運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-06-05 第10回国会 参議院 厚生委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年六月五日(火曜日)    午前十一時四十五分開会   —————————————   委員の異動 六月四日委員河崎ナツ辞任につき、 その補欠として梅津錦一君を議長にお いて指名した。 同日山下義信委員長辞任につき、そ の補欠として梅津錦一君を議長におい て委員長に指名した。   —————————————   本日の会議に付した事件ハイアライ競技法案衆議院送付) ○社会保障制度に関する調査の件  (国立療養所長壽園調査に関する  件 ○看護婦法の改正の実施に関する件   —————————————
  2. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それではこれから委員会を開催いたします。  先ほど懇談会ハイアライ競技法について、提案者のほうから懇談的にいろいろのことを申されましたが、それに引続いてコツク氏とライスナー氏が来ておられますので、このお二かたに実際の競技に対する御見解等をお聞きしたいと思うのですが、その前に、私厚生委員会委員長ということに指名されましたので、ちよつと簡單に御挨拶を申上げたいと思うのですが、私は厚生委員会にはずぶの素人でありまして、誠に申訳ないのでありまするが、皆様がたの御協力を得ますれば、或いはこの職務がやつて行けるのではないかと思うのでありますが、ひとえに皆さんがたの御協力をお願いしてやまなのであります。今までの経歴から申しまして、内閣委員文部委員、或いは議院運営委員もやつたこともありますが、更に図書館運営委員もやつたこともありますが、更に図書館運営委員を現在まで兼ねておりましたが、そういうような関係で、厚生問題に対しては、僅かに国会図書館運営委員立場から、多少の資料を頂きまして、僅かばかり眼を通したという、非常に貧弱な素養しかございません。そういう意味におきまして、いろいろ委員のかたがたの御指導を得まして、将来円満のうちに厚生の問題を大きな国策の立場から、これを世界的な水準の中にまで具現化して行きたいというのが私の念願でございますので、世界の各国の一環としての厚生施設厚生行政を通しまして、この委員会を通して満足の行くような立法措置ができれば望外の仕合せだと思うのでありまするので、至らない私ではございますが、何分よろしくお願いしたいと思います。簡單ではございますが御挨拶を申上げます。(拍手)  それでは只今のことを、提案者のほうから提案理由説明あとに、お二人の見解を聞きたい、こういう希望がございますのでお諮りいたしますが、提案理由説明を先にやることにいたしまして如何でございましよう。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 御異議ないようですからどうぞ提案理由の御説明をお願いします。
  4. 田中伊三次

    衆議院議員田中伊三次君) お許しを頂きまして、ハイアライ競技法案提案理由の御説明を申上げたいと存じます。  敗戰の直後におきまして起りました我が国の社会秩序の混乱と無秩序の状態が、だんだんと政府厚生政策実施によりまして立直つて参つておりますことは誠に御同慶の至りであります。併しながら敗戰後社会的変革によつて生じました傷痍者、引揚者、戰災未亡人、孤児、貧民、老廃者等に対する救済保護政策としては、その企画と目的の現状からいたしまして、理想の半ばにも達し得ない実情にあることは誠に遺憾に存じます。更に結核対策につきましてもだんだんとその財源を強化する必要を感ずるのでございます。そこで日本国の憲法に明記せられております慈善博愛精神等を発揮いたしまして、これらの人々を救済するところの社会福祉事業を急速に進めて参りますことが必要であると考えられるのでありますが、昭和二十六年度の予算に現われております社会保障的な経費は、この目的を遂行して参りますのには余りにも貧困な状態と言わなければなりません。こうした点に鑑みまして、民衆に最も健全な最もノーブルな国際的なスポーツとしてのハイアライ競技を普及提供することによりまして、これによつて受くる税収入社会福祉事業慈善事業博愛事業生活保護事業等の諸般の経費に充当せんとすることが、このハイアライ競技法提案いたしました理由のすべてでございます。なお附加えて申上げたいと存じますことは、私は先ほど自己紹介を忘れましたが、この法案提出者であります土倉宗明田中伊三次両名を代表いたしまして、ここに提案説明を申上げた次第でございますが、この法案の逐条については時間がかかりますから、極めて簡單にこの法案の各条における概要についてお話を申上げたいと存じますが、以上が第一条に相当するこの法律趣旨とも申すべき説明でございます。  そこでこのハイアライ競技は誰が施行するかということになりますが、これは民法の三十四条に規定されております社団法人若しくは財団法人でこれをやるという建前を取ろうとするものでありまして、主として社団法人がその施行者となる見込みでございます。なお競技場ハイアライ競技場として設立されたこの競技に適する特殊の競技場を以てこれに充てるということになります。その競技場東京都、京都府、大阪府、神奈川県、兵庫県、愛知県、九州、北海道、これらの地域の中心都市であると考えられる都市について、大体一カ所ぐらい設けることができるものとして、厚生大臣がその場所を指定する。但し厚生大臣が指定する場合には、最も民主的な方法として、関係都道府県会の議決でその意見を聞いて、そしてその知事が意見を具申して、厚生大臣京都府なら京都市でやる、東京都なら東京都のどこでやるということを指定することになります。なおこの競技場競技に適する競技場でなければならないわけでございますから、厚生省令によつて競技場規格を決定いたしまして、その規格に副うような競技場を作つてやらなければならんのであります。  それから選手審判員というものが要ります。これも一定の資格厚生省令できめることになりますが、この資格厚生省がこれをきめるのでありますが、大体おきめを頂く内容は、スペイン政府スペイン国技としてのハイアライ競技でございまして、スペイン国立学校を卒業した選手を基準として、これらの規定を参照して頂いて、日本国における競技の場合の選手資格規定して頂くということになろうかと存じます。それから審判員についても、同様スペインのような規格によつて行うということにして行かなければならんのではないかと思います。なお入場料でございますが、先ず入場料は五十円から百円までの範囲内で入場料を取る。それからこの勝者投票券でございますが、券は十円を以て均一にする。たくさん買いたい人は何千枚買つてもいいということにして頂き、一口十円でございます。投票方法でございますが、これは後に詳しく御質問に応じて御説明を申上げたいと存じます。單勝式、複勝式連勝式重勝式のこの四種類でございます。これは後に申上げたいと存じます。それから更にこの入場料と、勝者投票券を売りました収入というものが収入になるわけであります。その収入の使い途でございますが、只今懇談会の席で御説明申上げましたように、入場料総額のうちの五〇%がこの厚生資金になります。それから券を売りました売得金総額の百分の十五が厚生資金になります。それから売得金のうちの百分の十が施行者経費になる。百分の五を国庫に納める。こういう計算でございます。従つて施行者入場料の百分の五十から税金を引いたものが収入になります、それから売得金のうちの百分の十が収入になります。厚生資金としては入場料の百分の五十と売得金の百分の十五が厚生資金になります。こういう内訳でございます。それから払戻金は百分の七十が払戻金になるわけでございます。勝者の数に按分して公平に配分をいたします。プレイをいたしました直後に電気仕掛簡單に計数をすぐにその場で出し、只今賞金は幾らということがその瞬間にぴたつと出で、その賞金受取つて更に次の券が買えるという仕組になつておるわけでございます。大変法律そのもの簡單でございまして、詳細は厚生省令によつて選手のこと、それから競技取締のような事柄をきめて行こうというような考え方でございましてただ、これは半分にも事情の詳しい者がこの券を買求めますと不当な利益を占めるようなことがございますので、これは競輪等でもしばしば問題が起つておりますので、一切この施行者協会の、ハイアライ競技関係者はこれを買い求めることができないという制限規定を設けなければ弊害が起る慮れがあるというので、そういう例外規定をここで併せて設けておるわけでございまして、事務を担当する事務従事者という言葉を使つておるわけでございますが、そういう事務従事者は如何なる事情があろうともこの金を賭けることができないという厳重な規定を設けましてこれに制限を加えておるような点が特徴でございます。  なおこれには相当な罰則規定しておりますが、大変面倒くさそうな罰則でございますけれども、こういう厳重な罰則規定を設けておきませんと、不正が行われるようなことがあつてはならん。先ほども御説明を申上げましたように、あらゆるスポーツの中で最もノーブルな、最も国際的普遍性を持つたこれは国際競技であるという建前競技でございますから、その取締は不公平のないように、又不都合の起らんように、不正の生ずる余地のないように、これを極端に制限をして、罰則規定をして行くということが当然のことであろうと存じます。そういう趣旨からここに相当詳細な罰則規定を、御覽の通り設けておるような状態でございます。なお提案理由説明としては如何かと思いますが、大変皆様の御懸念になつておる点であろうと存じますので、一言これに附け加えさせて頂きますが、昨年でございますか、ハイアライ競技法案をめぐつて思わしからざる風説が飛びました。検察当局等はその一部取調べを始めたような事件が起りました。読売新聞には大きくこれが報道せられましで、このノーブル国際競技の前途に暗影を投じたわけでございます。それは日本ハイアライ協会のほかに東京ハイアライ協会というものがございまして、この東京ハイアライ協会ハイアライ法を作ると称して面白からざる方向に経費使つた事実があるというので、嚴重取調べをしたわけでございます。その結果、どういう事件があつたか、詳細は私は存じませんが、とにかくこの東京ハイアライ協会というものは、政府の命令によつて解散を命ぜられました。処断を受けたわけでございます。現在残つておりますハイアライ協会は、すでに数年前にスペイン政府との間に契約ができまして、スペイン国技としてのハイアライ競技を、日本において行う場合の唯一の契約の相手として特権を取得した日本ハイアライ協会が熱心にこのハイアライ法通過を熱願しておる状態でございまして、私はその日本ハイアライ協会創立代表者という立場でございます。そこで本日ここに只今委員長から御紹介のございましたコツクさんがここに見えておるわけでございますがこのコツクさんは皆さん御承知であろうと存じますが、全世界の赤十字、これの日本駐在チーフでございます。このレツド・クロスのチーフは米国の少将相当官であられるわけでございますが、この人が個人の資格においてマツカーサー元帥等の意向も付度せられた結果、わざわざ飛行機でスペインの国までおいでを頂きまして、又当時は交通の自由でなかつた時でございますが、スペイン政府に出て行かれまして、社団法人日本ハイアライ協会と、スペイン政府との間に契約を締結して帰つて来られた熱心な、日本ハイアライ競技を始めることについての支持者でございます。あとにいろいろ御説明があろうと存じますが、これらの人々あとに来ておられますので、私の説明はこの程度でやめまして、直接に委員の諸先生から御質問を頂きまして、答弁をいたしたいと考えております。
  5. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 提案者説明が終りましたので、時間の関係コツク氏と、ライスナー氏のハイアライ競技に対するお話があると思いますが御質問がその前にございますれば御質問を頂き、ないようでございましたら直ちに説明を頂きたいと思います。
  6. 藤森眞治

