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説明員(岡崎文士君) 国有林の労務者につきましてでございますが、一応この国有林の労務者がどういうものであるか、実態を
一つ御
説明したほうがよろしいかと思うのでございますが、国有林の労務者につきましては、大体日本の全国にあります営林署で、国有林事業に使
つている労務者でございますが、これにつきまして大体総数について申しますと、十一万から……月によりまして違いまして、多い月には十七、八方の労務者が働いておるわけであります。それでこの労務者の働いておる勤務状況と申しますか、非常に複雑なものがあるのでございまして、大別しますと、日給拂いのものと出来高拂いのもの、この二つの
給與の支給形態からの区分でございますが、その二つに分れるのでありますが、日給拂いと申しますのは、これは一日幾らというふうに支拂うものでありまして、これ線夫と申しまして、山から木を運び出します森林鉄道の保線をやりましたり、或いは造林と申します木を殖えるほうの労務者も大体この日給拂でありますが、そのほか製材工とか、その
方面のものが日給拂いが多いのであります。それから出来高拂いと申しますのは、それはその人が伐りました木とか、製造しましたものの高によ
つて給料を拂うものでありまして、これは大体伐採手、或いは集材手、木を伐るものとか、或いは木を伐りましたものを谷、沢に
なつております所へ集めるような人でありますが、又そこから木馬と申しまして、木で作りました橇みたいなものに木を積んで或る
一定の場所まで運んで集めますようなものでありますが、そういうものにつきましては、その出来高によ
つて給料を拂
つておるのであります。その伐採手と申しますのは木を伐るほうでありますが、これが大体
賃金が、一月の収益が多いのでありまして、一月の間にどれだけの木を伐るかという高によりまして、一石幾らという代金によりまして、その人が何石伐つたかを計りまして、それによりまして給料を拂
つておるのであります。それから集材手につきましても、木馬手、こういうものにつきましても同じように木材を何石どこからどこまで集めたという、集めた高によりまして給料を拂
つておるのであります。こういうふうな二つの大別があるのでありますが、そのほかとにかく事業場は山の中でありますので、非常にその監督がむずかしいのであります。一々見廻
つておるというわけには参りませんし、そういうことからしまして出来高制というものが生まれて来たわけでございますが、そういう出来高制のものがあるのであります。
従つてこの出来高制につきましては、勤務の拘束というものは自主性が強いと、こういうのでありまして、まあ一月のうちと申しますか、大体何石かの木を伐るという目安は立
つておりますが、それは伐ればよろしいわけでありますし、
従つて大体屋外
作業でありますので、雨天の日には出て来られないということになりますし、それから非常な筋肉労働でもありますので、非常に疲れたというような目には出て来なくてもいいわけでありまして、そういう点におきまして勤務の拘束性が非常に薄いわけでございます。まあそういうふうなことに
なつているようでございますが、大体そういう区分でございますが、そのうちで出来高の者が、全体で大体十一万としますと、四万五千
程度、大体四割くらいの者が出来高に
なつておりまして、六割
程度の者が日給ということに
なつているのであります。まあそういうふうに
なつているのでございますが、これの処遇
方法についてでありますが、現在どう
なつているかとの
お話でございまして、現在におきましては、これは
一般職の職員ということに
なつております。そのうちに常勤労務者と申しまして、日給制のものでありまして、相当永年永続的に勤務するという意思があ
つて、勤務の状態も非常にいいという者につきましては、これを常勤労務者としまして、
一般職員と同じような処遇の
方法をと
つているのであります。これはまあ日給制の者だけでありまして、その他の者につきましてはこれは
公務員法では非常勤職員でございます。で、この非常動職員の待遇の
方法でございますが、非常勤職員の待遇と一応
なつているのでありますが、出来高制の労務者のうちでございますが、……先ほど
ちよつと落しましたのですが、この出来高の労務者につきましては、年がら年中ずつと働いている者と、それから農業などと兼業で働いている者が非常に多いのであります。非常に兼業者が多いわけでございますが、非常勤職員のうち出来高制の労務者のうちに、年がら年中ずつとおりまして、意思も強固で相当の仕事を続けるという意思のあるという者につきましては、常傭的の出来高労務者ということにしているのであります。これは日給制の常勤労務者に大体対するものであります。その常傭的な労務者のうちに期間労務者というものを設けまして、これは大体一年のうち何カ月間はずつと勤務するという
予定の者を期間労務者というふうにしておりまして、この期間労務者のうちに期間日給労務者と期間出来高給の労務者がいるわけであります。それからなおそのほかに期間出来高労務者ですが、その次に今度はもう本当の日雇労務者というものがございまして、これは日々雇い入れられるという形態の労務者を作
つておるわけでございます。
まあそういうふうな区分にしておるのでございますが、そのうち常勤労務者の処遇の
方法でありますが、常勤労務者につきましては、大体
一般職員と同じような待遇の
方法をしておるのでございます。
ただ事業の
内容からしまして、
昇給とかという
方面において違いがございますので、そういう点だけを除きまして、その他は全部
一般職員に準ずると、同じ取扱をしておるのでございます。その次に常傭出来高労務者でありますが、この常傭出来高労務者につきましては、大体勤務形態が非常に……
給與形態が、第一に出来高拂いでありますのと、それから勤務拘束度等が非常に低いと申しますか、勤務の拘束度が低いというような
観点からしまして、これを常勤職員という状態に取扱うことはできなか
つたのでありまして、成るべく年から年中おるという点に鑑みまして、これを常勤に近付け得るならば得るような処遇の
方法を講じたいと思
つておるのでございます。その次に期間労務者でありますが、期間労務者につきましては、これは将来もずつとあるという者ではございませんので、これについては特別の処遇は現在のところはや
つていないのでございますが、
ただ同じ期間労務者と申しましても、国有林の事業の
地域において非常に違いがございまして、高知とか熊本、あの
方面になりますと、出来高の伐採とか集散地でありますが、こういう殆んど山の中に入りまして年がら年中入
つて住み込みましてや
つている人々が多いのでございますが、これを東京とか青森、秋田、その
方面になりますと、この伐採地なども農業と兼業の人が殆んど大部分でございまして、半分は農業をやりまして、半分は国有林に出て来る、こういうふうな形態に
なつておるのでございまして、従いまして事業上の重要さから申しますと、期間労務者、秋田、青森におきましては、期間労務者でありましても、これは本当の主力をなすものでありまして、常傭出来高と申しましても、たまたま山の状態とか、そういうことで山の中に住み込んでおるというようなために、こういう恰好に
なつておるのでございまして、秋田とか、或いは北海道のほうでもそうでございますが、事業上の重要さというものは区分がありませんので、或る
程度はその常傭来高と均衡のとれた
方法でこれを処遇しなくちやならん、こういうふうに
考えておるのでございます。次には日雇労務者でございますが、日雇労務者については、格別申上げることはございませんが、大体労働
基準法にある
程度の何はしなくちやならんと
考えております。以上であります。