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1949-06-21 第5回国会 参議院 懲罰委員会 閉会後第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年六月二十一日(火曜日)    午前十一時三十四分開会   —————————————   本日の会議に付した事件議員金子洋文君、中西功君、板野勝  次君、カニエ邦彦懲罰事犯の件   —————————————
  2. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 開会いたします。ちよつと御報告申上げますが、婦人議員の方から委員長宛懇請書が出ておりますので読上げます。    懇請書   この度の参議院での紛糾は私達婦人議員としても深く反省自粛を痛感いたします。不敏にして懲罰委員会に付託の議員を出したことは誠に遺憾の限りでありますが、すべての者が將來かかる不祥事を絶対に繰返さず、本院の権威と品位の保持を固く心に誓つておりますのでこの度は愼重に御勘考の上何とぞ御寛大なる御処置を賜りたく右心から懇請申上げます。   昭和二十四年五月三十一日    参議院婦人議員     木内キヤウ   深川タマヱ     赤松 常子   河崎 ナツ    懲罰委員長 太田 敏兄殿 こういう懇請書が出ていることを御報告申上げておきます。  事務総長が見えましたので、事務総長は当日の議場混乱事件につきまして、大体の今まで概略は関係者の調べによつて分りましたのですが、特に総長カニエ中西金子板野君等について、直接御覧になつたことで特に参考になるようなことがあれば承わりたいと、こういうわけであります。
  3. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) お答え申上げます。その日議長の後から議場へ入ろうといたしましたところがどなたかがお見えになりまして、小委員会を開いた方がよいのじやないかとおつしやつたので、もう時間がないので、小委員会を開かずにやるのだということをお話ししておりまして、少し議長よりも遅れて議場に入つた。ところが議長が前に行かれないで困るというて私は大臣席参事席の丁度眞中の通路のところに入つてつた。ところが議長の前に誰かいて倒れておつて進めないで困るというお話でございまして、私もその後へくつついていたものですから、前へ進めなくてごたごたして、何とかして自分だけは、議長はお年寄りだから別としても、事務総長の席に著こうと思つていろいろもがいたのですが、あとから段々大勢揉み合つて、何と言いますかな、まあ揉み合うというのですか、なかなか後へ入ることも前へ進むこともできませんでした。そのうちに漸く後の方に出て参事席うしろ通つて事務総長席に著いておりました近藤事務次長と代つたわけでありまして、どうも前にどなたがおられたかちよつと見当がつかないのであります。私は議長が、誰か倒れていて足がつかえて進めないで困る困るということを耳にしたのであります。この程度で、どなたがどうしておられたかちよつと分らないのです。
  4. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) これは一つの形容詞というようなことになつておりますが、いわゆるスクラムの中に板野カニエ中西の三君がおられたということは御覧になりましたですか。
  5. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) 全然氣がつかないのです。あと細川君か何か私にそのときもやはり小委員会を開いた方がいいのではないかというようなことを言われたような氣がします。それもごたごたしておつたので氣がつきませんでした。
  6. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) カニエ君が倒れておつたということは事実であつて……。
  7. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) 全然分りません。これは私の方があとから入りまして、議長がとに角誰か倒れていて前に進めないで困るということを言われたことは知つております。
  8. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 副議長議長席に著かれたときよりあとにお入りになつたのですか。
  9. 小林次郎

    事務総長小林次郎君) どうもそこが分らないのですが、議長の後におつたのです、とに角。
  10. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 議長の後に。
  11. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) そうして揉めておつたわけです。
  12. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうしたら副議長議長席に著かれてから誰か手を引張つたとかいうようなことは……。
  13. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) それは全然分らないのです。とに角早く次長がおるのを代つて私が事務総長席に著きたいと思つて、どこから行つたらいいかということを工夫して、漸く後を通つてつたわけなんです。
  14. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) どなたか事務総長に御質問ありますか。
  15. 松井道夫

    松井道夫君 近藤次長と代わられてからあなたはどこにおられたのですか。
  16. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) 私が代つて事務総長の席に著いたのです。
  17. 松井道夫

    松井道夫君 そうですか。初め近藤次長が席に著いておつた……。
  18. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) 着いておつたのです。
  19. 松井道夫

    松井道夫君 ああ、そうですか。そうすると副議長の席の周囲で、今の金子議員中西議員板野議員あたりがおられたですか、どんな行動を取られたかお氣付きありませんでしたか。
  20. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) それは写眞を見ますと、近藤がいて、そうして副議長がいてそこに金子君などが手をやつておる、私は写眞には写つておらない、從つてそのときの樣子は分らない、揉めておるうちに写つた
  21. 松井道夫

    松井道夫君 今の、議長が入つて來られてから揉み合いが起こる、その当時のことを事務局員でよく見ておられたような人はありませんですか。
  22. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) それはあとで何も聞いても見ませんでしたし……、何か高いところで傍聽席に手の空いた職員がおつてよく見ておつたというような話も聞いておりますが、誰が見ておつたかということは私も聞いておりません。
  23. 鈴木直人

    鈴木直人君 要するに只今事務総長さんのお話によれば、議長が、前に誰れか倒れていて、自分が進もうとしても進めなくて困るのだというような意味のことを議長言つておられたということだけがはつきりしておるわけですね。
  24. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) その点だけがはつきりしておるのです。時間にしてもそんなに長い時間ではなかつたと思います。
  25. 鈴木直人

    鈴木直人君 もう一つお尋ねしますが、只今議長の話は倒れておるということでしたか、或いは誰かが掴んでおるという話でしたか、どういうふうな……。
  26. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) どういう言葉を用いられたかはつきり覚えておりませんけれども、誰かとも角も倒れておつて、踏まなければ前に進めないというような意味記憶しております。
  27. 遠山丙市

    遠山丙市君 総長さんは議長さんとどのくらい離れて後におられたのですか。
  28. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) 揉んでおりましたから、くつ付いたこともあり、間に人の入つたこともあり、どうもどのくらい離れたということをはつきり申上げるわけに行きませんが……。
  29. 遠山丙市

    遠山丙市君 そうすると議長さんが進めなかつたのは、誰かが倒れておつて進めなかつたということを聞かれた。そうしてそのときに前の方を御覽になつて誰かが倒れておるばかりでなしに、前に沢山おられたために行けんような状況でしたかどうでしたか。
  30. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) そうです。沢山おりました。守衞も中に入つておりました。併しどなたが入つておられたかはちよつと記憶がないのです。
  31. 遠山丙市

    遠山丙市君 お名前記憶しておるのはございませんか。
  32. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) 先程申しましましたように細川君がその中におられたのかどうか……、小委員会を開いた方がいいのではないかとそのときに言われたように記憶しておるのですが。
  33. 遠山丙市

    遠山丙市君 そうすると前におられた中に守衞の人もおつたということですが、その形はどうなつておりましたか。前に行けないような状況、形は……。ただ一團をなして邪魔になつて行けんような形でしたか。
  34. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) 結局どうもその点ははつきり記憶しておりません。ただ議長が、守衞は皆ごたごたしておつて、私共が前に進めなかつたということで、誰かが通せんぼしておつたということは今のところちよつと記憶はございません。
  35. 岡田宗司

    岡田宗司君 事務総長近藤次長に代わられて席に著かれて、議事を始められるときに、準備ができたときに、例の覚書事務総長の机の上にありましたですか。
  36. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) 大体私が代りましたのは、松嶋さんが宣告されて、終るか終らないとき立つたのです。
  37. 岡田宗司

    岡田宗司君 それではもうその覚書を取つたとか取られたとかいうことの済んだあとでございますか。
  38. 小林次郎

    事務總長小林次郎君) そうです。私が著きましてから直き松嶋さんが立つて何か言つておられましたが下に降りたのです。私はまだ済まないのに立つちやいかん言つて呼び返して、もう一回著席して貰いまして、そうして中村君に発言を許して、板谷順助君の懲罰の説明が始つたわけです。
  39. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外にございませんか。どうも有難うございました。
  40. 竹下豐次

    竹下豐次君 議員でお待ちになつておられる人がいるのですが、そちらの方から先にやつてつたらどうですか。特に早川君のごときは何遍も來ておられるものですから……。
  41. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは早川さんを証人として宣誓書を朗読して頂きたいと思います。それで「議院に於ける証人宣誓及び証言等に関する法律」第四條によりまして、宣誓又は証言を拒むことができますし、又同法第六條によつて宣誓した証人虚僞陳述をしたときは刑罰に処せられますから、そのことを念のために御注意申上げておきます。  総員起立をお願いいたします。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣誓書   良心從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 早川 愼一
  42. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 早川さんに主としてお尋ねしたいことは、板野君の混乱事件当時の行動につきまして、あなたが御承知になつておる点を一應お聽きしたいと思います。
  43. 早川愼一

    證人早川愼一君) 当日開会のベルが鳴りまして議場に入りましたときは、比較的私共は早い方でありまして、すでに演壇の上にはたしか中村君がおりました。それから演壇上り口のところに板野君がおられまして、議場の方に向つて何か頻りに叫んでおられたような状態を見ました。それから後は非常に混乱しておりましたので、一々順序を立てて記憶はしておりません。議長がいつもの通路から入つて來られましたときには、もうすでにそこには相当の人だかりがありまして揉み合つておりました。でその中に多分板野君がおられたように記憶しておりすが、人が多勢でありますから、その辺ははつきり板野君を認識するというほどの状態ではなかつたのでありまして、多分……併しそのときはその中におられたのであろうと思います。それから後はいろいろ混乱しておりますから、今筋道を立てて申上げることはできませんが、又御質問によりまして思い出したいと思います。
  44. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 御質問ございましたら……。
  45. 竹下豐次

    竹下豐次君 中西君と金子君のことにつきまして、何かお認めになつたことはありませんか。
  46. 早川愼一

    早川證人 それは議長が多数の人に揉み合つておられてから、副議長議長席の方に歩いて行かれました。そうして暫くあの議長席に著かずに待つておられたように記憶しておりますが、それから議長席に著かれますと、中西金子の両氏が両脇から何か引張るようなふうを議席から認めたのであります。そのとき板野氏は演壇の下の方から、何か頻りにやつておられたように私は記憶しております。
  47. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 誰かの話に、板野君がマイクを持つてどうしたというようなことがありますが、そういうことを御覽になりませんか。
  48. 早川愼一

    早川證人 マイクは私ははつきり分りませんが、副議長が席に著いたときは、下から板野氏が何か手を出しておられたように認識しました。
  49. 松井道夫

    松井道夫君 金子議員が副議長を引張つておられたように認識されたというのですが、副議長のどの辺を掴まえて、どつちの方に引張つておられましたか。
  50. 早川愼一

    早川證人 副議長議長席に着かれまして、多分右の方から蔽いかぶさるように金子氏がこう……それから左の方が中西氏のようでありました。それでどちらがどうか知れませんが、手がこういうふうになりまして、土表がこれくらいに引張られた。そのときは中西君の方に引張られたおるように記憶しております。
  51. 松井道夫

    松井道夫君 右と左というのは、あなたの席の方から議長の方に向つて右左という意味ですか。
  52. 早川愼一

    早川證人 そうです。向つて左金子氏、右の方が中西氏のように記憶しております。
  53. 竹下豐次

    竹下豐次君 議長の左の手を中西君が引張つてつたのですね。
  54. 早川愼一

    早川證人 ええそうです。引張つたというよりが、副議長の手がこういうふうになつて、この椅子に仰向けにたれかかるようなふうに……。
  55. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そのときに議長の手に中西君と、それから金子君の手があつたときには……。
  56. 早川愼一

    早川證人 そのことははつきり分らんのですが、とにかくのけぞつたよう格好に見えておりました。初めは蔽いおぶさるようにこうなりまして、時間の経つに從つてこういうふうな格好になりました。
  57. 松井道夫

    松井道夫君 それから誰か議事日程を書いた紙を掴んで取つたような……。
  58. 早川愼一

    早川證人 何か紙を盛んに……。それからもう一人、多分それは今思えば北村さんだろうと思いますが、何か演壇の下から何かやつておられて、紙があつちに行つたりこつちに行たつり、揉みくちやになつた紙議長の席の上で皆の手が動いておつたようでした。それがその草稿であるかどうかその当時は認識しなかつたのであります。
  59. 松井道夫

    松井道夫君 誰がやつたかというようなことははつきり記憶しておりませんか。
  60. 早川愼一

    早川證人 はつきり記憶しません。
  61. 遠山丙市

    遠山丙市君 ちよつと証人にお尋ねいたしますが、一番最初演壇に馳け上つたのは、板野君だという人もあるようでありますが、その最初上つたのは誰だというようなことを記憶していませんか。
  62. 早川愼一

    早川證人 私共がもう議場に入つたときは、演壇の演説するところには中村君がおられた。それから演壇階段があります。階段の上のところに板野君がしきりに議長の方に向つて何か叫んでおつた。そういう事実を見たように思います。
  63. 遠山丙市

    遠山丙市君 そうするとそこに板野君が叫んでいて、それに相呼應してかどうか分りませんが、それから又多数ずつと上つて行つたというようなことは……。
  64. 早川愼一

    早川證人 それは誰と誰かはつきりと記憶しませんが、数人の人がやはりあとを追つてつた
  65. 遠山丙市

    遠山丙市君 それからこの松嶋議長さんのことですが、副議長議長席に着かれておるときに、腰掛けておられる椅子が相当動いておつたように思いますが……。
  66. 早川愼一

    早川證人 それは確かに動いておりました。
  67. 遠山丙市

    遠山丙市君 それは誰か押えているような人は御記憶ありませんか。
  68. 早川愼一

    早川證人 それは私少しも氣がつきませんでした。
  69. 遠山丙市

    遠山丙市君 その動き方ですが、或いは倒れはせんかと思う程動いておるようでしたか、その程度はどの程度でございましたか。
  70. 早川愼一

    早川證人 倒れるというところまでは見なかつたようでございますが、だからその意味から行くと、誰か押えている方もあつたのかと思いますが、体の方がのけぞつておられたことは確かです。上衣も確かにワイシヤツが見える程度までこうなつていたように見かけました。
  71. 遠山丙市

    遠山丙市君 そうするとその上衣が引張られて、ワイシヤツが見えるくらいであつたと言われますが、それはやはり先程お話になつたよう中西君、金子君が引張るということはそういうことになつてつたということになりますか。
  72. 早川愼一

    早川證人 そのときはむしろ金子氏の方は、私は蔽いかぶさつて、頻りに何か談判でもしているように見られましたし、それから中西氏の方は多少引張つておられたように私の方向から見て感ぜられたのですが、議長席と我々の議席が相当な距離がありますから、手が触れておつたが、どの程度ですか、私のところからははつきり分りませんが、はつきりしているのは、そのワイシヤツが見える程度上衣が引張られておつたということを認められました。
  73. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外に御質問ありませんか。どうも御苦労樣でした。   —————————————
  74. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) では矢野さん、本日は証人としてお尋ねすることがありますので、宣誓をお願いしたいと思います。御承知と思いまするが、「議院における証人宣誓及び証言等に関する法律」第四條によりまして、宣誓又は証言を拒むこともできますし、又同法第六條によりまして宣誓した証人虚爲陳述をしたときには刑罰に処せられまするから、この点念のために御注意申上げて置きます。  それでは宣誓書の御朗読をお願いします。皆さん起立を願います。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕     宣誓書   良心從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。         証人 矢野 酉雄
  75. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではこれから証言をして頂くのでございますが、先ず簡單に矢野さんの御覽になりました議院運営委員会の席上におけるかニエ君の行動、又本会議におけるカニエ金子板野中西四君に関する事実を御覽になつた範囲でお述べを願います。
  76. 矢野酉雄

