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1950-02-17 第7回国会 衆議院 電気通信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月十七日(金曜日)     午後一時四十二分開議  出席委員    委員長 辻  寛一君    理事 飯塚 定輔君 理事 高塩 三郎君   理事 橋本登美三郎君 理事 松本 善壽君    理事 米窪 滿亮君 理事 福田 繁芳君       池田正之輔君    中馬 辰猪君       降旗 徳弥君  出席国務大臣         電気通信大臣  小澤佐重喜君  出席政府委員         電気通信政務次         官      尾形六郎兵衞君         電気通信事務官         (業務局長)  靭   勉君         電気通信事務官         (業務局周知調         査部長)    花岡  薫君         電波監理長官  網島  毅君         電気通信事務官         (電波庁法規経         済部長)    野村 義男君  委員外出席者         專  門  員 吉田 弘苗君 二月十七日  委員吉田安君辞任につき、その補欠として福田  繁芳君が議長の指名で委員に選任された。 同日  理事吉田安君の補欠として福田繁芳君が理事に  当選した。     ————————————— 二月十五日  電信電話料金法の一部を改正する法律案内閣  提出第四三号)(予) 同月十六日  電波法案の一部修正に関する請願(江崎一治君  外一名紹介)(第七九二号)  電波監理委員会設置法案の一部修正に関する請  願(江崎一治君外一名紹介)(第七九三号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事の互選  電信電話料金法の一部を改正する法律案内閣  提出第四三号)(予)     —————————————
  2. 辻寛一

    辻委員長 これより電気通信委員会を開会いたします。  この際理事補欠選任の件についてお諮りいたします。本日理事吉田安君が委員を辞任されましたので、理事が一名欠員になつております。この際理事補欠委員長において御指名いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 辻寛一

    辻委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。  それでは吉田安君の補欠として、本日委員になられました福田繁芳君を理事に指名いたします。     —————————————
  4. 辻寛一

    辻委員長 一昨日予備審査のために本委員会に付託になりました電信電話料金法の一部を改正する法律案議題とし、審査に入ります。その趣旨説明を求めます。     —————————————
  5. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 ただいま議題となりました電信電話料金法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  この法案によつて改正される料金は、警察事務刑事訴訟事務及び日本国有鉄道鉄道事業の用に供する市外專用電話市外線專用料であります。これら專用電話のうち大部分を占める警察用電話は、従来警察側において設置し、保守して来たのでありますが、先般第六国会において成立いたしました警察用電話等の処理に関する法律により、電気通信省に正式に移管されることとなつたのであります。しかるに警察事務の用に供する市外專用電話市外線專用料は、その施設の運用並びに維持に要する実費をはるかに下まわつている現状でありますし、刑事訴訟事務及び日本国有鉄道事業の用に供するものにつきましても、おおむね同様な事情にありますので、今回これらの市外專用電話市外線專用料を、実際必要な経費を償い得るように、現行料金の約二、三倍に引上げまして、これらの市外專用電話経費とその收入との均衡をはかろうとするものであります。  なにとぞ十分御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願いする次第であります。
  6. 辻寛一

    辻委員長 ただちに質疑に入ります。
  7. 松本善壽

    松本(善)委員 警察電話電気通信省の主管になりましたことは、いいことであると思うのでありますが、御承知通り警察電話は、近ごろ技術的にも非常に悪質と言つては悪いかもしれませんが、悪いものを使つておることは、われわれ想像にかたくないのであります。これは昭和二十三年法律第百五号による電信電話料金法によつて規定されておる。こういうことを考えるときにおきまして、また通信事業というものは時代的感覚が非常に強いのであつて、われわれとしては料金が非常に安くて、その範囲ではとうていやつて行けないということはもちろんわかるのでありますが、これは私の浅学菲才のせいかもしれませんけれども新聞社通信社及び日本放送協会の專用云々というのがありますが、その通話料金と同じ程度にしなければならないという一般的な理由があるかどうか。私の考えとしては、警察事務刑事訴訟事務及び鉄道事業の用に供するところの電話料金は、新聞社あるいは通信社放送局よりも安くしていいのではないかと考えるのでありますが、御説明によりますと大体同一の方式をもつて値上げをされるようでありますが、同一にしなければならないという理由があるならば、一応その点から先にお聞きしたいと思うのであります。
  8. 小澤佐重喜

