で、少なくとも歳入増収策のための本法案から歳出削減のための国債費定率繰り入れ等の停止の措置は切り離して審議すべきであるのが当然ではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(吉野良彦君) 五十四年度についての御意見でございますが、当然のことながら、五十四年度予算をつくります過程におきまして、歳入面、歳出面、両面を通じまして現時点におきましてできる限りの歳出につきましては節減合理化の努力、歳入につきましても歳入増収のための努力を織り込んでつくりました予算でございます。この予算も先般国会で御承認をいただいた直後でございます。
したがって、いま新たな歳入増収の措置をこういう方法でいつ講ずるかというようなことを具体的に決意する段階ではないと考えております。
これに対する政府の補てん額はあまりにも過少でありまして、これでは本年度地方財政計画における必要経費の不足は満たされないばかりでなく、その上に、本年度一般会計において可能な歳入増収額を中心にいたしました組みかえを行わないで、一時借り入れという手段をとったことは、これまた実に大蔵大臣の意見がいかに国民をだましておる美辞麗句にすぎぬものであるかということを証明して余りあるものでございます。
さらに、社会党は、政府が一般会計において可能なる歳入増収額及び可能なる組みかえを行わずして一時借り入れを行なったことは不当であり、これを撤回すべしと主張するものでありますが、政府が、さしあたり必要な資金の借り入れを行うために特別会計の補正を行い、一般会計の予算補正は後日にいたしましたことは、今回の措置の妙味であると考えるのであります。
再提出をする際の根本的態度といたしましては、まず第一に、政府案による地方財政の赤字補てんは、補てん額が僅少でありまして、昭和三十年度地方財政計画における必要経費の不足が満たされないばかりでなく、財源として昭和三十年度一般会計において可能なる歳入増収額及び可能なる組みかえを行わないで、一時借り入れを行なったことは不当であると考えるものであります。