    證人矢野酉雄君) 当夜は非常に御覽の通り緊張しておりまして、その途中僕発言を求めて、議員外の退場を委員長に要望したわけでありましたが、委員長の声が或いは徹底を欠いたために、遂に退場せしめる実行ができなかつたので、非常に混乱喧騒状態は結局続けられたのであります。私はその際緑風会議院運営委員会委員諸君と共に入つて委員長の席から見れば右側の、最も委員長よりも距離の離れておつた席にあつたのであります。裏にはここにおられる岡田君或いは共産党の岩間君等が起立をしておられました。その言動についても存じておりますが、それは不必要でありますから申上げません。それから中西君が左側の方に、委員長から見て左側の方におりました。そこから約一間ばかり距離があつて委員長の左の肩から三尺かそこいらのところにカニエ君が黒い服だつたと思いますが、黒色の服を着て入り込んだことを認めました。そのうしろの方に当時の運輸政務次官であつた加藤君がいわゆる傍聽しておつたのであります。で相当皆身体身体と相触れ合う、否もつとくつつき合うというような、非常に一ぱい傍聽しておりましたので、その間或いは人と人との間に押したり、左に動いたり右に動いたりするようなことはあり得たと思います。ただ僕が目撃したのは、初めにカニエ君が確かに拳を以てそうして加藤君の頤と頸の間に向つて突いた。それからその次には突くよりもむしろこう押すという態度、これは大体私は三回は見ました。その間加藤君は右腕でありましたか、こういうようなふうでそれを防いで、何らこれに対して抵抗する態度を全然示さなかつたのであります。大体カニエ君の行動はそのように目撃をいたしました。
  77. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それにつきまして、加藤君の方ではカニエ君が何度も毆つた言つておる。カニエ君の一身上の弁明では一撃したと言つておりますが、何回ぐらい毆つたと御覽になりましたか。
  78. 矢野酉雄

    矢野證人 三回ぐらい見ました。初めは突いたことは見えました。それは突くよりもむしろ手を振り上げたのが見えたのです。
  79. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それからカニエ君がそういうふうに毆つたのは、その前に加藤君の肩に手をかけた、頸につかまつたというようなことは……。
  80. 矢野酉雄

    矢野證人 全然そういうことは、僕はないとか、あるとでなしに、僕自身そういうことに注意しなかつたのであります。むしろ或る議員が毆れ毆れと言つて委員長右側に立つてつた議員が大いに声援を送つた。そうしてただ一撃を加えた。その後の声援で二つだけ手を振上げたことも認めたのであつて、その事前の他の何事か、どういうようなことをやつたかということについては、僕のとにかく注意の圏内にはよく入つておりませんでした。
  81. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それから本会議の場合は、写眞で見ますと、あなたも中におられたようですが、カニエ君が倒れて議長の歩行に邪魔になつたというのですが、そういうカニエ君が倒れたというような事実は御覽になりましたか。
  82. 矢野酉雄

    矢野證人 カニエ自身がとにかくあの壇上に、あの通り小さい人で非常に敏捷でありまして、僕がとにかくこの本会議の再開されるということを知つて、そうして本会議場緑風会議院運営諸君と、その他の諸君と共に入つて暫くするというと、もうあのいつも議長の入つて参りまする大臣席の讎壇の後、議事部長の前方に当つて、すでに七八人の人が上つておりましたので、そうして例のごとく議長守衞誰かと共に入つて來たわけでありますが、そのときはすでにカニエ君はその壇上上つております。そのカニエ自身の一人の行動は何も注意しておつたのではないのであります。カニエ君がそのときまだ立つて議長に何らか交渉しておるかどうかというようなことについての明確なる認識はありませんけれども、暫くしてカニエ君の姿自身が消えておることは分つておりました。それからそこに盛んに押問答が、押問答と申しますか、議長に対してしきりに話をしておる、社会党の中村君が確かに小委員会をなぜ開かんというような、委員としての、議院運営委員としてのいわゆる議院運営委員会の続きの一つ議員としての働きをやつておるようなふうに、私は理屈の通り交渉をやつておるというふうに小耳にはさんだのでありますが、私自身階段の上へ上つて、そして一分間も早くこの本会議の再開されることを見守つてつたのであります。私はあの國民のために審議権を放棄しないように、早く本会議の再開を熱望して、私としては議院運営の際もその通り行動を取つたわけでありますが、ところがその交渉がなかなか纏らないわいわいいう、片一方は人垣を作つておるわけでありますから、議長一つも進むことができない、これは私としてはいわゆる議長自分の信ずる公務を正当に執行して行こうとするけれども、これを結局立塞がつて執行妨害しておるというので、確かにそのとき中西君、或いは板野君、或いは細川君というように、一々名前を指摘して、それは公務執行妨害ではないかということを指さしたくらいであります。そのときにカニエ君が議長のいわゆるまたぐらのところに自分で轉んでおるか、或いは足を踏まれて轉んでおるか、その実際の情景は認識しておりません。それからその方のもめ事が全然進行しないで時間は刻々として迫り、いわゆる会期は結局十二時を過ぎんとするような状態でありまするので、これは議長の職権を行使することができない以上は、当然副議長がこれに代るべきものであるといつて、これは緊急の処置をしなければならないなあというような頭の中にそういう氣持が湧いているとき、すでに議長の手許から参事であるかとにかく議員でないものが動き出して、そして確かに北村君であつたと思いますが、それにその紙を渡して、そして右の方の階段から上つて議長に対してその北村君が手交せんとしておつたのでありますが、そのときその紙は確かに議長席に一應ここに置かれたと思う、そしてその副議長議長席著かんとするときにいろいろとそこに又混乱があつて、そのとき最も私の目に映じておるのは金子君とそれから中西君と、それからそのときはすでに板野君も議長席の前あたりに來ておつたのではないかと思つております。その書類を一應金子君がわし掴みに握つた事実を私は見ておる、それから又書面は結局又どういうはずみか知らないが、そのテーブルの一偶に私は少しは破れはしないかと思つたが、とにかく皺になつて置かれたことを私はそのとき見ております。それの前に中西君が、片一方議長のところで盛んに怒号しておつたのを、又踵をかえしていわゆる議長席の方に勢い込んでやつて來て、そうして例の髪を振上げて、盛んに元氣な声で副議長に対してしきりに何かさけんでおられた。議院運営委員会の際も随分大きな声を出していましたが、その議長席を囲んで元氣な行動をして、あのマイクロフオンを手でこう故意にそれを破壞する意味でやられたかどうかは全然私は知らないけれども、とにかく現実においてそのマイクロフオンが音をたてて倒れたことを知つている。それから後副議長椅子から一方は降さんとし、一方は確かこれは緑風会の宇都宮君とか、岡元義人君とかいうような諸君、それから後ろの方に淺岡君等がその議長椅子後ろにおつたと思いまするし、北村君もおつたことを見ておりますが、その議長席に、椅子に著けんとする者と、これを引かんとする、引き摺り降さんとするというようなので暫らく揉み合つておりました。僕は常に議院運営委員会の際も、本会議の際も渦中に投ぜずして或る程度の間隔をとつて、そのいろんな動搖が早く靜まつてそれぞれの会議が開かれるようにということを実は念じもし、そのために何とか手を盡したいという氣持で一杯でありましたので、じつとその渦中に投じないで見ておりましたが、後ろを向いたときに寺尾君でしようか、胸をそねて議長という議事進行の発言を求め、それから副議長たる松嶋議長代理はマイクをとつて宣言をせんとしたけれども、それが趣旨が徹底しないので、マイクをとつて何かものをしきりに言つたけれども、マイクの故障のためにその声が議場に徹底しないように私は見たのであります。それが揉み合つて、完全にいちいちそれぞれ降壇する前に私は早く引揚げて、そうして民主党の諸君、民自党の諸君の前を通つて、そうして大分立つておられる方がありましたので、お互に著座して、そうして早く会議を進めようじやないかというので、寺尾君が発言したのに対する副議長のこれを取上げる宣言があつた、その宣言がどういうような内容であつたかはよく私現在記憶しておりません。そうして私は私の席について緑風会諸君と、いわゆる動議の成立を認め、これに賛成する意味において緑風会は全員一致で起立をしたと、そういうような次第でございます。
  83. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) ちよつと伺いますが議長席の上にあつた紙を掴んだのは、これは金子君ですね。
  84. 矢野酉雄

    矢野證人 ええそうです。
  85. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 中西君はその紙に手はふれておらないですね。
  86. 矢野酉雄

    矢野證人 とにかく中西君はこちらから來るですから、議長席ちよつと高いわけですから、この上の紙を取ろうという意味か知らないかとにかくやつている、金子君はもつと上の方におつたのですから、わし掴みにしてどういうはずみか知らないが、一應テーブルの一番すみつこにこれを置かれたのです。そうして最後に副議長があわててこちらに取つてひろげたのを見ております。
  87. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 中西君の方は紙は直接……。
  88. 矢野酉雄

    矢野證人 わし掴みしたことは見ません。
  89. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それからマイクを倒したというのは、これはやはり中西君がこれに手がふれておつたのですか。
  90. 矢野酉雄

    矢野證人 右の手だつたと思いますね。とにかく元氣で右往左往しておられましたが。
  91. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 誰か板野君が議長席の前へ廻つてマイクをガチヤガチヤ動かしたというようなことを話したと記憶しておりますが、そういうことは矢野さんは別に……。
  92. 矢野酉雄

    矢野證人 そのときは見ておりません。
  93. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) マイクは倒れたそうですね。
  94. 矢野酉雄

    矢野證人 ええ、倒れました。副議長がそれを手に引寄せて、そして取つて聞えなかつたので、これはマイクは破壞されたのではないかと、こうあとで思つたわけです。
  95. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そのときは中西君が横から手を出したのですか。
  96. 矢野酉雄

    矢野證人 前からですね。向うからやつて來て、こう盛んに手を振つておりました。
  97. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そのときにマイクに手を触れたわけですね。
  98. 矢野酉雄

    矢野證人 ええ、
  99. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 金子中西君が副議長の手や足を引張つたということは直接御覽になりましたか。
  100. 矢野酉雄

    矢野證人 中西君の方がむしろこれを……、一應ちよつと腰掛けたのを金子君は椅子を引倒そうとするし、中西君は一段下におつたですから足を引張つてつたですね。
  101. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 足を引張つて……。
  102. 矢野酉雄

    矢野證人 ええ。左の足だつた思つておりますね。腿のあたりを……。
  103. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 金子君は別にそのとき手を引張つていなかつたですね。
  104. 矢野酉雄

    矢野證人 そのときは或る程度椅子が傾いたくらいですから、うしろから誰か北村君か、淺岡君か、或いは岡元君か知らないが、とにかく倒れたらガタツと行きますので、うしろからこう支えておつたと思います。
  105. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それから中西君が左足を引張つたというのは、そのときの情景から中西君が引張つたんだろうという御想像も一應加つているのですか、それとも加つていないのですか。
  106. 矢野酉雄

    矢野證人 とにかく腿のところに手をあてて、どれだけの力で引張つたかは存じませんけれども、その現実は見ました。私は一つも昂奮しないで、渦中に投じないで、常に三尺か四尺か距離をもつて見ておりましたので……。
  107. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 矢野さんのところでは金子君が副議長の手を引張つたということは直接御覽になつておりませんね。
  108. 矢野酉雄

    矢野證人 手を引張つて椅子と共に引降ろそうというのは見ておりません。
  109. 松井道夫

    松井道夫君 あなたがその本会議場へ入つてから議長の周囲に押合と言いますか、ゴタゴタが起きた。それまでをもう少し詳わしく一つお話し願いたいのです。
  110. 矢野酉雄

    矢野證人 議長の前に守衞が來たのか、或いは議長うしろ守衞が……。
  111. 松井道夫

    松井道夫君 ちよつと待つて下さい。あなたが本議場に入られたときには、壇上の模様はどうだつたのです。
  112. 矢野酉雄

    矢野證人 壇上にはもう七、八人、最前申上げた通り議事部長の席の前、即ち総理大臣の席のうしろの方に七、八人の人がおつたように思います。
  113. 松井道夫

    松井道夫君 それから議長が入つて來られたのですね。
  114. 矢野酉雄

    矢野證人 はあ、その一つのグルッペがむしろ前進の態勢で、一つの塊まりで行つて議長を待つてつたのが、いよいよ誰か連れて入つて來たので、そこに交渉か、或いは詰問か知りませんが、沢山の人が入つているのですから、内容ははつきり分らなかつたですが……。
  115. 松井道夫

    松井道夫君 そのときあなたはどこにおられたのですか。
  116. 矢野酉雄

    矢野證人 私はこちらの緑風会の席におりました。それと同時に僕は席を離れて階段を登つてつたわけです。これはいかんと思いまして……。
  117. 松井道夫

    松井道夫君 それであなたが壇上へ行かれた、そのときのやはりこの数人の議員議長と何ですか、向き合つて何か交渉のような……。
  118. 矢野酉雄

    矢野證人 ええ。わいわい社会党では中村君とか、或いは原君とか、それから細川君、板野君、中西君、それから共産党の岩間君、それにまだ社会党の人たちが三、四人おつたと思います。それからその後ろの方に、議事部長後ろ手の方だと私は思いますが、淺岡君とか北村君の顔がその後に出て來たと思うのです。
  119. 松井道夫

    松井道夫君 それでその数人の議員が前の道を塞いでおるので議長は進めない状態であつたことを認められたのですか。
  120. 矢野酉雄

    矢野證人 全然進めなかつたのです。
  121. 松井道夫

    松井道夫君 それからあなたは先程名前を挙げて公務執行妨害を注意されたというのは誰と誰ですか。
  122. 矢野酉雄

    矢野證人 中西君、それに細川君それから板野君、岩間君ははつきり分りません。
  123. 松井道夫

    松井道夫君 板野中西両君ははつきりしておりますか。
  124. 矢野酉雄

    矢野證人 はつきりしております。
  125. 松井道夫

    松井道夫君 今度の副議長の方に移りますが、中西君がマイクを倒したときに、マイク壇上から下に落ちたようなことはお認めにならなかつたのですか。
  126. 矢野酉雄

    矢野證人 落ちたのは見ません。
  127. 松井道夫

    松井道夫君 コードが着いておるから下まで落ちなくても壇上から轉落したということは氣が付いておりませんね。
  128. 矢野酉雄

    矢野證人 とに角倒れた。右手だつたと思いますが、こういう式のマイクでしたが、それに手が当つたのですから倒れたのですね。
  129. 松井道夫

    松井道夫君 マイク自身に今の中西君の手が触れたことをはつきり見ておりますか。
  130. 矢野酉雄

    矢野證人 見ております。誰か線が切れたとか何とか言つてつたですけれども、その線が切断された現場の認識は私にはありません。
  131. 松井道夫

    松井道夫君 コードを握つたか、コードに触れたのじやないですか、中西君は……。
  132. 矢野酉雄

    矢野證人 そんな小さい行動ではなかつたと思います。体全体から動いて、そうしてテーブルの上を手で叩いてやつておりました。
  133. 松井道夫

    松井道夫君 それから中西君は本会議場の弁明で、今の議事を書いた紙を自分で取上げて見たということを言つておるのですが、あなたの今の証言によりますと金子君が掴んだように言つておりますが、その点はどうですか。
  134. 矢野酉雄

