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1951-11-22 第12回国会 参議院 人事委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十二日(木曜 日)    午前十一時三十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     吉田 法晴君    理事            石川 榮一君            杉山 昌作君            千葉  信君    委員            加藤 武徳君            平井 太郎君            宮田 重文君            木下 源吾君            森崎  隆君            紅露 みつ君   政府委員    内閣官房長官  岡崎 勝男君    内閣官房長官 菅野 義丸君    総理府事務官    (内閣総理大臣    官房審議室長事    務代理)    増子 正宏君    人事院事務総局    給與局長    滝本 忠男君    大蔵省主計局次    長       東條 猛猪君    大蔵省主計局給    與課長     岸本  晋君   事務局側    常任委員会專門    員       川島 孝彦君    常任委員会專門    員       熊埜御堂定君   —————————————   本日の会議に付した事件 ○一般職の職員の給與に関する法律の  一部を改正する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○理事補欠選任の件   —————————————
  2. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 昨日に引続きまして、給與法の一部を改正する法律案その他について質疑を続行いたします。  政府委員菅野長官、それから増子審議室長事務取扱大蔵省主計局長給與課長、それから人事院滝本給與局長に御出席頂いておりますが……。
  3. 木下源吾

    木下源吾君 政府のほうで生計費増嵩を認めて今度改訂しようというのだが、生計費増嵩についての調査の基礎一つ聞かしてくれませんか。
  4. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 生計費につきましては、いろいろ各級別に調べておりますが、どういうふうな影響国家公務員に対して與えておるかということについて調べておりますが、その点はあとにいたしまして、消費者物価指数、これは全都市でございますが、それを見ますと、大体二十六年の一月を一〇〇といたしまして九月が一一七・二、十日が一一九・三という、一部推定が入つておりますが、そういう数字になるようであります。こういう一般的な影響から見まして、これを各級別にどういうふうな影響があるかということを東京都の例で似て調べて見たのでございます。これは各級の代表的の号のものにつきまして、その想定の扶養家族数であるとか、或いは年齢等を一応仮定いたしまして調べたのでございますが、主食、塩、電気ガス水道交通通信、こういつたような八月以降ずつと値上げなつておりまするものを、これが生計費にどういうように及ぼすかというパーセンテージをとつてございます。これによりますると、大体最高が四級四号くらいのところの五・九八%というところでございまして、一番低いところは四・九くらいになつております。これは十五級三号くらいであります。おおむねこう言いますと六%までには至らない、五%から六%の間にあるということが言えるのでございます。それからこのほかの一般物価変動生計費に及ぼします影響を二十六年の一月を基準といたしまして、計算いたしますると、大体一〇%という、一〇・〇一という数字になります。そうしますと、それを大体寄せたものが影響を及ぼす。パーセントになるのでございますが、一方これに対しまして、今回の給與法の改正によりまする手取り増加率を見ますると、各級を通じましていずれもこの影響を賄つて余りあるような数字なつております。
  5. 木下源吾

    木下源吾君 この生計費の中で主食割合はどのくらいですか。
  6. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) これは家族数であるとかによつて皆各級ごとに違うのですが、主食だけを見ますると、やはり一番多いところは三・四九くらいのパーセントなつております。少いところは二・六くらいでございまして、これも二%から三%半くらいのところを往來しておりまして、これは各級、ことに違う数字になります。家族の数とか、手取りの額とかによりまして違うのであります。
  7. 木下源吾

    木下源吾君 それで飲食費は……。
  8. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) その点につきまして、この調べでは全飲食費というものは調べてございませんが、これは結局値上げがどういうふうになつたかということで、そういうところに重点を置いて一月以降値上げになりました価格或いは料金等の点を重点に置いております。その他のものは一般物価変動生計費にどういう影響を及ぼすか、こういうところで以て増加をしてございますので、食料費が全体としてどうかということは調べてございません。大蔵省のほうで調べたのがあるそうでございますから、そちらから。
  9. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 飲食費の占める割合等につきましては、これは各級どの辺を取るか、又扶養家族は何名か、手取り額はどのくらいになるかということによつてつて参るわけでございますが、大体代表的なものを取りまして調べましたところでは、食料品の占める割合最低が五一・八%くらいから最高は六八%くらいまででございます。
  10. 木下源吾

    木下源吾君 そうしてこの最近の鉄道交通費、それからその他電気料金等々の値上げはどういうように見ておりますか。
  11. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先ほどお答えいたしました通り主食等を加えまして大体六%以下というふうにお答えいたしましたのですが、これを交通だけで見ますると、これは一%に及ばないのでございまして、最高で、〇・八五くらいの計算になります。最も少いところは〇・四七くらいの数字なつております。交通だけでございます。通信のほうはこれはもつと少いのでありまして、〇・一%くらいから、最高が〇・一九くらいのところを往來しております。
  12. 木下源吾

    木下源吾君 今度の政府改訂に対しては鉄道料金値上げ、或いは電気料金値上げ、そういうものは見てなかつたのじやないのですか。
  13. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 俸給表基準なつておりますところの成年男子独立生計を営む標準生計費の中には全部主食、塩、電気ガス水道交通通信、こういうようなものは全部値上げをそのまま取り入れてございます。それと同時に今国会に出しておりまする減税の要素も取り入れて、人事院が四千二百円という数字を出しているのに対しまして、四千円という数字なつているわけであります。
  14. 木下源吾

    木下源吾君 なかなかお忙がしいようですが一つ……。この人事院勧告がそのまま容れられない理由として財政経済の諸事情を言われておりますが、これは何ですか、基本的にはこれだけよりほかはやる財源がないからということで千五百円を割出したのですか。その点を一つ……。
  15. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 無論それが基本的になります。但し提案理由説明のときにも申上げたと思いますが、公務員の数が非常に多いものですからして、総額はなかなか大きな数になりますので、財政的の見地は無論でありますが、一般……例えば多少無理をしてもというような例えば私企業であつたならば、多少無理をしてもというようなところがあり得る場合も、なかなか公務員の場合にはそういうことができない関係にあるという点も考慮いたしたわけであります。
  16. 木下源吾

    木下源吾君 人事院勧告はやはり妥当と認められておつて、なお且つ財政的の事情からそれが容れられない、こういうように承知していいですか。
  17. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) そうお考えなつて結構だと思います。
  18. 木下源吾

    木下源吾君 そうしますと、人事院勧告最低公務員生計費には要るのだけれども日本財政事情で我慢してもらいたい、こういうようにまあなるわけでございますね。
  19. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 最低どうしてもということよりも、我々のほうでは幾分でも生活水準を上げるということを理想にしておるのですからして、人事院勧告生活水準をだんだん上げて行きたいという点も考慮しておると思うのでありますが、そこで絶対最低これだけなければ食えんというような議論もありましようが、これは現実から言いましても、どこから言いましても、趣旨はできるだけ生活水準を上げて行こう、こういう意味でもあると思うのであります。そういう点もありますから、いろいろ考慮はいたしておりますが、まあとにかく今の財政状況から申しまして、何といいますか、できるだけの考慮拂つた結果が今度のことになつたというわけでございます。
  20. 木下源吾

    木下源吾君 今生活水準を上げるというお考えがあつて人事院勧告生活水準を上げておるだろうというようなお話ですが、実際には生活水準は上つておらないと私どもはいろいろの諸統計から考えておるが、やはり人事院勧告で行けば生活水準が上るということになつておるのか、それならばその一つ基礎をお示しを願いたいと思います。
  21. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは私の考えでは、人事院勧告というものは民間給與平均の数を大体の標準に見ておるのではないかと思つております。そこで平均の数というのは無論もつといいのもあるが、無論もつと惡いのもあるはずでありまして、最低という意味でやつておるのではない、こういうふうに考えておるわけであります。もつと詳しいことは副官房長官からよく御説明いたさせます。
  22. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 今のお尋ねに対しまして、数字的に申上げますと、先ほどお答えいたしましたように、消費者物価指数は本年一月を一〇〇といたしまして、全都市で十月が約大体一一九・三という数字になります。それから工業労働者平均賃金、これは毎月勤労統計からとりましたのですが、これも一月を一〇〇といたしますると、一一八・一という一八・一の値上りなつております。これに対しまして今回の公務員給與改訂によりますと、一月を一〇〇といたしまして一二二・九という数字になり、從つて実質賃金はむしろ一月を一〇〇といたしますると、工業労働者定期的給與は九九になつておるのでございますが、国家公務員の基本給は一月を一〇〇といたしますと一〇三という数字なつております。この点におきまして、実際におきましては、僅かではございまするが実質給與も上つているということになると思います。
  23. 木下源吾

