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1949-09-17 第5回国会 参議院 厚生委員会 閉会後第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年九月十七日(土曜日)    午前十時三十一分開会   —————————————   本日の会議に付した事件社会保障制度に関する調査の件  (社会事業團体及び共同募金に関す  る件) ○小委員会設置の件 ○議員派遣要求の件   —————————————
  2. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) これより委員会開会いたします。本日は社会保障制度の一環としての公共扶助問題等関連し、又來月から共同募金が始まりまする関係等から、この際社会事業全般亘つて整備充実というようなことも、非常に重要さを加えて來たと考えられるのでありまして、委員会といたしましても、それに善処して行かなければならんと考えられますので、今日はその社会事業全般亘つて一つ現況報告、並びに厚生当局の腹案といつたようなものを先ずお伺いしたいと思います。
  3. 山下義信

    山下義信君 当局の御説明の前に、只今委員長から開会趣旨につきまして詳細なお言葉があつたんでありますが、こちらの方から具体的に伺いたいことが先にあるのですが、御質疑をお許し下さい。
  4. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議がございませんね。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 山下義信

    山下義信君 本日伺いたいと思いまする趣旨は、只今委員長の述べましたことに大体は狙いがあるのでございますが、特に大臣の御出席を得て質疑いたしたいと存じまする理由は、両三日前に読賣新聞に掲載されてありました、フラナガン神父記念事業としての「愛兒の家」建設運動のために厖大物資が一部社会事業團体に、特別の理由によつて拂下げ斡旋がせられ、その処分につきまして非常に問題が発生をいたし、東京経済調査廳調査するところと相成つて事柄が、十三日東京経済調査廳から内容の大体が発表せられまして、読賣新聞に掲載せられた次第でございます。恐らくこのことは言うまでもなく有力な一流新聞記事でもありまするし、厚生省当局には直ちに御覽相成なつたろうと思う。私共は新聞記事によつて承知したのでありまするが、併しながら監督官廳としては今日までこの事柄は十分御承知に相成つておるであろうと思います。つきましては、幸いに厚生委員会が昨日、今日連日開会されております。この機会本件に関しまして、以下私の伺いたいと申上げますような要点を明白にして預けまするような御説明を一應得たいと思います。  これは実は本年の二月に岡山の厚生館事件というものがございまして、その社会事業施設に非常に問題が発生いたしましたのを皮切りといたしまして、全國各地公私社会事業施設に関しまする不正事件が続々として社会に報道せられるというような情勢に相成りましたので、これは実に社会事業関係にとりましては痛手でございまして、何とかこれはいたさなければならん。そこで監督官廳としても十分これらに対して手を盡くして頂きたいということを、第五國会の当委員会におきまして、私共要望いたしたんであります。当時の政務次官は亘君であつたと思いますが、承知いたしました。厚生省では直ちにそれに鋭意努力するところの何らかの方法を講ずることにいたしますというところの言質がありまして、速記にも残つておるのでありますが、十分この方面監督を嚴にするところの約束を当委員会として、して頂いたのであります。我々は新聞記事に載つたからといつてそれを直ぐにおつかけて取り上げ、追及するというような態度は嚴に愼しむべきであると存ずるのでありまするが、この社会事業関係の綱紀の粛正、経営の監督指導ということは十分にこれをいたしませんというと、全般社会事業に非常に悪影響を來しまするので、常に私共は單に施設の問題だけではなくいたしまして、それらに非常に多くの関連を持つておりまする中央團体などの在り方などにつきましても、当委員会は常に深い関心を持つてその対策につきましては留意しつつありまするところでございます。たまたま今回の問題は施設でなくいたしまして、いわゆる社会事業團体、いわゆる中央的な社会事業團体、若しくはそういつたような性格のありまする各種のものども関連をいたしますることが発生をいたしたのであります。こういうことのないように実はかねてから我々警告もし、注意もいたしておつたのでございますが、この記事を見まして大いに痛心憂慮をいたすものでございます。果してどういう内容でありますか、これから御説明を伺わねばそのことが明瞭ではありませんが、一應新聞紙に現われたところを見まするというと、誠に心配に堪えないように思うのでございます。つきましては、大体の当局の御説明を伺うのでございますが、只今上げましたように、私の以下指摘いたしまする諸点につきまして、それらの明白になりますような御説明を煩わしたいと思う。  第一点といたしましては、本件に関して厚生省はどの程度関係をしたのであるか。それらの厖大物資斡旋について何程の斡旋をしたのであるか。どの程度介在、関與しているのであるかということを明白に願いたいのであります。又記事の中に現われている、いわゆるそれらの何と申しますか、悪い言葉でいうと、こういう結果になつたということは一つ利権運動に類するのでありますが、さような斡旋に某大臣祕書がこのことに深い関係を持つていると出ておりますが、某大臣祕書とは誰でありますか、これを明白に願いたい。それは現厚生大臣に累を及ぼしてはならんという私の老婆心でもありますから、この機会に明白に願いたい。それからこれらの物資斡旋をして、マル公見積つて六千万円というようなものを二千万円そこそこで拂い下げるといつたような、差額四千万円でありますから、非常な利益が出るという厖大物資を拂い下げて、以下それらの物資如何に処理されつつあるかという、途中の経過についてどれだけの注意が拂われてあつたかということであります。  それから次は決算報告厚生省に出ている、それを関係事務官調査いたしたのか、認定いたしたのか、どうなつたのか存じませんけれども、当局決算報告というものをどういうふうに査定、調査をいたしたか、審査をいたしたかということであります。  それから一体金はどうなつたか、結局最後の金はどうなつたか、只今委員の手許に届けられました一部の調査資料によりますというと、現在その金は販賣を委託した百貨店が持つているというようなことが、只今私共一瞥いたしただけで詳細は分りませんが、こういうようなことになつている、でありますが、一体そういうところに金がいつまでもあつていいのかどうか、又それらの金の使用については厚生当局指示を待つているんだということを関係者が言つているようでありますが、いつ指示をするつもりであるか、金の使途についてはどういう指示をする考えであるかというようなことを明らかにして頂きたい。且つこういうような事業フラナガン神父來訪記念して「愛兒の家」の建設、そういう社会事業一つやろうというような計画をどういう理由でこの七つ團体にその仕事をやらせることにしたか、七つ團体を選定した理由如何、又今後この問題について如何なる処置をする考えであるか、只今までの当局調査せられた段階においてはこれは正しい処分であつた、ちつとも不正はないと認めるか、或いは又不祥事件である、面白くない事件である、よろしくない、たとえ不正ではなくてもこれは適当でなかつたと認めるか、適当であつたと認めるか、不適当であつた考えるか。その点について当局の所見を若し調査が済んでおれば明らかにして頂きたい。若しこれらの團体のかような処分方法、かようなやり方というものが不適当であつたとすれば如何なる処分をする考えであるか、又処置をする考えであるか、それに関連いたしまして、現在の一体社会事業法が生きていると考えているか、これは全く空文、法律の活動はないと考えているかどうか。若し現在の社会事業法が生きているとするならば、こういう不当な行爲をした者に対する処分社会事業法の第七條にはつきりと決めてある筈であるのでありますから、事件如何によりましては、当然適用すべき処分方法法律は明らかであると考えますが、当局はどう考えるか、これら事件眞相と、只今上げました諸点が明白に相成るような御説明を得たいと存ずる次第であります。
  6. 林讓治