    矢野證人 金子君が掴んだのは私が目撃し、それからその紙に対して中西君は手が届かなかつたと私は思います。
  135. 松井道夫

    松井道夫君 中西君が掴んだのは見ておいでにならなかつたのですね……。はい結構です。
  136. 鈴木直人

    鈴木直人君 他の二三の人が証言をした事実があるのでありますが、それは議長の席の上にあつたマイク、これは中西君がそれを倒したその後のことなんですが、板野さんがそれをとつてそうしてがちやがちややつた。そのために議長の席からぶら下つたというのですね。それでそうやつてはいけませんと言つた守衞なんかもあるのですが、それを取つて又元のところに置いて直した。こういうことを二三言つておりますが、そういうのを御覧になりましたか。
  137. 矢野酉雄

    矢野證人 板野君はとにかく議院運営委員会の際は、例の國会法の緑色の厚い本を持つて、とに角二十回も三十回もテーブルを叩いて委員長に迫つてつたあの意氣で、とに角議長のところに駈付けて來ていわゆる松平議長の折衝がうまくいかんので、副議長議長席著かんとするやこちらに來てあそこのテーブルを何して、不都合だという意味つたのじやないかと思います。盛んに大きい声で叩いておりました。その叩いておるのが、私は全然マイクを掴んだとか何とかというふうにはそのときには私は認めておりません。
  138. 松井道夫

    松井道夫君 もう一つ聞き落しましたが、議長の進行を妨げたという人の中にはカニエ君がおつたことをお認めになりましたか。
  139. 矢野酉雄

    矢野證人 カニエ君は私が壇上に上る前にそのグループの中に入つておりました。
  140. 松井道夫

    松井道夫君 交渉のときは……。
  141. 矢野酉雄

    矢野證人 そのときに最後までカニエ君がずつとそこで交渉しつつあつた沢山の中の一員として立つてつたかどうであつたかという意識はさいぜん申上げましたように、私にははつきり意識がなかつたのです。とにかくあの仲間の中に入り込んだ現実は見ております。その後、立つてつたか滑り込んだのか、カニエ自身行動はつきり見極わめておりません。それはさいぜん証言した通りです。
  142. 松井道夫

    松井道夫君 今の議長交渉したという人に中村君をあなた挙げられましたが、主として議長との交渉に主役を勤めた人は誰ですか。
  143. 矢野酉雄

    矢野證人 皆口々に言つておりました。誰か一人の人を代表に立てて、他の連中はそれに付いておるというのでなく、皆主動性を以て盛んにやつてつた。内容はよく聞き取れなかつたが、中村君が「小委員会を開け、なぜ開かないか」という言葉は私はつきり聞き取つております。
  144. 松井道夫

    松井道夫君 諄いようですが、カニエ君は下條氏を引き下すために、自分としては当時会議を開いても議事を全部やるわけには行かない。それでむしろ開いた方がいいという見解で、壇上に下條氏がおつたから氏を引き下すために上つたのだということを本会議の弁明で言つておるので、それでしつこくお尋ねするのですが、カニエ君は議長に小委員会を開けということはやらなかつたか、どうか、その点を伺います。
  145. 矢野酉雄

    矢野證人 カニエ自身がどういう発言をして議長に迫つたか分らない。
  146. 松井道夫

    松井道夫君 議長に迫つたこと自体はつきりしないのではないですか。
  147. 矢野酉雄

    矢野證人 初めのうちはおりました。背が低く黒服を着ておつたかと思います。それから後沢山の人間が密集して、そのままカニエ君が、ずつとその後どういうふうにやつてつたかということについての詳細なる同君の行動については私は証言する資料を持ちません。
  148. 松井道夫

    松井道夫君 その点が、はつきりしたようなしないような、ちよつとぼんやりしておるのですが、カニエ君の弁明は下條氏がおつたので、それを下そうと思つて壇に上つたが、議長が入つて來た、そして数名のものが議長の前面に立ち塞つて、又守衞なども入つて來て、自分はなかなか壇上から下りられないような状態になつて自分としては少くとも議長交渉したりする意思もないのだという弁明がありますのと、あなたのそのとき弁明された全体の状況から言つて、今のカニエ君の弁明がそういうことをあろうかと考えられるのですか、どうですか。
  149. 矢野酉雄

    矢野證人 あの客観的情勢で私見を交えず判断するならば、そういうようなために登られたかどうか、その主観的の御主張を進んで肯定するだけの私は何らの積極的な條件も認めることができないのであります。
  150. 松井道夫

    松井道夫君 併しそれを否定するだけのはつきりした根拠はどうですか、持ちませんか。そこであなたが、カニエ君が現に議長に対した小委員会を開けとか、何とかいうことを弁明になれば、はつきりカニエ君の弁明を聽いておりますればそれを肯定されますか。
  151. 矢野酉雄

    矢野證人 それはさいぜん申上げたように、一番はつきり聞えたのは中村君だけであつてカニエ君がどういうふうにそういうことを言われたかということの具体的内容は全然分りません。
  152. 松井道夫

    松井道夫君 言うたか言わんかも分らないですね。
  153. 矢野酉雄

    矢野證人 分らないです。
  154. 松井道夫

    松井道夫君 それで先程板野君と中西君、もう一人議員名前を名指されて注意された、そういう人達は積極的に議長交渉しておつたことは間違いないのでありますね。
  155. 矢野酉雄

    矢野證人 わいわいとに角盛んにやつて議長は非常に迷惑しておつたようでした。
  156. 松井道夫

    松井道夫君 結構です。
  157. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 矢野さんは大分詳しく御覽になつておられたですが、板野議員議長の登壇を特に他に人にきわ立つて阻止されたような傾向があつたかどうかは御認識になられたのですか。
  158. 矢野酉雄

    矢野證人 あのところは、とに角こう議長がここに立つておれば、ここにぐつと並んで、ここに中村君がおれば、ここに板野君がおるというふうにして、とに角主役を勤めておるということは事実です。併しながら特別に板野君が議長の登壇を阻止するために、何か特別の言動をしたかということについての、言動の内容は、それははつきり私としてはその時見極めておりません。
  159. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 分りました。
  160. 遠山丙市

    遠山丙市君 ちよつと最後に証人にお尋ねいたしますが、松平議長さんが入つておいでになつて、その前面に多数の議員一つの塊になつて從つてそれがためにも行かれなかつたとこう仰せられたのでありますが、その一團をなしている形、これは草葉議員は何かスクラムを組んでいるというようなことを言われた、そういう形は、そのときどういう工合に御覽になりましたか。
  161. 矢野酉雄

    矢野證人 大体手を組んで、肩に掛けていわゆるスクラムを組む、そういうようなことはなかつたと思うのです。とに角最初から間隙のないように林立しているわけでありますから、そしていよいよ議長が入り込んでここに八、九人の人が集團を作つてつたのを、議長が入つて來たのを見て、又そのいろいろの無所属懇談会の諸君、社会党の諸君が駆登つてつたわけでありますから、それで私が降りようとしたときには星野君が右におつたり、千田君も降りて來る樣子でありますし、議長がいよいよ一間ばかり進んで來たときには、その一つの集團は初めの八、九人よりももつとずつと殖えていたと私は思います。
  162. 遠山丙市

    遠山丙市君 先ずその集團の形から見て、議長はとてもそれを押切つて前へ進めないような状況であつたのですね。
  163. 矢野酉雄

    矢野證人 全然それは進行は不可能でしよう。よしんば矢野が代つてもあれだけの集團に対しては、相当守衞諸君が道を開こうとしたけれども不可能でしたでしよう。
  164. 遠山丙市

    遠山丙市君 それから最後に一点だけをお尋ねして置きたいのですが、松嶋議長議長席へ著いておつたときでありますが、今いろいろそのときの模樣をお話になりましたが、この松嶋議長議長席に著いておつたが、その椅子が非常に動いたが、誰か後ろから抑えておるような人を見受けたことはございませんか。
  165. 矢野酉雄

    矢野證人 それは淺岡君或いは北村君ではなかつたかと思うのです。それから緑風会の方では岡元義人君ですね、宇都宮君もその附近におつたと思います。
  166. 遠山丙市

    遠山丙市君 そうすると抑えておらなければ或いは倒れやせんかと思う程動かされておつたようでありましたかどうでしたか。
  167. 矢野酉雄

    矢野證人 勿論それを阻止しなければ引繰返つてつたでしよう。私は認定しました。
  168. 遠山丙市

    遠山丙市君 有難うございました。
  169. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 他にありませんか。
  170. 鈴木直人

    鈴木直人君 ここに六月十五日号の朝日グラフ永田町事件ということで、第五特別國会参議院会議という写眞があるのですが、ここに矢野さんもおられますけれども、これはまた副議長が登壇しておられない、登壇する少し前のように思うのですが、いつ頃か御存じないですか。
  171. 矢野酉雄

    矢野證人 写眞を見てこれについての感想を述べます。
  172. 鈴木直人

    鈴木直人君 副議長がまだ席に著かないで、そこの脇に立つておるのは副議長だと思いますがね。
  173. 矢野酉雄

    矢野證人 そうです。このときに私は公務執行妨害じやないかとも言つたと思うのです。これから又上つたわけです。そうしてこのときはまだ議長誰か参議院の事務局の者に何か渡さない前であつて、渡さないでおるので、副議長はそのまままだ議長席に著いていない、このときの写眞と思いますね。
  174. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうするとまだ議長は副議長に代つて議事を進めるように傳達が行かない前であるから、まだ議長自分壇上に登るということを放棄しない前の状態ですね。
  175. 矢野酉雄

    矢野證人 そうです。
  176. 鈴木直人

    鈴木直人君 それから議長のその前に守衞の頭があつて、その前に白いシヤツのようなものを著ていて、頭だけちよつと見える小さい人が、いるかいないか分らないような人が議長の前におるですね。淺岡氏の前ですね。白いシヤツのようなものが見えるですがね。
  177. 矢野酉雄

    矢野證人 この近所にとに角中村君、板野君がおつたと思いますけれどもね。
  178. 松井道夫

    松井道夫君 とに角その写眞では、今の問題になつておる中西君、板野君、カニエ君と認められますか、ちよつと僕ら見たつて分らないですがね。
  179. 矢野酉雄

    矢野證人 この写眞では瞬間的な写眞ですが、とにかく原君だけははつきりここに分りますがね。それから無所属懇談会の諸君、とにかく議長は一間半か二間進んで來たときですものね。
  180. 松井道夫

    松井道夫君 それから写眞の以前にあなたは一度壇上上つたのですか。
  181. 矢野酉雄

    矢野證人 このときには上りません。私は緑風会の席におつて、そうして議長がいよいよ入つて來てこれを外から見れば結局阻止するかのごとく見えたので私がこちらに出て行つた
  182. 松井道夫

    松井道夫君 その前は上つておらん。
  183. 矢野酉雄

    矢野證人 ええ。これから一應上つて議長が登壇するときにここに混乱が起つたのでその議長席の前のところまで行つたわけですから……。
  184. 松井道夫

    松井道夫君 あなたが名を挙げて注意されたというのはそうするとその後ですか。
  185. 矢野酉雄

    矢野證人 これからもう一歩上つているのです。
  186. 松井道夫

    松井道夫君 その頃もう中西板野両君はその頭の中におつたことは間違いないのですね。
  187. 矢野酉雄

    矢野證人 一番初めに、ここに誰も全然おらないのではなくて、議長さんが入る前に、本会議が再開される前にもう七、八人の人が上つてつたのですから……。そうして交渉が始つてから又段々殖えてきたわけですからね。
  188. 鈴木直人

    鈴木直人君 今一つ七の写眞がありますが、これはもう今の写眞よりもずつとあとですね。
  189. 矢野酉雄

    矢野證人 そうです。これはすでに副議長がいろいろな押合いへし合いの結果、そこに著席してから後の写眞です。そのときまでは守衞達がまだこの議長の席のうしろには十分の配置ができなかつたのですから……。
  190. 竹下豐次

    竹下豐次君 もう大分細かく承つたようですが、もう一時ですがどうでしよう。
  191. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外にございませんか。それでは矢野さんの証言はこれで結構でございますから……。御苦労樣でした。それでは二時まで休憩いたします。    午後零時五十五分休憩    —————・—————    午後二時二十五分開会
  192. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 午前に引続きこれより再開いたします。淺岡さんに今日は証人としてお尋ねしたいと思いますので、一つ宣誓をして頂いて証言を願いたいと思います。御承知だと思いますが、委員会における証人宣誓及び証言等に関する法律の第四條によりまして、宣誓又は証言を拒むこともできることと、又同法第六條によつて虚僞宣誓をしたときは刑罰に処せられるということも念のために御注意申上げて置きます。それでは宣誓書の朗読をお願いいたします。皆さん御起立を願います。    〔総員起立証人は次のように宣誓を行なつた〕    宣誓書   良心從つて眞実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。         証人 淺岡 信夫
  193. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではこれより証言をして頂きますが、混乱の起きました樣子につきましては、これまでの取調べで大体判明いたしておりますので、その中の特に重要な点につきまして御証言を願いたいと思うのでありますが、淺岡さんは当日の議長サロンにおける運営委員会の会場で、カニエ君が暴行をした事実を眼のあたり御覽になつておりましたですか。カニエ君が毆ぐつたということを……、ちよつとそれを簡單に……。
  194. 淺岡信夫

    證人(淺岡信夫君) 只今お尋ねの点を簡單に申上げます。丁度私の前には梅原委員長が腰掛けておいでになりますし、私の左の方には松平議長がおいでになりますし、確か右の方に副総理もいられたと思うのですが、それからその後には小澤國務大臣と、それから私の眞後には北村徳太郎衆議院議員と、松平議長のその隣りに委員として腰掛けられておつたの矢野委員だと思います。御承知のように非常に紛糾いたしておりまして、いよいよ十二時に切迫することもう後十五、六分しかないというようなふうで、もう議院運営委員会議事の運営などということは到底駄目だというふうに私見ておりましたときに、ますます委員会はもう興奮のるつぼに包まれたと言いましようか、もう委員会全体がそれでありました。ラクビーなんかで申しますと、全部が皆なルーズ・スクラムを組んでおつたという形であつたのです。そこへいよいよ時間が切迫する、委員長議員外の人は出て頂きたいというようなことを言われる。そうすると、板野委員が「総理を呼んで來い」と、中村委員は「いや発言」というようなふうで、各委員がもうばらばらになつて……。そうこうしているうちに、これはちよつと氏名は差控えたいと思いますが、「毆れ毆れ」というようなことを私のいた左手の三、四人ぐらいあとの方面からそういう声が出たのです。私は御承知のように、非常に運動神経が発達しております。これはもう相撲にいたしましても、柔道にしても、ラクビーにしても、陸上競技にいたしましても、或いは水泳にしましても、殆んどやらなかつたのはテニスだけで、あらゆる、昔でいうと武藝十八般にでも通じたとも言うのでしようか、そういうふうで、又非常に喧嘩なんというようなことも、掴み合だ、毆り合だなんということは相当、限りなくやつて來た方でして、そういうふうな混乱状況になると、ますます氣持がすうつと落ち著いて來るのです。むしろおかしくなるほど、あつちこつちで昂奮した声を聞くと、反対におかしくなつて自分は又ますます落ち著きのです。と、私の後ろをぐんぐん北村徳太郎議員が押すんです。私前へ寄つかかろうとすると、梅原委員長がおられるから、梅原委員長を潰しては大変ですから、北村徳太郎君をこたえている。そうすると、毆れ毆れと來た。そうこうしておりますうちに、私の僅か三、四人前でばたりと一つ音がしたですね。その音のする前に、誰か下の方でざわざわしたと思う拍子に、ひよつと出て行つて、ぽかりと音がした。見ると、加藤君が毆られておる。これはいかん。自分一つ手をぐつと伸ばせば、その毆り附ける人間の腕は押えられる。それを仮りに押えるほど体を伸ばすと、梅原委員長なり或いは副議長なりに体が触れる。むしろこれはじつと見ておつた方がいいというふうで、監視の役で、じつと見ていたんですが、あと二つほど……。一つつてちよつと間があつて、ほんのちよつとの間があつたと同時に、二つ毆られたんです。加藤君が……。大体そういうことを見て、まあ私の周囲はぴつたり詰まつてつたもんですから、大体加藤君がカニエ君に毆られたという状況は、私ははつきりと見ておりました。大体以上のようなことでございます。
  195. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 今の証言については別に御質問ございませんか。
  196. 松井道夫