    木下源吾君 実質給與が上つているということはいわゆる生計費値上り、そういうものの動向との比較において実質賃金ということが言われると思うので、只今民間比較でこうだからということではそれは立証できないのじやないか、実質賃金、いわゆる生計費上つたのに追い付いて賃金も上り、そうしてそれを追い越して行けばこそ生活水準が高まるということになるんではないか、こういうように考えているのですが、その点はどうですか。
  24. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 先ほど数字で以てお答えいたしましたように、本年の一月から以降一般物価、殊に主食以下の諸料金物価改訂公務員生活に及ぼす影響計算いたしまして、今回の給與改訂はそれ以上のものになつておりますので、結局実質賃金が上つておると、こう結論されると思うのであります。
  25. 木下源吾

    木下源吾君 全体としてのつまり生活水準、そういうものは非常に下つているように私ども考えているのですが、今一月を基礎としていろいろお話なつたが、その前からの比較言つたならば必ずや下つていると、こういうように考える。この点は別に我々は数字を持つておりますので、それ以上お尋ねしませんが……。
  26. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 御発言中ですが、官房長官は十二時十分に渉外関係のほうに出なければならんというお話ですから、官房長官お尋ねのほうを先に一つ……。
  27. 木下源吾

    木下源吾君 私も十二時十分ぐらいに行かなければならん。そこで財政経済においてだと言われているのだが、すでに補正予算歳入財源は千数百億の自然増収なつている。それでこれほどの財源があるが、どういうわけで一体給與に対して人事院勧告を容れられないか。金額においても私どもはそれが納得行かないのですが、勿論政府におきましては、歳出に対するいろいろ配分を政治的に考えておられるのだろうと思いますけれども、私どもはまだ人事院勧告まで引上げることができないという財政状態ではない、こういうふうに考えるのですが、その点を一つ納得の行くように御説明願いたい。
  28. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) これは納得の行くようにということはなかなかむずかしいと思いますが、政府としては必要経費が皆あるわけでありまして、今度は給與改訂減税という問題を優先的に取上げてはおりまするけれども、その他にも必要経費はあるのであります。これをできるだけ切詰めて給與改訂にどれだけ増せるかということになるのであります。その結果やはり遺憾ながら全額は廻せなかつたということになつたわけであります。
  29. 木下源吾

    木下源吾君 今長官の言われるように、今度新聞にも発表をしておるのですが、給與ということは真先に掲げておるわけであります。減税もそうでありますが、そこで補正予算の中に警察予備隊、或いはインベントリー・フアイナンスというような額が相当に出ておるわけなんです。これらが給與人事院勧告まで上げなくてもそれをやらなければならないという理由をもう少しはつきり納得の行くように御説明願いたい、こう思うのです。
  30. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 例えば、警察予備隊の費用を今挙げられましたが、これも初めの警察予備隊側の希望する額は大変多かつたのであります。それを一々克明に洗い立てて、成るほど最小限度どうしてもこれだけ要る、こういう結論になつたのがその数字なつて現われて來ております。削れるだけは削つておるわけであります。インベントリー・フアイナンスと称せられるものにつきましても、例えば外為であろうと、或いはほかの費目にしましても、これがなければどうも動かないということであります。尤もこれは予算の問題になつて、少し話は違うかわかりませんが、例えばインターナシヨナル・マネタリー・フアンド及び開発銀行の加入二百億というものがありますけれども、これも講和條約が年度内に発効するということになると、直ぐ加入しなければ日本の国際的の関連における経済の運行に支障がありますので、そのときに金がないから延ばすのだというわけにも行かないと思います。或いはそれまでに歳入ができるかどうか、これは向う側の関係がありますから、果して我々の考え通り行くかどうかわかりませんけれども、用意はどうしてもしておかなければいけないという結論に到達したわけであります。いずれもどうもこれは止むを得ざる必要経費、そういうことで計上しておるわけであります。
  31. 木下源吾

    木下源吾君 どうも国民の側では、政府予算はまあ一口に言えば、端的に言えば、講和の結果大砲予算が優先で、從つてパン予算というものが圧迫を受けておる。こういうようにまあ伝えられておる声も相当あるのです。これは内閣の基本的な政策だろうとも思うのでありますが、折角現内閣独立と占領の終結という点に努力をせられておる。独立の隣町からそういうようにパン予算大砲のような予算に圧迫されておるということを考えるときには、この努力もあんまり映えないことになる。こういうようにも考えられるので、もう少し人事院勧告を実施せられないという納得の行くような説明が欲しいわけなんです。今申されるような、開発銀行、或いはその他においても、繰延べれば繰延べのできるようなものもあるのではないか、こういうように考えられるのですが、どうしてもそれを先にやらなければならんのならば、この人事院勧告を実施することが非常に望ましいことなんだけれども、ないのだという反面においては、そういう支出が、一般に不急と思われるような支出が計上されておるという点ではまだ十分に納得が行く御説明をされておられな、そういう点について一つ御所見を願いたいと思います。
  32. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) どうもパン予算が何とか大砲ですか、の予算に変つておるとおつしやるが、そんなつもりは亳もないことは総理大臣もたびたび言われておるような事情であります。尤も例えばイギリスなりフランスなり、各国でも随分国防費のほうに国民所得の何%という大きなものを放り込んでおる。我々も今後に亘つて漸増的には自衛力を増すつもりでおります。又條約でもこういうふうに謳つておるのであります。これはやるつもり、できる範囲ではやるつもりでおりますので、今の補正予算の中ではそういうことは入つておらない、繰り返して申しまするように、各方面経費はできるだけ切りつめて、そうしてできるだけ多くのものを減税給與ベースに持つて行きたい、こういう努力をした結果がまあ漸くにしてこの程度のことができたという次第であります。この点御承知を願いたいと思います。
  33. 木下源吾

    木下源吾君 たびたびですが、警察予備隊のごときも或いは国連のあらゆる協力をするという條約の面から行けば、或いは又朝鮮の戰線にまで行かん限りもないというようなことも或る面では想像されないこともないわけなんで、若しもそういうような面があるならば、率直にお話なつて、それ故に武器も借りておるのだし、装備も或る程度いろいろ設備もせなければならんというような一つ説明があれば、まだしも考える余地はあると思うのですけれども、ただ警察予備隊に今早急にここで百五十億なら百五十億というものをどうしてもそのほうに割かにやならんのだというだけでは納得が余り行かんのじやないかとこういうように考えられるのです。
  34. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今の御質問は甚だ迷惑至極で、恐らく木下君もお聞きになつたと思いますが、総理大臣は、予算委員会においても、條約に関する特別委員会におきましても、警察予備隊朝鮮へ持つて行くなんというようなことは絶対にしないということをはつきり言明しておるのであります。そんなことがありようはずがないのであります。総理大臣言明を信じて頂きたいと思います。
  35. 木下源吾

    木下源吾君 いや、勿論総理大臣言明は我々も信用しないわけではなしに信用しておる。私はそう確信しておるのですが、なお国連のあらゆる援助という面には、そういう面も考えられるのではないかということを今お話しておるわけなんです。でなければそう必要である、妥当と認めておる公務員給與までも犠牲にして、一方にそういう経費を今急いでやらなければならないということの理由が明確にならないのではないか、こういうようにまあ考えるわけなんです。從つて、これらの経費というものは先ず火急ではないのではないか、こういうように私ども考えるのであります。どうしてもこれは急ぐのだということについてもまだまだ国民の側には納得が行かんのではないか、私はこう考えておるのです。政府はやはりどうしてもそういうものは先にしなければいかんというように揺がない確信を持つておられるのでありますか。
  36. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) その通りでございます。
  37. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 只今官房長官は督促を受けておられるようですから、この程度にいたしまして……。ただ、今の質問にいたしましても途中で切れておりますし、千葉委員官房長官に対する質問も途中で切れておりますから、今日の午後は何か予算委員会にどうしても出なければならないというお話ですが、質問を続行し委員会を続けて参りますのに是非一つ、今日が駄目であれば次の機会に是非出て頂くようにおねがいしておきたいと思います。
  38. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 予算委員会是非出ろという話なんですが、その間におのずから時間もあるかと思うのであります。で、若しこの委員会が午後お開きであれば、予算委員会の中の様子を見まして、短時間こちらに出て來たいと思つております。
  39. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) この委員会は午後も続行いたします。從來政府委員その他出席が惡くて委員会審議が進行しないという御意見も相当強く出ております。今期中にこの委員会に出ております法案の審議を進めたい、或いは上げたいと思いますので、是非出て來てもらいたいと思います。
  40. 加藤武徳

    加藤武徳君 只今官房長官から発言もありましたので、勿論午後は委員会を続行しなければいかんわけでありますから、手の空き次第官房長官にもこの委員会に御出席願うことにいたしまして、御出席のないときは副長官もおられますから、副長官等質問を続行して、副長官で答えられない点等につきましては、官房長官出席機会に御答弁願うということにして御進行願います。
  41. 千葉信

