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1951-11-28 第12回国会 衆議院 海外同胞引揚に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年十一月二十八日(水曜日)     午後二時十九分開議  出席委員    委員長 若林 義孝君    理事 池見 茂隆君 理事 小西 英雄君    理事 庄司 一郎君 理事 坂口 主税君    理事 受田 新吉君       青柳 一郎君    足立 篤郎君       菊池 義郎君    高橋 權六君       竹尾  弌君    玉置  實君       中山 マサ君    福田 喜東君       南  好雄君    林  百郎君  出席政府委員         外務政務次官  草葉 隆圓君  委員外出席者         外務事務官         (管理局引揚課         長)      吉岡 俊夫君         外務事務官         (連絡局調査課         長)      吉村又三郎君         大蔵事務官         (主計官)   岩動 道行君         厚生事務官         (引揚援護庁援         護局援護課長) 山本淺太郎君     ————————————— 十一月十五日  委員佐々木盛雄辞任につき、その補欠として  平野三郎君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員高田富之辞任につき、その補欠として林  百郎君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件 閉会中審査に関する件 海外同胞引揚問題に関する件     —————————————
  2. 若林義孝

    若林委員長 これより会議を開きます。  本日は海外胞引揚げに関する問題について議事を進めることといたします。  今回平和條約の批准も終りまして、わが国は新しく自主的に国際社会に乗り出すことになりましたが、この海外胞引揚げに関しましては、いまだ多数の抑留同胞を数え、かつ留守家族の悲境が聞かれるのでありまして、われわれとしてもこの問題の早期解決に対して、その対策樹立努力しつつあるのであります。政府において今後自立的外交の回復とともに、この問題については各国との間に解決に対しての交渉を持たれると思うのでありますが、われわれは政府の積極的な努力による今後の解決対策期待いたす次第であります。委員会として、今後の政府対策についてお伺いいたしたいと存ずるのであります。  なおこれについて明年度予算、その他の概略の御説明を一応聞きたいと参存じます。
  3. 草葉隆圓

    草葉政府委員 明年度昭和二十七年度の在外同胞引揚げに関しまする関係諸経費につきましては、御承知通り大蔵省におきましてこれら全体の予算の集計、経理等を目下審査いたしておる際であります。従いましてあるいは外務省あるいは厚生省援護庁等におきまして、従来の関係からそれぞれ予算的な折衝を進めて参つておりまするが、まだ確定までには立ち至つておらないような次第でございます。この点御了承をいただきたいと思います。従つて引揚げ促進の問題につきまして、今後具体的になお多数の同胞ソ連勢力圏内地区に残留いたしておりまする現状から、これが引揚げ促進に向つて進んで参らねばならないのでありまして、ことに昭和二十七年度におきましては、おそらく国交も正常の状態に回復し得る状態だと存じまするから、これらの点と合せまして、ぜひともこの期間内に解決のできるような方法を進めたいという所存で計画を進めておる次第であります。しかし具体的の問題になりますると、中共地区におきましても、あるいはソ連地区におきましても、今回の日本との平和條約にはあるいは参加をしない、あるいは署名をしないという結果を招来いたしておりまするから、平和條約の効力が発生いたしました後におきましても、これらの地区におきましては従来と大差ないような国交状態であるのではないかと存ずるのであります。しかし幸いに多数の国々が、おそらくは署名と同様に今後批准をいたしてくれると存じまするので、これらの国々国交が調整され回復されまするから、従つて日本といたしましてはこれらの国々とともに、あるいはこれらの国々中心にしました国際的な会合等におきまして、十分引揚げ促進方法を講じ得る機会も従来以上に多かろうと存じておるのであります。しかしながらいずれにいたしましても中心目標は、これらの地区に相当多数の人たちが残留いたしておりまするから、その根本は集団的に計画的な引揚げをなし、具体的に申しますると、あるいは般等を仕立てまして、そうして引揚げのできるような、いわゆる計画的な引揚げをなすための方法を講ずるということを目標にして進めて来なければならないと考えております。一方におきましては、国際連合中心にいたしました特別の三人委員会等活動にも多大の期待をいたしておる次第であります。また民間的な国際機関でありまする赤十字の活動等にも大いなる期待を寄せておる次第でありますが、これらの点を総合いたしまして、具体的に今後の引揚げ促進政府といたしましても強くはかりたいと計画しておる次第であります。     〔委員長退席池見委員長代理着席
  4. 中山マサ

    中山委員 この予算につきましてはいまだ判然としないというお話でございましたが、各省からはやはり申入れをなさる予算というものがございましようから、ことしの大体予算はどれくらいのパーセンテージか、もしはつきり数字がわかりませんならば、どれくらいの予算をとろうと厚生省はお考えになつておりますか。また第二には厚生省の中で、この引揚げの問題についてはどれほどの予算をあらかじめ予定していらつしやるか。今までのように船を迎えにやるにつきましても、やはり待機させるという点もございましようし、どれくらいの心づもりをしていらつしやるか判然としたことでなくてもよろしいのであります。ラウンド・ナンバーでけつこうでございますから、もしおわかりになつていらつしやいますならば聞かせていただきたいと思います。
  5. 岩動道行

    岩動説明員 引揚援護庁の二十七年度の要求金額は約三十七億になつております。これは二十六年度の予算が三十二億ありますのに対して約五億の増加になつております。そのほかに厚生施設として約五億余りのものが別途の要求になつております。それで二十七年度の予算をきめますのには、またいろいろな不確定要素がありますので、大蔵省といたしましては決定的な数字をまだ得ておらないのでありまして、これはただいま基本的な数をいろいろと検討いたしておる最中であります。従いまして来年度三十七億の要求に対して、幾ら予算を計上するかという点については、今の段階において決定的なことを申し上げられないような状態であります。
  6. 中山マサ

    中山委員 もう一つ。これは援護の問題でございますが、この問題について最初の外務委員会でも政務次官に申し上げたのでございますが、私はある留守家族から手紙をもらいました。その手紙は、参考として次のようなことを申し送るということで、ある一人の人が殺人をしたという容疑收監をされた。ところがその人が少し精神鑑定を要する人で、精神を鑑定してみたところが遂に無罪の申渡しを受けた。ところがその留置されておつたときの日当を二百五十円という予算をもつてこれが出るときに與えられた。国内のいわゆる殺人容疑者ですら一日二百五十円のお金をもらうのに、私たちはどうして千円なんでしようかということをひとつ参考として知つておいてくれというて、つい二、三日前に手紙が参りましたのでございますが、この問題とにらみ合せて、この間大蔵省政府委員のお方は、まだ千五百円というようなことも考えていないというお話でございまして、私はそのとき三千円説を立てたのでありますが、そういうわけで、こういうことは一地方裁判関係人たちがそういう判定を下したのでありますから、それは知らないとおつしやればそれまでのことでございますけれども、しかし国民はなかなかそれでは納得が行かないようなけぶりを私はこの手紙の中に読みとつたのでございますが、こういう点をお考えくださいますならば、千円というようなまことにみじめな、たつた四日分にしか当らないのでございます。留置されたのはほんの数日あるいは半月くらいのことであろうから、そういう多額の金を出したのだろうとおつしやればまたおつしやれるかもしれませんけれども、国民感情というものはそんなものではなかろうと思うのでございますから、どうぞこの点をおくみとりくださいまして、何とか援護費の値上げをお願いしたいと思います。  話があと先になりましたが、この留守家族というものは、いわゆる戰争犠牲者の中に含まれて援護考えられるものでございましようか、いかがでございましようか。いわゆる遺族というような人たちと同じようなわくの中で考えていただけるのでしようか。
  7. 山本淺太郎

