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1950-11-15 第8回国会 参議院 厚生・文部連合委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年十一月十五日(水曜日)    午前十時三十七分開会  委員氏名   厚生委員    委員長     山下 義信君    理事      小杉 繁安君    理事      井上なつゑ君    理事      有馬 英二君            大谷 瑩潤君            中山 壽彦君            長島 銀藏君           池田七郎兵衞君            河崎 ナツ君            堂森 芳夫君            藤原 道子君            藤森 眞治君            常岡 一郎君            松原 一彦君            深川タマヱ君   文部委員    委員長     堀越 儀郎君    理事      加納 金助君    理事      成瀬 幡治君    理事      若木 勝藏君    理事      木内キヤウ君            工藤 鐵男君            平岡 市三君            川村 松助君            木村 守江君            荒木正三郎君            高田なほ子君            波多野 鼎君            和田 博雄君            梅原 眞隆君            高良 とみ君            鈴木文四郎君            山本 勇造君            谷口弥三郎君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   —————————————   本日の会議に付した事件社会保障制度に関する調査の件  (池上特飲街事件について証人の証  言あり)   —————————————    〔山下義信委員長席に著く〕
  2. 山下義信

    委員長山下義信君) 只今から厚生文部連合委員会を開会いたします。  本日は池上特飲街事件につきまして、関係方々証人として出席を願つておりますから、これから証人証言を聽取いたしますが、その前に一言証人方々に申上げておきたいと存じます。  証人の方が議院証言をいたします場合には、議院に於ける証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、宣誓行つてから証言して頂くのでありますが、若し虚偽の証言をしたときは、右法律第六條によりまして、三ケ月以上十年以下の懲役に処せられる罰則があります。又正当の理由なく宣誓若しくは証言を拒んだときは、同法第七條によりまして、一年以下の禁錮又は一万円以下の罰金に処せられることになつております。但し民事訴訟法第二百八十條及び第二百八十一條の規定に該当する場合に限りまして、宣誓又は証言、若しくは書類提出を拒むことができます。  次に議院における証人宣誓及び証言等に関する法律第五條によりまして、出頭した証人公務員である場合又は公務員であつた場合、その者が知り得た事実につきまして、本人又は当該公務所から職務上の秘密に関するものであることを申立てたときは、当該公務所又はその監督庁の承認がなければ、証言又は書類提出を求めることができないことになつております。  以上証人宣誓に先立ちまして御参考のために申上げておきます。  では宣誓書の朗読を願います。皆さんの御起立をお願いいたします。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人梶原泰治    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事むつけ加えないことを誓います。        証人 坂巻 きよ    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 橋爪 儀八郎    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 上野 廣治    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。        証人 中井新一郎
  3. 山下義信

    委員長山下義信君) それではこれより順次証人証言を求めることにいたします。  先ず最初は、池上小学校PTA会長梶原泰治君から本問題に関しまする反対運動につきましての要点、並びに反対運動をされる諸君反対理由、並びに本問題に関連いたしまして諸君承知せられました、特に国会に報告する必要があると考えられまする事項等につきまして簡明に御陳述を願います。
  4. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) 一言先に申上げておきますが、私は大森高等学校PTA会長でございまして、池上小学校PTA会長ではございません。御訂正願います。
  5. 山下義信

    委員長山下義信君) よろしうございます。
  6. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) 本問題の建築物が八月中旬頃から着工せられておりました。この建物目的が何であるかは私共は知るに由ございませんでした。九月十五日に至りまして東京新聞新聞記事によりまして、あの建物特殊喫茶街であるということを承知いたしまして、我々学校関係者は非常に驚きました。同時にこれは文教破壊であると確信いたしました。池上小学校から御承知のごとく直ぐ二階の窓からこの歓楽街が見える極めて近い距離にあります。子を持つ親といたしまして学校かくのごとき近きところにかくのごとき歓楽街ができますことは到底堪え得るものでもありませんし、同時にこれが営業が開始されますれば忽ちにして池上の地は淫靡の地と化し去ると私は考えました。かくのごとき理由の下にこれは飽くまで阻止せなければ相成らんと考えまして、地元十一校が一堂に会しまして飽くまでこの問題を阻止するべく申合せました。爾来各監督官庁に四十数回に亘りまして請願、又は陳情に参りました。併しそれによつて得ますところは法の不備であるという一語に盡きておりました。我々父兄といたしましてこの問題を如何にしたらいいか、相寄つては共に悩み、共に研究をいたしました。この上は輿論を喚起して一大社会問題として皆様の大きな力によつてこれを解決して頂く外途はないと確信いたしました。よつて地元十一校の学校連盟は直ちに速かなる輿論の喚起に日夜努力いたしました。漸く各方面にこれを認めて頂きまして、各言論機関は蓮田この問題を極めて峻烈に批判をして下すつておる状態であります。併し今日まで我々といをまては約二ヶ月になんなんとするこの反対運動の結果が一つも形として現われておりませんでした。誠に我我の力の弱いことを一同嘆くのみでありましたが、昨日問題の地の工事中止命令を受けておる建物三軒が都の命令によつて取壊しを実行されました。併しこれは我々が目的を達したことでもありませんので、今後一層この問題に対して反対運動を続ける決心でおります。尚一説にはこの十一軒が旅館に変更されるということを伝えられております。真僞の程りは分りませんが、若しこれが旅館として残る十一軒が存続するといたしますれば、誰がこの族館売春行為の宿とならないと断言できるかということであります。尚今日まで私共が極めて了解に苦しみます点は、都の建築局中井課長さんの御説では、建築届を出して許可が出なければ工事に着手すべきものではない、それを許可前に工事着工した場合には、これは明らかに違法であるというお話でございました。然るにこの建物はすでに八月中旬に着工されたと記憶いたしております。都の方の届出書を拝見いたしますと、この最初出願届は九月二日であります。尚これを明らかにいたしまするのは、九月十五日の東京新聞紙上に写真として殆んど完成されました家が掲載されてあります。これを御覧頂きますれば明らかに届出前の建築着工であるということを御判断が頂けると思います。  尚次に私共の疑義といたしますところは、最初十四軒の建築届が全部カフエーとして届出られております。然るに中間におきまして、十四軒のうち四軒は旅館であり、四軒は料理店であり、三軒はカフエーに変化しております。これが如何なる理由によつて変化されましたか、私共は知るに由ありませんが、極めて不明朗な変更だと思われます。尚專門家の意見によりますと、カフエーとしてもあの家屋は完全ではないそうであります。明らかに法に触れておると申しております。その理由ホールカフエーの場合には五坪なければ相成りませんのに、あの建物は一坪しかないそうであります。以上が私共の只今まで知り得ました現状でございます。どうぞ何分の御配慮に預りたいと思います。
  7. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人ちよつとお尋ねしますが、この証人達が本問題の反対運動のために区長を訪問したときに、区長はこの計画は街の繁昌で結構じやないかといつて賛成のようなことを言つたということでありますが、そういうことは何か聞きましたか。
  8. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) 相違はございません。
  9. 山下義信

    委員長山下義信君) 今一つは、やはり証人達が本問題の陳情所轄警察署に赴いた際に、当時警察署長のとつた態度が大変面白くなかつたということでありますが、それに相違ございませんか。
  10. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) この問題は一応大森高等学校がこの反対運動に立ちます前の問題でありまして、これは池上小学校池上警察署陳情に行かれたときの状態でございます。
  11. 山下義信

    委員長山下義信君) 今一つは、現在この建築計画者等に関連してすでにいかがわしい婦人が若干この問題の土地附近に来ておる形跡があるということを言つておりますが、そういう事実がありますか。
  12. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) ございます。
  13. 山下義信

    委員長山下義信君) それを少し詳しく説明して下さい。
  14. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) その点は、池上小学校に九月の下旬頃武蔵新田に居住されます業者のお子さんがすでに転入学されております。尚附近の人々の言でありまするが、或る一ケ所のところに集合しておるということを聞いておりますが、私はそれを実際に見ておりません。
  15. 山下義信

    委員長山下義信君) 後で各委員から証人に対して質問があろうかと思いますが、そのとき又お答え願います。  それでは次は坂巻きよさんから御陳述を願います。
  16. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 申上げます。健全なる精神は健全なる身体に宿る。又健全な環境から育くまれるということも言つております。池上大森、田園調布あの一帶はもともと健全な住宅地帶でありましたが、その中央ともあろうべき池上に若し仮にあのような歓楽街ができ上つたといたしましたらば、精神破滅身体破滅教育破壊、延いては家庭破滅になるのじやないかしらと思います。環境の力の偉大だということは、孟母三遷という言葉から推しても分りますように、これは現在の世の中から考えまして、一人二人の方が仮に移転されたとて、この問題は解決するものでありませんし、なかなかむずかしいことでございます。衛生方面から婦人の立場として申上げますと、あういうところにおられる女の人達がまあ保菌者である場合には、各自の家に浴室があつたにしても、同僚にこれを感染させるのを恐れて、形を変え、色を変えても外の銭湯に行くそうでございます。そうしました場合に、かわいい我が子である幼児に、その恐ろしい病毒が感染して、一夜にして失明された例も事実ございます。又それを治すことのできない家庭も数多いことと私は信じます。そういうことを考えましたときに、私達婦人といたしましては一刻もじつとしてはおられません。又子供を持つ母といたしまして考えますときに、又現在すでに新田辺におる小さな子供がどういう遊びをしておりますかということを聞きますと、屏風を立ててその陰でいまわしい遊びをするということを耳にいたします。やがてこれを池上子供がするのじやないかということを考えますときに、何としてもこれを壊さなければならないということを日夜忘れません。又好奇心にかられた子供からいろいろな質問が出るだろうと思います。そのときに母として何とそれに答えたらよろしいでございましようかと非常に悩みます。一部業者の方は、土地発展土地発展とおつしやつていらつしやるけれども、果してあういうものができた場合に土地発展が見られるでしようか、如何でしようか。若しこれが土地発展を見られるものであつたらば、新田辺に住まわれる方方が、池上の方はお気の毒だ、でき得る限り私たちも応援しますから、この問題に対しては反対をなさいとおつしやる人はないと思います。又目前に遊び道具を與えられた場合に、それを使用することに知識かない場合に、彼らはどういう態度に出るでございましよう。そうしましたときに、池上のあの文教地区であり住宅地区であるあの土地が、悪の温床、犯罪の道場になるのではないかしらと危ぶまれます。こんなことで兒童保護であるとか青少年保護運動ですか、ああいう施設が何の意味がございましよう。禍を転じて福となすとか申しますように、仮にあれが都営のアパートにでもなつた場合には、非常に池上は昔から静かな土地であり又交通に便利であるので、どのくらい数多い方が喜ばれるか知れません。次にあの辺一帶はどこまでも健全な住宅地でありたいと念願する一人でございます。こんな見地から、是非御当局の善処を衷心からお願いして止まないものでございます。
  17. 山下義信

    委員長山下義信君) この問題について大田区の婦人会人たちがいろいろ反対運動をやつているということですが、どういう婦人会人たちがやつて来ておられますか、この点を述べて下さい。
  18. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 池上には、池上地区として只今二つ婦人団体がござ  いますようです。その方々が主体になりまして、全大田区の婦人会全部十四団体が蹶起されまして署名運動をなさり、それを各区に陳情請願していらつしやいます。
  19. 山下義信

    委員長山下義信君) その署名はいつしましたか、又今のところ何名くらいの署名者がありましたか。
  20. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 署名しましたのは十二日でございますけれども、私は婦人団体に加入しておりませんので、人数の点はちよつと不明でございますけれども、傍聽人の方にはすぐ分ります。
  21. 山下義信

    委員長山下義信君) あなた方の反対運動の経過のいろいろ陳情等の中に、取締りの当局が或いは業者などからいろいろ饗応等を受けているのではないかという疑いがあるというようなことが書かれたのもありますが、何かそういうような疑惑があるというような気がしますか。証人はどう考えますか。
  22. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 確証は持つておりませんけれども、疑惑は感じられます。只今婦人団体署名は一万五千名でございます。
  23. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは又後から各委員からお尋ねすることもあろうと思いますから、証人証言は一応委員長から聽きますのはその程度にして置きます。
  24. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) 委員長さんに発言を求めます。よろしゆうございますか。
  25. 山下義信

    委員長山下義信君) どうぞ。
  26. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) 先程私が発言いたしました池上カフエーホールの一坪と申しましたのは、これは誤りでございまして、まだ判然といたしておりませんから、その点を御訂正願います。よろしゆうございますか。
  27. 山下義信

    委員長山下義信君) よろしゆうございます。  それでは次は大田区会橋爪儀八郎君の証言を求めます。橋爪君は大田区の区会議員ですね。
  28. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) さようでございます。
  29. 山下義信

    委員長山下義信君) いつ頃から区会議員をしていらつしやいますか。
  30. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 昭和二十一年四月三十日に当選いたしましたものでございます。
  31. 山下義信

    委員長山下義信君) ずつと引続いて区会議員ですね。
  32. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) さようでございます。
  33. 山下義信

    委員長山下義信君) 今回この問題につきまして、区会特別委員会が作られたということですが……。
  34. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) さようでございます。
  35. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人はその委員長をされたということですが相違ありませんか。
  36. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 相違ありません。
  37. 山下義信

    委員長山下義信君) その委員会は何の目的委員会が作られ、又どういう御活動をなされたか、その点御証言を願います。
  38. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 申上げます。本問題が漸く地元の問題と相成りまして、九月八日に池上小学校後援会長並びに同PTA委員長より大田議会議長宛反対請願書が出て参つた次第でございます。そこで大田区議会教育委員会におきまして、本問題を掘下げ、調査研究討議をいたして参つたわけでありましたが、八月の末の区会におきましてこの問題が漸く熾烈を加うるの度が激しくなりました関係上、議員の一人より本問題が如何に処理されているかというところの質問がなされたのでございます。その結果といたしまして、これはひとり教育委員会のみで取上げて研究調査するよりも、大きな重大問題であるかのごとくに察せられるから、区議会特別調査委員会を設置してこれが調査研究を十分になされてはどうかという議員からの動議が提出されました関係上、本大田区議会はそれを満場一致を以て取上げまして、その数及び特別委員指名議長に一任する。かような決議がなされたのであります。その後九月四日に私議長に呼ばれまして、特別委員会構成方法などで御相談を受けましたが、その後議長より私以下十三名の者が指名になりました。私共議長の招集に応じまして、十月八日差と私共心得ておりまするが、区会に参集いたしまして委員会を構成したものでございます。その委員の互選によりまして私委員長に就任した次第でございます。
  39. 山下義信

    委員長山下義信君) 委員会結論は出ましたか。
  40. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 委員会といたしましては、付託された事項調査研究という点でありましたので、専らその点に終始いたしましたが、議長においても、いずれ議会において結論を出すのではあるが、心構えとしてやはり一番精通しているこの十四名の本委員会において、心構えとして何とか結論をまとめる方法はないだろうか、と慫慂を受けましたので、私共十四名は心構えとして或る点を見出したのでございます。その結果九月の二十八日の議員総会におきまして、これが調査研究の結果を発表いたしましたるところ、議員の一人よりこれが結論用意を持つているかという質問が出ましたので、私大体の用意は持つている。かように答えましたところ、これが発表をせよという議員の一致の賛成を得ましたので発表をいたしました。それが取上げられまして、全員協議会において満場一致決定した結論がございます。
  41. 山下義信

    委員長山下義信君) その結論というのはどういう結論なのですか。簡單一つ証言願います。
  42. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 要領を申上げましようか。
  43. 山下義信

    委員長山下義信君) 簡單結論だけ……、どうしようというのですか。区議会では……。
  44. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 区会では、区議会にどうしようという権限がございませんので、皆さんPTA及び婦人団体或いは地元において、我々が賛成の声を聞いているが、要するに特殊飲食街というものが、売笑的行為を行うのではなかろうか。かような心配があるわけでございます。かような心配のあるようなものであるならば、我々は絶対反対しなければならない。かような結論でございます。
  45. 山下義信

    委員長山下義信君) 反対というのはどういう方法をとられますか。
  46. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) これは現に許可権或いは認可権を持つておられる関係官署並びに取締権を持つておられるところの関係官署に我々住民の意思をお伝え申上げ、かかることのないよう絶対に御配慮をお願いしたい。かような要望を出すのが目的でございます。
  47. 山下義信

    委員長山下義信君) 各方面区議会意思として、この問題には反対だということを表明する、そうしてそういうふうに関係官庁処置をとるように区議会としては努力をする、こういう御方針でありますか。
  48. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) さようでございます。
  49. 山下義信

    委員長山下義信君) 念のために伺つておきますが、大田区の区民諸君輿論は、大体において本問題には反対ということには間違いございませんか。
  50. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 輿論といたしましては、間違いないと私確信しております。中には利益上の点において、或いはこの設置したいという御意思のある方もやはり私共の区民でございまするから、一〇〇%が反対だとは申上げられませんが、大体の輿論といたしましては、これは反対であるということだけは申上げられます。
  51. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人に尋ねますが、初めは、土地の有力なる人、例えば区議会の一部の人たち等も、大体土地の繁栄のために賛成をしておつたというようなことがあるのではないでしようか。
  52. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 大田区議会におきましてはさような空気はありませんでございました。
  53. 山下義信

    委員長山下義信君) ない……。我我が、これは批評はしませんよ。しませんが、区議会の取上げ方が少い遅いのではないかというような気がしますが、証人はどう考えますか。
  54. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 区議会におきましては、先程も申上げました通り、九月八日に請願書が出ておりますので、直ちに教育委員会としてはとり上げて調査研究いたしておつた次第でございます。その後その月末に議会が開かれました際に、それは区議会中の教育委員会だけで取上げる問題ではない。全員協議会におきましてかように決定したようなわけでございまするから、その手続上としては、決議が遅きの感はあるかも知れませんけれども、決してさようなことはありません。
  55. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人区議会調査委員会特別委員長としてですね。区役所におけるいろいろその専務に当ります者等のこの事件につきましての処置等につきましても調査しましたか。
  56. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) いたしました。
  57. 山下義信

    委員長山下義信君) 調査した結果別に不都合であるとか或いは欠点とかそういうことは見出しませんでしたか。
  58. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 区役所の事務上におきましては違法であるというようなことは見出されませんでした。
  59. 山下義信

    委員長山下義信君) 別に遺憾の点もありませんでしたか。
  60. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 遺憾の点ということは手続上の問題か或いは精神上の問題かは分りませんが、担当吏員におきましても十分にこれが善後処置に関しては悩んでおつたように思われまするから、その点におきましては我々は良心の命ずるところによつて執務を行なつている吏員であるとかように考えております。
  61. 山下義信

    委員長山下義信君) 今一つ証言を求めますが、大田区長の言動というものは非常に大きな影響を與えると思いますが、現在の大田区長考え方、この問題に対する賛否の態度等証人は知つておりますかどうですか。
  62. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 証人はその点は知りません。
  63. 山下義信

    委員長山下義信君) 知らない……。尋ねても見ませんでしたか。
  64. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 建築課の問題でございまするので、建築課長に本問題が出た場合、本問題と申しまするのは建築許可届が出た、そうした場合に区長と何かの連繋があつたかと、区長にこれが指示方を尋ねたかと、かように申上げましたところ、区長には連絡はとつてありません。かように答弁を得ましたので、その上、区長委員会出席中に答弁を求むる機会はなかつたわけでございます
  65. 山下義信

    委員長山下義信君) これだけのですね。大きな問題になつて、あなたの区では大きな問題に……、あなたの区だけではない、都内或いは全国的の問題になつておるこの問題について、区長がどういう考えを持つているかということをですね、区議会議員であるあなたなり、殊に調査研究特別委員長のあなたが、区長がどういう考えを持つているかということを一向御承知ないということはどうも納得し難いようですが。
  66. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 委員会を通じての区長考え方は聽きませんが、全員協議会、本会議等におきまする区長考え方承知しております。
  67. 山下義信

    委員長山下義信君) どういう考え方を持つているようですか。
  68. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 議員質問に答えて区長反対である。かように申しておりました
  69. 山下義信

    委員長山下義信君) 今は反対態度を取つておる、こうおつしやるのですね。
  70. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) さようでございます。
  71. 山下義信

    委員長山下義信君) よろしうございます。
  72. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) ちよつと発言……
  73. 山下義信

  74. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 先程の饗応のお話でございますね。あれは職人片山さん、大工さんが仕事半ばにしまして、今日は上の方から見に来る方がいるんだから、一日の日当は出すから、いいから帰つて一杯呑めと言われたということを、或る家へ行つて大工さんも片山さんも同じ日じやございませんけれども話したという事実を聽いております。それから法務府特審局が調査を行なつたと書いて来ている事実も聽いております。
  75. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは大田区の建築課長の上野廣治君に証言を求めたいと思いますが、先ずあなたの大田区の建築課長としてですね、本件に関連してあなたの職務権限といいますかね、権限の範囲はどういう範囲が関係がありますか。その点をお答え願いたいと思います。
  76. 上野廣治

    証人(上野廣治君) それはですね、申請書類提出された場合に一応現場を法規による審査をして、これは東京都の主管に属するものであれば区としても建築ではこれを審査することになります。区の建築では区長に委任されたものと、それから都の主管に属するものと二つがあります。  その今の問題の申請書は都建築局の所管に属するものでありまして、これを一応は調査をいたしまするが、決定権は東京都の建築局の方にあるわけであります。  従つて区としてはその書類を申達することに相成ります。
  77. 山下義信

    委員長山下義信君) あなたのなされる調査というのは何も権威がないわけですね。ただ一応形式的に調査をするというだけですか。あなたの調査された結果がですね、何らか都へ申達する上において関係するようなことがありますか。
  78. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 一応はそれは法規に照らして牴触しておる点があるかないかを調査いたし、そうして調査の結果、法規上牴触しておる点がないということであれば、その復命を付けて申達するようになつております
  79. 山下義信