    國務大臣林讓治君) 只今山下委員のおつしやいましたように、新聞に出ているフラナガン神父問題等につきましては、誠にこういう問題の起きましたことは遺憾に考えております。つきましては、この詳細の事柄につきまして、一應局長より大体説明をさせることにいたしまして、尚その他の問題は後刻私共の責任あるお答えをいたしたいと思いますので、さよう御了承を願いたいと思います。
  7. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 只今の御質問に対しまして一應経過を申上げまして、それから御質問の各点につきまして、分つておりまする点を申上げたいと思います。  この事件につきましては、厚生省関係いたしましたのは中途からでございまして、最初からの経過を私共のところに出ておりまする報告によりまして見ますると、昭和二十二年の初めに日本キリスト教團社会部というものが兒童援護事業として「愛の家」の建設ということを考えまして、全日本キリスト教社会事業連盟というものと協力いたしまして、これが実現の企図をいたして、その建設資金をいろいろと考慮いたしておつたということがあつたそうでございます。それからその以前に法華宗から分離いたしましたところの本門佛立宗が経営いたしておりますところの兒童援護施設京都積慶園の拡張と、各地家事相談所の増設のための資金につきまして、いろいろと考慮いたしておるその際に、本門佛立宗宗務総長田中日晨という方が、その信徒の関係から閉鎖機関に係る公益営團に保有いたしておりますところの物資のうち一部が、或いは社会事業のためにならば放出せられるかも知れないということの情報を得た、それでこれを本門佛立宗では簡單に出ないであろうが、キリスト教團関係ならば、或いは出易いのじやないかというような考慮からであつたというふうに聞いておりますが、ここで先程申しましたところのフラナガン神父記念の「愛の家」の建設運動というものと協力いたしまして、そうしてその費用を捻出いたしまするために、只今閉鎖機関で持つておりましたところの物資の一部を拂下を受けまして、そうしてバザーを開きまして、その利益を以てこの資金に充てたいということで以てその拂下の放出を申請をすることにしまして、田邊武雄という者にその申請事務を委託したそうでございます。これを関係方面にいろいろ手続きをいたしまして、又閉鎖機関整理委員会というような方面申請をいたしたりなどいたしておつたのですが、これは相当暇がかかりまして、昭和二十三年の春になりまして、これが放出されそうな状況なつたというのでございます。その際にこれに対しまして、関係方面におきましては原則としてこれを認める、そのバザー百貨店においていたさせ、これにつきまして、百貨店に対しましては商工省繊維局責任におきまして、割当証明書等を発行してやる、拂下價格物價廳指示によるべきである。それからこのバザーによりまして、百貨店から寄付を受くべき團体は、全日本キリスト教社会事業連盟横須賀キリスト教協力会、その二つに選定することは適当でないから、更にそれ以外に適当な團体を選定するようにというような話がございましたそうであります。そうして尚繊維局とこの関係者がそのときに相談いたしました上で、百貨店は大阪の大丸、東京の白木屋、それからもう一つ横須賀関係方面指示して貰つた百貨店、こういうことにしたい、それから受益團体には日本赤十字社と文部省厚生省推薦する團体を加える、こういうことにして関係方面の承認を得た。ここではじめて厚生省がこれに関係を持つことになつたのであります。ここまでの経過につきましては、厚生省は何らこれに関與いたしておりません。そこで厚生省といたしましては、これに対してどういう團体を充てるかということにつきましては、その金額からいたしまして、それ程大きなものはできない。而もそれぞれ何か具体的に事業を以てやるということにいたします関係上、厚生省といたしましては、全日本民生委員連盟、それから日本社会事業協会、この二つ推薦いたしました。尚文部省から推薦いたしましたものが本門佛立宗社会事業連盟ということになつたのでありますが、文部省推薦事情につきましては、私共の方はよく存じませんが、当局といたしましては、全國的團体でありますところの社会事業協会全日本民生委員連盟、この二つ推薦した次第であります。推薦いたしましたと申しましても、これは私の方といたしましては、この二つ團体はこういうようなバザーから利益金寄付を受けるに適当であるという証明をいたした次第であります。これによりまして、関係團体協議会を作りまして、この協議会によりまして物資拂下げ申請をやり、物資関係百貨店に引渡されて、その百貨店におきましては、二十三年十一月の下旬から十二月の上旬にかけまして、一週間乃至十日間バザーを開きました。このバザーは当然荷受け機関でありますところの百貨店責任においてやられ、これにつきましては関係團体は何ら関與しない。関係團体はその賣上げ金額の中から、所要の経費を引いた純益を寄付として受けるということに、関係方面からも指示もございました。又社会事業團体がこういうふうな賣買に直接関與することは適当でないということから、バザーには関與しないで寄付を受けるという條件なつておりましたので、そういうことにいたしたわけであります。そこでこのバザーが極めて成績が不良でございまして、賣上金予定の六千三百六十万円のものが二千三百二十万円しか賣上げがなかつたのであります。これはどういうわけかと申しますと、荷受いたしました品物の中で物が適当でない、百貨店では賣れないような物、それから時候外れの物であつて、そのとき賣れなかつた物、或いは実用的でないといつたような物が入つておりました。それが相当多数に入つておりました関係上、これはどうも百貨店バザーでは賣れないということになつたのであります。そこでその百貨店におきましては、関係方面と協議したのでありますが、これは恐らく物資の方の関係と思いますが、これと協議いたしました上で、極力これを賣却整理するということにしまして、引続きその仕事田邊という人に委任いたしました。それから田邊氏におきましては、その後これをいろいろの手続をいたしまして賣却いたしました。そうして結局現在におきましては、賣上金額が合計四千六百八十万円ばかりになつております。その中でバザーで賣上げましたものは二千三百二十七万円、残品賣上二千三百五十三万円ということになりまして、その中で閉鎖機関に拂いましたものが二千四十三万円、百貨店の諸経費というものが七百三十万円、その残りをどういうふうに処分するかということになるのであります。そこで問題になりましたのは、百貨店で賣れなかつた残品の賣上の点でありますが、この残品の賣上を全権委任を受けました田邊氏が他に委託しました。これを販賣いたしました際に、その委託をした額より高く賣れまして、その差額をその間に入りました者が取つたかも知れないというような点が問題になつております。それにつきましては、我々の方におきましては全然分りませんし、その関係しましたところの社会事業團体は関知する以前の問題でありまして、この点につきましてはどういうふうになつておりますかということは、目下関係方面といいますか、取調の方面におきまして調査しております。経済調査廳の方におきまして調べておるという状況であります。從いまして現在のところ、まだ賣上げ寄付が受けられていない。こういう状況でありまして、当局におきましては、私が参りました際に、どういうふうに配分するか、つまり予定より非常に少い金額であるという関係上、これをどうするか、各七團体にどういうふうに配分するかという点と、尚これにつきましては、当初からいろいろとこのことにつきまして関與いたしました田邊氏につきまして、田邊氏が実際にこのことにつきまして使いました経費をどの程度補償するかという点が問題となつて残つておるのであります。これにつきましては、今後十分檢討して行きたいというように考えております。そこで先程の質問に答えるのでありますが、第一の質問につきましては、先程申しましたように、この物資拂下げにつきましては、厚生省では何ら斡旋しておりません。大体話が決りましたものにつきましては、團体推薦をしただけでございます。それから新聞記事にありましたところの斡旋関連しました某大臣の秘書は、私の方では分りません。  それから物資斡旋の六千万円余のものを二千万円で拂下げたということにつきましては、これは商工省当局におきましていたしましたことで、私の方では全然これにつきましては関與しておりません。  それから決算報告につきましても、現在只今申しましたように檢討しておる際でありまして、これをどうするかということにつきましては、予定額に達しませんので、これにつきましては、更に檢討しなければならないというように思つております。  それから只今申しましたように、賣上の最後のものを寄付に受けるということになつておりますが、現在当局としては、各社会事業團体協議会におきましては、この金をまだ受取つておらないという状況でありまして、できるだけ早く引渡しを受ける必要があろうと思つております。  大体以上のようなことでありまして、我々の今まで知つておる範囲におきましては、社会事業團体におきましては、不正もございませんし、それにつきまして甚だよろしくないというようなことはないようであります。從いまして、これにつきまして社会事業團体そのものにつきまして、何らかの措置を取らなければならないということには相成つておらないようであります。全般といたしまして社会事業関連いたしまして、こういう不祥のことが起つたということにつきましては非常に遺憾に思つておる次第であります。
  8. 山下義信

