○岩間正男君 それはそういう論議をされても文相自身の御
答弁の中に明らかにその矛盾が私は含まれておる。これを再指摘する必要はありません。切り離して
考えておいて、これは止むを得ないというふうに追い込んで来たのが今までの姿であります。
そこでもう一点伺いたいのですが、
教育予算というものが確保できない。そうして現在
考えておるような
教育平衡交付金制度というような
一つの制度を
考えられたのでありますが、併しこの問題はこれは非常に困難な問題だと言われた
通り、私は困難だと思います。併しこの困難の原因の中には日本の今後の関内態勢、講和と即応したところの国内態勢にはつきり絡ま
つているから困難である。現在の
財政経済の状況を見ますというと、すでに当然これは講和の能勢の中には外国軍の駐屯問題と更に再軍備の問題がこれは日程に上
つて来ておる。そして半月後にはこれが望むと望まないにかかわらず、いや応なしに調印させられるという
段階に追い込まれて来ておる。従
つてこのようなものが果して日本憲法に一体明示するところか。或いは国際條約にこれは公約された線を我々が堅持するところであるか。こういう問題と深い関連を持つと思うのです。従
つてその線は文相としてもこれは明らかに体得されなければ、如何に
財政的にこれを確保するというようなことを言
つても空念仏に終ると思う。日本の乏しい
財政の中に二十個師団を持つ。或いはこれに附随したところの戦略空軍を持つ、沿岸の海上保安隊を持つ。これだけでも厖大な五千億に余るところの
予算が要る。そうして終戦処理費のごときは外国軍の駐屯費として大部分を使用される。こういう形にな
つておるからこそ現在におきましても、これは昨
年度の
予算の問題におきましても、いろいろそういう
財政経済の中にいろいろな余剰金或いは経済再建費或いは予備金というような形でこれは隠れておる。而もそれでも足りない、こういう
財政経済がとられておるが故に
教育財政に対してこれは
支出することができない。こういう事態を文相ははつきり認識されて、この問題を根本的に解決するその一環として、こういう態勢のなかに我々は捲き込まれない。飽くまでも平和を守り抜いてポツダム宣言や日本憲法の指示する方向に行
つてはつきり具体的に保障のあるところの
教育を守り抜くのだというもつと根本的な態度に立たれなければならないと我我は
考えるのでありますが、如何に文相が部下を督励され、そうして
只今のようないわばお座なりの御
答弁をされたとしても、この問題は解決付かないと思うのでありますが、こういう点について一体文相はどういう
見解を持
つておられるのでありますか、この点が非常に私は重要だと思います。この問題がすべての問題を決定すると思うのであります。如何に平衡交付金の
要求をしましても、これが成立つか成立たないかというようなことは、
財政経済の面から見ればわかる。どんなに理想的なプランを立てたとしましても、実際大もとの戦争をやめて、本当に平和態勢を守り抜く、そうしてその具体的な表現としての
教育を守り抜くという固い決意を持たなければ、そうしてこれを大きく国民と協力してや
つて行かなければ絶対に私は解決付かないところの、
一つの欺瞞じやないか、こういうふうに思うのでありますが、文相はどういうふうにこういう
一つの大きな問題について信念を持
つておられるか、この点をはつきり伺
つておきたい。