊重せらるべきだという点はこの委員会でも多少の御意見もございましたけれども予算委員会に申入れてその実現方について努力して参つたのですが実現できません。人事院勧告の権威ということもございますが、実際問題を考えまして、人事院勧告の八月の数字、なお多少その後の物価、生計費の高騰も考えられるわけでありますけれども基礎は五月だ、その後十月以降における民間給与引上というものが現に行われております。民間給与との乖離というものは今度の政府案では救済されておらない。そうすると、この次勧告が行われてもそれの実施というものは或いは又再來年の一月一日、こういう從來のやり方によればそういうことになるわけであります。先ほどの森崎委員質問にも関連いたして参りますけれども、実際の措置として今までのような勧告なり或いは來年の臨時国会での給与引上では民間給与に乖離し、今後の物価の騰貴、生計費の高騰に即応しないわけです。これに対して人事院として或いは政府としてどのように考えておられるのか、その点を一つこの際官房副長官から承つておきたいと思います。
  253. 菅野義丸

    政府委員(菅野義丸君) 人事院勧告を尊重するということにつきましては、先般來官房長官はじめ政府委員一同申上げている通りでありまして、財政的の点等について遺憾ながらそのまま採用できない点はございますが、人事院の非常な科学的な研究の結果の勧告につきましては尊重する態度を堅持しております。只今のお話のいわゆるこの基礎にとる数字と実施時期とのずれ、それからその後の民間給与の値上り、殊に物価の趨勢等がこの給与法に入つて來ないということにつきまして、誠に仰せの通りでありまして、人事院勧告等におきましても、たとえそれが一月後に行われるということが予想されておりましても、その予想を採入れるということは勧告におきましてもやつておらないのでありまして、從いまして政府給与法の改正につきましても、今後の民間給与の値上り等が予想されましても、それを入れてこの際基礎になつておる数字の以上に給与を上げるということは実はやつておらないのであります。從いまして政府といたしましては、こういうような国定公務員法上の給与の取扱方になつておりますので、根本的にはやはり財政政策といたしましてインフレを防止して、そうして全面的に経済界を安定して、一般職員の生活を安定するということが根本策であろうと考えております、そういうふうに財政経済政策の主眼をそこに置いて今後の施策をやつて行きたいと思いますが、人事院勧告が出ました際におきましては、財源等と見比べ合せまして、勿論これは補正を要することでありますので、一定の或る程度の時間は必要ではございまするが、でき得る限り早くそれを実施するように国会に出したいと、こういうつもりでおります。
  254. 淺井清

    政府委員淺井清君) 私からも補足いたしますが、どうも公務員給与が物価の値上りに追付かない。こういう点のお尋ねでございましたが、これはどうも民間でやつておりまするスライド制のようなものを国家公務員に応用するということは、これはどうもできかねるように思つております。これは国会予算或いは法律審議権と関連を持つておりますので、自然に物価の値上りに從つて給与が上昇して行くというスライド制はできないと思います。ただ国家公務員法の二十八條は、そのスライド制の精神を人事院を通してできるだけ応用したものと言えば言い得るように思つております。從いまして人事院といたしましては、今後におきましても絶えず研究を続け、二十八條の條件を満たすに至りましたときは勧告をすると、こういうことになろうかと思います。
  255. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは今日はこれを以て委員会を散会いたします。遅くまで御苦労さんでした。    午後八時二十分散会