    藤森眞治君 今提案理由を御説明願つたのですが、一応ここで正式な委員会をこの程度にして頂いで、あとは又懇談会の形でいろいろ御説明を承わつたら、そのほうが都合がいいのじやないかと思いますが、委員長にお諮りを願います。
  7. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 只今動議でございますが、それを如何いたしましようか。
  8. 藤原道子

    藤原道子君 私も御説明懇談の形で又して頂きたいと思います。その前に一つ私に質問をやらして頂きたい。   —————————————
  9. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 藤原さんからハイアライ競技法案に関することでなくしで、もう決定されております国立療養所長壽園に関する緊急質問がございますので記録に取りたいという提案者の御意見でございますからこの緊急動議提案に対して議事を進めたいと思いますが如何でございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) それでは藤原さん一つ
  11. 藤原道子

    藤原道子君 私先日の委員会で、国立療養所長壽園における医療拒否騒擾事件につきまして質問をいたしたのでございますが、委員会都合によりまして本日に相成つたわけでございます。従いまして当局に対しまして、一つ納得の行くまで御説明を願いたい。御答弁を願いたい。かように存ずるものでございます。  この騒擾国立療養所長壽園における園長に対する患者全面的医療拒否というような重大な問題が起つておるのでございます。これに対しまして私ども調査によりますると、容易ならさる問題が各所に見出されるのでございます。第一私がこの際お伺いいたしたいことは厚生省におかれましてこの事件に対してすでに御調査に相成つておると存じまするが、その後厚生省におきましてはどのような対策を御講じになつているかということを先ず第一にお伺いして見たい。私が御質問申上げます要点は第一点といたしましては長壽園は非常に辺鄙なところにある。交通も不便である。こういうところにあります長壽園患者定員は百名になつている。現在八十八名まあ収容されておるわけでございますが、この八十八名に対しまして園長ほか医者が一人しかいない。嘱託医が一名いるということにはなつておりますが、この人は殆んど病院へ来た例がない。而も園長は昨年八月以来胃潰瘍に侵されて胃の切除手術を要するということに相成つておる。園長厚生省に対して辞意を洩らしているにもかかわらず、医者がないということによつて今なお病院責任者としてとどまつている。従いましてこの病弱な園長は毎月一回は上京して胃の治療を受けて、そうしてその間におきまして病院を殆んど十日くらい毎月留守にしなければならん。而も私どもが見逃すことのできないのは、この園長の我々の調査に対しまする答弁は、自分は肺結核医者であつて、ほかの病気に対しては知識がない。だから東京治療に行つたついでにレントゲン診断とか、或いはほかの余病に対する診察等に対して各専門医の門を叩いては教えを乞うている、こういうことを言つている。そうして十日くらい留守になりまするし、非常に衰弱しておるそうでございまして、  一カ月のうちに園長回診することは殆んど絶無だ、重症患者とかというような場合には、特に回診もいたすようでございますが、殆んど園長回診等もしない。昨年資格を取つたばかりの若い医師が一人で殆んど一人で八十八名の医療を担当しているという実状でございますがこれを厚生省では知らないでこういう状態にしておいでになつたのか。或いは知つていても一人で八十八名を診療することが可能であるという観点に立つて今日までこれをお過しになつたのかどうか、この点を最初にお伺いいたしたい。
  12. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) 先ず総括的に私からお答えを申上げたいと思います。長壽園の問題につきましては、厚生省といたしましては、関東信越医務出張所という私ども出先機関がございまして、この出張所におきまして所長みずから、並びに職員を派遣いたしまして二回に亘りまして調査をいたしておる次第であります。その結果大体のことがわかつておるのでございますが、後ほど主管療養所課長から御質問の点につきましては御説明を申上げることにいたしたいと思います。厚生省といたしましては、なお厚生省で直接この問題は調査をするほうがよろしいのではないかと思いまして、今明日のうちに係官を現地に派遣をいたすことにしております。それからもう一つは御話の通り長壽園は非常に不便な土地にございまして、医師定員は現在園長以下五名になつておるのであります。何分不便な関係が主でございまして、定員医師を満たすことが実情非常に困難な状態にあるのでございます。私どものほうといたしましても、御話の通り九十名に近い患者を一人の医師がやつて行けるとは考えておりません。どうしてもそういうことであれば医療上の支障も生じますことを憂慮いたしておるのであります。今申上げたような事情で、土地関係等もありまして定員を満たすことがなかなかむずかしい実情にありますことは大変申訳なく思つております。その他のお尋ねの点につきましては、お許しを頂きまして主管療養所課長から御説明を申上げたいと思います。
  13. 尾村偉人

