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1949-11-14 第6回国会 衆議院 決算委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十四日(月曜日)     午前十時三十二分開議  出席委員    委員長 本間 俊一君    理事 藤枝 泉介君 理事 田中織之進君    理事 風早八十二君 理事 金子與重郎君       高塩 三郎君    中馬 辰猪君       中川 俊思君    二階堂 進君       福田 喜東君    前田榮之助君  委員外出席者         農林事務官   伊東 正義君         農林事務官   金城 順隆君         農林事務官   松岡  亮君         農林事務官   須賀 賢二君         專  門  員 大久保忠文君         專  門  員 岡林 清英君     ————————————— 本日の会議に付した事件  昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十二年度特別会計歳入歳出決算     —————————————
  2. 本間俊一

    本間委員長 これより会議を開きます。  昭和二十二年度一般会計歳入歳出決算並びに同特別会計歳入歳出決算を議題として審議を進めます。きようは食糧管理特別会計中心に御審議を願うことに御了解を得ておきましたから、これを中心にして審議を進めたいと思います。まず検査院から指摘になつております批難事項に対しまして、当局から説明を聽取することにいたします。
  3. 松岡亮

    松岡説明員 それでは私から食糧管理特別会計関係批難事項について概畧御説明を申し上げます。三百二十から二十四まででございますが、順を追つて申し上げたいと存じます。  まず三百二十の歳入関係亡失食糧に対する弁償金徴收措置緩慢なものでございますが、これは東京食糧事務所におきまして、昭和二十三年の一月から六月までの間に、運送途上亡失した輸入小麦粉に対する業者からの弁償金徴收が握れておつたという御批難でございます。食糧を大量に取扱つております関係で、保管中あるいは輸送中に、幾らかの亡失あるいは毀損がございますのはやむを得ないのでございますが、特に最近におきましては戰前と比べまして包装材料が非常に悪化しておるのでございます。米にいたしましても戰前は二重俵—二重の俵で運送いたしたのでありますが、戰後におきましてはそういうものは一部に過ぎないで、一重の俵で送るというような状況でありまして、そのためにどうしても運送中の事故が多い。また輸入小麦粉のごときに至りましては、麻袋綿袋不足のために、普通ならば三あきあるいは四あき、すなわち三回ないし四回しか使わないものを六回、七回と使用するのであります。また紙袋までも使用いたしております。そのために運送中に取扱いが多少でも疎漏になりますと、亡失が特にふえるという状況になつているのであります。この批難事項に出ましたのも、そういつた関係で主として生じたものでありまして、昭和二十三年の一月から六月までの輸入食糧に対する日本通運株式会社からの亡失食糧に対する弁償金措置が遅れたというのでございますが、弁償金徴收を決定いたしますまでには、運送命令による運送が完了いたしまして、なお一月ないし二月を要するのであります。と申しますのは運送命令が完了するまではどれだけが発送されて、どれだけが到着したかということは最終的には決定いたしません。従つて六月までに運送を完了したものは、やはり七月ないし八月までかかるというような実情なのであります。ところが会計検査のありました当時は九月に入つておりますので、そのときまで遅れたというのは、多少その措置が緩慢であつたことは御指摘通りでありまして、まことに遺憾であつたのでありますが、実地検査の際に御指摘になりまして、さつそく徴收措置をとりました。十二月十日には全額納入されておるのであります。  次は三百二十一、予算使用当を得ないもののうち、予算積算がないにかかわらず事務所官舎を建設したということでありまするが、これも批難事項で御指摘通りに、実際に予算には積算されておらなかつたのであります。しかしながら従来から食糧事務所庁舎に付属しまして、必ず一定の所長あるいは首脳者官舎付属官舎として建設いたしておつたのでありまするが、特に戰後におきましては人事の異動をいたすにいたしましても、また一般住宅関係からいたしましても、食糧関係は特に緊急事態が多かつたのでございまして、そのために、どうしても食糧事務所庁舎に付属して官舎をつくらなければならないという実情にあつたのでございます。そのために予算上には積算されておりませんでしたけれども、なおやむを得ず、こういつた措置をとらざるを得なかつたのであります。しかしながら積算されておらなかつたのは事実でありまして、その点は御指摘通りでございます。  次に三百二十二でございますが、これも予算積算がなかつたにかかわらず、つまり昭和二十三年度の商品費予算に二十二年産米に対する追加拂い、いわゆるバツク・ペーと称しておりますが、それに対する積算がなかつたにかかわらず、バツク・ペー行つたという点を批難されておられるわけであります。これも積算されておらないことは事実でございますが、このバツク・ペーの問題に関しましては、すでに御承知かと存じますけれども、二十二年産米価格決定の際に、パリテイ計算によつて価格を決定いたしました。ところがその後におきまして、逐次一般物価が上昇いたしましたので、その物価の上昇に応じてそれにスライドすると申しますか、それとのパリティーにおいて、なおその後の価格変動に対する調整措置を講ずべきであるという意見が一般的に起りまして、国会方面におきましても、すみやかに二十二年産米に対する追加拂いをなすべしという決議があつたような次第であります。この点につきましては、できるだけ早く追加拂いをしなければならぬ。しかも二十三年度予算につきましては、当時なお余裕がございましたので、補正措置をとらずに、バツク・ペイを実施いたしたのであります。しかし検査院の御指摘通りに、積算がなかつたというのはその通りであります。いろいろと見解の問題もございますが、その点多少遺憾にも存ずる次第であります。  次に三百二十三の国有物件でございますが、これは東京食糧事務所におきまして、会計検査当時までに相当数量の米が、帳簿面と実際の在庫高との間に相違があつたのでございます。これは詳細に証拠書類を検討いたしました結果、実は終戰当時混乱による不都合であるということを、東京事務所においても、また食糧庁といたしましても確認いたしたような次第でありまするが、終戰当時、特に戰争の末期と終戰直後におきましては、運送途中におきましても運送中の貨車が空襲を受けて、東京あるいは神奈川に送り込むはずのものが大宮でストツプになつた。それから倉庫空襲を受けて焼ける。また軍に対して拂い下げましたものも、終戰後軍がすべて決済が済まないにもかかわらず、証拠書類を焼いてしまつたというような関係で、なかなか整理が困難であつたのであります。しかも食糧事務所といたしましても、戰争中から男子の熟練した職員はどんどん応召いたしまして、未熟練の女子職員、しかも非常に人数も不足いたしておつたのでありますが、そういつた連中は日常の緊急事態に対処するのに精一ぱいであつたのでありまして、ますます整理を遅らせたような実情にあつたわけであります。そこで全国的に戰争中のこういつた混乱にあります手持ち商品の狂いがあつたのであります。当時の食糧管理局といたしましても、すみやかにこれを整理するために、いろいろと指導監督いたしたのであります。従つてこの実地検査の当時までには、全国的にほぼそういつた整理を完了いたしておつたのでありまするが、東京食糧事務所は何と申しましても世帶が非常に大きく、倉庫も多数にございます。工場も非常に多数にございます。また運送されて入つて来る食糧も、たくさんの駅から、非常に大量のものが入つておりますし、また当時は非常に食糧事情が今日に比べますと困難なときでありまして、これに対処するいろいろな緊急措置が多かつたために、東京食糧事務所だけは多少整理が遅れたといううらみがあつた次第でありまして、その後徹底的に、その当時から終戰当時までさかのぼりまして調査しました結果、大体戰争末期におけるもの、また終戰直後におけるものと認めまして、これを帳簿上から落すことにいたした次第であります。しかしながら実地検査によつて嚴重注意を受けまして、また批難事項として御指摘になりました通りに、整理が非常に遅れたということはまことに遺憾に存じておるのであります。その後におきまして、さらに帳簿実在庫との照合につきましては、徹底的に全国的に嚴重な指令を発しまして、今日におきましてはまず百パーセント不都合がないと申し上げてよろしいように相なつております。  次は三百二十四、食糧証券関係でございますが、昭和二十二年産米供出最盛期に入つたときに—これは今日でもさようでありまするが、支拂い資金をどしどし供給しなければならぬのであります。供米代金に対する支拂い方法は、末端の食糧事務所食糧検査官支拂い証表切つて、それに対して—これは今日の実情でありまするが、農林中央金庫を通じて支拂い資金を供給するという関係になつてつたのであります。当時は農業会関係が違つた買入れ方法をとつておりました。多少支拂い方法違つてつたのでありますが、しかしいすれにしましても買入れ代金を早急に供給して買入れに支障なからしめる、また農家の供出意欲を減退せしむるようなことがあつてはならないというので、出来秋におきましては、その資金の調達に非常に苦心を要するのであります。出来秋には非常に大量の食糧証券を発行いたしまして資金を調達するのでありまするが、同時に予算上の措置もこれに伴わなければ支出ができないということに相なるのであります。そこで二十二年産米に対しては、実はこの御指摘になりました三十五億円の資金を交付するために食糧証券を発行いたしたのでありまするが、当時国会に提出されておりました補正予算が、会期延長のために成立が遅れまして、それを見込んで発行いたしました食糧証券によつて調達された資金が実は支拂いができなくなつて預金部へ預金するような結果に相なつたのであります。この点につきましては当時法律上多少疑義がありまして、いろいろ解釈上論議があつたのでありまして、当者はできるのではないかという見解のもとにやつたようでありまするが、実際問題として結局支拂わなかつたというのでありまして、これを会計検査院で指摘され、また批難事項として批難されたのであります。まことに遺憾に存ずる次第であります。  以上はなはだ雑駁でございますが、食管特別会計関係批難事項について、概畧御説明を申し上げました。
  4. 本間俊一

