1973-04-07 第71回国会 参議院 予算委員会第二分科会 第3号
したがって、金が通貨的に、これは国際的に言えることと思いますけれども、それぞれの通貨の価値基準として、金本位制あるいはIMF体制のドルに対して寄せられていた信認というような程度に、金というものが今後国際通貨制の上で重要視されることは、傾向としてはまず薄いのではないか、こういうふうに考えます。
したがって、金が通貨的に、これは国際的に言えることと思いますけれども、それぞれの通貨の価値基準として、金本位制あるいはIMF体制のドルに対して寄せられていた信認というような程度に、金というものが今後国際通貨制の上で重要視されることは、傾向としてはまず薄いのではないか、こういうふうに考えます。
そういうことは国際通貨制を不安に導くことになり、一つの世界の理想に遠ざかるものでありますから、それは絶対にやるまい。これは国際的に合意ができたわけでございますから、その面からいえば、なるべくすみやかにそういう状態ができることが望ましいわけです。こういうふうな環境でございますから、何月まで続けるとか、何月以降でなければやれないとか、時間をあらかじめ日本だけが切ってこれをきめるべきものではない。
日本は現にフロートしていることはフロートしているのですが、本来的には、もし関係の各国がお互いに固定相場をつくったらばそれを守り合うという協力体制が必要である、しかもこれは具体的なアクションによってアシュアされたものでなければならない、それを前提にして国際通貨制を確立しようという、この考え方というものが合意された。そして当面の対策については、アメリカ政府もこの国際的な問題に対して責任を認識した。
同時にしかし、この二十カ国蔵相会議というようなものは、十カ国から二十カ国に広がり、ある程度の開発途上国なども熾烈な要望のもとに参加したわけでございますが、二十カ国蔵相会議の場で多数国間の通貨調整というものが会議の議事としあるいは結論として出るかどうかということよりも、これからの国際通貨制をどうしたらいいか、先ほど申しましたようなドルの金兌換というようなことがもう考えられないとするならば、それにかわってどうするべきかということのほうがむしろ
それから、先ほども触れているように、一部では金価格の値上げ論や、あるいは新しい準備資産の方法、たとえば国際通貨制といいますか、それに対して金のリンク制、いろいろ議論があるようですね。日本はそういうことには反対のようですが、現在、ドル必ずしも安定とはいえないと思います。世界的にドルは不安定であります。それに対して、ほとんどドルに身をまかせておる。
いまや国際通貨制の問題について冷静に考えなければならない。EEC六カ国はいまや米国と同じくらいの金準備を保有し、もしこれら六カ国が手持ちのドルの全部を金にかえるならば、その保有高はさらに大きくなろう。ドルの超絶的な価値はすでに失われておる。ドルはもはや公正な価値の国際的尺度ではなく、ある一国の持つ支払い手段にすぎない。