    千葉信君 あなたがたのお話は大体了解いたしました。ただ私の場合は総括的質問一般的な問題であらかじめ官房長官に御答弁を承わつておかないと、先に進まない話ばかりなんです。そうい点官房長官のほうでは十分御了解の上、できるだけ出席されることを特にお願いしておきます。
  42. 岡崎勝男

    政府委員貝岡崎勝男君) 成るべく早くこちらに参ります。
  43. 石川榮一

    石川榮一君 人事院のほうからはどなたが見えておりますか。
  44. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 給與局長が見えております。
  45. 石川榮一

    石川榮一君 昨日私は初めて本委員会出席したわけでありますが、昨日の質疑応答を伺つておりますと、少しく明確を欠いておると考える点がありますので伺つて見たい。それは、本年一月改訂されましたベース改訂の場合には、人事院勧告よりも政府案は非常にベースが低かつた。いわゆる一方から言わせますれば、人事院勧告を尊重しないで、政府自体だけで作つたというような形のベースであつて從つて不当にベースか安かつた。今度の人事院勧告による案に対しても政府案が十分でないということははつきりしておるのでありますが、昨日の副長官お話を伺いますと、本年一月のベース改訂のときには国会できめたものであるから、それは一つ法律上、国論としてきめられたものであるから、それはとやかく言う必要はない。それから五月この改訂資料人事院が作りました当時、民間会社ベースは二割程度しか上つておらないのにかかわらず、政府案では三割近く上つておるという形になつておるというお話でありました。本年一月の改訂については何ら私どもら関係なしに、本年の五月の民間ベース基礎にして人事院がこの案を作つたんだと考えていいと思うのです。そうでありませんと、常に本年一月改訂しましたときの要するにベースの非常に低いのが依然として今度の案に影響しておるというふうにとれるのですけれども、そうでなしに、五月のベース資料基礎にして、そのときの事情に即して人事院作つたということになりますと、一月の改訂のときの政府案の、国会できめました案といもの不当だということがこの方面からは考えなくてもいいのではないか、こう考えますが、この点を伺つて見たいと思います。
  46. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 只今お話通り人事院は本年の五月の民間給與状況、更にそのときの生計費、本年五月につきまして計算をいたしまして、なお勧告は八月に出しましたので、そのときの計画になつておりました米価は新らしい來価を用いております。從來から何割上つたからというような計算はしていないのであります。御指摘のように、本年五月現在に基いて計算をいたした、こういうことであります。
  47. 石川榮一

    石川榮一君 そうしますと、本年五月に規定されましたものは、そのときのベースが安かつた、その上に或る程度上昇率を認めたということではなしに、実情に即したといことになりますと、一月のベース改訂のときの問題は全然これに関係しなくてもいいということに考えていいわけですね。要するに五月の物価水準並びに民間ベースを参考にしてお作りになつたとすれば、一月のときに特に安かつたから今度はそれに影響があるということは言えないわけですね。
  48. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 人事院人事院勧告しました数字につきまして、只今のような御説明を申上げた次第であります。政府案については人事は別にその御説明を申上げておるわけではございません。政府案政府のほうからそういうような御説明があつたかと思います。
  49. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 昨日の私のお答えが基本になつておりますので、もう一回申上げます。私実は昨日本年一月一日現在の給與に対してというふうに申上げたかも知れないと懸念するのですが、若しそうでありましたならば、その点はちよつと違つておりまして、本年一月一日からはいわゆる八千円ベースという給與法の改正ができたのでありますが、その後公務員給與は昇給等、或いは人事の入替え等によつて平均給というものはどんどん上つて來ております。これを十月一日現在で見ますと、多少の推定が入つておりますが、八千五百六十九円という平均給になるのでございます。その八千五百六十九円に対しまして、人事院勧告は更にその上に約一人当り二千七百円の増給をすることになりまして、十月一日現在の公務員平均給に対しまして三一・三四%の値上になるという計算になるわけでございます。政府が今回出しました改正案によりますと、この十月一日の八千五百六十九円に約一千五百円足しまして増給をすることになるのでございますが、そうすると十月一日現在の給與に対しまして一七・四二%の増加となります。こういう数字であるわけでございます。或いは一日一日現在の一給與というふうに申上げたかも知れませんので、その点は訂正しておきます。いずれにいたしましても、一月一日からこの俸給表で以て公務員給與をやるのが至当であるという国民最高の意思が決定されている以上、政府といたしましてはやはりそれを基準として大体民間給與値上り等も考えて、新らしい給與をきめないわけには行かないのでございまして、人事院勧告はそういう財政上のようなことは一切扱きにいたしまして、およそ現在の公務員給與といものはどうあるべきかという姿で以て勧告をいたしておるのでございますが、政府のほうといたしましては、現在の給與に対してどのくらいの値上りが至当であるかということは、やはり財源と共に考えなければならないことになるわけでございます。そういう意味合におきまして、民間給與値上り等と比較いたしまして一七%以上の値上りをする今回の給與改訂は、決して不当のものではないというような確信を持つておる次第でございます。
  50. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記をやめて下さい。    〔速記中止〕
  51. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 速記を始めて下さい。  大野木秀次郎君理事辞任に伴つて理事の補欠選挙をいたさなければならんのでありますが、理事の補欠互選の件を議題といたします。補欠選任の方法につきまして御意見ございますか。
  52. 加藤武徳

    加藤武徳君 委員長一任。
  53. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) 委員長一任の声もございますが、委員長において指名することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは理事に自由党の石川榮一君を指名いたします。それでは委員会はこれで休憩をいたします。    午後零時二十三分休憩    —————・—————    午後二時四十五分開会
  55. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは委員会を再開いたします。午前中に引続いて質疑を続行いたします。
  56. 森崎隆

    ○森崎隆君 副官房長官が來られておりますから、昨日提案理由説明書についていろいろお聞きしておりましが、丁度第一の予算のところでいろいろな資料を出して頂くように大蔵省関係にお願いいたしました。さつき聞きますと、明日頃にそういうものを出して頂けるということでございますが、これは一応お預りいたしまして、要旨の大要御説明の第二でございます。これは特別俸給表問題だろうと思います。特に第五別表でございますか、それの問題だと思いますが、ここに人事院勧告に從い造幣、印刷、国有林野、アルコール、専売云々と、ずつと特に各企業特別会計の現業職員についての別表の問題が出ておりまして、職域の特殊性を考慮いたしましてということで、誠にこれは尤もなことであると、別表を出されましたこと自体には私は敬意を表したいと思います。ただ、まだ私も十分にこれは検討しておりませんが、これは企業特別会計の現業職員にこれを適用するといたしますると、適用のスケールの問題があるわけなんですね、法案に出ております程度で果してこれで公務員納得するかどうかの問題がここにあるのではないかと思います。特に例えば法案の第六のところにいろいろ書かれておりまするが、電通関係にしましても、やはり本省には建設部がございましようし、又工作工場なんかには数千人の人がおります。配給局、そういつたようなものも私はあると思います。そういうものは從いまして当然別表の該当者であると私かんがえております。郵政関係でもやはりこれを本省郵政局全体に当然これは適用すべきではないかといつたような私たちは意見を一応持つておるのでございますが、これにつきましてどうお考えでございましようか、御意見を伺いたいと思います。
  57. 菅野義丸

    政府委員菅野義丸君) 企業官庁の職員の給別俸給表の御質問でございますが、これは政府といたしましては、人事院勧告、意見をそのまま採用いたしたのでございまして、詳しくはあと人事院のほうからお考えをお答えすると思いますが、政府案を作りました気持を申上げますと、この級別俸給表というのは御覧になればおわかりになりますように、特別の俸給の額をきめるというのではなくして、從來こういう企業官庁の現業職員で以て非常に問題になつておりましたいわゆる頭打ちの現象を何とかして救済しようというために、俸給表の級の幅を拡げただけでございます。こういう現業職員は長く同じ所におりまして、別に余り人事の交流がない、そうして熟練すればするほどその仕事がうまく行くというのでありまして、上の官職に上らなければ給料が上らないというために頭打の現象を來している場合が多いのでありまして、こういうことになつておりますると、いい職員を長く同じ職場で以て働いてもらうことができませんので、この頭打ち救済という意味でございます。從いまして、お話通りに、普通の官庁、一般の行政官庁にも現業類似をしておる所があるのでございますが、一応今回は暫定的でございますが、当面急を要するところの企業官庁の現業職員の頭打ち救済ということを行なつて企業の能率の増進に資したいと、こういう気持で以て人事院勧告、意見をそのまま採用して、ここにその適用の範囲をきめたのであります。で、問題になりますのは、よく国立病院の医者とか、或いは看護婦についてでございますが、これは初任給とか或いは級別の資格基準表において別個の取扱いがなされておりまして、これは頭打ちの現象というのが非常に少いのでございます。それから国営競馬の関係の職員についても問題がございますが、これは民営から国営に移管されまするときに、民間時代の給與考慮して相当有利に切替えられておりますために、これについてはまあ考える必要はないだろうというので、適用範囲から除外したのでございます。  それから今お話になりました企業官庁でも普通の庁務をやつておりまする例えばタイピストでありますとか、或いは小使であるとか、一般の行政官庁にも共通する職名の者につきましては、これは詳しくは人事院規則で以てきめることになつておりますが、これはほかの官庁に適用しない以上は、やはり適用から除外しなければ一般職員との権衡を失するということになりまするので、それは詳しくは人事院規則できめますが、一応除外するというようなことにしたような次第であります。
  58. 森崎隆