    本間委員長 食糧特別会計の二十二年度の決算で、御質疑がありますれば御質疑を願いたいと思います。
  5. 前田榮之助

    前田(榮)委員 今御説明になりました事項のうちの三百二十一、三百二十二に関してですが、この三百二十二につきましては、多少われわれが了承する点もあるわけですが、三百二十一の、予算がないのに庁舎を建てたということです。なるほどその庁舎—庁舎と言いましても課長用官舎ですが、これの必要なということは当時の住宅事情等から考えまして、了解できないことはないのですが、單に必要だから予算にないものでも建てるということは、今の会計法からいたしましても、また国会の議決を経ない予算行政庁が使用するということは、国会無視の、いわば憲法の精神に反する重大な問題だと思う。ついてはなるほど地方の官庁等において、中央と連絡なしにこういうことをやる場合もあると思いますが、こんなはつきりしたことをやらせたということは、これは重大な責任だと思います。いかに従来慣例があつても、これは断じてやらすべきものではないのであつて、たとえばこれが食糧消費者に供給しなければ、あすの日が食えないとかいう緊急な問題ならいざしらず、單に官舎がないからといつてまさかよその軒下に寝るというようなことではないと思う。こういうことは、日本の現在の政治のあり方について、特に重要なものだと思うのですが、この責任を單なるこうした批難事項で、この委員会が認めるということには、私は断じてならぬと思うのであります。これの責任主管—たとえば食糧関係なら農林大臣等が重大な責任を持つべきだと思う。これに対してもちろん食糧管理局長等は特に責任があると思うわけでありますが、この当該官庁の上長官たるべきものの責任はどうなつておるか。この点を明確に御答弁を願いたいと思います。
  6. 伊東正義

    伊東説明員 お答えいたします。今の問題でありますが、私どもといたしましては、この三百二十一の予算積算がなくて官舎を建てた問題が、たまたま食糧関係に出ておりましたが、この前の委員会でも出た同じ問題でありますが、農林省としましては、当時の関係者嚴重なる注意をしただけで、公務員法上のいわゆる免職であるとか、あるいは懲戒処分はいたしておりません。ただ行政上の嚴重注意をするということで、農林省としてはこの処置を終つております。
  7. 松岡亮

    松岡説明員 ただいまの御質疑にお答えいたします。ちよつと私の説明が足りなかつた点もあると思いますので、ちよつと補足いたしたいと思います。  実は予算がないという考え方でありまするが、予算科目はありますし、請負費とか、そういつた建設関係予算はあつたのであります。この予算要求した際に、食糧事務所庁舎、あるいは倉庫といつたものを算出基礎として大蔵省要求したわけであります。つまり算出基礎として庁舎関係が漏れておつたというのでありまして、国会で成立しました予算がなかつたということではなくて、要求の際に漏れたということであります。検査院の御指摘通りに、予算というものはできるだけ将来を見通したものでありまするから、それをできるだけ正確に見積つて出すべきでありますが、予算が成立しましてからも、その後の事情変化によりまして、当時の要求とは違つたことも、場合によつてはやらなければならぬということもあります。これが実情でありまして、予算がなかつたあるいは支出科目を誤つたというのではなくて、算出基礎として計算されなかつたというのであります。多少私の説明が足りませんでしたので、これを補足をいたしておきます。
  8. 風早八十二

    風早委員 どうも今の御説明では少しへんなことになりはしないですか。そうしますと、これだけの費用は結局積算されてありました他の費用に食い込んでおることになるのだと思うのですが、そういう場合の措置はどういうふうにされたのですか。たとえば積算されてある庁舎倉庫及び工場の新営に関する経費、これは積算されてあるというのですが、当然建てるべき倉庫工場、そういうものが結局この分だけ建たないということになるわけですが、その点はどういうことなのですか。
  9. 松岡亮

    松岡説明員 ただいまの御質問でありますが、すでにきまつた予算範囲内におきましても、例を上げて申し上げますと、庁舎設計につきましてそれを予定よりも狭めることができた、あるいは單価を下げることができたというようなことで予算を節約しまして、これを同じ庁舎に付属する官舎設計のために使うことも可能となるわけであります。そういつた予算通りに運ぶことはなかなか困難でありまして、予算要求した当時から多少の変化は、物価変動によりましても、またその後のいろいろな実情によりましてもあるわけであります。
  10. 風早八十二

    風早委員 そうなりますと、差引赤字がこの問題から出て来ておるかどうかということは、やはりはつきりしていただかないと、今のようなことはあり得ることです。あり得ることですが、結局建てなければならないものは初めからきまつてつたのでありまして、それに積算しなかつたものをこの際に多額に出しておるということから、赤字が出たという場合が十分考えられる。そういう点の会計上の御報告もちよつと承らないと、これが納得行かないと思うのです。
  11. 松岡亮

    松岡説明員 ただいまの赤字という意味でございますが、私の解した範囲内の赤字という意味でありますと、二十二年度におきましては赤字は出ておらぬのであります。食管会計全体としましては約六十億程度の益金を出しております。
  12. 伊東正義

    伊東説明員 今松岡説明員から説明したのでありますが、少しどうも言葉が足りなかつたのじやないかと思うのです。やはり今風早委員から御指摘のあつた通りですが、予算積算しておくべきものなのであります。それで余つた場合という表現を用いたのでありますが、これは予算が一年先の見通し物価変動等、いろいろ考えて組むのでありますが、本来なら余つたら不用に立てて返すべきものなので、そこがやつぱり官舎について積算をしておかなかつたということは、本省の手落ちだというふうに思つております。
  13. 本間俊一

    本間委員長 ほかになければ、今の食管会計説明を聞くことにいたしたいと思いますが、いかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 本間俊一

    本間委員長 それでは御異議ないようですから、批難事項の方を一応この程度にいたしまして、現在の食管会計状況につきまして、補正予算との関係どもあるようでありますから、一応説明を聽取することにいたします。
  15. 金城順隆

    金城説明員 ただいまの食管会計がどういうふうな状況になつているかということを御説明申し上げます。昭和二十四年度の予算を編成いたしましたときの、この特別会計收入の総額は大体四千四百十五億九千八百万円を見込んでおりまして、そのうち現在收入済みとなりました金額は千二百九十一億八千七百万円となつております。大体の内訳は当初予算で、これは八月末日の現状でありますが、年間食糧の売拂い代が三千八十九億四千七百万円見込みましたものが、八月末日までの收入が千七百五十六億二千万円となつております。それに対しましてこの年間支出の分と予算当初見込みました分が、四千四百九億二千七百万円、これが八月末までに二千百五十五億三千四百万円だけ支出されております。そのうち最も大きいものが食糧の買入れ代でありますが、これが予算当初は大体二千六百億の予定でありましたのですが、八月末日食糧買入れ代として支出された分が八百四十八億四千七百万円ございます。そのほか大きいものといたしましては、他会計繰入れ、これは食糧を買入れますときの食糧証券を去年発行いたしておりまして、それが三月三十一日から本年度に越されたものが、千百八十億あります。その分に対して予算で当初見込みましたときには、食糧証券の返す分と、それから二十四年度中の利子が五十六億、それを合せまして千三百六十億五千九百万円見込んでおりました。これが八月三十一日までにその証券を返しましたのが千百八十億を全部返しまして、そのほか金利が大体二十億くらいありますので、この科目支出が千二百一億二千六百万円支出いたしております。これが現在の帳簿上の支出した大体の金額になつておるわけであります。これに対しまして、本年度の補正予算でありますが、これは目下大蔵省、それから関係方面と折衝いたしておりまして、大体の金額はきまつたわけでありまして、いずれ近く国会補正予算として提出されると思いますが、そのおもなるものは、大体食糧の買入れ代の増加であります。御承知のように当初の予算におきましては、大体百四十三の農業パリティーで計算いたしました米価予算に織込んでおりますが、最近の情勢農業パリティー相当上りまして、百五十六何がしの農業パリティーになるということになつておりますので、その差額だけが不足になります。それからまた輸入食糧も当初見込みましたときには二百二十九万トンの輸入食糧があるものとして予算積算いたしたのでありますが、最近の情勢輸入食糧が非常にふえて参りましたので、それの増加分積算いたしまして、補正予算といたしましては大体四百億程度補正予算になると思います。それからなおそういうふうに輸入食糧増加いたしますと、二十四年度末から二十五年度に持ち越して参ります食糧数量というものは勢い増加いたしまして、それに見返るべき食糧証券というものもふえなければいけないのでありますが、これも関係方面との話で、前年度の持ち越した食糧証券は千百八十億を越してはいけないというような話がありますので、その関係一般会計から繰入れるというような関係になるのでありまして、その点が一般会計から繰入れになる。なお米価相当値上りいたしますと、それに伴つて当然消費価格の値上りということも考えられますので、この値上げの問題につきましてはまだはつきりどうというふうにきまつたわけではありませんが、ただ補正予算といたしましては一応基準を計算いたしまして、それによる値上げ收入というものも一応見込んで出すということになつております。簡單でありますけれども、今大体の食管会計状況はこういうふうになつております。
  16. 本間俊一