    山本説明員 あとの方のお尋ねからお答え申し上げますと、それは今度の遺族処遇法律を文字通り軍人軍属という本来恩給等でもらい得べき資格を持つてつた人で、昭和二十一年勅令六十八号によつて停止された人々について、恩給ではないが、本来そのような権利のありましたものに何らかの形において復元するというような考え方をとるのでありますれば、今お話留守家族というものは非常に系列の違つた対象になるし、一つ法律の中に入れることは困難かと思われます。あるいはまた考え方をかえまして、いろいろ戰争犠牲者というものがございますけれども、その中で特に緊急さしおきがたい対象を特に拾い上げまして、そのような遺族とある程度肩を並べて同時に処遇しなければならないような者を広く拾おうという趣旨でありますれば、一つ法律の中に留守家族を入れるということも、あるいは考え方によりましてもちろん可能だと思います。     〔池見委員長代理退席委員長着席〕  要は立法の趣旨をどういうふうに置くかによりましてきまることだと思いますが、この問題につきましてはまだいろいろ研究しておりますので、留守家族がただちにその法律に入るか入らないかという最終的な結論はまだ出ておらない状況であります。いろいろお話のありましたような点につきまして、その他の問題もございますが、現在いろいろ話合い中というところが実際の段階でございます。  それから未復員者給與法及び特別未帰還者給與法俸給の千円というのは非常に安いという問題、これはもちろん留守家族の間にも非常にそのようなものでは困るからという希望が強いのでありますが、同時に考えて行かなければならないと思いますことは、そのような千円という低額の俸給という形でありますが、そういうものがもらえればまだいい方で、留守家族の中には、御承知のように軍人軍属留守家族は未復員者給與法の適用がございますから、これがもらえるのでございますが、その他の一般邦人につきましては、一定の地域に居住して、しかも相手国の権力によつて拘束されておるという状況が非常に具体的に、しかもその強制が強度の状態であるという者だけが特別未帰還者という認定を受けまして、同じような千円の俸給をもらえるのでありますが、そのような條件にただちに該当しない者につきましては、その千円すらも出ておらないとい状況がございまして、そのような留守家族についてとりあえず措置することの方が、むしろ現在の千円を上げるということよりもより急いで研究しなければならない問題ではないかというようなことを、われわれといたしましても問題にしておる現在でございますが、先般の引揚同胞対策審満会におきましても、留守家族処遇をどうするかという基本的な問題につきまして各御意見の発表がありまして、政府といたしましても、このような意見を慎重に考慮いたしまして、今後未復員者給與法及び特別未帰還者給與法というような、一種の国家公務員としての身分をあえて擬制いたしまして、その擬制の上に、俸給とか扶養手当を出すというような非常に変則的な給與のやり方というものについて根本的に検討いたしまして端的に留守家族というものについて国の処遇が及ぶというような法律建前に方向を切りかえるということの方が、現在の時に適しておるのではないかというような研究も現在内部的にいたしておるような次第でございます。
  8. 中山マサ

    中山委員 お尋ねいたしますが、今のお話の中で未復員者給與法にも特別未帰還者給與法にも恵まれていないというのは、一体どういう人でございましようか。
  9. 山本淺太郎

    山本説明員 軍人軍属留守家族でないという方々、それらの一般邦人留守家族でありまして、特定の地域、すなわちソビエトでありますとか、あるいは中国とか、北鮮とかいつた指定の地域以外の人、これは全部入りません。数はほとんどとるに足らない少数と思います。それから同じ満州におりましても、終戰の直後にはいたということがわかる、しかしその後どのような状態になつておるかわからないというような人は、特別未帰還者としての認定をするわけに参らないような現在の法律建前になつております。御承知のように特別未帰還者というのは、ソビエト社会主義共和国連邦における未復員者と同様の実情にある者というふうに法律がなつておりますので、現在の境遇が、平たくいいますとソビエトで捕虜になつて、それと同じような生活をしておる者というふうな法律の限定がございますので、そのような状況が具体的にわからない者につきましては、今の法律建前では遺憾ながら給與ができないという形になつております。従いまして同じような留守家族でありながら、一方はもらえ一方は全然もらえないというような不幸な事態が、現在の法律建前からどうしても免かれることのできない欠陥として現われておる次第でございます。
  10. 中山マサ

    中山委員 その数はあらかたどれくらいですか。
  11. 山本淺太郎

    山本説明員 現在特別未帰還者認定されている方が少いのでありまして、その総数は九月末現在で四千六百六十四世帶、家族にいたしまして九千三百二名について給與が支給されている状況であります。
  12. 高橋權六

    高橋(權)委員 今ちよつと中山委員から聞かれたのに関係したような点もあるかもしれませんが、今おつしやられるところによると、満州方面行つておる者というようなお言葉もありましたか、満州師範学校を出た娘さんが今なお帰らない。ところが俸給幾らであつたか知りませんが、四十数円にすぎない金であるが、今お父さんがあるから催促に行つた。ところが不幸にしてお父さんがまだ六十歳にならないからというので突き離されているようでありますが、年の多少にかかわらず、それについては金を出すような方法はできませんでしようか。しかし父親としては、金をもらうよりか本人を早く帰してもらいたい、嫁入り盛りの娘をいつまでも外地におくのは好まない状況であります。それから一般人間俸給をたくさん見積つてあるのにかかわらず、もと師範学校を出て、四十数円にすぎなかつたからといつて依然として四十数円を支給するということになつておるのは、どういうわけでしようか上げられないのでしようか。ほかの方はたくさんの金を與えられるが、師範学校を出た人間はそのときの本給の云々ということで、五十円にも足らない金を一ぺんに一年分か二年分か——年をとるまで待つて置いておいてくださるのかもしれませんが、それを心配しておるようであります。
  13. 山本淺太郎

    山本説明員 私の想像で失礼でございますが、内地公務員でありました人が外地行つて今日なお未帰還状態にあるという者につきましては、未帰還職員給與という人事院規則ですか、正確な名前を忘れまして恐縮でありますが、そういうのがありまして、一般公務員並に本俸が上つておらないのでございます。但し内地扶養家族を持つております者につきましては、今日の改訂されたベースの金額が行くような、考え方によりますと非常におかしいのでありますけれども、人事院行つております未帰還政府職員給與というのはそういう立て方になつております。それで今お話の点は扶養手当の問題だと思いますが、それは未帰還政府職員にいたしましても、それから先ほど申し上げました特別未帰還者につきましても、満六十歳以上の者でなければやれないとはつきり法律に書いてあるわけでございまして、遺憾ながらやれないのじやないか。但し未復員者給與法、特別未帰還者給與法におきましては、本人に対する俸給だけは現在親とか子供がおられるというような家庭につきましては、俸給でありますから、本人が帰つたときに、返すべき筋でありますけれども、留守家族援護という意味もあるのだからということで、昨年から本人帰還前に、そういうような親でありますとか子でありますとかいうような方々に対しましては、御本人俸給を前払いするという制度をとつておるような状況であります。
  14. 高橋權六