    ○森崎隆君 この点に関して、給與局長さんが來られておりますので、ちよつと一つ説明を願いたいと思います。
  59. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 企業官庁級別俸給表の適用範囲につきましては、只今菅野長官からお話がございましたように、人事院といたしましても、今回特にこういう俸給表を設けたいという意見の申出をいたしました主たるものは、この独立採算制を建前としておりまするこういつた企業官庁、こういうものは一般の行政官庁と違う面が多々あるのでありまして、企業経営ということを合理的にやつて行くという特別の使命があるわけでございまするから、そういう面からこの企業官庁が合理的な企業経営をやつて行くにふさわしいような態勢を保持するということが一番必要であろうと、こういうことを根本の考え方といたしまして、企業官庁級別俸給表というものを作つたわけでございます。それで例えば先ほどもお話がございましたように、現業、非現業を通じまして、庁務職員といつたようなタイピストでありまするとか、或いは乘用自動車の運転手でありまするとか、いろいろなそういつたいわば現業とみなさるべきような職種の者があるわけでございます。共通したものがあるわけでございます。併しながら我々が今回特に目途といたしておりまするのは、そういうものが企業の中心となつておると、こういつたようなものを特に目標にするということが趣旨であります。話がちよつと別になりまするが、横に職種が同一である、職務内容が同一であるという観点から、そういつたものにどういう俸給表を適用するのが一番いいであろうかという問題は、今我々が懸命に研究を進めておりまして、できれば通常国会の初頭にでも勧告し得るようにいたしたいと思つておりまする職階制に基きまする給與準則、こういうものの中におきまして、職務内容に応じまして、例えばお医者というものであるならば、そういうお医者は実際は庁務的な職員でありまして、各省庁におるわけであります。そういつた人々にも適したような俸給表を作ろうと、又各省庁にずつと共通的にありまするような職種につきましても、それが現業的なものであるならば、それに適応したものを作りたいと、こういうことが考えの根本でございます。從いまして、今回のものはそういつた労務者と申しまするか、そういつた職員が企業の中心となつておるようなそういうもののみを対象にいたしまして、そういつたものを特に重視いたしまして、そういうものに適応するような俸給表を作ろうということでございます。それで先ほどお話のございました中に、特に頭打ちに対処するということのお話がございましたが、我々もそのように考えておるのでございます。ただ、頭打ちと申しましても、頭打ちというものは一体どういうふうにしてできたのであろうかということを考えてみまするというと、いろいろ原因があるようでございます。その中で一番大きな題になりまするのは、この企業官庁におきましては、いわゆる企業の中核となるべき職員、そういつた人々の数に比べまして、いわゆる監督者数というものは非常に数が減つておる。即ちこれを級別定数というような面から観察いたしてみまするというと、八級以上、或いは九級以上というところが急に非常に細つておると、即ち七級乃至八級というところに頭打ちが非常にたくさん出ておると、こういう現象があるわけであります。で、四級乃至五級というところに頭打ちがあるというような問題が官庁によつてはあるのでありますが、併しそれは必ずしもどう言いますか、企業的である、或いは現業的であるということを強調し得ないのではないか。例えば我々が今運営しておりまする級別定数にいたしましても、これが一番よいものであるとは言い切れないわけであります。そういうふうでありまするから、例えば四級、五級の頭打ちというのは実はおかしい面もあるのでありまして、若しそういう場合には、定数管理ということが各省の人事主管課において適正に行われておるかどうかという面もこれは検討する必要があるわけであります。又級別定数それ自身もそれに適当したように改訂するということが必要になつて來ようかと考えるのであります。即ち現在の方法で参りまするならば、四級、五級のところに自然に頭打ちができるということはないはずなのであります。これは企業官庁において七級、八級のところではどうしても起る頭打ちなのであります。從いまして、我々は七級、八級というところの頭打ちの救済、こういうことが一番の目標になるわけであります。今回は企業ということを重視いたしまして、そういう面から俸給表を設定いたしたい。更に各省に共通しておりまするような職務内容ということを重点といたしましたそういう職務に適応したような俸給表と、それが現業的なものでありましても、そういうものにつきましては、給與準則のときに全体的に、統一的に考えたいと、これは遠い将來のことではないのでありまして、我々は來るべき通常国会の初頭にそういうものを勧告し得るような準備を現在取急いでおると、こういう次第であります。
  60. 千葉信

    千葉信君 まあこの特別俸給表の問題に関しては、只今の御答弁は一応わかるのですが、勤務成績の向上を図るとか、それから頭打ちを救済するとかいう考えがその基本になつておるということも、これも私ども了解できるのですけれども只今お話のように、級別定数等その他の関係でその省なら省におけるところのまあ人事管理の巧拙というか、そういう点から起つた場合を除いては、大部分が七級、八級等に頭打ちの現象が非常に集中している、こういうお話でありましたが、私の持つている資料では、例えば郵政省の場合を例にとつて見ても、一番極端な二名以上の頭打ちの状態に來ているのが五千九百九十八人いるのですね。そうして七級のほうは幾らかというと、三千五百三十七人、八級のほうは三千四百六十二人、こういう恰好で頭打ちを起している、二名以上の頭打ちをやつている人員の数を見ると、五級がもう六千近いというこういう数字で一番多くて、その次が七級、その次が八級、その次が今度は四級の千五百四十七人、こういう数字が出ているのですね。こういう具体的な状態から言うと、單にこねが人事管理の巧拙とか、級別定数の問題だけで解決できる問題じやないというふうに私ども考えているのです。併しまあこういう現象については一応いろいろな観点から分析されるから一概に結論は出せないと思うのですが、それはまあいいとして、私どもこの企業官庁職員級別俸給表勧告について、一番人事院勧告に釈然とできないのは、第一号から第六号までいろいろ職種をはつきり指定してあるのです。まあこれは人事院としては最終的には給與準則の中で解決したいというお考えですから、それはまあそういう解決の方法は残されているから、それほどつき詰めた問題ではないけれども、併しこうして勧告される以上、人事院自体給與準則で解決しようという考えのために非常にこう経過的な、暫定的なやり方で勧告された形跡が非常に強いのです。そういう一番いい例としては、例えばここに電気通信省の地方電気通信局建設部及び地方電気通信部の建設工事を所管する課、こういう恰好に非常にまあ明白になつているのですが、こういう明白に指定されたもののほかに、実際の例として拾い上げて見ると、例えば電気通信省には海底線の修理をする船があつて、その船に乘つている船員の場合には、これはまあ船員の特別俸給表の適用を受けておりますけれども、その船に乘つて実際上海底線の修理をやつている諸君には、これを今度企業官庁の特別俸給表の適用から除外されておる。それから又電気通信省の資材局の地方各工作工場というのがあつて、これは從業員の数が二千六百名いるのです。これなんかの仕事を見ますと、電話機の修理とか清掃なんかをやつている職員なんですが、そういう仕事や、それから又大蔵省関係なんかでも地方の「みつまた」工場なんかは、これは我々としては当然こういう指定された職種と同じような條件があると思うのです。そういうのがもう調べて見ると相当あとからあとからと出て來ているのです。まあそういう状態について私は人事院としてなぜ勧告しなかつたかということを言うのじやなくて、そういう経過的なやり方という恰好で勧告する場合に、そういう経過的な調査研究の中から漏れているところもありはしないかということをどうしてお考えにならなかつたか、つまり結論から言うと、こういう第一号から六号まで指定された業種の職員以外に対して、以上に準ずるとか、又若しくは右に準ずるような工場とか勤務場所に勤務する職員という救済の規定をどうして入れるだけの慎重な考慮をしなかつたかということを私はお尋ねしたいのであります。その点について人事院として如何ですか。
  61. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 人事院は先ほども申しましたように、でき得る限り問題の最終的な解決は、これは給與準則のときにいたしたいということであります。從いまして、今回はこれは十分研究いたしましてこの範囲を定めたのでありまして、特にこれに準ずるものというようなものをなぜしなかつたかということになりますと、これに準ずるものということになりますと、実際問題といたしましてけじめがなかなか付けにくい。從いまして、人事院とすれば研究するだけはいたしたのでありますから、だからそれ以上のことでやるのならばそれは給與準則のときに一応解決いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  62. 森崎隆