    委員長山下義信君) そうすると出願の内容等については、その法規に合うか合わないかということはあなたは調査しなければなりませんね
  80. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そうです。
  81. 山下義信

    委員長山下義信君) 御調査になつたときは、何も法規に牴触することはなかつたのですか
  82. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そうでございます。
  83. 山下義信

    委員長山下義信君) ない。書類は先ず都に申達されたが、何日ぐらい間がかかつたですか
  84. 上野廣治

    証人(上野廣治君) それは区で正式に受付けたものは九月二日に六件、それから九月六日に一件、九月九日に八件、この三回に亘つて書類提出されたのを受付けました。それで最初の二日に正式に受付けた書類はその以前に一応書類提出された。併しそれはまだ不備の点がありました。と申しますのは殊に都の関係で必ずしも建築線の指定申請書というのがまだ出ておらない関係上、それが出なければ建築申請書だけを取扱うことができないのであります。  従つてその建築線の指定申請書を提出しなければならないということを注意しました。それで、これはたしか四、五日後に建築線の指定申請書が提出されたわけであります。そこでそれを合せて都の方に申達したわけであります。  そこで都の受付が……、九月五日に都の方に全部受付けております。それから後の六件は九月三日に都で受付けております。後の九件は九月十一日に都では受付をしておるわけであります。
  85. 山下義信

    委員長山下義信君) 普段、普通の場合にはそういう工事建築の申請が出て、あなたが都の方に申達されるのに今まで何日ぐらい間があるのが普通でありますか。今までのお取扱いでは。
  86. 上野廣治

    証人(上野廣治君) これはその書類の内容によりまして一様にはなつておりませんが、大体において住宅とか或いは住宅併用の店舗というような余り複雑でないものにつきましては、持ち廻りをしたいという場合も相当ございます。尚工場であるとか、内容の少し複雑なものにつきましては相当日数のかかる場合もございます。区において訂正をするような場合もありまして、遅れる場合もございます。従いまして一定はしておりませんが、先ず大体において早くても二日か四日は普通と考えます。併し現在のような住宅の場合等につきましては、その日のうちにも持廻りをしたいという関係上、その日にも出す書類が相当ございます。
  87. 山下義信

    委員長山下義信君) あの申請の書類が出された当時に、あなたはこの建築等についてはいろいろな噂が立つておるということを知つておりましたか
  88. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 噂は聞いておりました。その当時はまだこんな大きな問題になるような噂でもありませんで、單にそういう噂はありましたが、書類最初は普通飲食店併用の住宅として提出されたわけであります。それですから、その噂のようなものでないということを考えたわけであります。
  89. 山下義信

    委員長山下義信君) ただ單に普通の住宅ではなくて、料飲を併用するというようなことは分つてつたのですから、そういう使用目的建築の申請等については、特に平素御注意になつてお取扱になつているのじやないかと思いますが、どうですか。
  90. 上野廣治

    証人(上野廣治君) それは今の噂のようなこともありましたから、そういう心配はございました。
  91. 山下義信

    委員長山下義信君) いや、ただ單に住宅の家屋の申請というのでなしに、少くとも飲食店でも一緒にやろうかというような建築の申請については、法規に照らして十分違法でないか、いろいろな点についてあなたの御調査は愼重を極めなければならんと思いますが、どうですか。そういう点は……。
  92. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 噂もありましたので、そういう点について心配もありましたので、いわゆる決定権のある都の方に一応書類を申達しまして、そうして都でこれを更に調査して貰うということが私共のとるべき途と考えました。
  93. 山下義信

    委員長山下義信君) いや、あなたはこういう建築の申請があつた調査をするのが自分の一応の仕事だ、権限はあつてもなくても、調査をするのが自分の仕事だとおつしやつたのですが、殊に使用目的がこういうふうなものの申請については、一層愼重に調査される筈なんで、今もそういう御証言があつたですね。ところが実際のあなたの事務の取扱ぶりは、申請があつて都への申達の期間が非常に短かい。中には即日申達されているのがある。こういうふうな非常に早い取扱をなさつた何か特別のわけがありますか。
  94. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そのわけというのは何もございません。先程ちよつと申上げたように、正式に書類を受付けたのは九月の二日でありまするが、その以前たしか四五日前と思いまするが、書類は一応提出されたのであります。そしてその書類建築線の申請書が伴わなければならないということで、その間書類は保留してあつたわけでありまするから、その期間に調査してあつたわけであります。その日のうちにということではないわけであります。
  95. 山下義信

    委員長山下義信君) そうすると、例えば高橋加助から申請しておる件等は九月九日に申請を受理してその日に九月九日同日に都庁に送付しておるのですね。そうすると正式にはあなたは申請の以前に調査するのですか。書類が正式に出ない前にあなたは調査をな、さるのですか。そういうお取扱をなさるのですか。
  96. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そういうことはございません。
  97. 山下義信

    委員長山下義信君) 先程の御証言はそうでしたね。書類が不備であるから直させた、いろいろ調査してやつた。それから完全なものにしてそこで初めて正式に受付の日附にしておるのだ、こういうふうな証言でしたが、違いますか。
  98. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 九月の九日に受付けてそれは都の建築局では九月の十一日に受付けてあるわけです。
  99. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは証人にほかのことを伺いますが、あなたは調査した結果、或いはこの申請書を都に送付する手続について区長の意見を尋ねるというようなことをしますか、しませんか。
  100. 上野廣治

    証人(上野廣治君) これは実は区長の決裁をとつて申達するのが正当であります。併し区長は常にやはり外出も多い、或いは会議等のことも多いので、それで私大体において代決をして、殊に決定するのは東京都のほうにあるのでありますので、私代決して書類を早く運んでおる、一般的にそういうふうにやつております。特に違法なようなものについては報告する場合もありますけれども、大体においてそういうような扱いをしております。これがかような大きな問題になつて来るというようなことを予想するならば区長の決裁をとつてやるのが正当であつたというふうに今では考えております。
  101. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人は十五件も突如としてこういう建設の申請があつたことを、大田区内の建築申請事件としては相当重大に考えて、区長の耳にも入れて置かなきやならんとは考えないですか。
  102. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 中間的に区長にも報告してございます。ただ書類を運ぶことについて区長の決裁をとらなかつたということで、中間的にそういう報告はしております。
  103. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人はこの件に関して区会議員或いはその他の人達から何等か便宜を図つて貰うようにというような依頼を受けたようなことがありますか。
  104. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そういうことはございません。
  105. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人はこの申請者の者達と会つたことがありますか。
  106. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 申請者の者というと……。
  107. 山下義信

    委員長山下義信君) 或いはこの申請に関係のある者等と会つたことがありますか。
  108. 上野廣治

    証人(上野廣治君) それは役所に来たことが一、二回あります。
  109. 山下義信

    委員長山下義信君) それは申請を出す前ですか、出す後ですか。
  110. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 申請書を出してからであります。
  111. 山下義信

    委員長山下義信君) 申請書を受付ける前に書類に不備な点があつて、いろいろその手直し等については誰に会いましたか。
  112. 上野廣治

    証人(上野廣治君) それは建築の出願代理をする者が書類を持つて参りました。その出願代理の者に訂正とか或いは不備な、こういう書類はまだ来てなくちやならないということを係の者から話はしてあるわけでございます。
  113. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人と警察或いは保健所等との連絡をするというような事務的の関係はありますか、ありませんか。
  114. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 建築の申請があつたときにはそういう連絡は事務的にはございません。
  115. 山下義信

    委員長山下義信君) 最近、最近ではありませんが、工事の中止命令が一部出ましたね。
  116. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そうでございます。
  117. 山下義信

    委員長山下義信君) その中止命令が出たにつきまして何か証人関係がありますか。
  118. 上野廣治

    証人(上野廣治君) これはいわゆる取締という点から、地元の区としても取締という点についてはやらなくてはならないと同時に、東京都の建築の局の方にも連絡をしまして、それぞれ担当の監視する人も決められておりますので、そういつたものと連絡をとつて、中止の命令を口頭では数回注意はしてあります。それから尚中止ということについての、工事中止の札を貼るというやり方になつておりまするが、これもやつてあります。
  119. 山下義信

    委員長山下義信君) 工事中止命令が出たのは、その工事に違法の点があつたからでしよう。
  120. 上野廣治

    証人(上野廣治君) まだ許可になつていないものを工事を始めた、或いは進めるということについて、工事の中止を命じてあります。
  121. 山下義信

    委員長山下義信君) 空地の足りないような点がありませんでしたか。
  122. 上野廣治

    証人(上野廣治君) それは今の三軒許可になつていないのがございます。その三軒のものは許可にならないというのは、いわゆる敷地の面積が足りないので、それは許可はできない、こういう事情にあつたのであります。
  123. 山下義信

    委員長山下義信君) その件は証人調査のときにはどうしましたか。
  124. 上野廣治

    証人(上野廣治君) その書類の空地、敷地面積の足りないということは、いわゆる図面書に書いてある。一応書類は申達してあるわけであります。
  125. 山下義信

    委員長山下義信君) この建築の、今やつている敷地は、もと警察署の移転の予定地であつたようなことがありましたか。証人はその点は知つておりますか。そういうことはありますか。
  126. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そういう詳しいことは存じませんが、そういう話は聞きました。
  127. 山下義信

    委員長山下義信君) 尚、他の委員から御質疑があろうかと思いますが、一応委員長はその点に止めて置きます。  それでは次は東京都建築局指導課長、中井新一郎君の証言を求めることにいたします。先ず証人に伺いますが、あなたの只今の職務関係承知して置きたいと思いますが……。
  128. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 市内建築法その他の建築法規の認許可をやつております。
  129. 山下義信

    委員長山下義信君) ああそう。もう本件につきましてはよく分つておることでありますから、要点だけ伺いますが、この件の取扱につきまして、都庁の方ではどういうふうな書類をやりましたか。その辺の御説明を願いたいと思います。実地の調査をやりましたか、東京都で……。
  130. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 実地調査はやつてございます。それでは経過を簡單に申上げたいと思います。
  131. 山下義信

    委員長山下義信君) ごく簡單に要点だけ。
  132. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私共の方で今般問題になつておりまする関係建築書類最初に受付けましたのは、九月の五日でございます。で、そのときに六件書類を手にいたしましたが、続きまして九月の十一日に九件書類を受理いたしております。これは区を経由して受取つたものでございます。十一日には係の者が現場に調査に参りまして、実地調査をいたしてございます。
  133. 山下義信

    委員長山下義信君) 調査された結果の所見はどうでありましたか。
  134. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 調査の結果は附近が商業地化とするところである。その後の調査によりまして、将来これが用途地域、商業地域に変更せられる計画になつておるということを知りまして、合計十一件の認可をいたした次第であります。
  135. 山下義信

    委員長山下義信君) 将来商業地域になるという計画というのはどうして承知されたのですか。
  136. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) これは建設局の方でそういう計画のあることを知つてございます。建設局の都市計画課でございます。
  137. 山下義信

    委員長山下義信君) その都市計画課にそういう計画があるというのはいつ知りましたか。
  138. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 実地調査いたしました後にその課に参りまして聽いたのでございます。九月の十二日以後でございます。
  139. 山下義信

    委員長山下義信君) 許可を與える前にその点を都市計画課の方から聽いたといいますか、調べたといいますか、確かめたのですか。許可をした後ですか。
  140. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 許可をいたしました前でございます。
  141. 山下義信

    委員長山下義信君) 許可をした前……。それはあなたが直接に調べたのですか。
  142. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 都市計画課に参りました者は係の者でございます。
  143. 山下義信

    委員長山下義信君) 誰が行きましたか。
  144. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 参りましたものは分りませんです。係長或いはその下の班長が参つていると思います。
  145. 山下義信

    委員長山下義信君) あなたはそれを確かめたわけですね。
  146. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 間違いありません。
  147. 山下義信

    委員長山下義信君) それは何日のいつ頃か御記憶ありませんか。
  148. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 日にちの記憶はございません。
  149. 山下義信

    委員長山下義信君) あなたのお席で聽かれましたか。
  150. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 都市計画課に係の者が参りまして聽いたのでございます。
  151. 山下義信

    委員長山下義信君) その係の者の報告はあなたの自席でお聽きになりましたね、あなたは……。
  152. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) さようでございます。
  153. 山下義信

    委員長山下義信君) その当時御調査になりますときには大田区の建築課長から何か調査についての添書等がその書類に添えておりますか。
  154. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 現地調査の私共の方の係の者が十二日に参りましたときには大田区の課長さんと同道いたしてございます。
  155. 山下義信

    委員長山下義信君) 同道しております……、書類には何か区役所の方からの調査した模様が添付してありますか。ありませんか。
  156. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 書類には区の意見というものは付いてございます。
  157. 山下義信

    委員長山下義信君) 付いておる……。申請書の中には一部空地等について添書というようなことも、意見書も添えておるのでございますか。
  158. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 付いてございました。
  159. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人はこの申請は、これは普通の建築等の申請でなくて、いわゆる特殊飲食街の建設の計画があるのではないかというような点は承知しておりましたかどうでした。
  160. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 出願書類を見ましてそういう心配はいたしてございました。そういうふうになるのじやないかという心配はいたしておりました。
  161. 山下義信

    委員長山下義信君) それに対して都の方では何かお考えはありませんでしたか。
  162. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私共の方は出願者側にそういうものになるのじやないかということを確かめたのでございます。出願者側はそういうことはしないということを断言しておるわけでございます。
  163. 山下義信

    委員長山下義信君) その出願者側が否定しましたのはいつごろでございましようか。
  164. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 日にちははつきり覚えてございませんが、私共の方で許可いたしましたのが、認可いたしましたのが九月の中旬から十月の初めに亘つてございますから、その前のことでございます。
  165. 山下義信

    委員長山下義信君) それは申請者を都へ呼ばれましたか。呼んでそういう点を……。
  166. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私共の方から呼んだのではなくて、向うから出て参つたのでございます。
  167. 山下義信

    委員長山下義信君) 何しに参りましたか。
  168. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 何をしにですか。
  169. 山下義信

    委員長山下義信君) ええ。許可の促進に参つたのですか。
  170. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 書類の訂正等に参つたのではないかと思いますが、私参りましたのは、促進というものではございませんで、書類で一応疑いを持つてつたものでありますから、その点を確かめたのでございます。
  171. 山下義信

    委員長山下義信君) この許可の添書等を見ますと、申請の番号等と、必ずしも申請の日付等とも一致しませんで、後先不揃いの点等もありますが、これはどういうような関係でしよう。
  172. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 書類の訂正等がございますので、それに要した時間で受付と認可が前後することがあつたのじやないかと思いますが……。
  173. 山下義信

    委員長山下義信君) この件に関しまして許可の促進といいますか、許可に関連しまして誰からか依頼を受けられましたような、懇請を受けられましたようなことがありましたか。
  174. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) そういうことはありません。
  175. 山下義信

    委員長山下義信君) 何か上司から話のあつたようなことはありませんか。
  176. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) ございません。
  177. 山下義信

    委員長山下義信君) 上司と相談されましたようなことがございますか。
  178. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私直接はやつてございませんが、事後の報告はいたしてございます。
  179. 山下義信

    委員長山下義信君) 許可の前に上司と相談されたようなことはありませんか。
  180. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私はございません。
  181. 山下義信

    委員長山下義信君) あなたのところだけで許可を決定されたのですね。
  182. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 局長代理として……。私が代理でございますから……。
  183. 山下義信

    委員長山下義信君) 局長に相談されませんでしたか。
  184. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) はあ。
  185. 山下義信

    委員長山下義信君) それはいつも御相談なしで、あなたのところだけで最後決定をなされるのですか。
  186. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 大部分の書類はそういうことでございます。疑義のございますものは局長に事前に御報告を申上げて御指示を頂いております。
  187. 山下義信

    委員長山下義信君) いわゆる特飲街の出現という多少問題になりますような本件等につきまして、先程証人は将来そういうふうな虞れがあるのじやないかと実は心配をしておつたとおつしやつたのでありますが、こういう問題につきましては局長にもお話になりませんでしたね。
  188. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) いたしてございません。
  189. 山下義信

    委員長山下義信君) この件を許可をするといろいろ悪影響を及ぼすというような点につきましては、ただ書類の上だけのことでなくして証人はそういう点をどういうふうに考えられたですか。
  190. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私共の方は一応の心配はいたしましたのでございますが、建築主側はそういうことをしないと申しますので、現在の法規の扱いといたしましてはそれを疑いまして下認可にするということが穏当でないと思いましたので、認可をいたした次第であります。
  191. 山下義信

    委員長山下義信君) 若しそういう虞れがあることを十分に知り得られたらば、証人は不認可にする考えでありましたか。
  192. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 虞れあるの故を以て不認可にすることはできないと考えておりました。
  193. 山下義信

    委員長山下義信君) それは一応形式的に言えばそうでありますが、実際問題としては、表面申請しておる、その理由以上に実際これを許可したらば、本当に一つの売春街が出て来るのだということをいろいろ考慮して見るというと、ただ單に表面的な規則に合つているから形式的に認可したということだけじやなくて、そういう将来を考えたならば、いろいろと許可不認可の裁量の余地があるとかないとかいう点を十分考えて見るという証人のお考えではなかつたのですか。
  194. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 十分考えまして、そういう虞れもございますから、認可と変りましたことがありますれば、それは建築的にも方法がございますし、売春行為等そのものは他の法令で禁止されておるのでございますから、ただ疑いの故を以て不認可にすることは妥当ではないと思つたのでございます。
  195. 山下義信

    委員長山下義信君) あの料理店、喫茶店ですがね。そういうものについての建築の基準はありますね。そういう営業のための建築物としての基準はあるわけですね。
  196. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 風俗営業関係で基準がございますか、市街地建築関係はございません。
  197. 山下義信

    委員長山下義信君) そういう用途のための建築物としてはいろいろ都條例で基準が設けてありますね。
  198. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 営業許可関係はございます。
  199. 山下義信

    委員長山下義信君) 営業許可関係はございますね。あなたの方の建築関係は、その方の関係はとるのですか、とらんのですか。
  200. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) とつてございません。
  201. 山下義信

    委員長山下義信君) とつてない。そうすると営業の関係での基準に反したような場合もあなたの方には関係ありませんか。
  202. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 営業許可とは一応別個のものでございますが、将来そういうものをとるとすれば、私の方一はそういう規則に合うようにしたものを認可しております。直接これを会議するとかそういう方法はとつておらないのでございます。
  203. 山下義信

    委員長山下義信君) 例えば喫茶店の場合において、土間といいますか、土間が何坪ということの一つの條例で基準を設けておいでになる、建築の方はそういう点に関係なしに許可してしまうのですね。
  204. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 関係ないと申しましたのは、営業関係会議をしてないということを申しましたので、建築のそういう用途に充てる予定のものならば、それに合いますようにこちらの書類が出ておりますれば、認可をするわけです。
  205. 山下義信

    委員長山下義信君) 本件の場合は料理店或いはカフエーというような、殊に特飲としての料理店カフエーという用途目的が出ているのですが、そういう場合に、書類上のそういう基準等はすべて合法的にそれらの規定通りの規格に合つてつたのですか。
  206. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 出ましたものには小さい部屋等がございましたので、合うように直さしております。
  207. 山下義信

    委員長山下義信君) それじや喫茶店の規格も土間等は合つているのですね。
  208. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 合つております。
  209. 山下義信

    委員長山下義信君) 本件の六月以降ですか。六月に都條例か何かの……。そういう規格の新らしいものを出しましたのですか。
  210. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 存じません。
  211. 山下義信

    委員長山下義信君) 最近工事の中止命令を出されましたね。
  212. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) はあ。
  213. 山下義信

    委員長山下義信君) これはどういう理由工事の中止命令を出されましたか。
  214. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 最近とおつしやいますのは、私共一昨日……。
  215. 山下義信

    委員長山下義信君) 最近じやない、途中ですね。工事の中止命令を出されましたね。
  216. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 九月の十二日に現場へ調査に参りましたときには、建前にかかつてつたのがございましたが、その時は認可前の工事の着手だというので口頭で中止命令を出しました。
  217. 山下義信

    委員長山下義信君) それを最近取り壊し命令を出しましたのは何の取壊し命令ですかね。
  218. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 認可申請が十五件出ておりますが、十一件だけ認可いたしまして、後の三件が工事に着手いたしております。それは只今の命令を聞きませんで工事を続けて行つたこと、それから認可ができなかつた理由が敷地に対する建物の割合が市街地建築物法の制限を超えているので、工事の中止を命じて、後の措置を考えておつたわけでございます。それが工事中止の命令を聞かず、多少最近に至りまして工事が進んだというのと、もともと空地の制限を超えておりますのでございますから、取壊し方を勧奨いたしたのでございます。
  219. 山下義信

    委員長山下義信君) 他の申請、一応建築許可を出している分がございますが、それらに対しましての処置等につきましては、証人は今後とるべき何らかのお考えを持つておりますか、どう考えておりますか。
  220. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 認可をいたしました用途と違つたものにつきましては、処置をとる方法があろうかと存じております。
  221. 山下義信

    委員長山下義信君) それはどういうものをどういうふうに処置をとろうというお考えでしようか。
  222. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 料亭、それから旅館カフエーでございますが、こういうようなものが、住居地域として許されないもの、或いはそういうものに移りましたときには、市街地建築物法に違反することになりますので、使用停止、使用禁止、こういうような方法がとられて行くものと思つております。
  223. 山下義信

    委員長山下義信君) 市街地建築物法の施行令の分ですね。特殊飲食店の類については、土地の状況等についても或いは不許可にすることのできる余地があるのではなかつたのでしようか。
  224. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 法令上ございます。
  225. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人は本件のあの敷地、あの環境においていわゆるこの施行令で言う土地の状況上適当でないというお考えはその当時なかつたのでしようか。
  226. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 持つておりませんでした。
  227. 山下義信