    説明員(尾村偉人君) 療養所課長でございます。主管課長といたしまして御答弁いたします。最初にあの辺鄙な療養所に現在の園長が行きましたいきさつを御了解願いますと、その後のことが非常におわかりかと思いますので、その点を——。実は二十三年の夏に前山本園長家庭事情と学問上の理由で退職を願い出まして、当時ほかにも辺鄙なために医師がなくて全くこれは無医になるというようなことでありました。厚生省といたしましても各方面手を廻しまして、人道上の問題でもありますし、これは下手をいたしますと閉鎖するというので手を廻したのでございましたが、なかなかこの希望者が得られないというようなときに、前園長の後輩である当時昭和医大内科におりまして内科を勉強いたしておつて、特に結核に関心を持つておりました現在の長谷川園長が特に結核をやりたい。特にそういう不便な所でも自分の思う存分患者に対する結核治療の奉仕ができるというので、非常にこれは熱心にそこに行くことをその話を聞いて希望いたしまして、本人の非常な熱望で行つたわけであります。従いまして行きましてから非常に熱烈に診療に当り、当時は実際殆んど本人一人というような状況であります。我々といたしましては、医局からなお二名ほど是非出すようにということでありましたが、どうしても連れて行くことができないということで本人行きまして……、当時七十名ほど入つておりました。これに対しまして非常に過労になるくらい実に熱烈にやつてくれたのであります。その後体をこわしまして、この人は前に軍隊に応召しておつて、非常に活溌に働いておつた人であります。その後発病いたしまして胸のほうを少しやられました。なおその後引続き胃潰瘍を併発する、こういうような状況であります。そういうふうなために、私どものほうでは熱心であるからこれは本当に十分やるだろうと思つたのでありますが、やはり療養所経営に未熟でありますので、本人を直ちに園長といたしまして全面的な運営を任すことは危險である。こういう考えから、最寄りの大きな療養所であります伊香保にある国立療養所日向莊長を実際の園長として正式に任命いたしまして、当時おおむね一週に一回はこの六日向荘長みずから長壽園に出向きまして、一方では長谷川新任園長指導しつ、大事な患者は六日向莊長が直接診療する。こういうことで二十四年度一ぱいまで六日向莊の分院といたしまして監督指導いたしておつたわけであります。従いましてこの西野莊長結核の二十数年の相当な経験者でございますので、治療上にも一年半に亘りまして指導を受けたために、療養所経営並びに医療方面は大体大丈夫であるということで、二十五年の四月からこの六日向莊の分院を解きましたが、今度は事務方面にまだ慣れないところがある、こういう見込で出張所の直接の管理下に置きまして、いわゆる出張所の分院、これは出張所というものは病院でありませんので、本院のない分院ということはおかしいようでございますが、会計事務その他の点につきまして出張所の直轄する分院といたしまして、事務的な監督出張所長指導のできるように組織をいたしたわけでありまして、これによりまして事務方面も大体指導終つたということで、今年の四月から初めて純粋に独立を図つたわけであります。大体過去二年半はそういうような工合で、本省といたしましても指導をして来たわけであります。なお今年度から独立した点につきまして現況の調査が必要であるということで、昨年の夏療養所課から数名の調査団を編成いたしまして業務の指導に派遣いたしました。そのときの調査によりますと、結論から申しますと、現在の園長は非常に熱心である、医療上に著しい過誤はないけれども、熱心な余りと、比較的純というか、生一本でありますために言葉つきが荒い。それから肉体的な診療には習熟して遺憾ないが、病人患者心理に若干慮りが足りない。非常に率直に過ぎて、やはりこれは患者といたしますと、治療工には万全でございましても、ぞんざいな言葉と言いますか、非常に弱者でありますので、そこのところは非常に病人としての扱いは診療上大事な点である、そこに若干欠ける点があるというようなことでありましたので、その点は現地指導いたしました。それから私のほうへ園長が来ましたときにはその点は注意をいたしました。今度こういう事件が勃発して見ますと、その点がどうも一番工合が悪かつたんじやないかと見ておりまして、医療上の点につきましては、あの辺鄙な療養所につきましては園長自身医療上の問題としては一般的にはそれほど大きな過誤はないと、こう思つております。  それから具体的に入りまして先ほどからの個々の問題になりますが、辺鄙な所でありますので、その定員は三名かこれは規格であります。現在の国立療養所に置いております医官定員は五名ということになつておりまして、これを充実するために非常に努力したのでありますが、御指摘の通り園長並びに昭和二十四年度の国家試験通過者菊池以下一名、これでやつております。園長みずから病弱でありますので、確かに一カ月に十日ほど病弱で休むか乃至は東京自分の胃の治療を受けるために出たのが大体最近の月の実績でありまして、この点は非常に医療上の手不足ということは否めないことでございます。そこでこれではいかんので、極力中堅どころの医師を獲得するようにということで、豊双方で努力いたしまして、現在のところ一人優秀な医師が来ることになつております。これが家庭の、お交さんでしたかお母さんでしたか忘れましたが、非常に重病のために、それのほうの始末がつくまで赴任できないということでまだ来ておりませんが、このほうはそれがなければすでに来ておつたので、或いはこの事件大分模様も違つたかと思うのでありますが、この点は非常に遺憾に思つております。これが参りますと、事実上は三名の定員でございまして、勿論八十八名に対して五名では十分か不十分かということもございますが、これは現在のこの定員並びに予算で許された最大限でございます。これになりますと、フルになるわけであります。それから、その点について厚生省知つてつたか知らないで放置したかという問題でございますが、これは確かに今のような経過で二年半前からこの療養所を見守つておりますので、十分知つております。医師監督については十分努力いたしました。いよいよ病気がどうにもならなくて、園長医療行為が駄目になりそうならば、又元に戻しまして、応急措置として昔に返すかということを実は考えておつたのであります。ただ今までの経験からいたしまして、一遍独立いたしました一病院が、又他の病院の分院になるということは、患者並びに医師に非常に心理的な悪影響がございまして、非常に自分が力がなくて人の監督を又受けるということになつて、悪いものでありますから、極力それは避けたいというので、医師の獲得に努力いたしまして、最近漸くそういうような事情になつたので、この点御了承願いたいと思います。  それからなお、園長が殆んど回診しないということでありましたが、これは園長を呼出しまして調査いたしまして、それから出張所から二回に亘つて所長以下出張いたしまして調査いたしました。一応その調査の結果は、これは私が直接診療録を調べたのでございませんから間接調査になりますが、その結果園長といたしましては、この結核治療に当りまして、患者を頻々と胸を出して手を加えるということよりも、園長としてはむしろ結核の場合にはレントゲンのフイルムを丹念によく照明機で見まして、それと診療録にあります血沈その他の検査記録と照し合せて、これによつて正確な判断を頻繁にやつたほうがいいという信念を持つておるのであります。これは最近の結核一つの診方でございます。むしろ患者の直接の処置は医官のほうに任しております。これはあながち私のほうで指示したわけではありませんが、人手の足らないところではそのほうが正しい意味で患者の診断の結果を常時判断するにはいい場合が多いのでありますから、こういう型をとつたのであります。但し重症者と申しますか、本当に直接身体に触れる必要のある場合には、診断室に本人が出頭、又は輸送車で連れて来まして、ここで診察する。というのは、非常に山の上で寒いものでありますから、一年の約半年は病室で煖房がないものでありますから、ここで裸体にして園長が必要とする長時間かかる診断をするよりは、煖房のある部屋に連れて来てやつたほうがよいと、こういう建前でやつただめに、病棟に踏み入る回数は確かに月に一回程度であつて、これは非常に遺憾であつたと言つております。この点が非常に我々も残念に思うのでありまして、患者の身体に直接触れるということは二の次にいたしまして、やはり園長というものはときどき病棟に入つて見廻るということになりますと、患者のほうで非常に安心感を抱きまして、まあ何か自分らで困ることがあるならいつでも言えるという立場になります。これは一般的な経験でございますが、その点は園長が非常に生一本でありますから、診断の必要をそつちで充たしておるから、自分も身体が弱いから見廻らないという点で、患者の処理にうまくそぐわなかつた。そのために患者の信頼感がないので、医療上の不安を感ずる、こういう結果であつたのだろうと私は想像いたします。ほかでもそういうことがありまして、改正した経験がございます。そういうような事情でございまして、菊池医官は非常な信頼を受けておりまして、必要な血沈を取るとか、或いは注射をするとか、その指示については大体八十八名について必要なことは充たしておると、こういう調査の結果に現在のところはなつております。大体絶無ではなくしてそういう工合園長としては回診の代りに必要な者だけを選んで連れて来て診ると、これは回診にはなりませんが、やはり診断になります。或いはレントゲンによつて診断を正確にやつてつたのであります。併しこの点については、今後は今のような患者の心理をよく見、又病院管理上の必要から病室を見廻る、この点はやはり注意するように出張所長を通じて申しております。以上であります。
  14. 藤原道子