    ○森崎隆君 関連した質問でございまするが、官房長官來られましたから今の質問はちよつと中絶いたしまして、官房長官に対する質問をいたしたいと思います。時間がないから二つだけお聞きしたいと思います。一つはこの前に千葉委員との質疑応答の際にも、人事院勧告案につきましては原則的にやはりこれを承認した立場に立たれて、予算の枠からこれはしぼられ出たというお話でございまして、問題は予算になるわけでございますが、予算の問題なんか今朝何か木下委員のほうからいろいろ御質問があつたようでありますが、予算がないということ自体どうしても私たち割切れないものを持つているので、予算委員会の問題と言えばそれまででございますが、何か納得行くような御説明を頂きたい。と申しますのは、私は予算の問題はまだ素人でございまして十分わかりませんが、昨年の例から見ましても、後からこれはおかしいなという気持になつたのですが、例の平衡交付金の三十五億の問題もすつたもんだで到頭出して頂けない。年度末にあれは一般会計で二百八十億でしたか六十億でしたか、ああいう剰余金がある。それからこれも新聞で見ましたので、これはまあ資金運用部関係か何かわかりませんが、たしか四月初め頃の新聞に剰余金並びに証券の形で現在千三百四十億でしたかの金が残つているといつたような話を聞くわけなんです。ああいうようにたくさんの金が予算の年度末にたくさん残されるということは、健全財政としましてはやはり使わずに置いておく金が多いほどいいのですけれども、そういうたくさん残るような予算の組方というものは、或る意味じやよくない。たくさん残るならば減税すべきだということも成立つわけです。最近の予算の収支関係をいろいろ聞いて見ますると、一昨昨年あたりまではそんなにたくさん年度末に剰余というものはなかつたように私聞いているのです。昨年あたりから実に厖大な剰余金が出て來る、こういうふうになりますと、やはり多少の、例えば昨年の三十五億にしましてもこのくらいの金は何とかしてもらつたらよかつたのじやないかという気持が起るわけです。そういう観点に立ちますと、いろいろ剰余やなんかの問題もありましようが、昨日もちよつとお話を聞きまして、明日この予算のいろいろ資料を頂きまして細かい御質問を申上げたいと思つておるのでございますが、大した金じやないという観点に立ちますと、この程度のもので人事院勧告案が実施できないのは、どうも国家予算の全体の性格から見まして私たち腑に落ちない。正直に例えば金はあるが、これこれこれだけのものはこういう目途を以てどうしても残さなければならんということがあれば、それははつきり言つて頂いたほうがいいと思う。ただ予算がない予算がないということで子供だましの言葉じやどうも私たち納得しがたいのですが、そういう点につきまして、官房長官から忌憚のない御意見を聞きたいと思うのです。
  63. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) お話の点はよくわかりますが、これを御説明するのは今予算委員会でやつている説明なんでありまして、やはりこれははつきり補正予算の中に項目はずつと挙げてありまして、政府の投資、出資の関係がどうかということ、平衡交付金がどうであるとか、減税がどうであるとか、公務員給與がどうであるとか、こう挙げておるわけであります。まあこれの中の例えば一部の国際通貨基金及び開発銀行の金が二百億載りておるとか、或いは外為に三百億載つておるとか、そういう点を挙げまして、この財源をこつちに使えばいいじやないかという話は前々から聞いておりまするし、我々のほうも虚心坦懐にそういう何といいますか、サゼツシヨンがありますと、調べておるわけでありますが、先ほども言いましたように、外為は実はまだ金が足りないくらいなのであります。あれでも十分じやないかと思われるのですが、かなりしぼつてあそこへ持つて來たわけです。それから通貨基金と開発銀行の点は、これは成るほど予想は付かないのであります。つまり年度内に加入できるか、來年度になるか、予想はつかないのでありまするけれども、米国その他の関係国で以て日本を加入させるようにいろいろな努力をしてくれておるような次第でありまして、そのときに、努力をしているときに、それでは仮に向うのいろいろな関係者から質問されて、それは入れてやることを考えてもいいが、一体日本には分担金の予算が載つているのか、載つてないのか、こういうことになると、それでは一体どうやつて入るのだのだという議論になりますので、果して今交渉しておるやつが成功するかどうかは、これは相手もあることでありますから、保証はできませんけれども、やはりこの二百億というものは載せておかなければ話にもならないという状況でありますから、どうしてもこれを載せざるを得ないというようなわけで、一つ一つつて行けばたくさんありますけれども、いずれもこれはかなりしぼつて研究したものでありまして、その結果どうしても載せておかなければなるまいというものが全部でありますので、できるだけしぼつて給與のほうへ持つて來るつもりでやつたのですが、結局こういうことになつたのであります。
  64. 森崎隆

    ○森崎隆君 いろいろ御説明はそういうようにまあ皆付き得る問題だと思います。昨年のああいうような結末から我々見ますると、例えば外為なら外為のほうへ、ああいうところへ置いておけば安全なのです。誰も使わない、大蔵だけで握つておるのですから、結局使わないで、ああいうところへ置いておいて、いずれ次の年度にこれは何かに使われる。そこに国民はどうも怪しい金の溜め方だというような不審に思う点がたくさんあります。一方におきまして、給與そのものが非常に不満なものであるということがわかつて來ること自体が、私は政府自体のやり方に対しても非常にこれは改善して頂きたい基本的な問題じやないかと思うのです。具体的に二十五年度予算でもそういうようになつておつたわけです。そうすると今年も二百億、三百億と溜めて、一応まあ御立派な説明はございまするが、今年も二十六年度末に來ると又何千億かの金がじやんじやん余る、そうなると、これはどうも再軍備ではないかということに食つ付きやすい、そうしてそういう金はいつまでも溜められない、そういうことになるとどうなるか、今度間接税も上げなければならん、再來年になると、所得税の税率も変るだろうということを、頭の利く一般人はそういう意味で不安な気持を持つのです。もう少し私予算というものに対しては端的な、正直な、ガラス張りという言葉はちよつと不適当かと思いますが、もつとわかりやすいような組み方にして頂きたい、こういうところにはもう少し……成るほど例えば最惡の場合に人事院勧告案がどうしてもできなかつた、これはけしからんと言つて見ても、よく予算の全体その他を調べて見ますと、成るほどこれは政府はよく考えてようここまで出した、これ以上言うのは無理だろうといつたような、その政府予算を組んだ誠意というものがどこかに滲み出て來るはずなのです。必ず滲み出て來るはずです。その滲み出て來る誠意を無言のうちに説明すれば、こういうような暗中摸索、政府の肚を惡く考えるような、考えたくないけれども考えざるを得ないようなおかしなことになつて、お互いの間が気まずいことにもなるのですが、何とかその点をもつとはつきり基本的な国策を、方針は将來こういうふうなことで行くのだということをはつきりして、そのために金が要るなら要るということをはつきり言つて頂いていい、そういう外為とか何とか言いまして、本当に使うものであると思つていると、使わずに外為なんか昨年使わずに残つておる。そういうところに私は不満の意を表したい。そういうところの御善処を頂きたい。  もう一つは、これは国家公務員に対するベース改訂に関する法律案でございますが、延いてはこれが基準になりまして、地方公務員の問題も出て來るわけであります。現在百億平衡交付金を組んで頂いておりますが、あれで果して地方公務員全体の給與改訂ができるかできないか、これは各地方の自治体関係で適当にやればいいじやないかとおつしやればそれまででございますけれども、一応やればやれる目途だけは、政府の責任で一応これなら最低ならやれるというところを出して頂けばいいのじやないかと思うのです。その問題について御説明頂きたい。と同時に平衡交付金の増額の問題ですが、これは人事委員会でとやかく言うべき問題じやありませんが、やはり給與関係しておる以上、はつきりその御意見をお聞きしておきたいのは、衆参両院においても平衡交付金の増額の問題は本会議で殆んど全会一致で決議いたしております。あの決議をどのように政府が尊重されるかというようなところも含めまして、この問題についてちよつと御意見を承わりたいと思います。
  65. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 今だんだんとお話がございまして、これは端的に言いますると、結局森崎君のお考えなつているような予算の組み方、我々の考えているような予算の組み方のこの根本的の意見がやはり合つていないのだろうと思いますが、ただ一つ外為などを、これは外為というものは元來金を使うところじやない、金を使つてしまつてなくしてしまうところではないのでありまして、輸入した場合の資金を見るとか、輸出した場合の資金を見るとかいうところですから、一時は輸出なり輸入なりが多いとばつと出てしまう。併し将來それが返つて來るわけです。從つて清算したときにはやつぱり初めに投資したくらいのものは残つているのが当り前でありますが、或る時期においては相当金がないと輸出が廻らないとか、輸入が詰つてしまうというようなことがあるものでありますから、これはお説の通り清算した場合には残ることは止むを得ないと思います。  それから地方公務員のことでありますが、これもまあいろいろ今根本的には考えつつありまして、例えば税の制度を改正して、相当程度交付金なんという問題が成るべく起らないように、税の移譲をやろうというような意見もありまするし、それから同時にこれは地方においても相当事務縮小によつて経費の節約も図れるのじやないか、それには中央で以て法律を作つて地方に流して、それで以て雇わざるを得ない地方公務員を雇つておる。これは地方としては欲しないところであるので、中央でやめてくれさえすればいいのだというような気もいたしますものですから、そのほうの事務の節約による経費の剰余ということも見なければならん、又一般的に無駄があるかないか、これはわかりませんが、かなり冗費もありそうだという意見もありますが、それ以外にもそういう節約の面を考えなければならん、併し又同時に財源の点も考えて行きまして、でき得る限りこれは早く実現したいと思つておるわけであります。思つておるわけでありますが、差当りこれはすぐにどうということはないわけで、そのほうには先ほどお話の平衡交付金をこの際増額して百億ばかり組んで、これで地方公務員のほうも賄えるものは賄うようにいたしたいわけでありまして、その意味で、ほかにも意味がありますけれども給與の問題も考えて百億というものを計上しておるようなわけであります。両院の決議によりまする点は、これは大蔵大臣がはつきり御答弁すべきであつて、私からとやかく言うべきじやありませんが、補正の補正をやるというようなことは今のところ非常にむずかしいような点もあるようであります。で從いまして今一応の考え方としては、決議の趣旨を十分尊重して、來年度予算には一つそういう点も考慮して作つて行こうじやないか、こういうことになつておりますが、これは補正の補正ができるかできないか、これは関係方面の意向もあるものでありますから、今ちよつと困難であろうという見通しを持つておるわけであります。そこで先ほどちよつと言残しましたが、いろいろインベントリー・フアイナンスというような恰好で金を隠しておるじやないかという話もありましたが、実は予算の折衝におきましては、関係方面の意向としてはこれではむしろ足りないので、もつとインベントリー・フアイナンスという種類のものを殖やさなければいかんじやないかというような意見さえかなり強くありまして、漸くあそこに落ち着いたような点もあるのでありまして、いろいろ政府でも苦心しておるのでありますが、現状におきましてはこのような状況なつておる、こういう事情であります。
  66. 森崎隆

