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藤原道子君
院長の病状は
医療を担当するには
差支えがないというようなお言葉でございますが、私どうもそれは納得できないのでございます。どの程度を以て
差支えないと言われるか、とにかく胃の切除をしなければならないということを言われておる人、そうして本人も辞意を漏らしておるにもかかわらず、
医者がないからということで、その人にその不便な山の中で、非常に不便だそうでございますが、そういう所で無理に仕事をさして置くということは、
院長にと
つても私は苦痛なことであろうと思うし、人道上の問題だと思う。殊に
差支えないと言われるけれ
ども、殆んど
回診はしていない、重症
患者だけしておる。そうすると、一人のお
医者さんが百人からの
患者を見て、それでよろしいのでございましようか。それは私はあなたの
立場とすれば、そう言わざるを得ないかと思いますけれ
ども、少くとも
国立病院の使命の名にもつと忠実に率直であ
つて欲しいと思うのでございます。直ちにいろいろ
医師の、これは俸給等の問題から
医師が得られないのだと存じますけれ
ども、そういう点の改善にも努力されると同時に、どんな無理をしても、少くとも病人の、
病気にな
つておる人にそういう無理な仕事を押付けるということが私は間違いだと思う。だから病人は正常な判断がどうしてもできない場合がある。そういうことが次に私がお伺いするような結果にな
つて現われたのではないか、私は素人でございますからわかりません。ですから、この点は
厚生省でもよく
一つ調べて私の納得の行くような、素人にも納得の行くような御
調査と私は御報告を伺いたいと思います。それは今、今日は皆様もお疲れでございますので、余り時間をとることも如何かと存じまするので、極く簡單に
一つ要点だけ伺いたいのでございますが、この
病院がいろいろな問題で争議が
相当にな
つて参りましたのは、そういう辺鄙な所で、献立表は非常に立派なんです。この献立
通りに若し食事が與えられておるとするならば非常に立派な献立表だけれ
ども、私
ども専門
調査室から
調査に行
つて頂いた人の話によりますると、菜つ葉などのべたべたにな
つて、見るからに食欲が起らないというようなこと、それは実にひどい調理の
方法だそうでございます。ところがここには栄養士が一人もいない、一人の栄養士も置かれていない、こういう点、そうして又この頃
厚生省の方針が
結核の増床増床ということに夢中にな
つておられる結果、結局
患者の娯楽室までも潰されてそこにペツトが置かれる。そういう山の中で長期の療養をしておられる
患者さんに、食事の点でも楽しいところがない、娯楽の点でも何にも施設がない、そういう所で、而も頼りにする
院長は病人である、これじや私は
患者さんもやりきれない気持にな
つて来るのは当り前だと思う。そういうところから
患者のほうも精神的に悪化して来るのでございましよう。ところがその
患者さんたちに、まあ
院長の報告によると、日患同盟から連絡があ
つたということが書いてある。そうして
患者が四名無断で外出をした。非常にこれを憤慨しておられまするけれ
ども、その外出したことのよし悪しは私はここで問いませんけれ
ども、外出をして出かけて帰
つて来た
患者に、その晩一週間に一回すつ百五十CCの気胸をして、一応外出して帰
つたその晩に、前の日に気胸をした
患者に対して、その翌日二百五十CCの気胸がされておる、これは懲罰の
意味を含めておるというようなことを暴言されたということを聞いておる、というと、私たち素人から見ると一週間に百五十CCしていた人が、前の日にしたのに、外出をして帰
つて来た
患者さんに二百五十CCの気胸をされることが妥当かどうかということは、私は大きな問題だと思う。若し懲罰という
意味が、
医療の面でそういいうことが生命に危険のあるような
方法でされたということになるならば、これは大きな私問題だと思う。而もレントゲンをと
つたとい
つたそうでございますけれ
ども、レントゲンを、透視ですから、十五分くらい見るんだそうでございますけれ
ども、そのときは黒い眼鏡も何にもかけないで、
ちよつとレントゲンを覗いただけだということを言われた。而も
患者が苦しさを訴えたところが、若いお
医者さんが行
つて、どれだけしたか
調査して来ましたとい
つて帰
つたままで、この日が明る日でございます。ところがその日が丁度ピクニツクでバスで以
つて全員どこかへ行く日だ
つたそうで、そのお
医者さんが調べて戻
つて来たらバスが来ていたから、そのバスに乗
つてピクニツクに行
つて患者さんはそのまま放置された。四日目に空気を引いた日に、これだけ入
つたら苦しか
つたろうなと言われたそうで、こういうことが果して許されることでございましようか。こういう一週間に一回百五十CCしていた人に、その翌日二百五十CCを疲れた
患者にするということが妥当かどうかという御見解を特に伺いたい。