    高橋(權)委員 先ほど申し上げたように、親が申し出ても受付けてない。それからまた今おつしやるところによると、もとの俸給幾らだからという。ひとつそれをあなた方がお骨折りになつて改正するようなことを考えられないでしようか。同じ人間です。しかも人の子供の教養に努める婦人、どんなことになつておるかわからぬ、おもちやにされておるかもわからぬ、私は心配でたまらぬ。自分子供であつたらどんなに苦痛を感じておるだろうか、これは私の想像です。今御答弁くださいましたように、俸給俸給でしようが、今日物価の高い世の中に、もう少し当局が心配していただきたい。それから前貸しでもされる——下卑たような話になりますが、親としては、それよりも本人を帰してもらいたいといつておりますけれども、五十歳あまりだから、まだ一年か二年かその人が六十歳以上になるまで待たなければならぬ。そのうち死んでしまうかもわかりません。そんな矛盾したことはあるまい。国のために、国の命令によつて働いておつた者だから、平等にしていただく考えはないか。もう一ぺんくどいようですけれども伺いたい。
  15. 山本淺太郎

    山本説明員 ちよつと申し落しまして失礼しましたが、未帰還政府職員であつて、先ほど申し上げました特別未帰還者という條件を備えます者につきましては、給與差額は当然この法律で出るようになつておりますので、かりに四十何円というもとの俸給がありましても、千円との差額は特別未帰還者給與法で出るという建前になつております。
  16. 高橋權六

    高橋(權)委員 それが出ていない。
  17. 山本淺太郎

    山本説明員 そうであれば、おそらくその方が現在遺憾ながら先ほど言いましたような特別未帰還者としての具体的な條件を備えるに至つていないということではないかと思います。具体的なデータをいただきますれば、私の方でもよく調査をいたしてみます。
  18. 高橋權六

    高橋(權)委員 これは政務次官からお話いただいてもいと思いますが、今引揚者のことについて福岡あたりでも——どこでもあろうと思いますが、私はよその例は空漠たることは申しませんが、福岡下あたりでは、至るところにおいて引揚げ邦人大会を郡市別によつてつている。そういう場合に、まだくちばしの黄色いような連中が演壇に立つて天皇陛下といつては死なぬ、お母さんといつて死んだというような、そうして総理大臣初め政務次官、それから委員長の悪口ばかり言つておる。私はしやくにさわつたからどなりつけてはやりましたが、さも総理大臣政務次官委員長は涙もない、鬼か蛇であるかのように演壇から述べ立てて、引揚げざるところの家庭のものを扇動するような言辞を用いておる、どこへ行つてもそれをやる。レコードの盤みたいに同じことを、ぐるぐるやつている。ほかのことを言わしたらしやべり切れない者が、さも立板に水を流すごとくに、盆をひつくり返したように、さも率直な話をしているようにやつて、ある方面からいうと国民の思想を悪化せしめるようなことがある。当局としてはああいうことを今後言わせないようにする考えがあられるかどうか。総理政務次官委員長方も、また委員同僚諸氏においても、一日も早く未帰還者を帰したいということは念頭からはずれていないことは、私は町場におつてよく知つておりますけれども、いなかにいる人間、あるいは時折たずねたり、また聞いたりするような人間は、さも事実であるかのように感じている向きがあるのでありますが、そういう点について今後中央から御注意になるか、もしそういうことを言う者に対しては、きちんとした何かの方法でも講ぜられるかということをちよつとお伺いしたい。
  19. 草葉隆圓

    草葉政府委員 政府なりまた国会におきまして、ことに国会におきましてもこの委員会におきましては、従来とも引揚げ促進に懸命の御努力をいただいております。従いまして国民の大多数はすでにこれらの点は了解をしておられると存じますが、なお一部にただいまのお話のような場合も、あるいは政府等活動の十分なる了解を得ないためにさような言辞がなされますことは、まことに遺憾に存じます。しかし現在はいわゆる民主主義の時代でございまして、これらの言辞をただちにどうこうするということは愼しむべきことだと存じます。結局むしろ今後とも引揚げ促進につきます政府国会国民の意思を十分徹底するような方策をとり、一層の了解をいたすようにして行かねばならないと考えております。
  20. 高橋權六

    高橋(權)委員 今政務次官から非常に穏健なお話があつた。これは御人格のしからしめるところであるが、なぜ私がそれを言うかというと、先日も全国の遺族大会があつた場合に、穏当ならざる人間が入つてやじつた。私はそんなものはへとも思わないけれども、そういうことをやらせる人間が必ずあるということを痛切に感じたのです。もう一つは、かくほど委員諸氏とともに中央において、引揚げざる方々家庭のために思つておる私について、逆な宣伝を実際福岡県の代表にしてそういうことをやつた者がある。自分のことは何とも思わぬけれども、一例を申し上げなければわからぬから申し上げておるのであります。ないことを捏造して宣伝するやつがおる。そういうことのために、せつかく中央において無我無私の立場から委員諸氏が論じておるのが地方において逆に宣伝され、しかも先ほど申すように、総理大臣も涙ある人で、あの人はがんこおやじであるが私はあれにほれ込んでおる。その熱のある総理並びに政務次官委員長のごときりつぱなる人格者、その他われわれ多数の委員がほんとうに寝た間も忘れることのない問題が逆に宣伝されておる。私はただ一例を引例したのでありますが、そういうことがあるということは非常に私は残念に思うのであります。ただ民主主義民主主義デモクラシーはあながちうそを言つてもいいということではないわけです。新聞においてもプレス・コード違反になるものはどんどんと、取締りをやるように、言語についても間違つたことを言う者に対しては、相当の痛棒を與えていいものだと確信するものであります。デモクラシーデモクラシーといたしまして、われわれ国民人権というものがあります。その人権を尊重する意味において、そういう扇動をして多数の留守家族を誤まらしめるようなことがあつてはいかぬ。先ほど中山委員もおつしやつたように、いろいろ新聞記事に載るような問題がなきにしもあらず、そういう点から申し上げておるのであります。デモクラシーデモクラシーとして、矛盾したことやら無根の説を唱えるような者は取締つていいだろうと思う。すなわちわれわれの権利を尊重する意味においてやつていただきたい。そういうことについてお考えがあればお漏らしいただきたいと思います。それで打切ります。
  21. 草葉隆圓