    委員長山下義信君) 将来の御心配があつて、特殊飲食店がああいうふうなところで多数のものが一時に出現をして来て、文教地区でもあるあの環境において影響がありはしないかと考慮せられたあなたとして、この施行令の土地の状況という点に勘案して措置をおとりになる余地があつたのではなかつたかと思いますが、今はどういうお考えでありますか。
  228. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 売春行為がなければそのままでよろしいものと思つております。
  229. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の申請の設計書の中を改めさした点はどういう点を改めさせましたか。
  230. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 空地の足りない点、それから間取りと、旅館料理店の営業の制限に合うように訂正いたさせました。
  231. 山下義信

    委員長山下義信君) 例えば風俗営業取締法の施行條例によりまする客室の一室の面積が三坪以上という制限でしたね。
  232. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) はあ。
  233. 山下義信

    委員長山下義信君) 三坪以上というと六疊ですね。皆六疊の間に改めさせましたか。
  234. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 訂正さしてございます。
  235. 山下義信

    委員長山下義信君) 訂正さしてある……、便所等の関係は適法になつておりましたかどうですか。
  236. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 詳しく存じませんのですが、皆そういうふうに訂正さしてあるつもりでおります。
  237. 山下義信

    委員長山下義信君) 後の委員の人の質問がありましたらば御証言を願いたいと思います。委員長としては一応証言を求めましたから、各委員方々から以上の証人に対しまして御質問の点がございましたらばお尋ねを願いたいと存じます。
  238. 藤原道子

    ○藤原道子君 最近子供の下良化が非常に憂えられているときに、私は子供の下良化を問題にする前に、これを不良化せしめる環境を是正しなければならない。子供の周囲に幾多の不良な大人の社会がある。これを先ず是正すべきであるという私は所信を以て従来から運動して参りました。ところが最近池上、高田馬場その他に特殊料飲店の建設が進められているということを聞きまして、これは一大問題である。かように存じまして、私もと池上に住んでおりました関係上、土地の状況をよく存じておりますので、これは大変だと存じまして先ず第一に社会党の所属の婦人議員で十月の十四日に現地を調査いたしました。それからその後十一月の二日には地元で演説会をも開いたのでございます。そうしてこの問題を当委員会厚生委員会に提案いたしまして、何とか国会でも働いてこれを阻止しなければならない。子供を守りたい。家庭を守りたい。そうしてこの紊乱せる道義の頽廃を防ぎたい。こういうつもりで今日まで働いて来たのでございます。ところが今日証人証言を聞いておりまして、どうも納得の行かない点が多々ございますので、この点、他の委員の方からも御質問がございましようから、簡單に要点だけを質問させて頂きたいと思います。  只今都の建築局の指導員でいらつしやいますか、中井さんから御証言がございましたが、この許可になりましたのが九月の十六日、ところが九月の十六日付の東京新聞の夕刊には、ここに写真が出ておりまするが、はつきりもう大体できております。そうしてその時に確かにあなたではないでしようが、指導課の談といたしまして、「以前の洲崎の遊廓が職後羽田に移り、更に武蔵新田に移動したが、これが池上に来るらしい、風紀上好ましくないので警視庁の態度で取消すかどうか決定する、目下工事中止を命じている。」という言葉が出ております。それから警視庁の保安課の風紀係では、「建築届には住居併用飲食店になつているが、建築様式から見るとどうしても待合としか考えられない。よく調査した上で建築取消をするかも知れない。」これに並びまして、建築者側の責任者長谷川某という人から、「合法的に建築しているつもりだ。地元反対などは大きく見れば社会の秩序を知らない人のいうことだ。取りあえず五十五軒作る予定だが、吉原、本牧に対抗するようなものにしたい。特殊喫茶を造つて観光客を引寄せ、大田区延いては東京都の繁栄をはかりたいと思う。」ということがはつきり出ておるのでございます。ところが今あなたは建築認可がないから建築の中止命令を出した。けれども、それを無視いたしまして、どんどん建築が進められていた。このことを承知でありながら、又これを認可されたという点に私は納得の行かないものがあるのでございます。それから、こういうことになりますと、只今許可があつてもなくても急ぐときにはどんどん建築すれば、やがて認可になる。法を無視してもよいのだということを社会一般に知らせることになる。これに対して指導員としての御見解を伺いたい。  それから只今委員長からの質問に対しまして、様式に合うように規格は変更を命じたということでございましたが、私調査いたしたところによりますと、はつきりと三疊の部屋がある。廊下は二尺よりないと見ました。六疊の室は二階にはございません。三疊に四疊平、而も便所はないのでございます。これでも今までそのままにこれを看過しておいでになつたということについて私はちよつとお伺いいたしたい。
  239. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 最初工事にかかつてつたものについて、あとに認可したのはどうかという御質問でございましたが、私共の行政処分といたしましては、認可のできるものならば工事中止だけで終るわけでございます。勿論この法を犯したという点で司法処分というものは考えられるわけでございますが、ただ工事認可前にかかつてつたという理由だけでこれを取消すというようなことは通常いたさないのでございます。  それから後の、間取が三疊のもの、それから便所がないものという御質問でございますが、工事をそれは訂正いたさせましたが、工事に多少そういうふうにがかつた向きもございました。これはその後現場において訂正をさせておるわけでございます。
  240. 藤原道子

    ○藤原道子君 それを、はつきりあなたは証言できるでしようか。
  241. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私は現場に参りましたときは十月の二十日前後だつたと思いますが、その時には確かに間取等を直しておりました。まだ不十分なところがございますれば、後程訂正させるようにいたしたいと思います。訂正いたしておつたことは確かでございます。
  242. 藤原道子

    ○藤原道子君 私は自分の眼でも見ました。文教委員のかたも、厚生委員のかたも調査をしておられまして、あなたの言うこととは全然反対でございます。
  243. 山下義信

    委員長山下義信君) 中井証人に念のために伺つておきますが、現在まだ三疊の間というようなものがあるという状態にあつたならば、あなたはどうしますか。
  244. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 認可と違つたものがございますれば、これは工事の変更を命じまして、訂正をさすわけでございます。
  245. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人に伺いますが、そういう変更が予め命じてあるにも拘らず、それを聞かないような工事に対しても尚認可を続けますか。あなたの命令に服従しないようなその工事に対しましてもあなたは依然として認可をそのまま続けて行くというお考えですか。
  246. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 認可の進行の時にそういうふうになりますれば、認可は取消せないと思つております。
  247. 山下義信

    委員長山下義信君) 取消せる……。
  248. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 取消せないと思つております。
  249. 山下義信

    委員長山下義信君) あなたの命令に従わないでも続けて行くならば、それでは認可も不認可もない。調査も何もあつたものぢやないですね。
  250. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) でき上つたものが認可通りになつておればよろしいと考えております。
  251. 山下義信

    委員長山下義信君) できあがつたものがあなたの認可したものと違うものであつた時にはどうしますか。
  252. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 違つた部分を訂正さすわけでございます。
  253. 山下義信

    委員長山下義信君) その際認可を取消すという措置もやろうと思えばできましよう。(「答弁々々」「重要だ」と呼ぶ者あり)
  254. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 困難ではないかと思いますが、研究いたしたいと思います。
  255. 山下義信

    委員長山下義信君) 藤原委員発言をお続け下さい。
  256. 藤原道子

    ○藤原道子君 私は非常に今の御答弁は遺憾でございます。それならば本当にそれだけ弱い権利しかないものかどうか、この点は十分研究したいと思います。  次に伺いたいのは、大田区の代表の方にお願いいたします。先程区では反対だとおつしやいました。併しながら婦人団体の方違は、PTAの方が陳情に参られました際に、区長さんははつきりと、これは土地の繁栄策になる、大変結構なことじやないかというようなことを言われた。それからその後幾度か陳情に参りましても十分なこれに対して御答弁がなされていない。そうして私が聞くところによりますと、どうも忌わしい噂も聞いておるのでありますが、はつきり今大田区におかれましてはこれの阻止に対しての努力が真劍になされておるか、区長は本当に最初にそういう態度をとられておつたと聞いておりますが、それに対するあなたの御見解を伺いたい。
  257. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 申上げます。婦人団体皆さん区長のところに参られまして、反対運動を申出られた際に、区長が繁栄策ではないかと申されたという事実に対しては私存じておりません。区長反対であるという意思を表現いたしましたことは、八日の全員協議会ですか、九月の本会議だと存じまするが、その席上におきまして、或る議員質問に答えて反対であるということをはつきり現在申されておることを私は耳にしております。今後の反対運動に対する所見如何という御質問に対しましては、私共特別委員会というものは、調査報告をいたしました関係上、一応了解されたものとして、解散すべきか否かということに対しましてはまだ残つておりまするが、後仕末もありまするので継続しておるわけでございまするから、今後我々を中心にして出すか、或いは区会考え方に副いまして、区会は本決議の通り実行して参るものだと私は推察しておる次第でございます。
  258. 藤原道子

    ○藤原道子君 大田区の建築課長さんにお伺いいたします。  先程委員長からの質問に対しまして不備でないという認定の下にあなたが申達されたということでございます。そうでしたね、確かに。書類提出された以上はこれを申達しなければならない。これを拒否する権利はない。従つてこれは不備でないから申達したのだという御答弁であつたと私は聞いておりました。これに対しまして現在不許可の三軒の取壊しが出ておりますが、これは今中井さんのお話でも空地が足りないというようなことで、今取壊しが進められておる。ところがあなたが書類を御覧になつたときは、この空地の足りなかつたことは発見できなかつたのでございましようか
  259. 上野廣治

    証人(上野廣治君) お答え申上げます。  先程私の言葉が或いは足りなかつたかも存じませんが、総括的につまり不備な点のあつた、というのは、今の建築線の指定申請書が付いていない。これは根本の問題でありまするので、それを私不備ということを申上げたのでありまして、敷地の面積が足りないというような点につきましては、一応これは調査符箋を付けて、それで書類を申達するということにいたしたわけであります。それは理由としましては商業地域に変更になるということを聞いておりますので、その商業地域として取扱うならば、これは敷地の面積も足りなくないのであります。で、それを商業地域として取扱うことになるか、或いは現在の住居地域として取扱うことになるか。そういう点についての疑義がありましたので、一応書類を申達したという結果になつているわけであります。
  260. 藤原道子

    ○藤原道子君 じやお伺いいたします。  商業地域になるかどうかということは遥か後のことだつたと思うのです。申請が出たのは九月でございます。そうして商業地域になるかどうかということは決定していなかつた。これは……。
  261. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 決定はしておりませんが……。
  262. 藤原道子

    ○藤原道子君 それならばそういう見通しの下に許可してよいという方針だつたのですか。
  263. 上野廣治

    証人(上野廣治君) ただその見通しがどういう結果になるかどうかは疑義がありましたので、一応申達をしたのであります。
  264. 藤原道子

    ○藤原道子君 それではお伺いいたしますが、区の建築課の課長さんとして、申請が出たのが九月であつて、すでに工事は八月に着工された。これを知らなかつたと言つてお済みになるでございましようか
  265. 上野廣治

    証人(上野廣治君) その点につきましては、最初書類の出た当時、基礎工事をやつてつたものがいくつかあつたわけであります。それでその後書類を都に申達してから或いはどこか外の場所で以て材木の切り刻みをしまして、それを持つて来て建てたという点から、建前が済んだということは非常に急速にあれが進んだわけでありまして、そこで私共当局でもこれはいかんということは数度に亘つて注意したわけであります。最初書類の出た当時はまだ建つていなかつたわけであります。基礎工事ができた。そこで以て全体につきまして、どのくらい建つものやら何やらそれも分らない。それから敷地が各々別々に書類になつておる関係から、一つ一つの敷地だけが分つておるが、どういうふうの全体の配置になるのか、これが分らない。そこで今の建築課の指定申請書と同時に全体の配置図を作つて呉れ、そうしなければこれも分らないということで、そういうものを要求して、そうしてその配置図は暫くあとになつてから届け出るには届け出ましたが、その当時そういうものもできておらなかつたわけであります。
  266. 藤原道子

    ○藤原道子君 お伺いいたします。どうも私は建築課長さん並に中井さんの御答弁、御証言に対して、非常に疑義を持ち不満足でございます。私が聞くところによりますと、八月の二十一日か……。ちよつと伺いますが、あなた方はこの建築許可にからんでいろいろな噂が飛んでおるのでございますが、あなた方が業者と一緒に会食をなすつたことはございませんか。
  267. 上野廣治

    証人(上野廣治君) ございません。
  268. 藤原道子

    ○藤原道子君 ございませんか。八月の二十三日、二日か、三日かはつきり記憶いたしませんが、そのときに大田区の某民家において、某料亭から料理を運ばせて、そこで飲食を共にされたというようなことについて、はつきりそういうことはございませんか。
  269. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 私はございません。
  270. 藤原道子

    ○藤原道子君 本当にございませんか。(笑声)
  271. 上野廣治

    証人(上野廣治君) ございません。
  272. 藤原道子

    ○藤原道子君 確かにですか。(笑声)
  273. 山下義信

    委員長山下義信君) 藤原委員にお尋ねして置きますが、その証言は中井証人にも求められますか。
  274. 藤原道子

    ○藤原道子君 中井さんにも求めます。
  275. 山下義信

    委員長山下義信君) 中井証人に御発言を願います。
  276. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) ございません。
  277. 藤原道子

    ○藤原道子君 はつきりと。
  278. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 間違いございません。
  279. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは藤原議員その程度に止めて置いて頂きましよう。それでは堀越文部委員長。
  280. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 文部の委員各位の質問もあることと思いますので、私は簡單にお聞きをしたいと思います。大田区の建築課長さんに聞きたいと思うのです。この建築の主管は都であるから、ただ申請書を取次ぐだけであるというお考えのようであります。先程のお話を伺つておりますると、いろいろ調査もされたようであります。その際に申請書をお取次の場合にどういう添書をお付けになつたのですか。意見書というものがおありだと思いますが、その内容をちよつと御詮明願いたいと思います。
  281. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 先程も申上げましたように、申請書を提出されますというと、区としては一応現場を敷地の関係等を調査いたしまして、その建物のの構造、或いは坪数とかというものに対して、その場所々々のいろいろな規定がございまするので、それに建築法等につきましての調査をいたします。それで、それが若し抵触しておる部分があれば、その場で直させるのが建前でありますから、それが疑義のあるものにつきましては、都のかたにこの意見を付けまして申達するということになります。
  282. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 それはなんですか。それは形式上の問題だけですか。私共の、一般の影響とか、例えば非常に今問題になつております文教上の大きな影響などについてはお考えにならないのですか。
  283. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そういうことも心配をしますが、そういうことはむしろ書類にはつきりと書けということは余りいたしておりません。若し付けるような場合には、それは附箋だけ付ける、或いは口頭で都の方にこういうような事情に今あるということを申上げるというようなやり方をしております。
  284. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 その際に形だけでなしに、都に取次がれる場合に然るべしというような御意見をお付けになつて許可にするように、そういうような意見書をあなたお付けになつたのですか。ただ取次がれただけですか。
  285. 上野廣治

    証人(上野廣治君) つまり今の場合は、私現在書類の意見復命につきまして、個々の内容はよく記憶はしておりませんが、いわゆる市街地建築物法上差支えない。法規上これは抵触しておる部分がないという復命を付けて出しておると存じます。
  286. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 法規上の差支えないという意見だけお付けになつただけで、それ以外のことはお考えにならなかつたのですか。
  287. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 考え心配はいたしたわけであります。
  288. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 それはお付けになりたのですか。
  289. 上野廣治

    証人(上野廣治君) それは復命の中には書いてなかつたと存じます。
  290. 堀越儀郎

    ○堀越儀郎君 復命には書かれなくて、言葉ででも取次がれたのですか。
  291. 上野廣治

    証人(上野廣治君) これは書類を申達しましてから後に、私も大分輿論が高くなつて来たので、都の建築局大田の方を担当しておる係の方に、どうも大分輿論が面倒になつて来たから、愼重に考慮して欲しいという申入れはいたしました。(笑声)
  292. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 中井証人にお尋ねを申上げたいと思います。池上業者から建築の申請が都にありまして、この申請に対する認可、或いは許可については、証人は自分の考えで認可したと、こういうお話でありましたが、それに相違ございませんか。
  293. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) ございません。
  294. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それはその認可の際に、先程証人もお話になりましたように、この建築については、或いは特飲街的な性質を帶びるかも知れないというような心配は自分もしておつた。こういうお話でございましたが、そういう心配をせられた際、これが将来教育上にどういう影響があるだろうかということについてお考えになつたでございましようか、どうでしたか。その点をお伺いしたいと思います。
  295. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 教育上面白くないことだと、自分一人の考えではこういうもののできるのは反対でございます。ただ虞れのある故を以まして不認可にはできないと考えたわけでございます。
  296. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうしますと、教育上面白くないということは考えておつた。併し手続上止むを得ないので認可したのであるとこういうことにとつてよろしいですか。
  297. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 結構でございます。
  298. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすれば、こういう建築の認可については、あなたの権能としてはいつの際でも自分の意見で決定して何ら差支えがない、こういうことになつているのですか。何ら上司と協議するそういう必要なしに自分の権限として認可し得る、こういうふうになつているのでございますか。
  299. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 重要なものは上司に報告召して、大体私が代決をしているのです。
  300. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 代決をしておられるわけですね。
  301. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) さようでございます。
  302. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると先程あなたがおつしやつたように、教育上重大な影響を與えるかも知れないということを心配しておつた、これは私は重大な問題だと思うのです。私が申上げるまでもなく、現在青少年の不良化ということは、国を挙げての重要な問題であると私は考えている。証人も恐らく同様な考えを持つておられると思う。そういう重大な影響があると考える問題についてですね。あなたが上司について、上司と十分協議をなさらないで、そうして自分の意見によつて決定せられたということについては私は分了解に苦しみます。そういう点についてもう少し御説明を願いたいと思います。
  303. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私の措置がそこまで至らなかつたことは遺憾に存じております。
  304. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 先程たしか中間的には局長ともよく相談をした、或いは報告をしたということがございましたが、その通りでございますか。
  305. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) そう申上げていないと思います。
  306. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 そうすると、この問題については全然上司には報告もなし、協議も何らしておらない、こうなんですか。
  307. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 許可いたしましてから、認可いたしましてからの報告だけでございまして、事前には御相談申上げておりません。
  308. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私はこれ程問題になる、又なるということが予知されるような問題について、單に上司と協議しなかつたのは不十分であつた。こういうことだけではどうも納得し難い点があるわけでございますが……。
  309. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつと補足しますが、中井証人は自分一人だけで責任を負つて、上司に累を及ぼさないようにというので上司に御遠慮なさつているのではありませんか。(笑声)
  310. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) お尋ねがございましたのでお答えいたします。そういうことはございません。
  311. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それからもう一つお尋ねをいたしたいことは、先程委員長の方からの質問があつたわけでございますが、申請された書類は整備されている。併しその後の調査によれば申請通りに建築されておらない。こういう点を認めておられる。そこで認可した基準に合致しない建築というものは将来これを許可を取消す。こういうことはあなたの権限において私はできると思うのですが、どうですか。
  312. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 最前も同じ意味のことをお答えいたしましたのでございますが、私共はパンパンをやるとは考えておらないのであります。ですから、旅館をやるといたしまして、その間取りが工事の途中で、最初に設計図に書いた……恐らく大工さんあたりは最初の設計を頭に入れて工事をしていると思う。その途中において間違いましたものは、これは直せばいいのではないかと考えておりますが、先程御質問もございましたので、尚研究いたしてみたいと思います。
  313. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 いや、私は單なることを言つているのではなしに、現にすでに建築中のものにおいて、規格に合わないものができている。これができ上つた場合のそういう規格に合わないものができ得るということは、十分予知されると思うのです。單なる仮想でないと思う。そういう意味においてでき上つた結果においても尚且つ基準に合わない、こういうものがあれば認可を取消すことを、するのかしないのか。その点をはつきりおつしやつて頂きたい。
  314. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 最前も申しましたように困難であると思いますが、研究はいたしてみたいと存じます。
  315. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 いや、それでは満足できないのです。あなたがこの工事については認可せられた。責任を以て認可せられた方なんです。それができ上つた場合、申請通りに建築されていないという場合に、尚研究しなければならん、調査をしなければならんということでは私共にはよく了解できないのです。ですからもう一度お答えを願いたいと思います。
  316. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 手直しいたしまして、認可通りのものになりますれば、これを除却するというようなことは困難だと思います。直させまして、直さなければそういう措置もとり得るものと考えております。
  317. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 直さない場合はそういう措置をとり得ると思う。そうですね。
  318. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) さようでございます。
  319. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 もう一度、次に上野証人にお伺いしたいと思うのですが、証人は九月十二日に他の係の方と一緒に実地に調査せられたと先程中井さん  の方からお話がありました。その際にすでに工事中のものがあつたということでございますが、どれくらい工事されておつたかどうか、その実地調査の際の実情をお話願いたい。
  320. 上野廣治

    証人(上野廣治君) お答え申上げます。その九月十二日の時には建前が済んでおりました。
  321. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私の言つておるのは、工事に着手しておる。工事に着手しておつたところがどのくらいあつたかということをお尋ねしている。
  322. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 着手しておりましたのは、数は九つぐらいと考えております。
  323. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 九つぐらい。
  324. 上野廣治

    証人(上野廣治君) ええ。
  325. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでは認可前にすでにあなたの見られたところでは九つばかりすでに工事にかかつてつたということでございますが、これについてどういうふうにあとの処置をせられたか、お尋ねしたいのですが。
  326. 上野廣治

