1948-12-22 第4回国会 衆議院 本会議 第20号
この給與改善費増額が、二百六十億のわく内でやり繰りされることに相なつておるのでありますが、この結果といたしまして、生計費の必要額をはるかに下まわり、まさに勤労階級はこのために飢餓線下の生活を約束されるに至つたという事実を見のがしてはならないのであります。
この給與改善費増額が、二百六十億のわく内でやり繰りされることに相なつておるのでありますが、この結果といたしまして、生計費の必要額をはるかに下まわり、まさに勤労階級はこのために飢餓線下の生活を約束されるに至つたという事実を見のがしてはならないのであります。
これに比べて給與改善費二百六十二億余は、その初め政府が物價高の現実を無視して、五千三百三十円ベースを勤労者に押しつけんとしたその支拂い総額であるが、その数字の適当ならざることおおい切れず、今回六千三百七円ベースにこつそり修正をいたしたのでありますが、しかしそのわくは増額されず、從つて実質手取りは大差なく、依然として必要生計費を割る飢餓線下の状態と言わなければならないのであります。
このようにいたしまして飢餓線下に追い込まれておる労働階級が先頭に立つて、日本の経済再建の主役を受け持たなければならぬのであります。このような状態のもとに、はたして日本の労働階級が日本経済再建の主役を担当して、みごとに働き得るものであるかどうか。労働階級はその労働力を回復いたしまして、すなわち労働再開に用意するために必要なすべての要件を、確保せしめなければならないのであります。