    藤原道子君 私この際お伺いしたいのは、今あなたの御答弁の中に、園長病気であることは知つてつたと、何とかしなければならん、探しても人が得られなかつた。併し今少し重くなつたら何とかしなければならないと思つていたというお言葉が納得できません。私は人権蹂躪になると思う。園長も人間でございますから、病気であるならば十分医療の受けられるように御考慮になるのが私は当然であると思う。そうした病弱の、それこそ一人前の診療のできない人に、無理に重い任務を負担さしておいたというところに、厚生省の大きな手落があると思うのです。それから今のお言葉の中に、園長回診は十分でなかつた、まあいろいろな点を御説明になりましたが、それはそれといたしまして、それならば私伺いたいのは、私ども調査の中におきましては、長壽園のレントゲンは実にお粗末至極である。それからこの園長のレントゲンに対する診断も我我は信頼できないのではないかと思う。併し私は素人でありますから、幸いここにお医者さんが四人もおられますので私の質問の足らざる点は一つ玄人の皆様から補つて頂きたいと思いますが、先ず第一に某健康保險で入院し、ていた患者この人が二年間入院していたところが、健康保險の期限が切れたので、保健所に診察に行つたところが、君は病気じやないじやないか、こんな身体で入院していたら却つて危なかつたじやないかというようなことを言われて、その人は直ちに職場に復帰したけれども何ら支障なく今日健康体として労働をしておるというような例が一つ、これは是非御調査になつて頂きたい。それからもう一つ長壽園のレントゲンを持つて東京結核予防協会とか、それぞれのところに、患者さんは不安ですから、退院してもいいというようなことになると持つて行くそうでありますが、そういうときに非常にレントゲン診断上の不備か発見されておるというようなこと等々から見まして、これは患者は神経質でありますからそういうことはだんだんと伝え広がつて園長に対する信頼をなくして行くのではないかと考えるのであります。そういう人が、而も病人であつてほかの余病がわからないのですから、一々人に聞いてから診断しておるというような頼りない医者を今日まで園長としておかれたというようなことに対しては、私は誠に遺憾と思うのであります。もう一つの例は、盲腸炎になつた患者さんがあつて医者を上げなければならない。普通の外科手術はここではできませんので、他から医者を上げるそうでありますが、或るときに盲腸炎になつて三日四日たつてから高崎から医者が来たために、すでに手遅れで、手術をしたけれども腹膜炎を併発して死んでおるという例がある。こういうことになると、私は非常に不安だと思うのでありまして、そういう点に対しては、今後嚴重な責任ある処置をおとりになつて頂きたい。今日は時間が余りございませんから、余り詳しい突込んだ質問は省略いたしますけれども、とにかくそういう点で患者に不安を与えて来た。非常に何と申しますか、取返しのつかないような失敗が繰返されておるということをよくお考えになりまして、一つ善処して頂かなければならんと、かように考えるものであります。それから今一つはこの日患同盟で連絡して云々というようなことが園長の報告にございましたけれども、日患同盟と連絡をとつたことのよし悪しは別といたしまして、無断で患者さん四名が朝八時半から晩五時まで無断外出をした。これもよし悪しは別といたしまして……、ところがこの四人の患者さんは一週間のうちに一回ずつ気胸療法をしている。そうして  一回の気胸が百五十CCである。ところが前の日に気胸を受けて翌日外出したのだそうでございますが、外出して疲れて来た患者さんに対して、その晩一律に二百五十CCの気胸をした。園長はこれに対しまして、率直に認めております。併しこれに対しては、大喀血をして発病した患者であるから、又喀血をしては困るというような答弁をしております。けれどもども素人の考えでございますが、百五十CCを毎週やつていて、而も前日やつた患者さんに、外出して非常に疲れて帰つて来た患者さんに対して、二百五十CCの気胸をすることが、医療上妥当であるかどうかということを一つお伺いしたい。そうしてその中の患者が非常に苦しさを訴えた。ところが何というのですか、若いお医者さんにそれを訴えたら、カルテを調べてから一つ何とかしようといつてお帰りになる。ところがその日はレクリエーシヨンで三崎の方面へお出掛けになる日であつたのだそうでございます。患者が苦しみを訴えたらカルテを調べて何とかしようと言つておきながら、そのまま放置して三崎方面ヘレクリエーシヨンに出掛けた。確か三日とも聞き一週間とも聞いておりますが、経つてからその苦しさを更に訴えたものでございますから、やあ、これはこんなに入つたから苦しかつたのだろうという言葉と共に百五十CCを出したというのですか、素人でございますから、わかりませんが抜いたそうでございます。こういうことが一体許されるものでございましようか。医療上本当に必要であつたのかどうか。患者に言わせれば園長の意に反して外出したということの懲罰的なやり方だ、こういうことでは命にも危險が考えられるので、園長の、長壽園医療拒否という問題がここから端を発している。従いまして私がこの際お伺いいたしたいのは、毎週百五十CCの気胸をしていた人に、その翌日二百五十CCを気胸いたしますことが妥当なりや否や、その点について一つ伺います。
  15. 尾村偉人