    本間委員長 そうすると、ちよつとお尋ねしますが、見通しはどうですか。二十四年度の食管会計は赤が出ませんか。今大体折衝している範囲内で一般会計からの繰入れがきまればその点はどうですか。
  17. 金城順隆

    金城説明員 一般会計からの繰入れが相当の額になるように思いますが、この一般会計からの繰入れと言いますのは、大体食糧持越しのふえる分について繰入れをするというふうになつております。赤は今申し上げますように、米価相当つておりますし、それに十月から新米を食べておりますので、その十月以降今後値上げがいつになりますか、その値上げするまでは旧消費価格で売られるわけでありますから、その分はどうしても赤になる。  それからもう一つは、二十四年度になつて二十年産米超過供出が出ております。それは米とほしかんしよなどもありますけれども、それはやはり三倍価格で買つておりますから、その分の赤も考えられます。両方の赤を消すために、いろいろ十二月とか一月とかいう値上げの話が出ているわけでありまして、それを計算いたしまして、値上げをせざるを得なくなる、あるいは、その赤をそのまま持ち越して、四月になつて値上げをするかというような問題は、また今後に残されておると思いますが、予算積算といたしましては、一応バランスをとるという意味で、ある一定の期間を区切つて、そこから値上げをするという形式をとつて補正予算を提出するという考えでおります。幾ら赤になるかということははつきりした数字はございませんけれども、ある程度の赤は出ると考えられます。
  18. 風早八十二

    風早委員 ちよつとお尋ねしますが、輸入食糧の量がふえたということは、これは最初から見通されておつたものでありますか。もし見通されておらなかつたとすれば、どういう理由で量がふえたのか。及び今後輸入食糧についてさらにふえるという見通し、あるいはふえないという見通し、そういうものについてお伺いしたい。
  19. 須賀賢二

    須賀説明員 私ども承知いたしております範囲で述べたいと思います。輸入食糧の今後の見通しでありますが、ただいまのお尋ねのように、当初からそういうものを見通しておつたかどうかという点でございますが、対司令部関係等におきましても、この輸入見通しと申しまするものは、非常に状況によつて変化いたしておりまして、ただいま補正予算基礎になつておりまするような数字は、当初においては見通しておらなかつたのでございます。輸入食糧が将来相当増加するというけはいが見えましたのは、比較的最近のことでございまして、それに伴いまして予算の方の補正という問題も起きて参つたような事情でございます。今年度の予算を作成いたしました当時からは、相当数字的にその見積りがかわつておるような状況でございます。輸入食糧がどういう理由でふえて参るかというような点でありますが、これらの点につきましては、いろいろ解釈仕方等もあると存ずるのでございまするが、そのねらいなり目的をわれわれが了解いたしておりまする範囲におきましては、できるだけ配給食糧の内容を質的に改めて参る、そういう努力を続けるということによつて実質賃金の安定でありますとか、ひいては国民全体の経済を安定の方向に導いて行こうというような方向に努力せられておるものと考えておるのであります。
  20. 風早八十二

    風早委員 この輸入食糧がふえますと、言うまでもなく補給金もふえるのでありまして、当初の予算で四百六億という莫大なる補給金が見込まれておるわけです。それがまたどんどんふえますと、ますます補給金の方もふえるのです。これはドツジ・ラインから見てもおかしな話だと思うのです。それだけの金があれば、これでもつて日本の国内の農業生産につぎ込むということになれば、もう大体今だつて配給の面のことを一応考慮に入れなければ、りくつから言えば十分に自給ができるだけの食糧はあるわけです。それを特に外国の食糧を入れるというのは、今のような食糧の内容を改善するというような意味から言いますと、そういうことはどうも当らないように考えられる。これらの点を考えますと、今後の輸入食糧について政府の一つの計画というか、国内の農業生産をどう発展させるか、そしてできるだけ国内で自給自足をやる、これは日本の経済が自立して行けという至上命令によつても、当然出て来ることなのでありまして、そういう点とにらみ合せてやる意思は持たれないのですか、この点をひとつ伺つてみたいと思います。つまり今のお答えでは、ただ食糧の内容をよくする、いかにもこれが国民に利益なように聞えますが、実際においては農民が一番神経に病んでいるのは、これはあなた方の方がよく御存じかもしれませんが、われわれがどんな農村に行つてだれに聞いてみましても、一番神経に病んでいるのは外国食糧輸入です。この点は偽らざる農民の声です。こういう点について一体なぜ政府は高い外国食糧を買つて、われわれの食糧を安く値切つて供出させるか。これはどこでも共通な声なんですから、そういう点についてもつと国内の農業並びに農民の問題と関連して外国輸入食糧の問題を考えるという意思並びに計画はないか、それをひとつお尋ねいたします。
  21. 須賀賢二

    須賀説明員 御指摘の点でございまするが、その点につきましては、われわれとしてももちろん十分に考えて参らなければならぬと思つておるのであります。ただいま補正予算基礎にあげられておりまする輸入食糧数量について考えましても、この約半分程度は御承知のようにコンマーシヤル・フアンドに基いているものでございまして、このコンマーシヤル・フアンドに基きまするものは、その裏づけといたしまして当然に日本の輸出力が必要なわけであります。従いましてわれわれといたしましても、この日本の輸出力を裏づけといたしまするコンマーシヤル・フアンドの輸入というものにつきましては、実行上の面につきましては、十分にいろいろな角度からその措置を考えて参らなければならぬと考えておるのであります。従いまして私どもの需給計画等につきましても、手放しで今想定されておりまするような数字をそのままうのみにして需給計画を立てて行くというような考え方はいたさないつもりにいたしております。国内供給力を十分にしつかりした基礎のもとに考えて行くということは、もちろん考えておるわけであります。今二十四年産米を一例にとつて考えてみましても、これは御承知のように相当の不作であるというふうに伝えられておるのでありまして、相当不作であるという各方面からの陳情を受けておるのでありまして、われわれといたしましても、その実態的な数量を把握いたします点につきましては、各方面の資料を検討いたしまして、目下極力努力をいたしておるのであります。従いましてそれらの点につきましても、実際の今後の日本の食糧の供給力というものを頭に置きまして、実際必要な輸入数量を押えて行くというような方向で考えて参りたいと思つております。
  22. 中川俊思

    ○中川委員 ちよつと関連して、ただいまの点でありますが、実は農村をまわつてみますと、食糧の最高値段はそのときに応じて示されるのでありますが、最低の値段をぜひきめてもらいたい、こういう希望がかなりあるのです。と申しますのは、ただいまもるる御質問があつたようでありますが、今後海外からどんどん食糧が入つて来るわけです。そうした場合にうんと日本の米が暴落しはしないか、こういう一種の危惧を農村では持つておるのであります。これに対し農林省の方面ではどういうふうなお考えを持つておられるか。  なお委員長にお願いするのでありますが、もしその点について、農林省の方として、この席上で具体的にお話ができないようでありますならば、速記を一時中止していただいて、具体的にひとつお示しを願いたいと思います。私ども農村をまわりまして、よくそのことで質問を受けるのであります。どんどん海外から米が入つて来るようなことになる。ことに日本は現在占領下にあるから、あまり日本が必要としないものでも入つて来るような場合があるいはあるかもしれない。そういう場合に、現在の日本農村というものは非常な恐慌に見舞われるが、これに対して一体どういうような考えを持つておるのかという質問をよく受けるのでありますが、この点に対しまして、もしさしさわりがありますならば、速記をやめていただいて、具体的に御説明を願いたいと思います。なお先ほど私の申しました最低値段をおきめになる意思があるかどうか、この点につきましてお尋ねしたいと思います。
  23. 須賀賢二