    山下義信君 只今事務当局経過は承りました。この事業計画があるということは、社会局長或は兒童局長、どちらの御関係扱つたのでありますかどうか分りませんが、両局長はこういう計画があり、その計画内容につきましては知つておいでになりましたかどうですか。
  9. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 只今申しましたように、厚生省團体推薦して貰いたいということになりましたときから後は承知しております。
  10. 山下義信

    山下義信君 計画を御了承なつておらなければ團体を御推薦になる筈はないのでおりますから、局長お答え通り十分計画について御承知なつておると思う。これは兒童局にも関係のあることと思いますので、兒童局長計画内容を御承知でございましたか。
  11. 小島徳雄

    説明員小島徳雄君) 今社会局長から御答弁がありましたように、厚生省といたしましては、その後の初めて、團体推薦ということで、社会局の方で推薦されただけでありまして、兒童局としては全然この問題につきましてはタツチしておりません。
  12. 山下義信

    山下義信君 兒童局長計画内容も知らない、フラナガン神父紀念、「愛兒の家」、それだけ聞いても兒童関係社会事業をやろうという計画であるが、御承知なかつた、こういう御答弁了承いたします。これはこういう計画を御覽になつたときにはもとよりこういう計画実現性があるか、実現可能性があるものか、目的達成可能性があるかどうかということもお考へになつたと私は思うのでありますが、それは別といたしまして、一体かような事業計画をいたし、かような厖大資金獲得方法が講ぜられるというようなことと、共同募金を今やつておりますが、それについての関係はどうお考えになりますか、この点を伺つて置きたいと思います。
  13. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) この点は我我といたしましては、大体計画が固まりましたあとにおきまして、この團体推薦をするということになりましたので、我々としましては只今上げましたように、共同募金利益団体でないというものを一應推薦をいたしております。その他のものにつきましては、既定の事実ということに相成つておりましたので、我々の方といたしましてはこれに関與いたさなかつたのであります。
  14. 山下義信

    山下義信君 私は厚生当局には何ら不正ということについての関係のないことは只今の御説明通りで、よく了承もし、信頼もいたしております。中間にかくのごとき美名を掲げ、かくのごとき運動を起し、奇貨措くべしとして社会事業に名を仮りて、いわゆる不正を行うたものもあるということが、今問題になり、調査になり、疑惑が十分あるわけでありまして、厚生当局にはその不正ということには関係のないことを私共も信頼をいたすのでありますが、併し一面におきましては共同募金という制度をやりながら、一面におきましてはこういう團体厖大資金獲得をやらせて、そうしてそれらの金の扱い方につきましても、共同募金事務局は何ら関知しない、而もこの七つ團体の中には共同募金に至大な関係のあつた團体が加わつているということは我々として見逃すことができないと思う、若しかようなバザーを行い、或いは拂下品によりまして、この收益一つ事業資金とするならば、我々の常識では、我々の了解の範囲内におきましては、それらの利益金は一度共同募金にこれを繰入れ、共同募金委員会配分委員会の審議に上せまして、かような特殊事情で、かような特殊目的のためにかようなことをいたしたのでありますから、この利益金を新たに配分委員会からこれらの團体、これらの事業計画配分の考慮あるべきことを申請せいたし、当然そういう機関を経て分配を受け、事業をいたすべきが今日の民間社会事業在り方民間社会事業に必要なる資金獲得等におきましては、それが当然至当であるべきであると私は思うのであります。有力なるそれらの共同募金斡旋せし、或いはその主体に位置しているごとき團体が、かような運動の片棒を担ぎ上げ、そうして別個の遂によつて厖大資金獲得に從事いたしたるがごときは、今日の十億の共同募金関係者が苦心をいたし、共同募金利益もさることながら、その実行の方法によりましては幾多の社会事業の浮沈の関するごとき、今日の事業が行われている場合、私はかような出方に出ましたことに対しては、関係團体は非常にこれはどういうお考えで別途の行動に出たかということを糾彈せざるを得ないと考えるのであります。共同募金との関係につきましては、当局はどういうふうにお考えなつておりますか、又今後更に関係なしに処分してもよろしいというお考えでございますか、何らか関係すべきが至当であるとお考えになりますでしようか、如何でございましよう。
  15. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 私のところにこの問題が持ち込まれましたときには、山下議員が仰せられましたように一應私は考えました。ただ從來から御承知通りに朝日の厚生事業團体共同募金のためにこれと同じような性質のバザーをいたしております。そうして大体それで以て今までこれは非常に成功裡に行つております。ただバザーにつきましては、我々としてはその内容についても全然分りません。而も拂下げます物資内容についても全然見当がつきません。この話はこちらに來ましたときには大体話が固まりましたあとで來たという関係上、これについて適当なる者が要するといたしますれば、共同募金から配分を受けない者を推薦するがよかろうということで、我々としては共同募金から配分を受けない團体、而もその事業というものを選びまして、これに推薦しました。而もこれが特殊なところに偏することがないようにいたしたいと考えましたので、全國の社会事業團体並びに社会事業家連合体である日本社会事業協会とそれから民生委員連合体である全國民生委員連盟この二つ團体について事業を指定して、これに参加するということを推薦したようなわけであります。
  16. 山下義信

    山下義信君 私の質議はこの程度にしておいて、あとは保留させて頂きます。
  17. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 最初に申上げましたように、一應全般的な説明を聞いた後に、更に継続したいと思います。
  18. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 この問題だけを続けて貰つた方がよいでしよう。
  19. 山下義信

    山下義信君 委員長全般的とおつしやつたのは何ですか。
  20. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 厚生省は日本の社会事業を更にこういう方面についてこういうふうに振興を図られたい、こういうものが必要であるとか、こういうものが尚足りないといつたようなこと、それから共同募金についてもどのような考えを持つておるかというようなことを一應参考に伺いたいと思います。
  21. 山下義信