    草葉政府委員 引揚げ促進の徹底につきまして一層国民了解をいただきますよう、機会あるたびに申して参りたいと存じます。
  22. 福田喜東

    福田(喜)委員 本委員会を今後どういうふうにするお考えでありますか、ちよつと将来のことについて委員長の御所見を承りたいと思います。
  23. 庄司一郎

    庄司委員 それに関連して……。本特別委員会講和條約成るといえども、あるいは平和條約の第六條(b)項にうたわれたといえども、三十有余万と推定される同胞が未帰還現状においては、衆議院としては少くとも当分存置され、一層本委員会政府を鞭撻し、古い言葉でございますが、表裏一体となつて在外胞引揚げ留守家族等の愛護、援護のために万全を期すべきものである、かように考えておりますので、ただいま福田委員より委員長に対して適当な質疑があられたようでありますが、本員といたしましては少くともここ二、三年くらいは、あえて年限は制限いたしません。当分と申し上げてもよろしい。当分はこの委員会を本院に存置し、参議院も同様ともども引揚げの促進のために、また留守家族関係援護等のために万全を期すべきである、かように存じますので、委員長におかれましては理事会あるいは委員全員にお諮りの上、各派の国会対策委員長、あるいは議会の運営委員長等にもお諮りくださいました上において、願わくば本委員会を存置させることができ得るように議長に懇請してもらいたい。またこの十二国会をもつて特別委員会が打切りということになりましたならば、ただいま全国各都道府県あるいは市町村に盛り上つている引揚げ促進運動に暗影を投ずるおそれがあるのではないか、また不安焦燥の念を與えるおそれがあるではないか、その他好ましからざる情勢を誘致するおそれがあると思うのであります。特に対外関係において、国連の社会人道文化三人委員会等に対しても、本委員会を存置された方が将来連繋をとる上によい、かように考えておりますので、委員長におかれましてはどうか御善処を願いたいと思うのであります。
  24. 福田喜東

    福田(喜)委員 ただいま私が発言をいたしましたのは、委員長の御意見を伺つてから新なる提案をいたそう、こう考えていたからでありますが、庄司委員からも詳しく御提案がありましたので、あらためて私はここに提案申し上げたいと思います。これは別に新たに申し上げる必要もないことでありますが、われわれ国民の代表の一人といたしまして、かつまた国権の最高機関として、国民の要望に基きましてこの委員会は設置されたと思うのであります。しこうしてまたまだ抑留同胞が多数ある今日、会期ごとに新たに設置せられるような委員会でなく、常任委員会とせられるよう本委員会の決議をもつて議長、副議長に要望をお願いしたいと思います。そういう意味で本日は、ここにおいて委員会の意思をまとめてはいかがかと思うのであります。かつまた事務局につきましても、これはこまかいことかもしれませんが、事務局の職員もはなはだ不安定な状況に置かれており、日常の仕事ははなはだたよりないものであろうと存ずる次第であります。行政監察委員会等におきましても、新たに常任委員会とする要望をしておりますので、さらにそれ以上重要なる意味において、今日日本国民の最も関心事であり、最も重要な問題を扱うこの委員会がかかる不安定な状況にあるということは、私は日本国の今日の状態から見て正当ではない、こう思うのであります。私は本委員会は本日が最終であるかどうか知りませんが、常任委員会としての存置について、委員会としての意思を委員長においてまとめていただきたいと思う次第でございます。
  25. 林百郎

    ○林(百)委員 今出ているのは動議ですか。動議ならば動議に対して私の方の意見を述べて、反対の人があるなら反対でもいいが、希望なら希望で自由党の皆さんの希望もあり、われわれの希望もありますので、これをどういうふうに委員会として御処置なさるか、それを聞いてわれわれの意見も発表する機会を與えていただきたいと思います。
  26. 若林義孝

    若林委員長 ちよつと速記を止めてください。     〔速記中止〕
  27. 若林義孝

    若林委員長 速記を始めてください。林百郎君。
  28. 林百郎

    ○林(百)委員 引揚げの問題について各委員が非常に御熱心に関心を持つておられることについて、われわれも同感でありますが、ただ今の引揚げ問題の扱い方が非常に反ソ反共的な、政治的な道具に使われているきらいが非常に多いのであります。先ほど高橋委員お話の中にも、無責任な発言をする者があるというお話、それは自由党の方から見て非常な無責任な発言をするという印象を受けた方もあるでありましようが、われわれ共産党の側から見ても、また無責任な発言をする人が多いし、従来の引揚げ問題の動き方がむしろ非常に国際的に見て反ソ反共の道具に使われているきらいが非常に多いのであります。こういう行き方では、私たちは今の引揚げ問題の指導者の皆さんのやり方、並びにこれを受けて国会で審議するこの仕方、従つてそのための本委員会を存置するということにも賛意を表しかねるのであります。第二の問題としては、やはり引揚げ問題については実情を知るということが一番重要だと思うのであります。たとえばシベリアの抑留者三十七万あるというのが、国連への通告にはたしか七万、あとは死んだとかいうようなことで、これは数字も減つているようでありますし、またこの引揚者の数についてもいろいろの問題があつて、必ずしも一致しておりません。それから中共にいる人に対しても非常に無理に中共に抑留されているという見方をする人と、むしろ今の日本の政治にあきたらずして、中国に安心していて、日本の国がもつと民主化することを心から熱願している人があるのであります。たとえば松川事件につきましても、中国にいる日本人たちからすでに一万ドル、あの事件の無罪になるために日本の民主的な人たちの活躍を願うということで、金まで送つて来ておるという人たちもあります。ですから必ずしも中国にいる人たちが、自由党の委員の一部の方の言われるように、もうまつたく泣きの涙でいるとも見られないのであります。いずれにしてもそういうことも実情を知つて家族人たちに実情を伝えるということが一番重要だと思うのであります。それにはやはり全面講和をして、中国あるいはソビエトとの交友の道を開いて行く。そのためには、反ソ反共でもつていろいろな実情を知らせろということは無理であります。中国とかソ同盟だとか、こういう国々とどうして友好関係を結ぶかという方向に努力をしないでおいて、そういう実情を知らせないと言つてもそれは無理だと思います。そういう意味で、全面講和へ努力する方向と逆な方向へむしろ引揚げ問題を利用して行こうとしておるきらいも見えるのであります。こういう意味で、われわれ全面講和を心から熱望しておる側から言いまして、現在の引揚げ問題の扱い方については非常に反対であります。それから第三の問題としては、引揚げの問題の大きな要素の中には、未復員者引揚げるということと同時に、引揚げて来た人たちの生活をどう保障するかということがやはり非常に重要な問題だと思うのであります。将来はやはりこういう問題についても十分な関心を持たなければならないと思うのであります。こういう点からいいまして、今のこの委員会の行き方について私たちはどうしても納得できない点がありましてむしろこういう現在の引揚げ問題の動き方をそのまま許し、それを側面かち応援するような政治的な道具に使われる危険のあるような委員会つたならば、これはすでに存続する必要はないと私たち考えるのであります。従つてたちは現在のこの国会の中における引揚委員会の存続については、遺憾ながら賛意を表することができないのであります。これを打切つてもらつてそれぞれの問題は各常任委員会において十分解議する機会がありますから、私はこの委員会は今会期をもつて打切るべきものだ、こういうふうに考えます。
  29. 中山マサ