    説明員(尾村偉人君) 只今の気胸の問題の患者でございますが、これは右と左に病葉がございまして、それぞれ一週間一回ずつ気胸をいたしますので、二度やることになります。右を今日やりますと、七日目に又そちら側をやる、三日ずらしまして丁度この患者はその前の、これらの結果によりますと、五月三日にやりまして、十日にやるというような間隔で左に百五十CCやつております。四日たつた五月七日に右に二百五十CCやつておるのであります。七日に右側をやつて五月十三日にやる予定のを丁度外出いたしました十一日に二日繰上げてやつた。これは右側に二百五十CCやつておりますので、同様に二百五十CCをそのときにやつた。そのときに同時にそれから一日にやりました、左に百二十CCくらいにしかやつておりませんので、二百グラムを追加した。これを合計いたしますと、左には四百二十CC入つておる、これは今までより前例がなく多かつた。右側につきましてやはり二百五十CCという点で二日繰上げて、従来やつている量より多くやつておる。こういうようなことでございまして、そのときにはやはり入れました圧力を両方とも正確に計つております。普通の医学上の問題では多過ぎて失策の域に達しておらない圧力にはなつております。併し本人が苦痛を訴えたために四日後に多い一方を抜いた。これも事実でございます。以上のような実際の客観的な事実になつておりますが、園長といたしましては、我々のほうの調査に対しましては、飽くまで非常に大喀血で発病した患者であつたために喀血傾向があつた。従つて万全のために予防の措置として空気を注入した、こういうことを言つております。これが懲罰的でないと我々が若干推察した点は、町田という患者にはそういう工合で気胸をいたしましたが、加藤という患者には気胸でなくして高張糖液の静脈注射をやりまして、やはり疲労をしておるのでこれは喀血の慮れはないが、そのために衰弱の慮れがあるというので、こちらには葡萄糖液の量を相当殖やして注射しておるのであります。それで一応園長のほうはやはりそういうような医学上の予防措置でやはりやつていただろうと思うのでありますが、こういう予防措置が学問的に見まして、果して有効かどうか、果して正当であるかどうかということにつきましては、もう少し調査をいたしたいと思います。それまでのずつと経過いたしました診療等をもつと調査しないとわかりませんので、明朝私のほうの専門技官を派遣いたして、このほうを突込んで事実を調査をいたしたいと、こう思つております。
  16. 藤森眞治

    藤森眞治君 私はこの前の委員会でも申上げたのですが、この長壽園については、昨年の八月の下旬だつたと思いますが、我々あそこへ視察に参りまして、その当時時間もそう長くはなかつた関係もありますが、我々があそこに行つて調査しました範囲では、こういうふうに問題が起つて来るというようなことの予想されるような状態はなかつたように思う。而もあの長壽園というものは、県営の結核療養所が国立に移管されたのだというように聞いております。建物も相当きれいな建物であつたように記憶しているのですが、我々のところへもこれに関する陳情書のようなものが参つておりますのには、大体藤原委員のおつしやつたと同じようなことが書いてありますが、これを見て驚いたので、我々が参りましたのが八月の下旬で、最近これが起つて来るということには、何かその間にこういうことの起つて来る原因があつたのではないかと思う。同じ医者がおつて、その当時比較的平静であつたものが半年余りの間に、こういうふうな患者医者の間に甚だ面白くない現象を起すということには、何か一つの方面から我々が考えて見なければならないところがあるのではないかということが考えられる。今承わりますと、本年の四月から多少何と言いますか、経営と申しまするか、そういう方面の一変化があつたようだし、こういうことが非常に患者を刺戟したとか、何とかということがあるのではないか。殊に先ほどお話がありましたように、医者病人を見て良心的にやる場合に、いわゆる懲罰的の治療をするということは私は医者の人格を信ずるためにあり得ないことだと思います。或いは昔軍病院にはそういう風説がなかつたでもありませんけれども、私どもは当時といえどもそういうことは信じたことはないのでありまして、医者患者を苦しめるために、或いは患者を活動させないために、治療に名をかりて疑問のあるような治療行為をするということは、私はあり得ないことだと思う。又同時に患者といたしましても、自分がやつてもらいたくないときには、やつてもらいたくないということで拒否することができる。それをやつていないというところにも非常に疑問があるのであります。この点につきましては、よほど十分に双方の立場をよく御覧になつて只今療養所課長お話によりますると、ただ園長からの報告を基礎にして言うておられますようですが、それでなくもう少し深くこれに入つて、いつ頃からこういうことが起きたかというような点につきましても十分御調査を願いたいと存ずる次第であります。それからもう一つ、これは専門員のほうにお伺いもたいのですが、ここに資料が出ておりますが、この資料の中に最近の御調査じやないでしようが、こういうような対談等のことが書いてありますのは、これはどういうところから出て来ました資料でございましようか、これを一応承わりたい。
  17. 草間弘司

    ○専門員(草間弘司君) これはこの間澁江調査員が出張いたしまして調べて来たものでございます。取り急いでまとめてここに差上げてございます。澁江君からお答え申上げます。
  18. 藤森眞治

    藤森眞治君 それはどういうふうでおいでになつたのですか。委員長からの命令で調査おいでになつたわけでございますか。
  19. 草間弘司

    ○専門員(草間弘司君) さようでございます。
  20. 藤森眞治

    藤森眞治君 若しそうといたしますれば、私はこういうことを申したいのですが、今度委員長等も新らしくお変りになつたので、こういうことを御調査なさるその面が決していかんということではございません。或いは実際に調査に行つておりますと、殊に前の山下委員長は私らとこの長壽園へ行かれたかと記憶しておりますので、こういうふうにおいでになるとすれば我々が見たこと、或いは又調査おいでになるときは、こういうことを調査してもらいたいという我々の希望もあるわけでございますので、よく今後こういうふうな調査のあります場合には、一応委員会懇談の形式でも何でも結構でございますから、調査員をやるから何か調査する必要事項はないかという我々の意見も一応とつて頂きたい、こういうことを希望申上げます。
  21. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) お答えいたします。国会が開会中委員のかたが見えられまするときにおきましては、さようお計りをいたします。
  22. 藤原道子

