運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1951-01-31 第10回国会 衆議院 議院運営委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十六年一月三十一日(水曜日)     午後零時十五分開議  出席委員    委員長 小澤佐重喜君    理事 寺本  齋君 理事 福永 健司君       石田 博英君    岡延右エ門君       岡西 明貞君    川本 末治君       倉石 忠雄君    佐々木秀世君       島田 末信君    塚原 俊郎君       中川 俊思君    柳澤 義男君       椎熊 三郎君    山手 滿男君       長谷川四郎君    赤松  勇君       梨木作次郎君    中村 寅太君  委員外出席者         議     長 幣原喜重郎君         副  議  長 岩本 信行君         議     員 林  百郎君         議     員 石野 久男君         議     員 小林  進君         事 務 総 長 大池  眞君     ————————————— 本日の会議に付した事件  予算委員会公聽会開会承認要求に関する件  議員請暇に関する件  国会法第三十九條但書議決を求めるの件  本日の本会議議事に関する件     —————————————
  2. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではこれより議院運営委員会を開会いたします。  まず予算委員会よりの公聽会開会要求について議長から諮問がありますから、これについて御協議願います。
  3. 大池眞

    大池事務総長 予算委員会から、公聽会を開きたいから承認してくれという申出があります。御承知通り予算については、国会法第五十一條で公聽会をどうしても開かなければならぬということになつておりますので、委員会から要求をいたして来ております。従つて承認方を願いたいというわけであります。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  4. 小澤佐重喜

    小澤委員長 予算委員会よりの公聽会開催要求の件については、これを承認するという答申を議長にすることに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではさように議長に答申することにいたします。     —————————————
  6. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に懲罰動議の問題を議題にいたします。
  7. 赤松勇

    赤松委員 これはきよう上程するのですか。
  8. 小澤佐重喜

    小澤委員長 ええ。
  9. 大池眞

    大池事務総長 いずれ本日の議事の件で、これをどこにはめるかということを御相談願いたいと思いますが、懲罰動議が出されました場合の取扱いについて一応事務的に御報告申し上げておきます。懲罰動議でございますから、動議趣旨弁明をおやりになるわけであります。その動議提出者趣旨弁明はどなたがおやりになりますか。
  10. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 佐々木盛雄君がやります。
  11. 大池眞

    大池事務総長 そうすると、どういうわけで懲罰動議を出したかという趣旨弁明佐々木さんからおやりになるということでありますから、そのあとでもし川上さんの方で一身上弁明要求があれば、これは許さなければならぬことになつております。
  12. 梨木作次郎

    梨木委員 そのことは通告したはずです。やることになつております。
  13. 大池眞

    大池事務総長 別にどうというわけではありませんが、一身上弁明の時間等は……。
  14. 梨木作次郎

    梨木委員 せいぜい三十分ぐらいで済むはずです。
  15. 林百郎

    ○林(百)委員 三十分以内で済みましよう。
  16. 赤松勇

    赤松委員 一身上弁明ですから、それはやらせましよう。
  17. 大池眞

    大池事務総長 三十分ですぬ。そうすると懲罰動議趣旨弁明があつて、それに関連する一身上弁明でありますから、一身上弁明討論に入らないように、弁明の範囲内にお願いいたしたいと思います。
  18. 林百郎

    ○林(百)委員 それは総長から注意を受けるのですか。
  19. 大池眞

    大池事務総長 そうじやありません。議長の方でおやりになるわけですが、この前三宅さんのときに問題になつたようなことがありますから、あらかじめ御注意を申し上げておいた方がいいと思いますので……。
  20. 赤松勇

    赤松委員 了解。
  21. 大池眞

    大池事務総長 それから一身上弁明あと討論をしませんで、すぐ採決に入るわけです。これは起立でよろしゆうございますか。
  22. 林百郎

    ○林(百)委員 記名投票だ。
  23. 石田博英

    石田(博)委員 起立でいい。最終決定の除名とか何とかいうことになれば別だが……。
  24. 小澤佐重喜

    小澤委員長 懲罰動議ですから起立でどうですか。     〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは起立採決をすることにいたします。なお懲罰動議取扱いは、ただいま申し上げた通りですが、順序あとで本日の議事順序のところでおきめ願います。     —————————————
  26. 小澤佐重喜