    中山委員 ただいま中共地区において泣きの涙で暮している人ばかりはないというお話でございますが、泣きの涙で望郷の念にかられておる一つの実例を申し上げたいと思います。これは前に外務委員会で、私は外務政務次官にも申し上げた実例であります。長野県の小川平二先生の選挙区の実例でございますが、鞍山でございましたかにおりました鉄鋼関係の技師でありますが、その人が、もう中共人にできるだけの技術を教えた、だからもう何にも教えることはないのだ。そうすると中共の要人たちは、いつでも帰す、しかし米国か日本がおまえ方が帰るじやまをしておるのだということを言われるが、この真相はどうだという手紙が来ておるのであります。その手紙を持つて私は英国大使館に行つて、こういうことを知つているから、英国は中共を承認していらつしやるのだから何とかひとつ折衝をして、そうして帰ることを希望する人は帰してもらえるような方策はないものだろうかと言つて、私は小川先生と御一緒に行つたこともあるのでございますから、共産党側のお方におきましても、なるほど中共で満足していらつしやる方もそれはございましよう。しかし満足していない人も多々あるという実例を知つているのでありまして、こうして中共においては日本人を完全にだましておるのです。日本ではこうしてやいやい言つて呼び返したい、アメリカも船を出し、いろいろなこともこれまでしてくれておるというわけです。こういうふうな欺瞞政策によつて日本に帰つた日本は燒け野が原だ、お前らは生活ができぬぞということも言つている人があるという実例も、私は手紙を見せてもらつてつておるわけでございますから、共産党の方は共産主義の国だから満足をして暮しているとお思いになろうし、われわれはそうでない実証をもつて満足していないという実例を與えられているのでございますから、これは考え方の違いでございますので、私はぜひ存続して行きたい。私が委員長をしておりました時代の終りにも、そういう空気が院内にあるということを聞いて、私はとんでもないことだ、もし衆議院の中でこの委員会をやめるならば、留守家族は何と言うだろうか、もう国会がわれわれを見切つたのだ、だからタス通信によつて発表されたことを国会が信じているのだろうと思われるであろうということを私はおそれまして、いろいろと及ばずながらこの存続に力をいたしたことも私は覚えがあるのでございまするそういうわけで何とかして——私どもは今政治的道具に使われているという話がございました。そうして反ソ反共の感情でやるという。これは帰してさえくれたならば、私どもは負けたのですから、反ソ感情も何もないのございます。ただ留守家族の悩みを、全国をあつちに行きこつちに行つてしみじみと聞かされて、私どもはそのつらさを見かねての叫びを上げているのでありますから、どうかひとつこれは存続になるように、委員長におきまして御努力が願いたいと私は思います。そして、共産党の方もやはり親もあり子もあり、愛情にかわりないのですから、やはり思想を同じくするという点で、いわゆる反ソの感情がないお方として一大運動を起して、ひとつお呼びもどしくださる手伝いをしてくださいましたならば、いかにわれわれが自由党といえども、共産党に対して深く感謝の意を表するかということを御了承願いたいのであります。私もまた母の一人であります。母親としての深い悩みを両親の人たちが私に始終訴えておりますから、私はどうもこれをやめられたら、そのお母さんたちはいかに悲しいかということをしみじみと感ずる次第であります。
  30. 若林義孝

    若林委員長 本問題に関しましては、委員各位の御意向も十分了承できますので、その御意向に従つて理事諸君と協議の上善処いたしたいと存じます。  本日は他に種々いろいろな問題がございますから、他の問題に移りたいと思います。菊池義郎君。
  31. 菊池義郎

    ○菊池委員 中共地区抑留同胞から日本手紙が参りまして、自分たちは戰線にかり出されて働いておるのだという日本の看護婦からの手紙、あるいはまた日本の軍人からの手紙、向うの軍隊に入つて従軍しておるのだというような手紙が来ておるようなわけなのであります。これらの人々が、朝鮮戰線において戰闘に従事しておるのではないかということも考えられるのでありまするが、その真相について当局調査せられたことは必ずなければならぬと思うのでありまするが、結果を御報告願いたいと思います。
  32. 草葉隆圓

    草葉政府委員 お話のように、中共地区にはまだ相当な未帰還同胞が残留しておられると考えます。ことに留守家族調査をいたしました結果は、内地留守家族調査だけでも、かつて資料として差上げましたように七万数千がありまするが、その多くは中共地区ではないかと考える。しかしこれも現在の中共地区状態から推察いたしますると、移動をいたしておりまする場合も相当あろうと存じまするから、従いまして確実な情報をつかみ得ない状態であります。これらの情報は、まつたくそれぞれの当該国からの正確なる通報を受けまして初めて確実な情報となり得るわけでございますが、今日まで国際連合の三人委員会に対しまする報告等も、まだこれらの地区からは出そろつていないように承知をいたしておりまするから、従いまして確実な数を日本政府といたしましても把握できないような状態でございます。まことにこの点は遺憾と存じまするが、やむを得ない状態だと考えます。従いまして、これらの人たちが朝鮮戰線に出ておりますかどうかという点につきましても、日本政府といたしましてはこの真相を把握し得ない状態でありますから、この点御了承いただきたいと思います。
  33. 菊池義郎

    ○菊池委員 中共の戰闘に日本の軍人を使うようなことがあつては困りますが、日本政府からこれを国際連合なりに訴えまして禁ずるようなことは、考えておられましようか、どうでしようか。
  34. 草葉隆圓

    草葉政府委員 これは実はポツダム宣言の中においても明瞭に現われておりまするように、今後の日本の講和がいかなる形にありましようとも、終戰後すみやかなる機会に、おのおの抑留俘虜という立場の人たちは平和なる家庭に帰つて産業につくということを宣言いたされたのでありまするし、かつまた陸戰法法規その他の捕虜取扱いの国際法規の点から考えましても、当然すみやかにその郷里に帰し、あるいはその動向を逐一知らせることが国際間の常識となつております。またいろいろな国際法規の建前の中にもこれがうたわれております。同時に、これらの抑留者あるいは捕虜というものを戰線に立てるというようなことは、全然これはあり得べからざる国際通念だと私どもは心得ております。従いまして帰還者等の言動を聞きますると、本人の承諾を得ていろいろ仕事に携わらしておる実情等も、あるいは情報としては聞いておりまするが、かりにこれらの抑留者が無理に戰線等に立たせられるということがありまするならば、これは国際法的に考えましても、また世界人道の上から考えましても、あり得べからざることだと存じております。従いましてこれらのことのないように、機会を通じましてこれらの関係いたしておりまする方面に、そういうことのないような方法をとつてもらうことにいたすことは当然でございますが、これは国際連合の三人委員会等におきましても、人道的な立場からあらゆる活動をいたしておられる状態のように承知をいたしておりまするから、日本政府といたしましても、これらの活動に大いなる期待を寄せておる次第でございます。
  35. 菊池義郎

    ○菊池委員 日本軍が戰闘に参加せしめられておるということは、これは手紙によつてはつきりしておるのでありまするから、国際連合に当然提訴すべきでありまするが、国際連合に対しましてこれを日本政府から提訴したという事実がございまするか。
  36. 草葉隆圓