    松井道夫君 幾つぐらい毆つたのを見られたんですか。
  197. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 私は毆つたのは三つだと思います。初めに一つつてちよつと間があつて、二つ毆つた
  198. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 次にカニエ君が議長の歩行されておつた前に倒れたということにつきまして、当事者の方では、議長は、足下に向つてとび込んだ、故意に倒れて歩行の妨害をしたというふうに言つておられるのですが、カニエ君本人の一身上の弁明では、後から押されて倒れて、そうしてだんだん押されて來て、苦しくなつたので、何とかして起きようと思つてもがいたというふうに弁明しておるのですが、この点が爭点になるわけですが、それにつきまして淺岡さんは何かその状況を見られて、何か証言して下さることがあるでしようか。
  199. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 私は本会議が始まりまして、これはもう私の一身上の弁明のときにも申上げたんですが、議長の前にカニエ君が突き飛ばされたか、とび込んだというようなことを私は見ておりませんから、分りません。と申しますことは、ベルが鳴つて、それから各議員議席に著かれました。私も当然議席に着きました。そうしますと、民主党の境野清雄君が私のところへ來まして、淺岡君今日は非常に委員会混乱した。又本会議でも混乱するようなことがあるかも分らないと、そういうふうな場合にはなるたけ君は壇上などに登らん方がいいぞ。君が登れば僕も登らざるを得ないというようなことを私のところへ行つて來たわけです。私は非常に境野君と学生時代から、私の後輩ですから、仲がいいのですから、特に境野君は私のことを心配して言つてくれたんだろうというようなことで、私はまあ演壇に登るとか登らんとかということは別の問題として、與党の立場、或いは政府委員というような立場から、なるたけ靜かにしておる方がよいのだということで、自席で見ておつたのであります。そうしますと、これははつきり分ります。共産党の板野君がすすつと壇に登つて、手を振つて何か言つておりました。或いはそれが小委員会を開けと言つてつたのか、どういうことを叫んでおつたのか、そういうことははつきり聞こえませんでしたけれども、とに角騒いでおつた。それにつれて共産党の議員の大半、中野君は残つてつたと思いますが、その他の人たちが上つて行かれた。それから無所属懇談会の諸君が三、四名上つて行つた。社会党の諸君上つて行かれた、それは原君も上つて行つたことを見ております。そんなふうで私はあそこの、議長が閣僚の椅子後ろから参事席の前を歩いて行かれるのを阻止されておる状況を見ておつたのです。勿論カニエ君がそこへ飛んで行つたことは見ておりました。そうこうしているうちに、だんだん議長議事部長のおるあたりまで行つて、そこで激しくもみ合つておられたわけです。そうしておる。これは確か時間的に見まして、相当の時間がかかつたと思いますが、そうすると塚本重藏君がとんで行かれて、これはまあ社会党の長老でもあるんだからなだめに行かれたのだと、こんなふうに思つておりました。ところが見ておりますと、これはとても議長議長席に著けんだろう。後ろの方を見ておりますと、松嶋議長議席を離れて演壇の方に行かれた。私の方の同僚議員も、おい一つ演壇に行つて議長議長席に著かせたらどうか、松平議長一つ議長席に著かせたらどうだということを言われたのでありまして、それで私は暫く見ておりましたが、何だかもうほんの議事部長のところから議長椅子までは、歩けばほんの四、五歩で行けるのですから、何とか行けないものであろうかというようなことで、松嶋議長議席を離れたのを見ながら、私は議長の阻止されておる場所へ行つたわけです。そうしますと、塚本重藏君がおいこら、ここは淺岡君、君の來るところじやない。成るほど私の來るところじやないと自分も感じましたが、自分はやはり政務次官をいたしておりましたし、委員席に坐つてもよいというようなことを考えながら、ずつと議事部長の側のところの椅子や机の所まで入つてつて、それを見ておつたわけです。それから何か、前が少し、ちよつとやれば前があくと思うから私は、それは原君だと思います。原君をちよつと私はよけて、議長、前へお出なさいと、私と議長との間は殆んど一メートルぐらいがら空きなんです。ちよつと一メートル近く、まあ二尺五六寸か三尺近く、それで議長に前に御出なさいというのですが、もう議長はどうしても前に出ないのですね。出ないからふつと不思議に思つて議長に前にお歩きなさいと言つて足を見ますと、何かそこに黒いものがあつて議長が動けずにおる。そのうちに私が後ろから押されそうになつて、その人を踏付けてはいかん。私は初めは衞視かなんかそこに倒れておつたのかと思いましたけれども、そうこうしているうちに、丁度青木参事議長から書類を貰つて、それを副議長の……、近藤君のいる方に手を延していたのを私は見ましたから、それでちよつと更に私は退がつて、その議長が前に進めないのをどうしたのかと思つて見ようとしましたけれども、そのときは私と議長との間には人が三四人入つてつて、その人が衞視であつたか、或いはカニエ君であつたか、誰だつたか認定はできませんでしたが、とに角議長の足許に黒い服を着ておつた人がおつたことははつきりと見たのであります。
  200. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そのときの倒れておつた人の様子はうつ伏せに倒れておつたか、それとも……。
  201. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 それはうつ伏せというよりかあぐらをかいておつたのですね。あぐらをかいてまあこういうふうな恰好ですね。あれはラグビーでいうとスクラムでタツクルですよ。そういう恰好でありましたね。この手で両足を押えてこれはタツクルですけれども、そういう恰好であつたかどうかはつきりと言えませんけれども、とに角こういうふうな恰好をして議長の足許に倒れているというよりも、むしろしやがんでおつたのではないかと思いますけれども……。
  202. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それから草葉君がスクラムを組んでという表現を用いた……。そこに板野カニエ中西の三君がおつたことはあなた認めますか。
  203. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 これは私がスクラムといつたのは普通手と手で以てこう組むやつ、或いはこうやるのがスクラムですが、あの場合は我々がラグビーでいうとルーズ・スクラム、とに角最初板野君が上つて指揮をして、次々と上つて議長を阻止したということはこれはルーズ・スクラムを組んで阻止したというふうに私は当時自分の席から見ております。
  204. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 板野君の外にカニエ君も中西君も確かにおられましたか。
  205. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 それはおりました。
  206. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それから序でですからお尋ねしますが、副議長議長席へ著かれてから、金子君と中西君が手を引張つたとか、足を引張つたとか、或いは書類を取られたとかいうようなことは、あなた御覧になりましたか。
  207. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 私はその足を引張つてつたということは、初めは氣がつきませんでした。で、先程申上げましたように、青木参事議長から書類を取られて、そうしてそれを近藤次長席の方に持つてつて渡された。それを丁度北村君がそこにおりましたので、それは近藤君が取つたか、北村君が取つたか知れませんが、とにかく書類が議長席に行つたところまでまあ直感したものですから、すぐ私は議長の丁度後ろの所に廻つたわけです。そうしますと、御承知のように、あの議長椅子というものは私の背ぐらいあるのですね。約五尺七八寸くらいある。それは御承知の如く議長席には台がありまして、その上に椅子があるものですから、とにかく椅子が大きいのです。そこでその議長椅子の所にひよつと廻つて見ますと、椅子がこう左の方に傾きかけた。それでこれはいかんと思いまして、もう咄嗟にひよつとその椅子を押えて、私はこう持ち上げて直したのです。そうすると又こういうふうにぐいぐいと今度は後ろの方に行きました。それでこれはいかんと思つて、ひよつと直したのです。これは相当力が要りました。それから三度目に又ぐいぐいとそういうふうになつたものですから、私はひよつと見たのです。そうしますと、副議長の左手が引張られている。引張つているのは誰かそのときは分りません。とにかく頭が禿げたのがこう引張つている。それからひよつと後ろを見ると、それは椅子を押えながらそれを見るのですから……、そうすると副議長の手がこういうふうに壇で引張られておるのと、足が引張られて、そうして肘でもつて私は後ろでこうなるのですね。これはいかんというので、私は無理矢理にこう直すと共に、うんとこう割つてつたのです。そのときに金子君ということが分りました。そのときに足の方に居たのが中西君と……、それで私は離れたわけですけれども、まあ大体そんなふうに……。
  208. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それで足を引張つておるのは中西君だということは……。
  209. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 私が割つてつてつたときに……。
  210. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それは確認できますね。
  211. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 確認できます。
  212. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それから書類を中西君が左の方へ取つたというふうなことを言つた人があるように思いますけれども、又金子君が書類を驚掴みにしたように……、要するに紙の点が……。
  213. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 それは丁度私は椅子後ろにおりましたから、椅子はなかなか大きいのでしてね。それを押えているものですから、向うを見るというよりは、椅子を直すというので、議長の机の前の方はどういう動きがあつたのか分りません。
  214. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではマイクを掴んだということは……。
  215. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 それは私は知りません。見えませんから……。
  216. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外に御質問はありませんか。
  217. 竹下豐次

    竹下豐次君 ルーズ・スクラムというのは、どういうことですか。
  218. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 これはルーズ・スクラムというのは、ラクビー・フツトボールから出た言葉で、一人のボールを持つた人が敵の陣地に飛んで來る。そうしてづけるのが得点になるのですから、その選手のボールを持つて走る。それを阻止しようとして二人以上かかつて行くことが、これはもうルーズ・スクラムです。
  219. 竹下豐次

    竹下豐次君 それは手を組むとか、そういうことをしないでも、両方並んで……。
  220. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 並んで、例えば私と委員長と並んで一緒に行くということでもスクラムです。
  221. 竹下豐次

    竹下豐次君 そうすると、草葉さんがスクラムを組んだという言葉を本会議で使われたことが適当かということが問題になりましたが、スクラムということがあの場合に当るということになるのですかね。
  222. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 当然当ります。
  223. 竹下豐次

    竹下豐次君 はい、分りました。
  224. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 それから、まあスクラムということも、きちつと手をやることがスクラムですけれども、もう手をやらないでスクラムを組むことも多いのです。ああいう場合は私も自席で見ておりましたが、一種のルーズ・スクラムであるとこう思います。
  225. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外に……。
  226. 鈴木直人

    鈴木直人君 カニエ君がうずくまつてつたときの姿勢は、これはカニエ君が常に終始一貫同じ姿勢であつたのかどうか知りませんが、こういうふうに尻もちをついて、足を前に出してこういうふうにしていた。そのように現場で説明しておりましたね。今のは少し違うような……。
  227. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 私は、こういうふうにうずくまつて、これは或いはあぐらを組んでいたか、足を出していたか知りませんけれども、とにかくこういうふうな恰好であつたことは間違いありません。それはカニエ君であるか誰であるか分る筈がありません。とにかく議長の足許にこういうような恰好をして人がいたということだけは分ります。ですからこれは私も議長を自席に着かせることに努力することは無駄だと思いました。そうするとたまたま青木参事がその書類を取つてつたものですから……。
  228. 竹下豐次

    竹下豐次君 その手が議長の足にからまつていたか、分りませんか。
  229. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 それは咄嗟の場合ですから分りません。
  230. 鈴木直人

    鈴木直人君 次にもう一つお聞きしたいと思いますが、朝日グラフの六月十五日号に、永田町事件という写眞がありまして、第五特別國会参議院会議ということになつて写眞が出ておるのです。その写真によりますと、松平議長の前に守衞がおつて守衞の前に白いところのシヤツですかな……を着たような小つちやい人がいて、その向うに淺岡さんがおられて、その小さい人と全くくつついておる写眞があるのですが、これは誰ですか。一つ写眞によつて分りましたら教えて頂きたいと思います。
  231. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 これは丁度私と議長とが一メートルぐらい離れている。一メートル弱ですね。その間にこう入つておるのですが、誰でしようかね。これは……。
  232. 鈴木直人

    鈴木直人君 いや結構です。
  233. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) ほかにございませんか。淺岡さんに対して御質問は……。
  234. 岡田宗司

    岡田宗司君 淺岡君が議席から見られたときに、まあ板野君が先頭を切つてつた、こういう話ですが、板野君が上る前にすでに社会党の議院運営委員である原君、下條君、それから中村君が上つておりませんでしたか。
  235. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 それは上つておられたか知れませんけれども、原君や中村君が上つたのは私はその後じやないかと思うのですがね。
  236. 岡田宗司

    岡田宗司君 原君、中村君達が上つてから板野君が続いて上つたのであるが、すでに原君らは先へ上つてつたというふうにお感じにならなかつたですか。
  237. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 いや、私はそういうふうに感じませんね。何といつても一番最初上つたの板野君であり、而も板野君が手を振つて、まあ同僚議員を呼ぶかどうか知りませんが、とにかく手を振つて、或いはそれが小委員会を開けと言つたのか何か知りませんが、我々が常識的に考えてみて、あのとき議長サロンにおける運営委員会状況を見て、そうして本会議のベルが鳴つたところで小委員会を開けと言つたところで、それは開けるものじやない。何をあこぎなことを言い出すものかというような氣持で私は見ておりました。とにかく最初に原君なり、中村君なり、或いはその他の相当の人が上つたという今の岡田君の考えには私はちよつとどうもそういう記憶はありません。私はもうはつきりと板野君が上つた……。
  238. 岡田宗司

    岡田宗司君 私は大体中村君、原君、下條君が参事席交渉に行つたのが一番先だ、こういうふうに思います。但しそのときにはどつと皆ついて上つたのじやない。それから直ぐに板野君が上つたというふうに見ておつたのですが、私もそれから上つて行つたのですけれども、そういう状態であつた。それからルーズ・スクラムの点ですが、これはスクラムの場合には、ルーズ・スクラムでなくても、何でも意識的にやるわけですね。大体……。ところがあの場合にはそう意識的にスクラムをつまり組むという状態でなくて結果がルーズ・スクラムのように見えた。こういうことじやないですか。
  239. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 いやとにかくあの際は議長議長席に着かせないという、これは一つの方法をまあ野党或いは急進派の諸君はなされたのじやないかという観点から私は見るから、そういうふうに見えるのかも知れませんが、とに角議長を五、六分阻止しておれば或いはもう流れてしまうということで、まあ野党の諸君上つて行かれた、阻止した、その阻止した形はこれはもうルーズ・スクラムであるというふうに、私は思うのじやない、私はそういうふうに見ておりますがね。
  240. 岡田宗司