    須賀説明員 将来最低価格を設けて、特に農産物の価格の安定等の措置を講ずる考えがあるかというお尋ねでありますが、率直に申しまして現在政府部内におきまして、その段階までの措置につきましては、まだ十分なる検討が進んでおりませんと申し上げるよりほかないのであります。しかしながら当面の問題といたしまして、さしあたり来年度のさつまいもの問題等があるのでありますが、この扱いもいろいろの情勢がかわつて参りますので、結論を出すために、私どもの方としてはいろいろ苦心をいたしておるのでありますが、それらの議論の過程におきましても、ただいまお尋ねいただきましたような点につきまして、われわれといたしまして研究はいたしております。いろいろ財政方面の問題でありますとか、各般の條件に拘束をされておりますので、なかなか具体的にその施策を明らかにするような結論にまで到達しておらないのであります。なおその点は私どもとしても将来必ず起きて参ります問題でありますので、研究いたしてみたいと思つております。
  24. 風早八十二

    風早委員 結局なかなかお答えはないでありましようが、今非常にいい御質問が出たのでありますが、私がお伺いしたいのは、やはり今のような政策は、日本の政府当局、特にその中でも農林当局としては、これはやはり非常に矛盾を感じておられるかどうか。その点をお伺いしたい。
  25. 須賀賢二

    須賀説明員 矛盾を感じておるかというお尋ねでありますが。これは私ども、実際の仕事をしておる感じでありますが、特に今年の米の補正の問題等については、いろいろ私どもとして判断をしなければならない要素が非常に多いことは考えております。
  26. 前田榮之助

    前田(榮)委員 今同僚の質問に対しての御答弁の中に輸入糧が見込数よりも多くなる状態で、これは食糧配給の改善等が考慮されておるということですが、これに関連してお尋ねを申し上げておきたいことは、農家の保有米の関係であります。ことに広島県の島嶼部あたりでは、かんしよの栽培地でありまして、米はほとんどないのであります。それで二十四年度現在、かんしよを生産しておる者のいわゆる保有米の形においてかんしよの保有で、半月分ないし一箇月分ぐらい配給を停止しておるのであります。従つてこの瀬戸内海沿岸のかんしよの栽培地においては、配給がないから、一箇月分もいもばかり食べなければならぬ実情にある。これはいろいろ配給操作の上において、非常に困難な事情があるのだということを、地方の食糧管理事務所の方では言つておるようですが、この輸入食糧の増大によつて、配給の改善を行うということは、こういうことをやろうという考えの中に、そういう数字が入つておるのかどうか。それからかりに輸入食糧との関連とは別個に、まさか一箇月いもばかり食えというような乱暴な話はないわけですが、これが改善ができるのかどうか。またこれに対して何らか改善の方法等を考慮されておるのか。こういう点をひとつお聞かせを願いたいと思います。
  27. 須賀賢二

    須賀説明員 輸入食糧数量と見合いまして、農家の保有食糧の点についても何か考えておるかというお尋ねでありますが、この点は輸入食料の増加数量と見合いまして、一般配給食糧と並行をして考えて参りたいという気持でおります。  それからかんしよのみを食つておるかんしよ作農家に対して、当面何か措置を講ずるかというお尋ねでありますが、これは御質問の通り、非常にむりなことをしているような事態が各所に出ておりますが、その点はかねてから何とか調整をいたしたいと思つております。ほつておけない問題でございますので、十一月からかんしよのみを食つております農家に対しましては、かんしよ以外の食糧を配給して行く。それは形の上では保有期間を延ばしまして、その中間へ将来配給をいたします物をはさんで参るということになるのでありますが、十日ないし十五日分ぐらいの、かんしよ以外の食糧を配給をするようにして、実際そういう農家が食つて行く上に困らないようにいたしたいと、ただいま具体的に関係県とその処置を相談をいたしております。
  28. 中川俊思

    ○中川委員 ただいま前田君からお話しのあつた事ですが、実は私も先般広島県の島嶼部をまわりまして、前田君は一箇月と言われたが、一箇月どころではない、一年の中で十箇月ぐらいはいもを食わしておる。島嶼部では島嶼部の町村長等が憂慮して県庁へ行く。県庁から農林省の方へ来るけれども農林省の方からなかなかまわつて来ない。こういうので実は困つておるのです。広島県に倉橋島という所がございますが、ここの村長あたりは、県庁から副知事やらその方の関係の人を呼んで来て、一ぺんここで一箇月でもいいからいもを食つてみいというので、実に憤慨したという実例があるのです。この点につきましては、これは広島だけではないと思いますが、島嶼部では、そういうような関係で、農林省に対しましても、るる陳情があつただろうと思うのであります。この点につきましては、将来よくするからというような抽象的なことでなく、どうか即刻善処してやつていただきたいと思うのであります。  それからいま一つお尋ねしたいことは、一部保有農家の保有量を供出農家並にしてくれという希望がずいぶんあるのであります。すなわち四合にしてくれというのでありますが、これはどういうふうになさる御意思か。それがいまだに六・四というものが実施されておるのではないですか。つまり六割は麦、四割はいもを植える。これは御承知通り、戰時中きめた制度だと思うのでありますが、すなわち六・四割というものがいまだに実施されておるように伺つておるのであります。これをせひ改善してもらいたい。ことにいもの統制は撤廃されやしないかというようなことがありますときに、依然として六・四割を島嶼部では強行を命ぜられておるというので、非常に困つておるのでありますが、この点将来もお続けになる御意思かどうか。それからいま一つ前申し上げました、一部保有農家の保有量を供出農家並にしていただけるかどうか。この点につきまして、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  29. 須賀賢二

    須賀説明員 今の完全農家の分は、これは将来処置をせんということでございません。私の方ですでに具体的方針をきめまして、ただいまお答えいたしましたように手をつけておりますから、現場の方もそのように改まると思つております。  それから一部農家の保有量は、御承知のように完全農家と差があるのでありますが、これは二十四年度すなわち十一月から、従来の三合二勺五分の平均を三合五勺に改めました。ただ御承知のように、非常に小さい農家から完全農家すれすれというような段階までありまして、その間非常にバラエテイが多いものでございますから、その実態によつて、いろいろな議論が出て参ると思うのでありますが、概括的な平均といたしましては、基準をきめるという立場からいたしましても、一応三合五勺ということであれは、何とかやつて行けるのではないかというふうに考えておるのであります。  それからただいまお尋ねの六・四制ということは、私実はあまり今まで聞いたことがないのでございまするが、もしそういうようなことで、作付あるいは割当の面で何か不当なことを強制しておるような点がありますれば、よく研究をしてみたいと考えております。
  30. 中川俊思

    ○中川委員 畑作におきましては、耕地面積の六割は麦、四割はいもというようなことが戰時中からきまつてつたと思うのであります。それがいまだにそのまま残つておるのであります。この点ひとつ御研究いただきまして、御善処を願いたいと思います。
  31. 二階堂進

    ○二階堂委員 かんしよの問題につきまして食糧部長にお尋ねいたしたいと思うのであります。かんしよの統制が徐々に撤廃され、また主食からはずされるという見通しがあるのでありますが、かんしよの主な生産県——私は鹿兒島でありまするが、鹿兒島のかんしよ生産農家は、この問題については重大な関心を持つておるのであります。この問題の影響するところは非常に大きいと私は考えておるのでありまするが、何といたしましても、統制撤廃の方向は一つの大きな流れでありまして、やむを得ないとは考えまするが、政府といたされましては、このかんしよ加工の問題、あるいは澱粉加工といつたような問題につきましても、生産者を保護するような対策をどのようにお考えになつておるか、これについてお尋ねをいたしたいと思います。
  32. 須賀賢二

    須賀説明員 かんしよ特に二十五年産からのかんしよをどういうふうに扱つて参るかということにつきましてはまだ政府としても明確なる方針を決定しておりませんので、具体的にどういうふうにいたすかということを申し上げかねるのでありまするが、さように決定が遅れておりまするのも、食糧需給の面はさることながら、かんしよの統制をはずすというような場合に生じまする農家経済に対する非常に大きな影響を考えておるわけでありまして、その点について具体的に何らかの施策を裏づけといたしたいというようなことで、いろいろ研究を進めておるわけであります。ただいまお話の加工方面につきましても、御承知のように、相当大量のかんしよが生産をされまするならば、とうてい生だけでこれを処理して参るということはできないわけでありまして、加工方面にかんしよの相当数量が吸收されて行き、適当に処理されて行くような裏づけをどうしても処置いたさなければならぬのでありまして、澱粉企業等につきましても、特に本年度におきましては、私どもといたしまして、その企業が急激なかんしよ事情変動で打撃を受けるようなことの少いように十分措置をしておるのであります。ただ何と申しましても、来年かんしよの統制がかりに相当大幅に撤廃されるというような事態を考えますると、ただ加工方面だけが安定した操業をして行くというようなことも考えられないわけでありまして、加工方面につきましては、将来のことを考えて自主的に十分操業ができて行くような基礎を今からつくつてもらいたいという要請も、一面いたしておるようなわけであります。それらの問題に対する決定が非常に遷延をいたしておりまして、農民方面に対してもいろいろ迷惑をかけておると思うのでありますが、いろいろな問題がからんでおりまして、なかなか簡單に結論が出しにくいという点もあわせて御了承が願いたいと思うのであります。
  33. 風早八十二