    ○森崎隆君 今の御答弁につきまして、一点申し附加えさして頂きますが、予算の組み方につきましてはいろいろ御意見もございましよう。これは勿論いろいろ政府で組まれる方針と、例えば我々が組むといたしますれば、又性格の違つたものができると思いますが、問題はそういう意味の問題じやなくて、はつきりと銘を打つた予算を正直に組むべきだというその観点です。極端に言いますと、例えば岡崎さんの組み方と我々の組み方と違う。併し私が官房長官の建前に立つて予算を組めば、あの組み方以上にはなかろうというような、そういうような底の底まではつきりしておるつ言い換えまするならば、ちよつと組み方が違うために、やはりそこに論争が起りますが、この論争は飽くまで政策的な意味のお互いの意見の相違の論争で、現在の政府の政策がこうだ、それについて予算を組むとすれば、誰が組んでもあれ以外に手がないだろうというようなはつきりした組み方をしてくれれば、こういうような揣摩臆測はないだろう、その点を特にお願いして今私は申上げたわけであります。平衡交付金の問題も、勿論税の委譲、その他の問題もよく私わかるのでありますが、問題は、現実の問題をこれはどうするかという問題なんです。今度のベース・アツプと関連して平衡交付金の問題を何とかしなければ、今税の委譲、今言つたところが今すぐ間に合わない、若し、どんなになりますかわかりませんが、この給與改訂法律案いよいよ法律化されまして、即時実施ということになれば、十月一日ということになる、早く決定しなければならん。それから地方公務員の場合にはやはり同時にやつて行くべきだ、今の問題で何とか解決する途を交付金その他の方法で政府考えて頂かなければならない、又当然考えることが政府の責任でもあろうかと、そういう意味で申上げておるのであります。長い時間をかけて将來これをどうするか、こうするかという御意見は誠に御尤もでございますが、現在のベース・アツプに関連して、地方公務員ベース・アツプの措置としての前提條件の交付金をどう考えるかということをお聞きしたわけであります。  もう一つ最後にちよつと法案とは離れまするが、実は昨日夕方友達を訪ねて東京駅のほうに実は参つたのでございますが、国鉄のあの労働組合の人々が随分大勢今折衝をやつておるようで、三階に寝ころんでいたわけですが、いろいろ話を聞くと、年末手当の五千円の問題が中心になつて交渉を開始されておるということであります。これは一体政府においてこれについてどういう基本的なお考えを持つておられるか。何とかこの程度のことなら私はやつて、当然要求を満たしてやるべきじやないかと思います。これと専売関係の年末手当というようなものとの関連から、両方の現在の事情を全然存じませんが、その両方について現在の事情と同時に、政府で決定した一つの肚がありますれば、それをお聞きしたいと思います。
  67. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 国鉄のほうの問題は、どうも坐り込み等があつて非常に困つております。おりますが、これはすでに一応はきまつておることでありまして、国鉄総裁もなかなか苦心があると思いまするけれども、これは公共企業体でもありまするし、只今のところは国鉄総裁のやり方に任しておるわけでありまして、ただ政府としては、これが交通機関自体の運行に支障を來して国民に非常な迷惑を起すということがあると、非常に困ると思いまして、今非常に注意しておるわけでありますが、この点は私から国鉄総裁を通り抜けて、年末賞與をやつたほうがいいとか、やらないほうがいいとかいう意見は差控えたいと思います。そんなような状況であります。それから専売のほうの問題、これはまあ只今衆議院の労働委員会等でも話を進めていろいろ研究いたしておりますので、そのうちに何か結論が出るのじやないか、こう思つております。
  68. 森崎隆

    ○森崎隆君 大体きまつておるという先ほどのお言葉はどういう意味でございますか。何か大体きまつたというようなお言葉があつたのですが、どういう意味ですか。
  69. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) あれはたしか、間違つておるかも知れませんが、正確でないかも知れませんが、年末賞與というものは出ないことになつておると記憶しておるのであります。初めはそれで話が付いておつたと記憶しておるのであります。
  70. 森崎隆

    ○森崎隆君 まあこういう折衝があるなら発展しないことを私たちも希望したいのですが、今官房長官の心配されておつたような事態はないとは思いますが、そういう虞れも若し生ずるようなことになつた場合、この前やはり国鉄総裁に全部一任して、知らん顔の半兵衛というか、中立性を堅持しておられる御意思かどうか、又それにつきまして今すぐにどうというような御意見も申せないかと思いますが、個人的なお立場でも結構でありますから。……
  71. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 決して国鉄総裁に責任をとらして、こちらが知らん顔をしておるというわけじやありませんので、これは運輸大臣は特に国鉄総裁と密接に連絡しまして、善処しておるわけであります。ただ先ほど申しましたように、初めは年末賞與はないということで、組合側、国鉄側、双方とも了解済みであつたものでありますから、なかなか今急に年末手当ていうような話が出ても困難じやないかと記憶しておりまするし、これは運輸大臣、国鉄総裁で只今折角研究中だと思います。
  72. 千葉信

    千葉信君 官房長官お尋ねいたします。いろいろと人事院勧告給與の体系上の問題だとか、倍率の問題等、かなりありまするし、細かい具体的な点についてはあとで菅野さんのほうからお尋ねすることにして、長官もお忙しいようですから、極く大まかな点といいますか、どうしても大まかであるけれどもお尋ねしなければならない点等について、以下補足してお尋ねいたします。  政府のほうでは今度の提案理由説明の中では、おおむね一万円程度ということを言つておられまするが、その他いろいろ議会では、やはり今度の給與は八千五百六十九円の現行賃金基準というものが崩れて、そうして公務員全体に支給されている給與を頭割で割つてみて、それが六千三百七円になるのだというので、このベース改訂当時に平均給與という恰好が出て來たのです。この点は官房長官も御承認になるでしようね、そうですね。そういうことになると、このときベース体系から行けば五千七百円程度であるものが、今度は平均給與という恰好で六千三百七円というように平均給與給與の額が数えられた。それから又更にその次に八千円ベースに行くときにも、これは同様にもう少し面白くない恰好の平均給與という恰好で、これ又総体の給與の額を頭割によつて計算して、そうして八千円ベースとか七千九百円ベースというようなこういう恰好になつたわけです。これも官房長官は御承認なさいますね。そこで今度又同様に一万六十二円という平均給與なんということが問題になつたわけですが、私ども考えによると、今度の場合も、それからこの前も本当はそうでなくちやならないけれども、こういう平均給與というのは公務員に対して支給せられている基準内の、まあこれは本俸、扶養手当、地域給、特殊勤務手当、この四つの給與平均の額が一万六十二円になるということでなくてはならない。ところが現在公務員に支給されておる二十六年度の総体の給與の源資というのは、どこから計算しても八千三十三円しかないんです。八千三十三円しかないものを、この内訳は、例えば本俸の場合には六千百七十六円、扶養手当は八百九十三円、それから勤務地手当は七百五十九円、特殊勤務手当は二百五円、その総合計が八千三十三円にしかならないのです、二十六年度は。そういうことになりますと、八千三十三円に政府の言うように千四百九十三円足すと、これはもうどこから考えつて一万六十二円にはなりつこないのですね。この点について政府のほうではどうして一万六十二円になるということをおつしやるのですか、その根拠をお尋ねしたいと思います。
  73. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私もこれは自分で全部数字を一々当つて計算したわけでもないし、……
  74. 千葉信