    岡田宗司君 するとつまり淺岡君の主観からそういうふうに御判断になつて……。
  241. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 いや、主観じやない。この眼でそういうことを見ておる。
  242. 岡田宗司

    岡田宗司君 いや主観からそういうことを御判断なさつたのですね。
  243. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 いや、見ておるのです。
  244. 岡田宗司

    岡田宗司君 いや、見ておることも判断に基くものですから、それであなたがそう見られた。こういうことはそれでいいと思うのでありますが、板野君が、その先頭を切つてつた板野君は議長の方へ向つて議長を阻止したのか。それとも参事席へ行つて委員会を開けということを交渉したのか、その点お分りになりませんか。
  245. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 その点私は分りません。
  246. 岡田宗司

    岡田宗司君 議長に対して誰が……、カニエ君は下へ轉がつて、実際上は議長の歩行はカニエ君が下へ轉がつていたために阻止されたという結果になつたわけでありますが、外の議員板野君にしろ、或いは中西君にせよ、或いはその外の議員にせよ、直接議長身体に手を触れて阻止をするというようなことはなさらなかつたか。
  247. 淺岡信夫

    ○淺岡證人 それはそういう直接手を触れたかどうか、私はその当時は席におつたことですから分りません。御承知のように閣僚の椅子とそれから参事席の間というものは、丁度ほんの二尺そこそこしかないのです。だから議長議長席に上らすまいとして、あそこで阻止するとすれば、もう一人の人若しくは二人の人があそこにおつて、そうしていれば議長は歩行は困難であろうと思います。それを押し切つて行こうとすれば、議長自身が相当暴力を振わなければ行けないと思います。そこへとにかく、少なくとも私の見ておつたところでは、最初板野君でありましたけれども、次から次へと十二、三人の人間が上つてわあわあ御輿を担くような恰好でやつてつたのですから、これでは議長の歩行は困難だと思いますね。
  248. 岡田宗司

    岡田宗司君 ありがとうございました。
  249. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 他にございませんか。それじやよろしうございます。御苦労樣でございました。   —————————————
  250. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 混乱した当時の樣子につきましては大体今までの取調べで殆んど判明しておりますので、特にそのうちで主要なる点について伺いたいと思いますが、私からお聞きしたいのは、次長が席にお着きになつたのは副議長議長席に着かれたより前ですね。
  251. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) 副議長が着席なさつた後でございます。
  252. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうすると副議長が着席なさつたときは事務次長が……。
  253. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) その点について申上げます。議長演壇に到達される前に、あそこで混乱になつておりました際に、私もこちらの反対の席に席がございますので、向うから見ておりましたが、このままではなかなか議長は御登壇なりにくいだろうから、なんとか衞視の配置方法等によりお上りになれるようにしなければならんと思いまして、向う側に私も立つて参りまして、そうして衞視諸君に前の方を明けたらどうか、こうしたらどうだろうという注意を與えようと思つて前へ行きました。そこに警務部長も行つておりました。そこに根本一課長が参りまして、御承知通りに、根本君は背が高いので見通しがつくから、上から私を見ておられて、副議長はすでに着席せられておるとか言いました。副議長がお仕事を始められるのだが事務総長の席が空席だから、あなたは早く着席なさつたらどうだという注意がありました。それから副議長議長とも連絡はついており、議長の命によつて書類を持つてあそこにおられる、準備されておつた総長はどうされておるか、総長を探すが、人垣の中で見当らない、そこで事務総長はどこだと言つたら、根本君は総長はそこにおられるというのですが、私は総長の頭を遂に発見できずして、どこから行つたら行かれるかと言つたら、向う側の廊下を廻つて行けば樂に行かれますというので、そうかと言つて、もう一遍左の口から出てぐるつと廻つて、通常私共が行く所から入つて着席したのであります。副議長は着席しておつたし、原稿もあつたかと存じます。
  254. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうですか。金子君と中西君が議長を引摺り降ろそうとして手を引張つたり、足を引張つたというような事態が起つたときは、次長が席に着かれた後のことですか。
  255. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) その点はここでも伺いますし、いろいろ新聞等で見ますが、御承知通り議長席は一段と高いのでございます。写真にあります通り、私の隣にどなたか非常に大きな体の方が議長席との間にいらつした。私はそのときに顔も見えませんし、大きなお尻のところがあつたことを記憶しておる程度でございまして、大きな人がおられるので、議長の前のテーブルがいつも自由に見えておるのですが、間に人がおられて議長席のテーブルの方は全然見えなかつたのであります。從つて議長席の側で何をされたかということは、そのときは目撃できませんでした。
  256. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうすると議長席の上にあつた書類が、ちよつとなくなつたり、帰つて來たりしたこともあつたそうですが、そういうことも全然御存じありませんか。
  257. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) それは、議長席の書類の動いたのを見ましたのは、私が席を立つて総長に席を讓りまして後には、原稿が動いたり、マイクが動いたり、フラスコが引つ繰り返つたのを目撃しております。この写眞を全部私は一應拜見いたしました。写眞の場合は、フラスコはいつものところに嚴然と立つておりますし、マイクも立つておりますが、私が着席しておる間は、マイクとか、原稿が動いたかどうか分りませんが、その写眞では余り動かなかつたのじやないかと想像しておつたのであります。後に私がこの目で見ましたのは、総長が丁度私の隣に人垣を破つて來られて私の隣に立たれたら、総長がここに來られたら着席なさるがいいでしようと、私は手と腰を掴えて総長席に着かせて、私は立ち上つて、人垣があり、総長に着いて貰うのが困難で、これらの人にどいて貰つて着席して貰つて、下に降りて、自分の平素着きます椅子に着いておりますと、副議長は一遍会期延長の件を諮られて席を立たれたのであります。もう一遍着席されたそのときに、板谷順助さんに対する懲罰の問題を議長が宣告なさるときだつたと思いますが、それに入られようとするときに、副議長の声が非常に聞えない、低い感じがする。これはマイクと副議長の顔の位置が遠過ぎるのだと感じましたので、後ろから出て行きまして、副議長さんに、マイクに向つて仰しやられないと声が徹底しないから、マイクに向つて仰しやつて頂きたいと言つたら、副議長は、マイクにはコードが付いておりまして、そのマイクを引つ張る恰好で、どうも遠いものだから副議長の方に引き寄せて、そうかというので、マイクを持たれて原稿をこうなされた。がマイクを片手に持つたのじやうまく行かないので、マイクを放して原稿を開くようになさつたの知つております。その動く間に、マイクがひよつと前へ引つ張り出されたのを見たのであります。とに角そのときにどなたかということが顔が分らないのでありますが、議長席が高くて、向う側の少し後ろの低いところから片足を掛けるようにしてマイクを寄せてやつた関係上、手でマイクを引つ張られたのだけを知つております。これは私どもとしてどなたであろうと、正当にマイクを持つ方でない方がマイクを引つ張られることがあつてはいけない、どうせ後で面倒なことになつたのではいけないと思つて、それで直ぐ引つ張りまして副議長の前にもう一遍据えたのであります。副議長の前へもう一遍置いて、正面に置いたら、又副議長は前に寄せて、何か読まれた、その間原稿や何か左右に動いたのを見ましたが、いずれも手の動くだけでありまして、沢山の手が出ておりまして、どなたの顔につながつた手だか知りません。丁度こうしておるうちにフラスコが引つ繰り返つた。偶然と申しますか、手が見えた。毆り倒すわけじやなく、手の背中が当つたように思つた。わざと倒される氣持じやなかつたと思います。フラスコが手に当つた、副議長の側に当つて倒れて、マイクを引つ張られたような調子でわざわざフラスコを握られることがあつてはいけないのでありまして、フラスコを取れと衞視に申しましたら、それを総長が聞いて、フラスコは自分で取つてよけられたと思います。多分そうだつたと思います。衞視が直ぐそれを受取つてテーブルの下へ総長が置かれたのを取つて、こつちへ持つて行こうといたしたら、向うは無論人波で行けなかつたのですが、直ぐ後側の階段、副議長の後側は高くなつておりますが、あの後側の階段のところに衞視が置きまして、向うへ持つて行くということはそれは聞かなかつたので、置きつ放しになつておるのであります。
  258. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そのマイクが聞えなくなつたのは、こういうふうにさつきの証言中で、左の方から中西君が手を机の上に振つておられるときに、当つたのじやないかという今お話がございましたが、机の上から故意に取つたというふうにお考えになつておるのでありますか。
  259. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) 私の感じましたのでは、マイクが副議長の前面を横に動いたのじやなしに、副議長の方から遠ざかる方向へマイクは行つた、こういうふうに思つております。ただマイクをぢかに手に掴まれたか、コードを引張られたか分りませんが、マイクはとにかく副議長の方から遠ざかるように行きつつあるのでありまして、これはとにかく問題はマイクを引張られることがあつてはいかんというので、これは私共多年國会職員をやつております者は、ああいう場合に常にすべての持つておるものを、そういう議場にあるものを、そういう場合に議員に渡せば必ず懲罰問題になるのだから、渡さないようにするのが一番忠実なことであるという氣持を常に持つておるものですから、とにかく慌ててマイクを引戻そうというので戻したのです。非常に急いで引戻したので、マイク自身を引張つたのか、紐を引張つたのか、ここまで実は覚えていないのであります。
  260. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) マイクはそのとき壊れたのですか。
  261. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) 私はマイクが壊れたとは思つておりません。というのは、続いて副議長あと中村さんに対して何か言つておられたときに、これはよく聞えたと思つております。念のためにマイクが壊れたという話があつたので、翌日か翌々日、私は総務部長の心得をいたしております関係上、庶務部の営繕課の電氣の責任者に私は電話をかけて聞きまして、二十三日にマイクを修繕しなければならないような事態があつたかと確めました。ところがさようなことはございませんというようなことを言つておりました。それですから、副議長発言中或る時期に非常に聞えなくなつたと思うのは、そのときに私はマイクの位置が遠過ぎるので、副議長の位置に引張り戻してやつたのです、あのときにも何か故障があつたのか、機械の故障かということを申しましたら、あのときはマイクが私が総長席から立つて総長が著席され、副議長が会期延長を宣告なさつて一遍退席されたのであります。私は総長が立たれたことはよく承知いたしておるのであります。営繕の係はスイッチを外したと、こういうふうに営繕の澁井さんの方では申しております。もう副議長が著席されたときは、これはまだ議事があるというので、又これは入れるようにいたしましたという、こういうことを言つております。從つてマイクにスイッチを入れたので、又私は耳によく聞えたと思うのであります。從つてマイクの方の故障ではなかつたのじやないか、こういうふうに私は思つております。
  262. 竹下豐次

    竹下豐次君 スイッチを操縦した人は名前は分つておりますか。
  263. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) これは私は確めておりませんのであります。澁井君が直接入れましたか、或いは議場の地下の方で入れましたのですか、それは專門家の人に聞きませんとよく私は確かめることができないのであります。
  264. 鈴木直人

    鈴木直人君 マイクが壞れたために聞えなくなつたのであろうというようなことで、今まで進んでおつたのです。然るところスイッチが切られたと思うということで、これは相当今までの考え方とマイクについては少し違つたことになるわけですが、スイッチを切る、切つたのは、聞えなくなりましたのはまだ議事が進行しておるうちだと思うのでありますがね、いわゆるあの指二本を何かこんなふうにしてやつておりましたが、あれは寺尾君の動議が出されて、そうしてそれに異議ないかということになつて、そうして賛成の人は起立ということになりましたが、そういうふうな一つの会期延長の重大なるところの審議が続行中に聞えなくなつたのじやないかとこう思うのでありますが、そういうようなときにスイッチを切るということはあり得るものでしようか。
  265. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) 私は今会期延長を諮られましたときは、私がまだ総長席へ著席中でございまして、その最後の御異議ないものと認めますとか何とか言われましたときに総長が私と代りまして、その当時に私はよく聞えたように私は存じておるのであります。のちにそれを宣告なすつて議長は一遍立たれたのでございます。私は直ぐに自分の席へ帰りまして又副議長はそのあとから中村正雄君の発言を許しますとこう言われたときですから、そこらあたりは非常に聞えなくなりまして、そのときにこれはいかんと思いまして、わざわざマイクを引寄せに上つて行つたのであります。
  266. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうするとマイクを引つ張つたというのは、事務次長が引つ張られたのは、もう一應会期延長の決議が終つて、そうしてその後又中村君の発言が提出されたようですね。
  267. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) そうでございます。今の会期延長の大体御異議ございませんか、ということを言われたとき私は立つたと覚えておりますのであります。尚マイクの前後するようなことがあつた承知しておりますので、從つてこの写眞に出ておりますのは、あの相当賑やかな一こまであつて、私の著席しておる間だけの写眞であつて、その後総長が著席されましてからのち、私の著席します前の写眞はすべてないじやないかとこういうふうに考えております。
  268. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうしますと、中西君と金子君が一應副議長議長の席から降そうとしたというようなのは、これはずつと初期ですね。
  269. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) 只今おつしやるような事態のあつたのは、恐らく私が上りました前じやないかと思うのであります。こう思うのであります。私はあそこへ根本参事から注意を受けて上りましたのは、すでにあそこはそれ程の混乱ではなかつた、ただ人が大勢周りにおられたので、別に副議長の周りが特別な風ではなかつたように覚えております。
  270. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうしますとスイッチが切られたといいますか、そういうような事実が起つた、いわゆるマイクが聞えなくなつたというような事実が起つたのは、先のお話によると一應会期延長を終つて、そうしてその後に行われたということになるのであります。あれは聞えなくなつたのは、普通一般の人が感じておるのはいつなんでしようか。
  271. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) どうも私も多くの方のお考えを伺つておりますというと、議長が会期宣告をなさるときに聞えなくなつたというふうにおつしやる方が多いのであります。ところがそこがどうも私は間違いじやないかと思うのであります。私はそのとき聞えなかつたのは騒然として聞えなくなつたので、マイクそのものに何か可否が生じて聞えなかつたのじやないとこう思うのであります。私は副議長の声が非常によく副議長の声は通つたのであります。その反響も相当強く反響しておるように聞えたのであります。後に自分の席へ帰つてからは特に聞えなくなつて、これはいかんと思つてマイクを引寄せてあげたのであります。副議長左側の手の方から行つて引寄せたのであります。勿論自分事務総長の席を降りて後のことであります。
  272. 鈴木直人