    小澤国務大臣 松本君にお答えします。警察電話料金をどういう標準できめるかという問題でありますが、これは警察事務公共性、すなわち国家事業である以上は、できるだけ安いことが望ましいのであります。従つてども新聞社と同じまでは上げてよかろうとか、新聞社の半分がよかろうと言うのではありません。これはいつか警察電話移管のときにも申し上げました通り、一応電気通信省でその保守を引受けてまた所有権移つたのであります。その料金はいわゆる保守料金として、独立採算制が立つようにということを考慮に入れて、料金を組んだのであります。従いまして現在の料金から言いますと、総額で約五億円になりますけれども、この値上げ法律が実施されますと、年額約十億になりますが、保守に要する二十五年度の予算はどれだけかというと、約六千万円くらいオーバーしました十億五、六千万くらいの保守をするのであります。従つていわゆる独立採算制というような意味におきまして、六千万円ばかりは一般事業から警察事業へ出すことになりますけれども、このくらいのことはやむを得ぬというので、今御審議願うような程度に上げたのであります。要はこの警察電話保守に必要な限度まで値上げしたのでありまして、決して余分に、これでもうけようとかいう考えではない。しかしながらそうだからといつて一般公衆からの料金によつてまかなつている他の費用を、著しく食うということも考えものであります。つまりこの料金は今申し上げた通り警察電話電気通信省が注ぎ込むためにぺイする程度に上げたのでありまして、別に新聞紙とどうこうということを考慮に入れたのでないのでありますから、その点を御了承願います。
  9. 松本善壽

    松本(善)委員 大体了承いたしました。電信電話料金法の第三條に「電気通信大臣は、船舶遭難及び航行の安全に関する通報火災報知その他公益上特に必要がある場合」云々とありますが、いわゆる船舶遭難及び航行の安全に関する通報火災報知というものは、今度の料金改正には出ていないようでありまして、今回のは警察電話のみのように考えるのでありますが、この点についてはどういうお考えを持つておられるかということを、まずお聞きしたいと思います。
  10. 靭勉

    靭政府委員 今回の改正は、まつたく警察だけに限定いたしまして、その他の料金につきましても、若干問題のあるものもございますが、これは全体的な調整の時期に、根本的に考慮するということで、警察だけに限定いたしております。
  11. 松本善壽

    松本(善)委員 警察だけでもちろんけつこうであると思うのでありますが、私どもはもちろん、有線関係対象とした料金改正のように大綱はつかめるのでありまするが、今後においては、無線ということも大巾に考えなくちやならぬことでありまするがゆえに、ことに船舶関係云々ということは、御承知のように漁撈関係には非常に関連性の強いものであるという、私ども産業発展のためにも考えなければならぬ事項もあり、またS0Sに対するところの通報人命救助、これに対してもなおざりにしてはいけないと思うのであります。従いまして有線という建前に立つて考えた場合には、もちろんこういつた改正は非常に必要であるかもしれませんけれども、もしも無線というものの見地から考えた場合には、こうした船舶遭難航行安全通報とか、火災報知、こういうものに対してもひとまずこれと同時に提出せられるのが、むしろ妥当ではなかつたかと私は考えるのですが、あるいはこの点について、いつどういうような時期においてあるかということがあれば、一応このときにお伺いしたいと思います。
  12. 靭勉

    靭政府委員 ただいま有線関係と申しますか、無線を通じて有線に入つて参りまする無線電報も、もちろん料金法対象なつておるわけでございますが、全体的に事業法全体として、すでに改正しなければならない時期になつておりますので、制度につきまして目下大体の成案を得まして、これを成文化しておるわけでございます。それにあわせまして船舶安全通報等につきましても、ただいまおつしやつたような趣旨において、十分しんしやくいたしまして改正いたす考えでございます。
  13. 松本善壽

    松本(善)委員 過般新聞報道によりますると、警察、特に警察の大元締めであるところの官庁において、どうも通話料金滯納があるというようなことを、私は耳にしたのでありますが、この点についてはどういう考えで進んでおられるか。経過がどうなつておるかということを、この場合一応お聞きしたいと思います。
  14. 靭勉

    靭政府委員 先般ある新聞に、官庁滯納が六億というような報道があつたのでございますが、これは官庁だけを取上げますと、約六千万円余でございまして、一桁額が違つてつたのでございます。しかしながら官庁及び民間の料金滯納は、全体としまして大体六億ぐらいございます。それで官庁は、ただいま申した六千万円程度ということになつておりますが、これに対しましては、もちろん規定から申しますれば、通話停止処分ができるわけでございますが、何分にもこれは、その停められたところだけではなく、それに関連通話を要するところに非常な迷惑をかけますので、できるだけこれは各官庁に話合いをつけまして、この滯納をなくすように努めております。これは單に官庁だけに限つたことではないのでありまして、一般料金滯納につきましても、できるだけ料金を納めることをお願いいたしまして、どうしてもいかぬものにつきましては、やむを得ず通話停止処分をいたしております。この通話停止ということは、実際におきましては他の利用者に非常に迷惑をかけまして、何回もそこを呼ばなければならぬというふうな不便もありますし、私どもとしましては将来は、どうしても料金を納めないところにつきましては、発信だけ通話を停止して、着信は受けられるようにしたいというふうにも考えておるわけであります。現在の方策としましては、やむを得ないものにつきましては、通話停止をいたしますが、これはあらゆる手を盡して、できるだけ勧誘いたします。最後に通話停止をする場合におきましても、一両日前に、幾日からやめますからということをお知らせしまして、やつておる次第であります。
  15. 松本善壽