    証人(上野廣治君) その場でもすぐ、これは工事をしてはいけないということを口頭ではありまするが注意いたしました。
  327. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 では結構です。これについて多少食い違いがあるように思うのですが、中井証人の方ではこの調査のときには、三軒ばかり工事にかかつてつた。その三軒分に対しては工事の中止を言つたのだ、こういう話だ。今の上野さんの話ではすでに九軒ばかり工事に着手しておつた、だからその中止をするようにと口頭で言つた。こういうことでありますが、この食い違いはどこの相違によつて出ておるかはつきりして頂きたい。
  328. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 私そう申上げたつもりではないのです。三軒と申しますのは、私の方で十一軒認可をいたしました。残りの三軒についてのことを申上げましたのです。十二日に参りましたものは、私詳しく工事の報告は受けておりませんが、工程といたしましては上野課長の言われたのと同様でございます。言葉が不備であつたのかと思いますが、上野課長の証言とは食い違つておりません。
  329. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 それでは続けてもう一つ伺いますが、すでに認可前に工事が着手せられておつた、そして口頭を以て中止をするように言つたところ、その後中止されておつたかどうかということについて、恐らく都の中井さんのほうは責任者であるが、調査せられたかどうかということについてお伺いしたい。
  330. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) その後の調査の結果、最近に至りまして工事が済んだことを認めましたので、三軒につきまして除却の勧告をいたしましたのです。
  331. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 私の尋ねているのは、認可前にすでに着工しておつた。ところが注意を與えた。その後、見に行かれたかどうかということです。
  332. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) その後、私も現場へ参つてございます。他の者も再三行つてございます。
  333. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 ですから、中止がその通りに守られていたかどうかということを見られたかというのです。
  334. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 見ております。
  335. 荒木正三郎

    荒木正三郎君 中止されておつたというのでございますか。
  336. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) そうでございます。
  337. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 東京都建築局指導課長の中井さんにお尋ね申上げます。あらかじめちよつと簡單にお断りいたしますのは、私はこの厚生委員会がこのたびこの問題を取上げましたのは、例えば参議院の法務委員会、衆議院の考査委員会が犯罪の仮定について取調べる。このような性質のものではない。学校敷地附近におきまして売笑行為を営むような建物建築許可をしない。こういう法的根拠をはつきりしたいという点が重要な目的でなければならないと思つております。そういう立場であなた様がたのお話を伺つたのでありますが、四人さんの御証言の中で最も私が重要視しましたのは、その建築指導課長さんの中井さんの御発言であつたのでありますが、あなた様のお言葉によりますと、十分疑う余地はあつたけれども、建築主がはつきりした売笑行為はささないと断言したから、慮れのある故を以て不許可にすることはいけないというので、自分は許可をしたというお言葉でございました。私は御尤もな御発言であつたと思います。そうして将来この売笑行為を行なわなければそれでよいのだという御発言であつたのであります。聞くところによりますと、今月二十三日から建築基準法という法律が発動されます。それによりますと、従来は学校建築をするときは、売笑行為をするような建物附近学校を持つて行つてはいけないという規則はあるけれども、その法律学校附近へ持つて行つてそういう建物をすることの取締の点は法的に薄弱であるというので、今度はそれを取締りますために、学校附近に売笑行為をする疑いのある建物を持つて行くようなことを取締れるような法律になると思います。この建築基準法というのは……。私はそれで一先ず安心だと思つてつたのでありますが、今日あなた様のお言葉を聞いてヒントを得たことは、よし、その法律が出ましても、あなた様のように、業者がわざと故意に売笑行為は絶対にささないと断言します場合は、あなた様のような監督官庁のかたも手が下せないと思います。併し慮れのあるときは、監督官庁の独断によつてそれを通さないような権限をこちらに與えて呉れる法律を作つて貰わんことには、将来とも自分達はしようがない。こう考えていらつしやると思います。この場合において余り苦められておるので、あなた様がよい気持でいらつしやるはずはないと思いますが、将来こういう問題は、こういう規定ができればよいということを相当お考えになつておられると思いますが、そういうことに合せまして私達この問題に結末を付けますために、何か私達の参考になるお話がありましたら、この際お聽かせ願いたいと思います。
  338. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) お言葉を頂きまして大変有難いと思つております。建築だけでパンパン行為を取締るというのは非常に私はむずかしいと思います。只今のお話にも申上げましたように、その重任には堪え得ないものと考えておりますので、建築につきましても虞れがあると思う、特にパンパン行為と限つて頂いてもよろしいと思いますが、パンパン行為の虞れのある建築物許可しないことができるというような立法をお願いしたいと存じます。それから條例等につきましても学校の周囲でこの條例で文教地区建築制限ができるわけでございますが、これにつきましても、やはり虞れの故にできるかどうかというようなことは、私も十分研究いたしてみたいと思うのでありますが、近頃のものの考え方といたしましては、虞れの故を以て他人の建築を制限することはむずかしいと一般には考えているのでございますが、何かやはり建築だけにこの問題を背負わせるということではなく、適当な立法をお願いいたしたいと存ずる次第でございます。
  339. 岩間正男

    ○岩間正男君 中井証人にお伺いしますが、この許可申請がありましてから、それに対して実地を調べ上げた。こういうわけでございますが、これは実地に行きましてその父兄の輿論とか、町のこれに対するいろいろの意見とか、こういうものを調べられた事実があるかどうかこの点をお伺いいたします。
  340. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 町の方に当りました輿論というものは調査いたしてございません。ついでに申上げますが、私共の、現在のような反対陳情をお受けいたしましたのが認可の済んでしまいました十月の六日と考えているのでございますが、初めて陳情書を頂いてございます。
  341. 岩間正男

    ○岩間正男君 どうも先程からあなたの御証言を聞いておりますと、業者に対して非常に同情的な面が多いのではないかと……、例えば規格に違反して工事が進められている。これに対して変更を命ずると、そして規格に合えば許したいと、これは非常に業者に対する同情的なやり方ですね。併しこれに対しては地元の父兄の輿論というものは非常に反対が起つているわけですね。それから先程あなたのお話を聞きますと、料理店とかカフエー旅館とか、こういう形で許可したんであつて、若し売春行為なら売春行為については自分でも反対しておつたと、こういうお話があつたわけですが、併し昨日我々は実地調査しましても、あそこではそのようなものが殆んど住宅街の現状で必要がない。旅館のごときはここの池上のお会式ですか、ああいうのがあるときには、あすこに泊らないで、現在では附近の寺に分散している。従つて族館輿論を立てれば、殆んどあれば営業不能になるだろうと、こういう見通しが多いわけです。そうしますと、そういう点から考えますと、これは非常にあなたのほうの認可される根拠というものはおかしくなつて来るわけですが、地元のいろいろの輿論があるのですから、この輿論の面から十分に判断して、而も現在違法的に進められているものに対して、あなた自身がもつと積極的に、教育の立場から、教育を擁護するという立場から、父兄の輿論を取上げる考えがあるかどうか。この点をはつきり伺つておきたいと思つております。
  342. 山下義信

    委員長山下義信君) 別に御発言はありませんか、……なければなくてもよろしうございます。
  343. 岩間正男

    ○岩間正男君 これは別にないようですから、この点は保留して置きますが、次にお伺いするのは、梶原、坂巻さんの父兄の立場からでありますが、この反対運動が起つた中で、警察のほうに陳情されたと、こういうように聽いております。そのとき警察署の態度ですね。殊に署長ですが、この署長はどういうことを言つたか、こういうことについて御存じでしたらお伺いしたいと思います。
  344. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) お答えします。先に一つ申上げたいことは、私共は本当に正しいところの純粋な混りけの一つもない運動を開始いたしましたにもかかわらず、第一回に私共の保護の立場にあられる警察へ陳情に参りましたときの前署長さんの態度が、如何にも冷やかでありましたために、私達はちよつとそこで挫けまして考えましたけれども、これはどうしても立たなければならない運動である。正しい者の上にはやがては勝利は得られるという確信に胸を打ちまして、今日まで続けて参りました。その署の最初の署長さんの御意見は、丁度折も悪しくございましたけれども、関東配電の争議の直後だつたのですが、それで、これは共産党に尻押しされてやつているんだから取上げられないというようにおつしやつたと聞いております。
  345. 山下義信

    委員長山下義信君) 簡單に願います。時間がございませんから。
  346. 岩間正男

    ○岩間正男君 冷やかなお話であつたというのですが、例えば具体的にどういうことを申上げたのですか。署長さんはこの問題に対して……。
  347. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 共産党の尻押しがあるからと言つて陳情書をとり上げて頂けないと、いらつしやつた方は涙を呑んで引下りました。
  348. 岩間正男

    ○岩間正男君 事実はこれに反しているわけですね。共産党の尻押しではないわけですね。
  349. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 絶対にそういうことはございません。
  350. 岩間正男

    ○岩間正男君 それから前署長とおつしやいますと、署長は代つたんですか。
  351. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 署長にとつては非常に幸いだと私が思いますのは、すぐ直後にお代りになりました。
  352. 岩間正男

    ○岩間正男君 何という署長ですか。
  353. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 大橋さんと仰しやいました。
  354. 岩間正男

    ○岩間正男君 現在はどこに行つておりますか。
  355. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 品川でございましたか。
  356. 岩間正男

    ○岩間正男君 やつぱり署長をやつておりますか。
  357. 坂巻きよ

    証人坂巻きよ君) 品川にございます。警察予備隊の方にいらつしやいます。それで申上げてよろしいかどうですか、後援会の方から五万円の餞別を頂いて出たという噂が街に上つております。
  358. 山下義信

    委員長山下義信君) 岩間委員に申上げますが、その程度に願います、時間の関係もありますから。
  359. 岩間正男

    ○岩間正男君 もう一つ父兄の立場として資金関係のことについてお聞きになつた事実があるか、どうですか。今度の特飲の問題について。
  360. 梶原泰治

    証人梶原泰治君) 先般全大田区のPTA反対大会を開きましたときに、神崎清氏から詳細なるお話がございました。それによつて私共は知りましたのでございますが、城南信用組合というのが大田区にございます。これは前大田区長が組合長でありまして、その後、代つておられますが、その組合が六月中旬に二百万円を融資したということを初めて伺いました。それが融資の我々の知る知識の範囲でございます。
  361. 木村守江

    ○木村守江君 簡單に二、三お伺いいたします。先ず第一に橋爪区会議員さんにお伺いしますが、区の審議会においても又反対決議をなされたというお話を聞きましたが、その後に全員協議会において、その席上において区長反対を声明されたということを拝聽したのですが、そうすると大体において区長並びに区会議員反対を声明されたことになると思いますが、それで反対決議をされまして、その後どういうような実際運動をなさいましたか、お伺いいたしたいと思います。
  362. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) お答えいたします。反対決議をいたしましたのが八日の日でございます。九日が本会議でございまして、十日が特別委員会を持ちまして、十一日が本会議でございました。十二日が日曜に相成りました関係上、書類等の作成も遅れておりますので未だにまだ具体的の反対行動は起してはおりません。その期日のなかつたことを御了承願いたいと思います。
  363. 木村守江

    ○木村守江君 ちよつともう一つお伺いいたしますが、そうすると地元の騒ぎが大きくなつて、これは区会議員として反対決議だけはしようというような気持で、本当の反対決議で終るというような恰好じやないのですか。
  364. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) お答えいたします。私共か特別委員会を設置構成しましたのが十月の八日頃でございます。それ以前に請願陳情書として提出になりました数は二件でございます。私共の本会議において特別委員会を設置するという決定をする日までは一件でございました。その後に七件の陳情請願が出ておりまする状態を御認識して頂けまするならば、本当に反対空気に押されて我々が行動をしたんではないということの御了解を得たいと存じます。
  365. 木村守江

    ○木村守江君 それでは区長並びに区会議員の全員がこれに反対だ、心から反対だというように了承して差支えありませんか。
  366. 橋爪儀八郎

    証人橋爪儀八郎君) 差支えありません。
  367. 木村守江

    ○木村守江君 それでは次に建築課長さんにお伺いいたしますが、建築課長の上野さんは実際の建築をその傍見ておられますか。進行状態をですね。
  368. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 見ております。
  369. 木村守江

    ○木村守江君 見ておつて許可書と相違している点を認めませんか。
  370. 上野廣治

    証人(上野廣治君) これは前に……。
  371. 木村守江

    ○木村守江君 簡單にどうぞ。
  372. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 書類を訂正して認可となつたものと違つたものがあつたわけであります。そこでこれを書類通りの、認可通りのものに改造しなければいかんということで、これは先程もお話がありましたようにその後に変えております。それが全部完了したかどうかはまだ調査しておりませんが、中の間取りの違つたものに対しては、手直しをして二つの部屋を一つにしたというような事実はございます。
  373. 木村守江

    ○木村守江君 実際そういう点もあるでしようが、現在実際において申請書と違つた書類と違つた建築をしておりませんか。
  374. 上野廣治

    証人(上野廣治君) それはないはずであります。
  375. 木村守江

    ○木村守江君 いや、それは実際にあるのです。昨日行つて見たんですが、なくはないのです。それで結構ですが、結局上野さんはあすこにああいうような建築物をさして、初めはどう思つたか分らないのですが、現在は今後教育上に支障があるというようなお考えを持つておられますか。
  376. 上野廣治

    証人(上野廣治君) 教育上につきましては、私も思わしくないということだけは本質的には考えます。
  377. 木村守江

    ○木村守江君 それでああいうような建築物をさして、ああいう営業をさせることは、教育上支障があるとお考えであることを了承しでいいのですか。
  378. 上野廣治

    証人(上野廣治君) そうでございます。
  379. 木村守江

    ○木村守江君 その次にちよつと中井指導課長さんにお願いいたしますが、中井さんはあの地区にああいう建築物許可することは、商業地区であるから差支えないというような最初のお考えつたというのでありまして、これは了承できます。ところが現在になりまして、あれを仔細に検討した場合に、教育上に、これは初めの考えが間違つてつて教育上に支障を及ぼすことが大であるというようなふうに初めの考え方を訂正なされておりますか。
  380. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) パンパンをやればいけないということは異存はございません。旅館等はやつて参りまして左程悪いものじやない。これを除却しろというほどのものではないと考えております。
  381. 木村守江

    ○木村守江君 それではちよつとお伺いしますが、あすこに十何軒かの旅館を作つてあれが旅館として経営できると考えられますか。
  382. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 旅館が経営できるかどうかということは私共の方の直接触れるところじやないと思います。
  383. 木村守江

    ○木村守江君 それは本当に権限外でしようが、実際常識的にあすこに一軒もなかつたのが、一遍に十一軒も旅館を作つて、その旅館が経営できると思いますか。経営できなかつた場合にどういうような状態に陷るかということを常識で、これは法律じやないのですよ、常識で日本を考える場合に、日本の教育の将来を考えるときにそう考えられませんか。それは理窟じやないのです。本当に実際の問題です。ちよつと常識論になりますが、御意見をお伺いいたします。
  384. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) あすこに旅人の宿がそういうふうに要るとは考えておりません。旅行者が出て参りまして泊るような宿はあすこにそんなに必要じやないと考えております。
  385. 木村守江

    ○木村守江君 どういうものが必要ですか。何の必要なんですか。
  386. 中井新一郎

    証人中井新一郎君) 旅館の経営の仕方が何だとおつしやつたんじやないでしようか。
  387. 木村守江

    ○木村守江君 あそこの旅館は、昨日聞いたのですが、池上の本門寺さんにお詣りのために必要だというような話を聞いたのですが、私は今まで一軒もなくても済んだ。池上の本門寺さんの御利益がどんなにあつても、私は一遍に十何軒か作らなくちやならんというようなところじやないと思います。そういうものを作らした場合に、旅館というような名目であつても、実際そうじやないというような状態に陥ると思います。そこのところは常識的に考えられると思います。どうもさつきからパンパンでなければいい、旅館ならいいというようなことは私は詭弁だと思います。もつと本当に考えてやらなくちやいけないと思います。これは父兄の方々がただいい加減にここに来ておるのじやないと思います。本当に日本を思うから、日本の教育の将来を思うから来ておると思います。それが一片の建築法のことを振りかざしてそういうことを言うのは、私は詭弁だと思いますが、もつと真劍に考えて貰いたいと思います。  それで私はお願いしたいのですが、結局いずれの人の話を聞きましても、最初は中井さんの商業的として認めざるを得なかつた、これは了承できます。できますが、現在の状態になりまして、これをそういう初めの考えを固執して、而も自分では良心的に教育上に支障があると考えておりながら、初めの意向でこれを押すことはどうかと考えるのです。殊にあなた方が許可した許可書の内容と実際は違つておるという場合ですから、これはやはり大田区全体の輿論と思つてもいいのですが、大田区全体の輿論を活かすためにも、あなた方はこれは手を打てると思います。これは私は改善すべき問題じやないかと思います。今後の法律の問題につきましては我々が考えなければなりませんが、半分でき上つた、外形上でき上つた問題については、あなた方同士で私は解決できると思います。どうぞその点本当に一片の法律論を振りかざさないで、これはみんなで大田区の区長さん初め区会議員、それから大田区の建築課長、それから中井さん等が、これは本当の気持をさらけ出したらできる問題だと思います。これは希望ですが、よろしくお願いいたします。
  388. 山下義信

    委員長山下義信君) これを以て午前は終ることにいたします。  証人の方に一言いたします。御多用の中御出席を得まして有難く存じます。御苦労様でございました。午後は  一時半から続行いたします。    午後零時五十八分休憩    —————・—————    午後一時五十三分開会
  389. 山下義信

    委員長山下義信君) これより午後の会議を開会いたします。  証人として出席願いました方は、大森保健所長荻野友雄君、警視庁保安課長大城男君、東京部教育庁次長加藤清二君、東京都公安委員長小畑惟精君、都教育委員松澤一鶴君並びに後刻東京都副知事岡安彦三郎君が出席せられることになつております。  これより証人宣誓を求めます。御起立を願います。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた。〕    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 荻野 友雄    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 大城  勇   宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 加藤 清二    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 松澤 一鶴    宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 小畑 惟精
  390. 山下義信

    委員長山下義信君) 御着席を願います。  委員の皆様に申上げます。午前の証人から証言を聽取いたしましたのは、御承知のように、主として形式的な手続関係の各位でありまして、只今から証言を求めまする証人の各位は、それぞれ高級の幹部である方或いは本件に関しまする営業許可面に関係の深い各位であります。或いは又教育方面についての権威者の各位であります。御了承を願います。  それでは御着席の順に大田区の大森保健所長の荻野君から御証言を願いたいと思うのでありますが、保健所長としては、料理店カフエー、飲食店、旅館等の営業許可に関連しての所見があると思いますが、保健所は先ずどれだけの権能を持つておるかという、保健所長としての関係を述べ、並びに本件につきまして保健所として如何なる処置をとられましたかという点を、先ず簡明にお述べ願いたいと存じます。
  391. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) 座つたままでいいですか。
  392. 山下義信

    委員長山下義信君) 立つて下さい。
  393. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) 食品衛生法におきましては、都知事関係許可と保健所長関係許可と二つに分れておりまして、保健所だけの問題は五種類くらいしかありません。この問題につきまして含まれておる業種のうちでは、喫茶店、料亭、その関係は保健所関係でありますが、旅館は保健所から意見を申達いたしまして、都知事において許可する状態であります。  今度の問題につきましては、直接私共の方に問題がまだ参つておりませんので、具体的な手段、方法等をとつておりませんけれども、十月の中頃に旅館の申請が一件出ましたけれども、これは書類上非常に不備だつたものですから、そのまま却下いたしました。越えて十一月の初めだつたと思いますけれども、先に却下いたしました旅館の一件とその外に一件、二件の許可申請が出て参りました。これも書類上並びに施設において不十分な点がありましたので、その点申入れいたしまして、目下その申請者の方に書類等は返つておる状態であります。
  394. 山下義信

    委員長山下義信君) 発言が済みましたら、御着席下さいませ。  そうすると、建築手続上、保健所長の意見を求められたようなとが、大田区役所等から、あなたの方に照会等がありましたか。先ず建築の方におきまして……。
  395. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) 正式な規則等では合議の形はありませんけれども、これは関連した問題でありますので、内輪では合議の形をとつております。
  396. 山下義信

    委員長山下義信君) このたびは、その合議の形というのをとられましたか、会議されましたか。
  397. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) 今回の問題は、全然合議を受けておりません。それは建築としては住宅地店舗としての申請であつたために、保健所関係の業態であるかどうかというので、合議はなかつたように思います。
  398. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の風俗営業取締法の関係の営業申請等がありましたならば、あなたの方は一応それについて調査なされ、許可、認可につきましては、あなたの手許でされますか。都の方に廻されますか。
  399. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) 風俗関係の業態では、我々の方では全然関係はございません。
  400. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の食品衛生の関係で、本件のごとき問題に対しては、どの程度関係されますか、保健所として。
  401. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) 食品衛生の関係で、保健所が関係する部面ですか。
  402. 山下義信

    委員長山下義信君) ええ、そうです。
  403. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) それは食品衛生に指定されました施設の基準の調査、それがいわゆる基準に到達しておるかどうかということの実査をいたしまして、その結果許認可の問題を取扱う、こういうことになります。
  404. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人地元でもおありになりまして、大体本件は御承知ですね。この問題のことは大体御承知でございますか。例えばどういう企画の建築をやつておるとか、どういうふうな営業をしようとしておるとかいう問題になつておりまする点を、まだ書類で公式にはあなたのお手許に廻らなくても、大体御承知でございますか。
  405. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) 学校関係陳情者が私の方に参りましたので、大体は承知しております。
  406. 山下義信