    藤原道子君 懲罰的意思はないと思うと、私もあつてはならないと思つております。いやしくも国立病院でございますから、そういうことはないことを私は所つております。けれどもそれならば患者が苦しいというのになぜそれを拔かなかつたか、それが一点。それからいつ気胸する場合にもレントゲンでよくその透視ですか、診察をした結果でやつておられるそうでございます。これは患者も認め園長もそう言つておる。ところがその晩に限つて殆んどこれをやつていない。ただ形式的にやられたそうでございます。その場合いつも黒い眼鏡ですか、何かをかけておやりになるそうで、十分か十五分でやる。ところがその場合にはただレントゲンを合せただけで僅かその間一分か二分で形式的なことであつたという点よくお調べを願いたい。それからほかの結核の専門のお医者さんに気胸のプラス、マイナスの圧の関係を聞きましたが、これは少しひどいということを言われておるのであります。この点につきましても私は素人でございますから、これ以上突込んだ御質問は申上げませんが、いつの場合にも、私はこの間も久下さんと看護婦さんの問題で少しやつたのですけれども自分たちの所管の一角を守ろうとする立場から一方的に調査がなされる弊害がございますので、そうでなくて、患者側の言い分も十分に私は御調査になつて、責任ある御回答を伺いたいということを付加えまして、何と申しますか気胸の問題は、あなたの調査の結果を私は待つております。  それからもう一つはこの病院は栄養士の定員がない。どこの病院にも定員としてはないそうでございますが、ないところも多いそうでございますけれども、私は八十八名からの患者を収容しておる病院、而もこうした辺鄙な病院におきまして栄養士なくしてよろしいものであるかどうか。ここに献立表で出てございますが、献立表から見ると実に立派だと思う。ところが調査に行つていろいろ見て頂きますと、それから又地元の人々にも、調査員としてでなくて、地元の人にも患者の見舞いに行つた形で私は食事を直接に見て頂いた人の報告によりましても、実に食慾の起らないようなひどいものであつたという報告を受けております。それから何と申しますか、いろいろな点で余り献立表に相違して量が足りないという陳情をしたところが、炊事をする責任者は済みませんでしたといつたそうですが、病院や庶務課長からはそれは廃棄分を含めての量であるという答弁をしておる。私は献立表に廃棄分が含まれておるなんということは詭弁だと思います。そうして非常に不親切なやり方がなされておるということでございますが、この栄養士というような関係病院完全給食といつておられますが、これに対してはどういうお考えでやつておられるのでございましようか。  それといま一つ併せまして、栄養士が配属されていないというのは、栄養士の数が足りないのか、それとも予算がないのか。一人の炊事経験者を置かれておるというけれども、これにも月給は払つておると思うのです。従つて私は親切な親心があるならば、やはり栄養士が配属されるべきではないか、こう思うのでございます。従つて栄養士が配属できないのは数が足りないのかどうかということを一点、それから現在各所でいろいろな中毒問題だのが起きておるのでございますが、こういう点から参りまして栄養士の何と申しますか、養成機関というようなものは現在どういうふうになつておるかということ。それから栄養士の待遇について伺いたい。  それから藤森委員に私ちよつと申上げたいのです。この間実は厚生委員のみならず、ほかの先生がたにもあの患者の陳情書が来たわけなんです。それで私は当時は、私も御相談申上げなかつたのは悪いと思いますが、医薬分業でお互いにもうこんなになつていたときでございまして、先生がたに御相談するようなことは余りどうかと思いまして、私が委員長に要請いたしまして、私にひまをくれるか、三日ばかり……、それでなければ何とか調査方法はないだろうかということを私が特に委員長にお願いいたしまして、それで委員長からそれならばということで便宜をお図り頂いたのでございまして、今後は……、皆さんにお諮りしたいと思つたのでございますが、御承知のように医薬分業の最終段階に入つているときでございましたので、私そういう扱いをしたのでございますので、御了承願いたいと思います。
  23. 尾村偉人

    説明員(尾村偉人君) 今のところの調査はお言葉のように公平にいたします。只今お話によりますと、主として療養所のほうの御意見はとつておらんようでありますが、私のほうでは療養所並びに患者側の両方の調査をいたします。
  24. 藤原道子

    藤原道子君 私の質問しておるのは、病院側の調査は済んだのであります……。
  25. 尾村偉人

    説明員(尾村偉人君) それから先ほど藤森委員から御質問になりました、四月から急に何か事情があつたのじやないかというお話でございますが、現花調査の結果では、確かに昨年参議院からお越しを願つたときにもその後の反響も特別になくて、院長からの報告でございますが、比較的患者とはうまく行つて治療は続いておる。自分はただ病弱のために将来はどうなるかわからんけれども、現在のところでは全く休んで東京へ来て入院するというほどでなくて、ときどき治療を受ければ継続できる自信がある。こういうことを申しておりまして、私のほうで、本人医者なものでありますから、それを信用して、大体そういうふうに継続しておつたわけであります。今年の四月から先ほど申上げましたように、組織機構を独立させたのでございますが、丁度その直前三月二十四日に一人患者が入つておりまして、それから患者と同時にこの後にもう少しその患者と外部の人といろいろと論議ございまして又療養所の中のやり方等はわからんと思うときに、患者のいろいろな組織の改変が患者側で行われまして、これは園長は知らなかつたのでございます。で全部役員が変つた、こういうような事情がございまして、それがきつかけになつていろいろなことが起つておるようでございます。勿論この新たに入つた人が二十日間で自分自身では体験しないけれども、或いは従来患者が言いたくして言い得なかつたのを代弁したかもわかりませんが、併しそれは昨年の業務指導の……参議院の御調査の時までは、あまりそういうことはなかつたようであります。我々のほうも昨年の調査団患者とも会つたのでありますが、その時は著しい状況はなかつたようであります。従つてその後の半年間に特別な事情が鬱積して来たのかもわかりません。その点はまだ調査不十分でございます。その点もまあ併せて調査したいと思つております。  それから只今の栄養士の問題でございます。これは定員がないと申しますか、これは技官としての定員がないのです。実は栄養士の本官としての定員は、一定の大きい療養所では定員関係で限定されておりますので、小療養所にはないのでありますが、併し栄養士はそういう小療養所でも必要なところにはその雇用人定員がございますが、本官でない雇用人の定員でございます。これで相当女の栄養士が得られる場合がございます。ただこれは山の中の問題でございますから、今までも栄養士を採ることは、非常に困難でありまして、どうしても栄養士が比較的採りやすいのは若い女の栄養士でございます。未婚者ですと、学校を出て勉強して、栄養士の免状を取つて栄養士になつた。そういつた人が二三年行つてくれることが多い。行つてからお嫁さんになるというのが一番の補充原因でございます。とても辺鄙な山の中でございますからなかなか行かれない。こういうことで技官でなければ採れる点がございますが、採れないというのが実情でございます。ただ只今あそこの療養所最初から我々も関心を持つてつたのでございますが、二十数年調理をやつた現場の非常に調理の上手な経験者が炊婦長をやつておりますものですから、調理については割合といい調理をしておるという評判を得ておつたというほうなんです。ただお話のように数字上で何カロリーやつておる、或いは蛋白質が何グラムやつておるという計算になりますと、非常に不得手でありまして、その点はやはり患者が数字上で見せてくれという場合に、どうしても杜撰になりまして、実質は割合といい味を付けておつても、その数字と現物との数的関係がしばしば食い違う、こういうことがあつたのでございます。これはほかの療養所では比較的園長、或いは園長に次ぐ医官が栄養士側よりも知識を持つておりますからして、医者がやつておりますが、ここでは今の御指摘のような点で、園長自身病弱でそこまで手が廻りません。それから一方若い医者は又知識が乏しくそこまで手が廻りかねる。この点は若干欠陷があつた。そういうふうな実情でありまして、調理上では比較的ほかの療養所よりはこの療養所は味付けについては評判がよかつたのでございます。ただ偶然御調査に行かれたときに、或いはまずいものが出たかもわかりません。総括的には中くらいの療養所でございます。
  26. 藤原道子