    風早委員 先ほど今年度の風水害による凶作というようなお話がありましたが、それに関連して、事前割当に対する補正三百万石ということが可能だということを、農林大臣がどつかで言明されておりましたが、これは間違いありませんか。
  34. 須賀賢二

    須賀説明員 補正数字につきましては、目下関係方面と毎日折衝を継続いたしておりまするが、私どもの方といたしましては、一応関係のいろいろなところからとりましたデータに基きまして、補正数量要求いたしておりまするが、まだ具神的に幾らの数字に基いて補正をするというような数字が、現われて来る段階に立ち至つておらぬのでありまして、農林大臣は三百万石ということを、この前新聞に現われるような形において、どこかでお話をなさつたようでありまするが、三百万石絶対に間違いないかというお尋ねでありますと、その通りだとはちよつと申し上げかねるのでございます。
  35. 風早八十二

    風早委員 それはいいですが、それできようのあなたの御報告もやはり中心は外国食糧輸入にあると思うのですが、この点ぜひ承つておきたいのは、今国際的な農業恐慌で、御承知のようにどんどんと農産物の価格は下落しつつあるわけですが、最近の輸入食糧、特に米と小麦につきまして沖受値段をちよつとお教え願いたいと思います。
  36. 須賀賢二

    須賀説明員 実は私きようは非常に不注意輸入食糧の資料を置いて参りまして、はつきりしたことを申し上げかねるのでありますが、現在取引をいたしておりますただいま着いておりますもの、それからここ二、三箇月くらいに着きますものは、それほど従来と価格変動はないのでございまして、むしろ価格が動いて行くということは、ある程度先のことではないかと思つております。ただ現実にコントラクトのできておりますようなものは、従前の価格とかわつた動きをいたしておりません。
  37. 風早八十二

    風早委員 今値段はどうです。
  38. 須賀賢二

    須賀説明員 大体小麦粉がドルで九十ドルくらい、それから米が百五十ドルくらいであります。もし正確なものが必要でございましたら、別の機会に最近のコントラクトの建前を刷つたものでも差上げてごらんに入れます。
  39. 風早八十二

    風早委員 これはこれから下ることはきまつているのですが、不幸にして最低値段がついておりますから、それ以上下ることはないと思うのです。これが下るに従いまして国内の米や小麦粉供出価格といつたようなものに影響があるのかどうか。この点のはつきりした見通しをお知らせ願いたい。これは農民の関心が非常に高いのであります。
  40. 須賀賢二

    須賀説明員 その点は私からあまりはつきりしたことは申し上げられないのでありますが、現在の国内の価格は、御承知のように一応パリテイー計算だけを基礎にしてはじいておりまして、国際価格との関係というものは考慮に入れないで、現在の国内産食糧価格はきめております。従いまして国際価格との関係がどうなつて行くかということは、現在の建前からいたしますと、国際価格の動きによりましてこれが日本の諸物価に影響してパリテイー指数に響くいて来れば、そこへ具体的に反映して来るということになるわけでありまして、国際価格と絶対額そのものを比較いたしましてどうするというようなことは、現在の国内価格のきめ方からは左右されておらぬわけであります。
  41. 風早八十二

    風早委員 そこで今後の米の値段は四千四百五円でしたか、このことについてはいろいろ問題があるのですが、時間もありませんからその点はあとまわしにして、この四千四百五円の財源ですね。これは聞くところによりますと超過供出の三倍を二倍にして、その一倍分をそれに充てるというようなことでしたが、その通りですか。
  42. 須賀賢二

    須賀説明員 別に財源をどうということでございませんで、例のパリテイー計算の方法でパリテイー指数をはじきまして、それに基準年次の価格をかけましたものによつてはじき出しておるわけでございます。ただ超過供出を二倍にするか三倍にするかというような点が、一つの問題になつておるわけでございまして、米価そのもののはじき方は、パリティー基礎にして出しておるということでございます。
  43. 風早八十二

    風早委員 今生産費は大体一万円かかるか幾らかかるか、ところによつても違うと思いますけれどもパリティー計算によつてつたと言われますけれども、とにかく非常に生産費を割つておることは間違いないのです。それでとにかく幾らでも上げることはけつこうなのですが、その結果今度は逆に税金その他が上りまして、差引きして一体農民の手取りがとうなるのか、そういう点についてひとつはつきりしたものを数字的に示していただきたいのです。ことに今度のシヤウプ勧告案に従う場合の税率というようなものを参照された場合にはどうなるか。そういう点もひとつお話願いたい。
  44. 須賀賢二

    須賀説明員 実はただいまのお尋ねにただちにお答えを申し上げるような材料を持つておりませんので、別の機会にお願いいたしたいと思います。
  45. 風早八十二

    風早委員 その点はこれは大事なんで、ただ値段が上つたと申しましても、上り方によつては結局マイナスになるということではえらいことなのです。問題はやはりただ農業経営だけでなく、農民の生活自体に非常に関係して参りますから、この点では上げられる場合には責任を持つてそういう点も考慮していただきたい。あなたの方では、一応値段を上げさえすればそれで農民に対して済むことになるかもしれぬが、税務署の方では絶対にただでは置かないのですから。差引きしてどうなるかということを一番早い機会にぜひ—あなたの方では計算器がありますから、どうかお願いいたします。
  46. 藤枝泉介

    ○藤枝委員 先ほど主計課長からのお話の本年度の赤字の問題であります。値上げに関連するものは別といたしまして、予定よりも超過供出が多くて、これが赤字の原因の一つになつているというお話でありましたが、それが数字的にどの程度の見込みであるかということ。それから今年の早場米の奬励金の問題です。これはいろいろ問題が起つたのですが、予定された数字ちよつと忘れましたが、七十何億という一応の予定を組んでおられたようであります。それの実際の支出状況はどうであるかということがわかりましたらひとつ。
  47. 金城順隆

    金城説明員 ことしの超過供出による赤字というものは、昭和二十三年産米で、四月以降買上げられておるものが大体米で五十万石あります。これははつきりした余額と対照した数字ではありませんが、ことしになつて出たものは大体全部超過供出と予想されますので、これが三倍買上げで買われておるということになりますれば、大体二倍分だけの、石に七千円くらいずつ、五十万石とすれば三十六億くらいの特別会計の赤になります。それからほしかんしよは二十三年産のものが大体千六百万貫くらいで、これがやはり三十億くらいの負担になつておるのであります。それから早場米の奬励金でありますが、これは大体予定いたしましたのが七十億であります。これは予定といいましても、昭和二十四年度産米ができてその後の予定でありまして、当初四月の価格決定のときの予定ではありません。それからいもが十二億の早堀りを予定いたしたわけであります。実際の支出が早場米が大体五十億、いもの方が六億ぐらいというふうになつております。
  48. 田中織之進

    ○田中(織)委員 今の超過供出、それから早堀りかんしよなどの関係の、いわゆるマル公超過分は、それだけ特別会計赤字になる、こういう御説明のようでありましたが、それはたとえば米の生産者買上げ価格と、消費者に対する売渡し価格との間に、二十三年度産米につきまして、現在においては二千二百円余の開きがある関係から、そのまま特別会計赤字になつて行くというふうには考えられないと思うのですが、その関係はどうなつたのか。それから、食管関係の方が見えておられますならば、生産者買上げ価格と消費者売渡し価格との間の二千二百円余の開きというものは、その細目はどういうふうになつておるか。その点をひとつ明確にしていただきたいと思います。
  49. 金城順隆

    金城説明員 今申し上げましたのは、価格決定いたしましたときに、超過数量というものを一応予定いたしておるのであります。たとえば米で申し上げますと、昭和二十三年度産米の価格決定いたしますときには、大体五%程度超過供出があるだろう、従つて五%程度超過供出価格というものは、これは消費者価格に織り込んであるわけであります。かんしよとかいうものにつきましても、同じように当初これくらいの超過があるだろうということで、それに対しまする負担額というものは、全部消費者価格へ織り込んであるのであります。それ以上出ますと、これは織込み以外の部分になりますから、特別会計の負担になることになります。それから生産者価格と政府の売渡し価格の差額の問題でありますが、これは俵当りで大体申し上げますが、一儀当り基本価格で、消費者価格と生産者価格の差額というのに織り込まれておるものが、等級間の格差というものが一応織り込まれております。これが十五円七十銭ほど織込んであります。それから先ほどおつしやいました超過供出の買入れ分というのが百五十七円十七銭、早場米の奬励金の分といたしまして百六円七十四銭、それから追拂いの分でありますが、これが二十七円六十銭入つております。それから政府の輸送及び公団の輸送費用といたしまして九十五円二十五銭、それから買いましてから政府及び公団で保管するその保管費用が三十一円二十六銭入つております。そのほかに集荷業者に拂います集荷手数料とか、政府及び公団の人件費、それから買入れ資金の金利というようなものが二百三十四円二十二銭入つております。これは六十キロ当りにこういうふうに入つております。
  50. 田中織之進