    草葉政府委員 国際連合に提訴という形は、国際連合憲章のいろいろな立場からいかがかとも存じます。しかし御精神は、いわゆる国際連合に訴えて、十分かような状態を是正するという御意思であろうと存じます。これは昨年の第五国際連合総会に、幸いはアメリカ、イギリス、オーストラリア等の提案によりまして取上げられ、その以前におきましては、国会が強くこれを国際連合に訴えられる処置をとつていただいて、また日本政府からも国会からも、また民間代表としての立場からも、国際連合に昨年はオブザーヴアーとして、現にこの委員会中山委員等も御出席をいただいた状態でございます。従いまして、国際連合にも十分反映いたしておると存じます。
  37. 菊池義郎

    ○菊池委員 そうしますと、中共地区に抑留されておりまするところの同胞の数や、いろいろなその実情について調査する方法はいろいろあると思うのでありまするが、何か手を盡しておられますか。
  38. 草葉隆圓

    草葉政府委員 そういう意味におきまして、幸い国際連合がこれを取上げまして、そうして特別な三人委員会をつくつて、その三人委員会は本年の夏以来活動を開始して、各関係国に捕虜の状態の報告を求めておる状態承知いたしております。一方国際連合は、 このような状態におきまして多くの世界各国における状態調査いたしますと同時に、また一方国際赤十字等もこれと相呼応いたしましてと申し上げる方がいいと存じまするが、国際赤十字の立場からこれらの調査をいたし、すみやかなる解決努力をいたしておる状態でございます。
  39. 菊池義郎

    ○菊池委員 それでその調査に関するところの予算措置等はどういうふうになつておりますか。
  40. 草葉隆圓

    草葉政府委員 これは、国際連合国際連合におきましてそれぞれいたしておりまするし、国際赤十字は国際赤十字においていたされておると承知をいたしております。ただしかし国際連合の三人委員会等は、全然政治問題を離れて、まつたく社会問題、人道問題としての総合の精神から取上げるということを強く表示しながら進んでおられますけれども、かんじんな方面からの報告は、まだ私どもは現在までは承知していないような状態でありまするから、従つて内容が判明し得ない状態ではないかと考えております。
  41. 菊池義郎

    ○菊池委員 何か日本の機関を通じて調査する方法はございませんか。
  42. 草葉隆圓

    草葉政府委員 現在では御承知のように、在外公館をこれらの諸国に持つておりません状態であります。従いまして、日本で直接に調査をする方法がないことをはなはだ遺憾に存じます。
  43. 菊池義郎

    ○菊池委員 台湾あたりの政権を通じて何か調査する方法はございませんか。
  44. 草葉隆圓

    草葉政府委員 これは今申し上げましたように国際連合が正式にこれを取上げて、しかも政治問題を離れた純真なる立場からいたしておられますから、これに期待することが最も適当ではないかと思います。
  45. 小西英雄

    ○小西(英)委員 引揚げ問題と非常に関係の深い主管庁である外務省の機構が今後改編されるということを聞いておりますが、どういうことになりますか。
  46. 草葉隆圓

    草葉政府委員 これは従来の外務省設置法を廃止いたしまして、新たに外務省設置法を設けました。その設けました趣旨は、従来の設置法は主として終戰後の外務省の事務の処理を中心につくつてつたのでございまするが、幸いに国会におきまして平和條約その他を御承認いただきましたので、いずれ近く外交の再開の時期に相なつて参るのでありまするから、これらに即応した機構にかえまするために、あるいは管理局、あるいは調査局、あるいは従来の情報部というのを解消いたしまして、アジア局、欧米局というようなものを主とした内局にいたしたのでございます。
  47. 小西英雄

    ○小西(英)委員 引揚げ関係の主管局あるいは課がどうなるかまだわかりませんか。
  48. 草葉隆圓

    草葉政府委員 この外務省設置法はすでに両院を通過いたしましたので、多分十二月一日には実施するという予定で進んでおります。それで引揚げ問題につきましては、従来は管理局の引揚課でいたしておりましたが、今回はアジア局に一課を設けまして、そこでいたす予定をいたしております。
  49. 小西英雄

    ○小西(英)委員 この平和條約に調印してないソビエト大使館の存在というものは今後どういうかつこうになるか、ちよつとその辺……。
  50. 草葉隆圓

    草葉政府委員 これは理論的に申しますると、ソビエト・ミツシヨンは対日理事会に対しての派遣であつたとたしか記憶をいたしまするが、対日理事会はすでに事実上その機能を喪失したと同じような状態に相なるものと考えられまするので、そういう意味におきましてのソビエトのミツシヨンの存在というものは、従つて事実上解消することになると存じます。しかし従来からの国際慣例等から考えますると、従来ありましたこれらの外国のミツシヨンは、その後何かの方法によりまして続く状態にあることが、これが従来からの国際の慣例となつておる、かように存じております。
  51. 小西英雄

    ○小西(英)委員 去る十一月七日の革命記念日に外務次官が招かれたようなうわさを聞いておりますが、その際に何か引揚げ問題等の話はなかつたかどうか、ひとつ……。
  52. 草葉隆圓

    草葉政府委員 私の承知しております限りでは、あれはおそらく記念祭の晩餐会でありまするので、さような話は正式にはなかつたのではないかと存じております。
  53. 小西英雄

    ○小西(英)委員 引揚援護庁はこの機構改革でどうなるか、厚生省の方からちよつと……。
  54. 山本淺太郎

    山本説明員 御承知のように引揚援護庁はポツダム政令でできているのでありますが、今度のポツダム政令を法律化する措置によりまして、現状のような形がそのまま残る、若干人員等の減少はあると思いますが、機構としては大体現在の形がそのまま残るというふうに了承いたしております。
  55. 小西英雄

    ○小西(英)委員 続いてソ連の抑留者の問題でありますが、今まで外務省の方としては、現在ソ連地区に残つておるといい、そしてソビエト政府の方のタス通信等を通じては、もはやいないという見解を表明しておりますが、何かそれに対する解決方法というか、そういうものについて現在外務省として何か持つておられるか。
  56. 草葉隆圓

    草葉政府委員 ソ連政府はタス通信その他の方法をもちまして、特別の人たちを除いては抑留者は全部送還済みだと数回にわたつて発表いたしたのであります。しかし日本政府といたしましては、現在留守家族について具体的に調査をしたところによりますと、相当数がなお残つておるのではないか、現在ただいまの時間において、ソビエト地域に、ソビエト領域におるかどうかというのは第二の問題になりまするが、少くとも終戰後の状態におきまして、そのことを事実上具体的に日本政府考えておるのであります。従いまして、一方は全部送還したと申しまする事柄と、日本政府ソビエトの権力下にある地域において、現在なお相当多数の人たちが残つておるというこの現実の問題を国際連合が幸いに取上げて、これが解決に当るということで進んでおりまするから、従いまして国際連合活動によつてなるべくすみやかに努力してもらいたい。願わくば国際連合の三人委員会日本に一度来ていただきまして、そうして実際の留守家族について、現にこのようにいるのであるという状態を十分に調査をしてもらつて日本政府が申しておりますことが真実であり、まつたくその状態であるということを国際連台において十分了解をしてもらつて、この問題が解決する一つの方策に資していただきたいと存じまして、この初夏以来二回にわたつて懇請いたしておる次第でございます。しかしこの冬までは、関係国の調査をます拠出させて、その上でやつて行こうというのが国際連合の三人委員会の意思のように承知をいたしておりまするが、現在におきましても、日本政府はできるならば三人委員会から日本に派遣を願いまして、この日本の実際ありまする留守家族の真実の姿を調査していただきまして、これによつて真になおソビエト勢力圏内に残つておるということを世界各国に確認をしてもらい、そして引揚げの一日もすみやかなる解決に資して参りたいと考えております。
  57. 小西英雄

