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1949-12-02 第6回国会 参議院 厚生委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二日(金曜日)   —————————————   本日の会議に付した事件 ○医師国家試験予備試験受験資格の  特例に関する法律案衆議院提出)   —————————————    午前十時五十二分開会
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員会開会いたします。日程の順序を変更しまして、衆議院送付にかかる医師国家試験予備試験受験資格特例に関する法律案議題にしたいと思います。御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。これよりその審議に入ります。御発言をお願いいたします。
  4. 中平常太郎

    中平常太郎君 この法律案は極めて少数の入に限られた興亜医学館卒業生約六、七十名にのみ適用し得る一つ受験資格特例に関する法律でありますが、これは外地引揚者の中の医師受験資格に関する特例法がありますので、あの中に吸收し得るものと私は思うのでありますが、僅か六、七十人のために一つ單行法律を制定しなければならないという理由ちよつと不明確のように思うのでありますが、その点当局側はどう考えておられますか。お尋ねしたいと思います。
  5. 東龍太郎

    説明員東龍太郎君) 只今の御質問に私からお答えいたしますが、この法律対象となります者はお説の通り比較的少数であります。この提案理由のところには興亜医学館のみの名前が挙げてございますが、私共の方で調査いたしましたところによりますと、この法律に該当するような学校卒業生を出しております学校は、興亜医学館の外に東洋医学院というのがもう一ケ所ございます。そうして外地引揚者に関するいろいろな特例ではカバーできない部分がありますので、どうしてもかような單行法にならざるを得ないのでございます。と申しますのは、この両方学校とも正規文部省の認めておりまする医学專門学校ではなかつたのでありまして、戰時中の必要で、いわゆる外地向け医師を養成する目的で東京に二ケ所かような教育機関ができておりまして、卒業生を出します際にはまだ正規認可を得ていなかつたのであります。そうして私共の調査によりますというと、興亜医学館卒業生は計三百六十九名でありまして、そのうち台湾国籍の人が百八十四、朝鮮の人が百十五、内地日本人が七十。東洋医学院につきましては、台湾が六十五、朝鮮が二十、内地三十、計百十五となつております。この卒業生の中には勿論すでに外地の方へ参りまして、満洲、朝鮮、蒙疆等において現地医師としての資格を得まして、医師として活躍した者もございます。そういう人が内地引揚げて参りましたのは、いずれもこの外地引揚医師に対する特別措置によりまして、国家試験予備試験委員の行う試験という長い名前試験でありますが、元の医術開業試験のごときものを受けまして、いわゆる現在の国家試験ではなく元の制度による医師免許状を與えられておるのであります。この興亜医学館三百六十九名のうち、内地人は七十名でありますが、そのうちでも四十七名は引揚者でございます。従つてこの四十七名につきましては、恐らく今の引揚医師に対する特別措置による試験を受けておられることと存じます。從つてこの法律によつて行われます試験を受けます対象は二十三名ということになるわけでございます。東洋医学院につきましては、外地引揚が十名、従つてこの試験対象と思われるものは二十名、合せて内地人につきましては四十三名でございます。それから台湾朝鮮等国籍の人は大部分はすでに引揚げてと申しますか、それぞれの国へ帰つておるものと思いますが、尚少数日本に在留いたしておる人のあることも事実でありますので、その中からやはり二、三十名の受験対象があり得るという推定をいたしまして、総計合せて数十名がこの法律対象になるというのであります。只今申上げました通り、一度とにかく外地におきまして現地開業医師資格を得て医業に従事いたしておりました人に対しては、引揚医師としての特例による特別扱をいたしますが、学校を卒業したままでは勿論内地では開業資格がありませんから、医業は営んでおりません。ただ学校を卒業しただけの資格を持つておる人に対しては、何らその人が医師となるべき途が開かれていなかつたのでありますが、併しながら当時正規学校認可を得ておりませんでしたが、その後文部省におきましてこの両方学校内容等を調査いたしました結果、戰時中に作られたいわゆる戰時措置による医学專門学校同等教育内容であるということを認定いたしまして、これらの人で特に満洲、朝鮮台湾等へ帰ります場合に、この学校においては医学專門学校同等教科内容教育を受けたものであるということの証明書を渡したという事実がございます。従つて文部省としてはこの学校專門学校同等程度内容と認めておりますので、厚生省といたしましては、卒業生に対して将来医師となるべき途を開くべきもの考えまして、そこでその途は結局は医師国家試験を受けることでありますが、医師国家試験を受けるにはすでに法律によつて規定せられたる資格を必要といたすのであります。從つてその国家試験受験資格がありや否やというその決定をいたします際、医師国家試験予備試験を受けなければなりませんので、ここにこの法律によつて予備試験を受ける途を開くということでありますが、どうしても少数でありますがこれらの人に対してはこの途を開きませんでは、医師となるべき方法、方途が外にないのであります。従つて結論といたしまして、私共の予想では、この法律ができましても数十名全部がこれに応じて試験を受けて、そうして医師となるべき途を進むものとは想像いたしておりません。恐らくその中の何分の一かの少数になりましよう。全く途を開かないということは私共としては気の毒だと思いますので、提案者の方といろいろと調査研究いたしました結果、私共といたしましてはこの法律が通過いたしましたならば、それに基いて適正な審議を行いたいと思つております。尚ついでに申上げますが、從つて少数でありますので年に一回しか行わない予定でありますので、経費は誠に僅かでございまして、現在私共の持つております既定経費において賄い得るもの、特別に追加予算等の迷惑をかけないで済むものと信じております。
  6. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 提案理由書が全部書替えられております。それを皆様に御報告いたします。理由書は左のごとく改まつております。「從前、大陸、特に満洲方面における医師の不足に応ずるため設定された興亜医学館東洋医学院等医学教育を、目的とする学校卒業生は、内地に脚ける医師としての資格を與えられていなかつたが、これ等のものに医師国家試験予備試験受験する資格を與え、医師となる途を開く必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」こういうふうに改められております。
  7. 中平常太郎

