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風間委員 お許しを得まして
観光事業全般について
意見を披瀝いたし、
当局の御批判をいただくとともに、本員の納得するような、また卒先協力さしていただくような御答弁を賜わりたいと思うのであります。
観光事業がいかに
外貨獲得に
重要性を持つかということにつきしましては、今さら私がここに申し上げる必要はないのでありまして、この
観光事業を
振興せしめるということにつきましては、
資金並びに
衛生施設の
拡充等を初めとして、総合的にあらゆる
條件を具備しなければ
観光等をして満足を與えることができないということは、これまた申し上げるまでもないのであります。
先ほど懇談会の際に
河野委員よりいろいろと
ホテル業者等についての
政府側あるいは本
委員会の要望はあるが、
業者に対して
國家はどういう援助をするかというようなお話がありましたが、私はこれらにつきましては
観光事業振興五箇年計画というようなものを本
委員会を中心として樹立いたしまして、思い切
つた融資を
観光事業業者に対してしなければ、わが國の
観光事業というものは目ざましい発達を遂げることはとうていできないと思うのであります。半端な
融資等ではどうにもならないと思うのでありまして、今日
貿易ということが非常にやかましく取上げられまして、わが國はどうしてもこの
貿易を
振興し、また
観光事業もこれと並立いたしまして
外貨を獲得する以外にはないと思うのでありまして、
貿易に力を入れると同様に
観光事業に力を入れなければならぬのでありまして、
政府におきましては三億とか、五億とかいうようなわずかな
融資をするというようなことではなく、思い切
つた融資をしてもらいたいと思うのであります。しかも
政府の
融資と相ま
つて観光業者に対する
支援いかんによ
つては、民間の
遊び資金もこの
事業に容易に結集することができると思います。さらには
外貨をも
つてホテル業等に動員する遂につきましても、ひとつ特別の考慮を拂
つていただきたいと思うのであります。たとえば熱海の沖にあるあの
初島と申しますか、ああいうところの
観光事業としての
開発等については、
外貨を導入する方が今のわが國の金融状態かう言うてもきわめて賢明であり、世界各國の
事業家がああいう所へ來て
ホテルをやる
——英國の人は
英國式の
ホテルをやり、
アメリカの人は
アメリカ式の
ホテルをやるということになれば、
投資をしたその國の
事業家がお客を引つ
ぱつて來る。そうするとわが國の方はそれに附属したことでいろいろな収入があり、また
初島へ來た人は
日中光なり、あるいは松島なり瀬戸内海なりを遊覧せられて、その
方面にまた金が落ちることになるのでありまして、
初島とは限りませんが、
外國人の
投資、つまり外資の導入を本
事業に誘導するように特別の手を打ちたいと考えるのであります。
もう
一つは、これはとつぴなことを申しあげるのでありますが、
衛生施設についてであります。今日私の関係しておる
某製藥会社におきまして、ある特殊の
殺菌剤を研究いたしまして、非常な成果をあげておるのであります。その名前は
フラスキンというのでありますが、これはたとえばお風呂の中に入れれば絶対に
細菌がいなくな
つてしまう。あるいは皿とか、
どんぶりとか、
食器類を洗うような場合にこれを入れておきますと、たとえば
癩病患者が食べた
どんぶりがそこに
混つて來ましても、
癩菌が死んで他のものには絶対に感染しないで、しかもその
洗い水なりお湯がよごれてお
つても、
持久性を持つ
殺菌力のある偉大な藥が発見されておるのであり、近くこれが市販せられるのでありますが、こういつたものも
観光事業の
ホテル業者には優先的に使わせ、さらにこれを本
委員会としても推奨して全國的に使用せしめるということになれば、わずかな経費をも
つて日本全國には
細菌がいないということにな
つて、
傳染病も撲滅できるというような一石二鳥の効果があるので、私は自分の関係する会社の藥の
宣傳をあえてするのではありませんが、非常に
公益性を持つたものであり、
日本を旅行しても、何万人、何十万人
分外國の
旅行者が一人も
傳染病にかからないということになれば、これも
外客誘致の御生的な面から考えられる
一つの大きな要素であると思うのでありまして、この際特に御
参考までに御披露をさしていだく次第であります。
次に
参考書類の第一〇の「
観光地の
設備改善」というところの「口」に「
記念物の
保存保護」ということがありますが、これにつきまして
関係当局にお尋ねしたいのであります。たとえば長良川の鵜飼とか、また私はたまたま
佐渡郡出身でありますが、
佐渡島におけるわけさ節というような郷土
藝術——おけさ節が三味線とか尺八では満足しないが、
洋樂器で演奏されると進駐軍の方が非常に満足せられるという事実があるのであります。これはひとりおけさのメロデイーばかりでなく、
日本の各地における郷土の
音樂歌謡というようなものを、特に近代的か
洋樂等で演奏することによ
つて、
遊覧客の耳を樂しませるという面に特に力を入れていただきたいと思うのであります。昨日の
委員会におきましては、文部省のお方から一億円の予算をも
つて國宝等の修理とか
保存に力を入れるということで、たいへん私も満足いたしておるのでありますが、こうした
営造物だけでなく、そうした催しとか
藝術の
保護と育成について、どういうお考えがあるか、御
参考までにひとつお聞かせを願いたいと思います。