    山下義信君 結構です。それでは丁度社会局長も見えておりますので、只今の私の質疑にも関連しておりますが、共同募金厚生省当局との関係、どの程度まで監督をなさるのか、指導性があるのか、或いはこれは全然民間の企てであつて、民間のいわゆる共同募金委員会が自由勝手にしてよいのか、例えばその金の使途その他についても監督権があるのかないのか、これは私は説明を承わらないと分りませんが、一般の寄附金ですらも都道府縣知事の認可を受け、それによつて監査もし、監督権を持つておる。全國的な共同募金について厚生省監督権があるのかないのか、どの程度かということは問題もあろうかと思います。この点社会局長から御説明を願いたいと思います。
  22. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 共同募金につきましては、募金のやり方、その他について具体的には指示、指導等はしない方がよいということに相成つております。但し先程もお話がございましたように、共同募金社会事業のためにする寄附金でありますから、やはり社会事業法によるところの寄附金の募集の許可は受けなければなりません。從いまして、その許可を受けた範囲におきまして社会事業法による監督は十分行わなければならんと考えております。又共同募金委員会は、現在中央の共同募金委員会は公益法人になつております。又地方の共同募金委員会、これも逐次公益法人にいたしたいと、中央の共同募金委員会考えておるようですい、逐次その方向に向つております。從つて共同募金委員会が公益法人になりますれば、公益法人というものの経理につきましては、やはり嚴重なる監督をいたさなければならん、そういう意味におきまして共同募金に対しましては、厚生省といたしましても十分監督責任を持つておるわけでございます。
  23. 山下義信

    山下義信君 公益法人の経理の監督は所轄の公益法人についてはその主務官廳が御監督なさるでしよう。それは公益法人の経理でありましよう。その公益法人のいたしました事業内容その他についても十分御監督の手をお伸しになりますることができますかどうか、その点を伺つて置きます。それから例えば公益法人でやつたから十分その仕事に関與できるかどうかは問題と思うのでありますが、これは前から当委員会でも法的根拠を與えなければならんということはお互いに分つておるのです。一体政令などで、共同募金仕事一つの法的根拠を與えるということは法律まで行かなかつても、政令の範囲でやれませんかどうか、当局はどうお考えなつておられますか。今一点は例えば共同募金の使用が刑事的問題になれば言うまでもないと思うのでありますが、刑事問題でなくして、その処置がそこまでの不正ということではなくして、その処置が不当である。適当でないというような場合は、一体責任は誰が負うのでしよう。例えば地方の配分委員会というものが不適当な配分方法をするという場合には、それは責任は誰が負うのでしようか、その責任の追究の仕方は現状ではないと思いますが、如何でございましようか。
  24. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 共同募金につきましては、社会事業としての寄附金募集の監督をいたしておりまするので、その募集の許可も最初の條件に反するようなことをいたしましたならば、これにつきましては相当の処置をとらなければならんというふうに考えております。又配分を受けましたものにおいて、その使途が適当ではないというものにつきましては、当然社会事業法によりまするところの監督をしなければならないと思つておる。ただ共同募金そのものにつきまして、どういうふうに配分するか、不正なる配分、不正なる行爲があつたときは当然手を打たなければならないと考えております。それでなしに、不当な配分をしたという場合は、その責任はやはりその募金委員会が当然持たなければならんのでありまして、これに対しては寄附金の募集を許可いたしましたものとして、その許可いたしまして募集させましたが、許可通りにやつていないということについての監督権は地方の知事にあるわけでございます。大体そういうふうになつておりますから、監督権につきましては、金を集めてどういうふうにしたかということにつきましては、社会事業法によるところの寄附金募集についての監督という意味で以て監督をいたしております。共同募金そのものについて政令でやれるかどうかということについてでございますが、これにつきましては関係方面におきましても、そういう監督を嚴にするということにつきまして、必ずしも賛成をいたしておらないようであります。我々といたしましては、これらに対しまして相当監督しなければならないと考えておりますけれども、この点につきましては、そういうことでございまして、恐らく政令でやることは困難ではなかろうかと思う。
  25. 山下義信

    山下義信君 私は局長只今の御答弁で非常に示唆されたんですが、地方の共同募金委員会は言うまでもなく、地方都道府縣の知事の寄附行爲の許可も受け、その監督も受けております。これは社会事業法にもあるのです。これは嚴に一つ指示を願いたいと思います。詳細なことは時間もありませんから他日の機会に讓りますが、共同募金が段々盛んになると同時に、その半面には非常に監督を十分にいたさなければならん点が多々発生しつつありますので、これは関係方面が実はお勧めになつたやり方であると思いますので、特に目をおかけになるでありましようが、その弊害が非常に顯著に現われつつある点につきましては、関係方面の御認識もまだ十分でないと思います。これは適当な機会に我々も申したいと思うのでありますが、厚生省では全國的に監督権を振り廻し、いろいろな指示をなさることは御遠慮なさるということになれば、只今社会事業法によるところの、地方々々ごとに知事が十分責任を以て監督を嚴にするように、一つこれを御注意を願いたいと思う。それに関連いたしまして、私厚生大臣に伺いたいのでありますが、從來は社会事業の振興を阻害しましたことは、寄附金というものがやはり所得として課税の対象になりますので、これが非常に今日民間社会事業の振興の阻害になつておりまして、かねてから我々はその点に非常に努力をいたしておつたのでございますが、本省も御盡力願つてつたのでございますが、昨日のシヤウプ勧告案を見ますというと、寄附金の課税の免除がはつきりと勧告されてあるようであります。寄附金の免除がいよいよ実施せられ、日本政府の立案となつて実施せられるということになりますと、いわゆる社会事業團体、これは公益團体とありますから、意味がちよとつ私も明確を欠くのでありますが、若し社会事業のごとき公益團体に寄附することが課税の対象から除外されるということになりますと、相当これは厚生省としても対策をお考えなさる必要があるんじやないか。例えば今日の全國のいろいろの團体施設がざつと私の頂戴した資料によりますと、一万有余の数に上つております。現在の共同募金配分團体施設が約七千五百配分されている。言い換えますと、全國の團体施設の七五%に共同募金配分をしておりますのでありますが、いわば玉石が殆ど混同されるような情勢にこれは今日なつている。この寄附金の課税が免除されるということになりますと、いろいろな意味におきまして、こういう方面施設團体に寄附金が移つて行くという傾向が非常に盛んになると思います。これは社会事業面におきましては非常に喜ばしい現象でございますが、同時にそれらの團体、或いは施設というものに対して社会信頼を失わないように十分なるこれは監督といいますか、指導というものが強化されて参りませんと、いろいろ不祥事件が、この日以來國会においても注意して参りましたような事件、例えば今回のような事件、大小取りまぜましてこの寄附金を繞つての好ましからん事件が出來する虞れも多分にあると思う。それは財産の逃避という形式にもなり、或いは受けた寄附金が種々不正に使用されるというようになつても私はいかんと思う。この際こういうことに対しまする厚生当局考え方を十分にして頂くことができるか、御用意をなして頂けるかどうか。或いは場合によりましては、それらの対策の立法も必要かも分りませんが、ともかくもそういう團体施設のいろいろ粛正、振興伊整備というようなことに対して十分厚生当局は御留意下さるかどうかという点を私は大臣から承つて置きたいと思う。この前厚生次官は或いは一つの課を設けるか、係りを設けて十分積極的な行動をして、どういう方法でやるかということをこちらの方へ御報告するということを第五國会の際にお約束したのでありますが、厚生省では爾來いろいろ御準備はあろうかと思いますが、大臣の御所見を承つて置きたいと思う。
  26. 林讓治