    鈴木直人君 どうも私はマイクが聞えなくなつたのは、あとの段階じやなくて前の混乱時代に盛んに副議長がこうやつて何か言うておつた、それでもなかなか聞こえない。それがなかなか議場はつきりしない。それで指二本でなんかやつて、そうして二日間であるというような意味を指したというようなことであつて、どうも私はその頃はマイクが聞えなかつたときであるというふうに実は感じておるので、今事務次長が、近藤君がスイッチを切つたというときと随分違う、その前の話のように私は思うのです。
  273. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) あの場合は実は私は聞こえたか聞こえなかつたか感じていないのであります。通常の状態であつた思つてそのときには、著席しておるときにはおつたわけなんです。
  274. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 鈴木委員からもお話つたのですが、この松嶋議長の六月一日の陳述を見ても、何を言つているのだか声が徹底しなかつたのだか、或いはスイッチが切れたのだか、どうも皆に徹底しなかつたようだということを言われているのです。私らも事実そのときは、どういうことを言つているのだが、全然マイクの音は聞こえないのです。マイクを持つて議長が話をしているのですが聞こえない。それで何のことを言つているのかなと思つていると、手を出して二日間ということを出した、意味は分つていますが、一体何のことだか実情は分らないわけです。そこで緑風会と民自党の諸君は事前に打合せがあつたかどうか知らんが皆立つた、それで二日延長ということが決まつたらしい、それでそのことについては我々はそういうところで分つたのですが、マイクという点については私らも今鈴木委員お話のように、どうも切れたようにしか考えられなかつたのです。それからもう一つここでお聞きして置きたいのは、松嶋議長が二日の会期延長を宣してなぜあすこで立つたかということ、そうすると立つ前には何か宣言をして立たなくちやならんと思うのです。それは何を言つて立たれたか、ちよつとこれは重大な問題になるのですがお聞きして置きたい。
  275. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) 副議長が立たれるときには、私は総長席におりませんので分りませんが、何を言われたのか、なぜ立たれたのか、それから立たれた事実も私はよく分らなかつたのです。総長は副議長が立たれたのだとこう言われるのです。その点私は立たれたかどうかよく分りませんが、どういう宣言をなさつて立たれたのかよく分らないのです。
  276. 岡田宗司

    岡田宗司君 そういたしますと、次長が著席されて、そうして松嶋議長開会を宣せられたときには、すでに松嶋議長を引摺り降すとかなんとかいうことはなかつたわけですね。
  277. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) 私はそのときにはすでにそういうことがありそうには思つていなかつたし、虞れがあるということは感じていなかつたのでございます。
  278. 岡田宗司

    岡田宗司君 ここに松嶋議長証言があるのですが、大野幸一君が、金子議員があなたに対して暴行していたときはあなたはまだ開会を宣しておらなかつたのですか。副議長松嶋喜作君、宣しておりませんとこうありますので、つまり開会を宣する前であつたということはこれで明からになつておるわけですね。それからマイクの問題ですが、最初マイクは嚴然としておつた。むしろマイクはその二日の延長のことを議長が諮られた後に動いた、それを事務次長は引摺り戻した、そのマイクが前の方から誰かの手で引張られたものであるとこういうことになつておるのであります。ところが他の証人証言によりますと、もつと早いような時期に言われておつて、そうして又そのために故障が起つたか、或いはコードが切れたかどうかでマイクが聞えなかつたのだと、こういうふうに言われておるのであります。その間における時間の問題なんですね。非常に重要な問題になつて來るのでありまして、その副議長が一遍立たれて、それから又著席されてマイクを取られて、確か中村君の懲罰動議の趣旨説明を許されたと思つておりますが、その際には、まだ演壇に大勢人がおつたですかね。
  279. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) 副議長がこの今の原稿が二綴りになつておりましたが、二度目の今の綴りの方にかかられるときには、むろん演壇にも相当おられたように思います。それから副議長の周りにまだ相当人がおられたと思つております。それでそれにかかられようとするときに今のマイクや何かが動いて、どうも副議長の声が聞えないので、私は自分の席から出て行つてマイクを直して上げようと、こういうことをいたしたわけであります。それで尚先刻の何と言いますか、私が総長席に著いている間には、マイクやら原稿が動いたかどうかということは全然私の席から見えませんですから、このときには自分ではこの際にどなたが何をしておつたか全然分らないのであります。ただそれが私と副議長の間に一人おいでになりましたから、あと写眞を見ますと、北村さんのお顔のようでありますが、丁度ここと委員長の間のようにこういうふうに立つておられましたので、議長席の方は全然見えなかつたのであります。そのときにもそういうことがあつたかどうか分りませんが、あのときのことは私は目撃いたしておらなかつたのであります。
  280. 岡田宗司

    岡田宗司君 あのマイクが動いて、あなたが取り戻された、その場合に議長席の前に相当な人がおつたということでありますが、その議員がどういう人であつたかということについては御記憶ございませんか。
  281. 近藤英明

    ○參事(近藤英明君) どうもこの記憶は全然ございません。
  282. 岡田宗司

    岡田宗司君 ありがとうございました。
  283. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外に御質問ございませんか……。   —————————————
  284. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 山賀さんですね。
  285. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 山賀です。
  286. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 呼びましたのは営繕課の山賀辰夫君ですが、それで山賀さんにお尋ねしますが、この混乱のあつた当夜のマイクが壞われておつたかどうかということを聞きたいのですが、いかがでございましよう。
  287. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 僕の方の直接のあれではないのですが、もう一人來ております泉の方ですが、それで議場に入つておりまして、僕が下の一階に議場電氣設備室という部屋があるのでございます。そこに各機械が裝置してありまして、そこで監視していたわけなんです。そこにも一台議場からのスピーカーが置いてありまして、そこで以て全部聞いておりました。議場には入つておりませんで、そこで聞いておつたわけですね。
  288. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 途中でマイクの故障が起きて……。
  289. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 起きたことはありません。
  290. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) ありませんでしたか。
  291. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) ええ。
  292. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 議場で……。
  293. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 切れませんでした。十二時過ぎまで僕は完全に聞いておりました。
  294. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 何か御質問になることがありましたら……。
  295. 岡田宗司

    岡田宗司君 その聞いておりました場合に、副議長が二日間の延長を宣したようなことをはつきりお聞きになりましたか。
  296. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) それは入りませんでした。ただ散会を宣告したのははつきり入つておるのですが。
  297. 岡田宗司

    岡田宗司君 それから非常に議場混乱の騒音が入りましたか。
  298. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) とても入つておりました。大体声を聞いておりまして中村正雄先生、板野勝次先生の声が大分入つております。
  299. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 今お話の散会を宣したというのは、最後の十二時になつてからですか。
  300. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) それは十二時ではありません。それは私の方に記録をとつてありますが、副議長が散会を宣告したのは十一時五十七分です。
  301. 岡田宗司

    岡田宗司君 一たん散会を宣して、又席に著いて中村君の発言を許されたのですか。
  302. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 先に中村先生が登壇したと思いました。
  303. 岡田宗司

    岡田宗司君 中村君は十二時きつちりまでやつて途中で止めたのですね。議場の時計では……。
  304. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) それでは私の記憶が逆かも知れませんが、何しろ副議長の散会を宣告した時間は記録にとつてありますが、十一時五十七分です。
  305. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 副議長の散会を宣したのは最後で、それでおしまいにしたのですか。
  306. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 後は騒音で以て特定な人の声は入つて來ませんでした。
  307. 竹下豐次

    竹下豐次君 後で修繕されるようなことはなかつたのですか。
  308. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 故障は記憶ありません。
  309. 竹下豐次

    竹下豐次君 全くしていないのですね。
  310. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) ええ。
  311. 松井道夫

    松井道夫君 一体どういう工合な仕掛になつておるのですか。副議長マイクに向つて議場議長席の前にマイクがありますね。あのマイクに向つて発言されればその発言がそのままあなたの方に聞えるようになつておるのですか。
  312. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 議場で以て議場の正面の演壇に向いまして左側議場の中の調整器があるのです。議席から見ると議長席のずつと左の、議事部の給仕がありますね。あそこの隣で以ていつも議場の中の調整をしておるのです。そこのスイツチを入れれば下にも入るようになつておるのです。
  313. 松井道夫

    松井道夫君 議場発言などが大体入るのですね。そうすると今の会期延長の件の発言が入らなかつたということは、今おつしやるマイクが切つてつたかどうか、或いは騒音が入つてつたか。
  314. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 最初から、議場のスイツチが入つた途端から騒音だつたのです。
  315. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると副議長発言は、今の散会の発言があなたの方に聞えただけですか。
  316. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) それも辛うじて聞えた程度でして、特定に完全に入つたとは言い切れないのですが、開会を宣告した時間も覚えております。それも入つておりますが声が相当消されております。
  317. 松井道夫

    松井道夫君 あなたの聽取される議場発言は全部記録を取ることになつておるのですか。
  318. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) その発言を取るわけじやないのです。上で調整できないことを下で調整する。
  319. 松井道夫

    松井道夫君 上で調整できないということを下で調整するというのは……。
  320. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 音量とかそういうことです。音量、感度……。
  321. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると今の議長席の上にある拡声器あれに故障があつたかどうかということは分らないのですね。
  322. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 若し故障があれば下には入つて來ません。騒音が入つておりましたから故障したとは考えられません。
  323. 竹下豐次

    竹下豐次君 何か故障があれば聞えが悪くなりましよう。
  324. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) そういうこともないと思います。
  325. 竹下豐次

    竹下豐次君 後で修繕する必要もなかつたというと、故障はなかつたという結論に到達するわけですね。
  326. 岡田宗司

    岡田宗司君 初から終までずつと騒音続きだつたのですね。
  327. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) スイツチを入れてからずつと騒音続きで、その騒音が非常に大きいために副議長さんの言もとぎれとぎれに聞え、ときには騒音のために聞き取れなかつた。こういう状態つたのです。
  328. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 ちよつと一つ聞きたいのは、マイク議長席のところには一つしかないのですね。それから演壇の方に三つあつて、これが一緒にあなたのところに入るのですか。
  329. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) それもちよつと現場で説明しないとお分りにならないかも知れませんが、調整器は演壇議場の方と二つに分れております。議長さんが言われるときには、議長の方だけを出して置きまして演壇の方は使わないようにしております。
  330. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 当夜は議長席のだけを出しておつたのですか。
  331. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 当夜は僕は議場に入つておりませんのでよくその点は分りません。
  332. 鈴木直人

    鈴木直人君 大体今の油井さんの質問でいいのですか。マイク議場の中に四つあるのですね。そうするとあなたの方に聞えて來るのは四つが一まとめにして聞えるわけですか。
  333. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 結局そういうことになります。
  334. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうするとその中の一つの副議長が何か喋つておるところのマイクが壊われたとしても、後の三つからあなたの方に入つて來るわけですか。後の三つの方から吸收される音が聞えるわけですか。
  335. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 議場内を調整する場合、議長さんが言われるときには演壇の方は使わないようにしております。
  336. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうしますとしよつちゆう見ておつて議長が、例えば議長板野君御注意しますというようなことを板野君の演説中にやりますね。その場合……。
  337. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) その場合はお聞きになつてつてもお分りになると思いますが、最初の方は非常に声が低いように感ぜられると思います。
  338. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうするといつも見ておつて、いつ議長発言するか分らない、演説しておる場合ぱつと演説の方のマイク議長の方のマイクの方に直すのですか、常に四つ全部聞えるようにして置くわけではないのですか。
  339. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 常にそういうふうにはなるべくしません。そうしますとピーという音が入りますから、なるべく両方一緒に使わないようにして置きます。
  340. 鈴木直人

    鈴木直人君 先に近藤次長マイクを切つた、だから聞えない部分があつただろうという話がありましたが、切つたという事実はないのですね。
  341. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 下で聽いておつて全部騒音が入つておりますから切つた事実はありません。
  342. 鈴木直人

    鈴木直人君 もう一つ聽きしますが、先程散会を宣してからあとは演説も何もなかつたということは実際の事実に反しますね。仮に散会を宣したとしますれば、その後に又誰の注意でありましたか誰かの注意によつて、副議長は又演壇上つて、そうして中村君が発言を求めた、そうして中村君がそれによつて演説しているうちに十二時になつて、それで又散会をした。だからどちらの散会であるか。
  343. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) それで我々下で聽いておりまして、僕は本当はその拡声器の係よりも時計の係なのであります。電氣時計の係でありますから、時間の点は非常に氣にしているのです。下の部屋で以て時計と睨めつこで聽いていたのですが、十一時五十七分に散会を宣告しました。それであとはまあ議場から降りて來るものだと思い、そちらの拡声器の方は殆んど聽いていなかつたのであります。騒音だけは入つているということは分つておりましたが、殆んど聽いていないのであります。一旦散会を宣告しましたから……。
  344. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると、そのあとのことは聽いていなかつたのですね。
  345. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) ええ、聽いていなかつた
  346. 鈴木直人

    鈴木直人君 事実中村君がやつていたのです。あとの散会は十二時過ぎてから散会を宣しているのです。五十七分に散会を宣告している筈がない。五十七分にあなたが散会の宣告を聽いたとすれば……、我々は聽かなかつたですけれども、その前の段階において散会を宣した……。
  347. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 宣したことになつております。
  348. 鈴木直人

    鈴木直人君 それで副議長は出て行こうとした。又それをもう一度上つて緊急動議を採上げて中村君の演説を許した。こういうことになるのでしよう。
  349. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) ええ。
  350. 岡田宗司

    岡田宗司君 よく分りました。
  351. 鈴木直人

    鈴木直人君 もう一つ、それで近藤君は一度散会を宣して、その後において、スイツチを切つたというような話を聞いたというのですが……。
  352. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) 併しそういう事実はないと思います。
  353. 松井道夫

    松井道夫君 騒音があつたにしても、あの拡声器を取上げて口の前の出して、而も大きな声でしやべればあなたの方でも全然入らんということはなさそうに思いますがどうでしようかね。
  354. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) そうです。口の前まで持つて來れば完全に入ります。
  355. 松井道夫

    松井道夫君 騒音というのは周囲から入つて來るのですから。
  356. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) あれを見ていなかつたので分り兼ねるのでありますが、新聞なんかによりますと、副議長さんがマイクを持つたということになつているのですが、若しマイクを持つて、手をこう伸ばしてマイクを持つておりますれば、このくらい離れていてもマイクは感度がいいために非常に音が低くなるのであります。普通に置いてあるのはこのくらいの距離なんでありますが、これを持つてちよつとでも横にやるととても声が低いのでありますが、口元でやればいいのでありますが、若し持つて横に出されれば音がとても低くなるのであります。
  357. 松井道夫

    松井道夫君 口元に持つて來れば完全に入るのでありますね。
  358. 山賀辰夫

    事務局員(山賀辰夫君) そうです。
  359. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではありがとうございました。   —————————————
  360. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 泉三良さんですね。
  361. 泉三良

    事務局員(泉三良君) そうです。
  362. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) あなたは混乱した夜は議場の方へ入つておられたのですね。
  363. 泉三良

    事務局員(泉三良君) はあ、そうです。
  364. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 議長が会期延長を諮られたときにマイクが聞えなかつたので、副議長が瞬間的に指を二本出して、会期二日間延長の意味を示されたというのですが、そのときにマイクが故障があつたか何かして聞えなかつたんじやないでしようか。
  365. 泉三良

    事務局員(泉三良君) いや全然故障はありませんです。私共議場に入つておりまして、雜音のために殆んど聞えなかつたのです。私も議事部の方から散会したからということを十二時ジヤストに来られたのですけれども、私は全然散会というものを聞かないのです。議事部の方の指令ですから、特に通報器も切つて呉れというので、通報器は議事部の方の寺光部長の隣にあるのです。そちらの方にありますから、そこへ行つて押したのです。と同時に私の方も切りました。
  366. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうすると十二時に散会を宣するまではマイクに故障があつたということはないのですね。
  367. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 故障は全然ありません。
  368. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 あれは議長席マイクを持つて松嶋議長があの大きな声を出して話したのを聞くことが我々分らなかつた。これは常識としては松嶋議長の声は他の人よりももつと明瞭にあなたの所にも聞えるわけですね。
  369. 泉三良