    ○田中(織)委員 今申されましたのを総計いたしましても二千幾らにはならないのですが、それから公団の職員、政府職員、借入金の利息というようなものの明細をひとつ……
  51. 金城順隆

    金城説明員 詳しい資料は持つておりませんので、概畧申し上げたのですけれども、二十三年産米価格をきめますときには—今申し上げましたのは純粋の米の価格関係で申し上げたのでありますが、そのほかの政府の食糧は一応価格をプール計算いたしておるのでありまして、たとえばいもなども、割に高く買つて消費者の関係でこれを安く拂い下げているというようなわけで、そういうようなプール値段が一応米の中にも入つておる、要するに他の食糧の分を一部負担しておるのもあるわけであります。今詳しい書類がありませんけれども、そういうのが俵当り二十円前後のものが入つていると思います。それから政府経費の中の金利が三十五円九十九銭入つております。それから公団の配給経費、職員の経費その他配給の経費が百十五円九十六銭入つております。
  52. 田中織之進

    ○田中(織)委員 政府職員関係は幾らでしたか。
  53. 金城順隆

    金城説明員 政府の人件費が三十五円九十九銭です。金利は二十三円十五銭であります。
  54. 田中織之進

    ○田中(織)委員 これの総トータルを二・五倍すれば、一石当りが出るわけでありますから、大体数字の面で了解できないことはないと思いますが、この政府食糧関係で、たとえばいもなんかもプール計算でというのですが、輸入食糧関係は食管の特別会計としては、プールの中には入つておらないように聞いているのですが、その通りですか。
  55. 金城順隆

    金城説明員 輸入食糧も、たとえば小麦なら小麦の粉でありますれば、配給の金額というものは、内地の生産者の小麦の価格も同じで配給いたしておりますから、一応プールされていると考えてよろしいと思います。
  56. 田中織之進

    ○田中(織)委員 その点は、私が先般大蔵委員会食糧等に関する輸入税の免除に関する法律案で、食管当局から伺つたのと食い違つているのですが、しかも輸入食糧価格関係が、小麦において、トン当りにいたしまして一万五、六千円の開きがあるのであつて、もちろん予算編成の当時においても、それだけの開きがあつたことは明らかでありますが、そういうような関係は、いわゆる四百六億という価格調整費の形における輸入補給金として、輸入食糧に対しては別途国民の税金から補填していると思うのです。当初のわれわれの見込みでは、そうしたものがプール計算される関係から、生産者価格と消費者価格との間に石当りについて二千二百円余の開きが出るというように了解しておつたのでありますが、この間の説明では、その点は輸入食糧に関する関係は、いわゆる貿易特別会計から食管特別会計へ来るまでの間において操作しておるのであつて、この食管特別会計ではそういうことにはならない。従つて食管特別会計で今申された関係の経費をいかに圧縮するかということについては、まだ米価が決定しておりませんけれども、本年度のたとえば米価決定の問題において、生産者価格ちよつぴり引上げられた。それにまた対応したところの消費者価格が引上げられた。賃金が引上げられない関係から一般消費者としての労働者階級は、消費者価格の引上げには反対しておる。しかし生産者価格の引上げには、彼らは必ずしも反対はしていないのです。しかし生産者価格を引上げれば、勢いそれにマッチした形において、消費者価格が引上げられるから問題が起つて来ると思うのであります。農民の要求といたしましては、生産者価格をもつと引上げて、いわゆる中間の経費というものを圧縮した形において農民にもう少し還元しよう。率直に農民の素朴な考え方から言うならば、自分らは昨年俵も入れて三千六百八十五円で出したものが、たとえば転落農家等で自分が還元配給を受けるときには、羽のはえた低度のまつくろけな米の、石において二千二百円からの高いものの配給を受けなければならない。そういう不合理の前に、この問題は米価の問題等に関連いたしましても、非常に大きな問題になつておると思うのですけれども輸入食糧のものが食管特別会計でやはりプールしておるのですか、どうですか。その点承りたい。
  57. 須賀賢二

    須賀説明員 その点は金城課長の説明があるいは不十分であつたと思いますが、輸入食糧の政府が買つております価格は、たとえば小麦でありますと、内地小麦と同じ価格で貿易特別会計から買つておりまして、その小麦の価格そのもので食管特別会計へプールされておるということはございませんでした。従いましてその補給は、食管特別会計へ来るまでに補給金として補給をされるという形になつておりますので、その原麦の価格において、内地の小麦と輸入小麦とが、プールされているというようなことにはなつておりません。
  58. 風早八十二

    風早委員 超過供出については今まで三倍もらつていて、非常にそのときは農民は飛びついたのですが、今度は二倍になつた。今お聞きしたいのはその差額はどのくらいになるか。そうした場合の会計上の余裕はどのくらいになるか。これを御説明願いたい。
  59. 須賀賢二

    須賀説明員 この單価はただいまもんでおります米価のきまり方いかんによつてきまるわけであります。かりに四千四百五円にきまりますれば、倍分というものは三倍の場合と二倍の場合との差額でよいわけでありますが、予算上どういうふうにそれが響いて参るかということは、超過供出の見込み数量そのものが固まりませんと、具体的に幾らくらいが予算上出て参るということははつきり申し上げられないわけでありまして、実は本年度の超過供出の見込み数量につきましては、適正な数量を把握することは非常にむずかしいのであります。一応われわれが需給なり何なりの資料に使つて参りますものといたしましては、作物報告事務所でやつております本年産業の実收高が十二月の中ばにできることになつておりますので、国全体のナシヨナル・ベースとしての見込み数量というものは、その数字が一応出てみないと把握できないのではないかと考えております。
  60. 風早八十二

    風早委員 実行予算意味ではそういうことにはなりますが、やはり三倍を二倍にしたということになりますと、最初から大体計算はしてあると思います。大体においてどのくらいこれで浮かばせるつもりであるか。五%の超過供出ということがわかつている以上は……それが実際にどうなるかということはわからないですから、概算でよろしいからお聞かせ願います。  それからこれに結局関連すると思う問題の等級検査ですが、これが実際どいうふうになされているか。というのは、年々一等米の割合が非常に急速に減りまして、今年度のごときはほとんど一等米はありはしないのです。それが今度は五等米というものが出て来る実情でありまして、そこで手かげんせられるというと、実際農民が政府から受取る総額に響いてしまう。そういう点もありますので、この等級検査について一体どういうやり方をやつておられるか。これは滋賀県の例でありますが、年々一等米がほとんどなくなり、今年度のごときは、まだ確定とは言えないかもしれませんが、ほとんどもうないといつていいくらいです。そして四等米が非常にふえております。こういうところは考えてあると思いますが、そういうところをもう少し納得の行くように御説明願いたいと思います。
  61. 須賀賢二

    須賀説明員 計算は今やつております。検査の点につきましてのお尋ねでございますが、今年の米の検査につきましては、これは私どもの方から申し上げるのはいかがと思うのでありますが、戰争中から戰後にかけまして、検査の実際のやり方等につきまして、あるいは職員不足でありますとか、不なれとかいう面で必ずしも適正に検査が行われておつたかどうかという点につきまして、各方面からの御批判もいろいろあるようでありました。従いまして今年はできる限り検査の面も適正にやつて参りたいという見地から、いろいろやつているのでありますが、特に今年の米につきまして検査の規格等について、従来よりもはなはだしく農家にむりをお願いしているというような趣旨ではないのでございまして、事実問題といたしまして、規格通りの検査をいたしますることが、結果的に昨年等と比較をいたしますと、農家の受ける感じは、非常にむりなことをしているようにお感じになつているようでありますが、これが本来あるべきことでありながら、今までそうなつておらなかつたということが実態でありまして、だんだん供出の方も終戰後五年にもなりますれば、元の秩序へだんだんもどつてつていただかなければならぬということは、これは私どもの方としての希望でありましてそういう意味からお願いしておるわけであります。ただたまたまことしの米の作柄が、質の面から見まして非常に悪いということが一般的な状況のようであります。その面から一等米に入るものが非常に少いということが現われておりまするが、これはたまたま検査の方の企画をはつきりして参つたということと、ことしの米の質が悪いということとが偶然に一致しましてこういうような結果になつたのであります。その点は農家に対しては非常にお気の毒だと思うのでありまするが、供出制度全体の秩序を建直して行くというような点から、ひとつこの点は協力をしていただかなければならぬと思つておるのであります。
  62. 風早八十二

    風早委員 そういう次第ではないと思うのです。事実は同じ田から同じ俵で積んで行つて、ただ輸送の関係でもつて、結局きのう出したものは二等米、同じ田で同じ俵できよう出したものは四等米、こういつたような実にでたらめなことが事実行われておる。今お話の趣旨とはまつたく違うのでありまして、そういう点について御存じないのかどうか。この点はひとつ責任をもつて答えていただきたい。
  63. 須賀賢二