    國務大臣林讓治君) 只今山下委員からおつしやいました通りに、この度贈與などにつきまして、これは免税になるような勧告の出ましたということは私共も非常に喜んでおります。從いまして、こういうような機会社会事業方面に対するところの御寄附を仰ぐというようなことも、今後は社会事業的に考えて見なければならんと考えております。從いまして往々にしてこの社会事業に不正の起きますことを非常に私共も嘆いているわけでありますが、只今仰せのごとく、今後そういうようなことがありませんように、一段の努力をいたしたいと考えます。尚具体的にどういう案を持つているかということにつきまして、私今その案を持ち合せはございませんが、今後そういうような寄附の問題につきましては十分考慮いたして監督をいたしたいと考えております。尚先程お話のありましたように、岡山縣の岡田收容所の問題など從來よくああいうようなことがあるのではなかろうかと考えるのでありまして、それぞれ書面などによりまして注意を與えておりますけれども、ただ注意だけでは到底十分なる効果を挙げ得られるもののように考えられませんから、今後事務的に何か一つ方法考えまして、御期待に副うようなふうに取計いたいと考えております。
  27. 山下義信

    山下義信君 私の質問については全体を終りますが、最後に今一つ大臣の御出席中に伺つて置きたいと思います。  これは新聞にも出ましたから申上げなくてもいいと思います。民生委員の性格が当然相当変革せられるということを新聞で承つたのであります。その民生委員の性格の変更に伴いまして、從來公職の追放者は民生委員になることを禁止せられる、或いは地方議員の兼職の禁止ということが從來取行われて参つたのでありまするが、これはいわゆる國の行政機関の補助機関のような性格を持たせればこそさような御処置があつたと思います。將來民生委員がいわゆる民間篤志奉仕者の性格、ヴオランテイアの性格を持つて参りますことに相成つて参りますれば、地方議員の兼職も、公職追放者が民間社会事業に從事しても私は一向差支えないように、基本的な性格がそういうふうになりますれば当然さような必要はないように考えられるのであります。この点につきましてはどういうふうにお考えなつておりますか、この機会に承つて置きたいと思います。
  28. 林讓治

    國務大臣林讓治君) 只今民生委員の性格につきましては、私共も追放者に対するところの訴願のようなものを設けるようにいたしましたことからも、実際に社会に働いて頂いておりますような方々であるならば、過去におけるただ申渡しなどによつて支部長になつておつたというような方々は、当然これはもう解除せられるべきものと考えまして、ああいう制度を取るようにしたわけであります。それと同じように民生委員などにつきましても、山下委員のおつしやいますような工合に、私共も是非そういうことにあらしめたいと今日まで努力して参つたわけであります。併しながらまだその筋の方面よりこれをどうしていいかということは参つておらんので、よんどころなくその資格が決められておらんものですから、現在のままになつておりますが、今後におきましては、そういうような方面に及ばずながら努力をいたしまして解除の方法を取つて参りたいと考えます。
  29. 山下義信

    山下義信君 只今大臣の御答弁了承いたしました。尚私が申上げましたように、民生委員の性格がはつきりして参るのにお忘れのないように、地方議員の兼職禁止もこれも当然不必要になつて來ると私は思うのでありますから、その点も関係方面との御折衝その他につきましては、十分御留意願いたいと思います。  社会局長どうお考えになりますか、局長からもちよつと承つて置きたいと思います。
  30. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 民生委員の議員の兼職禁止の問題は厚生省、或いは関係方面というよりもむしろ衆議院の意向によりましてやりましたことでありまして、從いまして議会の意向がはつきりいたしますれば、これによりまして又方針は変り得るのではないかと思います。但し関係方面が今後どう考えるかということは分りませんから、一應そういうことになつております。  それから民生委員の性格の変更につきましては、現在の状況ではなかなか実施は困難ではなかろうか、と言いますのは、相当のこれに代るべき職員の増員をやらなければ民生委員の性格変更ということは簡單にできません。その方面のことがどうなるのであるか見通しがつきませんと、民生委員の性格変更というべきものは直ちに変つて参らんのではないかと、かように思つております。私といたしましては、できるだけ民生委員はヴオランテイアのように変えて行きたいという方針を持つております。これにつきましては他の方面條件を十分にいたさなければならんということを思つております。
  31. 岡元義人