    事務局員(泉三良君) そうです。ところがそのときに雜音ばかりで聞えなかつたのです。側の人の雜音が多くて全然入らなかつた
  370. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 そうすると議長席の前の三つマイクも同時に……。
  371. 泉三良

    事務局員(泉三良君) そのときには働いておりません。演壇を入れますと雜音が大きくなりますから、それで余計に消されやすいですから、それで演壇の方は入れませんでした、議長のみ入れておつたのです。
  372. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それで議長席の声があなた方で聞くことができなかつたのですか。
  373. 泉三良

    事務局員(泉三良君) できなかつたのです。それは側におる人の声の方が大きくて殆んど雜音で打消されて聞えなかつたのです。
  374. 松井道夫

    松井道夫君 その議長の机の上のマイクから音が入つて來るなら、口先でマイクにこう議長が話せば、これは当然他の雜音があるにしても当然聞えなければらなんのじやないかと思うのですがね。
  375. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 私もそう思うのでありますが、議長さんが側までマイクを持つて行けば聞える筈です。
  376. 松井道夫

    松井道夫君 どこかに故障というようなことは考えられませんか。
  377. 泉三良

    事務局員(泉三良君) ちよつと分らないですね。その点は余りないです。
  378. 松井道夫

    松井道夫君 その後よく調べて御覽になつたですか。
  379. 泉三良

    事務局員(泉三良君) その翌日直ぐ調べたのです。議事部の方から連絡がありまして調べて見たのですが、どこにも故障していないのです。
  380. 松井道夫

    松井道夫君 マイクもコードも故障ありませんでしたか。
  381. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 全然故障はなかつた
  382. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それはあなたが調べたのですか。
  383. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 私と今の山賀君と竹内君と澁井さんと四人で行きました。
  384. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 あの議長席マイクというものは、いつも取附けてあつて動かす必要はないのですか、議長がこう持つてつて……。
  385. 泉三良

    事務局員(泉三良君) コードが約一メートル程長くなつておりますから、テーブルがありますとそこの所にコンセントが附いております。ここにマイクがあります。持上げれば一メートルの線がありますから、それを側へ持つて行きますことはできません。こうなればできますが、上げるならばできません。側まで持つて行けませんです。
  386. 鈴木直人

    鈴木直人君 近藤次長の話によりますと、あなたですかどなたか、電話を掛けて聞きましたら一應散会を宣せられてから後にスヰツチを切つたという返事があつたということですが。
  387. 泉三良

    事務局員(泉三良君) そうです。それは初めからお話しますと、四十九分に開会ベルが鳴つたのであります。私が下の設備室にいまして、山賀君がマイクを調整してくれまして私がすぐ飛び出したのです。それで二階に上りましたところが人が一杯なんです。それで議場に入りましてすぐマイクスヰツチ、それから調整器を調整しまして、そのままにしておきましたところがどやどやと入つて來まして、そこでちようど五十七分頃だつたと思いますが警務課の方から衞視さんが來られまして散会したから切つてくれと言われましたけれども、議事部の方から何も別に指令もなかつたから切らずにおきました。そうしたらちようど十二時ジヤストだつたと思いますれども、そのときに議事部の島さんだつたと思いますが、その方が來られまして通報器をすぐ切つてくれ、それと同時にマイクロフオンも散会したから切つてくれと言つて來られましたからすぐ切りました。通報器もすぐ切りました。それが終りまして三十秒か四十秒くらい議場に止まつておりましたけれども、散会したというのですぐ下りて來ました。それで私は散会したということを聞きませんですから、一應山賀君にもう一回議場の中に入つてくれ、まだどうなるか分りませんからというので、私は山賀君が出るとすぐに議事部の方から、女の方から電話がありまして、もう一回再開するからすぐスヰツチを入れてくれと言われましたからすぐ入れたのです。それから約二、三分後山賀君の方に電話が來て全部終了したからというのですぐ切りました。
  388. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうするとその間も聞こえない場合があつたのですね。
  389. 泉三良

    事務局員(泉三良君) ちよつとありました。議事部の方から散会したからスヰツチを切つてくれと言つて來ましたからその間聞えませんでした。
  390. 竹下豐次

    竹下豐次君 散会後のことですか。
  391. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 十二時廻つておりました。
  392. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 ちよつとさつきのコードの点で分りにくいことがあるのですが、上下に動くのですか。
  393. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 隅にあるんですね。演壇がございますとこの演壇の隅にあるのです。
  394. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 それは動きますか。
  395. 泉三良

    事務局員(泉三良君) コードは動きます。
  396. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 どこまで動きますか。
  397. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 眞中ですからこういうふうになつておりますから、ここのコンセントの上で持上げるならば持上ります。側まで持つて來て持上げるということはできません。コンセントが眞中にあればこう持つて持上りますが。
  398. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 声が眞直に行かなければ議長がいくら近いところにいても聞えない……。
  399. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 雜音の場合には声を眞直通してマイクを側まで持つて行かなければ、指向性になつておりますから後ろから声が入ります。
  400. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 後ろからも入りますね。
  401. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 後ろからも横からも入ります。指向性になつておりますから。
  402. 遠山丙市

    遠山丙市君 ちよつとお尋ねしますが、そうするとあなたのところへは中村正雄君の演説というものは一つも聞えなかつたわけですね。あなたは五十七分頃切つてしまつて……。
  403. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 五十七分に切つたのじやありません。五十七分頃に警務課の衞視さんが私のそばに來まして、散会したから切つて呉れと言われましたけれども、そのときはまだ議事部の方から連絡がありませんから切らないでおつた。それで丁度十二時ジヤストに議事部のたしか島さんだつたと思いますけれども、この方が來られまして、通報器を散会にして呉れ、散会になつたから……。それと同時に拡声器も切つて呉れといわれましたのですぐ切りました。私は通報器を押すのに人が一杯だつたから、島さんに議事部で押して貰うように言つたのです。
  404. 遠山丙市

    遠山丙市君 速記録を読むと非常に議場騒然聞き取りがたしなんということがいろいろ書いてありますけれども、曲りなりに午後十二時散会まで書いてありますが、速記者は近いところだから聞こえたのかどうか知りませんが、あなたのところでは空間的に何分間か全然済んだつもりで切つてしまつたことがあるでしよう。
  405. 泉三良

    事務局員(泉三良君) ありません。
  406. 遠山丙市

    遠山丙市君 今までのお言葉のうちにはそういうことがありませんか。
  407. 泉三良

    事務局員(泉三良君) それは十二時以後です。
  408. 遠山丙市

    遠山丙市君 それではよろしゆうございます。
  409. 松井道夫

    松井道夫君 証言の中に間違いもいろいろあるわけなんですから何ですけれども、証言の中にマイクが遠くちやいかん思つて議長の前に持つて來たという人があるのですが、あなたのお話だと前には來ないというが……。
  410. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 眞中におられましたから、ここには來ないと思いますが……。ちよつとずれると思いますが……。
  411. 松井道夫

    松井道夫君 前からどの程度まで……。
  412. 泉三良

    事務局員(泉三良君) あのときちよつと……。やつてみなければ……、隅からマイクが眞中まで來ているのです。眞中からちよつと出してあるのですから、たるみがこのくらいしかありませんから……。
  413. 松井道夫

    松井道夫君 何センチですか……。
  414. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 大体あれで一メーターないと思いますが……。
  415. 松井道夫

    松井道夫君 議長の前からですか。テーブルの大きさは知らないが、一メーターまでしか來ないのですか。
  416. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 横にあるのですから、これがテーブルとしますと、ここにあるコンセント、これからコードでマイクがこの眞中についてある。ここに持つて來るとこの辺になり眞中に來ない筈です。
  417. 松井道夫

    松井道夫君 眞中へ一番近かずかせるのに、普通付いてあるところより議長の手前の方には少しも動かないのですか。
  418. 泉三良

    事務局員(泉三良君) コードも自由になりますけれども、結局眞中より少し外れると思います。
  419. 松井道夫

    松井道夫君 眞中へ近寄せるにはどのくらい近寄せることができるのですか。議長のテーブルの端から……。
  420. 泉三良

    事務局員(泉三良君) やはり一メーターくらいのじやありませんか。
  421. 竹下豐次

    竹下豐次君 いつも置いてあるところより相当の距離において、議長の方に近寄せることはできるわけですね。眞正面には來ないが、あつちへ行つたりこつちへ行つたりすることはできますね。
  422. 鈴木直人

    鈴木直人君 先程の人が五十七分に散会いたしますということがはつきり聞こえたというのに、ところが速記録によりますと、御異議ないものと認めます。中村正雄君、こういうことになつておるのですね。散会いたしますというのがないのです。どつちが本当ですか。
  423. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 私は下にいたのじやないから、上にいたのですが、下に監視のスピーカーがあるのです。電氣設備室の……。今までレシーバーでやつたのですが、レシーバーでは聞き取れないことがありますから、監視のスピーカーを付けて、それで一面監視しているのです。
  424. 鈴木直人

    鈴木直人君 散会いたしますというのはあなたは聞かなかつたのですか。
  425. 泉三良

    事務局員(泉三良君) 私は聞きません。私は聞かないから十二時に議事部の方から連絡があつたのですけれども、私は散会したということを聞かないものですから、どつちにしていいかてんで分らないので、一旦降りてから山賀君に、どうなるか分らないから山賀君に入つてくれと言つてつてつた。ドアを出ると同時に議事部の女の人から電話がありまして、もう一回開会いたしますからスイッチを入れてくれと言われましてスイッチを入れたのであります。二三分してから山賀君から電話がありまして、全部終了したからということでスイッチを切つたのであります。
  426. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) よろしゆうございます。御苦労でした。   —————————————
  427. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 福井さんですね。
  428. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 福井であります。
  429. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 速記者の福井君です。あなたが速記台に上られたのはいつ頃でしたか。混乱の日の。
  430. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 私が上りましたのは五十二分くらいではないかと思います。丁度私上りましたら演壇の方の向つて左側のところに板野先生が立つておられました。
  431. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 演壇の方に……。
  432. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 演壇に向つて左方のところです。
  433. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そのときに演壇のところへ一番に上つたのはやはり板野君でしたか。
  434. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 私の上つたときには板野先生が上つておられた。外の方は私の視線からは見えませんでした。
  435. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 何かお尋ねのことがありますか……。  大体副議長開会を宣せられたときはあなたはおられましたか。
  436. 福井暉

    事務局員(福井暉君) おりました。
  437. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) その声はよくお聞きになりましたか。
  438. 福井暉

    事務局員(福井暉君) よくということはありません。私は副だものですから、議員の方のおられる方におりましたものですから……、速記者席では全然声が聞こえないわけです。ですから速記を、演壇に伸び上りまして、そうして副議長の口を見ながら書いたわけであります。私の方の責任のところではなくて、前の班の人の責任でしたけれども、そのときにたまたま主の方で議長席に近い方に坐つておられた方がすぐ立上つた、背も高いものですから、その口を見ながら書かれたわけです。私の方は議席の方から慌てて演壇の方に伸び上つて見ました。そうして、議長は、衆議院議長というところははつきり聞こえなかつたのですが、二日聞延長することになりました、御異議ございませんか、異議なしというところは聞き取りまして、私も書きました。
  439. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) その前後議長席マイク誰か掴んで取つたとか何か、そういうような情景はありませんか。
  440. 福井暉

    事務局員(福井暉君) そういうところは私記憶しておりません。
  441. 松井道夫

    松井道夫君 あなたは……、速記者の席は四人なんですね。
  442. 福井暉

    事務局員(福井暉君) そうです。
  443. 松井道夫

    松井道夫君 坐れるようになつておりますが、そのどの席におられたのですか。
  444. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 演壇に向つて右方の、議員席寄りの方に坐つておりました。
  445. 松井道夫

    松井道夫君 議員席の方から見て右方、そうして議員に近い方ですね。
  446. 福井暉

    事務局員(福井暉君) そうです。
  447. 松井道夫

    松井道夫君 それであなたが初めその席に著かれたときに、板野議員演壇の左方の辺におられた、こういうのですね。議長が入つて來られたのはあなたが……。
  448. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 私坐りましたらちよつと頭が見えました。私の席からは。
  449. 松井道夫

    松井道夫君 それで議長に対して数名の議員が何か交渉か何かに行かれたとか、議長の來られる方向に数名の議員が行かれたというのは御覧になりましたか。
  450. 福井暉

    事務局員(福井暉君) そこのところは私の席が演壇とそれから囲いのところで向うは見えないのです。議長席に向つて右方しか私の方では大体見えないわけなんです。
  451. 松井道夫

    松井道夫君 そうすると議長の周囲にどんなことが起きたというようなことは分らないわけですね。
  452. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 分らんわけです。
  453. 鈴木直人

    鈴木直人君 あなたが速記を取つておるときに、はつきりマイクを通じてスピーカーから聞きましたか、或いは直接肉声の形において聞きましたか。
  454. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 私は肉声の形において聞いたと思うのですけれども、マイクは聞えなかつたように思いますが。
  455. 鈴木直人

    鈴木直人君 この速記を取つてあるところの文章と、ここに議長が読上げたかどうか知りませんがね、要するに中西さんとか、或いは金子さんから取られたり、取り返したりしたと言われておるところの本物の紙があるのですよ。これに書いてあるところの文章と少し違うのですよ、速記と。それで、まあ意味は同じなんですけれども、あなたの方の書かれておるのは、確かに副議長の言われておるのを書いてあるわけですね。
  456. 福井暉

    事務局員(福井暉君) そういうことになりますが、そこのところを……、私が書きまして、翻訳いたしましたのはそのちようどあとなんです。中村先生が立たれましてから私のあれになりまして、諸君靜かに靜かに、というところから書いたのです。
  457. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうすると諸君靜かに靜かにというのは、これはマイクを通じて聞えましたか肉声で聞えましたか。
  458. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 直ぐ側ですから肉声の方が強いし、いたしますから、どうしても肉声という感じが私にはありました。
  459. 鈴木直人

    鈴木直人君 そうするとこの中村君の前において書いた速記は別の人が書かれたのですね。
  460. 福井暉

    事務局員(福井暉君) そうです。私もその場にはおりましたけれども。
  461. 鈴木直人

    鈴木直人君 これには先程解散を一度宣したと言う人があつたのですよ、散会を……。ところがこれには散会を宣したということがないのです。
  462. 福井暉

    事務局員(福井暉君) 散会を宣したというのは……。
  463. 鈴木直人

    鈴木直人君 これは大した本質的なものじやないけれども、五十七分に一應散会を宣したというスピーカーをはつきり聞いたという人がおつたのです。それはスピーカーの係です、マイクの係です。この速記にはないものですから。
  464. 福井暉

    事務局員(福井暉君) ちようどそのときに三組出ておるのです。宣したとすれば私のあとじやないかと思います。
  465. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それじや宣しゆうございます。
  466. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 袖山君ですね。
  467. 袖山章