    ○小西(英)委員 批准日本が独立国家となつた場合に、ソ連政府と直接の交渉の法的根拠というものは出ますかどうかということを一つお尋ねすると同時に、対日理事会の結果ソ連の大使館が来た。それが現実になくなつたとしたら、あまり志を同じゆうせぬ日本なんかに残る必要はないのに、非常に日本におりたいために、向としては十一月の革命記念日等まで、今まで呼んだことがないのに招待をしておるような、状態だから、たとえば相当多くの人が死んでおるということであり、南方関係の遺骨等を日本から迎えに行くという準備かできておる際でありますので、ソ連政府に、死亡者の遺骨を引取らしてもらいたいという点、あるいはその他の交渉について何か友好裡に話を進める方法があるかないかということを、さつきの法的に何か独立国家としてソ連と交渉ができるかどうかということとあわせてちよつと伺います。
  58. 草葉隆圓

    草葉政府委員 平和條約が多数の国国におきまして署名され、今後さらに承認され、その効力が発生して、日本がそれらの国家に対しましては完全な主権を回復していわゆる独立国家になりまする場合におきましても、ソ連がこの條約を署名し、承認し、批准しないという状態に相なりました場合には、ソ連と正式の国交の回復とは相ならないと思うのであります。しかし正式な国交の回復と相なりませんでも、従来の国際慣例等から考えますると、国家を承認しておつてもおらなくても、あるいは貿易をなし、あるいは場合によりますと領事館等を設置するというようなことは、国際慣例によつて今まででもなされておる点であります。従いまして、正常な国交が回復しないから全然ものも言えない、背中と背中を合しておらなければならないということばかりではないのであります。ことに多くの国と正常国交が回復しました場合におきましては、正式な在外公館等も多数日本では設置をいたしまするし、またあらゆる国際会議等にも、それらの国、またソ連、日本等も出まして、いろいろ打合せの機会等も従つて多くなるのではないか、こういう機会は今後多く恵まれて来ると存じます。従いまして、これらの機会等を通じまして、今後従来以上に引揚げ促進の問題についてもなし得る可能性の場合に日本が置かれることが多くなつて来ると存じます。
  59. 小西英雄

    ○小西(英)委員 独立国家となつた場合に、今政務次官がおつしやつたように、いろいろ国としての接触の機会がある、あるいは昨今のうちでも、ロシヤの方もこういうものが残つておるというて日本政府に通達された場合に、引揚げに関する艦の準備を今年まで持つてつたのですが、その配船等については来年度準備があるかどうかをひとつ伺います。
  60. 山本淺太郎

    山本説明員 船は運輸省の所管でありますが、本日お見えになつておりませんので、かわつて申し上げます。来年度の帰還輸送船につきましては、運輸省といたしまして少くとも相当大きい船、一万トン・クラスの船を一隻または二隻を常時準備しておるということで、現在諸般の御準備を進められておるように承知をいたしております。
  61. 小西英雄

    ○小西(英)委員 もう一つ外地において戰犯なりいろいろな立場でわれわれの同胞が相当鉄窓に坤吟しておるということを承り、また本日ここにこれほど多数の請願書が出ておつて、外務省等にもこういうものが行つていると思うのでありますが、これらについて、外務省としてこの際世界各国に、特にわれわれの同胞が抑留されているところに対してひとつ一段の努力を願つて、そして日本に早く帰してもらいたいという嘆願書が出ておりますので、よろしくお願いいたします。
  62. 草葉隆圓

    草葉政府委員 お話のように外地におきましては、現在フイリピンとオーストラリアのマヌス島、この二箇所になお何胞が戰犯として服役をいたしております。その他の地域は全部内地に送還された現状であります。従つてこれらの二つの地域に服役をいたしておりますものに対しましては、国民の感情といたしましても、また留守家族といたしましても、ぜひ内地へ送還して、内地服役なり、あるいはことに平和條約の効力発生の機会に適当なる恩典を強く念願をいたしておられます。あるいはこれは国民全体の熱望であろうと存じます。従いましてこの熱望を政府はあらゆる方法をもつていたしたいと存じますが、しかし正式に申しますと、これらの地区においてなされております戰犯の処刑は、それらの国々のおのおのの法律によつてなされておりますので、日本政府がこれに対する容喙がましいことは差控うべきものでありますから、従いまして、こういう点につきましても十分細心な注意を払つて進めて行かねばならないと存じます。幸いに英国関係においては、従来から全部送還してくれましたので、オーストラリアのマヌス島関係の戰犯等に対しましては、こいう点は相当明るい見通しがつくのではないかと存じますが、フイリピン等におきましては、最近さらに刑の再調査をいたして、まだそれが終了をいたしておらないように承知をいたしております。そういう関係でありますので、私ども国民といたしましては、これらの両地域からぜひとも内地服役という方法を念願いたしておるのでありますが、従来とも国会におきましても、議員の立場でこれらの点について多大の御盡力をいただいておりますが、これに対しましても将来とも特にお願いを申し上げて、政府政府としてのなし得る最大の方法をもつて進めて参りたいと存じます。
  63. 小西英雄

    ○小西(英)委員 最後に、終戰後ここに六年の間、国民政府ともに一体となつて、一部には予想以上に引揚げが早かつたということも考え、同時にいまなお少数の人が各地に残つておる。それについて国民平和條約の済んだあと、南方とか、あるいはシベリア等に残されておる人を忘れがちになるのが人間の非常に遺憾な点であるので、国民運動は御承知のごとく一昨年発足いたしまして、今日まで相当な輿論の喚起と、あるいはこれについては功を奏して参つたのでありますが、国民運動に携わる人が、ほとんど奉仕的に今日までやつて来たことは、皆さんも御承知の通りであります。先般も委員会において草葉政務次官に対して、国民運動の一部のやむを得さる金銭的衣食住費といいましようか、何か支弁してもらいたいということについて前に質問がありまして、その問題については研究中であると言われて、その当時政務次官は帰つたのでありますが、熱心にこれらの人のやつておるさま、また家々たる経費でありますから、何とか御支弁を事務当局の方としてもお願いしたいということなので、ひとつ次官の方から何分のお返事をお願いします。
  64. 草葉隆圓