    中平常太郎君 よく分りましたが、そうすると、卒業生内地ばかりでなく朝鮮人台湾人もおるわけでありますが、彼らは自分の国に帰るのであるから関係はないような問題でありますが、朝鮮人などはこちらに帰化する場合も相当あるのであります。朝鮮の方もこの規則によつて受験することができるのですか、その点はどうですか。内地に残つておる、帰化しておるところの朝鮮人ですが……。
  8. 東龍太郎

    説明員東龍太郎君) 朝鮮人でありましても台湾人でありましても、受験の申請をすれぼ受験ができるわけであります。併しすでに大部分は帰つたものと考えております。
  9. 中平常太郎

    中平常太郎君 もう一つ卒業生は」とありますので、卒業以前のものは、つまり就学中のものは入らんものと思われるのでありますが。この学院、学館などはもう消滅しておるのですか。
  10. 東龍太郎

    説明員東龍太郎君) さようでございます。消滅いたしております。
  11. 中平常太郎

    中平常太郎君 途中のものは全部ないですな。
  12. 東龍太郎

    説明員東龍太郎君) 全部おりません。ついでに申上げますが、この両方学校とも今お話になりましたような、途中のもの若しくは卒業生でありましても、速かに見通しを付けましたものは他の医学学校にすでに入学いたしまして、そうして正規大学医学教育を受けまして、正規国家医師試験を受ける途に進んでおります。あとは卒業生以外のものは何ら面倒はございません。
  13. 藤森眞治

    藤森眞治君 今委員長の読まれた提案理由の中に、何々等。とありましたのは、学校二つをおつしやいましたが、興亜医学館、それからもう一つありましたね。
  14. 東龍太郎

    説明員東龍太郎君) 東洋医学院です。
  15. 藤森眞治

    藤森眞治君 まだ外にもこういう何がある見込みでしようか、もうこれでございませんか。こういう学校は…。
  16. 東龍太郎

    説明員東龍太郎君) 私が承知いたしておりますのは、この二つしかございません。
  17. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 外に御質問ありませんか。御質問等がなければ質疑はこれで終結したものと認めます。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 差支なければ終結したものと認めます。本案採決に入ることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは採決に入ります。医師国家試験予備試験受験資格特例に関する法律案、この法案に賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立
  20. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 総員起立と認めます。よつて本案全会一致を以て可決されました。尚賛成の諸君の御署名をお願いいたしたいと思います。    多数意見者署名      今泉 政喜  中平常太郎      草葉 隆圓  中山 壽彦      姫井 伊介  穗積眞六郎      藤森 眞治  井上なつゑ      岡元 義人
  21. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 尚本会議におきまする委員長口頭報告内容は本院規則第百四條によつて多数意見者署名を附して、本案内容、本委員会における質疑応答要旨、討論の要旨及び表決の結果を報告することは委員長に御一任下さることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。
  23. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) この際日程に追加いたしまして、昨日本院に付託になりました請願及び陳情を議題にしでその審議を進めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 その前にちよつと医務局長さんにお伺いさして頂きたいのであります。実は三、三日前に看護婦国家試験についての審議会がございまして、決定を見られたとかという噂を伺つたのでありますが、そのことについて、その審議会審議決定をされましたのは、どういうふうに審議されましたのか、伺わして頂ければ幸いだと思います。
  25. 東龍太郎

    説明員東龍太郎君) 今のお尋ねは看護婦国家試験に関することでありますが、私は何も実は報告は聞いておりませんですが。
  26. 井上なつゑ

    井上なつゑ君 それは噂に上つておるのでありますね。有難うございました。
  27. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは休憩いたします。    午前十一時九分休憩    ——————————    午後二時十分開会
  28. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 只今より再会いたします。速記を中止して下さい。    午後二時十一分速記中止    ——————————    午後二時三十五分速記開始
  29. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて。それでは、これで散会いたし百ます。    午後二時三十六分散会  出席者ば左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事            今泉 政喜君            岡元 義人君    委員            姫井 伊介君            中平常太郎君            草葉 隆圓君            中山 壽彦君            藤森 眞治君            井上なつゑ君            穗積眞六郎君   政府委員    厚生事務官    (社会局長)  木村忠三郎君   説明員    厚生技官    (医務局長)  東 龍太郎君   厚生事務官    (国立公園部計    画課長)    石神甲子郎