    委員長山下義信君) 只今計画が、今のあなたの方の所管の食品衛生等の観点から、企画、計画等全般について、何か保健所長として御覧になつておる御所見等がおありでしたら承わりたいと思うのです。
  407. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) まだ正式に書類も受理しておりませんから、現場の実査もいたしておりません。
  408. 山下義信

    委員長山下義信君) 現場も御覧になりませんでしたか。
  409. 荻野友雄

    証人(荻野友雄君) はあ。
  410. 山下義信

    委員長山下義信君) 伺いたいことがあれば、あとで伺うことにいたしまして、保健所長に対しまして、この際御質疑がありましたらば、質疑なすつてよろしうございますが、委員の方、御質疑ありません……か。それでは次の証人に御証言を求めますが、警視庁の大城保安課長。本問題につきまして、証人のところに反対陳情が参つたということでありますが、その陳情を受けられましたか。
  411. 大城勇

    証人(大城勇君) たびたび来ております。
  412. 山下義信

    委員長山下義信君) その際証人は何か御意見を御発表になりましたでしようか、陳情者へ。若しお述べになりましたら、どういうことをお述べになりましたか、承わりたいと思います。
  413. 大城勇

    証人(大城勇君) 証人のところには、陳情には数回私どもの手許までおいでを願いましたが、この問題は、私も当初から詳しく存じておりません。私の手許まで具体的な願書が出ておりません。その個々について私は現在とやかく言う筋合はないのであるが、非常に風俗を害するというような内容の行為であるならば、私個人としては好まないものと、こういうふうに見ております。
  414. 山下義信

    委員長山下義信君) 警視庁の保安課として、こういう特飲街等に対しまして、あなたの方の所管事項として、どういう監督をなさいますか。或いはどういう指導とか、お取締とか、保安課としてはどういうことを所管しておいででしようか、この特飲街関係については。
  415. 大城勇

    証人(大城勇君) 特飲街と申しますと、これは通称でございますが、こうした風俗上最も注意を要するようなものは、現在の風俗取締法並びに都の條例の趣旨に従つて、私たちは事務当局といたしまして、非常に慎重に扱つて、この條例の趣旨に則つてこれを扱つておるのであります。
  416. 山下義信

    委員長山下義信君) 條例というのは、大体何をお指しになるのでございましようか。只今お述べになりました條例というのは。
  417. 大城勇

    証人(大城勇君) これは風俗営業法という法律に基いて、都に委任されたいわゆる地方自治法によつて、この風俗営業法を具体的に取扱つておる條例であります。
  418. 山下義信

    委員長山下義信君) 分りました。風俗営業取締法ですね。
  419. 大城勇

    証人(大城勇君) そうです。
  420. 山下義信

    委員長山下義信君) 大体今の特飲街と申しますか、こういうこの計画が、逐次方々で出ておるようでありますが、都内全般としては、どういう趨勢にありますか、大体におきまして。
  421. 大城勇

    証人(大城勇君) 現在池上と王子の方に一ケ所、それから高田馬場に、これは特飲街と称するものではないのでありますが、旅館というような名前で企画されたことを知つておるだけであります。
  422. 山下義信

    委員長山下義信君) 大体増加の趨勢にあるわけでございますね。こういう業態のものが、都内におきましては逐次増加しておる傾向にあるわけですね。
  423. 大城勇

    証人(大城勇君) 差当り増加という意味ではありませんが、こうしたものを新規な計画の下に、まあいろいろ計画されて来るという見込が立つように思います。
  424. 山下義信

    委員長山下義信君) そういう新規の計画に対して、警視庁として何か一定の対策とか、方針というようなものがあるのでございましようか。
  425. 大城勇

    証人(大城勇君) これは具体的の問題に対しませんと、これを個々に検討いたしまして、風俗営業取締法の趣旨を徹底して行くということが目標でありまして、私どもは首都の善良な風俗の維持ということには、非常に大きな関心を持つて仕事をしております。
  426. 山下義信

    委員長山下義信君) それでは、例えば昔からある区域については黙認されておる、まあ何と言いますか、既得権区域と言いますか、昔から警視庁で黙認しておる区域がある。只今武蔵新田と言いますか、矢口渡と言いますか、そういう方面については、或る程度まで黙認しておる地域である。今の池上の地域は全然そういうことを、曾て警視庁として黙認したこともなければ、新らしい土地である。そういう所にそういう企画がされるというような場合には、あなたの方ではどういうふうなお考えを持たれるのでありますか。
  427. 大城勇

    証人(大城勇君) 黙認と申されましたが、私どもは、善良な風俗を維持するということでありまして、あれの取扱いについて、これを警視庁から正規な業態に引戻すべく指導し、又取締を続けておるのであります。一挙にこれを潰すというようなことは、それは考えておりません。併しながら本池上の問題につきましては重大な関心を持つて、今折角あらゆる面から検討はしておりまするが、現在のところ具体的に願いが出ておりませんから、仮定の事実について、私ここで断定をするということは憚りたいのであります。
  428. 山下義信

    委員長山下義信君) 仮定の事実で伺うというわけには参りませんが、一般的にあなたにお尋ねしますが、一般的として、善良な風俗に対して悪影響のあるというような計画がありますと、証人の御職権の範囲内、或いは警視庁としては大体どういうふうにこれに対する対策をお持ちなのでしようか。それを阻止する、そういうことのないようにするためには、どういう手段方法をおとりになるのでしようか。
  429. 大城勇

    証人(大城勇君) 若しそれが願書の内容によりまして、具体的に検討いたしまして、その真意が、真に風俗を害する虞れのある業態の内容であると考えた場合には、十分に善処いたしたいと思います。
  430. 山下義信

    委員長山下義信君) その善処という、善処の内容はどういうふうなことが含まれることになりましようか。一般論として一つ御遠慮なくお述べ願いたいと思いますが。
  431. 大城勇

    証人(大城勇君) そこまで言えば、大体分ると思いますが、非常に社会の注目にもなつておりますし、大きな世論も捲き起しております。営業を許可する場合には、或いは人的であるとか、或いは物的であるとか、或いは場所的であるとかいうような、いろいろな方面から具体的な検討を加えなければならない。そういう面から入つて行つて、十分な検討を加えた上で善処したい、こういうふうに思つております。
  432. 山下義信

    委員長山下義信君) この池上の今日問題になつておりまするこの点につきましては、いずれ証人のお手にかかつて、御判断を求めなければならんときがあると思いますが、ありますね。
  433. 大城勇

    証人(大城勇君) あると思つております。
  434. 山下義信

    委員長山下義信君) その他はあとで、委員の各位から御質疑があると思いますから、そのときお答えを願いたいと思います。  教育庁次長の加藤君、それから教育委員の松澤君、この両証人に対しましては、文部委員から一応の御質疑を願つて置きたいと思います。
  435. 岩間正男

    ○岩間正男君 それじや両証人にお伺いしますが、第一、このような池上の問題をお聞きになつたのはいつ頃ですか、教育庁として。
  436. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 私からお答えいたしますが、教育庁といたしまして、この問題を知りましたのは、九月の中旬頃かと思いますが、読売新聞に最初に出たかと思います。早速私は現地へ行つて見ましたのが、九月の二十七、八日ぐらいだつたと思います。それで上司の教育長や教育委員会にも話したのでありますが、その後各方面から陳情請願がございました。今の御質問の要旨は、九月の中旬ぐらいだつたと思います。最初に知りましたのは……。
  437. 岩間正男

    ○岩間正男君 それで教育庁として、その後おとりになつた大体の経過をお聞きしたい。
  438. 加藤清二

    証人(加藤清二君) それじや私からお答えいたします。この十月の十七日に高田工業会の主催にかかる公聽会がございました。その会で決議されました決議文の提出を皮切りにいたしまして、その後各方面からいろんな請願なり、陳情があつたのでございます。その前に、先程申しましたように、読売新聞を見まして、私が直接見て報告も申上げ、それからこうした請願決議などもありましたものですから、十月の十九日に東京都の教育委員会では、毎週一回情報連絡会というものをやつておるのでございますが、これは正式な委員会ではございませんが、情報連絡会というのをやつております。その会で委員諸氏からいろいろ話が出まして、これは一つ委員会として、この建築許可については、是非とも許可をしないようにという反対陳情をしようということの決定があつたのであります。それから翌日だつたと思いますが、関東民事部の教育課長のマツコイさんから、都の建築局長と私に対しまして呼出しがございまして、そこで実情を教育課長が聞いたのであります。そこで何とかこの建築許可をやらないということについての工夫がないかということについてのいろいろの相談がございました。それから同じく十月の二十四日でございますが、先に情報連絡会で、教育委員会としての反対をしようという決定がありましたので、それに基いて、私と教育長から都の建築局長に対しまして、許可反対の申入れをいたしておりました。それから各教育委員なり、教育長なり、多くの関係者が全部現地を見にたびたび行つております。それから十月の二十七日でございますが、このに日は教育委員会といたしまして、声明書を発表いたしております。輿論により首都教育の純正を確保したいという意味合の声明書を発表いたしております。それから十月の二十八日でございますか、建築局長室で、教育関係、警視庁関係、建設局関係、衛生局関係の各関係者が集まりまして、いろいろこの問題についての善処方について協議をいたしております。それで私どもといたしましては、何とかこの建築許可なり、それから営業の許可についての取止め方につきましては、いろいろ研究もいたし、努力もいたしておるのでありますが、御承知の通り私どもの立場から、建築許可や営業の許可にいて制約をするという途が開かれてありませんので、今まで申しましたような、それぞれの許可権を持つておる方面に対しまして反対を申入れ、又何とかして一つ許可をやらないようにということの依頼をいたしておるわけでございます。大体そういうことであります。
  439. 岩間正男

    ○岩間正男君 まあいろいろ努力されたようでありますが、それが効果が挙らないというのは、やはり法的な問題だというふうに聞いたわけでありますが、そういう問題については、まあここで触れないといたしましても、今非常にこれに対する反対運動が起つておる。殊に昨日我々は視察したのでありますが、その中で父兄の方は勿論でありますが、教員の方で、もう命を賭しても、最後の一軒まで撤去を命ずるまでは戰う、こういう教育に対する熱意が表明された。例えばこういうふうに考えた先生に対しまして、教育の担当者としまして、責任者としまして、どういうふうにお考えになるか。飽くまでこういうような一つ教育を守る運動に対して、これを支持し、そうして激励して行くというお考えをお持ちであるか、その点如何でしようか。これは松澤さんにもお伺いしたい。
  440. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 只今御指摘の昨日の文部委員方々の御視察のときに、一教員から切実な訴えがあつたのであります。あれは非常に御尤もでありまして、私といたしましても、あれと同様な気持を持つております。極力この問題の阻止につきましては、努力いたしたいと考えております。
  441. 山下義信

    委員長山下義信君) 松澤証人、御発言ございませんか。
  442. 岩間正男

    ○岩間正男君 教育委員の立場から、今の私の質問に対して……。
  443. 松澤一鶴

    証人(松澤一鶴君) 教員が政治的の問題に、政治問題として余りに深入りすることは、我々としては好ましくないと思つておりますが、勿論個人として、又教育者である立場として、学校の時間外にそういう意味でやつて頂くことについては、勿論差支えないと思つておりますが、これらに対しましても、教員の心持を汲んで、我々自身において大いに働きたいという心持を持つております。
  444. 岩間正男

    ○岩間正男君 只今次長と、それから松澤委員との証言の間に食い違いがあると思う。それから松澤証人の今のお話では、これは政治的な活動というようにおつしやつたのですが、教育破壊、殊に今日青少年の不良化の問題というものは実に寒心に堪えないものである。こういう問題を阻止するために、教員が教育を防衛するという立場から、当然そのような熱烈な行動をされることについて、これは政治的行動と御覧になりますか、どうですか。政治的行動の限界の問題になるようですが、しばしばこの問題は、この問題だけでなくて、絶えず区別がなくて、いろいろに言われておる問題なのですが、どうお考えになりますか。その点ちよつとこれはお聞きして置きたいと思います。今度の問題のごときは、あのために熱意を披瀝して、教育を守る、こういうために教員の人が立上つて、あれだけの決心をするのはむずかしいと思うにもかかわらず、断乎として言つておられた。そういうものに対して、これは政治的行動、こういうふうにお考えになりますか、どうですか、その点……。
  445. 松澤一鶴

    証人(松澤一鶴君) これは実際の問題について見たいと思いますが、勿論教員の行動としては、おのずからの限界があると思います。
  446. 山下義信

    委員長山下義信君) 証言を求められる方は、余り討論に亘らないように御注意を願います。
  447. 岩間正男

    ○岩間正男君 討論じやなくて、やはり非常に重要で、こういう問題について、どういうふうに教育委員考えておられるかということは、今後の日本の教育のために重要だと思うからお聞きしたわけであります。教育を守る情熱に対して、これはどういうふうな見解をとられるかということですが、この点は余り御明確なお答えがないのですが、併し加藤次長と松澤委員証言の間には食い違いがありますが、どつちを我々はとるか、教育庁としては、どういうふうにこれは一体考えておられるか、この点如何です。
  448. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 食違ふとおつしやいますと、どういうことですか。ないと思つております。
  449. 岩間正男

    ○岩間正男君 さつきの話では、非常に情熱を持つてやる者に対しては、そういうことは飽くまで、むしろそれを取上げてやるというお話でございます。併し一方松澤委員のお話では、これらに対して、政治的な問題というような話が出ているわけですが、政治的だと加藤次長はお考えにならないわけですか。
  450. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 昨日の先生のやられたことは、決して政治的行為とは考えておりません。学校において、あの小学校の先生の立場において陳情されたのでありまして、当然やつて然るべきものだと思つております。それから今松澤委員がおつしやいましたように、この問題にからんで、教員が政治運動をするということにつきましては、私は実は支給いたしておりません。そういうことがあつてはならんと考えます。でありますから、私と松澤さんとの間に意見の相違はないと思つております。
  451. 松澤一鶴

    証人(松澤一鶴君) 私は昨日の現場を全然知りませんので、どういうことがあつたか分りませんし、如何なる陳情があつたかも聞いておりません。勿論教員の教育に対する情熱というものを私は買いたいと思いますが、これらも発展すれば、政治的問題にもなり得ると思いますが、おのずから教員の政治的問題には限界があると思います。若しそうなつた場合、事実の問題をよく見まして、私は判断いたしたいと思います。ここで架空の問題、将来の問題は一応取上げない方がよろしいと思います。
  452. 岩間正男

    ○岩間正男君 ともすると問題が混同されて、今まで情熱を持つて教育防衛なんかをやるという、それが結果としては、政治行動だと言われる。そういうことに利用されることがあつたから、私はこの点をまあ念を押しているのであります。この点についてはまあそれだけにしまして、最後にお伺いしたいのは、特に今度教員の立場からこの問題を取上げられて、非常にこの問題に対する行動をされたのだけれども、効果を挙げることはできない。そこにいろいろな法的な不備とか、そういうことを考えられたと思いますが、こういう点についての要望というものがありましたら、お伺いしたい。
  453. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 今お話のように、私共といたしましては、極力この問題の拒否ということにつきまして努力いたしたのでありますが、尚併し今後も努力いたしまして、何とか拒否ができまするようにということを期待いたしているのでありますが、池上関係におきましては、私ども承知いたしましたときは、すでに建築許可が出ておつた後でございまして、あとはもう営業許可の部面になるわけでありますが、私どもの立場といたしましては、極力営業許可につきましても、一つ関係当局に、善処方については特段の注文を付けて行きたいと考えております。それで私どもとして、この問題に関連して一番困つたと申しますのは、学校環境保持についての制約の規定がないことでございます。何とか一つ学校教育法に、学校環境保全の規定を是非挿入して頂きたいと思うのであります。尚都市計画法だとか、建築基準法等につきましても、制約の規定を入れて頂きたいと思うのでありますけれども、特に学校教育法で環境保持の規定を設けて頂くということが、精神上の問題から申しまして、極めて必要だと思うのであります。御承知の通り学校教育法の施行規則の第一條に、学校を設置する場合の制約の規定はございますけれども、すでに学校ができた後の、この学校環境を保全してやるという配慮の規定がないのでございまして、この機会に一つこの規定を謳つて頂きますと、社会に及ぼす影響が極めてよいのではなかろうか、こういうふうに考えますので、是非とも一つ学校教育法に個々の学校環境保全に関する規定を入れて頂きたい、これが要望の第一でございます。  それから第二番目につきましては、都市計画法だとか、今度できます建築基準法等におきましては、文教地区の設定ということができるように相成つておりますけれども、これはまあ地方の條例で具体的なことは規定されることになつておりますが、條例で規定すべき制限又は禁止すべき建築に関しまして、至急にこの方針なり、細目を確定して、地方庁で條例を設定する際の準拠にするような工夫をお願いいたしたい、こう思いますことと、又仮に文教地区というのが設定されるにいたしましても、御承知の通り東京都内などにおきましては、小学校、中学校は間隔が非常に狭うざいまして、仮に文教地区というふうに指定された所におきましては、建築に関する制限だとか、その他の制約はすることができるかも知れませんけれども、それ以外の所では、そうした制約を受けないということになりますと、個々の学校環境保全という目的が達しられないことになるのでありますから、何とか建築基準法にでも、これは具体的に、学校から何メートルの範囲内ということは決められないと思いますが、適当な距離の環境の整備ということについての制約を一つ規定して頂きたいと、こう思います。  第三番目には、建築基準法の第六條で、建築に着手しまする前に確認の申請をする。そして当局の方から確認をするという段取りになることは御承知の通りでございます。その確認をいたします際に、教育所管庁に一つ会議するような途を開いて頂きたいと思うのであります。昨日も文部委員の皆様方からお話があり、又実情をよくお聞取りになつたと思いますが、この建築許可するにいたしましても、営業を許可するにいたしましても、私ども教育の所管庁は全然関知しないのであります。会議を受けないのであります。ですから、どこにどういう建物が建つて、どこにどういう営業をやるかということは、全然分らないうちにやつてしまう。こういうことでございますので、一つ建築基準法の確認をします際には、教育所管庁に一つ会議をする、歩み寄りをするという途が開かれるようにして頂くと非常に有難いと、かように思つております。大体そういうふうな三つぐらいの要望を持つております。
  454. 山下義信

    委員長山下義信君) あとで他の委員の方から御質疑があろうかと思いますから……。  それでは東京都公安委員長の小畑君から、御証言願いたいと思うのでありますが、風俗営業に対しましての委員長としての御方針を承わりたいと思います。
  455. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) 方針としましては、もう言うまでもないことと思いますが、すでに風俗営業取締法並びにその法に関する條例も出ておりますが、その法律及び條例の精神に則りましてできるだけ良俗美風を助長して行きたい。成るべく東京都を清らかな東京都にして行きたいというのが方針であります。
  456. 山下義信

    委員長山下義信君) 新設の許可等につきましては、委員長としては、只今の大方針に基いて、好ましからん風俗営業者が増加することにつきましては、成るべくそれを抑圧、抑圧という言葉がありますが、どんどんそういうものができないように、許可につきましては、嚴重なる制約の御方針でございましようか。出願のあり次第、ただ單に形式上合法であれば、どんどん御許可という御方針でありましようか。その許可につきましての委員長の御方針を承わりたいと思います。
  457. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) それは私先ほど申上げましたような方針に基いて、これから新らしい願出があつたらどうするかという問題だろうと思いますが、方針はその方針に従つて、できるだけ良俗美風を損せないというふうにして、損するようなものがあつた許可しないというのでありますが、御承知の損通り、これはすべてやることは合法的でなくちやならん、合法的でなくちやならんというのは、いろいろな規定に束縛されますから、今これはいかんと思つても、我々の考え通りに行かん場合も私はあり得ると、こう思つております。方針としては、そういうふうに言うより外ないと思います。
  458. 山下義信

    委員長山下義信君) 大体最近許可の申請状況は、本年度に入りましてどのくらい出願数がございましようか。
  459. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) それは私数は、少し頭が悪うございますから、数はちよつと事務当局から……。
  460. 山下義信

    委員長山下義信君) 大体でよろしうございます。
  461. 大城勇

    証人(大城勇君) お答えいたします。私も今のところ今年中何件あつたか、数字について認識しておりません。飲食関係その他風紀の関係、いわゆる接客関係ですが、風紀に関する営業は相当な数に上つておると思います。これも需給の関係で、やはり廃業したりするものもありますが、最近までの状況では相当増加しておる。そういうふうに考えております。数字をちよつとお示しできないのであります。
  462. 山下義信

    委員長山下義信君) 本年度四月以降、つまり本年度に入りまして、凡そどのくらい、大掴みに何百というくらいの程度はどうでしよう。
  463. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) 私の所管事項で不勉強で申訳ありませんが、現在私のところで接客業者としてカードに載つておるのは、一万二千七十数件だと記憶しておりますが、それが殆んどその数字が需給の関係で大して変化していないのです。して見ると、廃業消滅をするものと増加するものと、数字において余り増加しておるとは考えられません。
  464. 山下義信

    委員長山下義信君) 私の伺つておるのは、業者の新規営業の出願の件数は、凡そ本年度の四月以降でどのくらいあろうかということを伺いたいと思うのです。それがよくお分りになりませんでしたら、数字のことですから、御尤もだと思いますが、その出願しました風俗営業許可願等について、最近不許可になさいましたような事例がございましようか。つまり今年度に入りましてからでよろしうございます。殆んど近頃は不許可にしたという事例はございませんか。
  465. 大城勇

    証人(大城勇君) 個々の問題について検討いたしまして、法律を適用して不許可にしたというのはございませんが、出願のときにいろいろ検討いたしまして、本人か任意は思い止まるというのは相当件数ございます。
  466. 山下義信