    藤原道子君 それと栄養士の今の養成機関等を……答弁が足りませんから。
  27. 尾村偉人

    説明員(尾村偉人君) 只今の栄養士の養成機関と待遇につきまして、これは主管が公衆衛生局になつておりますので、若しあれなら連絡いたします。
  28. 有馬英二

    ○有馬英二君 只今いろいろ藤原委員からの御発言と、それから厚生方面の御答弁を拜聴しておつたのですが、こういうようなこと、患者患者同盟と申しましようかが、園長或いは所長、或いは所員、医師、或いはそのほかの職員の排斥問題と申しましようか、そういうようなことが、御承知のようにこの終戦後暫らくの間非常に各地で盛んに行われておつたと私は思い起すのであります。それと非常に似ておる。大体その当時の模様は皆さんも御承知のように、共産分子が非常に患者の中に入り込んで、そういうようなのが煽動をして、そうして極く些細なことを取上げて、所長ほか所員応対して不満を起して、それで患者を煽動して、似たようなことがたびたびあつたのであります。今又これを拜見いたしまして、又藤原委員の御発言を伺つておりますというと、何だかそういう匂いが幾らかするのじやないかというような気持を持つのでありますが、この点を一つよく御調査をお願いしたいと思います。  それからこういうことを起すのは結局やはり療養所並びに所長始め所員の何らかそこに欠陷があるに違いないと私は思うのでありまして、先ほど厚生当局の御答弁の中にもありましたが、誠に診療方面に欠陷があるように私は思うのであります。又これは仮にここの長壽園ばかりでなしに、日本全体の療養所を通じて私はしよつちゆう見ておりますが、藤原委員先ほど御指摘になつたかと思うのでありますが、特にこういう辺鄙な療養所において治療機関が甚だ不完全であるということにたびたび我々は遭遇するのであります。厚生当局がその完備につきまして骨を折つておられるということはよくわかるのでありまして、医者を得られんということを私は非常に遺憾に思つておるのであります。どうかして適当な、本当に精神的に、奉仕的に、患者に忠実に治療に従事してくれるような、而も医学的素養の十分な人が行つて、そうして患者に対して十分の治療を与えるというようにすれば、こういう問題は起りつこはないのです。ところがなかなかそれが実際においてむずかしいことは私ども長年こういうようなことに携わつて来たもののひとしく痛感することで、ございまして、これは只今療養所課長答弁にありましたが、本当に苦心をされておることと私は思うのであります。そこで私は先ほどから拜聽いたしまして、藤原委員がこの患者同盟或いは患者のことについて非常に親切に彼らの言うところを酌んで、どうかして患者さんの思うような治療を完備し、又今後こういうふてくされたことを起さんようにというお心持はよくわかるのであります。どうぞこういうことが今後ないように当局は骨を折られますると同時に、この療養所の施設を初め結核治療機関がまだ甚だ不完全であるということを我々は常に念頭においておるのでありますからして、一層努力を賜わらんことを私は希望するのであります。こんなことは、起そうと思えば各地に起るのでありまして、患者が默つておるから起らんのでありまして、患者にそういう気持のある人がおれば殆んど全部起らんところがないくらいに起つても、差支えないような状態のところがたくさんあるのでありまして患者のほうで辛抱しており、又医者のほうも十分それを承知して十分患者に満足を与えるようにやつておるから默つておるだけであります。一旦患者が默つていないということになると、こういうことが勃発する。これは両方に責任があると思うのであります。どうぞ今後とも厚生当局は御熱心にこの療養所治療面の完備にお骨折を賜わらんことを私は希望いたすのであります。希望でありまして質問ではありません。
  29. 藤原道子

    藤原道子君 私今日は時間もございませんので、とにかく今有馬先生の言われた通りに、私は最後の結びはそこに持つて行きたいと思つていたのでございます。とにかく全国の療養所がどういう状態であるかと言えば、本当に今我慢しておるというようなところが多いのです。ですから最初に言つたように日患同盟云々ということのいい悪いは別として、とにかく患者中心に一つ考えてもらわなければ困る。それから非常に去年と違つて参りましたのは、殆んど火を使わないそうですから、厳寒には水道の施設その他が破裂して大変に荒廃しておるそうですね。そういう点もお考えになつて頂きたいと思います。それから増床計画の声が大き過ぎるので、結局無理が行つて患者の娯楽施設というようなものまでが犠牲になつておる。山の中で本当に無聊に苦しんでおる長期療養の患者さんたちから、この長壽園では映写室までが、今入院患者のペツトが入つておる。ですから娯楽施設というものは殆んどない。それで自炊は取上げた。それは取上げる理由もあるでしよう。併し自炊は取上げて娯楽はない。交通機関は不便であつて殆んど訪う人もないというような状態の下に置かれてある。こうした療養所であるが故に一層の私は親心が欲しいと思う。そこへ以て来てこういう半病人園長さん、若い医者だけに任して置く。而も医療設備は不完全であるようなところに問題が起きるのだと思いますので、以上申上げました私の質問につきましては至急に御調査願いまして、全国にあることでございますから、こういうことのないようにして頂きたい。先日も私は高田の国立病院へ参りましたら、看護婦の寄宿舎などは目も当てられん、こういう状態でよく看護婦さんがやつていてくれる、看護婦さんのほうはたびたびこの要求は出しておりますが、未だに改善されんというようなこともございますので、そういうことのないように、不完全の下において従事しておるお医者さんに対しまして、看護婦さんに対しまして、十分親心を持つてつて下さい、私は園長を懲罰にしろというのではない。こういうことが起るのも園長病人であるから、精神的にも欠陷があるのじやないかという点も考えますので、病気になつた人医者であろうと、看護婦であろうと、療養が受けられるような考えを私は先ず持つて頂きたい。かように希望条件をも併せまして、私のこの騒擾に関する質問は今日は一応これで打切りたいと思います。  それから引続きまして社会保障の関係でやはり私どものはうで少し調査さして頂きますが、この問題も併せて附言いたします。それから先ほど、続いて時間がございませんので、藤森先生と有馬先生にちよつと申上げたのですが、看護婦法の改正のときに省令その他を定めるときには、国会へ連絡をとるようにということが条件になつておりました。従いまして厚生省のほうからこの施行細則ですか、これが提案されておりますので、これはちよつと簡單でございますから厚生省の意向を質したいと思います。どうぞ御了承願いたいと思います。
  30. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 簡單にお願いします。
  31. 藤原道子