    ○岡元義人君 共同募金関連して、社会局長にちよつと伺つて置きたいと思います。今全國的な同胞援護会の問題ですが、実際同胞援護会をあのままで、共同募金一本で以て今後維持できると、こういう工合にお考えなつておられるか。  それから事実我々が知つておる範囲におきましても、補助金その他をば巧妙にと申しますか、喰込んで……。
  32. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ちよつと速記を止めて下さい。    〔速記中止〕
  33. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて下さい。
  34. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 先程の御答弁によりまする問題につきまして、これは大体商工大臣から昭和二十三年六月二十六日に許可を受けて、その許可の條件として総司令部から二つ團体以外に文部、厚生両省の指定する團体を加えるということになつておりましたが、この昭和二十三年六月二十六日の商工大臣が許可をする場合に厚生大臣に打合せをしたかどうかということを一つ承りたいと思います。從來かような場合にいわゆる社会事業團体に相当大量の資材を流すというようなことがあつたかどうか、又そういう場合には厚生省に商工省は打合せるか、若しや今後こういうことがある場合において商工省が單独にやつておりましたら、それを厚生省から單独ではなく十分打合せるようにお打合せをおやりになる御意思があるかどうか、この点を一つ承りたいと思います。
  35. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 昭和二十三年の六月二十六日にやりましたときに、その前にはつきり連絡があつたかどうかということは私は記憶いたしておりません。併し関係團体を追加いたしましたあとにおきましては、商工省とはその旨はよく連絡をいたしております。從いまして恐らくこの六月二十六日より前にこういう團体の追加があつたものだろうというふうに私は考えております。
  36. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 これは先の山下委員の御質問の中にもありましたが、結局大局から考えて、一方は共同募金という行き方で取られ、一方はこういう大変に條件のいい問題が、而も僅か七つ團体において数千万円の金がまあ、いながらにして轉がり込むと申しますか、そういうことで入つて來る。これを取締るとか、そういう問題でなしに、今後の日本の社会事業の行き方の上において、大いに我々は研究しなければならん問題じやないか。從いまして私共大変遺憾に思いますが、先程も御意見の一端にありましたが、むしろこの受益團体一つ共同募金中央協議会というようなものが入つておりますると大変よかつたのじやないか、お話では共同募金受益團体以外のものだけを選んだという話でありますが、併し末端組織に至りますと、必ずしもそうばかりではないことは先に山下委員が御指摘になつ通りであります。從つてむしろこういう問題に対しまして、私二、三の團体について聞きますと、この貰つた金をどうするという計画のない團体が相当あるように私は聞いております。それで今後むしろこういういわゆる日本をバツクにしたようなものから受益というものは、むしろ共同募金的なものに流して行くというのが妥当ではないか。そういう意味において今後これを配分される際に、これは厚生省並びに総司令部の許可がないと、一銭の処分もできんことになつておりますから、そういう場合に更に共同募金的の意味における方面へも流すということを御協議願うことが妥当ではないかと存じますが、そういうことを考えなつておるかどうか。
  37. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 今回のものにつきましては、これ以外のものを入れるということにつきましては、相当むずかしいのじやないかと思つております。尚お話のようにこういうようなものがありましたならば、共同募金に入れる方がいいということは、私もそう思つております。從いまして最初この話がございましたときに、私もこれは共同募金に全部入れてしまつたら、どうかという氣持を持つたのでありますが、これはちよつとここへ來ますまでの経過におきまして、我々が触れられないものがありましので、それでこれにつきましてはそういうふうに指導いたさなかつたわけであります。尚共同募金につきましては御承知だと思いますけれども、朝日新聞厚生事業團におきましては、共同募金團と手を握つて、やはりこれと同じようにいろいろな物資バザー各地で開きまして、相当の金額共同募金の方に、各地共同募金にこれを入れておるようであります。大体そういうふうに行く方が本筋であるというふうに私も信じております。
  38. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 これの決算報告書の認可申請の手続は、もう済ましたようでございますから、それによつて先程の御答弁のように、更に調査をしていらつしやるということでございますが、これは全部貰つた品物をもう処分済み、全部済んだのでございますか。まだ相当現品が残つておりますか。それから大阪、新潟におきましては、それから起つて來た相当のいわゆる問題というのが介在しておるようでございますが、こういう点が一つのやはり新聞記事に現われて來ておる、問題の中心になつて來ておると存じますが、こういう点につきましての現在御承知なつておる点を……。
  39. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 大阪、新潟におきまする、これの残品処分状況というものにつきましては、いろいろな噂は聞いておるのでございますが、確かなところは我々の方にまで分つておりません。ただ協議会から委託を受けましたものが、更に他のものに委託をいたしておる。つまり全権委任を與えたということにつきまして、どうかと思われる節もありのでございますが、この委託いたしました金額は完全に全部入つておるようであります。從いまして、その後の問題は刑事上の問題になりまするかどうか、或いは経済事犯になるかどうかという点は分りませんけれども、少くとも物の処分といつた面からいたしまして、その末端に行きまするところまでの分におきましては、只今のところ不正な点はないようでございます。それから先におきましてのことは、先程もお話がございましたように、経済調査廳において取調ベをいたしておるようであります。この内容につきましては、まだ私の知つておるのは噂の程度でありまして、ちよつと申上げる自信がございません。残品はもうないというふうに聞いております。
  40. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 それから共同募金の問題につきまして、先刻から厚生大臣からも御答弁がありましたが、共同募金の受益金の行き方は、全体の社会事業の行き方から行くと、相当私共関心を持つて見ねばならず、又持つて來ておるわけであります。これは取締りとか、そういう立場からでなくして、日日の社会事業の公正妥当なる発達のために、あの共同募金が今後どういうふうにうまく育成発達さして行くかという、助長の意味において特に私は厚生省一つの御意見を拜聽いたしたいと思うのであります。それは最近私共の存じております二、三の共同募金の地方におきまする状態は、必ずしも妥当ではない。このような状態で進めて行くならば、むしろ或る意味においての社会事業のボス的存在が強くなつて行く傾向にあるのじやないか。共同募金の特定なものの門を潜らないと、社会事業團体は成り立ち得ないという状態に相成る傾向が起つて來るのではないかということを憂うるわけであります。從つてかような情勢にならないように、助長発達させることが最も大事なことである。或いは共同募金委員会自体が相当な金を投じて事務所を作つておる。或いは直接の事業をやるというような傾向にすれ流れつつある。併し先程お話のように府縣知事が、これを十分監督すると申しましても、共同募金配分委員会におきましては、相当なメンバーからなつておりますから、なかなか今の状態だけでは困難ではないか、從つて或いは府縣の責任者の協議会等におきまして、或いは知事なり民生部長等の会議におきまして、先程來お話になりましたようなこと、又私が只今上げる意味においての今後の共同募金の正しい育成発達のために、府縣等はもつと強く助成、或いは指導というものをなすように、最も近い將來に厚生大臣はそういう方法をお採り願えるかどうかという点を一つつて置きたいと思います。
  41. 林讓治

    國務大臣林讓治君) そういうような場合がございましたならば、できるだけ助長して行こうと考えております。
  42. 山下義信

    山下義信君 岡元委員の質疑の御答弁も次にあると思いますが、只今草葉委員の御質問が終りましたこの機会に「愛兒の家」はまだまだ調査する必要があると思う。それが如何なる内閣のときに行われておろうが、又党派には関係なく、社会事業全般のために十分調査する必要があると思う。東京経済調査廳、或いは百貨店何係者、介在したブローカー、そういう者の言うがごとく、賣行く不能の品であつたかどうか、いろいろな点に向つてこれを調査する。今後社会事業の美名を借りいろいろ利権を漁る、或いはそれらと力を合せて社会事業団体が堕落、轉落することを防ぎ、全國の社会事業團体の粛正の根本的対策というものを、今後の共同募金運動より益々発達育成させるために、或いは寄附金の課税ということが行われることによつて、寄附金がこの方面へ將來大いに流れて來るであろうという態勢に対する対策といたしまして、只今厚生大臣は、十分厚生省でもそれらに対する考え方をやつてみるというお答えであつたのでありますから、当厚生委員会におきましても、これらの問題を調査いたしまするために、ここに小委員会設置の動議を提出いたします。これは委員の数、人選その他は委員長、理事に御一任いたしたいと思いますので、これらの緊急問題の調査社会事業團体施設のあり方に対しますること、これは前國会以來懸案になつておつたのでありますが、一度休会になりましたために中止いたしておりますのを継続いたす意味も含めまして、この際小委員会の設置の動議を提出いたします。
  43. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 今のちよつと動議の御提案の方へ御質問したいと思いますが、今のは新聞記事その他の最近問題になつておるものの調査か、そうではなしに、前にも岡元委員からも御質問がありましたが、根本的な中央の團体社会事業在り方というようなものの本質の調査か、この点を一つ
  44. 山下義信

    山下義信君 お答えいたします。只今草葉委員の御質疑の通り両者を併せましたもので、今回の「愛兒の家」の事件は緊急問題として、この小委員会で徹底的な眞相究明をして頂きたい。根本は、團体並びに施設の粛正ということに対する小委員会、かように定義いたしたいと存じます。
  45. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 実はこの團体在り方、いずれ前の岡元委員質問に対しましても御答弁があろうと存じますが、これは本質的な最も急を要する一つの問題で、この委員会で取り上げましてからすでに一、二年を経過して、尚結論を得ないという状態で、從つて私は是非ともこれは結論を得るように研究いたすべき義務と責任とを、やはりこの委員会が持つておるのじやないかと存じますので、只今の御提案に対しまして賛成いたします。
  46. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 他に御意見ございませんか。
  47. 岡元義人