    委員長山下義信君) 相当件数ございますか。
  467. 大城勇

    証人(大城勇君) はあございます。
  468. 山下義信

    委員長山下義信君) 一、二の事例で、御記憶のがございましたら、御証言願いませんでしようか。
  469. 大城勇

    証人(大城勇君) 私今記憶に残つておりますのは、或る料理店でありますが、これが今までは普通の住宅として使つておりましたが、非常に大きかつたのであります。最近の財政難から、これを料理店にしたいというようなことで申出がありましたが、それが非常に学校と接近しております。殆んど敷地が隣接するくらい接近しております。業者の方では、如何なる設備も、目隠しでもするから許可してくれというような申出もありましたが、いろいろな角度から検討いたしまして、不許可意思表示をいたしまして、取下げを願つたのを、私は記憶いたしております。
  470. 山下義信

    委員長山下義信君) 最近この公安委員会として、大城証人の御所管になるわけでありますか、特殊喫茶店と言いますか、そういう業態者に対して店舗の構造、規格等についての、かねての都條例の基準を嚴重に励行せられるという御方針、行政上の御方針というようなことでなしておいでになりますかどうですか。そういうお話はございますか、公安委員長
  471. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) それは取締の條例の中に相当やかましい規定がありますから、その規定に則つて取締つておるということを、私事務当局から承つておりまする
  472. 山下義信

    委員長山下義信君) 大城証人の御所管でしようか、例えば喫茶店の土間の坪数等におきまして、狭隘なる土間でやつおるようなものも、ぐんぐん規定通りの拡大、或いは間取りのそういうような変更等を励行させて行く、或る意味においては、そういう業者に対して相当嚴重な、嚴格な態度で最近臨んでおられるというようなことでもありますか。
  473. 大城勇

    証人(大城勇君) 新設或いは承継、或いは建築の構造変更というようなことに対しましては、機会あるごとにこれを営業法並びに條例に基いた規格に直せというように奨励をして、指導しておるのであります。
  474. 山下義信

    委員長山下義信君) 公安委員長に伺いますが、風俗営業取締法の運営上につきまして、何か御感想がありましたら、御証言願いたいと思います。
  475. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) いろいろ私希望としてありますが、差当り今度の池上問題に関連してから思い起すことでありますが、建築法と申しますか、建築を願い出て、それを許す、それが外の一般の住宅とか、何とかは別問題でありますが、少くとも風俗営業用の建築の場合にです、これを全部警察としては沒交渉と申しますか、関係なくして、建築を都庁の方でそれを許可されておるという、これは私は非常なる欠陷だと思つております。この建築法をどういうふうに改正するか、目的は、少くともこの風俗営業に関する建物の願い出のときは、警察と共同で審査して、何と言いますか、私言葉は存じませんが、共同でこれを許すとか、許さんとか協議する制度を設けなくちやいかん、これが一つであります。  それから宿屋です。旅館です。これが現在では衛生方面の公衆衞生の立場からだけで、そうしてこれも都庁の衛生局の取締或いは許可とか何とかが、警察とはまあ関係ないということになつておるのであります。ところが事実において今日旅館を見てみますと、怪しげな、旅館と称して相当風俗に拘わるような旅館があるようであります。こういうものの、やはり宿屋、旅館の取締ということも、これはただ衛生方面ばかりでなく、風俗取締というような方面からして、やはり警察と関係を持つような法規ができなくちや嘘だと、私はこう思つております。  それからもう一つは、我々が今まで関係しております古物商とか、質屋の取締とかいうのは、許可するのに、何かこういう場合は古物商取締とか、許可しちやいけないというようなことが法で決まつておる、ところが風俗営業の方では、それがないと言いますか、どういうのであるか。例えば営業人と申しますか、それがそういう風俗営業の違反をやつて、いわゆる前科者ですね、前科者には許しちやいけないという、本人は勿論であるが、その配偶者がそういう前科者である、風俗営業上の前科者である。そういう者には許しちやいけないとか、それからまあ大体こういうふうな者を許しちやいけないということが特別に謳つてある。古物商の営業とか、或いは質屋などにも、そういうものはやはり風俗取締法のうちに、そういういけないということを特別に私は謳つてやる方が、少くとも取締るについては便利であるように思つております。その意味におきまして取締令を少し改正する必要があるのじやないかという、こういう大体建築の場合と、旅館の場合と、それから特別にいけないというような條項を作るというようなことがあつたら、将来非常に便利である。こういうふうに思つております。
  476. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人今一つつて置きます。今回の池上の問題は、御承知のように相当重大性を持つておるわけであります。その関係者が営業願を仮に出したとしますと、委員長におきましては、十分愼重に御調査、御考慮に相成りますでしようか、その点を伺つて置きます。
  477. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) この池上の問題は、実はあと月の何日頃だつたか、凡そ一ケ月ばかり前だつたと思つておりますが、各方面から陳情書と言いますか、何と言いますか、相当何を貰つておるのでありまして、よほど私その辺は関心を持つておるつもりであります。併しながら今日においては、それに対する意見が吐けない、公安委員としましては……というのは、営業を願い出てない、又そういう書類を私共見ておりませんからいこれに対して公安委員として私はどうするということは今言いかねますが、併し若し出たならば、恐らく出たろうと思いますが、よほど愼重に私はこれは考え行つて、許すとか、許さぬとか決めなくちやならんと、こう思つております。併し私はここで個人のことを申上げていいか悪いか存じませんが、小畑一個としては、私はこの陳情のことは非常に共鳴しております。これだけを申上げて置きます。
  478. 山下義信

    委員長山下義信君) 委員長として伺いたいことは、この程度にしまして、あとは委員の質疑に移りたいと思いますが、通告がございますので、委員議員の質疑を許したいと思います。
  479. 加藤シヅエ

    委員議員(加藤シヅエ君) 小畑公安委員長ちよつとお伺い申上げます。今の御発言で、小畑さん個人としての非常な御理解と御決意のほどを承わりましたのでございますが、今池上の問題が眼前に控えておりまして、我我こういうものができないようにということを願つておりますものといたしましては、この東京都公安委員会が、今度これを願い出たときに、どういうような解釈を下されるかということを非常に注目して見ているわけでございます。そこで私ちよつと伺いたいと思いますことは、今度の願い出をいたしますときに、最初からこれは風俗を乱すものであるという建前で願い出るのでなくして、旅館であるとか、カフエーであるとか、喫茶店とかいう名目で願い出るわけでございますが、ところが私共が十分に、外の前例によりまして想像のできますことは、住宅と称してこういうような営業場を造りまして、そうして例えば喫茶店或いはカフエーというような名目で、そこに一部の婦人達が間借りと申しますか、部屋を借りて住みまして、そうしてカフエーの許された十一時までの営業時間で、そこで客に飲食物を接待するという名目で、その客とお茶を飲んでいるうちに、自分の好きな人ができたという名目で、おのおのの六疊なり、四疊半なりの部屋へ引入れまして、それから先はいかがわしい行為があると、そういうことが明らかに分つているのでございますけれども、それが名目では飽くまでも喫茶店だというわけで、表面は喫茶店であるから、今日の公安委員会としては、これを許さなくちやいけないのだというふうな御解釈をおとりになりますか、それとも外の前例を御覧になつて、そういうものは明らかに風俗を非常に害するものであるというように御判断なさいますか、そこをお伺いしたいと思います。
  480. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) 今のお話はすべて御尤もだと思います。私も同様に考えております。それで今の法規をできるだけ、私が個人として申上げましたような考えに合致するように、現在の條例、或いは法を合致するように解釈したい、できるだけそれを解釈するように、まあ取調中と申しますか、調査中と申しますか、そういうふうに今努力しておるところであります。ただそのカフエーならばいい、併しカフエーを一歩飛び越えたことをやると、(笑声)そういうことは容易に想像されることでありますが、併しそういう集団的にああいうものができるということを私は重視するのですが、これが仮に池上カフエーがたつた一軒できたと考えますれば、私はそう考えませんが、集団的にああいう所にできるということに、私は非常に重点を置いて考え、できるだけ合法的に処置ができるように、私のさつき申上げましたような考え方が実行できるようにと思つて、今極力調査或いは取調中であると、これだけ申上げて置きます。
  481. 加藤シヅエ

    委員議員(加藤シヅエ君) 私といたしましては、小畑公安委員長の今のお考え方に大いに御期待申上げて置きます。これだけ申上げて置きます。
  482. 高田なほ子

    高田なほ子君 大変失礼ですが、小畑さんにもう一度伺いたいと思います。今正業であるというので許可しても、その陰でいかがわしいことが現に行われておる。このことについてはそれを研究して、できるだけその期待に副いたい、こういうような御答弁であつたと思います。併しあの風俗を乱すというような名目で営業を営んでおるところは今日一軒も私はないと思います。今日旅館というような名目で以て、その旅館の中において、問題にならないところに、まあ問題がいろいろ生れて来ておる。例えば大変にえげつない言葉で申上げて恐れ入りますが、一つのべツトの中に男女が入つておりましても、それは何も別に取締る何ものもないわけですが、併しそこで金銭を授受した場合にその取締の法にかかるということになれば、非常に調査研究という点が私は面倒になつて来るだろうと思うのです。まして今日のように都会に住宅が非常にない場合、正規な御夫婦でありましても、どうしても間借りをして暮さなければならない。自分たちのこういう満たされない生活を満たすために旅館に行かなければならないというような深刻な告白を、自分の友人からも聞いておりますから、そういう調査研究に当りまして、非常にむずかしいものがあろうかと思うのですけれども、そういうような点はどういうふうにして処理なさるお考えでしようか。
  483. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) これは池上のことは将来でありますが、既往のこと及び現在のことを申上げようと思います。先ほどこういう方面の何は一万何千、数は申上げかねましたが、相当な数がありまして、そのうちで殊に料理屋なんかで、料理屋の線を越えて売淫行為をやつておる何がやはりあるのです。それは我々の警察の手でそれを摘発したものは、一々公聽会を開いて、そうして行政処分をやつております。これまで数十件、一昨年、昨年からですか、その公聽会の制度を実施しておりますが、それでおつしやる通りにこの問題は非常に困難な問題であります。困難でありますけれども、美風良俗を守るについては困難を冒しても、これを実行しなければならんというふうにみんな努力をしております。ただ池上の所がいかんと言いますのは、私はあそこにそういうものができないように努力したいと思つておりますが、併し合法的でなくてはいけませんから、これは私が申すまでもないことでありますが、そこに今非常に簡單にそう言つてのけられない事情があると思います。
  484. 山下義信

    委員長山下義信君) この際申上げます。只今証人として東京都副知事岡安彦三郎君が出席されましたので、この際証人としての宣誓を願うことにいたします。御起立を願います。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕     宣誓書   良心従つて真実を述べ、何事かくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 岡安彦三郎
  485. 山下義信

    委員長山下義信君) 御着席を願います。  それでは只今出席されました東京都副知事岡安彦三郎君を含めまして、皆さんから御質問を続行願います。
  486. 高田なほ子

    高田なほ子君 口六どうしてもこれは合法的でなければならない、これは全くその通りであると思いますが、午前中の中井建築局指導課長の御証言によりますと、池上の問題は売春行為がなければ今のままでいい、そのために旅館業に改めさせて、そうして規定の通り坪数も三坪にしたというようなことを言つておる。飽くまでも合法的にして、これを押し切ろうというような、甚だ非良心的な回答を我々聞いて納得が行かないところなのであります。こういう悪辣な官僚のために、公安委員長がこれを合法的だからといつて、見逃さないようにして頂きたい。その合法の限界については、先ほど申上げましたように非常にむずかしいと思う。例えばその売淫であるか、そうでないかというのは、現場を見なければどんなに取締つても、お巡りさんが三百六十五日、一晩のうちに何万人か泊つている、それを番しておるわけに行かないのですから、これは非常にむずかしい問題だと思うのです。こういう点について本当に慎重に御審議下さいまして、單に法文の上の合法的ではなく、社会的な道義的な責任をも負つた意味の合法的というふうに私は解釈して貰いたいと思いますが、どうですか。
  487. 小畑惟精

    証人(小畑惟精君) おつしやる通りであります。今の御注意は有難くお受けいたしますが、おつしやるまでもないと私は申したいくらいです。そういう場面まで、違反まで行かないうちに、到達せないようになるようにと今考えております。
  488. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 加藤さんにお伺いしたいのですが、都の教育行政の立場から、非常にこの問題について心配された点は、先ほどの御証言でよく分つたのでありますが、尚将来に対するいわゆる法的な措置についての御希望も私御尤もだと考える次第であります。ただ今池上の問題は現実の問題でありまして、この問題に九月から一生懸命努力されたその点が述べられたのでありますが、何が一体これを解決しない原因になつておるか、いろいろ建築局その他の方面への反対の申入れなどもされたようでありますが、そこで言い出された原因についてお伺いしたいと思います。
  489. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 申上げますが、御承知の通り権利を制約しまするためには、法の根拠がなければならんことは御承知の通りでありますが、現在のいろいろな規定の上では、あの池上のあれをはつきりと制約するところの法の根拠がないということを発見いたしたのであります。でありますから、先ほど申しましたような、ああいう一つ法的措置を、将来ではありまするけれども、泥縄式かも知れませんけれども、是非とも作つて頂きたい、こういう熱烈な気持を持つわけでございます。
  490. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 法的な措置がないために非常に困難だということはよく分るのですが、いわゆるこういうふうな問題が、八月から反対運動というようなものがなされておるに拘わらず、すでに現実においては昨日見たような建築が行われておる、そういうふうな出願者方面との或いは懇談でもよし、そういうふうなことをなされたことがありましようか、その点について。
  491. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 出願者との懇談はいたしたことはございません。
  492. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 それでは出願者の意向はどういうふうなものであつたかということを、何かによつて察知されたことがありますか、この点。
  493. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 出願者の名前、それから資本系統等を、これははつきり聞いておらんのでありますが、人ずてでありますが、聞くところによりまして、大体どういうことが行われるか、どういう目的で建てたかということは推察いたしておりました。
  494. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 この問題は法的な措置とか、そういうふうな方面ではもうすでに不備な点があつてできないことは明瞭なんでありまするが、先ほどの、午前中の建築課長さんの話から見て、虞れありとしてはり不認可ができないと、こういうふうなことで、建築方面から見ても法的にはどうにもならない。併し私は残されている問題は、結局かくのごとく問題になつているのに拘わらず、建築が進められておるところのこの出願者側の意向が納得の行かないところがある。これらの点については、この問題を特に心配されているのは、教育のことを扱つているところの教育行政官であろうと思うのであります。そういう点からもう一歩切込んだ一つの対策というふうなものを今後お考えになるかどうか、こういうことについてお尋ねいたします
  495. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 只今の御指摘の点は十分承つて、よく考えて見たいと思います。
  496. 若木勝藏

    ○若木勝藏君 大城さんにちよつと伺いたいと思うのですけれども、先ほどの御証言で以て、私は午前中から伺つておる御証言のうちで、相当はつきりした御証言があつたように思うのであります。つまり願書によつて虞れありとすれば善処する。その善処が許可の上から考えて見て、人的或いは物的、場所的、そういうふうな立場から十分に検討した上にしたいという、その点をもう少し具体的にお伺いしたいと思うのであります。善処の内容につきまし……。
  497. 大城勇

    証人(大城勇君) 先ほどから申しまするように、私はまだ出願を受けておりません。この内容につきまして、私はここでとやかく言えない、又どうするかと結論を聞かれても、私お答えができないのであります
  498. 木村守江

    ○木村守江君 ちよつと松澤証人並びに加藤証人にお伺いいたします。池上の問題ですが、あれは教育上非常に支障があると認定したと了承して結構でありますね。
  499. 松澤一鶴

    証人(松澤一鶴君) その通りに考えております。私は同意見で最初から絶対反対で、いろいろ処置を進めて来ております。
  500. 木村守江

    ○木村守江君 では岡安副知事にお願いしますが、今朝、午前中の証人の話を聞き、それから我々昨日現地に参つていろいろな話を聞きまして、大田区としては殆んど区長並びに区会議員全員がこれに反対しておる。殊に区民の八〇%は反対をておるというような状態であります。それから東京都の公安委員長のあの力強い言葉、又教育委員の松澤氏、或いは加藤次長等の話を聞きましても、これは教育上非常に支障があるというふうなことに立つておるのでありまして、ただ午前中の建築局の指導課長の話では、商業地区であるというために許可をしたというようなことで、これは庁内の各課の意思の疏通を得なかつたというようなことが窺えると思うのです。それでこれに対して岡安副知事は、この問題は全く庁内の各課の意思の疏通を得なかつたために起つた問題だと御認定されますか。
  501. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 只今質問池上の問題でございますが、私らも実はこの問題が起きまして、非常な世論の反対と、盛んに論議されていることを了承するのであります。ただ午前中に私の方の中井指導課長が答弁したと思いまするが、現在の法規上から行きますると、これは許可せざるを得ない、こういうことに相成つておるように私も考えております。現に東京都にはとにかく六百何十万おりまして、毎日々々かような認可、許可の申請がございますので、勿論一件々々につきましては、それぞれ慎重な調査をしまして許可をしておりまするが、今回の場合につきましては、聞きまするところによりますると、許可の申請が来た場合に、建築局としましては一応内容を調べて見た。ところが前にやつてつたのは余り芳ばしくないようなことをやつてつたが、今回はそれを全部止めて、まともな商売をしたいんだ、こういうことで来た。而も一々聞いて見ると、前にやつてつたことが決していい商売でない、又そういう時世でもないのだから、ここでやるのだと、こういうことになつたので、而も法規的にはこれは別に禁止することもないので許可した。こういうことになつておるように聞いております。そこでこの問題が非常に大きくなりまして、学校の前に、少くともかような小学校教育をする場所のところに、いかがわしいことが行われるであろうと思われるような種類の建築物が建つたということにつきましては、私らも道義的には何とかして廃止したいという気持は持つております。併し今申しましたように、東京都知事としましては、一応の法規的の誤まりがなく、正当な申請でございましたので、許可して現在にある。こういうことでございます。  ただ今申しましたように、私がこの問題をこのままでよろしいかと言いますれば、これは何とかして止めさしたいという気持は持つております。現に東京都議会におきましても、この問題を非常に重要視しまして、これについて都の理事者は善処をしろ、こういうような決議も貰つておるようなわけでございますので、この善処の内容その他につきましては、速急に私らの考えをまとめたい、こういう気持で只今おる次第であります。
  502. 木村守江

    ○木村守江君 只今の御答弁で、あの池上の地区でまともな商売をするというために許したという、若しもいかがわしい商売であつてはいけない。あすこにはいかがわしい商売の店を造ることには不賛成だというふうに了承して結構でございますね。
  503. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) その通りでございます。
  504. 木村守江

    ○木村守江君 それでは実際問題といたしまして、あすこにまともな、真直ぐな恥しくないような商売が一遍に十五、六軒できて、商売をやつて行けるとお考えになつておりますか。
  505. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) この点は私業者でございませんので、どういう経営をしてよいか、その内容によりましては、或いはできるという見通しの下にやつたんじやないかと思います。勿論先ほども申しましたように、私らとしましては、あすこにカフエーをやるというので、カフエー許可をとりましたので、カフエー以外のことをやりますれば、これは又別の観点から取締りならやれる。又宿屋としまして許可しましたのですから、宿屋以外なことを仮にやるとしますれば、別の方面で私ども処置をとりたい、こういうふうに私ども考えております。
  506. 木村守江

    ○木村守江君 失礼ですが、岡安副知事は現地をお見になりましたか。
  507. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 私新聞で拝見した以外、まだ見ておりません。
  508. 木村守江

    ○木村守江君 恐らくはそうだと思うのですが、あの土地行つて見まして、あすこに一遍にあれだけのどういう業態だか分りませんが、ああいう飲食街を作つても、あの現在のままでは到底誰が見ても、まともの商売ではやつて行けないということがはつきりするだろうと思うのです。それは勿論お願いに出るときは、これは拝んで頼みますので、まともな商売をすると言わなくては許しつこないのですよ。そこなんです。結局はそれをもう少し考え許可をしていたら、こんなことにならなかつたと思うのですが、まあ今になつてしようがありませんが、只今言われました通り、これは教育上の大きな問題だと言つて、東京都の教育委員会反対しております。それから公安委員長初め公安関係方々も、これは由々しき問題だということを言明されております。これは商業都市という点から、或いは單なる建築法の建前から、許されざるを得なくなつて許したのかも知れませんが、これは本当にすべての東京都の、都という考え方から、大きな見地から取上げて再検討して、そうしてでき得るだけ東京都を清らかにして行くという方法をとるのが、私は東京都の、そう言つては口はばつたいのですが、都知事の進むべき道だと思うのですが、如何ですか。
  509. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 私らも先ほど申しましたように、この教育に及ぼしますもの、非常に重大なる影響があるということは、こういうことは考えました。とにかくできてしまつたものは、今、委員さんのおつしやるように止むを得ませんが、これに対して今後、これからできますものは勿論この考えを入れて、法規的にも何か考えて行きたいと思つております。現在のこの池上につきましては、事後措置におきまして、そういうことが起らないようにして行きたい、こういう気持を持つております。
  510. 木村守江

    ○木村守江君 それでは只今のお話はこういうふうに了承して結構でございますか。この池上の今の建築許可をして建築をした業者には、いわゆる教育上支障のあるような業態を営ませない。営む場合には、これを断然禁止する決心があるというように了承して結構でありますか。
  511. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 勿論カフエーであり、旅館でありますが、カフエーとして一般に通用しまするカフエーならば、これはよろしいと思います。又旅館も普通の旅館としての旅館といつておるなら、これはよいと思いますが、少くともいかがわしいことをやつているということになりますれば、これは私らの建築許可をした以外のことでございますので、こういう点につきましては、都の権限で行きませんければ、警察法規等の関係からでも差止め得るのではないか、こういう気持を持つております。禁止するとか、しないとかいうことは、法規的にはできないと思いますが、そういうようないかがわしい行為が仮にありますれば、別な面で取締り得る、又取締らなければならんと、こう考えております。
  512. 山下義信