    須賀説明員 今そういう面を御指摘になりましたが、それはもちろん全国一万何千町村について行われておりますことでありますから、さようなことが絶対にないとはもちろん私どもの方として公言いたしかねるのでありますが、その反対の場合もあるわけでございます。ことしの早場地帶等におきまして、検査の励行を督励いたしました結果、農民の方でも、はたして検査員が同じ立場で同じような検査をいたしておるかどうかということについて、農民側がテストをするというようなケースも出ておるのであります。きのう持つて参りまして四等米にはねられたものを、翌日別のところへ持つてつて、固じ検査米の中へ差込んでおく。それがうまく三等にパスをすれば、これはきのう四等になつた米ではないかというようなことでとつちめるというような作戰をとつたところもあるのでありますが、そういうところもやはり四等米は四等米、三等米は三等米にちやんと検査されておるという報告も受けておるのでありまして、必ずしも全体が御指摘のようなケースばかりではないのであります。それから三倍、二倍の問題は金城主計課長より説明していただきます。
  64. 金城順隆

    金城説明員 三倍に始め予定していたものを二倍にしたため、いくらか金か浮くだろうというお話でありますが、大体三倍で買いますと、普通価格で買つたよりも—これは概数でありますが、大体七千円よけいになろうと思います。それから今度かりに四千四百五円をかけまして、それを二倍にいたしますと俵代の関係もありまして、大体八千七百円になります。それが四千三百円ほどよけいな負担になりますので、その七千円と四千三百円とを比較した二千七百円というのが一石当りについて得するという形になります。これは当初見込みました大体五%、三千二百万石の五%といたしますと、百六十万石でありますので、これにかけますと、大体四十三億二千万円というものが浮いて来る。こういう勘定になります。
  65. 風早八十二

    風早委員 一応今の数字は承つておきます。ただ先ほどの等級検査の問題ですが、これは農民に不利な、そういうでたらめがあつた場合においては、当然農民としても抗議を申込みますから、その際には、今食糧部長のいわれた原則は十分に責任を持つていただきたいと思います。
  66. 金子與重郎

    ○金子委員 今のに関連した問題でありますが風早さんの質問に対してそんなつもりもないという話だつたのですが、それはやはりそつくりそうなんだというふうにお考えになるのがいいのではないかと思う。もしそうでないとするならば、今のは米の問題だつたのですが、たとえば今年の夏作り小麦ならば小麦におきましても、あなたの方の前年度の買上げの等級別、それに対して前年度の価格をかけてみる。それから二十三年度の買上げの等級別に対して新しい価格をかけてみたときに、その両方の数字がはたして前年度の価格に対して価格を上げただけ上つておるかどうかという統計をとつてみると、はつきりわかることなんです。これは一つの村を見てもわかることです。それは検査等級を嚴格にした結果、名目的には価格は上つておるけれども、等級が辛くなつたために、総体に農家の手取りは低い、その率は上つていないということは、必ずあなた方でも統計が出ると思います。私どもの方でも一地域的ですけれども、はつきりそう数字が調べてあつて、等級が嚴格になつたために、必ずしも値上げした率通りに農民の手取りは多くなつていないということは、あつさり考うべきだと思います。それで私は農村の立場ではありますけれども、戰時中検査等級というものが、ある程度まででたらめになつて来た傾向を持つてつた。これは供出を一生懸命に督励せんがために、検査等級が甘くなつたという結果から来ておることは認めますけれども、そういうふうな供出次第によつて加工しましたところの加工過程の條件と、それから等級が辛くなつて、要するに品質がよくなつてから後の加工過程の條件とがやはりそこにはつきりかわつて来て、そうして消費者も生産者も納得するような価格構成をとるべきだと私は思うのです。その点に対してどうお考えになりますか。
  67. 須賀賢二

    須賀説明員 お話のように、昨年あたりの検査等級の比率と今年の状況と比較いたしてみますると、検査が励行されます度合いに応じまして、ある程度そこに割合がかわつて来ておるということは、私ども承知いたしております。その面において農家が実質的に不利を受けておるということは、これは去年あるいは一昨年と比較しての議論といたしましては、確かに農家はそういう意味においては不利を受けておるのであります。これは私どもとしてあえてへりくつを言うようでありますが、だんだんもとの秩序のある形へもどつて来ておるのであるから、その間において去年あるいは一昨年との比較論だけで、利益、不利益を言われることはちよつと困るというようなことを、特に来られる人々には申し上げておるわけであります。その点もひとつ御了解を願つておきたいと思うのであります。  それから、そういうふうに検査が励行されて参ります結果、生産者価格と消費者価格との関係についてどういうことになつて行くかということでありますが、これはただいま金城課長から買入れ価格と消費者価格との間に等級間格差等も含まれておるというようなことを申し上げたのでありますが、一等のものが現実に相当少いということでありますれば、当然等級間格差等の平均をして参ります單価等も下つて参るわけでありまして、それだけは消費者価格の方も下げられるという余地も出て来るわけであります。それから統制歩どまり等につきましても、一等のものが多い場合と、下等級のものが多い場合とかわつて参ります。その辺も実際に検査をいたしました等級別割合等が出て参りますれば、それらに基いていろいろわれわれが使つおりますデーターをかえまして計算をして参るということは当然であります。
  68. 田中織之進

    ○田中(織)委員 須賀食糧部長は、実際に農民が供出しておる場面の実情をあまり知らないように私には思われるのであります。生産農民から買い上げる場合に、等級を非常にやかましく言われることは、ある意味から見れば、けつこうなことと私は思うのです。しかし問題は消費者に配給されるときに、等級の区別があるかどうかということです。(「ありはしない。」)ここに俵当りのいわゆる生産者価格と消費者価格の間の開きを、俵に直して十五円七十銭という等級間の価格差を見込んでおりますけれども、実際に消費者に—私どもも配給を受けて生活しておるのですけれども、一等米だとか、四等米だとかいう区別が配給されるときにどこにあるのですか。ことにこうしたことは今年の早場の地帶においてはつきり現われて来ておる。どうも片一方において過重な供出をしいながら、片一方ではたとえばいもの統制を撤廃する。また輸入食糧というものは、来年度においても二百三十万トン予定しなければとにかく需給計画が立たぬ、そういうような方面を言いながら、農民にはやはり検査を嚴重にして、従来の奬励金の形においても、農民の收入の面においても、大きな不利益を与えておる。率直に申しますならば、現在の日本の農業の基盤である農産物価格、ことに食糧の、米麦の価格の面において、何もかもあらゆる面のしわを農民に押しつけるというようなやり方に、われわれは結論を持つて行かざるを得ないのです。そういう検査の問題もありますし、等級を四等米だとか、五等米だとか、等外だとか、そういう形のものが—たとえば早場米の供出期間の奬励金の交付期間の短縮の関係で、米を少々上げてもらつてもどうにもならないと言つておる。早場の奬励金は昨年度において新潟県だけでとにかく十七億五千万円もらつておる。今年は十二億五千万円で、この間に新潟県全県下の農民の收入が、早場の奬励金の関係で五億円減つて来ておる。従つてその五億は多少生産者価格が引上げられたからと言つて、これを償うには足らないものだと私は思う。從つて検査を嚴重にして、消費者にいい米を与える。農民はそれ以外の要素、過重な供出だとか、非常に不当な、安い米価というようなものを押しつけなければ、農民自体、やはり粒のそろつた、優秀な一等米を出したいのが、農民心理なのです。そういう面の施策を講ぜずにとにかく戰争中から平時に還元しておるのだからといつて、ただ検査の面で強制して来るということは、私は不当だと思う。從つてそういうような関係のものを、まだ米価がきまつておりませんから、ここで特に問題にしなければいかぬと思う。そういう点を私は当然考慮されなければならないと思う。從つて検査を嚴重にした形のものを消費者に配給するときには、どういうように差等をつけて配給するつもりであるか、その点食糧部長から伺いたいと思う。
  69. 須賀賢二

    須賀説明員 ただいまお説のように、供出の面につきましては、一等から四等までの等級別に買つておりまして、配給の面では、これを一本に配給をしておるということでございますが、これは現在のような程度の米の操作状況では、配給の面にまで各等級別に等級をつけて参るといいますことは、なかなか言うべくしてむずかしいことでございまして、まだ今の段階で米の配給価格そのものに等級をつけて参るということは、私は立法上むずかしいと考えております。それで配給面では一本でやつておりますが、これは価格計算の過程におきまして、その点を十分に織り込んでやつておるわけでございまして、実際に米価の発表の場合等におきまして、かりに四千四百五円なら四千四百五円というものが出ます場合は、それは御承知のように、三等の価格を一応基準として発表をいたしておるだけでございます。実際に農家に拂われます価格というものは、一、二等の場合は、その価格差だけ高いものを拂つておりますし、四等のものにつきましては、従来より価格差だけを減らしたものを支拂つておるわけでございます。それを全部プールいたしまして、先ほどの中間経費等を織り込みまして、消費者価格の決定をいたしておるわけでございまして、各等級別に消費者価格をきめて行くというような、こまかい操作までできますれば、お説のように買入れの方と配給の方と、そこがりくつの上で非常にマッチして行くわけでございますが、現在ではそこまでどうしても行きかねますので、一応プール計算という形をとつております。しかしその積算基礎は、ただいま申し上げましたように、各等級別の割合等を見てやつておりますので、その積算の多い少いによつて、消費者に不利を与えるというようなことはいたさないように、十分注意をしてやつておるつもりでございます。
  70. 田中織之進