    千葉信君 責任者ですか。
  75. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私はそういうことの能力もないものでありますが、事務のほうでちやんと計算したところを見ますと、確かにそうなつておつて誤まりはないように思つておるのです。今おつしやつたように八千三十何円ですか……。
  76. 千葉信

    千葉信君 八千三十円です。はつきりそうなんです。
  77. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) それはどうも私よくわからないんで、御質問の点ば恐らく御満足の行くように大蔵省の、給與課長から説明があると思います。
  78. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 本年度の、昭和二十六年度の本予算に計上してございます基本給及び特殊勤務手当の予算額は、正確に八千三十三円でございましたか、ちよつと正確な数字は忘れましたが、いずれにしましてもこの近所の、大体この程度数字でございます。ところが今回のベース改訂数字基礎資料といたしまして、十月一日現在の給與ベースによる推定が八千五百六十九円であると申上げてございますが、これとの差額、つまり五百三十円何がしが予算上不足しておるのではないか、從つて本年度の現行ベースを変えないでも、本年度の予算から見て実際上そこまで金が拂われてないのじやないという御質問だろうと思います。確かに本年度の予算につきましては計算上まあ見込違いと申しますか、いろいろな予測外の要素があつたわけでございます。御承知の通り本年度の予算は昨年の十二月に大体もうでき上つておりまして、その後ベース改訂の法案が通りましていろいろ問題がございました。御承知の調整方法の復活でございますとか、或いは昇給昇格の期間が早まつたこと、その他今年度に入りまして定数を変えておるとか、そうしたいろいろの要素がございまして、当初予想したよりも相当ベースが上つておるわけでございます。從つて本年度の予算といたしましては、八千三十三円組んであつたといたしましても、それでも到底賄なえないことはわかつておつたわけであります。その賄なえない分につきましては、今回の補正予算の編成に際しまして、給與改善費とは別個に計上してございます。なおこれは單に不足……併しながら十月一日現在において八千五百六十九円であると、このベースを賄うために必ず八千五百六十九円の予算がなければならないかと申しますと、必ずしもそうはならないのでございまして、これは官庁でいろいろ新陳代謝の関係もございまして、絶えず一定人数の欠員もあることでございます。正確には八千五百六十九円の予算がなくても足りるわけでございます。併しながらいずれにいたしましても、その差が若干この八千三十三円では賄い切れない予算額は今回の補正予算給與改善費とは別個に計上いたしてございます。
  79. 千葉信

    千葉信君 さあわからない。官房長官今の御答弁聞いていておわかりになりましたか。今の御答弁を聞いていますと、八千三十三円しか実際上組んでないけれども、八千五百六十九円までの足りない分は合せて今度の補正予算に計上してあるというお話、今はつきり速記録に取つて御答弁あつたのですが、その点どうですか、そういうふうになつておるのですか。
  80. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私はそうだと思います。
  81. 千葉信

    千葉信君 おかしいね。政府のほうの資料の提出によつても今の公務員平均賃金は八千五百六十九円になつているという資料じやありませんか。それを只今の御答弁では、八千三十三円の予算しか組んでないから、八千三十三円と八千五百六十九円のこの差額はこれは今度の補正予算の中に千五百円と一緒にいろいろな費目で組んであるということは、これはどういうことですか。
  82. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 私の説明の申上げ方が惡かつたかと存じますが、千五百円の給與改善費と申します総計におきまして百五十二億、純計で百二十七億でございましたが、これは千五百円のベースアツプに伴いまする関連経費一切のものでございます。現行ベースを維持いたしますために若干不足を生ずる財源につきましては、これは給與改善費とは離れまして、別個に各部局の別に計上してあるわけでございます。
  83. 千葉信

    千葉信君 そうしますと、この一万六十二円ベース平均賃金を維持支給するために千五百円のほかに、大体この総額の給與改善費の中にいろいろな費目で八千三十三円から八千五百六十九円までの間の差額は計上してあるとこういうことですね。
  84. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) 給與改善費とは別個に計上いたしております。
  85. 千葉信

    千葉信君 今度の補正予算にですね。
  86. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) さようでございます。
  87. 千葉信

    千葉信君 さあ問題だ。政府資料によると、こういう説明が出ているのですね。今年の四月の一日には本俸は六千四百九十六円である、扶養手当は八百七十六円である、勤務地手当は七百九十四円である、その総計が八千百六十六円で、特殊勤務手当が二百二十円、その総合計が四月一日で八千三百三十六円になるんです。それからその次に持つて來て十月一日の推定として本俸が六千六百五十九円、扶養手当が八百七十六円、勤務地手当が八百十四円、そうして特殊勤務手当が二百二十円で八千五百六十九円になる。それに千五百円足せば一万六十二円になる。これは勿論推定という言葉がちやんと付いておりますから、インチキなことはわかつておりますが、少くとも責任ある政府のほうからこういう資料国会に出しておるのです。国会議員はこの数字を信用しながら問題を審議しているのです。ところが今の御答弁を聞くと、八千三十三円の予算しか実はないのだけれども、今度初めて補正予算給與改善費以外の経費でいろいろな予算の中でこれは組んであると、こういうことになると、これははつきり国会議員を愚弄していることになりませんか。
  88. 岸本晋

    政府委員岸本晋君) この点についてなお補足説明を申上げますが、本年のベース改訂の直後に七千九百八十一円であるという一応の推定数字は発表したのでございますが、御承知の通りいろいろなその後号俸調整でございますとか、病院、療養所関係職員待遇改善というようなことが行われまして、実際のベースはそれより、七千九百八十一円以上になつたわけでございます。これは当初政府が予想しておりましたこと以外のものが入つて來た結果でございます。四月一日のそれから今回のベースまでの推移でございますが、四月一日の実態調査のこれは確実な、こちらで大蔵省で全国的に調査いたしました正確な数字でございますが、その後の推定は大体過去の経験に徴しまして、大体一回の昇給期にどれくらいの昇給額があるかということを参考にいたしまして十月を推定いたしておるわけでございます。同時に実際にそれだけの給與は拂われておるわけでございます。給與予算は八千三十三円しかないと申しましても、それはまだ年度中途のことでございますから、それまでの年度中途までは確実に拂つてつておるわけでございまして、実際は推定より低いものを拂つておるではないかということは有り得ないわけでございます。
  89. 千葉信