    事務局員(袖山章君) はい。
  468. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 速記者の袖山君ですね。あなたが速記席に上りましたのは時間は……。
  469. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 時間はベルが鳴つて直ぐ丁度自分の出番でありましたので、その時から上りました。
  470. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 福井君と一緒ですか。
  471. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 福井さんは僕よりも後なのですけれども、上つた時間は一緒です。二組一緒に上りますから。
  472. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) あなたが上つて仕事をしておるときに開会されたのですか。
  473. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 僕は初めは乱鬪で何にも聞えませんでしたけれども、そのとき副議長上つて來られまして、それで開会を宣しました時から速記をつけ始めたのです。
  474. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 開会を宣せられた言葉は聽こえましたですね。
  475. 袖山章

    事務局員(袖山章君) そのことははつきり聽こえました。
  476. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そのときはやはり速記台でなしに演壇の所へ上つたようにしてお書きになつたのですか。
  477. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 開会を宣せられたときは下にいても聽こえたのですけれども、その次からずつと聽こえなくなつているのです。それで立上りまして、演壇の上で書いたわけなんです。
  478. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そのとき開会を宣される前後に、誰か議長席マイクを掴んで取つたとかいうような、そういう情景をあなたは見なかつたのですか。
  479. 袖山章

    事務局員(袖山章君) そのときの情景そのものは見ませんでしたけれども、マイクが聽こえなかつたということだけは確かなんです。これは偶然の事故か……、そのことに関しては余り知らないのです。
  480. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) あなたが始終速記台で仕事をされるのですからお分りでしようが、そのときはマイクが一時故障か何かで聽こえなかつたというような感じを持たれましたか。
  481. 袖山章

    事務局員(袖山章君) そのときのマイクは全然マイクの用をなさなくて、ただ肉声が聽えたように思つております。
  482. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 普通ならばマイクの音響というのがあるわけですか。
  483. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 普通ならば相当はつきりと聞える筈なんですけれども……。
  484. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうするとあなた方の感じでは、マイクが一時故障が起きたというような感じを持たれたわけですね。
  485. 袖山章

    事務局員(袖山章君) はい、持ちました。
  486. 松井道夫

    松井道夫君 あなたが席に著かれてからいろいろごたごたが起きたのですが、その中で板野議員中西議員金子議員、それからカニエ議員が問題になつておるのですが、その四議員行動について、あなた御記憶の点がありましたら一つお述べ願いたいのですが。
  487. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 別に記憶言つても……、僕は演壇席がありまして、その陰で何にも見えなかつたのですけれども、ただ中西さんと、板野さんが議長席の向つて右側の副議長のそばに固まつておりましたことは分つております。それから左側の方では議長を取囲んでごたごたが起きていたということだけしか分つておらないのです。
  488. 松井道夫

    松井道夫君 結構です。
  489. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外にございませんか。
  490. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 あなたが速記をとられているうちで、先刻お話のようにマイクが聽こえなかつたというのは、故障で聽こえないのですか、騒音で聽こえないのですか、その点どうですか。
  491. 袖山章

    事務局員(袖山章君) これは僕自身の考えになりますけれども、騒音というよりも故障のように思いました。
  492. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 結構です。
  493. 松井道夫

    松井道夫君 今のあなたの陳述の中に、議長の向つて右側ですね、ここで中西議員板野議員と向われたと思つたのですが、カニエ議員の間違いではありませんか。
  494. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 中西議員はつきりしておりますけれども……。
  495. 松井道夫

    松井道夫君 副議長議長席に着いてから後のことでしよう、あなたのおつしやるのは……。
  496. 袖山章

    事務局員(袖山章君) はい。
  497. 松井道夫

    松井道夫君 で左側議長を取巻いたという中に誰がおつたか御記憶がありませんか。今言つた四人の議員の中で……。
  498. 袖山章

    事務局員(袖山章君) ちよつと記憶しておりませんです。
  499. 鈴木直人

    鈴木直人君 あなたが速記をとられた本人ですか。
  500. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 僕と、それから木村さんという主の人と二人でとりました。
  501. 鈴木直人

    鈴木直人君 実はマイクが聽こえたか聽こえなかつたという点について疑問があるわけなんですけれども、そのマイクの技術者は、マイクは全然壊れていない。それで議事堂の裏の方でずつと聽いていた。ところが五十七分に副議長は「散会いたします、」こういうふうなことをはつきり言うた、それをちやんと聽した、こういうことを言われるのです。ところが実はこの速記にはそういうのがないのです。五十七分に散会を宣したということが速記にはないのです。それで議事部の方から五十七分に散会を宣したのであるということの連絡がマイクを聽いている人にもあつたという話も亦あるのですが、その連絡している人は散会をしたとその人は考えたのかどうか分らんけれど、先程はとに角マイクを通じてはつきり聽いた、そう言うのです。速記にはそれがないのです。それはどつちが正しいかと思いまして、速記が間違いでなければ聽いたというのが間違いなんで、それはマイクはつきりしておつてマイクを通じて必らず聽いたというのは、そういう事実があるのに聽く筈がないと思うのです。
  502. 袖山章

    事務局員(袖山章君) その散会の問題ですけれども……。
  503. 鈴木直人

    鈴木直人君 後の散会じやなくて、前の五十七分の散会です。
  504. 袖山章

    事務局員(袖山章君) それは僕の交替した時間が丁度五十七分だと記憶しているのですが、そのときは中村正雄議員だと思いますけれども、その人が発言を求められまして、求められましたそのときに交替をいたしました。それから以後は全然知らないのです。
  505. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 一つ聽き洩らしましたが、さつきのマイクの故障だと思つたのは、あなたが速記を取られる初めから終りまででしたか途中の間でしたか。
  506. 袖山章

    事務局員(袖山章君) その点はいま記憶はつきりしていないのですけれども、氣がついたときが、丁度副議長開会を宣せられたときにマイクが壞れているように自分では思うのです。
  507. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 終りの方はどうですか。
  508. 袖山章

    事務局員(袖山章君) 僕は最後までは分らなかつたのでありますが、僕は速記者席から退席するときにもやはり同樣であつたと思います。
  509. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 他に質問はございますか。それじや袖山君よろしゆうございます。御苦労でした。  速記者の方は当日の関係者が六人あつたのですが、今日見えておるのはいまの二人だけで、あとの四人の人は若し必要があれば別な機会に呼ぶことにしまして、ここで十分ほど休憩したいと思いますが、御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  510. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは十分間休憩いたします。    午後四時二十一分休憩    —————・—————    午後四時五十一分開会
  511. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 再会いたします。お諮りしますが、昨日予定しました証人並びに参考人につきまして、本日議員としても御承知のように淺岡、矢野早川議員、それから事務総長、事務次長、営繕課の職員これだけを予定通り済みましたわけでございますが、外に議員として北村、それから草葉、村上、カニエと四人の議員証言が残つておることと、それから速記者の当時の関係者の六名について、今二名來ましたから、あとに四名残つておるわけでありますが、それから新聞記者の朝日、毎日、読賣、共同とこの四社の担当記者を呼ぶという話が昨日ございましたし、それからあと懲罰事犯に関係の本人の四名の議員の一身上の弁明を聞くことと、それから昨日これは審議中に問題となりました、問題の取上げ方に関する法制局長の見解を一度聞いて見ようというこの問題と、これだけの五つの仕事が残つておるわけですが、これを御考慮に入れて、次の委員会をいつ開くかということを決めて頂きたいと思うのですが、この中で速記者のあとに残つておる四名は、これは只今二人から説明を聞くところによりますと、あとの四名を呼ぶことはそう大して必要でもないように思うのですが、これはどうでしようか。
  512. 松井道夫

    松井道夫君 今日の証人調べの結果、大分はつきりいたしまして、私が聞きたいと思つて、今の速記者の方は、私が申出たのでありますが、すでに必要はないと思います。ですからその点は取消して頂いて、結構であろうと思います。
  513. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 今松井さんから御発言がありましたが、あとの速記者四名はもう呼ばなくてもいいという松井さんの御意見ですが……。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  514. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それじや速記者の取調べは今日の二人だけに止めまして、あとの四名は必要なしということに決定いたします。
  515. 岡田宗司

    岡田宗司君 尚他の証人につきましても、今までの証人陳述によりまして、かなり明らかになつておりますので、ただ覚え書の点に関する北村一男君だけの証言は必要だと思いますので、北村一男君だけを呼ぶことにいたしまして、他の議員並びに新聞記者を証人として呼ぶことも必要ではないと、こういうふうに思います。
  516. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 只今岡田君からお聞きのような御発言がありましたが、御意見はございませんですか。
  517. 鈴木直人

    鈴木直人君 私も賛成です。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  518. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは昨日予定の証言を聞くという議員の四人の中で、北村さんだけを呼んで、あとの三名はその必要はないし、新聞記者の四名も必要なし、これはもう御意見はございませんね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  519. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それから次に法制局長に、昨日まあ研究を依頼しておるんですが、この同君の説明の中に明らかに指摘されておる事実は、この際問題になるが、そうでない部分は問題にならないというような意見もあつて、この点について法制局長の意見を聞いて見ようということを、私昨日法制局長にその点について、研究、依頼しておつたんですが、これは今日でもあとで聞きますか、それともその次にするか。それとも又意見を聞く必要はないですか。その点を……。
  520. 岡田宗司

    岡田宗司君 これも次回に証人陳述が全部終りました後に、聞くことにしたらどうかと思います。
  521. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 外に御意見どうでしようか。松井さん法制局長の説明を聞くのは……。
  522. 松井道夫

    松井道夫君 私は別に意見はございません。
  523. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 竹下さんどうですか。
  524. 竹下豐次

    竹下豐次君 私も異議はございません。賛成です。
  525. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 岡田さんの言われたように、証人陳述が、証人の取調べを全部終つた後に、聞くことでよろしゆうございますか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  526. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) そうするとあとに残りますのは、このカニエ君外三名の一身上の弁明ですね。これは最後に聞くことにしてよろしゆうございますね……。そうすると今後に残つた仕事は北村議員証人に喚問するということと、それから四名の本人の一身上の弁明を聞くということと、それから法制局長の説明を一應聞くということだけの仕事があとに残るわけでありますが、これだけの仕事をするために、まあどれだけの時間が必要であるかということと睨み合わせて、次にこの委員会をいつ開くかということを決定したいと思いますが、どうですか。これは一日で済みますか。
  527. 岡田宗司

    岡田宗司君 一日で済むでしよう。
  528. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は次の國会の召集日の一日前に、北村一男君を証人として來て貰いまして、我々の聞かんとするところのものを聞かせて頂いて、そうして他の四人の一緒に弁明も聞いて、一應質疑が終つて、そうして討論採決を残して、次の國会に移るということが一番適当である、妥当であると、私は考えてそれを主張しておるものであります。併しながら他の方々の御意見がどうでありますか。他の方々の御意見を聞きまして、私の主張をどこまでも徹底せしめるか、或いは皆さんの御意見に從うか、どちらかに決めたいと思います。
  529. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは今鈴木さんが御発言のように、北村議員証言と、それから本人の四人の一身上の弁明と、それに法制局長の説明を問い合わしても一日で殆んど十分であろうと思いますが、ただ鈴木さんの御意見の中に討論の採決だけは残して、次の國会に入つてからやるというお説ですが、その点は多少御議論がある点と思うのですが、まあ前の会期では期日がなかつたので、特に閉会中の継続審査に移したのでありますが、この閉会も相当長い期間がありますので、この期間中に結果をつけないで、次の國会に持ち込むという点でありますが、その点はどうでしようか。できればこの閉会中に一應結論をつけたらどうかと思うのですが、その点如何でしようか。
  530. 鈴木直人

    鈴木直人君 私は何故そういう次の國会に持ち込むかということを申上げているかということを申上げますと、これは私共は他の緑風会の方々と相談をしておらないのですが、一應今までの経過を緑風会の皆樣方に報告をいたしたいと、こういう考え方があるためであります。そうしてその後に採決をしたいとこういう考え方です。
  531. 岡田宗司

    岡田宗司君 私も鈴木さんと同様の意見でありまして、討論をいたす前に、先ず今までの審査状況をやはり自分の方の党に報告いたしまして、そうして討論の基礎を作つて行かなければならないわけであります。從つて討論並びに採決は次の國会が始まつてからにして頂きたいとこう思います。
  532. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) その他に何かございませんか。
  533. 油井賢太郎

    ○油井賢太郎君 私も鈴木、岡田委員と全く同意見であります。
  534. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) 竹下さん、どうですか。
  535. 竹下豐次

    竹下豐次君 私は一番始めから主張しておりますのは、閉会になつて成るべく早く結論まで達しなければいかんという主張だつたのでございますけれども、まあいろいろの事情でそれができないということが分りましたから、次の國会が開かれる前日か或いは開会後に開くか、とにかくこの閉会中に全部終結まで達しないということは、もう止むを得ないとして、明らかなことでありますが、開会前の日、一日だけでもやつて置きたいという鈴木君の強い御主張があるようであります。一日を爭つてその翌日がいいということを主張する程のことでもないと思いますから、その点は鈴木君の方に譲歩したいと思つております。ただ鈴木君と岡田さん、油井さんの三人の御意見では、それぞれ会派にそれを報告して、そうしてあとで討論に入りたいという御意見でありまして、一應まあ常識的に考えられることであると思いますが、そういうことがこの問題を党派的の問題にするようなことになつたら、これは大変なことだと私は思います。それでこの責任は我々委員各自が持つて委員会が強い権威を以て決めなければならない。余りに会の傾向がこうであるとか、緑風会ではどうであるとかいうようなことで、我々引摺られるようなことじや、懲罰委員の資格はもうないと私は思つている。普通の刑事事件などと違いますので、政治的の考慮というものをどの程度に頭に置かなければならないかということは、これは又それぞれその人によつて考える問題だと思つておりますが、私はどこまでもこの委員会をして権威ある立場に置かせなくちやならない、こういうふうに考えます。その氣持で、併し開会の一日前に一應更に又必要があつたならばその次の日に続けて行く、こういうふうにお取計い願つたら結構だと思つております。
  536. 松井道夫

    松井道夫君 それでは御意見を申上げますが、もうすでに大勢決しておりますので蛇足を加えるようになるのでありますが、私も一日前説に賛同いたしたいのであります。竹下さんの御意見を伺い、更に熟慮いたしましたるところ、やはり召集日の翌日が最も適当ではないかと私思つておるものでありますし、その点で特に時間を費して爭う程の性質の問題ではございませんので、快く皆様に同調さして頂ければ結構だと思います。
  537. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは松井さんの御意見では召集前日に取調べの方は済まして討論採決は召集の翌日やると……。
  538. 松井道夫

    松井道夫君 速記を止めて……。    〔速記中止〕
  539. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それでは速記を始めて下さい。それでは次の委員会はほぼ予定されておりまする第六回臨時國会の召集の前日に開会するということに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  540. 太田敏兄

    委員長太田敏兄君) それではさように決定いたします。では今日はこれにて散会いたします。    午後五時十一分散会  出席者は左の通り    委員長     太田 敏兄君    理事            遠山 丙市君            松井 道夫君    委員            岡田 宗司君            油井賢太郎君            鈴木 直人君            竹下 豐次君   証人    参議院議員   早川 愼一君    参議院議員   矢野 酉雄君    参議院議員   淺岡 信夫君   事務局側    参     事    (事務総長)  小林 次郎君    参     事    (事務次長)  近藤 英明君    主     事 福井  暉君    主     事 袖山  章君    主  事  補 山賀 辰夫君    主  事  補 泉  三良君