    ○田中(織)委員 実際配給の操作の面から見て、消費者について等級をはつきりさせることが困難だという事情は、わからないことはありませんが、それでいて、なおかつ農民には、従来よりもそういう等級の問題をやかましく言つて来る。しかもそのことは同時に、農民の收入の減という面に大きく響いて来るということになりますれば、私はやはり片手落ちだと思う。ことに先ほど主計課長から御説明がありましたように、生産者価格と消費者価格との間の開きに、食糧行政に携わる政府職員の人件費までが織り込まれているじやないですか。今日低い米価を農民に押しつけておきながら、政府機関の行政費の費用食糧を生産する—率直に言うなら、消費者というよりも、むしろ生産農民にそういう行政費を押しつけておることじやないですか。農民は減税されておりますか。免税されておりますか。実質的な勤労所得的な性格を持つた農民の所得に対して、営業所得と同じ課税をやつているじやないですか。しかもなお、こうした形において生産者価格と消費者価格との中に食糧行政に携わる政府職員の人件費までおつかぶせて来ておるじやないか。今後の問題としてこの点については、行政費は行政費として、農民も負担しておる税金の面から出して、生産者価格の面からぼくははずしてもらいたいと思うのですが、その点はどうですか。
  71. 須賀賢二

    須賀説明員 食糧管理特別会計の人件費を生産者価格の中に織り込んでおります点につきましての御指摘でございますが、これは食管会計が独立採算制をとりますようになつてから、そういう建前がとられましたわけでありまして、建前といたしましては、税で負担をしていただくか、消費者価格の中へ織り込むという問題でありますが、確かに御指摘のように消費者価格の中へ織り込んで行くという事柄の合理性というか、それらの点については私どもとしましても、これは十分検討をすべき問題であると思います。ただ現在の建前が独立採算で、独立採算制のものは、人件費も全部特別会計の中でまかなうというような形になつております関係上、やむを得ずこうなつております。これは私どもとしては十分研究しなければいけない問題であると考えております。
  72. 本間俊一

    本間委員長 ちよつと私尋ねておきたいのですが、二十三年度の産米がかんしよの関係や、超過供出及び早場米の関係で、見込み数量よりもよけい出たような実情等もあつて、実際上大分赤字が出ているのですが、その赤字は二十三年度の決算で処理せられておるのか、それともまた二十四年度で処理しておられるのか、どういうふうに処理しておられるか、その点をちよつとお尋ねしておきたいと思います。
  73. 金城順隆

    金城説明員 二十三年度の決算書を提出いたします中に、二十三年度中に起きた赤字というものが約百二十四億あがつておるわけでございますが、これは赤字として一応二十三年度からそのまま二十四年度へ繰越して来ておりますので、この赤字の処理につきましては二十四年度中に処理されるものと思います。もつとも今百二十四億と申し上げましたのは、二十三年度のうちだけの決算でありますので、二十二年度から繰越されております黒字が六十億ほどありますので、それを差引きますと、二十三年度末の決算としましては、約六十億あるわけでございまして、これがそのまま二十四年度に移されておるという形になつております。
  74. 本間俊一

    本間委員長 それから今度の補正予算関係どもつて米価の値上りとか、超過供出数量などによつて、この会計の方に見込み予算よりも増減が出て来るわけですが、こういう事態はありませんか。特にかんしよなどで二十三年度も辞退をして配給を受けない者が相当つたのだが、二十四年度もやはりそういう事態が一応あるのではないかというふうに予想せられるのであります。そこでいもなども切ぼしなどの関係もあつて、営団で相当手持が多いので、これをどうしても処理しなければならぬという事情が起る。その関係で澱粉の方の工場でありますとか、あるいは焼酎をつくつておるようなところへ、勢いできるだけ早く売りさばかなければならぬという必要が起るわけです。ところが加工をやつておる方で、やはり引合う値段でないとその品物を引取らないという関係で、勢い値をたたかれて安くなる。しかし数量相当滯貨していますから、片方においては処理しなければいかぬというので、安く売り渡す関係から赤字が出て来るようなことがないかどうか。この点は、どうですか。
  75. 須賀賢二

    須賀説明員 今年のかんしよの状況についてのお尋ねでございますが、今年のかんしよは総体的に申し上げますと、昨年当時と比較いたしまして、これは旱魃その他が影響をしたものと考えるのでありますが、一部の地区を除きましては作柄があまりよろしくございません。大体昨年度の二割程度の減收ということに客観的には見ておるようでございますが、そういうような関係もありまして、特に加工方面におきまして原料があふれて困るというような事態は出ておりません。特に関東地区等の澱粉工場等では、むしろ原料待ちのようなかつこうになつておりまして、工場が品物を引取りますためにいろいろトラブルを起しましてその面から値段もたたかれるというようなことは現在ほとんど起きておりません。それから配給辞退でありますが、一般主食用の配給の面につきましても、去年のかんしよ等に比較いたしますと、消費者の引取りが非常によろしいのであります。去年のかんしよのような現象はほとんど起きておりません。こつちのかんしよについてはそういう面で不測の赤字を出すというようなことは、まずないのではないかというふうに考えております。
  76. 田中織之進

    ○田中(織)委員 ちよつと関連して……これはむしろ農政局長から御答弁を願わなければならぬかと思うのですが、いもに関連した問題で私伺つておきたいと思います。御承知のように本年政府では、いもの貯蔵のために例のキュアリング倉庫を全国で三百箇所設立を慫慂して、実は私の村にも一箇所設置せられて倉庫が完成したのでありますが、年三万貰の貯蔵をやるわけであります。これがいもに対する統制撤廃の問題と関連いたしまして、非常に大きな問題を実は投げかけておるわけでございます。ことにこれは当初食管の特別余計で立ててくれる、こういうことであつたが、その後はとにかく融資に切りかえる、しかもその融資の問題、これは見返り資金の問題だろうと思いますが、それもその後事情がかわつて来ておる。さらにすでにこうした形において設立したものの、あとのいもの統制がどうなるかということによつて、せつかく農民が農業協同組合で設立したのでありますが、私どもはこの維持の問題についても非常に悩んでおるわけです。ことに電力は十五キロいるわけでありますが、いもの三万貫の貯蔵が行われるといたしまして、半年は大体この電力の使用が行われますけれども、あとの半年間というものは十五キロの電力の維持費だけでもこれは相当の負担だと思うのですが、この点については食糧庁当局としてこれの対策を何かお考えになつておるか。もちろん加工方面の問題も今食糧部長からも工場の方では原料待ちのような形になつておる。こういうことを申されましたが、これをたとえば澱粉工場その他食糧庁の関係において、このキュアリング倉庫を設置建設したものをいかに維持して行くかというような面を当然考えてやらなければならぬと思うのでありますが、その点について食糧庁としてお考えになつておる点がございましたらお答えを願いたいと思います。
  77. 須賀賢二

    須賀説明員 キュアリングの問題につきましては、御指摘がありましたように、当初の方針からだんだんいろいろとかわつて参りまして、最後にはいもの統制そのものについていろいろ異論が起きることになつて参りましたので、私どもが当初に計画しておりました当時と非常に状況がかわつたことは申し上げるまでもないのであります。しかし政府が慫慂をいたして建設をいたしたものでございましてその善後措置については、政府としても十分責任を持つて努力して参らなければならぬと思つております。さしあたり今年建設をいたしまして、今年の秋にキュアリングの仕事をいたしますものにつきましては、これは来年の三月、四月に現物を出すわけでありますが、これは一定の加算額をきめまして初年度の採算としては十分採算がとれるように考えております。ただ来年の秋以降がどういうことになつて行くかということが一番問題でありますが、これはかんしよの総合対策としていろいろな面から考えて行かなければならないのであります。当然生かんしよを貯蔵して持ち越して行くというような形も織り込んで行かなければならぬわけでありますから、今確実にどういう操作でどういう価格等の裏づけでやつて参るかということまでは申し上げられないのでありますが、とにかく政府として慫慂をしてつくりました仕事でありますので、今後の扱いにつきましては、私どもとしても十分努力をして参りたいと考えております。
  78. 本間俊一

    本間委員長 次会は十六日午前十時から商工省関係審議を行います。  それでは本日はこれで散会いたします。     午後零時四十一分散会