1950-03-14 第7回国会 衆議院 本会議 第26号
次に商大教授都留重人君は、現在本当の所得と税務署相手の所得との間には非常な開きがある、しかもこの開きは、行政機関がかつてにコントロールし、手心を加えているのが実情であり、この事実を無視して税率体系を論ずるのは無意味である、国会は税の屈折作用を考慮に入れて税率を考え直していただきたいとの旨を述べられました。
次に商大教授都留重人君は、現在本当の所得と税務署相手の所得との間には非常な開きがある、しかもこの開きは、行政機関がかつてにコントロールし、手心を加えているのが実情であり、この事実を無視して税率体系を論ずるのは無意味である、国会は税の屈折作用を考慮に入れて税率を考え直していただきたいとの旨を述べられました。
近的代な納税道徳が十分に発達していない国では、法文の上に現われました税法と、私たち国民のふところと接触する面での税法との間には、ちようど何らかの液体の中を通るときに光線が屈折いたしますように、一種の屈折作用が働いております。この屈折作用の性格を明らかにすることなくしては、税法の構成とか、直接税と間接税の割合いとかいうような問題を論ずることはできないのであります。
ことにただいまお話の屈折作用の点でありますが、この屈折作用が強くなつております現状というものは、要するに税率もさることながら、控除額のきわめて少額であるというようなことも大きな作用をしておるのではないか。
○奧村委員 ただいまの教授の屈折作用のお話は非常に同感であります。ところがシャウプ勧告によりますと、そういういわゆる屈折作用のごときはなるべくあつてはならぬ。そういう考えのもとに非常に公正な税制をここで実行しよう。ところが日本の現実としては屈折作用はなかなか取除くことができぬ。その現実を無理して非常に理想的な税制を実行しよう。そこにシャウプ勧告の持つ矛盾がある。