    委員長山下義信君) ちよつと委員長として念を入れて置きたいと思うのですが、岡安証人の先ほどの証言には、池上の現実のこの問題は、成るべく中止させるように都議会からの要望もあるので、都としては、都知事としては計画を中止させるような方向に善処すべきものと考える、こういうような証言が前段にあつた。今木村委員質問に対しましては、やつて見た上で、どうもいかがわしいことをやるようだつたらば止めるかも分らないというように、事後の措置のように証言がとれたのでありますが、証人考えは、この池上計画を中止させるように善処するという前段の御証言は、それに相違ありませんか。今一点念を押します。
  513. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 先ほど私が都議会が善処するようにと言つたのは、取止めさせるということではないと思う。これは法規的にはとにかく建築許可になりました。ただそれが営業許可されました以外のことをやりました場合には、この営業を或いは禁止できますと考える、こういう意味でございます。そういう意味に都議会の善処ということは、私は考えております。
  514. 山下義信

    委員長山下義信君) まだありますか
  515. 木村守江

    ○木村守江君  一つだけ
  516. 山下義信

    委員長山下義信君) どうぞ。
  517. 木村守江

    ○木村守江君 簡單です。繰返しますが、本当に常識的に考えて、あそこでまともの商売はでき得ないということがはつきりしている。あの近所の人が誰もがそういうふうな考えに一致するのです。そういう点から、やつて見ればというようなことでは、私は本当に悪い人間を作つてしまう、処罰する人間を作つてしまうということになるのじやないかと思う。本当に誰が見てもそうだと思うときには、先に作る前に、而も教育的に効果のある方法をとるというのが、やつぱり都としての進むべき途じやないかと思うのですが、御意見如何ですか。
  518. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 先ほど私が申上げましたのは、法規的に勿論許可になつておりますが、今木村委員の言われたような方法も、私らも勿論今後考えて行きたいと存じております。ただ今も申しましたように、それじや東京都知事の権限を以て禁止できるかということになりますというと、これはむずかしいと思いますが、成るべくやつてしまわない前に、そういう何か法規だけでなく処置がとれますればとつて行きたい。こういう気持は持つております
  519. 山下義信

    委員長山下義信君) 証人に伺つて置きますが、都知事の権限の中に、すでに認可をいたしたものを取消すことができる権限がありますかどうか。
  520. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) この点、私実はまだ法規、建築法のことをよく知りませんので、実は今私の方の中井課長が参つておりますので、中井課長から答弁させたいと思います。
  521. 松原一彦

    ○松原一彦君 岡安証人にお聞きします。午前中建築指導課長という方の証言がありましたが、建築指導課長という、指導という字の付いている職責はどういうものでございましようか。これを一つ
  522. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 東京都の建築の一切の許可、認可、或いはいわゆる何か建築関係で聞きに来られたときによく教える。こういうふうに私どもの指導課というものはやつて行く、こういうふうつになつております。
  523. 松原一彦

    ○松原一彦君 すでに指導課という名が付いている以上は、建築上の指導というのは、單なる法規的な指導ではなくて、東京都における、いわゆる日本の首都における建築理想に対する私は広義の指導があるべきものだと、こう思う。そう考えて差支えございませんか。
  524. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) その一面も確かにあると存じます。
  525. 松原一彦

    ○松原一彦君 指導課長の言われるところによりますというと、二年以上指導課長の職に付いておられるそうであります。それならば、東京都における建築が如何なるものであるかは疾くに御承知の筈であります。玄人であります。今回出願しました池上の十五戸が、図面の上から見ましても、これは普通の建築でないということは疾くに御承知だと思う。はつきり分ります。私のような素人でも、現場に行つて見て、家の中を見せて貰つていろいろ説明を聞いて見るというと、これは普通の家ではございません。はつきり分る。而もそれは十五戸も集団であり、尚将来五十戸にまでなろうとしている。念のために私は当日、十一月十日でございますか、本場の鳩の町というものを見せて貰いました。この建築様式は全く同じであります。あそこには九十六戸の集団の鳩の町ができております。その様式とやや違うところは、踏み込みの下部の土間が狭いということ、三階は同じであります。三疊、四疊半を並べて、壁の仕切りであります。苟くも二年以上東京都の建築の指導に当られだ玄人の方が、そこに出願したものが、如何なる意図の下にどういう営業をしようとして出願して来たかをば御承知にならない筈はないと思う。而も及ぼす影響の非常に大きいかような集団建築に対して、上司に相談することもなく、課長の一存を以てこれを代決して許したということはどういうことなんですか。一体そういうことができるものかどうか。非常に大きい影響のあることは、本人の良識ではつきり分つていることと思つております。あとで取消しが付かない。合法的な許可であるから仕方がないと、証人はさつきから繰返してお述べになりますが、そういう商売、風俗をば廃頽するような商売をしないということを本人が誓つたからということは、私は問題にならんと思う。それは現に新田で以てやつている人々のその前歴がはつきりこれを証明しております。又その実例は鳩の街にはつきりあるのであります。併しそれをどんな素人が見ましても、住宅街の真中に、学校を見上げる所に、かような集団の特殊飲食店をば作るということを出願した場合に、東京都の建築指導課長が上司に相談することもなく、ただ業者の一片の、さような行為はしないということを楯に取つて、そうして代決をしてこれを許すというようなことが、東京都においてはお認めになられるのであるか、私は証人の御意見を伺いたい。
  526. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 先ほどちよつと申しましたように、東京都には六百二十万もおりますので、殆んど毎日建築の申請が出て参つております。従いまして一々局長の決裁をとるということりは、殊に大きな問題、大きなというのは坪数の問題、大きな坪数の問題であるとか、或いは特殊な本当に変つたものである以外は殆んど課長が代決をしておる。これは終戰以来やつておりまするが、今まで実はそれほどの失態もなかつたのであります。ただ今回に限りまして、学校の近くにかようなものを、いかがわしいものを許可したということにつきましては、私も課長はもう少し愼重であればよかつた考えておりまするが、今までは実例は大体課長が一々局長に相談するということは殆んど稀でやつているような現状でございますので……。
  527. 松原一彦

    ○松原一彦君 岡安証人がさつきからの御証言の中には、合法的な出願であり、建築上に違法がなければ、これは許可するのが至当であり、又今後業者がそういうことはしないと言えば、やらして見たあとでなければ、これを取り消すとか、禁止するとかいうことはできないと、こういう理窟詰めのお話でありますが、私はこれは非常に遺憾とするものであります。ここは討論をするところではございませんけれども、そういうふうに物をば單なる法規の上でのみ見たときに、かような失態が起るのであります。これは六百二十万の人口があつて、毎日出願があるからして、東京都としては局長があつでも課長専断でやらせることにしておるというならば、局長は要らんのであります。何のための局長です。(拍手)苟くも誰が考えて見ても、あれは集団の特殊飲食街であることはもう明瞭である。どういう素人が見ても明瞭なんです。将来十分問題を起す禍根は明らかにここに示めされておるに拘わらず、これを六百二十万の人口があつて、毎日数件の建築があるというものの中に入れるほど非常識な指導課長ならば、指導課長の価値はないのです。それならばもう局長は要らんのであります。苟くも局長を置いてある以上は、かような沢山あると申しましても、東京に何百戸あるのじやないのであります。かような集団地は鳩の町が一つ、玉の井から脱却して、やや向上した鳩の町ができて、これが見本を示したのであります。その見本が今移つて来つつあるので、これは特例である。そんなに沢山あろうとは私はまあ存じません。寡聞にして存じません。だからしてさような特例地が、ここに池上の門前にできる、学校附近にできるというようなことがあつた場合に、あとでこういう大きな社会を騒がす問題となるのでありますから、私は東京都の建築方面のかたは十二分にここに責任を御自覚になつて、善後策をお講じになる必要があるように思うのであります。又これは法規の問題じやありません。政治の問題、東京都知事の政治の責任であります。法規で解決のできないことも、談合によつて、協力によつて解決すれば、私は解決のできる問題が沢山あることを承知いたしております。かような意味でさつきから木村氏も言葉を盡して、これを未然に解決するようにおやりになる御意思はないかということをお尋ねしておるのでありますが、すでに許可しておるのであるからして、やらして見て、その上で解決すると言われることには、私は非常な遺憾を感ずるものであります。かような点におきまして、副知事は御決意はありませんでしようか、どうでしようか。
  528. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 先程私は木村委員の御質問に対して、法規では一応許可した、併しできるならば、これをやらせないようにしたい、こういうことを申上げた筈でございます。従いまして只今の松原さんのお考え通り私はやつておるつもりです。又私の方の局長、課長のことにつきましてのお話がございました。これは私又よく考えて行きたいと思つております。ただこういうような大きな問題を起したということにつきましては、この点は先ほど申しますように、今少し愼重であつたならばよかつたということだけを申上げて置きたいと思います。
  529. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 加藤さんにお尋ねしますが、池上の問題外に、学校の近くにこういうところがもうすでに建つてしまつてつて、非常に教育上お困りになつておる。昨日お聞きしますと、何か子供がパンパン遊びなどをやつている所があると、こういうふうにお聞きしたのですが、現に学校の近くにこういう池上のようなところが建つておる、そういうのがどのくらいございましようか、東京都内に。
  530. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 何ケ所という数字は今はつきりいたしておりませんが、学校の近くに今例示されましたようなところがございまして、問題を起しておりますのが、葛飾の亀有にあります。ここではお聞き及びかと思いますが、小学校の近くにやはりこういう場所がございまして、公衆風呂で小学校一年の子供が悪い病気に感染した。こういうことで今地元PTA婦人会などが非常に困つた問題として取上げようということで動いておる事実があるのです。
  531. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そういうところができてしまつて、而も亀有の問題で見ますと、子供さんが淋疾に冒されたことが新聞に出て、私ども承知したのですが、それでそこの亀有の方たちは非常に騒がれたわけなんですが、あなたの方として、そういうところが前にできたわけなんですが、そういうときに、こういうように何にも騒がずにおつて、あなた方が知らずにおつてそういうものができてしまつた、こういうふうに私たちは解釈していいでしようか。
  532. 加藤清二

    証人(加藤清二君) さようでございます。ああいうものができます際には、私の方へは話がございませんでした。どこがどうなるか、まあ関係において他動的に知ることがございますけれども、向うから、こういうことがあるからということで承知さして貰うということまでにはなつておりません。
  533. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 そこであなたの方は、そうしてできてしまつた、そうして法規には御承知のように、学校の側に作つてはいけないのだ、そういう持ち前だけ挙げて、だからもう泣寝入りしているのだ、こういうふうに教育庁さんの方ではそういう解釈をされて、亀有の問題については、あなたの方から例えば積極的にああしたものを除去するとか、或いは止めて頂きたいというような積極的な運動とか、そういうようなイニシャチブをあなたの方でとられたことがあるかどうか、こういうことです。
  534. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 亀有の問題でございますが、実はその母親が私のところへ参りまして、自分のPTの会長に、この問題をPTの問題として取上げて貰いたいと言うて申出たところが、それは政治問題だから取上げるわけには行かんと拒否されたので、教育庁の方から、一つそれを取上げるように命令して貰えぬか、こういうことでございました。こちらからPTAの会長に対して、そういう問題を取り上げなさいということは命令することができませんが、一つそういう問題は、政治問題として、PTAとして取上げてならない問題じやない、これはPTAの問題として取上げる恰好な問題じやなかろうか、一応一つ会長さんだけで、とるとかとらんとかいうことは決めるべきものじやない。一遍総会でも開いて皆さんに諮つたらどうかということを申上げましようということで、その方途をとりました。今申しましたような泣寝入りは決していたしません。我々としてはできるだけは取上げたいということを努力いたしております。
  535. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 この淋疾のことに関して大城さんにお尋ねしたいのですが、あなたの方はそれに対してどういうような手段を講じられて、そしてもう二度とそういうようなことのないように万般のことをされたと思いますが、具体的にはどういうことをされておりますか。
  536. 大城勇

    証人(大城勇君) 私も昨日、一昨日の新聞を拝見して、そういうことも承つておるのでありますが、その具体的な事項について存じていないのであります。
  537. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 保健所の方でも大田区になるから分らんわけですね。そうしますと、加藤さんがおつしやつたのは、加藤さんは三点意見を、先ほど学校環境保全ということにつきまして、希望があつたということでありますが、できたどころに対しても、やはり取り除くような規定を設けて欲しい、そういうことは私は多分にあなたの方で、今までいろいろなことをおやりになつて、お困りになつておることがあるのだろうと思いますが、どうでありましようか。
  538. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 私たちの立場から申しますと、学校保全の立場から、困るものは取り除いて頂きたいという條項を是非入れて頂くのは有難いと思つております。
  539. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 簡單に岡安証人に、その保全の必要をもう一歩突込んでお尋ねします。街にパンパンが歩いておつて、それを追拂うと、夜学校の教室の中に入つていかがわしいことをして、朝生徒が学校へ来て見ると、いろいろなものが落ちておる。街を通つている娘さんはパンパンか娘さんか分らない、こういう敗戰後の社会情勢というものがもたらした、国民の一部の人は文化国家建設などと言つておりますが、その感覚の愚劣低級さというものがもたらしたものである。又との行政官が指導の立場で感覚的に優れていればいいのでありますが、そういう社会情勢の下に麻痺してしまつて、又行政官の感覚の低級さというものがもたらしたものであると、私はこう考える。現在我が国が自立しようという現段階に、お互いがこういう悩みを、苦悩を続けているのが今の姿だ、私はこう考えるが、結論的には将来それほど感覚がしびれて分らない国民ならば、立法府でこれでもか、これでもかとがんじがらめに縛るような法律を作らなければなりますまいし、又そういう線に沿つて行政官の教育もやらなければならない。こういう池上事件をきつかけにして、一つの覚醒剤になつて、全国的にこういうことが起れば、私はこの公聽会も意味がある、こう考えているが、当面の問題としては、池上にあの姿を実現させるか、させぬかということにある。午前中にもいろいろ伺いましたが、法律にいろいろ不備なところがある。又そういうものを作るという人の感覚も想像に難くない、或いは木村さん或いは松原さんから大分突込んで質問があつたが、中井指導課長の答弁からしても、ああいう立場から言うならば、相当の計画と多額の人件費を使つてしよつちゆう見張りをさせなければ防げないと思う。そういう角度から池上には実質的には歓楽街が実現するということを懸念する、そういうプロバビリティは多いと思う。もう一歩突込んで、岡安証人の決意のほどを伺いたいのですが、こういう転換期には相当犠牲を拂わなければいけないと思う。確かに私は指導課長だけをひどく責める気持はありません。大体敗戰後のずつと慣例から、ああいうことをとられたと思うが、大体現在としてはあまりにも事態が重大で、立ち直ろうとして苦悩していると私は見てとつたのでありますが、そこで設立した人としては、確かに合法的には許可も得て造つているという言い分もあると思う。相当に私は過渡期の犠牲を拂わなければいけないと思うが、都として、具体的に申上げますと、本人が聞かなかつたら、それを買收して住宅にするとか、或いは相当の都として転換期の犠牲を拂つて、そうしてあすこに実質上できないような経済的な犠牲もある程度拂つても、東京都のため、将来のため、今後法律でそういう点は適正に指導できると思うが、この過渡期に犠牲を拂つても東京都のためにも、全国のためにも、これを阻止しようという堅い決意がありますか、ありませんか。あれば結構でありますし、伺いたいと思う。
  540. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 先ほどから東京都の知事としましても、この問題が未然に防がれ、学校の近くにああいうものがなくなるということを希望しておることは申上げました。ただ法規的には一応成立つし、これをできるだけ造らせないで済むような方途を考えたいということを、先ほどは申上げました。ただそれではその方法をどうするかということになりまして、東京都が金を出して買收したらというお論も、又確かにそういう点も考えられますが、これはなかなかそう簡單に行きません。私の考えとしましては、あすこは大田区でございますので、大田区の区長であるとか、或いは区会地元の人々とよく懇談しまして、これを未然に皆さんが御懸念するようなことのないようにして行きたい。こういう気持を持つております。
  541. 高田なほ子

    高田なほ子君 加藤さんでも松原さんでも結構ですが、お答え願いたいと思います。子供を守るために地元PTAの方、そうして良心的な先生方が立上りまして、今日このような大きな波紋を起しましたことは、このことは非常に全国の子供を守る上において偉大な一つの功績であるということを考えている者の一人であります。併し私が一番この中で悲しんだ問題は、地元の多くの先生方の中に、こういう問題に携わると、教員がレッド・パージにかかる虞れがあるから、これはもう当らず触らず黙つて引込んでいたほうがいいというような、非常に消極的な意見を持つてつた先生も非常に多いということを聞いているのでございます。曾てアメリカの教育使節団が勧告をいたしまして、教師が真の能力を発揮するためには、最も自由な雰囲気の中に教師を置かなければならない。そうしてこの備えをなす者こそ、外ならん教育行政官の任務であるということを痛烈に指摘しておりますが、私は今日の教師は、社会的な或いは政治的な責任を、極東委員会教育指令が指摘するまでもなく持たなければならない問題と考えているのであります。併しながら先ほどの松澤さんの御証言の中に、私の解釈がまずかつたせいかも分りませんが、教員の政治活動についてはおのずから限界がある云々ということがありましたが、この教育を守るために、子供を守るために、教員が真のその運動を展開するに当つて、これが政治活動であるというような封印を捺されることは、日本の教育革命にとつて非常に重要な支障になるということを、今度の例によつて私は痛切に考えさせられた一人であります。この点についてどういうような御指導をなさるつもりか、御両所に御意見があつたら伺いたいと思うのであります。
  542. 松澤一鶴

    証人(松澤一鶴君) 御意見誠に結構でございますし、又現地の特に教育に携わつております教員からも、そういう声が挙りますことは、私たちとしても歓迎すべきことであると思つております。併しこれを如何にその運動を展開して行くか、実施して行くかについては、おのずから教員としての限界があるだろうということを考えております。勿論教職員としての職責を十分盡す一つの方途であると思うのでございます。教員は尊い職責があると思います。従つてそれらの方途については十分考えて貰わなければならんと思いますが、勿論こういつた問題について、これを止めるがごとき、或いはそういつた意思を殺すがごとき指導はいたさぬつもりであります
  543. 藤原道子

    ○藤原道子君 私只今副知事から非常に良心的な御答弁がございましたので、これ以上突込む意思はございませんけれども、尚一つだけ私は伺いたいことがございます。先ほどの証言の中に、業者がそういうことをしない、成規な理由許可申請をして来たから許可したのだというようなお言葉があつたのであります。併しこれについて法的に許可しなければならないという意味で許可したということでございましたけれども、この例は幸い池上地元のお母様方が先頭に立つてこの運動を起しまして、ここまで輿論が上つて来た。併しながら亀有の問題でございますが、この亀有のときにも業者はそういうことをしないという誓約の下にあれを許可されたと、私は聞いているのであります。ところがそれは今日第二次拡張計画、第三次拡張計画、駅へ降りますと、亀有歓楽街、その大きな看板の陰に小学校が肩身狭げに建つているというような現状になつております。小学校子供たちはこの歓楽街を通つて、パンパン宿の中を縫うように学校に通つているのが多数あるというような状況であると、私は聞いております。これらに対して、最初申請したときと内容が違つたときには不許可にする、取締ることができるというようなお話でございましたが、現在の亀有のあり方に対しまして、あのままでよろしいというようなおつもりでおいでになるのでございましようか。私は首都東京といたしましても、ああいうものが方々に現われて、子供の問題が軽く扱われておるように考えまして非常に淋しいのでございますが、その点前言と違つた、その取締というようなお話があつた点から見まして、御証言願いたいと思います。
  544. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 一応先ほど来申しましたように、私は法規的に完全に参つて申請がございますれば許可する、今までは許可して参りました。ただ今回の問題につきましては、若しも目的外であれば、これを取締ると、こういうことを申上げた。池上の問題は、更にこれをやらないように今後努力すると、こういうことを申上げた。只今亀有の問題が出ましたが、実は私亀有がどういうふうになつておるか存じません。恐らく若しもカフエーとして許可になつたものが、いかがわしいという声がございますれば、これは警察法規で以て取締り得ると思つておりますので、今後警視庁当局によくこの点は御調査なり、何かさせたい、こう考えております。
  545. 藤原道子

    ○藤原道子君 今度は教育庁の方にお伺いしたいと思います。新聞であれほど騒がれておりまして、学校の近くにあるのでございます。見下せるところにあるのでございます。これに対して教育庁では何らお考えになつておいでにならないのでごさいましようか。亀有の方の問題、それから子供が、殊に小学校子供が性病にかかつている、あれだけ騒がれておるのに、それらに対して初めて耳にしたというようなお言葉に対しては、私は誠に遺憾に堪えないのでございます。この点一つお伺いいたしたいと思います。それから今一つは、警視庁の保安課の方にお伺いしたいのでありますが、特殊料飲店と言われるものの営業時間は、何時までとなつておるのでございましようか。
  546. 加藤清二

    証人(加藤清二君) 教育庁の方といたしましては、ああいう問題が起きたのでありますが、先ほど来いろいろ話が出ておりますように、法規の根拠の下にあれを制約を加えるといつたようなことができない現状でありますので、私どもといたしましては、許可した方面に対しまして、聞くところによりますと、許可したときの條件を履行していないような点があるそうでありまして、この点を衝いて一つ善処方についてよく交渉いたしたいと思います。
  547. 松澤一鶴