    小澤委員長 その次に議員請暇の件を議題に供します。
  27. 大池眞

    大池事務総長 これは御承知通り、渡米されておる議員が相当ありますので、その議員諸君から請暇の願いが出ておるわけであります。今請暇願として出ているもので、院議許可を願わなければならない議員といたしましては、世界連邦会議に出席しております早川崇君、岡良一君、それから米国農業関係立法制度調査のために出ております森幸太郎君ら六名、それから米国社会保障制度等の視察について大石武一君並びに寺島隆太郎君が出ておりまして、これはもちろん数週間以上にわたるものであります。七日以上の請暇申出については院議許可がいるわけでありますから、それをひとつお諮りいただきたいと思います。
  28. 椎熊三郎

    椎熊委員 小川半次君のはどうなつておりますか。
  29. 大池眞

    大池事務総長 小川さんのは出ておりません。
  30. 椎熊三郎

    椎熊委員 前にやつたのですか。
  31. 大池眞

    大池事務総長 どこへ行かれたのですか。
  32. 椎熊三郎

    椎熊委員 世界連邦ですね。
  33. 大池眞

    大池事務総長 それでは一緒に出していただきます。
  34. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それでは議員請暇の件は今お話通り決定をして御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 小澤佐重喜

    小澤委員長 御異議ありませんから、さように決します。     —————————————
  36. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に医師試験審議会委員医師歯科医師実地修練審議会委員の件について、国会議決を求めるの件を議題に供します。
  37. 大池眞

    大池事務総長 これは御承知通り医師試験審議会というものができております。それから医師並びに歯科医師試験通つた者は、さらに実地修練をしなければならぬということになつておりますので、医師歯科医師実地修練審議会というものができております。この委員を任命することになつておりますが、この両方の委員は、日本医師会会長委員になるということの規定政令にあるわけであります。そうすると、ただいまのところ医師会会長参議院議員谷口弥三郎さんがやつておりまして、この政令に基いて当然政府としては、谷口さんをこの二つの委員に任命しなければならぬことになつております。これは国会法の第三十九條によつて議員であります者を委員に任命する場合、許可を求めることになつておりますので、その許可を求めて来ておるわけであります。
  38. 椎熊三郎

    椎熊委員 これは参議院だけで許可を與えてもだめですか。
  39. 大池眞

    大池事務総長 これは国会許可がなければならぬという規定になつておりますから、参議院だけではだめです。もし院議でこれを認めなければ、医師会長をやめなければならぬ。委員としては第一が厚生省の医務局長、次に文部省の大学学術局長、次に社団法人日本医師会の長、これがなることになつておりますので……。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  40. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではこれを承認するに決定して御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではこれを承認することに決定いたします。     —————————————
  42. 小澤佐重喜

    小澤委員長 次に議事順序についてお諮りをいたします。
  43. 大池眞

    大池事務総長 請暇の件を一番最初に御許可願いたいと思います。その件が済みますれば、今の谷口弥三郎さんの許可院議によつて行う。その承認が終りましたら、あと本日の議題がありますが、議題に入る前に今の懲罰動議をやりますか、どうなさいますか。
  44. 石田博英

    石田(博)委員 懲罰事犯は、議院の構成に関することですから、先議ですね。
  45. 赤松勇

    赤松委員 先議ですね。
  46. 大池眞

    大池事務総長 それではその次に懲罰事犯緊急上程をいたしまして、それから本日の議事日程に入り、それを済ましていただけばけつこうだと思います。
  47. 梨木作次郎

    梨木委員 わが党の川上君に対する懲罰動議が出ておるわけでありますが、この問題と関連いたしまして、過般のわが党の川上君の質問、並びに田島ひで君の質問に対しまして、吉田総理は、共産主義宣伝だからと言つて答弁しない。しかしながら川上君、並びに田島君の質問の中には、どこにもそういう共産主義宣伝にわたるようなことは言つておりません。具体的に共産党政策並びに事実をあげて、この点について質問しておるのであります。また各政党がみずからの政策を掲げ、党が判断した情勢に基いていろいろな批評を加え、これについて政府政策を批判し、同時にそれに対する質問をすることは当然なことです。それを政府の一方的な判断で、共産主義宣伝だと認定して、これに答弁をしないということは、総理大臣として非常に誠実を欠いたふまじめなやり方であるといわなければなりません。従つてこの点について、当議院運営委員会として、議長から総理大臣に対して、ああいう答弁をしたことに対して嚴重警告を発してもらいたい。あらゆる政党はすべて政党政策を持つておるわけです。その政策国会において披瀝し、またわれわれが見たところの情勢判断して、その判断の上に立つて政府がやつておる施策について、こういう点はいけないじやないかということを指摘して質問することは、当然なんです。質問の前提として、われわれといたしましては、政府が現にやつておることは、こういう点についてポツダム宣言違反じやないかというぐあいに考えて判断し、認定して、その点について質問をする。もしそれが違つておるならば、具体的にそれは違うということを答弁し、それによつて国民が、一体政府のやつておることが正しいのか、共産党質問した点が正しいのか、国民の良識によつて判断する、そうしてこそ初めて民主主義政治は最も正しく運営されると思うのです。それをわれわれの質問に対して、宣伝だからと言つて少しも答弁をしない。そうしてこれを懲罰にかけるというやり方は、民主政治を否定するやり方であるといわなければならぬ。この点について、国会がこういうことを容認しておれば、すべて政府の一方的の判断によつて、これは宣伝だから答弁しないということが許されることになる。この点は議院運営委員会としては重大な問題だと思うから、議長の方から嚴重に抗議をしてもらいたいことを要求する。
  48. 石田博英