    松本(善)委員 その状況は一応了解いたしますが、しからば現在そういうように上げない値段でもつて、いわゆる一通話時の普通通話料平均二十九倍の三百六十倍というような原則に立つて、そういう料金滯納があるのでありますが、今回の改正案によりますと、平均二十九倍が平均五十三倍になるだろうと思いますがゆえに、これから約二倍になることになると、官庁予算は、通信に関する面があるいに約二倍にならなければならぬと思うのでありますが、こういう見地に立つて考えます場合、いわゆる権衡予算面から、この通信料金というものを考えた場合には、約二倍になることはいなめない事実であります。今後各官庁が、料金が二倍に上つても、完全にその事務を遂行し、またその予算面においても編成し得るかどうかということを、臆測でもいいから、その結論ができるならば、一応御説明を願いたいと思います。つまり現在の予算面における通信料金が、改正案によると二倍になる。その二倍になる方途をどうして行くかということについて、関係官庁において具体案ができておるかどうか。また改正せられる前に、あらかじめ折衝されておるかどうかという点について、お伺いしたいと思います。
  16. 靭勉

    靭政府委員 今回のものは、警察の使用している市内專用線、あるいは警察の加入しております加入電話使用料、こういうものは現在とまつたく同じ料金でございます。先ほど六千万円の滯納があると申しましたうち、專用線の面が非常に多いのでありますが、しかしながら一般官庁におきましては、現在の規定におきましても、一般の銀行と同じような立場に立つて料金を納めております。従いまして在来より料金値上げになりますが、それによつて予算の増額を要するということはございません。但し今回御審議を願います法律案に示しております警察その他これに類似したものの、現在までの非常に安い料金というものにつきましては、それぞれ関係庁と連絡をとり、大蔵省とも折衝いたしまして、これに要する経費というものは見込まれておる次第でございます。
  17. 松本善壽

    松本(善)委員 一応了承いたしました。
  18. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 先ほど大臣から、二十五年度の警察電話保守費は、十億六千万円というお話がありましたが、これについて三年計画とか五年計画という保守計画があれば、お示し願いたい。
  19. 靭勉

    靭政府委員 ただいまこまかい計画は、ちよつと資料をここに持つておりませんが、保守料というものは、結局專用線警察で使えるように維持して行きますので、これによるところの使用料でございます。それは主として工事上の保守、この経費が一番大きいわけでありますが、これは現在あるのをそのままにする。あるいは故障が起つた場合にこれを直す。こういう形でございます。ただいまの御質問の、何箇年計画があるかということにつきましては、たとえば今まで警察市外專用線が独立してあつた。しかしながらその電柱が非常に古くなつたり、あるいは線も相当老朽しておるのを、電気通信省のいい線に振りかえるというような整備計画というものは、すでに過般仮移管を受けてから、毎年金額にしまして三千万円程度でありますが、その程度毎年やつて行くことになつております。まだもちろん今のところ警察の方の要望といたしましては、もつとたくさん線を現在ない所につけてもらいたい。こういう希望が非常に強いのでございまして、いわゆる建設の面の要望が非常に強いのであります。これにつきましてはもちろん警察自体として数箇年の計画を立てて、電通省に要求して参るわけでありますが、二十五年度の予算としては、警察の方では二万キロ、あるいはそれ以上の必要性があるということでございましたが、いろいろ建設予算関係上、現在話のついておりますのは、三千五百キロ程度なつております。二十四年度におきましては五千キロ、実行上におきましてなお警察いろいろ要望がありまして、六千キロ以上になつておりますが、そういう建設工程を持つております。  それから先ほど申し上げました統合の問題と申しますか、二つにわかれておるのを一つにして、在来よりもいい状態で、いい通話のできるものに振りかえる整備案というものは、持つておる次第でございます。
  20. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 そうしますと十億六千万円という金額は、そういう五千ないし六千キロの増設をも含んだ費用ですか。それともそれらは全然含まないで、現実にある警察電話維持管理費が十億六千万円かかるのですか、その点を御説明願いたい。
  21. 靭勉

    靭政府委員 それは現在あるものの維持管理用でございます。建設予算は別途警察関係建設勘定として出るわけであります。それに伴いまして使用料を拂う。一般料金の体系といたしましては、もちろん建設に要した費用、これに対する資本利子考え、さらにそれの減価償却考え、それから普通で言いますと、電話の交換や何かをやらなければなりませんから、そういうものの運用費をとりまして、それで料金というものがはたして合理的であるかどうかということが出て来るわけでございます。十億幾らといいますのは、二十四年度末までに完成しております設備、及び二十五年度にふえております設備使用料金として頂戴するという形でございますから、維持管理費でございます。
  22. 橋本登美三郎

    橋本(登)委員 そうしますと十億円前後というものが、現在警察電話維持にかかるのですか。毎年これだけの費用がかかるということになるのですか。
  23. 靭勉

    靭政府委員 さようでございます。なお配線がふえて参りますれば、なお上つて来るわけでございます。
  24. 辻寛一

    辻委員長 それでは本日はこの程度にとどめます。次会は公報をもつて通知いたします。  これにて散会いたします。     午後二時五分散会