    草葉政府委員 引揚げの問題はお話の通りに、いわゆる全国民が何とかして一日も早くこの問題の解決のために、引揚げの完了する方法を熱望いたしておるのでありますから、従いまして留守家族以上に、国民運動としての姿が現在展開されておると承知をいたしております。ことに国会中心にしました皆さんの御努力によりまして、従来ともたいへんな御活動をいただいておる次第でございます。これらの活動に対しまして、おのおのほとんど自費をもつていたされておりますことは、政府といたしましてもまことに感謝を申し上げる次第でございまして、できるならこれに対しては何かの方法をもつていたすべきことであるとも存じます。しかし国民の運動の美しさは、国民自身の盛り上る力によつてなされるところに純真さと、力強さと、りつぱさとがあると存じまして、この点はその姿が最もいいと考えておりまするが、そうりくつばかりに世の中は行くものじやないと存じます。幸いに最近におきまして、各府県等において、あるいは共同募金等によりまして、おのおのの力によつての支援等も相当なされて参つておりますが、直接といたしましては、これはむしろ厚生省関係の方が場合によりますと多い場合があろうと存じますが、政府といたしましても、これらの運動に対しましては心から感謝を申し上げておる次第でありますから、方法がつき得ます限りにおいては方法をつけたいと存じますけれども、御承知のように最近はいろいろ制約された法律等がありまして、なかなか思うように参らない状態の点も多多あることでございます。しかし願わくば国民運動が一層熱烈に行われまして、引揚げ促進の一日も早く完了いたしますように念願いたしておる次第でございます。
  65. 小西英雄

    ○小西(英)委員 先日の新聞で見たところ、相当進んでおるようなので、具体的にどうなつておるか、南方関係の遺骨引取りについて、現在まで厚生省等において考えておることをひとつ御表明願いたいと思います。
  66. 草葉隆圓

    草葉政府委員 外地地域によりましては、戰闘後遺骨等が十分な処置がなされずに、そのままの状態にあるという情報に基きまして、国民同胞として何とかしてこれらの遺骨を引取り、または処置するために現地に行つてねんごろに弔いたいという意思が現われて参つておりますることは、承知をいたしておるのであります。しかし外務省の方といたしましては、具体的にまだこれらの内容はつまびらかにいたしておらないのでありますが、先般来国会等におきましてのこれらの御意見等に対しましては、十分強い関心を持ちまして、その意思のおありになることを承知をいたしておる次第でありまして、これによりまして、現地もしかりに外地にこのような状態がありましたら、そのような状態のないようになることが最も望ましいと存じております。しかしまだ私どもこれらに対しての具体策は承知をいたしておらない状態であります。
  67. 小西英雄

    ○小西(英)委員 今の政務次官お話から行くと、われわれ非常に喜んでおつた新聞紙上の報道とまつたくかけ離れておりまして、この間の遺族大会にも、さような一部の人の報告で遺族の者が感きわまつて非常に喜んでおつた自分子供自分の兄弟が、南の島に、あるいは北の島にそのままさらされている。好意あるアメリカ等の占領下におけるものにつきましては、相当日本現状として話しよいので、進んでいるかと思つたのでありますが、現在のような次官の報告程度ではわれわれ納得行かないので、何かの方法でサイパン、あるいは沖繩、アツツ島、その他硫黄島等についてもう少し腰を入れて調査をお願いしたい。そうしてその島から生きて帰つておる者も相当あることを承つたので、政府において具体的にその措置を講ぜられんことを切にお願いしておきます。
  68. 草葉隆圓

    草葉政府委員 ただいまの御意見の御趣旨は、十分了承をいたす次第でございます。従来とも遺骨の取扱いにつきましては、今回の日本との平和條約の宣言の中にもうたつておりますように、内地における取扱いは、連合国の戦死者の墓あるいは記念碑は十分丁寧に取扱う、同時に日本軍の外地におけるこれらの点も、連合国軍も同様に取扱つてくれるということが今回宣言としてサンフランシスコの会議において取上げられた件でございます。従いまして従来ともアメリカ当局は、実は外地にあります日本人の遺骨等に対しまして、一昨年でございましたか、三千数体であつたと記憶しますが、最も丁寧な方法によりまして全部遺骸をそのまま箱に詰めて日本内地にわざわざ送つて内地において茶に付したというようなまことにりつぱな取扱いをしてもらつたこともあります。従いまして、伝えられるようにこういうことがありますと、相当人道上からも宗教上からも捨ておきがたいことでございますから、関係国におきましても、十分な取扱いをなされてもらえるものだと私どもは期待をいたしております。あるいは辺鄙なところのためになお不十分なところ等がありますならば、今後政府等におきましても十分これらを調査いたしまして、関係国と連絡をして参りたいと存じます。     —————————————
  69. 若林義孝

    若林委員長 ただいま小西委員からの御発言の中に、戰犯に対する減刑、内地服役嘆願の陳情書、嘆願書のことが問題になつておりましたが、本委員会としては、少し法的にさしさわりがあるようでありますので、各委員諸君の代表といたしまして、委員長並びに適当な理事諸君を伴いまして、その筋へその声を取継いでみたいと考えますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 若林義孝

    若林委員長 ではさよういたすことにいたします。
  71. 若林義孝

    若林委員長 なお御質疑がございませんでしたら、この際閉会中の審査についてお諮りをいたします。今国会もはや会期終了の日を控えまして、本委員会といたしましては平和條批准を終えた今日の情勢より見まして、引揚げ促進の問題、留守家族及び引揚者の援護並びに在外公館借入金の問題につきましては、一日もゆるがせにできないものであり、かつ早急の解決をはからなければならないものと考えますので、国会法第四十七條の二項によりまして、閉会中も継続して審査いたして行きたいと存じますが、閉会中審査を行いますには、その旨を議長に申し出て、院議によつて付託されなければなりませんので、閉会中の審査を議長に申し出たいと思います。その申し出る閉会中審査すべき案件は、海外胞引揚げに関する件として一括いたしまして、以上の手続をいたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  72. 若林義孝

    若林委員長 御異議なきものと認め、さよう手続をいたすことに決します。  この際委員長としてごあいさつをいたしておきたいと思います。本国会平和條批准国会といわれまして、平和條約におきましても、抑留者の問題、あるいは在外資産の補償の問題、なお平和條約以外におきましても、未復員者給與法の改正に対しますところの法案などが出まして、時日はきわめて少かつたのでありますけれども、本委員会といたしましての使命は、各委員の熱誠なる御協力のもとに大体完遂し得る方向に向つた考えておるのであります。先ほども閉会中審査の件についてのときに申し上げましたように、本委員会の使命として将来独立国家となつて引揚げ促進をいたします上におきましては、より一層の迫力を持つた委員会となり得るよう期待してやまないのでありますが、今まで本委員会に関する諸問題に寄せられました熱意をより高められ、本委員会の使命を達成するよう願いたいと思います。不肖非才でありますが、委員長の席を汚しつつ大過なく委員長の職責を遂行し得ましたのも、委員各位の御鞭撻、御指導のほどと存ずるのであります。この際厚く感謝をいたしつつ、皆様方に深甚なる敬意を表してごあいさつを終りたいと存じます。まことにありがとうございました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十六分散会