    石田(博)委員 ちよつと梨木君に二、三お伺いしたいのですが、今のあなたの御説は、議会主義的デモクラシーの上に立脚された御議論であるが、それはあなた方のいわゆる共産主義的イデオロギーの上から、同じような建前の上に立つておるわけですか。共産主義イデオロギーの上からいつて、そういう言論というものは、他の共産主義国において許されておりますか。     (発言する者あり)私はあなた方のイデオロギーの問題としてお伺いしたいのです。あなたの今の御議論は、議会主義、あるいは議会主義的デモクラシーという建前から言えば、ごもつともな御議論ですが、あなた方のおつしやる共産主義的なイデオロギーというものは、それとは非常に違うと思うのですが、どうですか。
  49. 梨木作次郎

    梨木委員 それは御判断にまかせます。
  50. 赤松勇

    赤松委員 それは共産党とコミンテルンのあれではつきりしておるように、いろいろ條件によつて、     (「君が代弁するのか」と呼ぶ者あり、     笑声)時にはやはり議会主義をもつてやる場合もあり、暴力革命の線によつてやる場合もある。日本共産党暴力革命をやらないと言つてつたが、この間のコミンフオルムの批判以来、方針がかわつておる。従つてこの間土井君が見解を披瀝したように、日本共産党プロパガンダの場合として利用することに対してはわれわれは反対だけれども、今度の懲罰動議というものは、懲罰に値しないということをわれわれ考えておる。従つて共産党の方を懲罰することにすれば、吉田総理答弁に対しても、非常に不誠意だから、この点は議長からもう少し誠意ある答弁をするように話してくれという要求が出たことは、あたりまえのことなんです。われわれは吉田総理答弁を聞いておつても、実際総理としては不謹慎きわまる答弁だと思う。従つて運営委員会としては、当然議長を通じて——日本民族を代表する議員に対しては、党によつて色づけをするとか、イデオロギーによつてやるとかいうのではなく、衆議院議員として、親切に答弁することはあたりまえのことなんです。だからその希望はいいじやないですか。その希望に対してあなた方は反対賛成か、それをはつきりしてもらいたいと思う。
  51. 岡西明貞

    岡西委員 今共産党梨木君と社会党赤松君からいろいろ御議論されておりますが、吉田総理は一般の判断答弁をしなかつた。こういうことであります。川上君の速記録ごらんなつたと思いますが、川上君の速記録は実際ごらんになるとわかりますけれども、現在のわが国の占領下におきまして、占領目的に反する有害な言論と認めまして、衆議院事務局におきましては、とにかくほとんど大半の部分に赤線を引いて棒にしております。官報にも載せることのできないような質問をしておられる。そういうことはただ單に君たちの考えだけじやいけない。衆議院事務局においても、官報に抹殺されておるような重大なことで……。
  52. 赤松勇

    赤松委員 それはおかしい。そんな権限事務局にあるのですか。
  53. 石田博英

    石田(博)委員 議長権限ですよ。
  54. 赤松勇

    赤松委員 事務局と言うから言うが……。     〔発言する者多し〕
  55. 小澤佐重喜

    小澤委員長 どうでしよう。議長なんというむずかしいことを言わずに、わが党の総裁ですから、私から、共産党からこういう意見があつたからということを申し上げておきましよう。
  56. 倉石忠雄