    証人(松澤一鶴君) 只今の御質問に対しまして、私からも一言附加えさせて頂きたいのでございますが、これは先ほど加藤教育次長から申上げましたように、学校を造るときには十分に環境考えて作らなければならんという規則はあるのでございます。併しながら一旦できました学校に対して、周りに何を造つて学校の方からは何も言えないということから、今のような現状が起つておる。これは特に今のような特殊飲食街といつたようなもので、今回非常に問題になりましたが、従前にも、私共が就任しましてからでも、例えば学校のすぐ側に職業野球の球場を造るというような問題が出て、陳情を受け、法規を研究しても、この際教育委員会としては何することもできないといつたようた片手落ちな状況にあるのです。それを先ほど次長からも法規的にも十分な、我々の方にも力と申しますか、法規の権限も與えて頂かなければならないのではないかということをお願いいたしたわけであります。尚附加えさせて頂きますが、この今度の問題につきましても、私の感想といたしましては、今回一番問題になりました、我々として一番困難を感じました点は、合法的であつたということでありまして、すべて合法的の一語において我々監督することができないような状況になつておる。而してこの飲食街なるものも、或いは旅館にしても、カフエーにしても許可するものでありまして、許可する当人が本当に常識を働かせて貰つたら、本当に常識を働かせて貰つたら、こんな騒ぎを起さない問題であつたとしか考えられない。まあそういつたようなところに今後法規というよりは、むしろ東京都をよくする良識問題、これを取上げて頂いて、又仮にそういつた点で分らん点があるならば、我々にも相談を受けるような機会を與えて頂くといつたような意味で、多少の法規を改正して、我々にも発言する権限を與えて頂きたい。こういう趣旨でございまして、まあこれらの問題も誠に先ほどもどなたかから発言がございましたが、これはただ合法的であれば、良心を抹殺してもいいという問題ではないと思います。この際特にこれを天下に訴えたい。私も東京都の教育に関しては、輿論を代表しておるつもりでございますが、そういう意味において大きな被害者として、この際訴えたいと存じます。
  548. 山下義信

    委員長山下義信君) 特殊飲食街の中で、営業時間について大城証人から……。
  549. 大城勇

    証人(大城勇君) 私から、特殊飲食店その他に拘わらず、特別営業法施行條例では十一時までということになつております。
  550. 山下義信

    委員長山下義信君) 朝は何時ですか。ちよつと簡單に……。
  551. 大城勇

    証人(大城勇君) 朝は規定がございません。
  552. 藤原道子

    ○藤原道子君 十一時までという法規になつておりながら、殆んど終夜やつておるような状態でございます。法規はそうなつておるのに、これに対して取締はどのようになされておるか。それから法規々々ということが先ほどから非常に問題になつておりますので、この頃法律を無視する傾向があり、一方においては、都合によれば法規によつて逆げられるということがありますので、この点を伺いたいと思います。それから特にここに出ております新田のカフエー協同組合の状況などでも、従業員の賄料が、移動証明のない者に一日五十円徴收するというのがれいれいしく出ておる。今日移動証明を持たなけば動かれない筈でありますが、れいれいと出ておつでも、そのままになつておるのはおかしいと思います。
  553. 山下義信

    委員長山下義信君) 今の取締について御証言を願います。
  554. 大城勇

    証人(大城勇君) 私どもの直接の取締は、所轄警察署長をしてやらせておりますので、個々の具体的な問題につきましては、ここで私は明確にお答えできませんが、でき得る限りそういうふうに私は取締つて行きたいと思つております。
  555. 河崎ナツ

    ○河崎ナツ君 副知事さんにお伺いしたいと思います。今朝ほどからのあなたの、このお役人の方々のお話を伺つておりますと、今も法規々々ということが出ておつてということを藤原さんがおつしやつておられますが、本当に今朝から伺つていましても、法規々々で如何ともできないということでございましたが、そういうふうに法規々々でお互い働いておつて、その中で動いておつて、だんだんその責任を逃れて来たということが積り積つて、実は今日一番最末端で自分の子供学校に出し、自分の子供教育のことを考え、自分の子供の健康のことを考え、性病をうつされておるこの問題、それから学校子供たちがパンパン遊びをするというこの問題、しつけの問題、それからそういう外にしよつちゆう学校の窓からそういうものが見えておるところから生活しなければならんというところに、子供を送る母親、あなたは父親でいらつしやいますが、お父さんは忙しいから、お母さんがそういう立場で、やむにやまれないで起つて来た、今日の様子を御覧下さい。こんなに沢山のお母さんが傍聴席へ来たことがないのですが、これは五十人おりましても、方々婦人会の代表の方々、この一人の後には沢山のお母さん、PTAの方もおりますし、いろいろいらつしやつておりますが、最後にお母さんが立ち上つて来た、これは非常に大きな問題であつて、この人たちが立上つて来たから大きな問題になつたと世間では思つておりますが、立ち上らなければいられない今日の大きな官僚政治の問題と、それから又教育の問題におきましての最後の問題があるのだと思うのでございます。これはもう一つ都副知事岡安さんにお願いしたいことは、結局皆さんの部下の方々々がなかなか動けないでいるところを、あなた方がいい方法を講じて、先ほどから伺つておりますと、適当な方々地元方々と話合つたりして、いろいろな方法が、法規の外の方法でおやりになり、是非いい解決をして、これから都知事もこういう、この外の問題におきましても、最後の人たちが立ち上らなければならんようなところに追込まないで、適当なところで抑えて行くようなところへ動かして頂かなくちやなりませんが、先ず今度のこの問題につきましては、もはやここまで来てしまつたのでありますから、岡安さんたちはこの空気をお察し下さいまして、是非お帰えりになりましたら、知事さんと御相談下さつて、そうして本当に動きにくいお役人の方々のびくびくしていらつしやる態度をお察し下すつて、是非積極的に解決を付けて頂きたいと願うものでございます。先ほどからのお言葉を何つておりますと、安心できるようなお言葉でありましたり、何か腑に落ちないところもございますのですが、最後のあなたの先ほど小幡さんから伺いましたような、そういつた法規に縛られず、法規を被つても適当にやりたいというような、ああいう誠意の現われを一つ是非伺わして頂きたいと思うのでございますが、どうでしようか。
  556. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 只今のいろいろの御意見に私も全然同感でございますので、よく帰りまして、この空気を知事に申上げて、知事と相談して御意見のようにやつて行きたいと考えております。ただ法規を破つてまでという、(笑声)この点だけはどうぞ……。
  557. 高良とみ

    高良とみ君 岡安証人にお伺いしたいのでありますが、この名簿の中には、知事が御出席のように書いてありますが、今日御出席にならないのは、より大きな都の責任があるとお考えなんだろうと思いまするけれども、先ほどから外の委員のお話のように、末端にまでこんなに責任が行つておりますときに、全都政の責任者であります知事が御出席にならない、その理由を副知事からちよつと伺いたいのが一つであります。その次に伺いたいのは、勿論教育委員さんも御苦心でありまするけれども、この本問題に対して、都知事がはつきりした意向をあなたにお伝えになつて、副知事が御出席になつておられるのか、或いは副知事一存のお考え出席しておられるのか、都知事の意向を本委員会でお伺いして置きたいのであります。それから第三には、まだ亀有方面も、大田区の方面も御視察になつておらないというくらいに、その都政の網が大き過ぎて、そうして末端がどんなに苦しんでおつても、それを御視察にならないで、国会のような国、全国のことを考えておるものがお呼び申上げなければおいでにならん、お呼びしてもおいでにならないというような状態でありますと、成るほど一国に相当するくらいの大きな人口を持つた都政というものが、非常に網が大き過ぎて杜撰であるというふうに私どもは思うのであります。従つて至急に御視察を願うことも一つでありまするが、この際かくのごとき杜撰でなく、もう少し区長及び区の建築係の者に、区の実情に応じたような建築、その他文教地区の設定等については権限を御委譲になる意向があるかどうかということを第三に伺いたいのでありますそうしませんと、区というものは、区役所及び区民の選出した区長というものは、区民の政治ができないのでありまして、非常に高いところから末端の実情を御存じない都知事、副知事諸君の非常に遅い政治が行われて来るのでありまして、今後の自治体の運営に非常にかかわり、差障りがあると思うのであります。そうでなくても、すでに多くの都政に対する不満があるのでありますから、その点も第三に伺いたい。第四には、本問題がかくのごとき輿論の集中するところとなりましたについては、規則とか、法規とかと言つておられないのでありまして、早急に政治的解決を必要としておりますることについては、先ほど多少の御意向を漏らされたのでありますが、もう一つはつきりと、これは都知事及び副知事の諸君の都の政治責任者において必ず解決を政治的にやるという御意思を、もう一遍確認して置きたいのであります。方法については他の委員からも御指示があつた、御希望があつたと思うのであります。安井都知事は近く全アメリカも御視察になつて、大分大きい抱負を持つておられるのでありますが、私ども都民として考えまするところから言つても、まるで今の東京都の復興は、戰後の復興という名に隠れて、本当にどこへ何物が出現するやら分らないような不安な状態であります。もう少し都の再建計画につきましても、日本の首都としてのああいう法案が通つたあとなのでありまするから、はつきりした意思発表して頂くと共に、この末端行政については、都民及び地区の小さな政治網に対しまして、もう少し権限委譲及び責任はとるということを期待申上げたいのでありますが、副知事の御意向をその四つの点について伺いたい。
  558. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 都政のあわ方について、又区の権限の問題についてお叱りを受けまして、誠に恐縮に存じております。併し私らは一生懸命やつておるつもりでございます。今後も大いに御叱咤を頂きまして、よりよい都政、よりよい区政をやつて行きたいと思つております。先ず第一点の、安井知事が何故来ないかということでありますが、本日二時に両陛下が動物園においでになりますので、安井知事がその方に行つておりますので、この点でこちらの方には私が代理で参りました。従いまして私の意見と安井知事の意見とは全然同じ、かようにお考え置きを願つて結構だと存じます。更に第四点の、この政治的解決、こういうお話でございまするが、先ほども申しましたように、私らもできるだけの力を注ぎまして、この鳩の町の出現しないように努力する、この点で御了承願いたいと思います。
  559. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 副知事さんにちよつとお尋ね申上げます。この問題につきましては、東京都選出の一婦人議員といたしまして、格別心痛いたしておりましたために、最近開かれます国会におきまして、政府を相手取りまして質問をいたしまして、立派に結末を付けたいと思つておりましたのですが、明敏なる山下厚生委員長の手によつて、逸早くお取上げ頂きましたので、このいい機会にちよつとお尋ねいたすのでありますが、もともとこの問題は、父兄の人たちの心痛の種になつたのは東京都に行われております売淫行為取締に対する特別な條例が東京都には出ているわけなんであります。その法の示すごとく、十分に取締りが行われていたならば、今日さほど父兄の心痛の種にはならないだろうと思うのであります。勿論全国的にはまだ日本には売淫行為取締規則という法律はございません。誠に残念に思うのでございますが、取締の法律がございませんので私も来る国会にはそれを提案いたしたいと思つておる一人なんでありますが、この東京都では誠にあなた方が御聰明で、早くこの條例ができておりまするので、取締が十分できる筈なのにできてない。私どももよく視察するのでありますが、日劇の前でもどこでも、夜八時から九時頃になつたら、誠に敗戰国とはいうものの、街頭に進出した吉原のような人肉市場を呈しているようなのであります。幾らあなた様が、カフエーとして許可しても、将来それが売淫行為をしたら立派に取締つて行くと言つておるが、残念ながら過去の実績によつて信用できないのでございます。今日東京都のPTA人たちの心痛の種となつておるのであります。どうぞ一つお帰りになりましたら、知事とも御相談になりまして、嚴重に、日本の中心地でありますので、全国に模範を示して頂きたいと思うのであります。関連します問題で申上げますが、特殊飲食店業、これです。吉原あたりによく視察に行きますが。(笑声)
  560. 山下義信

    委員長山下義信君) 深川さんに申上げますが……。
  561. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 ちよつと簡單なんですけれども、どうやら下でお茶を飲む間に自由恋愛が成立して、二階の部屋を借りて肉体関係ということになつているらしいのですけれども、よく考えて貰いたいということは、毎日相手が変る恋愛で、一日ごとに何人も相手が変る恋愛というものはありつこないのであります。十分その点をお考え願いたい、昨夕の夕刊にも亀有のお湯の温度を上げるとか、何とか言いますけれども、お湯の温度にも制限がありますので取締れないし、今朝からの証言によりますと、子供にうつされて外の人にうつしたというので……。銭湯に来るのだから、別に銭湯を拵えると言つても取締れないので、拔本塞源的に売笑行為というものを取締つて頂きたいと思うのであります。池上の問題も国民の心を心となさる政治家であるならば、これを立派に解決して貰えるだろうと思つております。尚近く発動されるこの建築基準法、その他法規のよりどころについてお伺いいたしたいと思いますが、以上のお尋ねの分だけを一つ……。(笑声)
  562. 山下義信

    委員長山下義信君) 何か御証言がありますか。
  563. 深川タマヱ

    深川タマヱ君 副知事さんにちよつと御所見を伺いたい。売淫のことで、條例のことで……。
  564. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 売淫行為取締條例というのは、東京都の條例でやつておるわけです。従いまして、これに基きまして有楽町であるとか、或いは上野、新宿でもやつております。併しなかなか先ほどお話がごさいましたように、道義が頽廃しておりますので、蝿を追えばその蝿が直ぐ集まる。こういうのが現状であります。決して私らはおろそかにしておりません。ただそういうふうで甚だ残念でありまするが、現状はなかなか思うように行つていない。君の言うことはこれは不信だ、お前の言うことは信用できぬと言つて来られても止むを得ません。やはり私どもはこの條例に基いて誠心誠意やるつもりでおります。又今後やらせます。
  565. 大城勇

    証人(大城勇君) 只今の先生のことについて私からも発言いたします。只今先生からお話がございましたが、取締の執行の任に当りておるのは、岡安副知事の方でなくて私の方であります。(笑声)御同感でございまして、私どもは少数な人ではありまするが、先生と同感で、実は十月一日から特別にこの方面に力を入れまして、数日の警官を動員いたしまして、何とか検挙しなければいかんということで、大いに取締を強化いたしております。又行くつもりでおります。日劇前であるとか、或いは新橋駅前であるとかいう所は、少くとも表見的なところだけでも早く取締つて、美しい明朗な首都を作りたいというような考えで非常に大きな取締をしたのでありますが、今後もできるだけ私どもは只今の先生のおつしやつたような線に沿つて努力して行きたいと、こう考えております
  566. 岩間正男

    ○岩間正男君 時間がございませんから、簡單に岡安証人にお伺いしたいと思いますが、それは現在東京都においていろいろな税收があると思いますが、遊興飲食税は大体どれくらいとつておられるか、そしてこれは都の財源の何%を占めておるか、それに昨年度と比べて今年度はどういうふうになつておるか、こういう点を先ず最初にお伺いいたしたい
  567. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 東京都の遊興飲食税は、本年度は約二十三億であります
  568. 岩間正男

    ○岩間正男君 それは何%になりますか、全体の税收入ですな。
  569. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 税收入が全部で百七十五億でございますので、一割何ぼでございましようか、百七十五億。
  570. 岩間正男

    ○岩間正男君 厖大な財源だということが言えるわけですね。
  571. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) そうです。
  572. 岩間正男

    ○岩間正男君 そうすると、こういう問題について都政の立場からこの税收入を増すという方法をとつておるか、それともこれを縮小して、今の問題になつている風紀問題、こういうものに対処するために、これを粛正するという方法をとつておられるか、都政の方向として、これはどういうふうになつておりますか。、
  573. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 百七十五億の中の二十三億ですから、相当大きなパーセンテージを占めております。併し私ら別にこの遊興飲食税で都の財政を賄つて行かなければならんという考えは持つておりません。ただ現状が国民と言いますか、都民の消費しますものに対して課税するという方向をとつておる、だけであります
  574. 岩間正男

    ○岩間正男君 この問題は今のお話がございますけれども、相当なパーセンテージであります。一〇何%というような、そうしてこれによつてつていないとおつしやるけれども、一〇何%がこれによつて得られておるというところに、現在取締法をやつておるのと、それから実質的にはこういうものが、最近の傾向を見ましても、今までの特別に制限された吉原とか、玉の井とか、そういうものが拡大される、こういうものに関連したものじやないかと考えられますが、この池上の問題を発生させておるところの政治的な原因じやないか、こういうふうに考えられるのですが、この問題は別の問題といたしまして、次にお伺いしたいのは、先ほどからの意見を伺つておりますと、今安井都政というものは非常に大きなところにぶつかつておるじやないか、かように思われる。それは何かというと、午前中の局長の証言によつて見ますと、過去のいろいろな制限規制、そういう規定というものは、実は建築の過程において破られた。それを業者に忠告を與えて親切にやつた。ところがそのときに後ろに多数お見えになつていらつしやるけれども、池上の父兄のこれに対するところの親の立場、或いは子供の将来を考え、これは大きく言えば民族の将来、そういう運命を決するような重大問題、こういう問題も起つたところの非常に大きな輿論があつたわけです。そうしますと、どちらを選ぶか、こういうようなところに当然これは到達しておるというふうに考えられるのでありますが、どうも局長並びに只今の副知事の証言を聞きましても、業者の方に非常に味方をしておるというふうに考えられるのであります。一体どつちを選ばれるか、安井都政の今後の方向として随分大きな関心を都民諸君は持つだろうと思う。重大な輿論がそういうふうに起つて来ておつて、それなのに法規というような狭い、而もその法規の面において解釈すれば、はつきり違反をしたときに輿論が起つておるのであるからして、輿論の面からそれを取上げて、それを注射することができた筈だ。然るに業者を非常に庇うというような立場で以てこれに忠告を與えておる。而も現状ではまだそれが完全に守られていないというようなことが、先ほど来委員諸君が言われておる、はつきりした対決を迫られておるということですが、輿論に従うか、或いは輿論を保護してこの問題を清算せられようと考えておられるか、この点はつきりした結論を全責任においてお答え願いたい
  575. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 私らは別に業者の肩を持つという気持は全然持つておりません。従いまして、先ほど来私が申しましたように、この問題は行為を起させないように善処したい。それで申上げておるわけでございます。
  576. 山下義信

    委員長山下義信君) 御注意申上げますが、議論に亘りません程度に、時間も参つておりますから、この程度に止めて置きたいと思いますが
  577. 岩間正男

    ○岩間正男君 私は意見を申上げておるのではなくて、事実を申上げておるのであります。先ほど来の午前中の課長の証言によりますと、許可を取消せば取消すことのできることであつたのに、業者に対して飽くまでも親切な態度で出ておる。而も一般の父兄の輿論ですな、こういう重大な輿論についてはそれは取上げられていない。どつちを選ぶか、この点についてお答えがなければ差支えないわけでありますが、もう一つついでに、これは是非所見を伺つて置きたいと思いますのは、無論あなたの立場というものは、何も建築許可の立場じやない、こういうふうに思われる。教育委員諸君、責任者並びに教育長、こういうところに対しまして、教育防衛の立場から、非常に大きな熱烈な輿論があるわけであります。更に父兄大衆のそういう要望と考えまして、大きな都政全体の立場、そういうものをとり、更に日本の教育の将来、民族の将来というようなものを考えるときに、これは当然その教育委員会の意見というものを十分に取入れて、大きな政治の面からこれを解決されるということが最も妥当じやないかというように思う。ところが過般の教育委員の選挙によつて現われましたように、非常に現在においては教育知事とか何とか言われておりながら、これが無視されておる。こういうふうな面が非常に、先ほどからの証言の中にも現われていると思うのでありますが、今後安井都政として、こういう教育委員会の決意、そしてそれに連なるところの非常に大きな下からの輿論、こういうものをどういうふうに処置されるか、今当面している問題なんでありますが、この池上問題と関連して、この点御所見を伺つて置きたい、こういうふうに思います。
  578. 岡安彦三郎

    証人(岡安彦三郎君) 教育行政に対しまする安井都政の考え方と、こういうお話でございます。勿論教育行政につきましては、都といたしましても一番重点を置いております。現に四百五億のうち七十億の一番多くの費用を割いているのが教育であります。従いまして教育委員会等にも、今までもよく協調をしてやつてつたつもりでございます。今後も勿論教育委員会とよく協調しながら、都の財政の許す範囲においては教育には力を盡したいと、こう考えております。
  579. 山下義信

    委員長山下義信君) 本日はこれを以て終ることにいたします。証人諸君は御多用中御出席を得まして誠に有難うございました。  尚、明日は午前十時から本連合委員会を続行いたします。警視総監、国警本部刑事部長並びに各省関係大臣の出席を求めることになつておりますから、御了承を願います。本日はこれを以て散会いたします。    午後四時二十二分散会  出席者は左の通り。   厚生委員    委員長     山下 義信君    理事            小杉 繁安君            井上なつゑ君    委員            大谷 瑩潤君            中山 壽彦君            長島 銀藏君            河崎 ナツ君            藤原 道子君            常岡 一郎君            深川タマヱ君            松原 一彦君   文部委員    委員長     堀越 儀郎君    理事            加納 金助君            成瀬 幡治君            若木 勝藏君            木内キヤウ君    委員            工藤 鐵男君            木村 守江君            荒木正三郎君            高田なほ子君            和田 博雄君            高良 とみ君            山本 勇造君            矢嶋 三義君            岩間 正男君   委員議員            加藤シヅエ君   証人    大森高等学校P    TA会長    梶原 泰治君    婦 人 代 表 坂巻 きよ君    大田区会議員  橋爪儀八郎君    大田建築課長 上野 廣治君    東京都建築局指    導課長     中井新一郎君    大森保健所長  荻野 友雄君    警視庁保安課長 大城  勇君    東京都教育庁次    長       加藤 清二君    東京都教育委員 松澤 一鶴君    東京都公安委員    長       小畑 惟精君    東京都副知事  岡安彦三郎君