    藤原道子君 私も簡單にしなければ困ると思います。ほかの質問は抜きにいたしまして……。次長にお伺いしたいのでございますが、ここに準看護婦養成所の指定基準に関する省令案要綱というのが我々委員のところに廻つて来ておるのでございますが、時間がございませんので簡單にいたしますが、私が特に希望条件といたしまして、現在本当に頭の下るような辛い業務に挺身していて下さる癩療養所における看護婦さんが漸次足りなくなつて来ているのであります。従つて癩の療養所はなかなか人が集りませんので、この準看護婦の養成所を癩の療養所にも認めて欲しい、そういう方針で今後進んでもらいたい。これは同じく精神病院にも当てはまることでございますが、その点についてのお考えを伺いたいこと。それから十分この準看護婦に……、これは前に希望したことがここに大分取上げられているようでございますが、温かい親心を持つて一つ今看護婦の定員が足りなくて困つている。過労に陷つている看護婦さんたちの状態を解消する意味を以ちまして、前のようなうるさい基準でなくやつて頂きたいという希望を私は申上げておきます。  それから旧制看護婦法による今度の免許の問題でございますが、厚生大臣の定める講習を以て切替えるということになつておりますが、講習はなかなか費用が得られないし、むしろこれは無条件に切替えて欲しいというようなお考えを、あなたは留守でございましたが、局長からあつたくらいなのでございます。そういう点も併せまして、今後の看護婦の資質向上の講習は私は十分にやつて頂かなければならないけれども、どんなところにいる看護婦さんも一日も早く新制度の恩典に浴せるように一つ講習の幅をうんと拡げてもらいたいという希望と、それから従来受けた講習は、この際認めてもらいたい。いろいろな意味の講習が行われておりますので、従来受けた講習を生かして頂くということ、これを一つ……、これについてのお考えと、それから各病院療養所においても講習が受けられるようにしたい。そうしてこの時は町の開業医の下に働いている看護婦さんたちは、なかなか講習へ行くだけの暇が得られませんので、近くの療養所病院等で講習を受ける場合には、そこへ開業医の看護婦さんたちも行けるような方法を成るべく広範囲にこれを認めて欲しい。それから九月にならないと、法律による省令の効力は発しないのでございますが、先日私が御質問をいたしました当局等の御発言が、相当全国の看護婦さんたちに不安を与えておりますので、是非とも大体のお考えがきまりましたならば、これを次官通牒その他によつてでも全国の看護婦さんたちに周知徹底させて頂きたいということの希望。それから成るべく直ちに措置ができて、講習ができるようにしていて、九月になつてからということでなくて、できますならば早く講者が受けられるように親心を以て対策をやつてもらいたい。それから従来の講習にもいろいろあるからというような意見もありますので、これもすべて認めて欲しいのですが、それについて先だつて厚生委員会看護婦法改正の時に、参考人として来て頂きました三婦協会の人たちとか、看護婦法改正研究会の人たちとか……、看護婦法審議会が改正されたそうでありますが、或いは又看護課の代表者等によつて一つの審議機関というようなものを相談いたしたのですが、そういうものでもお作りになるようなお考えはございましようか。この点についてちよつとお伺いいたします。
  32. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) いろいろな項目に亘つてのお尋ねでございましたが、簡單に総括的に申上げますれば、私どもはお尋ねの御趣旨のように全部をやるつもりでおります。一々について簡單に申上げますと、先ず第一の癩療養所にも準看護婦の養成機関を認めるということでありますが、これも大体さような方針でおります。問題は実習の施設の関係がありますので、この辺の関係だけは実際問題として考慮するつもりでおります。それから今後の講習の幅を拡げるというお話でありますが、これは確かにお話通りでございまして、私どもはこの要綱にも書いてございますように、厚生大臣又は都道府県知事の認定を十分認めるという工合にいたしまして、直接厚生省なり或いは都道府県がやります講習以外に、その委任するものは法律に基く正規の認定講習としてやれるようにいたしたいと思います。従つてその認定は相当広範囲に行われるだろうと思つております。それ心ら従来の講習を認めることもやはりその方針でございます。これは今後とも関連がありますので、一応ここに御手許に差上げました大体の規準がございます。今後の講習についての一カ月の基準がございますが、これらとも睨み合せまして、従来の講習も相当幅広く認めることにいたしたい。これも現実的には都道府県知事に認定を委すというようにいたしたい。これにつきまして何か認定機関を掲げたらどうかという意見、私どもこれは結構なことと思います。それも付け加えまして、一応措置をいたしたいと思つております。それから各病院療養所での講習ということは、今申上げたことで盡きると思います。それから最後に講習を至急に始め、或いはその講習を周知徹底せしめるようにというお話、これも御尤もでございまして、すでに予算の決定もございますし、この要綱を差上げましたにつきまして、私どもが現在取つておりまする看護婦の再教育予算の殆んど大部分を、その認定講習に向けるように大蔵当局との話合いが済んでおります。予算もあることでありますから、至急これは始めるようにいたしたいと思います。それから方針の周知徹底につきましては来月の中頃、全国の各都道府県の看護課、或いは看護婦係長の会議を開くことにいたしております。その際に十分私どものほうから趣旨の徹底を図りたいと思います。なおこの点については井上先生もおいでになりますので、協会のほうにも御協力を頂きまして、地方と携えまして周知徹底を図るようにいたしたいと思います。
  33. 藤森眞治

    藤森眞治君 今藤原委員からもお話がありましたように、この要綱が出て案施するまでには本委員会ともよく相談するというお話があつたので、我々もそれを期待しておるのですが、この間やつと刷りものが我々の手許に参りましただけで、まだ十分我々はこの要綱についてはお話合いもしておりませんわけであります。殊にこれができます時には久下次長はお留守でしたが、東医務局長が準看護婦養成機関等については曾つて昔やつてつたような、医師会等でもできるような方法を考えて行きたいというようなことをおつしやつておりましたが、あの要綱を見ますると、なかなかそこまで医師会なんかでやるようなことが考えられないようなふうに見えるのですが、殊に定員数の倍のベツト数がなければならないというようなことになつて来るとなかなか医師会あたりでやるというようなことは相当な距離があるようであります。そういう点もよく御考慮を願いたいと思つております。
  34. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) 御質問ではなかつたようでありますが、この要綱はそういうこともできるようなつもりで書いたのであります。言葉は或いは少し足りないかも知れませんが、医師会即ち準看護婦の養成所を開設いたしまする主体は、病院を持たなくてもいいという考え方であります。従いまして医師会が経営主体になるのでありまして、他の附近の病院なり、ベツトが足りなければ数カ所集めまして、そういう所に実習をお引受け願うということでできるようにいたしてございます。それからなお従来は甲種、乙種看護婦を通じまして必ず寄宿舎を持たなければならないという方針でおりましたが、これも今度の方針では成るべく持つようにという程度に緩和いたしまして、全般的に従来の乙種看護婦養成所の施設に比較いたしますと条件は著しく緩和してございますので、御希望の点は大体私どもとしては容れてあるつもりでございます。
  35. 藤原道子

    藤原道子君 厚生大臣又は都道府県知事の認定でございますが、この場合には施設長の証明によつて都道府県知事が認めるという形になるのでしようね、講習の場合は。
  36. 久下勝次

    政府委員久下勝次君) 具体的には、これは過去のものと将来のものと区別があると思いますか、過去のものにつきましては、過去にこういうことをやつたから、この規則による認定講習として認めてもらいたいというようなことを各施設長あたりから出してもらいまして、それを直ちに認定機関によつて適当と認めた場合には答申をして頂いて、知事の権限においてこれを承認するというような扱いになろうと思います。将来の問題につきましても大体同様でございまして、特定の病院がこういう計画をいたしたい、講習を開きたいということでございますれば、あらかじめ御相談頂きまして、そうして今申しましたような認定機関等で御相談願つて、結構だろうということになりますれば知事がすぐ認定するというような扱いでございますから、大体御趣旨のようなことになるのではないかと思います。
  37. 藤原道子

    藤原道子君 問題はさつき言つた相談する機関ですね、この中へ、ここへ証人として喚問した人々と申上げておきましたが、周知徹底とか、或いは今後の講習とかにつきましては、看護婦法研究会は御承知のように大病院を持つております国立病院であるとか、或いは鉄道病院であるとか、或いは日教組の関係であるとか、或いは逓信病院というような人たちも入つておるわけでございますが、そういうところも御了解願いたい。そういう所の代表者たちも、実地に働いておる看護婦さんたちを一つ参加させるようにお願いいたしたいということを申上げてあるのでございますが、その点もお忘れないようにお願いいたします。
  38. 梅津錦一

    委員長梅津錦一君) 大体御質問の要旨も盡きたと思いますので、政府側におかれましてはこの本日の委員会においておよそ論議になりました点が、両者に対してのいろいろの形があると思いますが、療養所の問題、更に看護婦検定の問題につきましては、この委員会委員の意のあるところを御了承頂きまして、万全の施策を施して頂きたいことをお願い申上げて懇談会に移りたいと思います。  委員会はこれで散会いたします。    午後一時十六分散会  出席者は左の通り。    委員長     梅津 錦一君    理事            小杉 繁安君            井上なつゑ君            有馬 英二君    委員            中山 壽彦君            藤原 道子君            藤森 眞治君            谷口弥三郎君            松原 一彦君   衆議院議員    人事委員長   田中伊三次君   政府委員    厚生省医務局次    長       久下 勝次君   事務局側    常任委員会専門    員       草間 弘司君    常任委員会専門    員       多田 仁己君   説明員    厚生省医務局国    立療養所課長  尾村 偉人君