    倉石委員 それはおかしい。     〔発言する者多し〕
  57. 椎熊三郎

    椎熊委員 私はあの質問全体が懲罰に値するほどのことであつて、一国の総理答弁するような質問じやないと思う。答弁しないのが私は当然だと思う。そういう警告を発する権限はわれわれにはない。してはいかぬと思います。警告するのは反対です。
  58. 林百郎

    ○林百郎君 占領政策に違反するとか何とかいうことは、見解相違で、占領以来ポツダム宣言を忠実に履行しているかどうか。議長がきめるのではない。占領政策に違反するかしないか。自由党共産党とは見解相違があるわけで、その見解相違したら、すべて占領政策に違反するのだと考えられたら切りがない。吉田総理は、こう考えると答弁してこそ、国会の正常な運営が行われるのだ。議会政治について、共産党共産主義の見地から行くのは当然じやないか。
  59. 石田博英

    石田(博)委員 今の占領政策云々の問題は議論の上でされることではない。今の岡西君の御発言は、議長川上君の速記録を削除するのは、議長が不適当と認められたことによるのだろうし、現在プレス・コードというものがあるので、これが印刷され、頒布された場合、責任は議長が負わなければならぬから、従つて議長が、印刷、頒布するについて、職権を持つてそれはやれることなんで、そういう意味岡西君は言つたのですから、それは御了承願いたい。
  60. 梨木作次郎

    梨木委員 それならわかる。
  61. 石田博英

    石田(博)委員 それから今運営委員長からの御発言がありましたが、先ほど不規則の椎熊君の発言の中に、運営委員長自由党だからといつて自由党総裁発言について言うということはよろしくないというお話ですが、運営委員長がこれについて云々されることは、われわれとしても賛成できない。
  62. 小澤佐重喜

    小澤委員長 これは決議するのではない。決議しないという意味だから……。
  63. 石田博英

    石田(博)委員 それから次に答弁しないということの当、不当の問題になるのですが、質問自身答弁に値するかしないかは、答弁する人間の判断する問題で、それを質問と受取らない、宣伝受取つた場合に、答弁する側の判断において、答弁しないということはあり得る。答弁しないということは自由意思なんです。     〔発言する者あり〕
  64. 小澤佐重喜

    小澤委員長 今石田君の言つたのは、私は委員長の資格で言うというのではない。ただそういうことを決議しないで、共産党からこういう話があつたということをお話するだけで、何も委員会代表として話すというのではないので、御了承願いたい。
  65. 石田博英

    石田(博)委員 それなら了解します。
  66. 赤松勇

    赤松委員 小澤個人として吉田総裁に、共産党からこういう意見があつた社会党からこういう意見があつたから、ひとつこれからなお親切に答弁してくださいということを……。
  67. 中川俊思

    中川委員 そのあとのことはよけいなことだ。
  68. 林百郎

    ○林百郎君 それは赤松君の希望だよ。
  69. 石田博英

    石田(博)委員 小澤個人として言うことを、何もここで言う必要はありません。そんなことを言う必要はない。決議でも何でもないし、小澤個人としてならば、この運営委員会で言う必要はない。
  70. 椎熊三郎

    椎熊委員 個人としてもそんな不見識なことを言うものじやない。一国の総理大臣がそう判断して、公開の席上で言明したことなんです。その総理に党員が、何の必要があつてそんなことを言うのですか。
  71. 小澤佐重喜

    小澤委員長 私は決して共産党が言うことがいいという意味で言うのではない。ただこういうことがあつたということをお話しようというので、そんな権根はありません。
  72. 赤松勇

    赤松委員 そこでお尋ねしておきますが、大臣答弁の中にも往々宣伝と思われるような答弁も含まれておる。どこまでが、プロパガンダで、どこまでが質問なのかという見解をここできめようと思つても、なかなか困難な問題だと思う。従つてこの間の川上君の発言に対して、占領政策違反であるならば、それぞれの法的措置をとればいい。国会において検討して、それが不謹愼であるということならば、懲罰委員に付するかどうかということをきめればいい。その判定を下せばいいわけです。そういうふうにして議事を進めてもらいたい。
  73. 佐々木秀世

    佐々木(秀)委員 その通りつて行くわけです。
  74. 椎熊三郎

    椎熊委員 その通りです。——これは意見一致じやないか。(笑声
  75. 小澤佐重喜

    小澤委員長 それではそういう順序議事を進めることにいたしまして、本会議は大体一時ということにして、本日はこれにて散会いたします。     午後零時四十分散会