    千葉信君 これは岸本君、こうなんですよ。これは予算としては平均して八千三十三円しか組んでいないけれども、だけれども、実際上旬替えたときから見るとずつと昇給になつたり、或いは家族構成が殖えたり、それから勤務地手当をもらつておる人員が殖えたりしたために、実行予算の中ではこういうふうに、例えば四月八千三百三十六円と書き込んで、こういう実情を調べたところが、大体こういう恰好になつておると、こういうような政府資料なんです。あなたの今言う通りに八千三十三円しかないから今度の補正予算にあとの分は組んだというのは、これはちよつと答弁が違うと思うのです。ですからこれはあなたのほうでお調べになつて、この点について岸本さんのほうからもう一回詳しく聞けばいいから、これはまあこれ以上この問題は僕は追及しませんけれども、ただ併し問題になるのは、これは官房長官お尋ねするのですが、今お聞きのような経過なんです。これはあとで又別な機会にはつきりさせることができますからこの点は私はよいとして、今のお聞きのような恰好で本年の四月一日では八千三百……先ほど三十六円と言いましたが、八千三百八十六円ですがね、八千三百八十六円になつていた。これは或る程度実態調査はしたかも知れないけれども、その実態調査をしたかどうかということも少々疑問もあるのです。併しこれは一応信用するとしても、実際こういう数字が出たのはやはり今申上げたように昇給なんかの関係もありましようし、いろいろと殖えておる。併しこういう数字が一応信用できるとしても、その次の十月一日の平均賃金の総額というのが、これはあなたのほうから出しておる資料でもこれは推定ということを言つておる。非常に不確定だ。仮にこういう推定を幸いにその通りなつてもらつていても実は問題がある。文句がある。どうしてかというと、こういう不確定な要素を基礎としてそれに千五百円プラスすれば一万六十二円になるのだという政府の態度に私ども承服できない。それはどうしてかというと、仮に実際問題としてそういうふうに給與が増大する場合があるかも知らん。併しこれはどこまでも予算額は八千三十三円しか組まれていない中で、そういうふうに給與の実態が仮に膨んでおるとしても、これがこういう給與の問題を決定する場合の基礎にしてはいけないということです。どうして基礎にしてはいけないかというと、今度あなたのほうで仮に定員法が潰れるか通るか知りませんけれども、仮に不幸にして通つた場合に、若しその定員法による四万人とか五万人の首切りを、上級の年齢の高い人たちを首切つた場合と、それからうんと若い独身者の諸君だとか何とかを多く首切つた場合とでは平均支給されておる公務員の総額は非常に動くのです。多くなつたり少くなつたりするのです。そういうことになると実際に支給している公務員の支給額を頭割りで割つて、それが平均賃金だと言つて問題を考える場合にそれを基礎とすることになると、非常に不確定なでたらめな要素を基準にしながら問題を考えるということになるわけです。ですからそういうやり方をやるべきでなく、たとえ実際上四月の一日に八千三百八十六円になつているにしても、それから十月に推定通り八千五百六十九円になつているにしても、本年度の年間の予算というものが一人当りはつきりと八千三十三円にしかなつていないというその予算編成の基礎から言つて、これは二十六年度仮に補正予算が組まれずに当初予算で押通すとすれば、予算の中にはたとえどういうふうに膨らんでどうなつているにしても、その予算の実施されておる限りは二十六年度の公務員平均賃金は八千三十三円だということになるのです。そうして又そういうはつきりした、確定した具体的な基礎の上に立つて給與の問題は考えなければならないのです。それ以外に要素を求めて、自分たちの都合のいいように、やれ実際は八千三百八十六円だとか、又推定は八千五百六十九円だとかいうことを言出すということになると、不確定な要素の上で問題を審議するし、從つて今度ベースが引上げられても万一どういうふうにこの実情が、この平均の分が下るかも知らん。そうするとなると不確定な要素をとらえてベースの問題を考えるということはこれはそういうふうにすることが都合がいいから政府のほうではやつたかも知れないけれども、決してこれは政府としても正しい態度とは言えないと思う。やはり飽くまでも八千三十三円の基礎の上に立つて、これに政府の言うように千四百九十三円足すならば足して、それで今度の公務員平均賃金がこうなるのだという公明正大な立派な態度でなければならないと思うのです。今も官房長官もここで岸本君との質疑応答の中からも、この点は如何に不確定な要素を基礎として提出されているかということはおわかりになつたと思うのです。こういうことになりますと、これは今度の問題もそうですし、今後も同様の問題が起ると思うのです。やはり政府としては私は確定的な、而も立派な基礎になる年間の平均賃金をはつきり出して、予算上の平均賃金をはつきり出して、そうしてその上に千五百円増額ならば増額ということで行くんでなければ、これは官房長官自身でも大手を拂つて主張できないと思うのです。この点如何ですか。
  90. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 私は千葉君のように専門家でありませんから、正確な議論もできませんが、私の考えでは給與というものの、例えば今年の一月一日なり或いは四月一日なりの実態の給與を勘定しなければ正確な数字はできないと逆に考えています。例えば予算が八千三十三円の平均で出ておつてもそれに扶養手当も殖えた、いや勤務地手当をもろう人も殖えた、やれ特殊の人には特別の手当をやるようになつたということで実際の費用が殖えておれば、その殖えた実態を見てその実際の平均が幾らであるかということを見なければ、国民に対しても、ただ予算で出ておつても、これは実際に拂つてつて足りなければ補正を組む、補正に対して国会で恐らく実際に拂つて足りないならば承認を與えてくれるのは当然と我々は考えておるのです。從つて一般給與ベース以外にほうぼうに組入れて足りない分を計上しておつて、それを承認されるとすれば、要するに十月一日から上げるということになりますから、十月一日の上げる前に実態平均給與が幾らであるかということを見ることは当然のことだと思います。そうしてそれが推定だと言われるけれども、これは無論十月一日の給與はすぐに実態が、本当にはつきりしたものが出ることはこれは想像もできませんから、推定ではありましようけれども、最も正確なる推定をしてこれだけ実際に平均給與なつているのだ、それに千五百円を加えて平均給與は幾らになるのだ、これを国民は知りたいのであつて予算の上に組んであるものに足りない部分は足しておつてもその足した分は除いて予算に組んであるから、この予算給與に千五百円ばかりを加えて幾ら、平均給與は幾らだということのほうがむしろ実際に合わないのじやないかと私は考えております。尤も今千葉君の言われた別の問題ですね、何か前のようなベースを作つて、それで正確にやるほうがいいんだとか、或いは一般給與の全体の平均をとるのがいいか惡いかということは、これは一つの御議論で、これは別問題でありまするけれども、今とにかくこの人事院勧告にしても我々のやつていることにしても、実際の給與の総額の平均を出しておるのであつて、その平均を出すという方針で行くならば、十月一日に実際に拂つておる給與平均額を出して、これに幾ら加えるのだ、それで全体の平均額が幾らになるのだと、このほうが私は何といいますか、実際的であろうと考えております。
  91. 千葉信

    千葉信君 私は非常に簡單な理窟を言つているのですがね。あなたのおつしやるように、そういうふうにその月その月の給與の額を基礎として国民に知らせるためには、それは国民のほうでもわかりがいいでしよう。四月一日は幾らだ、或いは十月一日は幾らだと、これはまあそういう実際に支給されている金額が幾らかということを知らせる場合には、これは予算に幾ら組んであるということを言うよりもそのほうがわかりやすいことはこれはあなたのおつしやる通りだと思うのです。併し私の申上げておるのは、そういう例えば二十六年度なら二十六年度の中でも絶えず流動していて、まあ今のところはお陰様で少しずつ殖えて來ておりますが、これが逆に殖えるのじやなくて減る場合もあるのです。それはもう目前の問題として首切りのときに比較的老朽者、まあ老朽者と言うと失礼ですが、年齢の高い人たちを首切る。この人たちのもらつている賃金は高いのです。平均賃金よりも高い人が多いのです。そうするとそういう人々を集中的に三万人も四万人も首切ると、実際その人たちが首切られたその次の月の平均給というのはがたつと下るのです。これは政府でも恐らく見当付かんでしよう。よほど精密に、よほど事務局を動員して調べでもしなかつたら、そのときの平均賃金は幾らになるか全然わからんでしよう。そうすると、又仮にそういうふうに來年の三月なら三月までに四万人の高給者を首切つた場合に、一体公務員平均賃金は今後は四月一日から幾らになるかというと、実際に支給する俸給、平均給というのはがたつと下る、恐らく私の見通しでは八千円ベースに行くか行かないという事態が起ると思うのです。高い人ばかり首切ればそういうことになる。今折角政府のほうで仮に一万六十二円に上げたと言つても來年の四月に八千円ベースに又落ることがあるわけですよ。そういう不確定な要素を根拠にして給與ベース改訂をやつたり、給與ベース改訂審議するような恰好ではいかんと言うのです。この点は幾ら専門家でないなどと言つて責任者でありながら逃げようとしておる官房長官でも、この程度の理窟はおわかりでしよう。
  92. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 只今お話はよくわかりますが、併し、それにしてもですよ、仮にまあそうなるかどうか私は知りませんが、未來のことだからわかりませんが、今度の四月一日に來年計つて見たら今のベースより平均給與が下つておつたと言つても、これは比較的高給者がやめて若い人がこれだけ数があつたのだ、高給者はこれだけの数になつたのだ。從つてベースは低いけれども、おのおのの人の手取りはやはり上つておるのだということはわかると思います。
  93. 千葉信

    千葉信君 その問題は別なんです。その問題は又倍率の問題等に関連して一人々々の給與の問題については別な観点から私は官房長官にあとでゆつくりお尋ねしたいと思います。そういう問題じやないのです。今私が申上げているのは、ベース算定なり、或いは平均賃金審議し、考える場合の基礎としてこういう矛盾を生じておるものをとらえて、それを元にしてやることがいいか惡いかという簡單な理窟なんです。この点について官房長官は……。
  94. 岡崎勝男

    政府委員岡崎勝男君) 又素人というと叱られるかも知れませんが、とにかく私は公務員の実際とつている給與平均をとつて、今年平均このぐらいにあるのだということは非常にわかりいいような気がするのです。そうしてそれで平均して又これだけ殖すとか言うことは決して惡くはないという気がしております。
  95. 千葉信

    千葉信君 今日はこれくらいにして官房長官もお忙しいでしようから、又日を改めてゆつくり……この問題は非常に長くかかりますから……。
  96. 吉田法晴

    委員長吉田法晴君) それでは本日はこの程度で散会いたします。    午後四時四分散会