    ○岡元義人君 まあそういうものができれば、そういう所でもこれは十分檢討されるだろうと思うのですが、この機会に今の問題の採決もありましようが、ちよつと木村局長によろしゆうございますか。……今度の問題が起きまして、局長あたりは御存じかどうか知りませんが、これは最近私が身を以て体驗しておりますから、是非局長あたりも今から未然にできる限り防止しなければならんと思うのですが、今度非常に全國的に災害が起きた。その災害救助法によるところの物資斡旋厚生省から取つたのです。ところが御承知通りに一般の医療品等の値下りが見えておりまして、大きな各卸商の倉庫に相当な物が眠つておる。これをば一般の商人であればなかなか手が出ない。併し災害扶助法によつて縣が負担し、又地方町村が一部負担して持つて來る。これには小言を言わない。これが商工省と厚生省の間にどのような話合がついておりましようか、抱合せ等によつて縣から買いに來る商人を非常に歓待しております。こういうことは、これが一般商人であつたならば、恐らく見向もしない品物であります。而も殆んどが抱合せであつて、各縣からできるだけ安い物を何とかしてくれということを、厚生省に縣当局からしばしば申請しておるのも実は内容はその通りであります。これはこの機会に、今みたいに若し小委員会等が設けられるとすれば、そういう点も、これは委員長にも申上げて置きたい、十分関心を拂つて行かなければならん。成る程商取引でない。一括縣の金ですから、自分の腹がいたむことはない。そういうところが一般の卸商のいわゆる狙い所で、その金で又不正事件が起きる。これは一應想定し得られるわけです。で私は機会があつた社会局長に個人的にもお話申上げようと思つたのですが、今問題が取り上げられましたから、好い機会だからお話申上げたのですが、今の山下議員の動議に対しまして草葉議員御賛成なさいましたが、私も非常に大事な時で、だからそういうことが、今後社会事業團体というようなものに対する統制も非常に大事になつて來ますし、そういうような小委員が設けられることには賛成いたします。
  48. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ではこの「愛兒の家」の建設運動に絡む問題、或いは共同募金に関しまする問題についての一應質疑をこの程度に打切つて、山下委員提出の動議を採決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) それでは先程お聽きの通り、山下委員から「愛兒の家」の建設運動並びに社会事業團体及びその施設在り方を緊急に調査するための小委員を設けることの動議が出ました。更にその委員の選定につきましては、委員長並びに理事に一任ということでありますが、山下委員の動議に御賛成の方の御起立を願います。
  50. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 その前にその社会事業團体を中心にして、その中に共同募金なり今のを含んだらどうですか。その方がはつきりしていいと思います。
  51. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) では改めてお諮りいたします。
  52. 山下義信

    山下義信君 前段のものは社会保障制度調査の一環としてお取扱いを願いたい。それで社会保障制度の一環として團体並びに施調の在り方の関する小委員会の設置の動議、その中へ緊急問題として「愛兒の家」の事件も併せて調査する。かように調査目的をいたしたいと存じます。
  53. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 前の私の申上げましたところを訂正いたします。山下委員の動議は、社会事業團体及びその施設在り方を緊急に調査するということであります。この調査の中に、今問題となつておる「愛兒の家」の建設運動も併せて調査する。こういうことであります。今の山下委員の動議に御賛成の方の御起立を願います。    〔総員起立〕
  54. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 総員起立であります。全員一致を以て可決いたします。つきましては、委員の選定につきましても、山下委員発議の通りで御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めてさように取計います。委員については追つてお知らせいたします。  それではこの機会に岡元委員質問に対する御答弁を願います。
  56. 木村忠二郎

    説明員木村忠二郎君) 同胞援護会のことでありますが、同胞援護会は御承知通りに先般來純民間團体といたしまして、厚生省といたしましては、特別な関係を持たないということにいたしております。從いましてこれが各事業を営みますにつきまして、どういうふうにするかということは、同胞援護会自身に任せたいというふうに考えております。  で共同募金配分で同胞援護会を維持するかどうかということにつきましては、昨年関係方面とも打合をいたしました結果、同胞援護会に任しております。同胞援護会におきまして、共同募金から受けようと思いますれば、それでもいいし、そうでなくても会員組織で行こうとすれば会員組織でもいい。どちらでもいい。併しどちらか片方を取るようにということが指示されております。從いまして、そういうことでやつて行くのじやないかと思います。尚非常に資金難で各種の施設の維持経営に困難を來たしておる。これにつきましては、公の施設を同胞援護会が借りてやつてつたものにつきましては、現在の方針としては、その大部分は地方公共團体に回收するようにしております。府縣或いは市町村で以て直接経営するという方に持つて行くように指導いたしております。尤もそれは施設の種類によるのでありまして、普通の收容施設につきましては、大体そういう方針で以てやつておりまして、宿泊收容施設と申しますか、特に引揚者の收容施設につきましては、これは府縣或いは市町村等が公の責任で以てやるという方針にしております。從いまして今後はその方でやつて行くということになると思います。その他の施設につきましては、同胞援護会独自の力で以てその力の範囲内で以てやつて頂くようにしなければならないというふうに考えております。
  57. 岡元義人

    ○岡元義人君 ちよつと速記を止めて頂きたいのですが……。
  58. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を止めて。    〔速記中止〕
  59. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて。
  60. 竹中七郎

    ○竹中七郎君 社会事業團体についてですが、我々が地方へ参りましていろいろ見て参りますと、その間、中央と地方との連絡というものがないとか、いろいろな問題がありますが、我々考えまして、こういう團体厚生省、いわゆる政府の方において取締をするということになりますと、なかなかむつかしいので、その團体自身においてやるということに相成りますのでございますが、そのために共同募金で助けて行く、こういうことになるだろうと思うのでございます。然る時におきまして、この中央の團体というものがまあ昔の顔役の人が入つておられて、地方におきましては、中央團体はちよつと厄介物になつているというような関係にありますのでございますが、この点につきまして、府縣を單位にしてやつた方がいいか、或いは中央のそういう團体というものがこれから存続するものであるかということに対しまして、なかなかむずかしい問題と思いますが、厚生大臣はどういうふうにお考えなつておられますか。
  61. 林讓治

    國務大臣林讓治君) いずれも両者にも短所もあれば長所もあると考えますが、今のところではやはり從來通りに進んで行つて見る方がいいのじやなかろうかと考えております。その特徴はどうかという点については私共は考えておりません。
  62. 岡元義人

    ○岡元義人君 時間も経つていますから簡單に……、やり出すと非常に長くなるでしようから、簡單に民自党の理事の方々に一應伺つて置きたいことがあるのですが、未亡人福祉法案とそれから身体傷害者福祉法案、これを先達て新聞で民自党のいわゆる提出法案として臨時國会に提出するということがはつきり発表されたわけであります。併しこの問題につきましては、私も関係方面の意向等も一部耳にいたしているのでありますが、出し拔けにああいう発表をされてしまつたわけでありますけれども、未亡人問題につきましても、身体不具者の福祉法にいたしましても從來参議院の厚生委員会並びに特別委員会では相当努力をいたしまして、少しずつでも改正に努めて來ておつたわけであります。然るに民自党がこの度いきなりああいう発表をされてしまつたわけでありますが、あれはあのまま民自党提案として今後もおやりになるようになつているのか、この点一つつて置きたいと思います。どなたからでも結構ですが、民自党の方から……。
  63. 草葉隆圓

    ○草葉隆圓君 実は私も余り詳しく存じません。存じませんが、これが必ずしも政党政派ということよりも、むしろこの傷痍者福祉法、身体傷害者福祉法並びに母子福祉法というものが両院で熱望されている折だから、今度取上げるというような意味を以て発表されたことだと思つています。それでこれの取上げ方というものは、例えば未亡人福祉法というのは、これはいずれ今日午後お諮りするのですが、両院で作つておりまする母子福祉対策國会議員連盟の議にかけて十分に檢討してと我我は考えております。
  64. 岡元義人

    ○岡元義人君 あの発表はいわゆる政府側から出たものですか、或いは民自党側から出たのですか、この点政府と一諸になつているというようなことをばいろいろ耳にしておりますが、その点でございます。でこの点大臣で御承知置きの点を一つ……。
  65. 林讓治

    國務大臣林讓治君) 別に政府の方は関係いたしておりません。党の方でやりたいような意向を聞いておりますけれども、私の方は直接関係いたしておりません。
  66. 山下義信

    山下義信君 岡元委員から御発言がありました、これは公衆の席で御発言がありましたので、私も関係がありますし、又速記もありますので、一言申上げて置きたいと思います。殊に内閣の副総理、自由党の最高幹部の方がおいでになつておりますので、その前で申上げておきます。その問題については私はここにいろいろの証拠書類を持つてつておりますが、自由党の社会保障制度の政策が決まつたというので、各新聞に掲載されたのであります。日本の新聞ばかりでなく日本タイムス、外國新聞にもこのことが掲載されてあるのであります。自由党が社会保障制度に関する政策、要綱をというものを発表なさることは自由であります、どうか立派な御政策、要綱のできますことを我々も期待いたすのであります。ところが新聞紙上に掲載されてあります内容を見まするというと、これは自由党がそれを以て社会保障制度とお考えになれば別でありますが、私共の常識から考えますと、ああいうものを社会保障制度考えております者は天下万人何人もないのであります。こういうものを社会保障制度と申しましたならば、恐らく頑是ない三歳の童兒でも笑うでございましよう。そういうものが発表になつておるのであります。新聞紙の誤報でありますれば幸いでございますが、併しながらまだ党として打消しになりましたことはその後新聞では承知いたしていないのでございます。それは内容はどういうものかと申しますと、社会保障制度審議会におきまして小委員会が設けられて、その一つといたしまして、公的扶助に関する小委員会が設置せられまして、その小委員会におきまして生活保護法或いは兒童福祉法、いわゆる公的扶助関係関係事項を審議いたしまして、そうして成案を得まして、数日前にその勧告書もでき上りまして、二十日には私共は政府側にその勧告書を傳達に参ることに相成つておるのでございます。そういう成案がすでに先月以來でき上つておるのでございます。その成案の内容をそのままそつくり自由党へ持つてお帰りになりまして、それを自由党の社会保障制度の要綱として御発表になりましたので、天下実にこれ以上噴飯事はないのでございます。何かのこれはお間違いであつたのではないかと思う。たまたまその公的扶助小委員会に御関係のある自由党選出の委員がおいでになりまして、一々それに関與しておいでになりましたので、これはもう宝ものを見付けたように持つてお帰りになりまして、取急いで党の政策としてやらんというと、社会党に負けてはならん、或いは何に負けてはならんというので、慌てふためいてお作りになつて、政務調査会にお出しになつたものと私は思う。これは私は明らかにいたして永く後世に、速記録に止めて置きたい。(笑声)天下の大政党がかような醜態をお演じになつて、而も社会保障制度という万人注目の政策について軽率な粗雜なものをお出しになりましたが、尚今日までお取消の模様も党の方ではおありになりませんので、或いは以て立派な政策としてお出しになつたので、從つて岡元議員からこの問題が当委員会で出たと思う。たまたま身体障害者の福祉法、未亡人の福祉法は如何にこれを取扱うか、議員提出にするか、政府提案にするかとあなた方の方でもいろいろ御苦心の最中、我我の方でも研究いたしております最中に、それを自由党の政策としてそつくりお持帰りに相成りましたので、それで自由党が御提出になりますお考えがあるかどうかと、実に示唆に富んだユーモアに富んだお話であつたと思いますが、私の存知いたしておりまする、考えておりまするこのいきさつはそうであろうと思いまするので、この際副総理のお耳に入れて置きます。どうか党へお帰りになりましたら、政務調査会長へもよくよく注意いたすように、どうか副総理から直ぐおつしやつて頂きたい、実は昨日もお目にかかりましたときに申上げようかと思いましたが、併し黙つておりましたのですが、(笑声)たまたま談これに及びましたので、私共厚生委が会に関係がございますので、私の存じておりますところを申上げまして、御参考に供して置きたいとかように存じております。
  67. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) お諮りいたしますが、本日開会から只今まで論議して参りました問題については、一應この程度で止めて、あとはこの小委員で更に御檢討願うということにいたして御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  68. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) ではさようにいたします。  この機会にちよつと御報告上げて置きますが、この委員会全員の強い希望によりましてシヤウプ使節團に対しまして、委員長の名前を以ちまして、委員会社会事業を中心といる寄附金に対する課税問題について要望書を出して置いたわけであります。相当廣汎な参考資料を整えて出して置きましたことは皆さんに御報告上げて置いたところでありますが、このだひその勧告文の全文が発表になりました。その中のそのことが採入れられておりますので、極く数行でありますから、これを申上げて御報告の代えて置きたいと思います。勧告書の巻の二の百五十一頁に寄附という小さい項がありまして、その中にこう勧告せられております。   公益團体に対する寄附は、現行税法の下では一定の比較的少額の非課税限度を除いては、贈與税と相続税が共に課税される。われわれと慈善を目的とする寄附に贈與税が課税されるという事例を知らない。米國においては、非営利的公益團体に対する贈與の免税は無制限である。   かかる無制限の免税に対してなされる宇一の重要なる反駁は、屡々そりが、贈與者又は彼の相続人が支配する慈善團体を創設することによつて濫用されてきたということである。かような手段によつて納税者は、それ相当の税を支拂わずに大なる財産に対する支配力を効果的に維持することができた。しかしながら、かかる濫用は、適当な防衞により防止し得るであろう。それ故、非営利的公益團体に対する贈與はすべて、相続税及び贈與税は免除さるべきことを勧告する。  こういうふうにその一部が採入れられてありますこと、これは我が委員会並びにその他の團体からも要望せられたところでありますが、幸いにシヤウプ使節團だこの我々の要請に應えて、この勧告がなされたことに対しまして感謝の意を表し、皆樣に対しましても從來の御努力に対しまして感謝して報告に代えて置きたいと思います。速記を止めて……。    〔速記中止〕
  69. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 速記を始めて下さい。  それでは議員派遣の要求書の派遣目的、派遣議員は、皆さんの御希望によりまして私が参ることにいたしまして、派遣の期日、派遣地は鹿兒島縣、費用等につきましては精算いたしましてこれを議長宛提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 塚本重藏

    委員長塚本重藏君) 御異議ないものと認めます。  本日はこれを以て散会いたします。    午後零時十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     塚本 重藏君    理事            今泉 政喜君            谷口弥三郎君            姫井 伊介君    委員            山下 義信君            草葉 隆圓君            中山 壽彦君            竹中 七郎君            井上なつゑ君            岡元 義人君            穗積眞六郎君   國務大臣    厚 生 大 臣 林  讓治君   説明員    厚生事務官    (社会局長)  木村忠二郎君    厚生事務官    (兒童局長)  小島 徳雄君